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特許7458340交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置、および、調査装置搬送体送り込み方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置、および、調査装置搬送体送り込み方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/02 20060101AFI20240322BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G21C19/02 200
G21C13/00 230
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021032473
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022133667
(43)【公開日】2022-09-14
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100195718
【弁理士】
【氏名又は名称】市橋 俊規
(72)【発明者】
【氏名】西山 泰博
(72)【発明者】
【氏名】寺井 藤雄
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 祐介
(72)【発明者】
【氏名】玉井 和樹
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-015491(JP,A)
【文献】特開2016-191599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/00-19/50
G21C 11/00-13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レールと、
展開時に前記交換用レールに着座し、退避時に前記交換用レールから離間する展開部と、前記展開部を展開可能に支持する支持部とを有する展開式ガイドと、前記展開部に沿って移動する調査装置搬送体とを備える調査装置搬送体送り込み装置と
を具備する
交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置
【請求項2】
前記展開部は、
展開時に前記交換用レールに着座する着座部と、
展開時に前記支持部によって支持される基端部と、
前記着座部と前記基端部との間に配置され、展開時に前記交換用レールから離間する中間部と
を備える
請求項1に記載の交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置
【請求項3】
前記展開部は、前記支持部に対して直線的に相対移動可能であり、かつ、前記支持部に対して傾動可能である
請求項1または2に記載の交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置
【請求項4】
前記調査装置搬送体に搭載される調査装置を更に具備する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置
【請求項5】
前記展開式ガイドを展開状態から収縮状態に状態変更する収縮機構を更に具備する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置
【請求項6】
展開部および前記展開部を支持する支持部を有する展開式ガイドと、調査装置搬送体とを備える調査装置搬送体送り込み装置を、原子炉格納容器に挿入する工程と、
前記展開部を前記支持部に対して展開することにより、前記展開部を前記原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レールに着座させる工程と、
前記展開部に沿って前記調査装置搬送体を移動させる工程と
を具備する
調査装置搬送体送り込み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、調査装置搬送体送り込み装置、および、調査装置搬送体送り込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炉心溶融等のアクシデントが発生した原子炉においては、プラント状況を早急に把握する必要があり、原子炉格納容器(以下、「PCV」と呼ぶ。)および原子炉圧力容器(以下、「RPV」と呼ぶ。)の内部調査が求められる。しかし、炉心溶融物がRPV外に漏出した場合やPCV内に核生成物質が飛散している場合など、PCV内へのアクセスが困難な状況が想定され、調査作業はすべて遠隔作業の形態で行われる必要がある。