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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】密封装置および密封構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/447 20060101AFI20240322BHJP
   F16J 15/16 20060101ALI20240322BHJP
   F16J 15/3248 20160101ALI20240322BHJP
   F16C 33/80 20060101ALI20240322BHJP
   F16J 15/18 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F16J15/447
F16J15/16 E
F16J15/3248
F16C33/80
F16J15/18 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020025240
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2021131100
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100125335
【弁理士】
【氏名又は名称】矢代 仁
(72)【発明者】
【氏名】花田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】中岡 真哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慶
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博幸
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-229763(JP,A)
【文献】特開2017-180552(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221582(WO,A1)
【文献】特開2015-209957(JP,A)
【文献】特開2014-224546(JP,A)
【文献】特開2016-211595(JP,A)
【文献】特開2017-048809(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2837507(EP,A1)
【文献】国際公開第2015/180928(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/72-33/82
F16J 15/16-15/32
F16J 15/324-15/3296
F16J 15/40-15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
前記外側部材に取り付けられ、円筒部と環状部と突出部を有しており、前記環状部が前記円筒部の径方向内側に配置され前記内側部材に向けて径方向内側に広がり、前記突出部が前記円筒部と前記環状部に連結されて前記円筒部から径方向内側に突出して前記環状部から突出する、第1のシール部材と、
前記内側部材に取り付けられ、フランジを有しており、前記フランジが径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部と対向する第2のシール部材とを備え、
前記第1のシール部材の前記環状部と前記第2のシール部材の前記フランジの間には、環状の空間が設けられ、
前記第1のシール部材の前記円筒部と前記第2のシール部材の前記フランジの外端縁の間には、環状の第1の間隙が設けられ、前記第1の間隙は密封装置の軸線方向に延びており、
前記第1のシール部材の前記突出部と前記第2のシール部材の前記フランジの間には、環状の第2の間隙が設けられ、前記第2の間隙は前記第1の間隙と前記空間を接続し、前記第2の間隙の少なくとも一部は前記第1の間隙に直交し、
前記第2の間隙の幅は0.85mm以下であり、
前記第2の間隙の長さは2mm以上であって、前記第1の間隙の長さは前記第2の間隙の長さより小さく、
前記第1の間隙および前記第2の間隙には、間隙を塞ぐ物が設けられていない
密封装置。
【請求項2】
前記第2のシール部材の前記フランジは、前記環状部に向けて突出する円環状の突出壁を有し、前記突出壁の径方向外側の面は湾曲しており、
前記第1のシール部材の前記突出部は、前記突出壁の径方向外側の面に対向するコーナー部を有し、前記コーナー部は湾曲しており、
前記コーナー部と前記突出壁との間に、湾曲した前記第2の間隙が設けられている
請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
