(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】円形ステープル留めデバイスのリロード組立体
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2019213209
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー スグロイ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/172582(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リロード組立体であって、
内側ハウジング部分
と外側ハウジング部分
とを含むシェルハウジングであって、前記内側ハウジング部分
は、中央穴を画定し、
前記内側ハウジング部分は、前記内側ハウジング部分と前記外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する
ように前記外側ハウジング部分から離隔されて
いる、シェルハウジングと、
前記シェルハウジングの遠位部分上に支持され
ているステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジ
は、複数のステープルポケットを有し、前記
複数のステープルポケットの
それぞれは、ステープルを受容する、ステープルカートリッジと、
前記環状空洞内に支持され
ているプッシャーであって、前記プッシャー
は、前記ステープルカートリッジから前記ステープルを排出するために、後退位置と前進位置との間で移動可能である、プッシャーと、
長手方向軸を画定する本体
と切り欠き
とを含むナイフキャリアであって、前記ナイフキャリア
は、前進位置と後退位置との間で前記シェルハウジングの前記環状空洞内で移動可能である、ナイフキャリアと、
前記ナイフキャリア上に支持され
ている環状ナイフであって、前記環状ナイフ
は、切断縁部を画定する遠位部分を有する、環状ナイフと、
前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分上に支持され
ているばねクリップであって、前記ばねクリップ
は、ロックタングと係合部分とを有し、前記ばねクリップは
、第1の位置
から第2の位置まで移動可能であ
り、前記第1の位置では、前記係合部分が前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分の前記中央穴を横切って延び、かつ
、前記ロックタングが前記ナイフキャリアの前記切り欠きの中に受容されて、前記ナイフキャリアの前進を妨げ
、前記第2の位置では、前記係合部が前記シェルハウジングの前記内側部分の前記中央穴から離隔され、かつ
、前記ロックタングが前記ナイフキャリアの前記切り欠きから取り除かれる
、ばねクリップ
と
を含むリロード組立体。
【請求項2】
前記シェル組立体の前記内側ハウジング部分
は、ブッシングを含み、前記ばねクリップ
は、前記ブッシングの周りで支持され
ている、請求項1に記載のリロード組立体。
【請求項3】
前記ブッシング
は、少なくとも部分的に前記ブッシングの周りに延びる凹部を画定し、前記ばねクリップ
は、前記凹部内に支持され
ている、請求項2に記載のリロード組立体。
【請求項4】
前記ブッシング
は、前記凹部を前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分の前記中央穴と連通させるスロットを画定し、前記ばねクリップの前記係合部分は、前記ばねクリップが前記
第1の位置にある場合に、前記スロットを横切って前記中央穴の中へと延びる、請求項3に記載のリロード組立体。
【請求項5】
前記ブッシング
は、前記凹部を画定する離隔したフランジを含み、前記ばねクリップの前記ロックタングは、前記ばねクリップが前記第1の位置にある場合に、前記フランジの半径方向外向きに延びる、請求項3に記載のリロード組立体。
【請求項6】
前記離隔したフランジ
は、前記ロックタングに隣接
するように配置され
ている平坦部を画定する、請求項5に記載のリロード組立体。
【請求項7】
前記プッシャー
は、環状プッシャーとプッシュ部材とを含み、前記プッシュ部材
は、前記ステープルカートリッジの前記
複数のステープルポケット内に受容される
複数のフィンガーを含む、請求項1に記載のリロード組立体。
【請求項8】
円形ステープル留めデバイスであって、
前記円形ステープル留めデバイスは、
接近部分
と遠位部分
とを有する細長い本体と、
前記細長い本体内に支持され
ている接近機構であって、前記接近機構
は、トロカールを含む、接近機構と、
アンビルシャフト
とアンビルヘッド
とを含むアンビル組立体であって、前記アンビルシャフト
は、前記トロカールを受容して前記アンビル組立体を前記トロカールに解放可能に連結するための穴を画定し、前記接近機構
は、離隔された位置とクランプ留めされた位置の間で前記ステープルカートリッジに対して
前記アンビル組立体を移動させるために起動可能である、アンビル組立体と、
前記細長い本体の前記遠位部分上に支持され
ているリロード組立体
と
を含み、
前記リロード組立体
は、
内側ハウジング部分
と外側ハウジング部分
とを含むシェルハウジングであって、前記内側ハウジング部分
は、中央穴を画定し、
前記内側ハウジング部分は、前記内側ハウジング部分と前記外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する
ように前記外側ハウジング部分から離隔されて
いる、シェルハウジングと、
前記シェルハウジングの遠位部分上に支持され
ているステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジ
は、複数のステープルポケットを有し、前記
複数のステープルポケットの
それぞれは、ステープルを受容する、ステープルカートリッジと、
前記シェルハウジングの前記環状空洞内に支持され
ているプッシャーであって、前記プッシャー
は、前記ステープルカートリッジから