一例として、沸騰水型軽水炉等において、制御棒駆動機構搬出入用ペネトレーション(CRD搬出入用ペネトレーション)を介したアクセス方法が検討されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-117491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レールに着座する展開式ガイドを用いて安定的に調査装置搬送体を送り込むことが可能な調査装置搬送体送り込み装置、および、調査装置搬送体送り込み方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施形態における交換用レールと調査装置搬送体送り込み装置とを含む装置は、原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レールと、展開時に前記交換用レールに着座し、退避時に前記交換用レールから離間する展開部と、前記展開部を展開可能に支持する支持部とを有する展開式ガイドと、前記展開部に沿って移動する調査装置搬送体とを備える調査装置搬送体送り込み装置と、を具備することを特徴とする。
【0006】
また、実施形態における調査装置搬送体送り込み方法は、展開部および前記展開部を支持する支持部を有する展開式ガイドと、調査装置搬送体とを備える調査装置搬送体送り込み装置を、原子炉格納容器に挿入する工程と、前記展開部を前記支持部に対して展開することにより、前記展開部を前記原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レールに着座させる工程と、前記展開部に沿って前記調査装置搬送体を移動させる工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、制御棒駆動機構の交換用レールに着座する展開式ガイドを用いて安定的に調査装置搬送体を送り込むことが可能な調査装置搬送体送り込み装置、および、調査装置搬送体送り込み方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、正常状態における原子炉を模式的に示す概略縦断面図である。
図2図2は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図3図3は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図4図4は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図5図5は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図6図6は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図7図7は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図8図8は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図9図9は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置が貫通孔部を介して挿入された後の様子を模式的に示す概略断面図である。
図10図10は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図12図12は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図13図13は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図14図14は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図15図15は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置を模式的に示す図である。
図16図16は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1A、および、調査装置搬送体送り込み方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0010】
図1を参照して、原子炉10の一例について説明する。なお、実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aが使用される原子炉は、図1に示される原子炉10に限定されないことは言うまでもない。
【0011】
図1に示す様に記載の例では、原子炉10は、炉心12と、原子炉圧力容器11と、原子炉格納容器13と、原子炉建屋19とを備える。
【0012】
炉心12には、核燃料が保持される。原子炉圧力容器11は、炉心12と、炉心を冷却する冷却水と炉心の反応を制御する制御棒(図示せず)を内包する。原子炉格納容器13は、原子炉圧力容器11と、この原子炉圧力容器11の下部に配置され制御棒を炉心から引き抜き、または挿入駆動させる制御棒駆動機構(CRD:Control Rod Drive)とを収容する。原子炉建屋19は、原子炉格納容器13を収容し、原子炉建屋19には各種作業空間等が設けられる。
【0013】
原子炉格納容器13内には、原子炉圧力容器11およびCRD収容空間40を覆う壁14(以下、「ペデスタル14」と呼ぶ。)が配置される。図1に記載の例では、ペデスタル14は、原子炉圧力容器11を支持している。
【0014】
