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特許7458345傾き調整装置、及びそれを備えるロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】傾き調整装置、及びそれを備えるロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240322BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20240322BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20240322BHJP
   F16C 11/06 20060101ALI20240322BHJP
   F16C 23/04 20060101ALI20240322BHJP
   G12B 5/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
B25J15/06 N
F16C11/06 L
F16C23/04 E
G12B5/00 T
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021083412
(22)【出願日】2021-05-17
(62)【分割の表示】P 2019170365の分割
【原出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021145130
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2021-05-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 一平
(72)【発明者】
【氏名】前田 佳樹
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-064786(JP,A)
【文献】特開2018-199379(JP,A)
【文献】特開2016-120755(JP,A)
【文献】特開2014-029178(JP,A)
【文献】特開2008-174314(JP,A)
【文献】特開2019-150912(JP,A)
【文献】特開2006-120861(JP,A)
【文献】特開2002-301627(JP,A)
【文献】特開2007-035669(JP,A)
【文献】特開2010-234498(JP,A)
【文献】実開平07-024535(JP,U)
【文献】特開2008-138692(JP,A)
【文献】実開昭62-145191(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
B25J 15/06
F16C 11/06
F16C 23/04
G12B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの一部を構成する第1部材に対する、前記ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを調整するための傾き調整装置であって、
前記第1部材と、
前記第1部材と対向するように設けられる前記第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材の間に設けられる球面滑り軸受けと、を備え、
前記球面滑り軸受けは、内輪及び外輪を有し、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方が前記第2部材に取り付けられ、
前記球面滑り軸受けには、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方と前記第1部材との間、及び、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方と前記第2部材との間の少なくともいずれかに高さ位置調整機構が介在し、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けを備え、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受は、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置され、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つに、前記高さ位置調整機構が設けられ、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つは、それぞれ、前記内輪が前記第1部材に取り付けられ、前記外輪が前記第2部材に取り付けられ、かつ、前記内輪と前記第1部材との間に前記高さ位置調整機構が介在し、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも一つは、前記外輪が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪が前記第2部材に取り付けられ、かつ、前記外輪と前記第1部材との間に前記高さ位置調整機構が介在せず、
前記少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの前記少なくとも一つは、前記傾き調整装置の幅方向における中心を基端から先端に延びる中心軸線上に設けられ、
