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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】止血装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/135 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A61B17/135
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020544562
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018058992
(87)【国際公開番号】W WO2019090104
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】62/581,446
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/625,626
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399125104
【氏名又は名称】メリット・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Merit Medical Systems,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】520155088
【氏名又は名称】フェルディナンド キーメネイジ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】タイラー リース
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ホプキンソン
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナンド キーメネイジ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0018868(US,A1)
【文献】特開平07-047071(JP,A)
【文献】特開2013-042859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0125025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/135
A61B 17/132
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止血装置であって、
血管穿刺部位を圧迫するように構成された圧迫部材と、
前記圧迫部材の第1の側部に連結されたハンドバンドと、
前記圧迫部材の第2の側部に連結された親指バンドと、
前記圧迫部材の第3の側部に連結された固定バンドと、
前記圧迫部材が、前記血管穿刺部位に圧迫力を加えるように構成された圧迫機構を備え、
前記圧迫機構が、
上部プレートと、
前記上部プレートの底面に連結された膨張可能なブラダと、
前記膨張可能なブラダと流体連通する膨張ポートと、を備え、
前記膨張ポートが該膨張ポート内に配置された弁部材を備え、前記膨張ポートは前記上部プレートに連結され、
前記膨張ポートにシリンジが連結されたとき、前記弁部材は前記膨張ポートに対して軸方向に変位することにより前記膨張ポートが開き、前記シリンジからの空気又は流体が前記ブラダの膨張チャンバ内に注入され、前記圧迫部材を膨張させて圧迫力を加える、止血装置。
【請求項2】
前記圧迫機構が流体で膨張されるように構成されている、請求項1に記載の止血装置。
【請求項3】
前記膨張ポートが、前記上部プレートに連結された延長チューブを第1の端部に、弁部材を第2の端部に備える、請求項1に記載の止血装置。
【請求項4】
前記圧迫機構がねじ付きポストを備える、請求項1に記載の止血装置。
【請求項5】
前記ハンドバンド、前記親指バンド及び前記固定バンドが、前記圧迫部材を前記血管穿刺部位上に配置して、前記圧迫部材を前記血管穿刺部位上に保持するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項6】
前記ハンドバンドが、患者の手首、足又は手の近位部分の周りに巻き付くように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項7】
前記親指バンドが、患者の手の親指と人差し指との間の前記親指の付け根の周りに巻き付くように、又は踵の周りに巻き付くように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項8】
前記ハンドバンドが、前記固定バンドに解放可能に連結するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項9】
前記親指バンドが、前記ハンドバンドに解放可能に連結するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項10】
前記ハンドバンド、前記親指バンド及び前記固定バンドが解放可能な連結機構を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項11】
前記解放可能な連結機構が「フックアンドループ」材料を含む、請求項10に記載の止血装置。
【請求項12】
前記圧迫部材が、患者の手の解剖学的スナッフボックスの下方にある遠位橈骨動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項13】
前記圧迫部材が、患者の遠位橈骨動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項14】
前記圧迫部材が、患者の足の動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の止血装置。
【請求項15】
止血装置であって、
血管アクセス穿刺部位を圧迫するように構成された圧迫部材と、
前記圧迫部材の第1の側部に連結された第1のバンドと、
前記圧迫部材の第2の側部に連結された第2のバンドと、
前記圧迫部材の第3の側部に連結された第3のバンドと、を備え、
前記圧迫部材が圧迫機構を備え、
前記圧迫機構が、
上部プレートと、
前記上部プレートの底面に連結された膨張可能なブラダと、
前記膨張可能なブラダと流体連通する膨張ポートと、を備え、
前記膨張ポートが該膨張ポート内に配置された弁部材を備え、前記膨張ポートは前記上部プレートに連結され、
前記膨張ポートにシリンジが連結されたとき、前記弁部材は前記膨張ポートに対して軸方向に変位することにより前記膨張ポートが開き、前記シリンジからの空気又は流体が前記ブラダの膨張チャンバ内に注入され、前記圧迫部材を膨張させて圧迫力を加える、止血装置。
【請求項16】
前記圧迫機構がねじ付きポストを備える、請求項15に記載の止血装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、双方ともにその全体が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許仮出願第62/581,446号、表題:「Hemostasis Devices and Methods of Use」(2017年11月3日出願)、及び米国特許仮出願第62/625,626号、表題:「Hemostasis Devices and Methods of Use」(2018年2月2日出願)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概略的には血管アクセス穿刺部位における止血に使用される医療用装置の分野に関する。より具体的には、本開示の幾つかの実施形態は、手首及び足の遠位橈骨動脈を含む動脈の血管アクセス後の止血に使用される止血装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書における書面による開示は、非限定的かつ非網羅的な、例示的実施形態を説明するものである。以下の図に示される、このような例示的実施形態のうちの特定のものについて、参照するものとする。