前記ステープルを排出するために、後退位置と前進位置との間で移動可能である、プッシャーと、
長手方向軸を画定する本体
と切り欠きとを含むナイフキャリアであって、前記ナイフキャリア
は、前進位置と後退位置との間
で前記シェルハウジングの前記環状空洞内で移動可能である、ナイフキャリアと、
前記ナイフキャリア上に支持され
ている環状ナイフであって、前記環状ナイフ
は、切断縁部を画定する遠位部分を有する、環状ナイフと、
前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分上に支持され
ているばねクリップであって、前記ばねクリップ
は、ロックタング
と係合部分
とを有し、前記ばねクリップは
、第1の位置
から第2の位置まで移動可能であ
り、前記第1の位置では、前記係合部分が前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分の前記中央穴を横切って延び、かつ
、前記ロックタングが前記ナイフキャリアの前記切り欠きの中に受容されて、前記ナイフキャリアの前進を妨げ
、前記第2の位置では、前記係合部分が前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分の前記中央穴から離隔され、かつ
、前記ロックタングが前記ナイフキャリアの前記切り欠きから取り
除かれる、ばねクリップ
と
を含む、円形ステープル留めデバイス。
【請求項9】
前記シェル組立体の前記内側ハウジング部分
は、ブッシングを含み、前記ばねクリップ
は、前記ブッシングの周りで支持され
ている、請求項8に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項10】
前記ブッシング
は、少なくとも部分的に前記ブッシングの周りに延びる凹部を画定し、前記ばねクリップ
は、前記凹部内に支持され
ている、請求項9に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項11】
前記ブッシング
は、前記凹部を前記シェルハウジングの前記内側ハウジング部分の前記中央穴と連通させるスロットを画定し、前記ばねクリップの前記係合部分は、前記ばねクリップが前記第1の位置にある場合に、前記スロットを横切って前記中央穴の中へと延びる、請求項
10に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項12】
前記ブッシング
は、前記凹部を画定する離隔したフランジを含み、前記ばねクリップの前記ロックタングは、前記ばねクリップが前記第1の位置にある場合に、前記フランジから半径方向外向きに延びる、請求項10に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項13】
前記トロカール
は、前記内側ハウジング部分の前記中央穴を通って、前記前進位置と前記後退位置との間で移動可能である、請求項8に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項14】
前記アンビルシャフトは、前記アンビル組立体が前記クランプ留めされた位置に向かって移動した場合に、前記ばねクリップの前記係合部分に係合して、前記ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置されている、請求項13に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項15】
前記プッシャー
は、環状プッシャーとプッシュ部材とを含み、前記プッシュ部材
は、前記ステープルカートリッジの
前記複数のステープルポケット内に受容される
複数のフィンガーを含む、請求項8に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項16】
前記円形ステープル留めデバイスは、ハンドル組立体をさらに含み、前記細長い本体
は、前記ハンドル組立体上に支持され
ている、請求項8に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項17】
前記細長い本体
は、ロボット手術システムに連結されるように適合されている、請求項8に記載の円形ステープル留めデバイス。
【請求項18】
前記トロカールは、前記アンビル組立体が前記クランプ位置に向かって移動した場合に、前記ばねクリップの前記係合部分と係合して、前記ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置および構成されている、請求項13に記載の円形ステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月28日出願「米国仮特許出願第62/772,326号」の利益および優先権を主張し、その開示内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
本開示は、円形ステープル留めデバイスに関し、より詳細には、ステープル留めデバイスへのアンビル組立体の取り付けの前に、ナイフキャリアを後退位置に保持する構造を有する円形ステープル留めデバイスのためのリロード組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の円形ステープル留めデバイスは、細長い本体と、細長い本体の遠位部分上に支持されたシェルまたはリロード組立体とを含む。リロード組立体は、シェルハウジングと、複数のステープルを有するシェルハウジング上に支持されたステープルカートリッジと、プッシャー組立体と、円筒形空洞を画定するナイフと、ナイフを支持し、かつステープルカートリッジを通ってコア組織まで移動可能なナイフキャリアとを含む。プッシャー組立体は、環状プッシャーと、環状プッシャーと係合され、かつステープルプッシュ部材を移動させてステープルカートリッジからステープルを排出するために移動可能なステープルプッシュ部材とを含む。
【0004】