円柱部と、前記円柱部の径方向外側に広がるフランジとを有する内側部材と、
前記内側部材に対して相対的に回転する外側部材と、
前記外側部材に取り付けられ、円筒部と環状部と突出部を有しており、前記環状部が前記円筒部の径方向内側に配置され前記内側部材の前記円柱部に向けて径方向内側に広がり、前記突出部が前記円筒部と前記環状部に連結されて前記円筒部から径方向内側に突出して前記環状部から突出する、シール部材とを備え、
前記シール部材の前記環状部と前記内側部材の前記フランジの間には、環状の空間が設けられ、
前記シール部材の前記円筒部と前記内側部材の前記フランジの外端縁の間には、環状の第1の間隙が設けられ、
前記シール部材の前記突出部と前記内側部材の前記フランジの間には、環状の第2の間隙が設けられ、前記第2の間隙は前記第1の間隙と前記空間を接続し、前記第2の間隙の少なくとも一部は前記第1の間隙に直交し、
前記第2の間隙の幅は0.85mm以下であり、
前記第2の間隙の長さは2mm以上であり、
前記第1の間隙および前記第2の間隙には、間隙を塞ぐ物が設けられていない
密封構造。
【請求項4】
前記内側部材の前記フランジは、前記環状部に向けて突出する円環状の突出壁を有し、前記突出壁の径方向外側の面は湾曲しており、
前記シール部材の前記突出部は、前記突出壁の径方向外側の面に対向するコーナー部を有し、前記コーナー部は湾曲しており、
前記コーナー部と前記突出壁との間に、湾曲した前記第2の間隙が設けられている
請求項3に記載の密封構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封装置および密封構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外側部材に固定される部材と、転がり軸受の内側部材に固定される部材の組み合わせである。密封装置は、軸受内部の潤滑剤(グリース)を密封する機能と、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-22973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の密封装置については、水(泥水または塩水を含む)の多い環境で使用される場合には、水が密封対象(例えば軸受)の内部に侵入しないように保護する機能を高めることが要求される。また、たとえ水が密封装置に侵入しても、すみやかに水を排出することができるのが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、水の排出性能が高く、密封対象への水からの保護性能が高い密封装置および密封構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る密封装置は、相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する。密封装置は、前記外側部材に取り付けられ、円筒部と環状部と突出部を有しており、前記環状部が前記円筒部の径方向内側に配置され前記内側部材に向けて径方向内側に広がり、前記突出部が前記円筒部と前記環状部に連結されて前記円筒部から径方向内側に突出して前記環状部から突出する、第1のシール部材と、前記内側部材に取り付けられ、フランジを有しており、前記フランジが径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部と対向する第2のシール部材とを備える。前記第1のシール部材の前記環状部と前記第2のシール部材の前記フランジの間には、環状の空間が設けられている。前記第1のシール部材の前記円筒部と前記第2のシール部材の前記フランジの外端縁の間には、環状の第1の間隙が設けられている。前記第1のシール部材の前記突出部と前記第2のシール部材の前記フランジの間には、環状の第2の間隙が設けられている。前記第2の間隙は前記第1の間隙と前記空間を接続し、前記第2の間隙の少なくとも一部は前記第1の間隙に直交する。前記第2の間隙の幅は0.85mm以下であり、前記第2の間隙の長さは2mm以上である。
【0007】
この態様においては、内側部材と外側部材の相対回転に伴って、第1のシール部材の環状部と第2のシール部材のフランジの間の空間内の水は、第2の間隙と第1の間隙を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙の幅が小さく、第2の間隙の長さが大きいことによって、外部から第1のシール部材の環状部と第2のシール部材のフランジの間の空間への水の侵入が抑制される。
【0008】