【0004】
図1】止血装置の斜視図である。
【0005】
図2】遠位橈骨動脈の穿刺部位上に止血装置が配置された手の背面の図である。
【0006】
図3】手の周りに止血装置のバンドが巻き付けられた手の掌側の図である。
【0007】
図4A】第2の止血装置の分解斜視図である。
【0008】
図4B図4Aの止血装置の斜視図である。
【0009】
図5A図4Aの止血装置の上面図である。
【0010】
図5B図5Aの止血装置を線5B-5Bで切断した断面側面図である。
【0011】
図6】シリンジが膨張ポートに取り付けられた、図4Aの止血装置の斜視図である。
【0012】
図7図4Aの止血装置と類似の止血装置の右手構成の斜視図である。
【0013】
図8】圧迫部材が遠位橈骨動脈の穿刺部位上に配置された、患者の手に装着された図4Aの止血装置の図である。
【0014】
図9】圧迫部材が橈骨動脈の穿刺部位上に配置された、患者の手首に装着された図4Aの止血装置の図である。
【0015】
図10】圧迫部材が患者の足の動脈の穿刺部位上に配置された、患者の足に装着された図4Aの止血装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
血管インターベンション処置は、診断上及び治療上の双方の理由で行われ得る。一部の血管インターベンション処置は、針で動脈などの血管に経皮的にアクセスした後に、ガイドワイヤ、拡張器、シース、カテーテルなどを挿入することを必要とする。アクセスされる血管は、腕、手又は足の末梢動脈であってもよい。例えば、末梢動脈は、手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ内に位置する遠位橈骨動脈であってもよい。血管アクセスにより、血管壁に穿刺部位又は穴が形成され、処置中にその中を医療装置が通過することができる。処置の最後に、処置装置を取り外し、止血が達成されるまで穿刺部位に圧力又は圧迫を加えてもよい。圧迫は、医療従事者によって、又は本明細書に記載の止血装置などの止血装置によって加えられてもよい。そのような止血装置は、患者に装置を固定するためのバンドと、穿刺部位に圧力又は圧迫力を加える圧迫部材とを備えてもよい。
【0017】
本明細書の図において全般的に記載され、かつ図示されるような実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成にて、配置及び設計することができる。したがって、それらの図に表されるような、以下の種々の実施形態のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に種々の実施形態を代表するものに過ぎない。実施形態の種々の態様が図面に提示されるが、この図面は、特に指示しない限り、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。
【0018】
「~に連結する」という語句は、機械的な相互作用及び流体相互作用を含め、2つ以上の物体間の任意の好適な連結又は他の形態の相互作用を指すのに十分広義である。したがって、2つの構成要素は、それらが互いに直接、接触していない場合でさえも、互いに連結されている場合がある。「流体連通」という語句は、その通常の意味に用いられ、また各要素が互いに流体連通にある場合に、流体(例えば、ガス又は液体)が、一方の要素から他方の要素へと流れることができる配置を意味するのに十分広義である。
【0019】
「近位部」及び「遠位部」という用語は、反対の方向の用語である。例えば、装置又は構成要素の遠位端部は、通常の使用中、施術者から最も遠い構成要素の端部である。近位端部は、その反対の端部、又は通常の使用中、施術者から最も近い端部を意味する。
【0020】
解剖学的嗅ぎタバコ入れは、親指が完全に伸ばされた時に手の背面の親指側上に位置する窪みとして定義される。本明細書で使用する場合、手の背面は、手の甲側、又は掌の反対側を指す。掌側は、甲側とは反対側の腹側である。「親指側」は、親指に隣接する手の側面を指す。
【0021】
「流体」は、その広い意味で使用されて、概して流体として働く液体及び気体の両方、並びに溶液、化合物、懸濁液などを含む任意の流体を指す。
【0022】
図1は、血管アクセス止血装置、システム又はアセンブリ100を図示したものである。止血装置100は、ハンドバンド又はストラップ110、親指バンド又はストラップ120、固定バンド又はストラップ130及び圧迫部材140を備えてもよい。止血装置100を、患者の手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ領域の橈骨動脈の遠位部分の血管アクセス穿刺部位を圧迫するために、手の近位部分の周り及び親指の周りに外嵌されるように構成してもよい。止血装置100を、止血装置100が左手又は右手の遠位橈骨動脈穿刺部位での止血を行うことができるように、左手用装置又は右手用装置として構成してもよい。図1は、患者の左手に使用するように構成された止血装置を示す。幾つかの実施形態では、止血装置100は、止血装置100の手への連結を容易にする更なるバンドを備えてもよい。
【0023】
引き続き図1を参照すると、バンド110、120、130は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。バンド110、120、130は、フック材料に付着するように構成されたループ材料を含むフックアンドループ材料などの解放可能な固定機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、フック材料及び/又はループ材料は、バンド110、120、130の材料と一体であってもよい。他の実施形態では、フック材料及び/又はループ材料は、バンド110、120、130の表面に連結されてもよい。フック材料及び/又はループ材料は、バンド110、120、130の上面及び/又は底面を覆ってもよい。他の実施形態では、フック材料及び/又はループ材料は、バンド110、120、130の上面及び/又は底面の一部分を覆ってもよい。感圧接着剤、バックル、磁石、スナップ、留め金などの他の種類の解放可能な固定機構も、本開示の範囲内であることが企図されている。
【0024】
図示される実施形態では、ハンドバンド110は、第1の端部111、第2の端部112及び本体部分113を備える。幾つかの実施形態では、ハンドバンド110の第1の端部111は、圧迫部材140に連結されてもよい。ハンドバンド110は、第1の側部141の一部分の周りに第1の端部111の一部分を巻き付けることによって、圧迫部材140の第1の側部141に連結されてもよい。他の実施形態では、ハンドバンド110は、熱溶接、音波溶接、接着、機械的圧縮などの任意の好適な技術を使用して圧迫部材140に連結されてもよい。
【0025】
ハンドバンド110は、ハンドバンド110が、親指バンド120に対して角度αをなし、かつ固定バンド130に対して角度βをなして圧迫部材140から外向きに延びるように、圧迫部材140に固定連結されてもよい。角度αは、30度~110度、70度~120度、90度~120度を含む15度~120度の範囲、又は90度を超える、100度を超える、及び110度を超える角度を含む範囲であってもよい。角度βは、140度~170度、150度~160度、又は180度以下、170度以下、及び160度以下を含む、120度~180度の範囲であってもよい。幾つかの実施形態では、ハンドバンド110は、ハンドバンド110の角度α,βが調節可能であるように、圧迫部材140に枢動可能に連結されてもよい。幾つかのそのような実施形態では、ハンドバンド110は自由に回転するように構成されてもよい。換言すれば、ハンドバンド110は、圧迫部材140に対して完全に360度回転するように構成され得る。他の実施形態では、ハンドバンド110は、30度~150度を含む1度から180度まで回転するように構成されてもよい。使用時には、施術者は、特定の患者の解剖学的構造又は特性に一致又は適合させるために、圧迫部材140に対してハンドバンド110を回転させることができる。