組織をステープル留めし、切断するために、ステープル留めデバイスを操作した後、ナイフキャリアおよびナイフが後退されて、ナイフをシェルハウジングの中に引き込み、アンビル組立体がステープル留めデバイスから取り外される。これには2つの目的がある。第1の目的は、臨床医がナイフにアクセスできるようにし、ナイフにより画定された穴の内部から組織ドーナツを除去できるようにすることである。第2の目的は、シェルハウジング内の凹んだ場所にナイフを配置し、リロード組立体の操作および廃棄中に、臨床医が負傷しないようにすることである。
【0005】
ある例では、組織ドーナツはナイフにより画定された空洞内で圧縮されており、そのため、ナイフにより画定された空洞から組織ドーナツを除去することにより、ナイフをシェルハウジング内から前進させ、ナイフの切断縁部を露出させる場合がある。これにより、臨床医にとって危険な状態を生じる。
【0006】
臨床医への危険を最小限に抑えるために、アンビル組立体がステープル留めデバイスから取り外されたときにナイフキャリアおよびナイフを後退位置に保持するための改善された構造を含むリロード組立体に対する継続的な必要性が当該技術分野において存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、シェルハウジング、ステープルカートリッジ、プッシャー、ナイフキャリア、環状ナイフ、およびばねクリップを含むリロード組立体に関する。シェルハウジングは、内側ハウジング部分および外側ハウジング部分を含む。内側ハウジング部分は、中央穴を画定し、かつ外側ハウジング部分から離隔されて、内側ハウジング部分と外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する。ステープルカートリッジは、シェルハウジングの遠位部分上に支持され、かつ複数のステープルポケットを有する。ステープルポケットの各々は、ステープルを受容する。プッシャーは、環状空洞内に支持され、ステープルカートリッジからステープルを排出するために後退位置と前進位置との間で移動可能である。ナイフキャリアは、長手方向軸を画定する本体と、切り欠きとを含み、シェルハウジングの環状空洞内で、前進位置と後退位置との間で移動可能である。環状ナイフは、ナイフキャリア上に支持され、切断縁部を画定する遠位部分を有する。ばねクリップは、シェルハウジングの内側ハウジング部分上に支持され、ロックタングおよび係合部分を有する。ばねクリップは、係合部分が内側ハウジング部分の中央穴を横切って延び、かつロックタングがナイフキャリアの切り欠き内に受容されて、ナイフキャリアの前進を妨げる第1の位置から、係合部分が内側ハウジング部分の中央穴から離隔され、かつロックタングがナイフキャリアの切り欠きから取り外される第2の位置まで移動可能である。
【0008】
本開示の別の態様は、細長い本体、接近機構、アンビル組立体、およびリロード組立体を含む円形ステープル留めデバイスに関する。細長い本体は、近位部分および遠位部分を有する。接近機構は、細長い本体内に支持され、トロカールを含む。アンビル組立体は、アンビルシャフトおよびアンビルヘッドを含む。アンビルシャフトは、トロカールを受容してアンビル組立体をトロカールに解放可能に連結する穴を画定する。接近機構は、離隔位置とクランプ位置との間でステープルカートリッジに対してアンビル組立体を移動させるように作動可能である。リロード組立体は、細長い本体の遠位部分上に支持され、シェルハウジング、ステープルカートリッジ、プッシャー、ナイフキャリア、環状ナイフ、およびリロード組立体を含む。シェルハウジングは、内側ハウジング部分および外側ハウジング部分を含む。内側ハウジング部分は、中央穴を画定し、外側ハウジング部分から離隔されて、内側ハウジング部分と外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する。ステープルカートリッジは、シェルハウジングの遠位部分上に支持され、複数のステープルポケットを有する。ステープルポケットの各々は、ステープルを受容する。プッシャーは、シェルハウジングの環状空洞内に支持され、ステープルカートリッジからステープルを排出するために、後退位置と前進位置との間で移動可能である。ナイフキャリアは、長手方向軸画定する本体と切り欠きを含み、シェルハウジングの環状空洞内で、前進位置と後退位置との間で移動可能である。環状ナイフは、ナイフキャリア上に支持され、切断縁部を画定する遠位部分を含む。ばねクリップは、シェルハウジングの内側ハウジング部分上に支持され、ロックタングと係合部分を有する。ばねクリップは、係合部分が内側ハウジング部分の中央穴を横切って延び、かつロックグタングがナイフキャリアの切り欠き内に受容されて、ナイフキャリアの前進を妨げる第1の位置から、係合部分が内側ハウジング部分の中央穴から離隔され、かつロックタングがナイフキャリアの切り欠きから取り外される第2の位置まで移動可能である。
【0009】
実施態様では、シェル組立体の内側ハウジング部分は、ブッシングを含み、ばねクリップはブッシングの周りに支持される。
【0010】
ある実施態様では、ブッシングは、ブッシングの周りに少なくとも部分的に延びる凹部を画定し、ばねクリップは凹部内に支持される。
【0011】
特定の実施態様において、ブッシングは、凹部を内側ハウジング部分の中央穴と連通させるスロットを画定し、ばねクリップの係合部分は、ばねクリップが第1の位置にある場合に、スロットを横切って中央穴の中へと延びる。
【0012】
実施態様では、ブッシングは、凹部を画定する離隔されたフランジを含み、ばねクリップが第1の位置にある場合に、ばねクリップのロックタングは、離隔されたフランジの半径方向外向きに延びる。
【0013】
ある実施態様では、離隔されたフランジは、ロックタングに隣接して配置された平坦部を画定する。
【0014】
特定の実施態様において、プッシャー組立体は、環状プッシャーと、ステープルカートリッジのステープルポケット内に受容されるフィンガーを含むプッシュ部材とを含む。
【0015】
実施態様において、トロカールは、内側ハウジング部分の中央穴を通って、前進位置と後退位置との間で移動可能である。
【0016】