本発明のある態様に係る密封構造は、円柱部と、前記円柱部の径方向外側に広がるフランジとを有する内側部材と、前記内側部材に対して相対的に回転する外側部材と、前記外側部材に取り付けられ、円筒部と環状部と突出部を有しており、前記環状部が前記円筒部の径方向内側に配置され前記内側部材の前記円柱部に向けて径方向内側に広がり、前記突出部が前記円筒部と前記環状部に連結されて前記円筒部から径方向内側に突出して前記環状部から突出する、シール部材とを備える。前記シール部材の前記環状部と前記内側部材の前記フランジの間には、環状の空間が設けられている。前記シール部材の前記円筒部と前記内側部材の前記フランジの外端縁の間には、環状の第1の間隙が設けられている。前記シール部材の前記突出部と前記内側部材の前記フランジの間には、環状の第2の間隙が設けられている。前記第2の間隙は前記第1の間隙と前記空間を接続し、前記第2の間隙の少なくとも一部は前記第1の間隙に直交する。前記第2の間隙の幅は0.85mm以下であり、前記第2の間隙の長さは2mm以上である。
【0009】
この態様においては、内側部材と外側部材の相対回転に伴って、シール部材の環状部と内側部材のフランジの間の空間内の水は、第2の間隙と第1の間隙を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙の幅が小さく、第2の間隙の長さが大きいことによって、外部からシール部材の環状部と内側部材のフランジの間の空間への水の侵入が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の各実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る密封装置の部分断面図である。
図3】第1実施形態に係る密封装置に関して、水の侵入抑制効果を確認するための試験に使用した装置を示す概略断面図である。
図4】前記試験の結果を示すグラフである。
図5】本発明の第1実施形態の変形例に係る密封装置の部分断面図である。
図6】本発明の第1実施形態の他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る密封構造の部分断面図である。
図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る密封構造の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
【0013】
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
【0014】
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
【0015】
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ径方向の外側、内側を意味する。
【0016】
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
【0017】
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,21の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
【0018】
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と固定された外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aとの間に配置され、ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。密封装置21は、ハブ軸受1の回転する内輪6と固定された外輪8のインボード側の端部8Bとの間に配置され、内輪6と外輪8との間の間隙を封止する。
【0019】
第1実施形態
図2に示すように、密封装置21は、ハブ軸受1の外輪8のインボード側の端部8Bと、ハブ軸受1の内輪6との間隙内に配置される。密封装置21は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
【0020】
密封装置21は、第1のシール部材30と第2のシール部材50を備える複合構造を有する。
【0021】
第1のシール部材30は、外輪8に取り付けられ、回転しない固定シール部材である。第1のシール部材30は、弾性環31および剛性環32を有する複合構造である。弾性環31は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環32は、剛性材料、例えば金属から形成されており、弾性環31を補強する。剛性環32は、ほぼL字形の断面形状を有する。剛性環32の一部は、弾性環31に埋設されており、弾性環31に密着している。
【0022】
第1のシール部材30は、円筒部33、環状部34、突出部35およびリップ36,37,38を有する。
【0023】