【0026】
ハンドバンド110の本体113は、圧迫部材140から離れる方向に延びる長縁部114を有する矩形形状を形成してもよい。長縁部114は、ハンドバンド110が「砂時計」形状を形成するように、凹部を備えてもよい。第2の端部112は、第2の端部112が患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、親指バンド120は、第1の端部121、第2の端部122及び本体部分123を備える。親指バンド120は、患者の手からの止血装置100の近位変位を防止するように構成されていてもよい。親指バンド120は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、親指バンド120の第1の端部121は、圧迫部材140の第2の側部142に固定連結されてもよい。親指バンド120は、第1の端部121の一部分を第2の側部142の一部分の周りに巻き付けることによって、圧迫部材140の第2の側部142に連結されてもよい。他の実施形態では、親指バンド120は、熱溶接、音波溶接、接着、機械的圧縮などの任意の好適な技術を使用して圧迫部材140に連結されてもよい。
【0028】
親指バンド120は、親指バンド120が、ハンドバンド110と固定バンド130との間の圧迫部材140の第2の側部142から、ハンドバンド110に対して角度αをなし、かつ固定バンド130に対して角度χをなして外向きに延びるように、圧迫部材140に固定連結されてもよい。角度χは、30度~110度、70度~100度、又は90度±10度の範囲を含む、15度~120度の範囲であってもよい。幾つかの実施形態では、親指バンド120は、角度α,χが調節可能であるように、圧迫部材140に枢動可能に連結されてもよい。幾つかのそのような実施形態では、親指バンド120は自由に回転するように構成されてもよい。換言すれば、親指バンド120は、圧迫部材140に対して完全に360度回転するように構成され得る。他の実施形態では、親指バンド120は、30度~150度を含む1度~180度まで回転するように構成されてもよい。使用時には、施術者は、特定の患者の解剖学的構造又は特性に一致又は適合させるために、圧迫部材140に対して親指バンド120を回転させることができる。
【0029】
親指バンド120の本体123は、圧迫部材140から離れる方向に延びる長縁部124を有する矩形形状を形成してもよい。長縁部124は、親指バンド120が「砂時計」形状を形成するように、凹部を備えてもよい。第2の端部122は、第2の端部122が患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、固定バンド130は、第1の端部131、第2の端部132及び本体部分133を備える。固定バンド130は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、固定バンド130の第1の端部131は、圧迫部材140に固定連結されてもよい。固定バンド130は、第1の端部131の一部を第3の側部143の一部分の周りに巻き付けることによって、圧迫部材140の第3の側部143に連結されてもよい。他の実施形態では、固定バンド130は、熱溶接、音波溶接、接着、機械的圧縮などの任意の好適な技術を使用して圧迫部材140に連結されてもよい。
【0031】
固定バンド130は、固定バンド130がハンドバンド110と親指バンド120との間の圧迫部材140から外向きに延びるように、圧迫部材140に固定連結されてもよい。幾つかの実施形態では、固定バンド130は、ハンドバンド110に対して角度βをなし、かつ親指バンド120に対して角度χをなして圧迫部材140の第3の側部143から外向きに延びてもよい。幾つかの実施形態では、固定バンド130は、固定バンド130の角度が連続的な範囲にわたって調節可能であるように、圧迫部材140に枢動可能に連結されてもよい。幾つかのこのような実施形態では、固定バンド130は自由に回転するように構成されてもよい。換言すれば、固定バンド130は、圧迫部材140に対して完全に360度回転するように構成され得る。他の実施形態では、固定バンド130は、30度~150度を含む、1度~180度まで回転するように構成されてもよい。使用時には、施術者は、特定の患者の解剖学的構造又は特性に一致又は適合させるために、圧迫部材140に対して固定バンド130を回転させることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、止血装置100は固定バンド130を含まなくてもよい。そのような実施形態では、ハンドバンドの第2の端部112を、医療従事者によって圧迫部材140の第3の側部143に連結されるように構成することが可能であるように、ハンドバンド110が圧迫部材140の第1の側部141から圧迫部材140の第3の側部143まで延びてもよい。そのような実施形態では、親指バンド120の第2の端部122は、ハンドバンド110に連結されてもよい。他の実施形態では、ハンドバンド110及び/又は親指バンド120は、ハンドバンド110が第1の輪を形成し、親指バンドが第2の輪を形成するように、使用前に第1の端部111が第1の側部141に連結され、第2の端部112が第3の側部143に連結され、第1の端部121が第2の側部142に連結され、第2の端部122が第4の側部154に連結されたエラストマ材料を有してもよい。使用時には、止血装置100が患者の手に固定されるように、患者の手の4本の指を第1の輪を通してスライドさせ、患者の親指を第2の輪を通してスライドさせることができる。
【0033】
固定バンド130の本体133は、圧迫部材140から離れる方向に延びる長縁部134を有する矩形形状を形成してもよい。第2の端部132は、第2の端部132が患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0034】
引き続き図1を参照すると、圧迫部材140は、患者の手の血管アクセス穿刺部位上に配置されるように構成されてもよい。圧迫部材140は、図1の実施形態に示されるように膨張可能に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、圧迫部材140は、剛性圧迫パッド、弾性圧迫パッド若しくはエラストマ圧迫パッドを含む機械システム及び/又は、パッドを変位させるように構成されたねじ付きポストなどの機構を使用して圧迫を行うように構成されてもよい。他の実施形態では、圧迫部材140は、少なくとも1つのガーゼパッドを備えてもよい。更に他の実施形態では、圧迫部材140は、任意の好適な機構を使用して血管アクセス穿刺部位を圧迫するように構成され得る。
【0035】
図1に示すように、圧迫部材140は、ハウジング144、膨張可能なブラダ145、膨張チューブ146及び膨張可能なポート147を備えてもよい。ハウジング144は、第1の側部141、第2の側部142及び第3の側部143を備えてもよく、側部141、142、143は、前述のように、それぞれハンドバンド110、親指バンド120及び固定バンド130に連結されるように構成されている。ハウジング144は、ハウジング144が手の嗅ぎタバコ入れ領域の解剖学的形状に適合するように、上面に対して凹状に形成されてもよい。ハウジング144は、穿刺部位がハウジング144を通して見えるように透明又は半透明であってもよい。ターゲット156の画像が、ハウジングの上面若しくは底面のいずれかに、又はブラダの表面上に印刷されてもよい(例えば、図5Aの実施形態の要素256の考察を参照されたい)。ターゲット156は、穿刺部位の真上への膨張可能なブラダ145の配置を容易にするように構成されてもよい。ハウジングを、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの、任意の好適な透明又は半透明の硬質プラスチック材料から形成してもよい。