ある実施態様では、アンビル組立体がクランプ位置に向かって移動した場合に、アンビルシャフトは、ばねクリップの係合部分に係合し、ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置される。
【0017】
特定の実施態様では、ステープル留めデバイスは、ハンドル組立体を含み、細長い本体は、ハンドル組立体上に支持される。
【0018】
実施態様では、細長い本体は、ロボット手術システムに連結されるように適合される。
【0019】
実施態様において、トロカールは、アンビル組立体がクランプ位置に向かって移動した場合に、ばねクリップの係合部分と係合し、ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置および構成される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
リロード組立体であって、
内側ハウジング部分および外側ハウジング部分を含むシェルハウジングであって、上記内側ハウジング部分が、中央穴を画定し、上記外側ハウジング部分から離隔されて、上記内側ハウジング部分と上記外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する、シェルハウジングと、
上記シェルハウジングの遠位部分上に支持されたステープルカートリッジであって、上記ステープルカートリッジが複数のステープルポケットを有し、上記ステープルポケットの各々がステープルを受容する、ステープルカートリッジと、
環状空洞内に支持されたプッシャーであって、上記プッシャーが、上記ステープルカートリッジから上記ステープルを排出するために、後退位置と前進位置との間で移動可能である、プッシャーと、
長手方向軸を画定する本体および切り欠きを含むナイフキャリアであって、上記ナイフキャリアが、上記環状空洞内で、前進位置と後退位置との間で上記シェルハウジングの上記環状空洞内で移動可能である、ナイフキャリアと、
上記ナイフキャリア上に支持された環状ナイフであって、上記環状ナイフが、切断縁部を画定する遠位部分を有する、環状ナイフと、
上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分上に支持されたばねクリップであって、上記ばねクリップが、ロックタングと係合部分とを有し、上記ばねクリップは、上記係合部分が上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分の上記中央穴を横切って延び、かつ上記ロックタングが上記ナイフキャリアの上記切り欠きの中に受容されて、上記ナイフキャリアの前進を妨げる第1の位置から、上記係合部が上記シェルハウジングの上記内側部分の上記中央穴から離隔され、かつ上記ロックタングが上記ナイフキャリアの上記切り欠きから取り除かれる第2の位置まで移動可能である、ばねクリップと、を含むリロード組立体。
(項目2)
上記シェル組立体の上記内側ハウジング部分が、ブッシングを含み、上記ばねクリップが上記ブッシングの周りで支持される、上記項目に記載のリロード組立体。
(項目3)
上記ブッシングが、少なくとも部分的に上記ブッシングの周りに延びる凹部を画定し、上記ばねクリップが上記凹部内に支持される、上記項目のいずれかに記載のリロード組立体。
(項目4)
上記ブッシングが、上記凹部を上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分の上記中央穴と連通させるスロットを画定し、上記ばねクリップの上記係合部分は、上記ばねクリップが上記第1の部分にある場合に、上記スロットを横切って上記中央穴の中へと延びる、上記項目のいずれかに記載のリロード組立体。
(項目5)
上記ブッシングが、上記凹部を画定する離隔したフランジを含み、上記ばねクリップの上記ロックタングは、上記ばねクリップが上記第1の位置にある場合に、上記フランジの半径方向外向きに延びる、上記項目のいずれかに記載のリロード組立体。
(項目6)
上記離隔したフランジが、上記ロックタングに隣接して配置された平坦部を画定する、上記項目のいずれかに記載のリロード組立体。
(項目7)
上記プッシャーが、環状プッシャーとプッシュ部材とを含み、上記プッシュ部材が、上記ステープルカートリッジの上記ステープルポケット内に受容されるフィンガーを含む、上記項目のいずれかに記載のリロード組立体。
(項目8)
円形ステープル留めデバイスであって、
接近部分および遠位部分を有する細長い本体と、
上記細長い本体内に支持された接近機構であって、上記接近機構がトロカールを含む、接近機構と、
アンビルシャフトおよびアンビルヘッドを含むアンビル組立体であって、上記アンビルシャフトが、上記トロカールを受容して上記アンビル組立体を上記トロカールに解放可能に連結するための穴を画定し、上記接近機構が、アンビル組立体を、離隔された位置とクランプ留めされた位置の間で上記ステープルカートリッジに対して移動させるために起動可能である、アンビル組立体と、
上記細長い本体の上記遠位部分上に支持されたリロード組立体と、を含み、上記リロード組立体が、
内側ハウジング部分および外側ハウジング部分を含むシェルハウジングであって、上記内側ハウジング部分が、中央穴を画定し、上記外側ハウジング部分から離隔されて、上記内側ハウジング部分と上記外側ハウジング部分との間に環状空洞を画定する、シェルハウジングと、
上記シェルハウジングの遠位部分上に支持されたステープルカートリッジであって、上記ステープルカートリッジが複数のステープルポケットを有し、上記ステープルポケットの各々がステープルを受容する、ステープルカートリッジと、
上記シェルハウジングの上記環状空洞内に支持されたプッシャーであって、上記プッシャーが、上記ステープルを上記ステープルカートリッジから排出するために、後退位置と前進位置との間で移動可能である、プッシャーと、
長手方向軸を画定する本体と、切り欠きとを含むナイフキャリアであって、上記ナイフキャリアが、前進位置と後退位置との間で、上記シェルハウジングの上記環状空洞内で移動可能である、ナイフキャリアと、
