(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】衝撃波式スートブロワシステムおよびその運転方法
(51)【国際特許分類】
F23J 3/00 20060101AFI20240322BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F23J3/00 101Z
F23K5/00 301E
F23K5/00 302
(21)【出願番号】P 2019231200
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉川 充
(72)【発明者】
【氏名】森田 介斗
(72)【発明者】
【氏名】田代 英之
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/185736(WO,A1)
【文献】特開平07-171433(JP,A)
【文献】特開平07-155859(JP,A)
【文献】特表2012-502242(JP,A)
【文献】特開2005-315250(JP,A)
【文献】特開2005-188918(JP,A)
【文献】特表2017-512126(JP,A)
【文献】特開2019-195808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0120336(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104776438(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107101211(CN,A)
【文献】中国実用新案第209470232(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104331038(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0167970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 3/00
F23K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスとの混合気を燃焼させることにより衝撃波を出力する衝撃波式スートブロワを含むシステムであって、
前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを混合して燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室で生成した燃焼ガスを吐出することにより衝撃波を出力する吐出口を有するスートブロワ本体と、
前記燃焼室に前記燃料ガスを供給する燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室へ前記燃料ガスを供給する燃料供給路に設けられた燃料供給路開閉弁と、
前記燃焼室に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤供給源と、
前記酸化剤供給源から前記燃焼室へ前記酸化剤ガスを供給する酸化剤供給路に設けられた酸化剤供給路開閉弁と、
を備える前記衝撃波式スートブロワと、
前記燃焼室内の圧力を測定する燃焼室圧力測定装置と、
前記燃焼室圧力測定装置で測定した圧力値が、前記衝撃波の所望の衝撃力に対応する所定値に達するように前記燃料供給路開閉弁および前記酸化剤供給路開閉弁の開閉を制御する弁制御装置と、
を備え
、
前記燃焼室へのガス供給が、前記燃焼室圧力測定装置によって、前記燃焼室内の圧力をモニタリングしながら行われる、衝撃波式スートブロワシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の衝撃波式スートブロワシステムにおいて、
前記燃料供給源と前記燃焼室の間に設けられて前記燃料ガスを貯留する燃料貯留タンクと、
前記燃料貯留タンク内の圧力を測定する燃料貯留タンク圧力測定装置と、
前記酸化剤供給源と前記燃焼室の間に設けられて前記酸化剤ガスを貯留する酸化剤貯留タンクと、
前記酸化剤貯留タンク内の圧力を測定する酸化剤貯留タンク圧力測定装置と、
を備える衝撃波式スートブロワシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の衝撃波式スートブロワシステムを運転する方法であって、
前記燃料供給路開閉弁を開いて、前記燃料供給路から前記燃焼室へ前記燃料ガスを供給する過程と、
前記酸化剤供給路開閉弁を開いて、前記酸化剤供給路から前記燃焼室へ前記酸化剤ガスを供給する過程と、
前記燃焼室圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値に達したときに、前記燃料供給路開閉弁および前記酸化剤供給路開閉弁を閉じる過程と、
を備える衝撃波式スートブロワシステムの運転方法。
【請求項4】
請求項2を引用する請求項3に記載の運転方法において、
前記燃料貯留タンク圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで前記燃料供給源から前記燃料ガスを補充する過程と、