【0036】
膨張可能なブラダ145は、ブラダ145が空気又は流体で満たされるとハウジング144から下方に延伸して、血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加えることができるように構成された可撓性の壁148を備えてもよい。ブラダ145は、その縁部でハウジング144の底面に封止されてもよい。ブラダ145は、穿刺部位が可撓性の壁148を通して見えるように、透明又は半透明であってもよい。ブラダ145は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの任意の好適な可撓性の透明又は半透明の材料から形成されてもよい。流体は、滅菌水、生理食塩水又は任意の他の好適な医療用流体を含んでもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、膨張チューブ146は、膨張ポート147がブラダ145と流体連通するように、第1の端部149でブラダ145に、第2の端部150で膨張ポート147に流体連結され得る。膨張ポート147は、通常は閉じている弁151を備えてもよい。膨張ポート147は、シリンジ(図示せず)などの医療用装置に解放可能に連結されるように構成されてもよい。シリンジに連結されると、弁151が開かれ、空気又は流体がブラダ145に注入されて圧迫部材140を膨張させることができる。幾つかの実施形態では、空気又は流体をブラダ145から除去して、圧迫部材140を収縮させることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、医療従事者が、患者に対し、左手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ領域内の遠位橈骨動脈に針を利用してアクセスするインターベンション処置を行ってもよい。医療従事者は、右利きの患者の右手に与えられる不快感を回避し、処置によって引き起こされる外傷から手首付近の橈骨動脈を保護すると共に、右利きの医療従事者が右手を使って左手の遠位橈骨動脈にアクセスすることを容易にするために、左手の遠位橈骨動脈を選択することができる。加えて、手術室内の機器を患者の右側に設置することができる。左手の遠位橈骨動脈にアクセスすることにより、患者は自分の腕を快適に腹部上に置くことができる。他の実施形態では、医療従事者は、特定の患者の状態に基づいて、任意の適切な部位で患者の血管系にアクセスすることを選択してもよい。
【0039】
診断処置又はインターベンション処置の終了時に、遠位橈骨動脈の穿刺部位に圧迫圧又は力を加えて、穿刺部位の止血を可能な限り迅速に、かつ有意な血液体積の損失なしに行うことを容易にしてもよい。図2及び図3を参照すると、止血装置100は、圧迫圧を穿刺部位に加えるために利用され得る。使用の際に、圧迫部材140を、手の解剖学的嗅ぎタバコ入れの穿刺部位上に配置してもよい。ハンドバンド110は、手の背面側又は腹側で親指から手の側面に向かって延びてもよい。親指バンド120は、親指と人差し指との間の空間に向かって延びてもよい。固定バンド130は、親指に隣接する手の側面まで延びてもよい。ハンドバンド110は、手の周りに巻き付けられ、第2の端部112は、手の甲側で固定バンド130の第2の端部132に連結されてもよい。親指バンド120は、親指の付け根の周りに巻き付けられ、第2の端部122は、手の甲側で固定バンド130に連結されてもよい。止血装置100の配置に続いて、シリンジ(図示せず)を膨張ポート147に連結し、空気又は流体を膨張チューブ146を通してブラダ145に注入し、ブラダ145を膨張させて、圧迫圧又は力を穿刺部位に加えてもよい。幾つかの実施形態では、シリンジを膨張ポート147に連結して、ブラダ145内の空気又は流体の一部分を除去し、ブラダ145を部分的に収縮させてもよい。他の実施形態では、シリンジを膨張ポート147に連結して、ブラダ145内の空気又は流体の全てを除去し、ブラダ145を完全に収縮させてもよい。
【0040】
図4A図10は、幾つかの点で上述の止血装置100に類似する、止血装置200の一実施形態を示す。したがって、同様の特徴には、同様の参照番号が、先頭の桁を「2」に増分して割り当てられている。例えば、図4A図10に示す実施形態は、幾つかの点で図1のハンドバンド110と類似し得るハンドバンド210を含む。したがって、類似して特定される特徴に関して上述された、関連性のある開示は、以降では繰り返されない場合がある。更に、図1図3で示された止血装置100及び関連する構成要素の特有の特徴は、図面の参照番号で示されないか識別されない、又は具体的にそれ以降に記載される説明にて取り上げられない場合がある。しかし、このような特徴は、その他の実施形態で示される特徴、及び/又は、このような実施形態に関して記載される特徴と、明白に同じもの、あるいは実質的に同じものとすることができる。したがって、そのような特徴の関連する記載は、図4A図11に示す止血装置200及び関連する構成要素の特徴に同様に適用される。図1図3に図示された止血装置100及び関連する構成要素に対して記載される特徴の任意の好適な組み合わせ、並びにそれらの変更例は、図4A図11の止血装置200及び関連する構成要素に使用可能であり、また逆も同様である。この開示のパターンは、後続の図に示され、かつ以降で説明される、更なる実施形態にも等しく適用されるものであり、先頭の桁を更に増分することができる。
【0041】
図4Aは、血管アクセス止血装置、システム又はアセンブリ200の斜視分解図である。図4Bは、止血装置200の斜視図である。図4A及び図4Bを参照すると、止血装置200は、ハンドバンド又はストラップ210、親指バンド又はストラップ220、固定バンド又はストラップ230及び圧迫部材240を備えてもよい。幾つかの実施形態では、ハンドバンド210、親指バンド220及び固定バンド230は一体的に形成されてもよく、バンド210、220、230は、可撓性材料のシートからダイカット、レーザカット、熱線カット、ブレードカットなどのように切り出されてもよい。他の実施形態では、バンド210、220、230は、圧迫部材240に個別に連結されてもよい。
【0042】
図5Aは、止血装置200の上面図である。図5Bは、止血装置200を切開線5B-5Bで切断した断面図である。図4A図5Bを参照すると、圧迫部材240は、患者の血管アクセス穿刺部位上に配置されるように構成されてもよい。圧迫部材240は、図5Bに示すように空気又は流体で膨張可能に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、圧迫部材240は、剛性圧迫パッド、弾性圧迫パッド若しくはエラストマ圧迫パッドを含む機械システム及び/又は、パッドを変位させるように構成されたねじ付きポストなどの機構を使用して圧迫を行うように構成されてもよい。他の実施形態では、圧迫部材240は、少なくとも1つのガーゼパッドを備えてもよい。更に他の実施形態では、圧迫部材240は、任意の好適な機構を使用して血管アクセス穿刺部位を圧迫するように構成され得る。
【0043】