上記ナイフキャリア上に支持された環状ナイフであって、上記環状ナイフが、切断縁部を画定する遠位部分を有する、環状ナイフと、
上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分上に支持されたばねクリップであって、上記ばねクリップが、ロックタングおよび係合部分を有し、上記ばねクリップは、上記係合部分が上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分の上記中央穴を横切って延び、かつ上記ロックタングが上記ナイフキャリアの上記切り欠きの中に受容されて、上記ナイフキャリアの前進を妨げる第1の位置から、上記係合部分が上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分の上記中央穴から離隔され、かつ上記ロックタングが上記ナイフキャリアの上記切り欠きから取り外される第2の位置まで移動可能である、ばねクリップと、を含む、円形ステープル留めデバイス。
(項目9)
上記シェル組立体の上記内側ハウジング部分が、ブッシングを含み、上記ばねクリップが、上記ブッシングの周りで支持される、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目10)
上記ブッシングが、少なくとも部分的に上記ブッシングの周りに延びる凹部を画定し、上記ばねクリップが、上記凹部内に支持される、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目11)
上記ブッシングが、上記凹部を上記シェルハウジングの上記内側ハウジング部分の上記中央穴と連通させるスロットを画定し、上記ばねクリップの上記係合部分は、上記ばねクリップが上記第1の位置にある場合に、上記スロットを横切って上記中央穴の中へと延びる、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目12)
上記ブッシングが、上記凹部を画定する離隔したフランジを含み、上記ばねクリップの上記ロックタングは、上記ばねクリップが上記第1の位置にある場合に、上記フランジから半径方向外向きに延びる、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目13)
上記トロカールが、上記内側ハウジング部分の上記中央穴を通って、上記前進位置と上記後退位置との間で移動可能である、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目14)
上記アンビルシャフトは、上記アンビル組立体が上記クランプ留めされた位置に向かって移動した場合に、上記ばねクリップの上記係合部分に係合して、上記ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置されている、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目15)
上記プッシャーが、環状プッシャーとプッシュ部材とを含み、上記プッシュ部材が、上記ステープルカートリッジのステープルポケット内に受容されるフィンガーを含む、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目16)
ハンドル組立体をさらに含み、上記細長い本体が、上記ハンドル組立体上に支持される、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目17)
上記細長い本体が、ロボット手術システムに連結されるように適合されている、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(項目18)
上記トロカールは、上記アンビル組立体が上記クランプ位置に向かって移動した場合に、上記ばねクリップの上記係合部分と係合して、上記ばねクリップをその第1の位置からその第2の位置まで移動させるように配置および構成されている、上記項目のいずれかに記載の円形ステープル留めデバイス。
(摘要)
リロード組立体、シェルハウジング、ステープルカートリッジ、プッシャー組立体、ナイフキャリア、環状ナイフおよびばねクリップ。シェルハウジングは、中央穴を画定する内側ハウジング部分を含む。ナイフキャリアは、長手方向軸を画定する本体と、切り欠きとを含み、シェルハウジング内で前進位置と後退位置との間で移動可能である。ばねクリップは、シェルハウジングの内側ハウジング部分上に支持され、ロックタングと係合部分を有する。ばねクリップは、ロックタングがナイフキャリアの切り欠き内に受容され、ナイフキャリアの前進を妨げる第1の位置から、ロックタングがナイフキャリアの切り欠きから取り外される第2の位置まで移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示のリロード組立体の様々な実施態様が、図面を参照して本明細書で以下に記載され、
【0021】
【
図1】本開示による、本開示のリロード組立体の例示的な実施態様を含む円形ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
【
図2】外科用ステープル留めデバイスのリロード組立体、アンビル組立体、および細長い本体の遠位部分を含む、
図1の円形ステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視分解図である。
【
図3】
図2のリロード組立体の分解側面斜視図である。
【
図4】
図3に示す示された領域の細部拡大図である。
【
図5】
図3に示すリロード組立体のブッシングの側面斜視図である。
【
図6】
図6に示すブッシングの近位端からの斜視図である。
【
図7】90度回転させた、
図6に示すブッシングの近位端からの斜視図である。
【
図8】
図3に示すリロード組立体のナイフキャリアの側面斜視図である。
【
図9】ナイフキャリアがシェルハウジング内で後退位置にあり、かつシェルハウジングが仮想線で示される、
図3に示すリロード組立体のナイフキャリアとシェルハウジングの側面斜視図である。