円筒部33は、外輪8に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、円筒部33は、外輪8の端部8Bに締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
【0024】
環状部34は、円環状であって、円筒部33の径方向内側に配置され、円筒部33から内輪6に向けて径方向内側に広がる。円筒部33と環状部34は、剛性環32と弾性環31から構成されている。
【0025】
突出部35は、円筒部33と環状部34に連結されており、円筒部33から径方向内側に突出するとともに、環状部34からインボード側に向けて突出する。突出部35は弾性環31から構成されている。この実施形態では、突出部35は断面が矩形の円環である。
【0026】
リップ36,37,38は、環状部34の内端から第2のシール部材50に向けて延びる。リップ36,37,38は、弾性環31から構成されている。
【0027】
第2のシール部材50は、スリンガーすなわち回転シール部材とも呼ぶことができる。第2のシール部材50は、内輪6に取り付けられており、内輪6の回転時に、第2のシール部材50は内輪6とともに回転し、外部から到来する異物を跳ね飛ばす。
【0028】
この実施形態では、第2のシール部材50も、弾性環51および剛性環52を有する複合構造である。剛性環52は、剛性材料、例えば金属から形成されている。
【0029】
剛性環52は、ほぼL字形の断面形状を有する。具体的には、剛性環52は、円筒状のスリーブ52Aと、スリーブ52Aから径方向外側に広がる円環状のフランジ52Bを備える。スリーブ52Aは、内輪6に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、スリーブ52Aには、内輪6の端部が締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
【0030】
フランジ52Bは、スリーブ52Aの径方向外側に配置され、径方向外側に広がっており、第1のシール部材30の環状部34と対向する。この実施形態では、フランジ52Bは平板であり、スリーブ52Aの軸線に対して垂直な平面内にある。この実施形態では、第2のシール部材50のフランジ52Bは、第1のシール部材30の環状部34と平行である。
【0031】
弾性環51は、剛性環52のフランジ52Bに密着している。この実施形態では、弾性環51は、内輪6の回転速度を計測するために設けられている。具体的には、弾性環51は、磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料で形成されており、磁性金属粉によって多数のS極とN極を有する。弾性環51の厚板部51Aにおいては、円周方向に等角間隔をおいて多数のS極とN極が交互に配置されている。図示しない磁気式ロータリーエンコーダーによって、弾性環51の回転角度を測定することができる。弾性環51の材料は、金属粉を含有するため、通常のエラストマー材料よりも硬度が高く、異物による損傷を受けにくい。
【0032】
弾性環51は、厚板部51Aと外周縁部51Bと薄板部51Cを有する。厚板部51Aは、剛性環52のフランジ52Bのインボード側の面に接合されている。外周縁部51Bは、フランジ52Bの外端縁に接合されている。薄板部51Cは、フランジ52Bのアウトボード側の面に接合されている。
【0033】
弾性環51とフランジ52Bは、互いに接合されており、1つのフランジ53を構成するとみなすことができる。つまり、厚板部51Aと外周縁部51Bと薄板部51Cは、フランジ53の部分であるとみなすことができる。特に、外周縁部51Bはフランジ53の外端縁であるとみなすことができる。
【0034】
フランジ53は第1のシール部材30の環状部34と対向しており、環状部34とフランジ53の間には環状の空間60が設けられている。
【0035】
第1のシール部材30のリップ36は、環状部34の内端から径方向内側に延びるラジアルリップ(グリースリップ)である。リップ36は、第2のシール部材50のスリーブ52Aに向けて延び、リップ36の先端は、スリーブ52Aに接触する。リップ36は、径方向内側かつアウトボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
【0036】
リップ37は、環状部34の内端から径方向内側に延びるラジアルリップ(ダストリップ)である。リップ37は、第2のシール部材50のスリーブ52Aに向けて延び、リップ37の先端は、スリーブ52Aに接触する。リップ36は、径方向内側かつインボード側に向けて延び、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。
【0037】