原子炉格納容器13には、貫通孔部16(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16)と、貫通孔部16を開閉する蓋17とが設けられている。貫通孔部16は、原子炉格納容器内に設置された制御棒駆動機構の交換用レール18(以下、「CRD交換用レール18」と呼ぶ。)の出入り口として機能する。
【0015】
ペデスタル14には、開口部15が形成されている。図1に記載の例では、CRD交換用レール18は、貫通孔部16と開口部15とを連絡するように配置されている。より具体的には、CRD交換用レール18の基端部が貫通孔部16に固定されている。また、CRD交換用レール18の先端部は、開口部15を通過して、CRD収容空間40内に配置されている。
【0016】
蓋17は、定期点検時にCRD収容空間40にアクセスするために開放される場合の他は、基本的には閉められている。
【0017】
(第1の実施形態)
図1乃至図9を用いて第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aについて説明する。図1は、正常状態における原子炉10を模式的に示す概略縦断面図である。図2乃至図8は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aを模式的に示す図である。なお、図2(a)、図3(a)、図4(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)には、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aが、CRD交換用レール18および壁14とともに図示されている。また、図2(b)、図3(b)、図4(b)、図5(b)、図6(b)、図7(b)は、それぞれ、図2(a)、図3(a)、図4(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)に示される調査装置搬送体送り込み装置1Aの一部分を拡大して示す概略平面図である。図9は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aが貫通孔部16を介して挿入された後の様子を模式的に示す概略断面図である。
【0018】
(構成・作用)
図2(a)に例示されるように、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aは、展開式ガイド22と、調査装置搬送体24とを備える。
【0019】
図6(a)に例示されるように、展開式ガイド22は、展開部32と、展開部32を展開可能に支持する支持部31とを有する。
【0020】
展開部32は、支持部31に対して展開される部分である。展開部32は、退避位置(図2(b)を参照。)と展開位置(図6(b)を参照。)との間で位置変更可能である。展開部32は、展開時にCRD交換用レール18に着座し(図6(a)を参照。)、退避時に当該CRD交換用レール18から離間する(図2(a)を参照。)。
【0021】
調査装置搬送体24は、展開部32に沿って移動する(図6(a)における矢印AR3を参照。)
【0022】
(効果)
第1の実施形態では、展開式ガイド22の展開部32がCRD交換用レール18に着座した後、CRD交換用レール18によって支持される展開部32に沿って、調査装置搬送体24が移動する。よって、調査装置搬送体24を展開部32の先端部321に向けて安定的に送り込むことができる。また、CRD交換用レール18の状態に依存することなく、調査装置搬送体24を展開部32の先端部321に向けて安定的に送り込むことができる。
【0023】
図6(a)に記載の例では、展開部32が支持部31およびCRD交換用レール18の両方によって支持された状態で、調査装置搬送体24が展開部32の先端部321に向けて送り込まれる。このため、調査装置搬送体24の重量が大きい場合であっても、調査装置搬送体24の送り込みの安定性が損なわれない。
【0024】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図9を参照して、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0025】
(展開部32)
図6(a)に記載の例では、展開部32は、着座部321aと、基端部322と、中間部323とを備える。
【0026】
着座部321aは、展開部32の展開時にCRD交換用レール18に着座する。図6(a)に記載の例では、着座部321aは、展開部32の先端部321に配置されている。
【0027】
基端部322は、支持部31によって支持される。基端部322は、展開部32の退避時および展開部32の展開時のいずれにおいても、支持部31によって支持される。
【0028】
図5(a)に例示されるように、展開部32がCRD交換用レール18に着座する前の状態では、展開部32は、支持部31によって片持ち支持される。展開部32に作用する負荷を低減する観点から、展開部32がCRD交換用レール18に着座する前の状態では、調査装置搬送体24は、展開部32の基端部322に配置されていることが好ましい。
【0029】