圧迫部材240は、上部プレート244、膨張可能なブラダ245及び膨張ポート247を備えてもよい。上部プレート244は、第1の側部241、第2の側部242及び第3の側部243を備えてもよく、側部241、242、243は、それぞれハンドバンド210、親指バンド220及び固定バンド230に連結されるように構成されている。上部プレート244は、止血装置200が配置される患者の手、手首又は足などの外部解剖学的構造に上部プレート244が少なくとも部分的に適合するように、半可撓性であるように構成されてもよい。上部プレート244は、処置中に膨張可能なブラダ245の適切な配置及び止血状態を確認するために、上部プレート244を通して穿刺部位が見えるように透明又は半透明であってもよい。上部プレート244は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの任意の好適な半可撓性材料で形成されてもよい。
【0044】
膨張可能なブラダ245は、ブラダ245の縁部が気密シール又は流体シールを形成するように、上部プレート244の底部に連結されてもよい。膨張可能なブラダ245は、ブラダ245が空気又は流体で満たされると上部プレート244から下方に延伸して膨張チャンバ255を形成し、圧迫力を血管アクセス穿刺部位に加えることができるように構成された可撓性の壁248を備えてもよい。幾つかの実施形態では、膨張チャンバ255を、上部プレート244の底面の一部分を覆うように構成してもよい。膨張チャンバ255を、止血装置200を左手用装置又は右手用装置として構成可能であるように、上部プレート244の左半分又は右半分のいずれかを覆うように構成してもよい。他の実施形態では、膨張チャンバ255を、上部プレート244の全底面を覆うように構成してもよい。ブラダ245の縁部は、音波溶接、熱溶接、接着剤などの任意の好適な技術を使用して、上部プレートの底面に封止されてもよい。ブラダ245は、処置中に穿刺部位上への膨張可能なブラダ245の適切な配置及び止血状態を確認するために、上部プレート244及びブラダ245を通して穿刺部位が見えるように透明又は半透明であってもよい。ブラダ245は、ブラダ245の底面を含むブラダ245の表面上に印刷又は接着されたターゲット256を備えてもよい。ターゲット256は、穿刺部位上へのブラダ245の配置を容易にするように構成されてもよい。ブラダ245は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの可撓性の半透明の又は透明な材料から形成されてもよい。
【0045】
膨張ポート247は、圧迫部材240と膨張ポート247との間の延長チューブを排除することにより、IVラインへの不注意な空気注入のリスクを低減するように構成されてもよい。例えば、膨張ポート247が延長チューブの端部に連結されていると、医療従事者が膨張ポート247をIVラインへの注入箇所として誤って使用してしまうおそれがある。誤った使用により、過剰な流体が圧迫部材内に注入され、ブラダ245が破裂するか、又は穿刺部位で過剰な圧力が生じ、組織損傷を引き起こすおそれがある。また、ブラダを膨張させるために注入されることを意図された空気がIVラインに不注意に注入されると、患者の病的状態又は死をもたらすおそれがある。加えて、膨張ポート247が延長チューブなしで直接に圧迫部材240に連結することで、膨張ポート247が圧迫部材240の膨張の利便性を改善することが可能である。
【0046】
膨張ポート247は、膨張ポート247が膨張ブラダ245の膨張チャンバ255とオリフィス259を介して流体連通するように、上部プレート244の上面に連結されてもよい。膨張ポート247は、上部プレート244の左側又は右側に配置された、あるいはこれを完全に覆う膨張チャンバ255と膨張ポート247とが流体連通するように、上部プレート244の上面上に配置されてもよい。膨張ポート247は、ターゲット256及び穿刺部位が膨張ポート247で隠れて見えなくならないように、膨張チャンバ255の外周に向かって配置されてもよい。
【0047】
膨張ポート247は、弁部材251と、弁部材251を膨張ポート247に保持するように構成されたキャップ250とを備えてもよい。膨張ポート247は、図6に示すように、シリンジ262などの医療用装置に解放可能に連結されるように構成されてもよい。弁部材251は、シリンジに連結されると軸方向に変位し、膨張ポート247を開いて空気又は流体をブラダ245の膨張チャンバ255内に注入させ、圧迫部材240を膨張させて穿刺部位に圧迫力を加えることを可能としてもよい。また、空気又は流体を膨張チャンバ255から除去して圧迫部材140を収縮させ、穿刺部位の圧迫を低減することができる。幾つかの実施形態では、弁部材151がプレスリットセプタムを備え、シリンジ262に連結されたアクセス装置がセプタムを貫通して膨張ポート247にアクセスすることが可能であってもよい。他の実施形態では、止血装置200は、活栓、スリットセプタム、ピンチ弁、スライドクランプなどの、双方向弁部材251の任意の好適な構成を備えてもよい。
【0048】
引き続き図4A図5Bを参照すると、ハンドバンド210は、第1の端部211、第2の端部212及び本体部分213を備えてもよい。ハンドバンド210は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。ハンドバンド210は、フック材料261に付着するように構成されたループ材料260からなるフックアンドループ材料などの解放可能な固定機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、ループ材料260及び/又はフック材料261は、ハンドバンド210の材料と一体であってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及び/又はフック材料261は、音波溶接、熱溶接、接着剤などの任意の好適な技法を使用して、ハンドバンド210の上面及び/又は底面に連結されてもよい。ループ材料260及び/又はフック材料261は、ハンドバンド210の上面又は底面を第1の端部211から第2の端部212まで覆ってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及び/又はフック材料261は、ハンドバンド210の一部分を覆ってもよい。例えば、図4A図5Aに図示するように、ループ材料260は、ハンドバンド210の底面を第1の端部211から第2の端部212まで覆うことが示されている。フック材料261は、第2の端部212に隣接する上面の一部分を覆うことが示されている。感圧接着剤、バックル、磁石、スナップ、留め金などの他の種類の解放可能な固定機構も、本開示の範囲内であることが企図されている。
【0049】
ハンドバンド210は、ハンドバンド210が、固定バンド230の反対側の圧迫部材240の第1の側部241から、親指バンド220に対して角度αをなし、かつ固定バンド230に対して角度βをなして外向きに延びるように、圧迫部材240に固定連結されてもよい。角度αは、30度~110度、70度~120度、90度~120度を含む15度~120度の範囲、又は90度を超える、100度を超える、及び110度を超える角度を含む範囲であってもよい。角度βは、140度~170度、150度~160度、又は180度以下、170度以下、及び160度以下を含む、120度~180度の範囲であってもよい。
【0050】
