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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】地中電線路
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/16 20060101AFI20240322BHJP
   H02G 9/08 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A62C3/16 A
H02G9/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020114997
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012864
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大地
(72)【発明者】
【氏名】平 耕一
(72)【発明者】
【氏名】吉住 政己
(72)【発明者】
【氏名】杉山 渉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 創一
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 憲治
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-061391(JP,U)
【文献】実開昭57-061921(JP,U)
【文献】特開平09-056032(JP,A)
【文献】特開昭63-054178(JP,A)
【文献】特開2018-114062(JP,A)
【文献】特開2018-057576(JP,A)
【文献】特開昭62-243569(JP,A)
【文献】特開2000-102129(JP,A)
【文献】特開2009-155969(JP,A)
【文献】実開平02-131669(JP,U)
【文献】実開昭54-019597(JP,U)
【文献】実開昭48-061390(JP,U)
【文献】特開2011-050794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 3/16
H02G 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に形成された洞道の一方の接続端部から他方の接続端部まで延びるケーブルを、前記洞道の断面下側において収容する第1空間と、
前記第1空間を仕切る仕切板の上面が作業員の歩行面となるよう前記洞道の断面上側に形成される第2空間と、
前記第1空間を前記洞道の長手方向に複数の分割空間に分割する隔板と、
前記第1空間における各々の前記分割空間に対し個別に消火剤を供給する消火手段と、
前記洞道に接続する立坑において、水平面に倣って前記第1空間に収容されている複数の前記ケーブルを、垂直方向に並べ替える段積み式ラックと、を備える地中電線路。
【請求項2】
請求項1に記載の地中電線路において、
前記ケーブルは、連続する前記第1空間に設置された複数のトレイに分散して収納される地中電線路。
【請求項3】
請求項1に記載の地中電線路において、
前記ケーブルは、溝状に分離して形成された複数の前記第1空間に分散して収納される地中電線路。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の地中電線路において、
前記消火手段は、不活性ガスの圧力ボンベ又は給水手段である地中電線路。
【請求項5】
請求項4に記載の地中電線路において、
前記第1空間は、内部雰囲気の酸素濃度が閾値よりも小さくなるように、前記不活性ガスの供給量が制御される地中電線路。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の地中電線路において、
前記第2空間に排煙ダクトが設けられており、
前記消火手段は、前記第2空間において運搬可能な前記消火剤の供給手段を直結する一端と、前記第1空間に開口し前記消火剤を放出する他端を持つ固定式管路である、地中電線路。
【請求項7】
請求項1に記載の地中電線路において、
管径の太い前記ケーブルほど、前記並べ替えの位置における曲げ半径が大きくなるよう、前記第1空間に配置されている地中電線路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、消火手段を持つ洞道方式の地中電線路に関する。
【背景技術】
【0002】
メンテナンスのために作業員が立ち入りできるように施設された洞道方式の地中電線路において、ケーブルは、段積み式ラックに配置されるのが一般的である。このようにケーブル配置された地中電線路における火災発生時の消火プロセスとして、洞道内に設置した火災検知器の反応後、直ちに洞道内全体にガス消火剤や水を充満させる技術が公開されている(第1公知例)。
【0003】