前記酸化剤貯留タンク圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで前記酸化剤供給源から前記酸化剤ガスを補充する過程と、
を備える衝撃波式スートブロワシステムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃波式スートブロワを含むシステムおよびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばボイラなどの装置に、装置内の機器表面(例えば、過熱器の表面)に付着したダストを除去するために、衝撃波式スートブロワが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この衝撃波式スートブロワは、燃料ガスおよび酸化剤ガスを含む混合気を燃焼させて衝撃波を発生させ、この衝撃波を装置の内部空間に放出するように構成されている。この衝撃波により、装置内の機器表面からダストが除去される。
【0003】
一般的に、衝撃波式スートブロワは、燃料ガスと酸化剤ガスを混合して燃焼させる燃焼室と、燃焼室に供給するための燃料ガスおよび酸化剤ガスの各々を貯留しておく燃料ガス充填タンクおよび酸化剤ガス充填タンクを備えており、従来、前記燃焼室へのガス供給は、各充填タンクに燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ所定の設定圧力値になるまで充填し、その後、各充填タンク内のガスを所定時間(各充填タンク内の圧力と燃焼室内の圧力が平衡に達するのに十分な時間)燃焼室へ転送することにより行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、衝撃波式スートブロワにおいて、出力される衝撃波の衝撃力は燃焼室内の圧力によって決まるのに対し、上述のような運転方法では、燃焼室内の圧力が目標値に対してばらつきが大きいことから、衝撃力を精度良く制御することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するために、衝撃波式スートブロワから出力される衝撃力を高精度に制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明に係る衝撃波式スートブロワシステムは、
燃料ガスと酸化剤ガスとの混合気を燃焼させることにより衝撃波を出力する衝撃波式スートブロワを含むシステムであって、
前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを混合して燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室で生成した燃焼ガスを吐出することにより衝撃波を出力する吐出口を有するスートブロワ本体と、
前記燃焼室に前記燃料ガスを供給する燃料供給源と、
前記燃料供給源から前記燃焼室へ前記燃料ガスを供給する燃料供給路に設けられた燃料供給路開閉弁と、
前記燃焼室に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤供給源と、
前記酸化剤供給源から前記燃焼室へ前記酸化剤ガスを供給する酸化剤供給路に設けられた酸化剤供給路開閉弁と、
を備える前記衝撃波式スートブロワと、
前記燃焼室内の圧力を測定する燃焼室圧力測定装置と、
前記燃焼室圧力測定手段で測定した圧力値に応じて前記燃料供給路開閉弁および前記酸化剤供給路開閉弁の開閉を制御する弁制御装置と、
を備える。
【0008】
また、本発明に係る上記衝撃波式スートブロワシステムの運転方法は、
前記燃料供給路開閉弁を開いて、前記燃料供給路から前記燃焼室へ前記燃料ガスを供給する過程と、
前記酸化剤供給路開閉弁を開いて、前記酸化剤供給路から前記燃焼室へ前記酸化剤ガスを供給する過程と、
前記燃焼室圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値に達したときに、前記燃料供給路開閉弁および前記酸化剤供給路開閉弁を閉じる過程と、
を含む。
【0009】
衝撃波式スートブロワでは、燃焼開始時における、燃焼室内の混合ガス圧力によって出力される衝撃力が決まる。上記のシステムおよび運転方法によれば、燃焼室内の圧力を直接測定し、燃焼開始前の燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給量を制御するので、極めて高い精度で衝撃力を制御することが可能になる。これにより、衝撃力を利用した作業(例えばダスト除去)を確実に行うことができるとともに、過剰な衝撃力を出力することによる運転コストの無駄を回避することが可能になる。
【0010】
本発明の一実施形態に係る衝撃波式スートブロワシステムにおいて、前記燃料供給源と前記燃焼室の間に設けられて前記燃料ガスを貯留する燃料貯留タンクと、前記燃料貯留タンク内の圧力を測定する燃料貯留タンク圧力測定装置と、前記酸化剤供給源と前記燃焼室の間に設けられて前記酸化剤ガスを貯留する酸化剤貯留タンクと、前記酸化剤貯留タンク内の圧力を測定する酸化剤貯留タンク圧力測定装置とを備えていてもよい。
【0011】
また、この衝撃波式スートブロワシステムの運転方法は、