ハンドバンド210の本体213は、圧迫部材240から離れる方向に延びる長縁部214を有する矩形形状を形成してもよい。第2の端部212は、第2の端部212が患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、親指バンド220は、第1の端部221、第2の端部222及び本体部分223を備える。親指バンド220は、患者の手、手首又は足の大径部分から、手、手首又は足の小径部分への止血装置200の変位を防止するように構成されてもよい。親指バンド220は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。親指バンド220は、ループ材料260及びフック材料261からなるフックアンドループ材料などの解放可能な固定機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、親指バンド220の材料と一体であってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、音波溶接、熱溶接、接着剤などの任意の好適な技法を使用して、親指バンド220の上面及び/又は底面に連結されてもよい。ループ材料260及びフック材料261は、親指バンド220の上面又は底面を第1の端部221から第2の端部222まで覆ってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、親指バンド220の一部分を覆ってもよい。例えば、図4A図5Aに示すように、ループ材料260は、親指バンド220の底面を第1の端部221から第2の端部222まで覆うことが示されている。感圧接着剤、バックル、磁石、スナップ、留め金などの他の種類の解放可能な固定機構も、本開示の範囲内であることが企図されている。
【0052】
親指バンド220は、親指バンド220が、ハンドバンド210と固定バンド230との間の圧迫部材240の第2の縁部242から、ハンドバンド210に対して角度αをなし、かつ固定バンド230に対して角度χをなして外向きに延びるように、圧迫部材240に固定連結されてもよい。角度χは、30度~110度、70度~100度、又は90度±10度の範囲を含む、15度~120度の範囲であってもよい。
【0053】
親指バンド220の本体223は、圧迫部材240から離れる方向に延びる長縁部224を有する矩形形状を形成してもよい。第2の端部222は、第1の端部221よりも広くてもよく、第2の端部222は、患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0054】
固定バンド230は、第1の端部231、第2の端部232及び本体部分233を備えてもよい。固定バンド230は、プラスチックフィルム、布などの可撓性材料から形成されてもよい。固定バンド230は、ループ材料260及びフック材料261からなるフックアンドループ材料などの解放可能な固定機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、固定バンド230の材料と一体であってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、音波溶接、熱溶接、接着剤などの任意の好適な技法を使用して、固定バンド230の上面及び/又は底面に連結されてもよい。ループ材料260及びフック材料261は、固定バンド230の上面又は底面を第1の端部231から第2の端部232まで覆ってもよい。他の実施形態では、ループ材料260及びフック材料261は、固定バンド230の一部分を覆ってもよい。例えば、図4A図4B及び図5Aに示すように、ループ材料260は、固定バンド230の底面を第1の端部231から第2の端部232まで覆うことが示されている。フック材料261は、上面を第1の端部231から第2の端部232まで覆うことが示されている。感圧接着剤、バックル、磁石、スナップ、留め金などの他の種類の解放可能な固定機構も、本開示の範囲内であることが企図されている。
【0055】
固定バンド230は、固定バンド230が、ハンドバンド210の反対側の圧迫部材240の第3の縁部243から、親指バンド220に対して角度χをなし、かつハンドバンド210に対して角度αをなして外向きに延びるように、圧迫部材240に固定連結されてもよい。
【0056】
固定バンド230の本体233は、圧迫部材240から離れる方向に延びる長縁部234を有する矩形形状を形成してもよい。固定バンド230の長さは、ハンドバンド210よりも短くてもよい。他の実施形態では、固定バンド230は、ハンドバンド210と同等以上の長さであってもよい。第2の端部232は、第2の端部232が患者の皮膚に対して非外傷性であるように、丸みを帯びた角部を備えてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、止血装置200は親指バンド220を含まなくてもよい。他の実施形態では、止血装置200は固定バンド230を含まなくてもよい。そのような実施形態では、ハンドバンド210は、第1の端部211が第1の縁部241に連結され、第2の端部212が第3の縁部243に連結されたエラストマ材料で形成されてもよい。幾つかの実施形態では、止血装置200は、3つを超えるバンドを備えてもよい。例えば、止血装置は、4つ、5つ又は6つのバンドを備えてもよい。
【0058】
止血装置200を、止血装置200が左手又は右手の遠位橈骨動脈穿刺部位での止血を行うことができるように、左手用装置又は右手用装置として構成してもよい。図6は、患者の左手に使用するように構成された止血装置200を示す。止血装置200を親指バンド220に向かって見ると、ハンドバンド210は圧迫部材240から右に延びており、膨張可能なブラダ255は、上部プレート244の右側部分に配置されている。図7に示す実施形態などのように、患者の右手に使用するように構成されている場合、止血装置200を親指バンド220に向かって見ると、ハンドバンド220は圧迫部材240から左に延びており、膨張可能なブラダ255は、上部プレート244の左側部分に配置されている。左手用に構成された止血装置200は、右手用に構成された止血装置の鏡像である。左手用止血装置及び右手用止血装置の要素は、類似の鏡像であり、したがって、図6及び図7において共通の参照番号によって示されている。
【0059】
図8を参照すると、幾つかの実施形態では、止血装置200を、患者の手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ領域の橈骨動脈の遠位部分の血管アクセス穿刺部位を圧迫するために、手の近位部分の周り及び親指の周りに外嵌されるように構成してもよい。この使用では、圧迫部材240は、手の穿刺部位上に配置される。例えば、圧迫部材を、手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ内の遠位橈骨動脈の穿刺部位上に配置してもよい。ハンドバンド210を、手の親指側、掌及び手の側面の周りに巻き付けてもよい。固定バンド230は、手の背面上に延びてもよく、ハンドバンド210の第2の端部212は、固定バンド230の第2の端部232に連結されてもよい。止血装置200が、延長部材(図示せず)を備えてもよい。延長部材は、フックアンドループ材料で構成されてもよい。大きな手の患者の場合に、延長部材を利用してハンドバンド210を固定バンド230に連結させてもよい。親指バンド220を親指と人差し指との間に延ばし、ハンドバンド210に連結させて、止血装置200が手のより小さい部分へと近位方向にずれるのを防ぐことができる。幾つかの実施形態では、親指バンド220は、圧迫部材240から手の任意の2本の指の間に延ばされてもよい。例えば、親指バンド220は、人差し指と中指との間、又は中指と薬指との間、又は薬指と小指との間に延ばされてもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、図9に示すように、止血装置200を、患者の手首領域内の橈骨動脈又は他の血管の血管アクセス穿刺部位を圧迫するために、患者の手首の周りに外嵌されるように構成してもよい。この実施形態では、ハンドバンド210及び固定バンド230は手首の周りに延び、ハンドバンド210の第2の端部212は固定バンド230に連結される。親指バンド220は、親指と人差し指との間に延び、ハンドバンド210に連結して、止血装置200が腕上で近位方向にずれるのを防ぐ。一部の実施形態では、止血装置200を手首領域内の穿刺部位上に固定するために親指バンド220を使用しなくてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、図10に示すように、止血装置200を足の穿刺部位の圧迫に使用してもよい。この実施形態では、ハンドバンド210及び固定バンド230は足の周りに延び、ハンドバンド210の第2の端部212は固定バンドに連結される。親指バンド220は踵の周りに延び、ハンドバンド210に連結して、止血装置200が足の上で遠位方向にずれるのを防ぐ。
