(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】人材管理システム、人材管理方法及び人材管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020170505
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 正弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 高揚
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-241673(JP,A)
【文献】特開2017-073181(JP,A)
【文献】特開2008-033814(JP,A)
【文献】特開平08-194745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理する技術マップ管理ユニットと、
前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理する育成管理ユニットと、を有し、
前記育成管理ユニットは、前記技術マップ管理ユニットから技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ
、
前記育成管理ユニットは、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
前記育成管理ユニットは、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、対象者の育成計画案を作成する人材管理システム。
【請求項2】
前記育成管理ユニットは、技能の類似性を取得し、類似の技術の情報に基づいて、所属者の技能の習得の情報を取得し、習得結果を用いて、対象者の育成計画案を作成する請求項
1に記載の人材管理システム。
【請求項3】
前記育成管理ユニットは、技能を習得済みの所属者の情報を用いて、対象者の育成計画案を作成する請求項
1または請求項
2に記載の人材管理システム。
【請求項4】
所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理する技術マップ管理ユニットと、
前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理する育成管理ユニットと、を有し、
前記育成管理ユニットは、前記技術マップ管理ユニットから技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ
、
前記育成管理ユニットは、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
前記技術マップ管理ユニットは、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、類似の技能を抽出する人材管理システム。
【請求項5】
前記技術マップ管理ユニットは、前記技術マップの情報と所属員の年齢構成に基づいて、同じ所属の所属員で構成されるグループ、当該所属で必要とされる技能を保有している状態の時間変化を表示する請求項
4に記載の人材管理システム。
【請求項6】
前記技術マップ管理ユニットは、前記技術マップの情報と、類似の技能と、所属員の情報に基づいて、所属員の所属の配置転換の候補を表示させる請求項
5に記載の人材管理システム。
【請求項7】
前記技術マップ管理ユニットは、対象の所属者が備える技能の情報をリストで表示させる請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の人材管理システム。
【請求項8】
前記技能は、プラントの設営に関する技能を含む請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の人材管理システム。
【請求項9】
前記技術マップ管理ユニットは、前記育成管理ユニットで更新された対象者の技能の情報に基づいて、前記技術マップを更新する請求項1
から請求項8のいずれか一項に記載の人材管理システム。
【請求項10】
コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、
コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、
コンピュータにより、前
記技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、対象者の育成計画案を作成する人材管理方法。
【請求項11】
コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、
コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、
コンピュータにより、前
記技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ
、
コンピュータにより、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、類似の技能を抽出する人材管理方法。
【請求項12】
コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、
コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、
コンピュータにより、前