リップ38は、環状部34から側方に延びるアキシャルリップ(サイドリップ)である。リップ38の先端は、径方向外側かつインボード側に向けて延び、第2のシール部材50の剛性環52のフランジ52Bに接触する。リップ38は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。
【0038】
第1のシール部材30が固定された外輪8に取り付けられている一方、内輪6および第2のシール部材50は回転するので、リップ36,37,38の各々は、第2のシール部材50に対して摺動する。
【0039】
但し、リップ37,38は絶対不可欠ではなく、省略することができる。リップ37,38が省略される場合には、第1のシール部材30が第2のシール部材50に与えるトルクが低減する。リップ37を設ける場合、リップ37は、トルクを低減するためスリーブ52Aに接触しなくてもよい。リップ38を設ける場合、リップ38は、トルクを低減するためフランジ52Bに接触しなくてもよい。
【0040】
リップ38の代わりに、あるいはリップ38に加えて、図示しないが、第2のシール部材50に複数の水排出突起(フィン)を設けてもよい。複数の水排出突起は、剛性環52のフランジ52Bから第1のシール部材30の環状部34に向けて突出し、第2のシール部材50の回転に伴って、空間60内の水を外部に排出する。
【0041】
第1のシール部材30の円筒部33と第2のシール部材50のフランジ53の外端縁(この実施形態では弾性環51の外周縁部51B)の間には、環状の第1の間隙61が設けられている。
【0042】
また、第1のシール部材30の突出部35と第2のシール部材50のフランジ53(この実施形態では弾性環51の薄板部51C)の間には、環状の第2の間隙62が設けられている。すなわち、突出部35は、第2のシール部材50には接触せず、第2のシール部材50に摺動抵抗力を与えず、トルクの増大には寄与しない。第2の間隙62は、第1の間隙61と空間60を接続する。
【0043】
この実施形態では、第1の間隙61は短い円柱状であり、第2の間隙62は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交する面にある円板状である。したがって、第2の間隙62は第1の間隙61に直交する。
【0044】
内輪6と外輪8の相対回転に伴って、第1のシール部材30の環状部34と第2のシール部材50のフランジ53の間の空間60内の水は、第2の間隙62と第1の間隙61を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙62の幅Aが小さく、第2の間隙62の長さBが大きければ、外部から空間60への水の侵入が抑制される。
【0045】
発明者は、この実施形態に関して、水の侵入抑制効果を確認するための試験を行った。図3は、この試験に使用した試験装置を示す。この試験装置は、回転軸70、ハウジング72、第1のシール部材74、および第2のシール部材50を有する。
【0046】
回転軸70は、内輪6を模倣するが、中実な丸棒である。回転軸70は、水平に配置された中心軸線を中心に、図示しないモーターによって回転させられる。
【0047】
第2のシール部材50のスリーブ52Aには、回転軸70が圧入され、第2のシール部材50は回転軸70に固定されている。したがって、第2のシール部材50は、回転軸70とともに回転する。
【0048】
第1のシール部材74は第1のシール部材30を模倣するが、アキシャルリップ38を有しない。
【0049】
ハウジング72は外輪8を模倣する。ハウジング72は、回転軸70が配置された穴72Aを有する。第1のシール部材74の円筒部33は、ハウジング72の穴72Aに圧入され、第1のシール部材74はハウジング72に固定されている。
【0050】
図示しないが、ハウジング72の左端には壁が設けられており、壁と第2のシール部材50のフランジ53の間に、水を貯留可能な貯留空間76が設けられている。
【0051】
試験においては、第2の間隙62の幅Aと長さBが異なる複数の第1のシール部材74と第2のシール部材50の組み合わせ(つまり、複数の試験装置)を準備した。第2の間隙62の幅Aは、3つの値に変化させた。第2の間隙62の長さBは、1.0mm、1.5mm、および2.0mmであった。各試験装置において、第1の間隙61の幅Cは0.3mmであった。
【0052】
そして、回転軸70と第2のシール部材50を回転させ、回転数1000rpmに維持した。
【0053】
回転数1000rpmの定常状態で、貯留空間76に水を流入させ、水面のレベルを回転軸70の中心軸線の高さに合わせた。
【0054】
回転軸70の中心軸線の下方では、貯留空間76から第1の間隙61を介して第2の間隙62と空間60に向けて、水が流入した。水面のレベルを回転軸70の中心軸線の高さに合わせてから20分後、水の侵入高さHを測定した。高さHは、円筒部33の内周面の最低レベルからの高さであった。
【0055】