【0062】
幾つかの実施形態では、医療従事者が、患者に対し、左手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ領域内の遠位橈骨動脈に針を利用してアクセスするインターベンション処置を行ってもよい。医療従事者は、右利きの患者の右手に与えられる不快感を回避し、処置によって引き起こされる外傷から手首付近の橈骨動脈を保護すると共に、右利きの医療従事者が右手を使って左手の橈骨動脈にアクセスすることを容易にするために、左手の遠位橈骨動脈を選択することができる。加えて、手術室内の機器を患者の右側に設置することができる。左手の遠位橈骨動脈にアクセスすることにより、患者は自分の腕を快適に腹部上に置くことができる。他の実施形態では、医療従事者は、インターベンション診断又は治療処置を実施するために、手首又は足の動脈などの任意の好適な部位で患者の血管系にアクセスすることを選択してもよい。
【0063】
インターベンション診断処置又は治療処置の終了時に、手、手首又は足の血管の穿刺部位に圧迫圧又は力を加えて、穿刺部位の止血を可能な限り迅速に、かつ有意な血液体積の損失なしに行うことを容易にしてもよい。止血装置(図1の100又は図4Bの200)を利用して、穿刺部位に圧迫力を加えることができる。使用の際に、圧迫部材を、ターゲットが穿刺部位の中心にある状態で穿刺部位上に配置してもよい。ハンドバンドを、手、手首又は足の周りに巻き付け、固定バンドに連結してもよい。親指バンドを、親指と人差し指との間の空間に向かって延ばし、ハンドバンドに連結させてもよい。止血装置を当てた後に、シリンジをポートに連結し、空気又は流体を膨張可能なブラダに注入して、膨張可能なブラダを膨張させ、穿刺部位に圧迫力を加えることができる。止血が達成されると、シリンジを膨張ポートに連結して、ブラダ内の空気又は流体の全て又は一部を除去し、ブラダを完全に又は部分的に収縮させてもよい。
本明細書で開示されるいずれの方法も、記載されている方法を実行するための、1つ以上の工程又は行為を含む。それらの方法の工程及び/又は行為を、互いに入れ替えてよい。言い換えれば、実施形態の適切な動作に関して、特定の工程又は行為の順序が必要とされない限り、それら特定の工程及び/又は行為の順序並びに/あるいは行為を、変更してよい。更には、本明細書に記載された方法のサブルーチン又は一部分のみを、本開示の範囲内の別個の方法としてよい。換言すれば、幾つかの方法は、より詳細な方法で記載されている工程の一部分のみを含んでよい。
【0064】
本明細書の全体にわたる、「ある実施形態」又は「その実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、引用される語句又はその変更例は、本明細書の全体にわたって記載されている場合、必ずしも全てが、同じ実施形態に言及するものとは限らない。
【0065】
同様に、本開示の恩恵を受けることにより、当業者は、上記の実施形態の説明において、開示の効率化の目的上、種々の特徴が単一の実施形態、図、又はそれらの記載に集約されている場合がある点を、理解するべきである。しかし、本開示の方法は、いずれの請求項も、その請求項で明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして、解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の態様は、上記で開示された任意の単一の実施形態の全ての特徴よりも、少ない特徴の組み合わせにある。したがって、この「発明を実施するための形態」に続く請求項は、この「発明を実施するための形態」に明示的に組み込まれるものであり、各請求項は、それ自体が別個の実施形態として独立している。本開示は、独立請求項とそれらの従属請求項の、あらゆる並べ替えを含む。
なお、本発明の実施形態として、以下のものが含まれる。
〔実施形態1〕
止血装置であって、
血管穿刺部位を圧迫するように構成された圧迫部材と、
前記圧迫部材の第1の側部に連結されたハンドバンドと、
前記圧迫部材の第2の側部に連結された親指バンドと、
前記圧迫部材の第3の側部に連結された固定バンドと、
を備える止血装置。
〔実施形態2〕
前記圧迫部材が、前記穿刺部位に圧迫力を加えるように構成された圧迫機構を備える、実施形態1に記載の止血装置。
〔実施形態3〕
前記圧迫機構が流体で膨張されるように構成されている、実施形態2に記載の止血装置。
〔実施形態4〕
前記圧迫機構が、
上部プレートと、
前記上部プレートの底面に連結された膨張可能なブラダと、
前記膨張可能なブラダと流体連通する膨張ポートと、
を備える、実施形態2又は3に記載の止血装置。
〔実施形態5〕
前記膨張ポートが、前記上部プレートに連結された弁部材を備える、実施形態4に記載の止血装置。
〔実施形態6〕
前記膨張ポートが、前記上部プレートに連結された延長チューブを第1の端部に、弁部材を第2の端部に備える、実施形態4に記載の止血装置。
〔実施形態7〕
前記圧迫機構がねじ付きポストを備える、実施形態2に記載の止血装置。
〔実施形態8〕
前記ハンドバンド、前記親指バンド及び前記固定バンドが、前記圧迫部材を前記穿刺部位上に配置して、前記圧迫部材を前記穿刺部位上に保持するように構成されている、実施形態1~7のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態9〕
前記ハンドバンドが、患者の手首、足又は手の近位部分の周りに巻き付くように構成されている、実施形態1~8のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態10〕
前記親指バンドが、患者の手の親指と人差し指との間の前記親指の付け根の周りに巻き付くように、又は踵の周りに巻き付くように構成されている、実施形態1~9のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態11〕
前記ハンドバンドが、前記固定バンドに解放可能に連結するように構成されている、実施形態1~10のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態12〕
前記親指バンドが、前記ハンドバンドに解放可能に連結するように構成されている、実施形態1~11のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態13〕
前記ハンドバンド、前記親指バンド及び前記固定バンドが解放可能な連結機構を含む、実施形態1~12のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態14〕
前記解放可能な連結機構が「フックアンドループ」材料を含む、実施形態13に記載の止血装置。
〔実施形態15〕
前記圧迫部材が、患者の手の前記解剖学的嗅ぎタバコ入れ内の遠位橈骨動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、実施形態1~14のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態16〕
前記圧迫部材が、患者の遠位橈骨動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、実施形態1~14のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態17〕
前記圧迫部材が、患者の足の動脈穿刺部位を圧迫するように構成されている、実施形態1~14のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態18〕