展開部32の展開時(換言すれば、展開部32がCRD交換用レール18に着座している時)には、展開部32は、支持部31とCRD交換用レール18とによって両持ち支持される。よって、展開部32の展開時には、調査装置搬送体24を展開部32に沿って安定的に移動させることができる。
【0030】
図6(a)に例示されるように、中間部323は、着座部321a(より具体的には、先端部321)と基端部322との間に配置され、展開部32の展開時にCRD交換用レール18から離間する。
【0031】
図6(a)に記載の例では、着座部321aがCRD交換用レール18に着座した状態においても、展開部32の中間部323はCRD交換用レール18から離間している。よって、CRD交換用レール18に、障害物が存在する場合であっても、あるいは、CRD交換用レール18の表面の状態が良好でない場合であっても、展開部32をCRD交換用レール18に着座させることができる。
【0032】
図3(a)に記載の例では、展開部32は、支持部31に対して直線的に相対移動可能である(図3(a)における矢印AR1を参照。)。また、図4(a)に記載の例では、展開部32は、支持部31に対して傾動可能である(図4(a)における矢印AR2を参照。)。
【0033】
展開部32が、支持部31に対して、直線的に相対移動可能、かつ、傾動可能である場合、障害物を避けて、展開部32を展開させるのが容易となる。
【0034】
図2(a)乃至図4(a)に記載の例では、展開部32を展開する際に、展開部32を直線的に移動させた後に展開部32を傾動させることが可能である(図2(a)に記載の状態から、図3(a)に記載の状態を経由して、図4(a)に記載の状態に至るまでの展開部32の動きを参照。)。
【0035】
また、図3(a)乃至図5(a)に記載の例では、展開部32を傾動させた後に展開部32を直線的に移動させることが可能である(図3(a)に記載の状態から、図4(a)に記載の状態を経由して、図5(a)に記載の状態に至るまでの展開部32の動きを参照。)。
【0036】
このように、展開部32の直線的な移動と展開部32の傾動とを任意に組み合わせて、展開部32を展開させることができる場合、展開部32を展開する展開オペレーションの選択肢が増加する。例えば、障害物の位置を考慮して、展開オペレーションを自由に構築することができる。図2(a)乃至図4(a)に記載の例では、展開部32を直線的に移動させた後、展開部32が傾動される。その結果、展開部32と障害物との間の干渉が防止される。また、図3(a)乃至図5(a)に記載の例では、展開部32が傾動された後、展開部32が直線的に移動される。その結果、展開部32と、壁14との間の干渉が防止される。
【0037】
図6(b)に記載の例では、展開部32は、調査装置搬送体24の移動をガイドする移動案内面38を有する。移動案内面38は、例えば、レールによって構成される。移動案内面38がレールによって構成される場合には、調査装置搬送体24の軌跡が安定し、調査装置搬送体24の位置精度が向上する。図6(b)に記載の例では、移動案内面38は、2本のレール38a、38bによって構成されている。なお、移動案内面38を構成するレールの本数は、2本に限定されない。
【0038】
図6(b)に記載の例では、移動案内面38(より具体的には、レール38a、38b)は、展開部32の基端部322から展開部32の先端部321まで延在している。
【0039】
(スリット23および第1軸部33a、33b)
図2(a)および図2(b)に記載の例では、展開式ガイド22の支持部31はスリット23を有し、展開式ガイド22の展開部32は、スリット23を通過するように配置される第1軸部33a、33bを有する。第1軸部33a、33bがスリット23に沿って移動することにより、展開部32が支持部31に対して直線的に相対移動する。
【0040】
(伸展用ワイヤ36a、36b)
図2(b)に記載の例では、調査装置搬送体送り込み装置1Aは、展開式ガイド22を伸展させる(より具体的には、支持部31から展開部32を進出させる)伸展用ワイヤ36a、36bを備える。図2(b)に記載の例では、伸展用ワイヤ36a、36bが後方(換言すれば、第1方向DR1)に牽引されることにより、展開部32が前方(換言すれば、第1方向DR1とは反対の第2方向DR2)に移動する。こうして、展開式ガイド22が伸展される。なお、調査装置搬送体送り込み装置1Aは、伸展用ワイヤ36a、36bを牽引する第1牽引装置(図示されず)を備えることが好ましい。
【0041】
伸展用ワイヤ36a、36bの第1方向DR1への移動によって、展開部32を第2方向DR2に移動させるため、支持部31は、滑車37a、37bを有していてもよい。図2(b)に記載の例では、伸展用ワイヤ36a、36bが、滑車37a、37bに掛け回され、伸展用ワイヤ36a、36bの先端部が展開部32(より具体的には、展開部32の第1軸部33a、33b)に接続されている。
【0042】
(駆動装置34a、34b)