【
図10】
図9の断面線10-10に沿ってとられた断面図である。
【
図11】
図2の断面線11-11に沿った断面図である。
【
図12】リロード組立体が外科用ステープル留めデバイスのアダプタ組立体に固定され、アンビル組立体がトロカール組立体に取り付けられ、アンビル組立体がリロード組立体に対してクランプ位置に配置された、
図2の断面線11-11に沿ってとられた断面図である。
【
図13】
図12の断面線13-13に沿ってとられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書で開示されるリロード組立体について、図面を参照して詳細に説明するが、同様の参照番号は、幾つかの図の各々において同一の要素または対応する要素を指す。しかしながら、開示される実施態様が、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な態様で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に記述して本開示が不明瞭になることを避けるために、詳細には記載されていない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、また本開示を実質的に任意の適切に詳細な構造として様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0023】
この説明では、「近位」という用語は、臨床医に近い方のデバイスの当該部分を指して使用されるのに対し、「遠位」という用語は一般的に、臨床医から遠い方のデバイスの当該部分を指して一般的に使用される。さらに、「内視鏡」という用語は、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、および/または、小径の切開またはカニューレを通って行われる他の手順を指すために一般的に使用される。さらに、「臨床医」という用語は一般的に、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0024】
図1および
図2は、一般的にリロード組立体100として示される本開示のリロード組立体の例示的な実施態様を含む円形ステープル留めデバイス10を図示する。ステープル留めデバイス10は、ハンドル組立体12、細長い本体またはアダプタ組立体14、リロード組立体100、および、後述するように、離隔された位置と接近位置との間でリロード組立体100に関して移動させるように支持されるアンビル組立体18を含む。リロード組立体100は、細長い本体14の遠位部分14aに解放可能に連結される近位部分102(
図1)を含む。ハンドル組立体12は、それぞれリロード組立体100およびアンビル組立体18の接近、リロード組立体100からのステープルの発射、および組織の切断またはコアリングを含むステープル留めデバイス10の様々な機能の動作を制御するための作動ボタン24を支持する静止グリップ22を含む。
【0025】
ステープル留めデバイス10は、電動ハンドル組立体12を含む電動ステープル留めデバイスとして図示される。細長い本体14は、電力をハンドル組立体12から、リロード組立体100およびアンビル組立体18にそれぞれ変換するアダプタ組立体の態様である。電動ステープル留めデバイスの例は、米国特許第9,055,943号(’943特許)、9,023,014号(’014特許)、および米国公開第2018/0125495号、および2017/0340351号に記載され、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれ得る。あるいは、本開示は、米国特許第7,303,106号(’106特許)に開示されるような手動動力式ステープル留めデバイス、または、ハンドル組立体を含まない米国特許第9,962,159号(’159特許)に開示されるようなロボットシステムとともに使用するために構成されたステープル留めデバイスに組み込まれる得ることが想到される。’106特許および’159特許も、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0026】
図2を参照すると、アダプタ組立体14は、アダプタ組立体14の遠位部分14aから、リロード組立体10を通って延びるトロカール30を含む。トロカール30は、ステープル留めデバイス10の接近機構(図示されない)の一部を形成する。アンビル組立体18は、アンビルヘッド40およびアンビルシャフト42を含む。アンビルシャフト42は、アダプタ組立体14の遠位部分14a上にアンビル組立体18を支持するために、トロカール30に解放可能に連結されるように構成される。接近機構のトロカール18は、リロード組立体100に対して移動可能であり、アンビル組立体18を、リロード組立体100に対して、離隔位置(
図1)とクランプ位置(
図12)との間に移動させる。ステープル留めデバイス10の、トロカール30、アンビル組立体18、および接近組立体(図示されない)のより詳細な説明については、’106を参照されたい。
【0027】
図3を参照すると、リロード組立体100は、シェルハウジング110、プッシャー組立体112(
図11)、ナイフキャリア114、ナイフキャリア114上に支持された環状ナイフ116、ステープルカートリッジ118、およびステープルカートリッジ118内に支持された複数のステープル120を含む。ステープルカートリッジ118は環状であり、ステープルポケット124の環状列を画定する。ステープルポケット124の各々は、複数のステープル120のうちの1つを支持する。プッシャー組立体112は、共に長手方向貫通穴132を画定する、環状プッシャー128およびステープルプッシュ部材130を含む。プッシャー128は、シェルハウジング110内のプッシャー128の遠位の動きが、ステープルプッシュ部材130の遠位の動きを引き起こすように、ステープルプッシュ部材130の近位部分に隣接する遠位部分を有する。リロード100のステープルプッシュ部材130は、複数のフィンガー134を有する。複数のフィンガー134の各々は、ステープルカートリッジ118のステープルポケット124の各々の一つの中に収容され、各ステープルポケット124を通って移動可能であり、ステープルプッシュ部材130がシェルハウジング110内で、後退位置から前進位置まで遠位に移動した場合に、ステープル120をステープルポケット124から排出する。