前記少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの前記少なくとも二つは、それぞれ、高さ方向から見て、前記中心軸線を対称軸として線対称となるように配置されることを特徴とする、傾き調整装置。
【請求項2】
前記高さ位置調整機構は、
モータと、
前記モータにより駆動され、高さ方向に移動可能な移動部材と、を有し、
前記移動部材は、前記内輪及び前記外輪のいずれかに取り付けられる、請求項1に記載の傾き調整装置。
【請求項3】
前記高さ位置調整機構は、前記モータによる動力を減じて前記移動部材に出力するための減速機構をさらに有する、請求項2に記載の傾き調整装置。
【請求項4】
前記高さ位置調整機構は、セルフロック機構を備え、
前記セルフロック機構は、ネジ溝を有する、ウォーム及び雄ネジ部材のうちの少なくとも一つを含み、
前記ネジ溝は、前記ウォーム及び前記雄ネジ部材のうちの少なくとも一つに直接的又は間接的に加わる外力のうち、前記ウォーム及び前記雄ネジ部材のうちの少なくとも一つを回転させる成分が小さくなるように所定のリード角を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の傾き調整装置。
【請求項5】
半導体製造装置の一部として構成され、半導体基板を保持して搬送するための前記ロボットであって、
前記ロボットの一部を構成する第1部材に対する、前記ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを調整するための傾き調整装置と、
前記半導体基板を保持するための保持位置が規定されたブレードと、
前記ブレードの基端を保持するための保持部材と、
前記保持部材よりも基端側に設けられる手首部と、を備え、
前記第1部材と、
前記第1部材と対向するように設けられる前記第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材の間に設けられる球面滑り軸受けと、を備え、
前記球面滑り軸受けは、内輪及び外輪を有し、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方が前記第2部材に取り付けられ、
前記球面滑り軸受けには、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方と前記第1部材との間、及び、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方と前記第2部材との間の少なくともいずれかに高さ位置調整機構が介在し、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けを備え、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受は、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置され、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つに、前記高さ位置調整機構が設けられ、
少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つは、それぞれ、前記内輪が前記第1部材に取り付けられ、前記外輪が前記第2部材に取り付けられ、かつ、前記内輪と前記第1部材との間に前記高さ位置調整機構が介在することを特徴とする、ロボット。
【請求項6】
前記保持部材を支持するための支持部材をさらに備え、
前記保持部材は、前記支持部材上を直動可能であり、
前記傾き調整装置は、前記手首部側に前記第1部材が位置し、前記支持部材側に前記第2部材が位置するように、前記手首部と前記支持部材との間に設けられる、請求項5に記載のロボット。
【請求項7】
高さ方向に延び、前記第2部材に取り付けられる回転軸をさらに備え、
前記支持部材が前記回転軸周りに回動可能である、請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
前記手首部の基端が取り付けられ、高さ方向に延びるベース体をさらに備え、
前記手首部は、前記ベース体上を高さ方向に移動可能である、請求項5乃至7のいずれかに記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾き調整装置、及びそれを備えるロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体製造装置が知られている。このような半導体製造装置が、例えば、特許文献1で提案されている。
【0003】
特許文献1の半導体製造装置は、ウェハ移送装置を備える。ウェハ移送装置は、複数枚のウェハが収容されるカセット、及びウェハ検査のための検査装置に隣接して配置される。ウェハ移送装置は、Y字状またはU字状の複数のウェハ支持部材と、ウェハ支持部材それぞれの基端に連結され、ウェハ支持部材を支持する第1及び第2支持台と、第1及び第2支持台と連結されてウェハ支持部材を直線方向に移動させる移動装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-141158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、及び従来からあるその他の半導体製造装置では、その一部を構成する第1部材に対して、その他の一部を構成する第2部材が傾いてしまう場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、半導体製造装置の一部として構成されるロボットの一部を構成する第1部材に対する、当該ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを確実に調整することが可能な、傾き調整装置、及びそれを備えるロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る傾き調整装置は、ロボットの一部を構成する第1部材に対する、前記ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを調整するための傾き調整装置であって、前記第1部材と、前記第1部材と対向するように設けられる前記第2部材と、記第1部材と前記第2部材の間に設けられる球面滑り軸受けと、を備え、前記球面滑り軸受けは、内輪及び外輪を有し、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方が前記第2部材に取り付けられ、前記球面滑り軸受けには、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方と前記第1部材との間、及び、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方と前記第2部材との間の少なくともいずれかに高さ位置調整機構が介在することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、球面滑り軸受けが、高さ位置調整機構によって高さ位置を調整される。これにより、第1部材及び第2部材が、それぞれ、歪むことなく互いの傾きを調整される。その結果、ロボットの一部を構成する第1部材に対する、当該ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを確実に調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロボットの一部を構成する第1部材に対する、当該ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを確実に調整することが可能な、傾き調整装置、及びそれを備えるロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るロボットの全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置の高さ方向に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置の高さ位置調整機構の一部を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置のウォームギヤを示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置の球面滑り軸受け、雄ネジ部材、及び雌ネジ部材を示す分解斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置の球面滑り軸受け及びその周辺部分の高さ方向に沿った断面図であり、(A)がロボットの傾きを調整する前の状態を示す断面図、(B)が高さ調整機構でロボットの傾きを調整した後の状態を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る傾き調整装置が備えられる半導体製造装置の変形例を示す概略図であり、(A)が第1変形例を示す概略図、(B)が第2変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る傾き調整装置、及びそれを備えるロボットについて、添付図面に基づき説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0012】
(ロボット10)
図1は、本実施形態に係るロボットの全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係るロボット10は、半導体製造装置5の一部として構成され、図1において一点鎖線で示す半導体基板Sを保持して搬送するために用いられる。ロボット10は、高さ方向に延びる板状のベース体12と、その基端がベース体12に取り付けられ、図示しない第1駆動装置に駆動されることで、ベース体12上を高さ方向に移動可能である手首部14と、を備える。
【0013】
ロボット10は、半導体基板Sを保持するための保持位置が規定された三つのブレード16a~16cと、三つのブレード16a~16cの基端を保持する保持部材20と、をさらに備える。
【0014】
また、ロボット10は、その基端が後述する傾き調整装置50に取り付けられ、高さ方向に延びる回転軸22(図2参照)と、その基端が回転軸22を介して傾き調整装置50に取り付けられ、回転軸22周りに回転可能であり、保持部材20を支持するための支持部材24と、をさらに備える。保持部材20は、図示しない第2駆動装置に駆動されることで、支持部材24上を図1に示す長さ方向に直動可能である。
【0015】
(傾き調整装置50)
図2は、本実施形態に係る傾き調整装置を示す斜視図である。本実施形態に係るロボット10は、傾き調整装置50をさらに備える。傾き調整装置50は、手首部14の先端に設けられる。
【0016】
傾き調整装置50は、手首部14側に設けられる板状の第1部材52と、第1部材52と対向するように保持部材20側に設けられる板状の第2部材54と、を備える。なお、第1部材52は、半導体製造装置5の一部を構成する部材でもあり、第2部材54は、半導体製造装置5の他の一部を構成する部材でもある。そして、傾き調整装置50は、半導体製造装置5の一部を構成する第1部材52に対する、半導体製造装置5の他の一部を構成する第2部材54の傾きを調整するために設けられる。