図2(b)に記載の例では、調査装置搬送体送り込み装置1Aは、展開部32を、第1軸AX1まわりに傾動させる駆動装置34a、34bを備える。図2(b)に記載の例では、駆動装置34a、34bは、圧力モータ341a、341b等のモータを含み、モータは、第1軸部33a、33bを第1軸AX1まわりに回転駆動する。なお、圧力モータは、流体の圧力を回転駆動力に変換するモータ(例えば、油圧モータ)である。圧力モータ341a、341b等のモータは、水平面に対する展開部32の傾斜角を変更可能であるとともに、当該傾斜角を一定に維持可能であることが好ましい。
【0043】
図2(b)に記載の例では、調査装置搬送体送り込み装置1Aは、圧力モータ341a、341b等のモータ自体が第1軸AX1まわりを回転するのを防止する回り止め35a、35bを備える。図2(b)に記載の例では、回り止め35a、35bは、スリット23に挿入されている。
【0044】
(調査装置搬送体24)
調査装置搬送体24は、移動案内面38に沿って移動する。調査装置搬送体24は、例えば、調査装置搬送台車である。図7(b)に記載の例では、調査装置搬送体24は、少なくとも4つの車輪241を有する。移動案内面38がレールによって構成される場合、車輪241は、当該レールを転動する。
【0045】
調査装置搬送体24は、調査装置搬送体24に内蔵されるモータによって自走可能であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、調査装置搬送体24は、調査装置搬送体24に接続されたワイヤを牽引することにより移動案内面38に沿って走行可能であってもよい。
【0046】
図8に記載の例では、調査装置搬送体送り込み装置1Aは、調査装置搬送体24に搭載される調査装置60を備える。調査装置60は、カメラ等の撮像装置であってもよいし、放射線測定装置等の計測装置であってもよい。図8に記載の例では、調査装置60は、展開式アーム50を介して、調査装置搬送体24に搭載されている。調査装置60は、展開式アーム50の先端部に取り付けられていてもよい。展開式アーム50は、例えば、伸縮式アーム(より具体的には、テレスコピックアーム)である。図8に記載の例では、第1の伸縮式アーム50aの基端部が、第2軸AX2まわりに回動可能なように調査装置搬送体24に取り付けられ、第2の伸縮式アーム50bの基端部が、第3軸AX3まわりに回動可能なように第1の伸縮式アーム50aの先端部に取り付けられている。また、調査装置60は、第4軸AX4まわりに回動可能なように第2の伸縮式アーム50bの先端部に取り付けられている。
【0047】
図9には、2つの伸縮式アーム(50a、50b)が収縮された状態で、調査装置搬送体24に搭載されている様子が示されている。図9に記載の例では、調査装置搬送体24は、展開部32の底壁320aと、展開部32の2つの側壁320b、320cとによって規定される凹部内に配置されている。なお、展開部32の頂部は、展開式アーム50の展開が許容されるように開放されている。
【0048】
(調査装置搬送体送り込み方法)
続いて、図1乃至図10を参照して、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法について説明する。図10は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法の一例を示すフローチャートである。
【0049】
第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法において使用される調査装置搬送体送り込み装置1は、上述の調査装置搬送体送り込み装置1Aであってもよいし、その他の調査装置搬送体送り込み装置であってもよい。調査装置搬送体送り込み装置1は、展開部32、および、当該展開部32を支持する支持部31を有する展開式ガイド22と、調査装置搬送体24とを備える。
【0050】
第1ステップST1において、調査装置搬送体送り込み装置1が原子炉格納容器13内に挿入される。第1ステップST1は、挿入工程である。挿入工程は、例えば、原子炉格納容器13の貫通孔部16(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16)を介して、原子炉格納容器13内に、調査装置搬送体送り込み装置1を挿入することにより実行される。図2(a)には、挿入工程を実行後の様子が示されている。
【0051】
第2ステップST2において、展開式ガイド22の展開部32がCRD交換用レール18に着座される。第2ステップST2は、着座工程である。着座工程では、展開部32を支持部31に対して展開することにより、展開部32がCRD交換用レール18に着座される。第2ステップST2(着座工程)に含まれる複数のサブステップの一例について説明する。
【0052】
サブステップST2-1において、展開式ガイド22が伸展される。サブステップST2-1は、伸展工程である。図3(a)における矢印AR1で示されるように、伸展工程は、支持部31に対して、展開部32を直線的に相対移動させることにより実行される。伸展工程は、支持部31に設けられたスリット23に対して、展開部32に設けられた第1軸部33a、33bをスライド移動させることを含んでいてもよい。
【0053】