【0028】
シェルハウジング110は、外側ハウジング部分140および内側ハウジング部分142を含み、これらは互いに離隔して環状空洞144を画定する。プッシャー組立体112(
図11)、ナイフキャリア114、および環状ナイフ116は、シェルハウジング110の環状空洞144内で、後退位置と前進位置との間で移動可能である。プッシャー組立体112は、ステープルカートリッジ118からステープル120を排出するために、ナイフキャリア114および環状ナイフ116とは独立して、その後退位置からその前進位置まで移動可能である。環状ナイフ116は、ナイフキャリア114により画定される円筒形空洞114a内に支持される。実施態様では、ナイフ116は、ナイフキャリア114の円筒形空洞114a内にナイフ116を固定するために、ナイフキャリア114に画定された凹部114bに受容される突起116aを含む。あるいは、ナイフ116をナイフキャリア114に固定するために、他の固定技術を使用してもよい。プッシャー組立体112(
図11)がその後退位置からその前進位置まで移動した後に、ナイフキャリア114を、その後退位置からその前進位置まで移動し、ステープルカートリッジ118の半径方向内側に配置された組織を切断することができる。
【0029】
シェルハウジング110の内側ハウジング部分142は、アンビル組立体18のアンビルシャフト42(
図2)を受容する貫通穴150および、アダプタ組立体14のトロカール30を画定する。貫通穴150は、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142の貫通穴150と同軸の貫通穴150aを画定するブッシング152も支持する。実施態様では、ブッシング152は、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142に更なる強度を提供するために、例えば金属などの高強度材料で形成される。
【0030】
リロード組立体100は、シェルハウジング110上に支持されるeプロム154を含むことができる。当技術分野で知られているように、eプロム154は、アダプタ組立体14と通信して、リロード組立体10の特性に関する情報をアダプタ組立体14およびハンドル組立体12に提供する。
【0031】
図4~
図7を参照すると、ブッシング152は、離隔されたフランジ162aおよび162bによって分離された遠位部分160aおよび近位部分160bを含む。離隔されたフランジ162aおよび162bは、ブッシング152の周りに少なくとも部分的に延びる凹部164を画定する。ブッシング152は、ブッシング152を通って延び、凹部164を貫通穴150aに接続するスロット166を含む。実施態様では、ブッシング152の遠位部分160aは、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142内に受容され、シェルハウジング110の内側ハウジング部分110内にブッシング152を摩擦固定する一連の離隔された環状リブまたは突起163を含む。シェルハウジング110内にブッシング152を固定するために、圧着、溶接、オーバーモールディングなどを含む他の締結技術が使用され得ることが想到される。
【0032】
ブッシング152は、弾性ばねクリップ168を支持する。より具体的には、ばねクリップ168は、ブッシング152のフランジ162aと162bとの間に画定された凹部164内に支持される。実施態様では、ばねクリップ168は、凹部164内でブッシング152の周りに配置されるように変形することができる実質的にC字形の構成を有する。実施態様では、ばねクリップ168は、第1の端部168a、ロックタング169を画定する第2の端部168bおよび中央部分または係合部分168cを有する。ばねクリップ168の中央部分168cは、ばねクリップ168が凹部164内に受容されている場合に、スロット166を横切って、ブッシング152により画定される貫通穴150(
図7)の中へと延びる。ばねクリップ168の第2の端部168bは、ロックタング169が、フランジ162aおよび162bによって画定される凹部164から延びるように、ブッシング152の外側に向かって角度が付けられる。実施態様では、ブッシング152のフランジ162aおよび162bは、ロックタング169が凹部164から延びるように、ばねクリップ168のロックタング169と整列する平坦部170(
図7)を含む。平坦部170は、ばねクリップ168の第2の端部168bが、凹部164から延びることを可能にするために、スロット166と整列されるべきである。実施態様では、ばねクリップ168は、ばね鋼、ポリマーなどを含む様々な弾性材料で形成することができる。
【0033】
ブッシング152は、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142と一体的または一枚岩的に形成され得る、および/または、ばねクリップは、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142上に支持され得ることが想到される。
【0034】
図8~11を参照すると、ナイフキャリア114は、プッシュ組立体112の貫通穴132(
図11)内で、その後退位置と前進位置との間で移動可能に配置され、段付き中央穴172を画定する。段付き中央穴172は、小径の近位部分172aと、大径の遠位部分172bを含む(
図11)。ナイフキャリア114の中央穴172の近位部分172aは、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142およびブッシング152(
図11)を受容し、その結果、ナイフキャリア114が内側ハウジング部分142およびブッシング152の周りで、後退位置と前進位置の間を摺動させる。