さらに、ケーブルを収容するケーブルトレイの周囲にラッピングを施し、その内部に火災検知チューブを敷設するという技術もある(第2公知例)。この火災検知チューブは、内部にガスが充満しており、火災の発生時は炎によりこの火災検知チューブが破裂する。すると、内部圧力が低下し容器弁が自動的に解放され、消火剤が自動的に放出されるという構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-191535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発電所、製鉄所、石油プラント等の大規模施設では、建屋間を連絡する電線路が敷設されている場合がある。これら電線路のうち、消防法の対象外となるエリアについては消火設備がない施設も多い。しかし近年、大規模重要施設の運転に影響を及ぼすケーブルの電線路については、発生した火災を早期に検知し直ちに消火活動に着手するという、火災防護上の対策が要請されるようになってきた。
【0006】
このような要請の対策として上述した背景技術の適用を検討する。第1公知例を適用する場合、二つの建屋間を接続する洞道を充満させるガス消火剤や水が相当量必要となり、消火設備を大容量にしなければならず、経済性・信頼性が低下してしまう。
【0007】
また第2公知例を適用する場合、洞道内に敷設するケーブルトレイにラッピングを施し、火災検知チューブを敷設することになる。この場合、消火活動後の復旧作業に時間がかかるだけでなく、経年劣化する火災検知チューブの定期的な点検・交換が必要となり経済性・信頼性が低下してしまう。
【0008】
また、段積み式ラックにケーブルを配置する従来の地中電線路では、ラッピングやケーブルトレイに蓋をして密閉することで、大電流が流れるケーブルの抵抗発熱がこもり、さらにケーブル抵抗が増加し許容電流の上限値が低下してしまう課題があった。この課題を解決するために、ケーブルのサイズを太くしたり本数を増やしたりすることが挙げられるが、いずれも経済性が低下してしまい有効な解決策とはいえなかった。
【0009】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、保守点検の作業性に優れ、経済性及び信頼性に優れた消火手段を持つ洞道方式の地中電線路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る地中電線路において、地下に形成された洞道の一方の接続端部から他方の接続端部まで延びるケーブルを前記洞道の断面下側において収容する第1空間と、前記第1空間を仕切る仕切板の上面が作業員の歩行面となるよう前記洞道の断面上側に形成される第2空間と、前記第1空間を前記洞道の長手方向に複数の分割空間に分割する隔板と、前記第1空間における各々の前記分割空間に対し個別に消火剤を供給する消火手段と、前記洞道に接続する立坑において、水平面に倣って前記第1空間に収容されている複数の前記ケーブルを、垂直方向に並べ替える段積み式ラックと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態により、保守点検の作業性に優れ、経済性及び信頼性に優れた消火手段を持つ洞道方式の地中電線路が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】建屋の間を連絡する地中電線路の実施形態を示す断面図。
図2】(A)第1実施形態に係る地中電線路の洞道方向に直交する開口断面図、(B)第2実施形態に係る地中電線路の開口断面図。
図3】(A)第1実施形態において消火手段の設置位置における地中電線路の開口断面図、(B)第1実施形態において消火手段の設置位置における地中電線路の平面透視図。
図4】(A)第2実施形態において消火手段の設置位置における地中電線路の開口断面図、(B)第2実施形態において他の例に係る消火手段の設置位置における地中電線路の開口断面図。
図5】第3実施形態に係る地中電線路の洞道方向に沿う縦断面図。
図6】(A)各実施形態に係る地中電線路において洞道の接続端部における開口断面図、(B)洞道の接続端部における水平断面図。
図7】各実施形態に係る地中電線路において洞道の立坑における透視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、建屋15(15a,15b)の間を連絡する地中電線路10の実施形態を示す断面図である。図2(A)は、第1実施形態に係る地中電線路10aの洞道方向に直交する開口断面図である。図2(B)は、第2実施形態に係る地中電線路10bの開口断面図である。
【0014】
このように各実施形態の地中電線路10(10a,10b)は、地面16の下に形成された洞道17の一方の接続端部18aから他方の接続端部18bまで延びるケーブル25を、洞道17の断面下側において収容する第1空間11(11a,11b)と、この第1空間11を仕切る仕切板26(26a,26b)の上面が作業員の歩行面となるよう洞道17の断面上側に形成される第2空間12(12a,12b)と、第1空間11に消火剤を供給する消火手段27(図3図4),38(図5)と、を備えている。
【0015】
図1に示される建屋15には、ポンプ、弁、制御盤、配電盤等からなるプロセス設備が設置されている。地中電線路10は、設置レベルが異なる建屋15(15a,15b)に、接続端部18(18a,18b)が高低差を持って接続する例が示されている。またこの例に限定されることはなく、接続端部18(18a,18b)がそのような高低差を持たずに接続する場合もある。地中電線路10は、地面16から鉛直方向に立坑19(19a,19b)を掘削してから、水平成分を持つ方向に洞道17を掘削していく。なお、適用される洞道17として、実施形態では地中を掘削したトンネル方式を示しているが、地面16から掘削し上面に堅牢な蓋をする開削方式である場合も含まれる。