伸展工程は、展開部32に接続された伸展用ワイヤ36a、36bを後方(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16側)に牽引することを含んでいてもよい。図3(b)に記載の例では、伸展用ワイヤ36a、36bは、展開式ガイド22の支持部31に取り付けられた滑車37a、37bに掛け回されており、伸展用ワイヤ36a、36bの先端は第1軸部33a、33bに接続されている。よって、伸展用ワイヤ36a、36bを後方に牽引することで、第1軸部33a、33bが前方(換言すれば、第2方向DR2)に進み、展開部32の全体が前方(換言すれば、第2方向DR2)に進む。
【0054】
図3(a)に記載の例では、伸展工程は、展開式ガイド22の展開部32が水平状態に維持された状態で実行される。展開部32の水平状態の維持は、例えば、圧力モータ341a、341bを作動させることにより実行される。
【0055】
サブステップST2-2において、展開部32が傾動される。サブステップST2-2は、傾動工程である。傾動工程は、支持部31に対して、展開部32を傾動させることにより実行される。傾動工程の実行により、水平面に対する展開部32の傾斜角度が増加する。
【0056】
図4(a)に記載の例では、傾動工程は、展開部32の先端部321が、ペデスタル14の開口部15に接触しない角度となるまで、展開部32を傾けることを含む。図4(a)に記載の例では、傾動工程は、展開部32の先端部321の高さが、ペデスタル14の開口部15の上端15uの高さとペデスタル14の開口部15の下端15bの高さとの間の高さとなるように、展開部32を傾けることを含む。
【0057】
傾動工程は、例えば、圧力モータ341a、341bの第1軸AX1まわりのトルクを調整することにより実行される。
【0058】
サブステップST2-3において、展開式ガイド22が更に伸展される。サブステップST2-3は、再伸展工程である。再伸展工程は、支持部31に対して、展開部32を直線的に相対移動させることにより実行される。再伸展工程は、支持部31に設けられたスリット23に対して、展開部32に設けられた第1軸部33a、33bをスライド移動させることを含んでいてもよい。
【0059】
再伸展工程は、展開部32に接続された伸展用ワイヤ36a、36bを後方(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16側)に牽引することを含んでいてもよい。
【0060】
図5(a)に記載の例では、再伸展工程は、展開部32の先端部321をペデスタル14の開口部15に挿入することを含む。
【0061】
サブステップST2-4において、展開部32が更に傾動される。サブステップST2-4は、再傾動工程である。再傾動工程は、支持部31に対して、展開部32を再傾動させることにより実行される。再傾動工程の実行により、水平面に対する展開部32の傾斜角度が増加する。
【0062】
図6(a)に記載の例では、再傾動工程は、展開部32の着座部321aが、CRD交換用レール18に接触するまで、展開部32を傾けることを含む。換言すれば、再傾動工程は、展開部32の着座部321aをCRD交換用レール18に着座させることを含む。
【0063】
再傾動工程は、例えば、圧力モータ341a、341bの第1軸AX1まわりのトルクを調整することにより実行される。
【0064】
第3ステップST3において、展開部32に沿って調査装置搬送体24が移動される。第3ステップST3は、搬送体移動工程である。搬送体移動工程は、展開部32の基端部322から先端部321に、調査装置搬送体24を移動させることを含む。
【0065】
図7(a)に記載の例では、搬送体移動工程は、移動案内面38(より具体的には、レール38a、38b)に沿って、調査装置搬送体24を移動させることを含む。
【0066】
第4ステップST4において、調査装置搬送体24に搭載された調査装置60を用いて、CRD収容空間40内の調査、および/または、原子炉圧力容器11内の調査が実施される。第4ステップST4は、調査工程である。調査工程は、展開部32の着座部321aがCRD交換用レール18に着座した状態で実行される。この場合、調査装置搬送体24が展開部32によって安定的に支持されるため、調査工程における調査の精度が向上する。
【0067】
図8に例示されるように、調査工程は、調査装置搬送体24に搭載された展開式アーム50を展開することを含んでいてもよい。また、調査工程は、展開式アーム50の先端部に配置された調査装置60を用いて、CRD収容空間40内の調査、および/または、原子炉圧力容器11内の調査を実行することを含んでいてもよい。
【0068】
第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法では、CRD交換用レール18の状態に依存することなく、容易な制御および遠隔作業で調査装置搬送体24を送り込むことができる。
【0069】
図2乃至図8に記載の例では、容易な制御および遠隔作業で調査装置搬送体24をペデスタル14の開口部15まで到達させることが可能である。また、調査装置60をペデスタル14内に挿入し、ペデスタル14内の調査を行うことが可能である。
【0070】
(第2の実施形態)