【0035】
ナイフキャリア114の近位部分172aは、切り欠き174を画定する。ナイフキャリア114、したがってナイフ116が後退位置にある場合に(
図10および
図11)、アンビル組立体18をトロカール30に取り付ける前に、切り欠き174は、ロックタング169が切り欠き174内に受容されるように、ばねクリップ168の第2の端部168bでロックタング169と整列される。ばねクリップ168のロックタング169が切り欠き174内に配置される場合に、ばねクリップ168は、シェルハウジング110の内側ハウジング部分142の周りで、ナイフキャリア114およびナイフ116の前進を妨げる。
図10に見られるように、アンビル組立体18をトロカール30に取り付ける前に、ばねクリップ168の中央部分168cは、ブッシング152の貫通穴150aを横切って延びる。
【0036】
リロード組立体100をアダプタ14に取り付ける前に、ロックタング169は、ナイフキャリア114の切り欠き174と整列され、かつその中に受容されて、ナイフキャリア114を後退位置にロックする。これにより、使用前のリロード組立体100の輸送中に臨床医が負傷するリスクが最小限に抑えられる。
【0037】
図12および
図13を参照すると、アンビル組立体18がトロカール30に取り付けられる場合に、トロカール30は、アンビルシャフト42が、内側ハウジング部分142の中央穴150および、ブッシング152の中央穴150aと整列するように、アンビルシャフト42の可とう性の脚部52により画定される穴50の中に受容される。アンビル組立体18およびリロード組立体100が離隔位置にある場合に(
図1)、アンビルシャフト42の脚部52の近位端は、ばねクリップ168の中央部分168cから遠位に離隔され、その結果、ばねクリップ168は、ブッシング152の貫通穴150a内に留まる。この位置において、ばねクリップ168のロックタング169は、ナイフキャリア114をその後退位置にロックするために、ナイフキャリア114の切り欠き174と整列され、かつその中に受容されたままになる。
【0038】
アンビル組立体18およびリロード組立体100が
図12の矢印「D」によって示される方向でクランプ位置まで後退される場合に、アンビル組立体18のトロカール30およびアンビルシャフト42がシェルハウジング110の内側ハウジング部分142の中へ、またブッシング152の中へ引き込まれる。アンビル組立体18およびリロード組立体がクランプ位置に近づくと、アンビルシャフト42の脚部52の近位端は、ばねクリップ168の中央部分168cと係合し、ばねクリップ168を
図13の矢印「E」により示される方向に変形させる。中央部分168cが矢印「E」によって示される方向に移動すると、ばねクリップ168の第2の端部168b上のロックタング169は、ナイフキャリア114の中で切り欠き174から、矢印「F」により示される方向に引っ張られ、前進のためにナイフキャリア114を解放する。ステープル留めデバイス10を作動させて、ステープル120(
図3)を発射し、組織を切断することができる。
【0039】
ステープル留めデバイスが発射され、ナイフキャリア114が後退された後に、ばねクリップ168の第2の端部168bは、ナイフキャリア114の切り欠き174と整列するように戻る。アンビル組立体18およびリロード組立体100がそれらの離隔位置に戻る場合に、アンビルシャフト42の脚部52は、ばねクリップ168の中央部分168cとの係合から外れ、ばねクリップの中央部分168cが、ブッシング152の中央穴150aの中へスナップ結合するのを可能にし、ばねクリップ168の第2の端部でロックタング169が、ナイフキャリア114の切り欠き174の中に戻るのを可能にし、ナイフキャリア114の前進を再び妨げる。
【0040】
本開示のリロード組立体100は、アンビル組立体18がステープル留めデバイス10のトロカール30に取り付けられていない第1の状態において、およびアンビル組立体18がトロカール30に取り付けられているがステープルカートリッジ118に対して離隔位置にある第2の状態において、ナイフキャリア114の前進を妨げる。これら両方の状態において、ナイフが前進する場合に、臨床医はナイフ116の切断縁部117にアクセスすることができる。これらの状態でのナイフキャリア114およびナイフ116の前進を防止することにより、環状ナイフ116により画定された空洞からの組織ドーナツの除去中に、リロード組立体100をアダプタ組立体14から取り外す際に、臨床医がナイフ116の露出した切断縁部117により負傷する可能性が最小限に抑えられる。
【0041】
代替実施態様では、トロカール30(
図12)は、トロカール30がその後退位置と前進位置との間を移動すると、ばねクリップ168の中央部分168cに係合し、ナイフキャリア114をロック解除するように構成され得る。例えば、トロカール30は、アンビル組立体18のアンビルシャフト42が中央部分168cに係合する前に、ばねクリップ168の中央部分168cに係合するように構成され得る。そのような実施態様では、アンビルシャフト42の脚部52の近位端がばねクリップ168の中央部分168cに係合する前に、ばねクリップ168のロックタング169はナイフキャリア114の中で切り欠き174から取り外される。
【0042】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に例示されるデバイスおよび方法が、非限定的かつ例示的な実施態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施態様に関連して例示または記述される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせてもよいことが想到される。同様に、当業者であれば、上述の実施態様に基づく本開示の更なる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示および記述されているものによって限定されるものではない。