血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加える方法であって、
止血装置であって、
圧迫部材と、
ハンドバンドと、
親指バンドと、
固定バンドと、
を備える止血装置を得ることと、
前記圧迫部材を前記穿刺部位上に配置することと、
を含む方法。
〔実施形態19〕
前記ハンドバンドを、手の近位部分、手首又は足の周りに巻き付けることであって、前記ハンドバンドが前記固定バンドに連結されることと、
手の親指と人差し指との間の前記親指の付け根又は足の踵の周りに前記親指バンドを巻き付けることであって、前記親指バンドが前記ハンドバンドに連結されることと、
を更に含む、実施形態18に記載の方法。
〔実施形態20〕
患者の前記手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ領域内の遠位橈骨動脈にアクセスすることを更に含む、実施形態18又は19に記載の方法。
〔実施形態21〕
患者の前記手首の動脈にアクセスすることを更に含む、実施形態18に記載の方法。
〔実施形態22〕
患者の前記足の動脈にアクセスすることを更に含む、実施形態18又は19に記載の方法。
〔実施形態23〕
前記圧迫部材を作動させて、前記穿刺部位に圧迫力を加えることを更に含む、実施形態18~22のいずれか一項に記載の方法。
〔実施形態24〕
流体がアクセス膨張ポートを通して前記圧迫部材の膨張可能なブラダ内に注入される、実施形態23に記載の方法。
〔実施形態25〕
止血装置であって、
血管アクセス穿刺部位を圧迫するように構成された圧迫部材と、
前記圧迫部材の第1の側部に連結された第1のバンドと、
前記圧迫部材の第2の側部に連結された第2のバンドと、
前記圧迫部材の第3の側部に連結された第3のバンドと、
を備える止血装置。
〔実施形態26〕
前記第1のバンドが、患者の手の近位部分、手首又は足の周りに延びるように構成されている、実施形態25に記載の止血装置。
〔実施形態27〕
前記第2のバンドが、患者の親指と人差し指との間の前記親指の付け根の周りに延びるように、又は足の踵の周りに延びるように構成されている、実施形態25又は26に記載の止血装置。
〔実施形態28〕
前記第1のバンドが、前記第3のバンドに解放可能に連結するように構成されている、実施形態25~27のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態29〕
前記圧迫部材が機械的圧迫機構を備える、実施形態25~28のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態30〕
前記圧迫部材が圧迫機構を備える、実施形態25~28のいずれか一項に記載の止血装置。
〔実施形態31〕
前記圧迫機構が膨張流体であるように構成されている、実施形態30に記載の止血装置。
〔実施形態32〕
前記圧迫機構が、
上部プレートと、
前記上部プレートの底面に連結された膨張可能なブラダと、
前記膨張可能なブラダと流体連通する膨張ポートと、
を備える、実施形態31に記載の止血装置。
〔実施形態33〕
前記膨張ポートが、前記上部プレートに連結された弁部材を備える、実施形態32に記載の止血装置。
〔実施形態34〕
前記膨張ポートが、前記上部プレートに連結された延長チューブを第1の端部に、弁部材を第2の端部に備える、実施形態32に記載の止血装置。
〔実施形態35〕
前記圧迫機構がねじ付きポストを備える、実施形態30に記載の止血装置。
〔実施形態36〕
前記手の解剖学的嗅ぎタバコ入れ内の遠位橈骨動脈の血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加える方法であって、
止血装置であって、
圧迫部材と、
第1のバンドと、
第2のバンドと、
第3のバンドと、
を備える止血装置を得ることと、
前記圧迫部材を前記遠位橈骨動脈上の穿刺部位上に配置することと、
前記第1のバンドを前記手の近位部分の周りに延ばすことであって、前記第1のバンドが前記第3のバンドに連結されることと、
親指と人差し指との間の前記親指の付け根の周りに前記第2のバンドを延ばすことであって、前記第2のバンドが前記第1のバンドに連結されることと、
圧迫力が前記遠位橈骨動脈上の穿刺部位に印加されるように前記圧迫部材を作動させることと、
を含む方法。
〔実施形態37〕
前記圧迫部材の膨張可能なブラダが流体で充填される、実施形態36に記載の方法。
〔実施形態38〕
血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加える方法であって、
止血装置であって、
圧迫部材と、
第1のバンドと、
第2のバンドと、
第3のバンドと、
を備える止血装置を得ることと、
前記穿刺部位に圧迫力を加えることと、
を含む方法。
〔実施形態39〕
前記圧迫部材を前記前記穿刺部位上に配置することを更に含む、実施形態38に記載の方法。
〔実施形態40〕
前記第1のバンドを手の近位部分の周りに延ばすことであって、前記第1のバンドが前記第3のバンドに連結されることを更に含む、実施形態38又は39に記載の方法。
〔実施形態41〕
親指と人差し指との間の前記親指の付け根の周りに前記第2のバンドを延ばすことであって、前記第2のバンドが前記第1のバンドに連結されることを更に含む、実施形態38~40のいずれか一項に記載の方法。
〔実施形態42〕
圧迫力が前記穿刺部位に向けられるように前記圧迫部材を作動させることを更に含む、実施形態38~41のいずれか一項に記載の方法。
〔実施形態43〕
止血アセンブリであって、
圧迫部材と、
手の近位部分の周りに延びるように構成された第1のバンドと、
手の親指の付け根の周りに延びるように構成された第2のバンドと、
を備える止血アセンブリ。
〔実施形態44〕
前記圧迫部材が、血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加えるように構成されている、実施形態43に記載の止血アセンブリ。
〔実施形態45〕
前記圧迫部材が、遠位橈骨動脈上の血管アクセス穿刺部位に圧迫力を加えるように構成されている、実施形態43に記載の止血アセンブリ。
〔実施形態46〕
前記第2のバンドが、前記止血アセンブリの長手方向の変位を防止するように構成されている、実施形態43~45のいずれか一項に記載の止血アセンブリ。
〔実施形態47〕
止血キットであって、
止血装置であって、
膨張可能なブラダと流体連通する膨張ポートを備える圧迫部材と、
前記圧迫部材の第1の側部に連結された第1のバンドと、
前記圧迫部材の第2の側部に連結された第2のバンドと、
前記圧迫部材の第3の側部に連結された第3のバンドと、
前記膨張ポートに連結されるように構成された膨張部材と、
を備える止血装置を備える、止血キット。
〔実施形態48〕
バンド延長部を更に含む、実施形態47に記載の止血キット。
〔実施形態49〕
止血装置であって、
第1の側部及び第2の側部を備える圧迫部材と、
第1の端部及び第2の端部を含む第1のバンドであって、前記第1のバンドが第1の輪を形成するように、使用前に前記第1の端部が前記第1の側部に連結され、前記第2の端部が前記第2の側部に連結される、第1のバンドと、
第2のバンドと、
を備える止血装置。
〔実施形態50〕
前記圧迫部材が第3の側部及び第4の側部を更に含み、前記第2のバンドが第3の端部及び第4の端部を更に含み、前記第2のバンドが第2の輪を形成するように、前記第3の端部が前記第3の側部に連結され、前記第4の端部が前記第4の側部に連結される、実施形態49に記載の止血装置。
〔実施形態51〕
前記第1の輪が、手の近位部分の周りに外嵌されるように構成されている、実施形態49に記載の止血装置。
〔実施形態52〕
前記第2の輪が、手の親指の周りに外嵌されるように構成されている、実施形態49に記載の止血装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10