図11乃至図15を参照して、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Bについて説明する。図11乃至図15は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Bを模式的に示す図である。なお、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)には、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み装置1Bが、CRD交換用レール18および壁14とともに図示されている。また、図11(b)、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)は、それぞれ、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)に示される調査装置搬送体送り込み装置1Bの一部分を拡大して示す概略平面図である。
【0071】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0072】
第2の実施形態は、展開式ガイド22を収縮させる機構あるいは展開式ガイド22を収縮させる工程を有する点で、第1の実施形態とは異なる。その他の点では、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、展開式ガイド22を収縮させる機構あるいは展開式ガイド22を収縮させる工程、および、当該機構あるいは工程に付随する構成を中心に説明し、それ以外の構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0073】
(構成・作用)
図11に記載の例では、調査装置搬送体送り込み装置1Bは、展開式ガイド22を展開状態から収縮状態に状態変更する収縮機構を備える。収縮機構は、展開部32を、支持部31に対して直線的に相対移動させる機構を有していてもよい。
【0074】
展開部32を、支持部31に対して直線的に相対移動させる機構は、例えば、支持部31に設けられたスリット23と、展開部32に設けられ、スリット23に挿入される第1軸部33a、33bとを含む。スリット23、および、第1軸部33a、33bについては、第1の実施形態において説明済みである。よって、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0075】
展開式ガイド22を展開状態から収縮状態に状態変更する収縮機構(より具体的には、展開部32を支持部31に向けて後退させる機構)は、収縮用ワイヤ39を含んでいてもよい。図11(b)に記載の例では、収縮用ワイヤ39は、展開部32に接続されている。収縮用ワイヤ39が後方(換言すれば、第1方向DR1)に牽引されることにより、展開部32が後方(換言すれば、第1方向DR1)に移動する。こうして、展開式ガイド22が収縮される。なお、調査装置搬送体送り込み装置1Bは、収縮用ワイヤ39を牽引する第2牽引装置(図示されず)を備えていてもよい。
【0076】
(効果)
第2の実施形態では、展開式ガイド22を遠隔で収縮させることが可能であり、展開式ガイド22が収縮された後、調査装置搬送体送り込み装置1Bを原子炉格納容器13外に撤去することが可能である。
【0077】
(調査装置搬送体送り込み方法)
続いて、図1乃至図16を参照して、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法について説明する。図16は、第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法の一例を示すフローチャートである。
【0078】
第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法は、第1の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法に加えて、第2の搬送体移動工程と、展開部退避工程とを備える。第2の搬送体移動工程、および、展開部退避工程は、調査装置60による調査終了後あるいは調査中断後に実行される後工程である。
【0079】
第2の実施形態における第1ステップST1乃至第4ステップST4は、第1の実施形態における第1ステップST1乃至第4ステップST4と同様である。よって、第1ステップST1乃至第4ステップST4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0080】
第5ステップST5において、展開部32に沿って調査装置搬送体24が移動される。第5ステップST5は、第2の搬送体移動工程である。第2の搬送体移動工程は、第4ステップST4(調査工程)の終了後、あるいは、第4ステップST4(調査工程)の中断後に実行される。
【0081】
第2の搬送体移動工程は、展開部32の先端部321から基端部322に、調査装置搬送体24を移動させることを含む。
【0082】
図11(b)に記載の例では、第2の搬送体移動工程は、移動案内面38(より具体的には、レール38a、38b)に沿って、調査装置搬送体24を移動させることを含む。
【0083】
第6ステップST6において、展開部32が支持部31に向けて退避される。第6ステップST6は、展開部退避工程である。