【0017】
傾き調整装置50は、各々が第1部材52と第2部材54との間に設けられ、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置される三つの球面滑り軸受け60、80a、80bをさらに備える。
【0018】
球面滑り軸受け60は、傾き調整装置50の幅方向における中心を基端から先端に延びる中心軸線L上の先端に設けられる。球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、球面滑り軸受け60よりもロボット10の基端側に設けられる。また、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、高さ方向から見て、中心軸線Lを対称軸として線対称となるように配置される。なお、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、球面滑り軸受け60よりも高い同じ高さ位置に配置される。
【0019】
図3は、本実施形態に係る傾き調整装置の高さ方向に沿った断面図である。図3に示すように、球面滑り軸受け60は、内輪62及び外輪64を有する。球面滑り軸受け60は、外輪64が第1中間部材30を介して第1部材52に取り付けられ、内輪62がボルト38aによって第2部材54に取り付けられる。外輪64は、ボルト38b、38c等によって第1中間部材30に取り付けられ、第1中間部材30は、ボルト38d~38f等によって第1部材52に取り付けられる。なお、外輪64と第1部材52との間には、後述する高さ位置調整機構100が介在しない。
【0020】
図3に示すように、球面滑り軸受け80aは、内輪82及び外輪84を有する。球面滑り軸受け80aは、内輪82が第1部材52に取り付けられ、外輪84が第2部材54に取り付けられる。内輪82と第1部材52との間には、第2中間部材32、及び高さ位置調整機構100が介在する。第1部材52、高さ位置調整機構100、及び第2中間部材32は、第1部材52及び高さ位置調整機構100を貫通して第2中間部材32まで至るボルト38g、38h等によって、互いに固定される。
【0021】
なお、球面滑り軸受け80bは、球面滑り軸受け80aと同じ構造を有し、球面滑り軸受け80aと同様に、内輪82が第1部材52に取り付けられ、外輪84が第2部材54に取り付けられる。したがって、ここでは、球面滑り軸受け80bについての同様となる説明は繰り返さない。
【0022】
図4は、本実施形態に係る傾き調整装置の高さ位置調整機構の一部を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、高さ位置調整機構100は、モータユニット110と、モータユニット110のモータ112により回転駆動する雄ネジ部材120と、雄ネジ部材120が回転することで高さ方向に移動する雌ネジ部材122(移動部材)と、を有する。換言すれば、雌ネジ部材122は、モータ112により回転駆動することで、高さ方向に移動可能である。
【0023】
図5は、本発明の一実施形態に係る傾き調整装置のウォームギヤを示す概略図である。図4及び図5に示すように、モータユニット110(ひいては、高さ位置調整機構100)は、モータ112と、モータ112の回転位置を検出するための図4において破線で示すエンコーダ113と、モータ112に固定される筐体114と、筐体114内に配置され、モータ112による動力を減じて雄ネジ部材120及び雌ネジ部材122に出力するためのウォームギヤ115(減速機構)を有する。
【0024】
図5に示すように、ウォームギヤ115は、モータ112により回転駆動される棒状のウォーム116と、ウォーム116に噛み合うギヤ状のウォームホイール118と、を備える。ウォーム116の外面に形成されるネジ溝は、そのリード角が比較的小さく形成される。
【0025】
モータユニット110は、ウォームギヤ115のウォームホイール118の中央に固定され、高さ方向に延びる雄ネジ部材120をさらに有する。雄ネジ部材120は、ウォームホイール118と一体的に回転する。雄ネジ部材120の外面に形成されるネジ溝は、そのリード角が比較的小さく形成される。なお、雌ネジ部材122は、雄ネジ部材120に螺合し、雄ネジ部材120が回転することで高さ方向に移動するように構成される。
【0026】
図6は、本実施形態に係る傾き調整装置の球面滑り軸受け、雄ネジ部材、及び雌ネジ部材を示す分解斜視図である。図6に示すように、雌ネジ部材122は、その内壁にネジ溝が形成された円筒状の軸部123と、当該軸部123の基端に設けられるフランジ125と、を有する。軸部123の先端部分には、円環状の溝124が形成される。
【0027】
雌ネジ部材122の軸部123が、球面滑り軸受け80aの内輪82の軸孔83に通される。球面滑り軸受け80aの内輪82の下端をフランジ125の上面に当接させると、当該内輪82の上端に沿って軸部123の溝124が位置するようになる。この状態で当該溝124に円弧状の留め金126を嵌め込むことで、雌ネジ部材122に対して球面滑り軸受け80aを固定する。また、雌ネジ部材122の軸孔のフランジ125側から雄ネジ部材120を螺合させつつ、雌ネジ部材122に雄ネジ部材120を挿入する。
【0028】
上記のようにして、高さ位置調整機構100が球面滑り軸受け80aに対して取り付けられる。なお、同様の高さ位置調整機構100が球面滑り軸受け80bに対しても取り付けられるが、ここではその説明を繰り返さない。
【0029】