記技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、対象者の育成計画案を作成する処理を実行させる人材管理プログラム。
【請求項13】
コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、
コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、
コンピュータにより、前
記技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させ
、
コンピュータにより、前記技術マップから前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させ、
コンピュータにより、前記育成計画の結果の情報と前記技術マップの情報を機械学習し、類似の技能を抽出する処理を実行させる人材管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人材管理システム、人材管理方法及び人材管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等の団体は、種々の技能を備える所属者が、それぞれの技能で作業を行うことで、業務を遂行している。企業等の団体は、所属者が備える技能を教育し継承して、各技能を備える者が所属した状態とすることで、業務を継続している。
【0003】
所属者が備える技能を管理するシステムとしては、特許文献1に自社保修技術の管理システムが記載されている。特許文献1には、予め設定された工学的な技術項目に対して各技術員が保有するスキルを自己評価し、スキルの自己評価点をパーソナルスキルマップデータとして登録するパーソナルスキルマップデータベースと、予め設定された製品化に必要な技術項目と工学的な技術項目とを、製品化に必要な各技術項目に重要度を係数で関連づけ、各製品にスキル係数値を製品別スキルマップデータとして登録する製品別スキルマップデータベースを備え、パーソナルスキルマップデータの自己評価点と製品別スキルマップデータのスキル係数値に基づいて、各技術員又は及び各製品に分析と集計を行って自社保有技術におけるスキル評価をすることを特徴とした自社保有技術の管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の管理システムを用いることで、自社の保有しているスキルを管理することはできる。しかしながら、特許文献1に管理システムを用いた場合でも、技能を継承するためには、どの技術を教育していくかを検討し、教育プログラムを作成する作業を所属者毎に行う必要がある。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、所属者の技能を適切に評価し、育成計画を作成することができる人材管理システム、人材管理方法及び人材管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る人材管理システムは、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理する技術マップ管理ユニットと、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理する育成管理ユニットと、を有し、前記育成管理ユニットは、前記技術マップ管理ユニットから技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させる。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る人材管理方法は、コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、コンピュータにより、前記技術マップ管理ユニットから技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させる。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る人材管理プログラムは、コンピュータにより、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理し、コンピュータにより、前記所属者に含まれる対象者の育成計画を管理し、コンピュータにより、前記技術マップ管理ユニットから技術マップを取得し、前記対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、所属者の技能を適切に評価し、育成計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る人材管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、人材管理システムの表示画面の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、人材管理システムの表示画面の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、人材管理システムの表示画面の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、人材管理システムの表示画面の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、人材管理システムの処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、人材管理システムの処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、人材管理システムの処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0013】