【0084】
第6ステップST6(展開部退避工程)に含まれる複数のサブステップの一例について説明する。サブステップST6-1において、展開部32に配置された着座部321aがCRD交換用レール18から離間するように、展開部32が傾動される。サブステップST6-1は、第2の傾動工程である。第2の傾動工程は、支持部31に対して、展開部32を傾動させることにより実行される。第2の傾動工程の実行により、着座部321aがCRD交換用レール18から離間し、水平面に対する展開部32の傾斜角度が減少する(図12(a)を参照。)。なお、本明細書において、「傾動」には、展開部32の傾きを増加させることと、展開部32の傾きを減少させることとの両方が包含される。
【0085】
第2の傾動工程は、例えば、圧力モータ341a、341bの第1軸AX1まわりのトルクを調整することにより実行される。
【0086】
サブステップST6-2において、展開式ガイド22が収縮される。サブステップST6-2は、収縮工程である。収縮工程は、支持部31に対して、展開部32を直線的に相対移動させることにより実行される。収縮工程は、支持部31に設けられたスリット23に対して、展開部32に設けられた第1軸部33a、33bをスライド移動させることを含んでいてもよい。
【0087】
収縮工程は、展開部32に接続された収縮用ワイヤ39を後方(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16側)に牽引することを含んでいてもよい。
【0088】
図13(a)に記載の例では、収縮工程は、展開部32の先端部321をペデスタル14の開口部15から退避させることを含む。
【0089】
サブステップST6-3において、展開部32が再傾動される。サブステップST6-3は、第2の再傾動工程である。第2の再傾動工程は、支持部31に対して、展開部32を傾動させることにより実行される。第2の再傾動工程の実行により、水平面に対する展開部32の傾斜角度が減少する。図14(a)に例示されるように、第2の再傾動工程の実行により、展開部32が水平状態となってもよい。
【0090】
図14(a)に記載の例では、第2の再傾動工程は、展開部32の先端部321の高さが、ペデスタル14の開口部15の上端15uの高さよりも高くなるように、展開部32を傾動させることを含む。
【0091】
第2の再傾動工程は、例えば、圧力モータ341a、341bの第1軸AX1まわりのトルクを調整することにより実行される。
【0092】
サブステップST6-4において、展開式ガイド22が収縮される。サブステップST6-4は、再収縮工程である。再収縮工程は、支持部31に対して、展開部32を直線的に相対移動させることにより実行される。再収縮工程は、支持部31に設けられたスリット23に対して、展開部32に設けられた第1軸部33a、33bをスライド移動させることを含んでいてもよい。
【0093】
再収縮工程は、展開部32に接続された収縮用ワイヤ39を後方(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16側)に牽引することを含んでいてもよい。
【0094】
図14(a)および図15(a)に記載の例では、再収縮工程は、展開式ガイド22の展開部32が水平状態に維持された状態で実行される。
【0095】
第7ステップST7において、調査装置搬送体送り込み装置1が原子炉格納容器13外に撤去される。第7ステップST7は、撤去工程である。撤去工程は、例えば、原子炉格納容器13の貫通孔部16(より具体的には、CRD搬出入用ペネトレーション16)を介して、原子炉格納容器13外に、調査装置搬送体送り込み装置1を撤去することにより実行される。
【0096】
第2の実施形態における調査装置搬送体送り込み方法では、調査完了後あるいは調査中断後の後工程において、展開式ガイド22を遠隔で収縮させることが可能であり、展開式ガイド22が収縮された後、調査装置搬送体送り込み装置1を原子炉格納容器13外に撤去することが可能である。
【0097】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1、1A、1B…調査装置搬送体送り込み装置、10…原子炉、11…原子炉圧力容器、12…炉心、13…原子炉格納容器、14…ペデスタル、15…開口部、15b…下端、15u…上端、16…CRD搬出入用ペネトレーション、17…蓋、18…CRD交換用レール、19…原子炉建屋、22…展開式ガイド、23…スリット、24…調査装置搬送体、31…支持部、32…展開部、33a、33b…第1軸部、34a、34b…駆動装置、35a、35b…回り止め、36a、36b…伸展用ワイヤ、37a、37b…滑車、38…移動案内面、38a、38b…レール、39…収縮用ワイヤ、40…CRD収容空間、50…展開式アーム、50a…第1の伸縮式アーム、50b…第2の伸縮式アーム、60…調査装置、241…車輪、320a…底壁、320b、320c…側壁、321…先端部、321a…着座部、322…基端部、323…中間部、341a…圧力モータ、341b…圧力モータ
図1
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