【0016】
そして図2(A)に示すように第1実施形態の地中電線路10aにおいて、ケーブル25は、連続する第1空間11aに設置された複数のトレイ28に分散して収納されている。ケーブル25は、建屋15(15a,15b)の間を連絡する洞道17において、用途ごとに1つのトレイ28にまとめられて配置されている。なお、洞道17が傾斜を有する場合は、その長手方向に付与される重力成分でずれが生じないように、ケーブル25はトレイ28に固定されている。なおこのトレイ28は、ケーブル25が地下水等により濡れることを防止するため、支持部材22を介して第1空間11の下面から支持されている。
【0017】
第1実施形態では、図2(A)に示すように、仕切板26aの縁端又は一部が、洞道17の内周面から支持されることで、仕切板26aの下面と洞道17の内周面下側とにおいて、第1空間11が形成される。そして、仕切板26aは歩廊床板としても機能し、その上面はメンテナンス作業員の歩行面になる。
【0018】
第2実施形態では、図2(B)に示すように、洞道17の内部の下側に設けられた複数の溝がそれぞれ第1空間11bにとなっており、ケーブル25は、用途ごとにまとめられて第1空間11bに配置されている。そして、仕切板26bは、第1空間11bの上部開口を閉止するように設置され、その上面はメンテナンス作業員の歩行面の一部になる。
【0019】
次に図3及び図4に基づいて、各実施形態の地中電線路10に設けられる火災検知、消火システムを説明する。図3(A)は第1実施形態において消火手段27の設置位置における地中電線路10aの開口断面図である。図3(B)は第1実施形態において消火手段27の設置位置における地中電線路10aの平面透視図である。
【0020】
消火手段27は、不活性ガス(例えば窒素ガス)の圧力ボンベ又は給水手段を採用することができる。このような消火手段27からガス状又は液状の消火剤が供給され、配送管23を介しノズル24から第1空間11に放出される。この消火手段27は、洞道17の第2空間12の内壁もしくは洞道17の外側に設けることができる。
【0021】
火災が発生した場合、洞道17の内部に設置された検知器(図示略)から検知信号が出力され、消火手段27の弁が開放され消火剤が自動的に供給され、火災を消火する。火災検知器は、1種類のみではなく、異なる種類の検知器を組み合わせて設置することで早期検知に寄与することができる。また、検知器の設置位置は第1空間11だけでなく第2空間12とすることができる。また検知器が設置されていない場合や、設置されていても検知信号が出力されない場合であっても、オペレータの操作により消火手段27の弁を開放し消火剤を供給することができる。
【0022】
また図3(B)に示すように、地中電線路10(10a)には、第1空間11を洞道17の長手方向に複数の分割空間21に分割する隔板31が備えられている。そして一対の隔板31で区画された各々の分割空間21に対し、個別に消火剤を供給する。それぞれの分割空間21には、独立に開閉される配送管23が、消火手段27から接続されており、火災の発生した分割空間21のみに対し消火剤を供給することができる。
【0023】
このように、火災の発生した分割空間21のみに消火対象範囲を限定することで、消火剤の使用量を削減することができる。さらに隔板31の設置により、使用済の消火剤を火災の発生した分割空間21にとどめ、洞道17の高低差により消火剤が下部に滞留することを防止できる。
【0024】
図4(A)は第2実施形態において消火手段27の設置位置における地中電線路10bの開口断面図である。図4(B)は第2実施形態において他の例に係る消火手段27の設置位置における地中電線路10bの開口断面図である。なお、図4において図3と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0025】
第2実施形態においては、溝状に形成された複数の第1空間11bの各々に、配送管23が施設されている。そして、これら複数の配送管23は、隣接する第1空間11bを貫通するように施設される場合もあるし、その上部開口を閉止する仕切板26bを貫通するように施設される場合もある。また検知器34も、第1空間11bの各々に設けられており、火災の発生した第1空間11bに対し個別に消火剤を供給することができる。
【0026】
それぞれの第1空間11bの上部開口を閉止する仕切板26bの密閉性が高い場合は、第1空間11bの内部に新たな酸素が供給されないために、消火手段27から供給された不活性ガスを充満させることで窒息消火に至らせることができる。なお、記載を省略するが、第1実施形態(図3(B))と同様に、第1空間11bを分割する隔板を設け同様の効果を得ることができる。
【0027】
なお、第2実施形態の第1空間11bの各々に、酸素濃度計を設置し、酸素濃度が空気よりも低く設定された閾値を超えないように、不活性ガスの供給量を配送管23において制御することもできる。これにより、不活性な雰囲気にケーブル25をおくことができ、火災の発生を未然に防止する効果が得られる。なお、第1実施形態の第1空間11aも、同様に不活性な雰囲気に保つことで、同様の効果を得ることができる。
【0028】