前記燃料貯留タンク圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで前記燃料供給源から前記燃料ガスを補充する過程と、
前記酸化剤貯留タンク圧力測定装置によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで前記酸化剤供給源から前記酸化剤ガスを補充する過程と、
を備えていてもよい。
【0012】
この構成によれば、ガス供給源と燃焼室との間に圧力制御可能な貯留タンクが設けられているので、各貯留タンクを所定圧力以上に維持することにより、システムを安定的に運転することが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、衝撃波式スートブロワから出力される衝撃力を高精度に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る衝撃波式スートブロワシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2A】
図1の衝撃波式スートブロワシステムに用いられるスートブロワの構造および燃焼開始前までの動作を示す断面図である。
【
図2B】
図1の衝撃波式スートブロワシステムに用いられるスートブロワの構造および燃焼開始後の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1に、本発明の一実施形態に係る衝撃波式スートブロワシステム(以下、「SPSシステム」という。)1の概略構成を示す。SPSシステム1は、例えば、廃棄物焼却炉の排熱を熱源として利用するボイラに設置されて、ボイラ内の過熱器などの装置に付着したダストを衝撃波SPによって除去するために用いられる。もっとも、SPSシステム1の用途はこれに限定されない。
【0017】
SPSシステム1は、衝撃波式スートブロワ(以下、単に「スートブロワ」と呼ぶ。)3と、燃焼室圧力測定装置5と、弁制御装置7とを備えている。
【0018】
スートブロワ3は、燃料ガスFと酸化剤ガスOとの混合気を燃焼させ、これによって生じた燃焼ガスBを吐出することによって衝撃波SPを出力する。本実施形態では、燃料ガスFとしてメタンガスが、酸化剤ガスOとして酸素ガスが使用されている。もっとも、燃料ガスFおよび酸化剤ガスOはこれらに限定されない。
【0019】
スートブロワ3は、燃焼室9およびこの燃焼室9と一体のスートブロワ本体11を備えている。スートブロワ本体11には、燃焼室9で生成された燃焼ガスBを吐出する吐出口13が設けられている。スートブロワ3は、さらに、燃料供給源である燃料タンク15と、酸化剤供給源である酸化剤タンク17とを備えている。燃料タンク15から燃焼室9へ燃料ガスFを供給する燃料供給路19には、燃料供給路開閉弁21が設けられている。酸化剤タンク17から燃焼室9へ酸化剤ガスOを供給する酸化剤供給路23には、酸化剤供給路開閉弁25が設けられている。
【0020】
本実施形態では、さらに、燃料タンク15と燃焼室9との間に燃料貯留タンク27が設けられ、酸化剤タンク17と燃焼室9との間に酸化剤貯留タンク29が設けられている。すなわち、燃料供給路19の中途に燃料貯留タンク27が設けられており、酸化剤供給路23の中途に酸化剤貯留タンク29が設けられている。燃料供給路開閉弁21は、燃料供給路19上の燃料貯留タンク27と燃焼室9との間に配置されている。同様に、酸化剤供給路開閉弁25は、酸化剤供給路23上の酸化剤貯留タンク29と燃焼室9との間に配置されている。
【0021】
燃料貯留タンク27および酸化剤貯留タンク29には、それぞれ、各タンク内の圧力を測定する燃料貯留タンク圧力測定装置31および酸化剤貯留タンク圧力測定装置33が設けられている。さらに、燃料タンク15と燃料貯留タンク27との間、および酸化剤タンク17と酸化剤貯留タンク29との間にも、それぞれ開閉弁35,37が設けられている。
【0022】
ここで、
図2A,2Bを参照して、スートブロワ3の構造および動作原理を説明する。スートブロワ本体11と一体に設けられた燃焼室9は、詳細には、スートブロワ本体11の両側部から燃焼ガスBの吐出方向に直交するように延びる一対のメイン燃焼室41,41と、一対のメイン燃焼室41,41の間に位置する予備燃焼室43とを有する。一対のメイン燃焼室41,41に、燃料供給路19および酸化剤供給路23が接続されている。一対のメイン燃焼室41,41の間にはシリンダ45が設けられている。シリンダ45内部には、ピストン47がシリンダ45の内周壁に摺動可能に設けられている。スートブロワ本体11のピストン47に対向する部分に、燃焼ガスBの吐出口13を形成するノズル49が設けられている。すなわち、ピストン47は、燃焼ガスBの吐出方向に移動可能に設けられている。
【0023】
ピストン47の後端部(吐出口13と反対側の端部)に設けられた頭部47aがシリンダ45の内周壁に摺接している。ピストン47の頭部47aとシリンダ45後部の内壁との間の空間には、ピストン47を前方へ押圧するための押圧ガス(この例では窒素ガス)Pが充填されている。シリンダ45内空間の、ピストン47の頭部47aよりも前方の部分が前記予備燃焼室43を形成している。
図2Aに示す燃焼開始前の状態においては、押圧ガスPの圧力によってピストン47が吐出口13を閉塞している。