図7は、本実施形態に係る傾き調整装置の球面滑り軸受け及びその周辺部分の高さ方向に沿った断面図であり、(A)がロボットの傾きを調整する前の状態を示す断面図、(B)が高さ調整機構でロボットの傾きを調整した後の状態を示す断面図である。
【0030】
図7に示すように、高さ位置調整機構100が取り付けられた球面滑り軸受け80aは、第2部材54に穿設された貫通孔56に挿通され、外輪84の下面の外縁部分が貫通孔56の内壁の下端から突出する突部58に載置される。
【0031】
また、外輪84の上面の外縁部分が蓋部材90の下面の中央部分(具体的には、蓋部材90の下面の軸孔の周辺部分)に当接する。蓋部材90は、第2部材54に形成された凹部59に嵌合される。凹部59には、高さ方向から見て、その中央部分に前記貫通孔56が穿設される。
【0032】
そして、蓋部材90は、第2部材54の凹部59に嵌合した状態で、ボルト38i、38j等によって、当該凹部59に固定される。このように蓋部材90を第2部材54の凹部59に固定することで、球面滑り軸受け80aが、第2部材54に穿設された貫通孔56内で位置決めされる。
【0033】
(ロボット10の傾きを調整する態様)
つづいて、主として図7に基づき、上記で説明した傾き調整装置50を用いて、ロボット10の傾きを調整する態様の一例について説明する。なお、以下では、図3において、第2部材54の左側部分に対向する支持部材24の一方側部分(図3では図示せず)が、第2部材54の右側に対向する支持部材24の他方側部分(同前)よりも低くなっており、これによる第1部材52に対する第2部材54の傾きを、傾き調整装置50によって調整する場合について説明する。
【0034】
まず、図7(A)に示す状態から、モータ112によりウォームギヤ115を介して雄ネジ部材120を回転駆動させる。
【0035】
モータ112により雄ネジ部材120を回転駆動させると、雄ネジ部材120自体の高さ位置は変わらないが、雄ネジ部材120に螺合する雌ネジ部材122が高さ方向に移動する。図7(B)では、雄ネジ部材120が右回転することで、雌ネジ部材122が上方へと送り出された様子(換言すれば、雌ネジ部材122が高さ方向に移動した様子)を示してある。
【0036】
雌ネジ部材122が上方に移動すると、当該雌ネジ部材122に留め金126によって固定された球面滑り軸受け80aの内輪82も一体的に上方へと移動する。このとき、球面滑り軸受け60、80bの高さ位置は変わらないので、球面滑り軸受け80aの外輪84が内輪82の接触面上を滑りつつ、高さ方向に直交する平面に対して傾く。
【0037】
上記のように、球面滑り軸受け80aの外輪84が高さ方向に直交する平面に対して傾くと、当該外輪84に固定された第2部材54についても、高さ方向に直交する平面に対して傾く。このとき、球面滑り軸受け60の内輪62が外輪64の接触面上を滑りつつ、当該内輪62及び当該内輪62の軸孔に固定されたボルト38aが高さ方向に直交する平面対して傾く。また、球面滑り軸受け80bの外輪84も内輪82の接触面上を滑りつつ、高さ方向に直交する平面に対して傾く。
【0038】
ここで、第1部材52が手首部14に取り付けられており、第2部材54が支持部材24に取り付けられている。したがって、上記のように第2部材54が高さ方向に直交する平面に対して傾くことで、手首部14に対する支持部材24の傾きを調整することができ、ひいては、ロボット10の傾きを調整することができる。
【0039】
なお、上記では、球面滑り軸受け80aの高さ位置を高さ位置調整機構100によって調節することで、第1部材52に対する第2部材54の傾きを調整する場合について説明したが、必要に応じて、球面滑り軸受け80bの高さ位置を高さ位置調整機構100によって調整することで、第1部材52に対する第2部材54の傾きを調整してもよい。
【0040】
(効果)
ここで、傾き調整装置50に球面滑り軸受け60、80a、80bを設けず、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置される二つの高さ位置調整機構100によって、第1部材52に対する第2部材54の傾きを調整する場合を考える。このような場合、二つの高さ位置調整機構100のうちの一方を操作することで第1部材52に対して第2部材54を傾けると、第2部材54が歪んでしまう。また、第2部材54と一体的に雌ネジ部材122が傾こうとするため、雌ネジ部材122の内部で雄ネジ部材120が回転できなくなってしまう。
【0041】
一方、本実施形態に係る傾き調整装置50は、上記したように、球面滑り軸受け80aが高さ位置調整機構100によって高さ位置を調整されると、球面滑り軸受け80a、80bそれぞれの外輪84、及び、球面滑り軸受け60の内輪62が高さ方向に直交する平面に対して傾く。これにより、第2部材54が歪むことなく、かつ、雌ネジ部材122の内部で雄ネジ部材120が回転できなくなることもなく、第1部材52に対して第2部材54を傾けることができる。その結果、本実施形態に係る傾き調整装置50は、半導体製造装置5の一部を構成する第1部材52に対する、当該半導体製造装置5の他の一部を構成する第2部材54の傾きを確実に調整することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、モータ112により雄ネジ部材120を回転駆動させることで、雌ネジ部材122(移動部材)を高さ方向に移動させる。このように、モータ112を用いて雌ネジ部材122を高さ方向に移動させることで、第1部材52に対する第2部材54の傾きを容易かつ精確に調整することが可能となる。なお、本実施形態に係る傾き調整装置50は、エンコーダ113で検出したモータ112の回転位置に基づきモータ112の動作を制御することで、第1部材52に対する第2部材54の傾きをいっそう精確に調整することが可能となる。