図4はこの試験の結果を示す。試験の結果から、第2の間隙62の幅Aが小さいほど、水の侵入高さHが小さく、第2の間隙62の長さBが大きいほど、水の侵入高さHが小さいことが確認された。
【0056】
さらに詳しくは、第2の間隙62の幅Aが試験において最も小さい値であった場合、第2の間隙62の長さBが異なるいずれの試験装置においても、水の侵入高さHはほぼ同じであった。
【0057】
第2の間隙62の幅Aがより大きい値であった場合、かつ第2の間隙62の長さBが1.0mmまたは1.5mmであった場合には、水の侵入高さHは第2の間隙62の長さBより大きかった。つまり、水は第2の間隙62を超えて空間60まで侵入した。
【0058】
しかし、第2の間隙62の長さBが2.0mmであった場合には、第2の間隙62の長さBが異なるいずれの試験装置においても、水の侵入高さHは第2の間隙62の長さBより小さかった。つまり、水は第2の間隙62でとどまり、空間60まで侵入しなかった。
【0059】
要するに、試験の結果から、第2の間隙62の幅Aが0.85mm以下である場合、第2の間隙62の長さBは2mmであることが好ましいと分かった。
【0060】
第2の間隙62の幅Aが小さいほど、水の侵入が抑制され、第2の間隙62の長さBが大きいほど、水の侵入が抑制されると考えられる。したがって、第2の間隙62の幅Aの好ましい範囲には下限がなく、第2の間隙62の長さBは2mmの好ましい範囲には上限がないと考えられる。
【0061】
以上から、第2の間隙62の幅Aが0.85mm以下であって、第2の間隙62の長さBは2mm以上であることが好ましい。
【0062】
図5は、第1実施形態の変形例に係る密封装置21を示す。
【0063】
この変形例では、第2のシール部材50の弾性環51の薄板部51Cに、アウトボード側に突出する円環状の突出壁51Dが形成されている。厚板部51Aと外周縁部51Bと薄板部51Cに加え、突出壁51Dは、フランジ53の部分であるとみなすことができる。突出壁51Dの径方向外側の面は湾曲している。
【0064】
この変形例では、第1のシール部材30の突出部35のコーナー部が、突出壁51Dの径方向外側の面と同様に、湾曲している。第1のシール部材30の突出部35のコーナー部と第2のシール部材50のフランジ53(この変形例では弾性環51の薄板部51Cと突出壁51D)の間には、湾曲した環状の第2の間隙62が設けられている。突出部35は、第2のシール部材50には接触せず、第2のシール部材50に摺動抵抗力を与えず、トルクの増大には寄与しない。
【0065】
湾曲した環状の第2の間隙62は、途中で90度曲がっている。第2の間隙62のうち、第1の間隙61に隣接する部分は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交する面にある円板状であり、この部分は、短い円柱状の第1の間隙61に直交する。
【0066】
内輪6と外輪8の相対回転に伴って、第1のシール部材30の環状部34と第2のシール部材50のフランジ53の間の空間60内の水は、第2の間隙62と第1の間隙61を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙62の幅Aが小さく、第2の間隙62の長さBが大きければ、外部から空間60への水の侵入が抑制される。
【0067】
この変形例においても、第2の間隙62の幅Aが0.85mm以下であって、第2の間隙62の長さBは2mm以上であることが好ましい。
【0068】
この変形例では、突出壁51Dは弾性環51の一部である。但し、突出壁51Dを弾性環51と別の部材として形成し、剛性環52のフランジ52Bに接合してもよい。この場合、突出壁51Dを弾性環51と別の材料、例えば、樹脂から形成してもよい。
【0069】
図6は、第1実施形態の他の変形例に係る密封装置21を示す。この変形例では、第2のシール部材50の弾性環51が外周縁部51Bと薄板部51Cを有しない。
【0070】
第1のシール部材30の円筒部33と第2のシール部材50のフランジ53の外端縁(この変形例では剛性環52のフランジ52Bの外端縁)の間には、環状の第1の間隙61が設けられている。
【0071】
第1のシール部材30の突出部35と第2のシール部材50のフランジ53(この変形例では剛性環52のフランジ52B)の間には、環状の円板状の第2の間隙62が設けられている。突出部35は、第2のシール部材50には接触せず、第2のシール部材50に摺動抵抗力を与えず、トルクの増大には寄与しない。
【0072】
この実施形態では、第1の間隙61は短い円柱状であり、第2の間隙62は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交する面にある円板状である。したがって、第2の間隙62は第1の間隙61に直交する。
【0073】