上述した第1実施形態及び第2実施形態により、洞道17に配置したケーブル25を含む閉空間を小さくすることができる。また第2実施形態では、火災が発生したケーブル25を収容する第1空間11bのみを水没もしくは不活性雰囲気にすることで、消火剤の使用量をさらに削減することができる。これにより、信頼性の高い消火システムを構築することができる。さらに従来の消火システムのように、ケーブル25をトレイ28とともにラッピングするような施工は不要となり工期短縮にもつながり経済性にも優れる。さらに、仕切板26(26a,26b)を開けることで、ケーブル25が収容された第1空間11(11a,11b)の内部を確認することができ、保守・点検時の作業性も向上する。
【0029】
図5は第3実施形態に係る地中電線路10c(10)の洞道17の長手方向に沿う縦断面図である。なお、図5において図1及び図2と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。このように第3実施形態の地中電線路10cは、第2空間12に設けられる排煙ダクト35が設けられている。そして、第3実施形態では、第2空間12において運搬可能な消化液の供給手段(図示略)を直結する一端36と、第1空間11に開口し消火剤を放出する他端37とを有する固定式管路38(消火手段)を備えている。
【0030】
排煙ダクト35には、排煙ファン32が接続されており、火災によって発生した煙29を吸気口33から外部に排出する。検知器34が火災を感知すると、排煙ファン32が起動し排煙ダクト35を通じて洞道17の内部に充満する煙29を排出する。このように洞道17の内部から煙を排出することができれば、作業員による消火活動が可能となる。
【0031】
このような場合、作業員が第2空間12で運搬可能な消化液の供給手段(例えば、消火器)を、火災の発生箇所まで運搬する。そして、火災の発生箇所の近傍に固定配置されている固定式管路38の一端36に、消火剤の噴射口を接続する。これにより、第1空間11の火災の発生箇所にピンポイントで消火剤を放出することができる。このように、洞道17の内部に煙が充満しない状態とすることができれば、作業員により個別の消火活動が可能となり、消火のための付帯設備を設ける必要がなくなる。
【0032】
図6(A)は各実施形態に係る地中電線路10において洞道17の接続端部18(18a,18b)(図1)における開口断面図である。図6(B)は洞道17の接続端部18における水平断面図(図6(A)のb-b断面)である。このように地中電線路10は、水平面に倣って第1空間11に収容されている複数のケーブル25を、接続端部18(図1)において垂直方向の段積み式ラック45に並べ替えられる。
【0033】
なお地中電線路10において、管径の太いケーブル25ほど、並べ替えの位置(接続端部18)における曲げ半径が大きくなるよう、第1空間11に配置されている。建屋15(15a,15b)に接続する洞道17の両端の接続端部18(18a,18b)は、実施形態において立坑19(19a,19b)(図1)において形成されている。なお、省略するが、立坑19を設けずに建屋15への接続端部18が洞道17の両端に設けられる場合もある。
【0034】
ケーブル25は、制御信号ケーブル、低圧ケーブル、高圧ケーブルの順に管径が太くなっていき、この順番で許容曲げ半径が大きくなっていく。よって、第1空間11において水平方向に並べられたケーブル25の束を、垂直方向に段積みする場合、図6(B)に示すように、曲げ半径を大きくとる必要のある太い管径のケーブル25ほど、段積み式ラック45から遠い位置の第1空間11に配置されている。
【0035】
図7は各実施形態に係る地中電線路10において洞道17の立坑19(19a,19b)における透視図である。このように、洞道17の接続端部18が立坑19(19a,19b)で形成される場合は、この立坑19において、第1空間11に配置されるケーブル25は、段積み式ラック45に並べ替えられる。図示されるように、ケーブル25は、接続端部18において、第1空間11の底面に沿って円弧を描くように曲がり、さらに垂直方向に立ち上がり、段積み式ラック45に配置される。許容曲げ半径が大きい順番に、離れた位置に配置されていることにより、並べ替えの位置においてケーブル25同士の干渉を回避できる。
【0036】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、洞道を仕切板で仕切った下側の第1空間にケーブルを収容することで、保守点検の作業性に優れ、経済性及び信頼性に優れた消火手段を持つ洞道方式の地中電線路を提供することが可能となる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
10(10a,10b,10c)…地中電線路、11(11a,11b)…第1空間、12(12a,12b)…第2空間、15(15a,15b)…建屋、16…地面、17…洞道、18(18a,18b…接続端部、19…立坑、21…分割空間、22…支持部材、23…配送管、24…ノズル、25…ケーブル、26(26a,26b)…仕切板、27…消火手段、28…トレイ、31…隔板、32…排煙ファン、34…検知器、35…排煙ダクト、36…一端、37…他端、38…固定式管路(消火手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7