【0024】
予備燃焼室43には点火装置51が設けられている。メイン燃焼室41に導入され、
図2Bに示すように予備燃焼室43に流入した燃料ガスFと酸化剤ガスOとの混合ガスが点火装置51によって点火され、予備燃焼室43において混合気の燃焼が開始されると、予備燃焼室43内の圧力上昇によってピストン47が後方へ押し戻され、吐出口13が開放される。吐出口13が開いている間、予備燃焼室43からメイン燃焼室41全体へ混合気の燃焼が広がり、これによって生成された燃焼ガスBがノズル49から排出される。この排出された燃焼ガスBによって衝撃波SPが出力される。
【0025】
このように、本実施形態では、燃焼室9に設けられたピストン47と押圧ガスPが、燃焼開始前に燃焼ガスBの吐出口13を閉鎖し、燃焼開始後に前記吐出口13を開放するように構成された開閉機構53を構成している。もっとも、ここで説明した開閉機構53の態様は一例にすぎず、このように作用するものであれば他の態様の機構を用いてもよい。
【0026】
スートブロワ3はこのような動作原理によって衝撃波SPを発生させるので、出力される衝撃力は、燃焼開始時の燃焼室9の混合ガス圧力によって決まる。そこで、本実施形態では、燃焼室9に、燃焼室9内の圧力を測定する燃焼室圧力測定装置5が設けられている。燃焼室圧力測定装置5としては、燃焼室9内で発生する燃焼による衝撃および温度に耐えられる仕様の圧力センサが用いられる。
【0027】
次に、このように構成されたSPSシステム1の運転方法について説明する。
【0028】
最初に、弁の開閉を制御する弁制御装置7によって、燃料供給路開閉弁21を開いて、燃料供給路19から燃焼室9へ燃料ガスFを供給すると共に、酸化剤供給路開閉弁25を開いて、酸化剤供給路23から燃焼室9へ酸化剤ガスOを供給する。本実施形態では、燃料貯留タンク27および酸化剤貯留タンク29から、それぞれ、燃料ガスFおよび酸化剤ガスOが燃焼室9へ供給される。本実施形態では、燃焼室9への燃料ガスFの供給と酸化剤ガスOの供給とは同時に行っている。
【0029】
いずれの場合も、燃焼室9へのガス供給は、燃焼室内圧力測定装置5によって、燃焼室9内の圧力をモニタリングしながら行う。
【0030】
その後、燃焼室圧力測定装置5によって測定した圧力値が所定値に達した場合に、弁制御装置7によって燃料供給路開閉弁21および酸化剤供給路開閉弁25を閉じて、燃焼室9へのガス供給を停止する。燃焼室9の圧力の前記所定値とは、所望の衝撃力に対応する圧力値である。この所定値は、例えば、事前の試験によって、燃焼開始時の燃焼室9内の圧力値と、得られた衝撃力との対応関係をマップや関数として用意しておき、このようなマップや関数に基づいて決定する。
【0031】
また、本実施形態では、燃料貯留タンク圧力測定装置31によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで燃料タンク15から燃料貯留タンク27へ燃料ガスFを補充する。同様に、酸化剤貯留タンク圧力測定装置33によって測定した圧力値が所定値を下回ったときに、この所定値に達するまで酸化剤タンク17から酸化剤貯留タンク29へ酸化剤ガスOを補充する。このような圧力制御は、燃料貯留タンク27側に設けられた第2弁制御装置55および酸化剤貯留タンク29側に設けられた第3弁制御装置57によって行う。燃料貯留タンク27および酸化剤貯留タンク29における圧力の前記所定値とは、各貯留タンク27,29から燃焼室9へのガス供給を開始してから燃焼室9における圧力の所定値に達するまでに必要な供給量を確実に賄うことができる圧力値である。
【0032】
このように、各供給源15,17と燃焼室9との間に圧力制御可能な貯留タンク27,29を設け、各貯留タンク27,29を所定圧力以上に維持することにより、SPSシステム1を安定的に運転することが可能になるので、各貯留タンク27,29を設けることが好ましい。もっとも各貯留タンクを省略し、燃料タンク15および酸化剤タンク17の各々から直接燃料ガスFおよび酸化剤ガスOを燃焼室9へ供給してもよい。
【0033】
燃焼室9へのガス供給が完了した後、例えば
図2A,2Bと共に説明した方法によって燃焼室9内で混合ガスを燃焼させ、衝撃波SPを出力する。
【0034】
以上説明した本実施形態に係る衝撃波式スートブロワシステム1およびその運転方法によれば、燃焼室9内の圧力を直接測定し、この測定値に基づいて燃焼開始前のガス供給量を制御するので、極めて高い精度で衝撃力を制御することが可能になる。これにより、衝撃力を利用した作業(例えばダスト除去)を確実に行うことができるとともに、過剰な衝撃力を出力することによる運転コストの無駄を回避することが可能になる。
【0035】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 衝撃波式スートブロワシステム
3 衝撃波式スートブロワ
5 燃焼室圧力測定装置
7 弁制御装置
9 燃焼室
11 スートブロワ本体
13 吐出口
15 燃料タンク(燃料供給源)
17 酸化剤タンク(酸化剤供給源)
19 燃料供給路
21 燃料供給路開閉弁
23 酸化剤供給路
25 酸化剤供給路開閉弁
27 燃料貯留タンク
29 酸化剤貯留タンク
B 燃焼ガス
F 燃料ガス
O 酸化剤ガス
SP 衝撃波