図1は、本実施形態に係る人材管理システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る人材管理システム10は、企業等の対象の団体に所属している所属員の属性の情報と技能を管理し、所属員から抽出した対象者に対する育成計画を作成し、育成計画に基づいて実行した業務を評価する。技能は、団体の業務を遂行するために必要な能力である。例えば、物を製造する業務の場合は、製造するための加工の技能、設計するための技能、製造をするために必要な許可を申請する書類を作成する技能、製造するために守る必要がある規制を満たしているかを確認する技能が含まれる。育成計画は、技能を取得する計画であり、習得する技能のリスト、技能を習得するために実行する業務、研修、試験等の情報が含まれる。以下、本実施形態では、プラントの建設を業務とする場合の技術マップ、育成計画を対象とする場合で説明を行う。
【0014】
人材管理システム10は、本実施形態ではコンピュータである。本実施形態では、1つのコンピュータとして示すが、複数のコンピュータが通信回線や記録媒体を介して、データの送受信を行い、機能を実行してもよい。
図1に示すように、人材管理システム10は、入力部20、出力部22、通信部24、記憶部26、及び制御部28を有する。入力部20は、ユーザの入力を受け付ける装置であり、例えばマウス、キーボード、又はタッチパネル等である。出力部22は、制御部28の制御結果やユーザからの入力内容などを表示する装置であり、本実施形態では、ディスプレイやタッチパネルである。通信部24は、外部の装置と通信する機構、すなわち通信インターフェイスである。通信部24は、例えばWi-Fi(登録商標)モジュールやアンテナなどである。
【0015】
記憶部26は、制御部28の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0016】
記憶部26は、統括管理プログラム40と、技術マップ管理プログラム42と、育成管理プログラム44と、人員情報データベース46と、技術マップデータベース48と、テンプレートデータベース50と、を含む。統括管理プログラム40と、技術マップ管理プログラム42と、育成管理プログラム44と、の組み合わせが人材管理プログラムとなる。各プログラムは、複数のプログラムの組み合わせでも1つのプログラムでもよい。統括管理プログラム40、技術マップ管理プログラム42、育成管理プログラム44で実行する処理については、制御部の機能として説明する。
【0017】
人員情報データベース46は、所属、年齢、勤続年数等の団体において、所属員の技能の分析に必要な各種個人情報が含まれる。技術マップデータベース48は、所属員の技能の情報が含まれる。技術マップデータベース48は、技能の項目を階層で管理する。具体的には、プラントの作業工程毎に分類し、作業工程の中の業務の毎に分類する。また、技能は、項目に技能の内容、技能の評価の基準、技能を習得するために必要な業務等の情報が対応付けられる。また、技術マップデータベース48は、技能の項目に対する所属員の評価(技能の習得状態の情報)が対応付けられる。評価は、技能の有無の2段階でもよいが、技能の習熟度に応じて、複数段階で設定してもよい。例えば、技能の経験がある、管理者の確認のもとで技能の業務ができる、単独で技能の業務ができる、技能に関して指導ができる、等を段階に分けて評価してもよい。テンプレートデータベース50は、出力部22に出力して画像、画面として情報を表示させるレイアウト、枠等の情報である。
【0018】
制御部28は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部28は、統括制御ユニット60と、技術マップ作成ユニット62と、育成管理ユニット64と、を含む。統括制御ユニット60は、統括管理プログラム40を読み出しで実現される機能である。統括制御ユニット60は、人材管理システム10の各種機能の実行と、データの連携の制御を実行する。
【0019】
技術マップ作成ユニット62は、技術マップ管理部70と、評価結果作成部72と、を含む。技術マップ管理部70は、入力部20からの入力、育成管理ユニット64から送られる情報に基づいて、技術マップデータベース48を作成、更新する。技術マップ管理部70は、入力部20からの入力、育成管理ユニット64から送られる情報に基づいて、技術マップデータベース48の項目の設定、項目の階層設定、所属員に対応つける項目等を取得し、技術マップデータベース48を作成する。技術マップ管理部70と、育成管理ユニット64に技術マップデータベース48の情報を供給する。技術マップ管理部70は、機械学習機能を備えていてもよい。機械学習機能は、全結合型のニューラルネットワークモデルを用いたモデルや、CNN(Conventional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)モデルを用いて、ディープラーニングを行い、パラメータの組み合わせを学習済みモデルに入力し、出力を取得する機能である。技術マップ管理部70は、技術マップデータベース48の情報と、更新情報を機械学習させ、項目の類似の判定や、所属員の技能の類似度、項目と項目の技能を取得するための業務の対応付け等の情報を抽出する。
【0020】