内輪6と外輪8の相対回転に伴って、第1のシール部材30の環状部34と第2のシール部材50のフランジ53の間の空間60内の水は、第2の間隙62と第1の間隙61を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙62の幅Aが小さく、第2の間隙62の長さBが大きければ、外部から空間60への水の侵入が抑制される。
【0074】
この変形例においても、第2の間隙62の幅Aが0.85mm以下であって、第2の間隙62の長さBは2mm以上であることが好ましい。
【0075】
第2実施形態
上記の第1実施形態は、ハブ軸受1のインボード側の密封装置21に関する。本発明の第2実施形態は、ハブ軸受1のアウトボード側の密封装置20を含む密封構造に関する。
【0076】
図7に示すように、密封装置(シール部材)20は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4との間の間隙内に配置される。
【0077】
外輪8のアウトボード側の端部8Aの付近において、ハブ4は、円柱部4A、フランジ部4B、円弧部4C、およびフランジ部4Dを有する。円柱部4Aは、玉10の近傍に位置する。フランジ部4Bは、円柱部4Aの径方向外側に広がる。円弧部4Cは、円柱部4Aとフランジ部4Bを連結する。フランジ部4Dは、フランジ部4Bの径方向外側に配置され、フランジ部4Bと平行であって、径方向外側に広がる。フランジ部4Bとフランジ部4Dは、アウトボード側フランジ18の部分である。
【0078】
密封装置20の大部分は、外輪8の端部8Aと、ハブ4の円柱部4Aの外周面と、フランジ部4Bと、円弧部4Cの外周面とで囲まれた空間内に配置される。密封装置20は環状であるが、図7においては、その左側部分のみが示されている。
【0079】
密封装置20は、外輪8に取り付けられ、回転しない固定シール部材である。密封装置20は、弾性環80および剛性環81を有する複合構造である。弾性環80は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環81は、剛体材料、例えば金属から形成されており、弾性環80を補強する。剛性環81の一部は、弾性環80に埋設されており、弾性環80に密着している。
【0080】
密封装置20は、円筒部82、環状部84、傾斜環状部86、リップ88,89、外側環状部90、円筒部92、および突出部94を有する。
【0081】
円筒部82は、外輪8の端部8Aの内周面に締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。円筒部82は、剛性環81と弾性環80から構成されている。具体的には、剛性環81は折れ曲がった部分を有し、折れ曲がった部分に弾性環80の一部が埋設されている。
【0082】
環状部84は、円環状の平板であって、ハブ4の円柱部4Aおよび外輪8の端部8Aの軸線に対して垂直な平面内にある。環状部84は、円筒部82にほぼ直交し、円筒部82より径方向内側に位置する部分と円筒部82より径方向外側に位置する部分を有する。環状部84の円筒部82より径方向外側に位置する部分は、外輪8の端部8Aの端面に面接触する。環状部84は、剛性環81と弾性環80から構成されている。
【0083】
環状部84の弾性部分は、アウトボード側フランジ18のフランジ部4Bと対向し、環状部84とフランジ部4Bの間には、環状の空間100が設けられている。この実施形態では、環状部84の弾性部分は、フランジ部4Bと平行である。
【0084】
傾斜環状部86は、環状部84の径方向内側に配置され、環状部84から連続している。傾斜環状部86は、剛性環81と弾性環80から構成されている。
【0085】
リップ88,89は、傾斜環状部86の内端からハブ軸受1のハブ4に向けて延びる薄板状の円環であって、リップ88,89の先端はハブ4に接触する。リップ88,89は、弾性環80から構成されている。
【0086】
リップ88は、ラジアルリップすなわちグリースリップであって、ハブ4の円柱部4Aに向けて延び、リップ88の先端は円筒部分の外周面4Aに接触する。リップ88は、径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
【0087】
リップ89は、傾斜環状部86から側方(アウトボード側)、かつ径方向外側に向けて延びる。リップ89は、アキシャルリップまたはサイドリップであって、ハブ4のフランジ部4Bに向けて延び、リップ89の先端はフランジ部4Bまたは円弧部4Cに接触する。リップ89は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ88,89はハブ4に対して摺動する。
【0088】
但し、リップ89は絶対不可欠ではなく、省略することができる。リップ89が省略される場合には、密封装置20がハブ4に与えるトルクが低減する。リップ89を設ける場合、リップ89は、トルクを低減するためハブ4に接触しなくてもよい。