評価結果作成部72は、技術マップデータベース48の情報を抽出、分析し、評価結果を作成する。評価結果作成部72は、技術マップデータベース48の情報に基づいて、各種評価処理を実行し、評価結果を作成する。評価結果作成部72は、所属員の技能を抽出し、取得している技能を出力する。評価結果作成部72は、同じ所属の複数の所属員の技能を抽出し、1つの所属グループで保有している技能の評価結果を出力する。また、評価結果作成部72は、所属グループの所属員の年齢の情報に基づいて、1つの所属グループで保有している技能の時間変化の評価結果、例えば、5年後、10年後の技能の保有状態の評価結果を出力する。
【0021】
育成管理ユニット64は、育成計画作成部80と、計画評価部82と、を有する。育成計画作成部80は、所属員から選定された対象者に対する育成計画を作成する。育成計画作成部80は、入力部20の操作に基づいて、対象者を特定し、対象者に関連する情報を抽出して表示し、育成計画を作成する操作画面を表示させる。育成計画作成部80は、入力された操作に基づいて、対象者に対する育成計画の業務内容、取得を目標とする技能を特定し、リスト化した育成計画の画像を作成する。育成計画作成部80は、技術マップ作製ユニット62から、対象者が所属するグループの技能の分布の情報を表示させ、表示させた情報から選択された項目を育成計画の作成画面に反映させるようにしてもよい。育成計画作成部80は、機械学習機能を備えていてもよい。育成計画作成部80は、技術マップデータベース486の情報と、更新情報、育成計画と育成計画の結果とを用いて、現状の対象者の情報を入力とし、対象者に対する育成計画を出力とするモデルを学習させ、対象者に対する育成計画を出力させることもできる。育成計画作成部80は、機械学習機能を用いて、類似する技術、類似する所属者の情報に基づいて育成計画を作成してもよい。
【0022】
計画評価部82は、作成した育成計画の実行後に対象者の技能に生じた変化を取得し、評価する。計画評価部82は、育成計画完了時等に、評価者により入力される育成計画の各項目の評価、対象者の技能の評価の情報を取得し、記憶部26に保存し、かつ、対象者の更新された技能の情報として技術マップ作成ユニット62に送る。計画評価部82は、育成計画と結果とに基づいて、育成計画の達成度、計画の精度等を評価してもよい。
【0023】
次に、
図2から
図5を用いて、人材管理システム10のテンプレートデータベース50に基づいて作成される画面の一例を示す。
図2から
図5は、それぞれ人材管理システムの表示画面の一例を示す模式図である。
【0024】
図2に示す画面100は、技術マップの選択画面の一部である。画面100は、エリア102と、エリア104と、エリア106と、を含む。エリア102は、プラントの設営の全体の工程が記載されている。工程(大工程)としては、研究開発、許可準備、審査対応、基礎掘削期間、建屋工事期間、据付工事期間、試運転、保守と、を含む。なお、工程の区分はこれに限定されない。プラントの設営では、研究、計画、プラント購入者への販売業務、許認可庁への確認業務、設置業務、運転業務、運転開始後の業務等が含まれる。エリア104は、プラントの部分ごとに設定された業務の工程(中工程)、時系列で表示される。フロー112は、処理の全体の流れを示している。フロー114は、対象部分の業務のフローを時系列で示している。本実施形態では、プラントの本体部の対応つけられた業務を示している。エリア106は、各工程を、リストで表示している。人材管理システム10の技術マップ作成ユニット62は、画面100を表示している状態で、各項目が選択された場合、選択された業務に関連する技術マップを表示させる。
【0025】
図3は、技術マップの一例を示す図である。画面120は、技術マップであり、表示欄121に、現在表維持している画面のマップがどのマップかをしめす情報が表示される。画面120の技術マップは、所属者表示欄122と、技能項目表示欄124と、状態表示欄126と、を含む。所属者表示欄122は、技術マップに表示する所属者の氏名、所属等が表示される。技能項目表示欄124は、技術マップに表示する技能が表示される。状態表示欄126は、所属者表示欄122と、技能項目表示欄124に対応するマス目であり、所属者表示欄122の所属者が、技能項目表示欄124の技能を保有しているか等の情報が表示される。ここで、技能は、上述したように保有しているか否かに限定されず、到達度に応じて、空欄、×、△、○、◎等で表示してもよい。
【0026】
画面120は、技術マップ作成ユニット62は、入力部20に入力される選択に基づいて、表示する所属者、表示する機能を特定し、特定した情報を技術マップデータベースから抽出して作成される。画面120を表示することで、所属者がどの技能の業務を備えているかを把握することができる。
【0027】
次に、
図4は、育成計画の一例を示す画面である。
図4に示す画面130は、育成計画の画面であり、対象者表示欄132と、業務項目134と、技能項目138と、画面切り替え欄142と、を含む。画面130は、作成中の育成計画の画面である。対象者表示欄132は、業務項目134は、育成計画の対象期間に実行する業務の入力欄である。業務は、技術マップデータベースの情報から選択して入力することも、新たに入力することもできる。また、業務の内容は、複数入力可能であり、業務と技能が対応付けられている項目136は、選択、非選択を切り替え可能な状態で表示される。技能項目138は、育成計画で習得する対象の技能の項目である。到達度欄140は、技能項目138に対応して設けられ、各技能の項目の現在の到達度と目標の到達度を入力する欄が設けられている。各技能の項目の現在の到達度は、技術マップデータベースの情報をもとに表示させる。画面切り替え欄142と、育成計画に関連する、担当者(対象者本人)画面と、管理者画面とを切り替える画面である。管理者画面は、育成計画の実施後、各技能の到達度を評価する欄を設けることが好ましい。その場合、評価された達成度を技術マップデータベースへ反映させる。
【0028】
図5は、技能の評価結果の一例を示す画面である。
図5に示す画面150は、1つの技術分野おいて、1つの所属グループで保有している技術の評価を示すグラフである。画面150のグラフは、各点が、それぞれの技能の項目になっており、中心からの距離が遠いほど技能のレベルが高い状態(技能を備えている人数が多い、技能の到達度が高い)ことを示す。
図5は、同じ所属グループで、現在の状態151、5年後の状態152、10年後の状態154を示している。
図5は、現在状態151は、全技能を高い到達度で保有していることを示しており、10年後の状態154は、一部の技能の到達度が下がることを示している。
【0029】
人材管理システム10は、
図5のように、技能を分析し表示させることで、不足している技能、将来的に不足することが予測される技能を把握しやすくできる。また、人材管理システム10は、人材育成の作成時に、人材育成案の一部として、
図5を表示させ、技能を選択できるようにしてもよい。
【0030】
次に、
図6から
図8を用いて、人材管理システム10の処理動作について説明する。
図6から
図8は、それぞれ人材管理システムの処理の一例を説明するフローチャートである。
【0031】
図6は、技術マップ作成ユニット62の処理の一例である。技術マップ作成ユニット62は、処理を検出する毎に、
図6の処理を実行しても、一定時間ごとに処理を実行してもよい。技術マップ作成ユニット62は、技術マップに対する入力があるかを判定する(ステップS12)。技術マップ作成ユニット62は、技術マップに対する入力がある(ステップS12でYes)と判定した場合、ステップS16に進む。
【0032】
技術マップ作成ユニット62は、技術マップに対する入力がない(ステップS12でNo)と判定した場合、育成管理ユニット64からの入力があるかを判定する(ステップS14)。技術マップ作成ユニット62、育成管理ユニット64からの入力がある(ステップS14でYes)と判定した場合、ステップS16に進む。技術マップ作成ユニット62は、育成管理ユニット64からの入力がない(ステップS14でNo)と判定した場合、本処理を終了する。
【0033】
技術マップ作成ユニット62は、ステップS12でYesまたはステップS14でYesと判定した場合、つまり技術マップ作成ユニット62への入力を検出した場合、更新された情報を技術マップに反映し(ステップS16)、処理を終了する。
【0034】
人材管理システム10は、以上のように、技術マップへの入力に基づいて、技術マップデータベースの情報を更新することに加え、育成管理ユニット64からの入力を検出した場合も検出した情報に基づいて、技術マップデータベース48の情報を更新する。これにより、育成計画と、技術マップを連動して管理することができ、育成計画で習得した技術を漏れなく、技術マップに反映することができる。
【0035】
次に、
図7を用いて、育成管理ユニット64で実行する育成計画の作成処理の一例について説明する。育成管理ユニット64は、育成計画の対象を特定する(ステップS20)。つまり、育成管理ユニット64は、対象者を特定する。対象者の特定は、入力部20による入力に基づいて特定しても、育成管理ユニット64に設定された基準に基づいて特定してもよい。
【0036】
育成管理ユニット64は、技術マップデータベース48の情報を抽出する(ステップS22)。育成管理ユニット64は、特定した対象者に関連する技能の情報を技術マップデータベース48から抽出する。育成管理ユニット64は、対象者の情報を技術マップ作成ユニット62に出力し、技術マップ作成ユニット62で抽出する情報を特定してもよい。また、抽出する情報としては、対象者の技能の情報や、対象者の所属するグループで実行する業務に紐付けられた技能の情報、対象者の所属するグループの他の所属者の技能の情報等が例示される。
【0037】
育成管理ユニット64は、不足している技術(技能の項目)を抽出する(ステップS24)。育成管理ユニット64は、対象者が習得していない技能の項目を抽出する。項目の抽出は、機械学習機能を用いて行っても、他の所属者との比較で抽出しても、グループで保有する技能から抽出してもよい。
【0038】
育成管理ユニット64は、不足している技術を育成計画案で提示を抽出する(ステップS26)。育成管理ユニット64は、抽出した不足している技術に基づいて対象者の育成計画案を作成する。育成計画案は、不足している技術を選択できる形式としてもよいし、育成計画と同様のフォーマットで作成してもよい。
【0039】
育成管理ユニット64は、育成計画案に対する入力を取得する(ステップS28)。育成管理ユニット64は、育成管理案に対する入力として、例えば項目の選択、また、空白の欄への入力を検出する。
【0040】
育成管理ユニット64は、入力結果に基づいて、育成計画を出力する(ステップS30)。育成管理ユニット64は、入力結果に基づいて、育成計画に基づいた項目を特定し、現在の技能と、目標の技能や、実行する業務等の情報を含む育成計画を出力する。つまり、対象者に対する育成計画として、
図4に示すような画面130を作成する。
【0041】
人材管理システム10は、以上のように、技術データベースの情報を読み込み、育成計画の作成時に表示させることで、対象者の技術の状況を把握しつつ、育成計画を作成することができる。