【0089】
逆に、リップ89に加えて、傾斜環状部86からフランジ部4Bに向けて延びるさらなるサイドリップを設けてもよい。
【0090】
リップ89の代わりに、あるいはリップ89に加えて、図示しないが、ハブ4に複数の水排出突起(フィン)を設けてもよい。複数の水排出突起は、フランジ部4Bから密封装置20の環状部84に向けて突出し、ハブ4の回転に伴って、空間100内の水を外部に排出する。
【0091】
外側環状部90は、環状部84の径方向外側に配置され、環状部84から連続しており、径方向外側に広がる。外側環状部90は、弾性環80から構成されている。
【0092】
円筒部92は、環状部84と外側環状部90の間の境界からアウトボード側フランジ18のフランジ部4Dに向けて延びる。したがって、環状部84は、円筒部92の径方向内側に配置され、ハブ4の円柱部4Aに向けて径方向内側に広がる。円筒部92は、弾性環80から構成されている。
【0093】
突出部94は、円筒部92と環状部84に連結されており、円筒部92から径方向内側に突出するとともに、環状部84からアウトボード側に向けて突出する。円筒部92は弾性環80から構成されている。この実施形態では、突出部94は断面が矩形の円環である。
【0094】
密封装置20の円筒部92は、アウトボード側フランジ18のフランジ部4Bの径方向外側に配置されている。円筒部92とハブ4のフランジ4Bの外端縁の間には、環状の第1の間隙101が設けられている。
【0095】
また、密封装置20の突出部94とハブ4のフランジ4Bの間には、環状の第2の間隙102が設けられている。すなわち、突出部94は、ハブ4には接触せず、ハブ4に摺動抵抗力を与えず、トルクの増大には寄与しない。第2の間隙102は、第1の間隙101と空間100を接続する。
【0096】
この実施形態では、第1の間隙101は短い円柱状であり、第2の間隙102は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交する面にある円板状である。したがって、第2の間隙102は第1の間隙101に直交する。
【0097】
ハブ4と外輪8の相対回転に伴って、密封装置20の環状部84とハブ4のフランジ4Bの間の空間100内の水は、第2の間隙102と第1の間隙101を通じて外部にすみやかに排出される。また、第2の間隙102の幅が小さく、第2の間隙102の長さが大きければ、外部から空間100への水の侵入が抑制される。
【0098】
この実施形態においても、第2の間隙102の幅Aが0.85mm以下であって、第2の間隙102の長さBは2mm以上であることが好ましい。
【0099】
図8に示すように、アウトボード側フランジ18のフランジ部4Bに薄板103を接合してもよく、密封装置20の突出部94と薄板103(フランジ4Bの一部とみなすことができる)の間に、第2の間隙102を設けてもよい。この場合、薄板103は、金属、樹脂またはエラストマーのいずれによって形成してもよい。薄板103の形状を変更し、図5の湾曲した環状の第2の間隙62に類似した、湾曲した環状の第2の間隙102を設けてもよい。
【0100】
他の変形例
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
【0101】
例えば、上記の実施形態においては、内側部材であるハブ4および内輪6が回転部材であり、外側部材である外輪8が静止部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が静止し、外側部材が回転してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。
【0102】
本発明の用途は、ハブ軸受1の密封に限定されない。例えば、自動車の差動歯車機構またはその他の動力伝達機構、自動車の駆動シャフトの軸受またはその他の支持機構、ポンプの回転軸の軸受またはその他の支持機構などにも本発明に係る密封装置または密封構造を使用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 ハブ軸受
4 ハブ(内側部材)
6 内輪(内側部材)
8 外輪(外側部材)
18 アウトボード側フランジ
20 密封装置(シール部材)
21 密封装置
30 第1のシール部材
50 第2のシール部材
33 円筒部
34 環状部
35 突出部
51 弾性環
51A 厚板部
51B 外周縁部
51C 薄板部
52 剛性環
52A スリーブ
52B フランジ
53 フランジ
60 空間
61 第1の間隙
62 第2の間隙
4A 円柱部
4B フランジ部
84 環状部
92 円筒部
94 突出部
100 空間
101 第1の間隙
102 第2の間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8