【0042】
また、育成管理ユニット64は、不足している技術(技能の項目)を抽出して提示することで、育成計画をより適切に作成することができる。さらに、不足している技能の抽出結果に基づいて、技能の項目を選択できるようにすることで、育成計画の作成を簡単にすることができる。なお、不足している技術の抽出を行わずに、所属するグループの技能と、対象者の技能の情報を表示して、育成計画案として表示させてもよい。
【0043】
なお、
図7に示す処理は、入力完了の情報を取得するまで、ステップS22からステップS30の処理を繰り返し、操作者により育成計画に対して行われる操作に対して、提案する技術(技能の項目)を変更し、再度提案するようにしてもよい。
【0044】
次に、
図8を用いて、育成管理ユニット64で実行する育成計画を実行した後の評価の入力処理の一例について説明する。育成管理ユニット64は、育成計画に対する評価を取得する(ステップS40)。育成管理ユニット64は、評価は、対象者による入力、管理者による入力が含まれる。評価は、育成計画に含まれる技能の習得状態の情報である。
【0045】
育成管理ユニット64は、評価結果の情報を技術マップ管理部70に出力する(ステップS42)。技術マップ管理部70は、供給された情報に基づいて、技術マップデータベース48を更新する。
【0046】
このように、人材管理システム10は、育成管理ユニット64で更新した情報を技術マップ管理部70に出力することで、上述したように育成計画で変化した情報を漏れなく更新することができる。
【0047】
以上のように、人材管理システム10は、所属者の年齢と所属を含む識別情報と、保有する技能の情報と、を対応付けて技術マップを管理する技術マップ管理ユニット62と、所属者に含まれる対象者の育成計画を管理する育成管理ユニット64と、を有し、育成管理ユニット64は、技術マップ管理ユニット62から技術マップを取得し、対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、育成計画案の一部として表示させる。これにより、育成計画と、技術マップの情報を適切に共有することができ、適切な技能の管理と育成を行い、技能の継承を適切に行うことができる。
【0048】
技術マップ管理ユニット62は、育成管理ユニット64で更新された対象者の技能の情報に基づいて、技術マップを更新する。これにより、技術マップデータベースの更新漏れを防ぎ、保有している技能をより適切に把握することができ、管理者の負担も軽減することができる。
【0049】
育成管理ユニット64は、技術マップから対象者に関連する所属と技能の情報を抽出し、抽出結果に基づいて習得が必要な技能を特定し、特定した結果を育成計画案の一部として表示させる。これにより、不足している技能等を適切に把握でき、より有効な育成計画を作成しやすくなる。
【0050】
育成管理ユニット64は、育成計画の結果の情報と技術マップの情報を機械学習し、対象者の育成計画案を作成することができる。これにより、自動で抽出した育成計画を一次案として確認でき、育成計画の作成が簡単になる。
【0051】
育成管理ユニット64は、技能の類似性を取得し、類似の技術の情報に基づいて、所属者の技能の習得の情報を取得し、習得結果を用いて、対象者の育成計画案を作成することができる。これにより、より有効な育成計画案を作成できる。
【0052】
育成管理ユニット64は、技能を習得済みの所属者の情報を用いて、対象者の育成計画案を作成することができる。これにより、より有効な育成計画案を作成できる。
【0053】
技術マップ管理ユニット62は、育成計画の結果の情報と技術マップの情報を機械学習し、類似の技能を抽出することができる。これにより、技術マップの分析ができ、自動で類似の技能を抽出できる。
【0054】
技術マップ管理ユニット62は、技術マップの情報と所属員の年齢構成に基づいて、同じ所属の所属員で構成されるグループ、当該所属で必要とされる技能を保有している状態の時間変化を表示することができる。これにより、技能の推移を把握しやすくできる。
【0055】
技術マップ管理ユニット62は、技術マップの情報と、類似の技能と、所属員の情報に基づいて、所属員の所属の配置転換の候補を表示させることができる。これにより、所属員の配置をより適切にすることができ、必要な技能を適切な配置とすることができる。
【0056】
技術マップ管理ユニット62は、対象の所属者が備える技能の情報をリストで表示させる。これにより、対象の所属者の技能を把握しやすくできる。
【0057】
人材管理システム10は、本実施形態のように、プラントの設営に関する技能を含むことで、プラントの設営に関する各種技能、製造に関する技術に加え、プラントの受注の獲得に必要な技能、プラントの研究に必要な技能、プラントの設営に必要な許可を申請する技能、プラントを設計する技能等、種々の技能の蓄積状態の把握と、技能を持つ所属者の育成を円滑に行うことが可能となる。
【0058】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
10 人材管理装置
20 入力部
22 出力部
24 通信部
26 記憶部
28 制御部
40 統括管理プログラム
42 技術マップ管理プログラム
44 育成管理プログラム
46 人員情報データベース
48 技術マップデータベース
50 テンプレートデータベース
60 統括制御ユニット
62 技術マップ作成ユニット
64 育成管理ユニット
70 技術マップ管理部
72 評価結果作成部
80 育成計画作成部
82 計画評価部