【0043】
さらに、本実施形態では、モータ112による動力を減じて雌ネジ部材122に出力するためのウォームギヤ115を備えるので、省スペースで大きな減速比を得ることができる。特に、本実施形態に係る傾き調整装置50は、比較的狭いスペースに配置され、かつ、ロボット10の比較的微小な傾きを調整するため、上記のようにウォームギヤ115を設けることが有効である。
【0044】
また、本実施形態では、ウォーム116の外面に形成されるネジ溝のリード角が比較的小さく形成されるので、ウォーム116の軸方向に外力が加えられたとしても、その外力によりウォーム116を回転させる成分が小さくなる。したがって、本実施形態に係る傾き調整装置50は、モータブレーキを必要としないセルフロック機構を得ることが可能となる。なお、雄ネジ部材120の外面に形成されるネジ溝のリード角も比較的小さく形成されるので、この構造によっても同様にセルフロック機構を得ることが可能となる。
【0045】
(第1及び第2変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0046】
図8に基づき、上記実施形態に係る半導体製造装置5の第1変形例及び第2変形例を説明する。図8は、本実施形態に係る傾き調整装置が備えられる半導体製造装置の変形例を示す概略図であり、(A)が第1変形例を示す概略図、(B)が第2変形例を示す概略図である。
【0047】
なお、第1変形例に係る半導体製造装置5´は、複数枚の半導体基板Sを高さ方向に積層して収容するための収容装置130を備えること、及び、傾き調整装置が設けられる箇所を除き、上記実施形態に係る半導体製造装置5と同様の構成を備える。また、第2変形例に係る半導体製造装置5´´についても同様である。したがって、以下では、同一の構成要素には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0048】
図8(A)に示すように、第1変形例に係る半導体製造装置5´は、ロボット10と、当該ロボット10に隣接して配置され、複数枚の半導体基板Sを高さ方向に積層して収容するための収容装置130と、を備える。収容装置130は、例えば、複数枚の半導体基板Sを密閉した状態で収容可能ないわゆるフープ(FOUP:Front Openin
g Unified Pod)として構成されてもよい。
【0049】
ロボット10のベース体12及び収容装置130は、それぞれ、半導体製造装置5´の一部を構成する載置面140に載置される。なお、本変形例において、載置面140は、床面として構成される。そして、本変形例では、傾き調整装置50´がベース体12と載置面140との間に設けられる。これにより、本変形例に係る傾き調整装置50´は、載置面140に対するベース体12の傾きを確実に調整することが可能となる。
【0050】
図8(B)に示すように、第2変形例に係る半導体製造装置5´´では、傾き調整装置50´´が、収容装置130と載置面140との間に設けられる。これにより、本変形例に係る傾き調整装置50´´は、載置面140に対する収容装置130の傾きを確実に調整することが可能となる。
【0051】
(その他の変形例)
上記実施形態では、傾き調整装置50がロボット10の手首部14と支持部材24の間に設けられ、上記第1変形例では、傾き調整装置50´が載置面140とベース体12の間に設けられ、かつ、上記第2変形例では、傾き調整装置50´´が載置面140とベース体12の間に設けられる場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、傾き調整装置50は、例えば、支持部材24と保持部材20の間など、半導体製造装置5の一部を構成する第1部材と当該半導体製造装置5の他の一部を構成する第2部材との間であれば、どこに設けられてもよい。
【0052】
なお、上記実施形態では、手首部14とは別個に板状の第1部材52が設けられ、支持部材24とは別個に板状の第2部材54が設けられる場合について説明した。また、上記第1変形例では、載置面140とは別個に第1部材52が設けられ、ベース体12とは別個に第2部材54が設けられる場合について説明した。さらに、上記第2変形例では、載置面140とは別個に第1部材52が設けられ、収容装置130とは別個に第2部材54が設けられる場合について説明した。
【0053】
しかし、これらの場合に限定されず、例えば、手首部14の一部が第1部材として構成され、支持部材24の一部が第2部材として構成されてもよい。同様に、載置面140の一部が第1部材として構成され、ベース体12の一部及び収容装置130の一部それぞれが第2部材として構成されてもよい。
【0054】
上記実施形態では、各々が第1部材52と第2部材54との間に設けられ、高さ方向から見て互いに異なる箇所に三つの球面滑り軸受け60、80a、80bが配置される場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、高さ方向から見て互いに異なる箇所に四つ以上の球面滑り軸受けが配置されてもよい。すなわち、各々が第1部材52と第2部材54との間に設けられ、高さ方向から見て互いに異なる箇所に少なくとも三つ以上の球面滑り軸受けが配置されていればよい。
【0055】
上記実施形態では、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、内輪82が第1部材52に取り付けられ、外輪84が第2部材54に取り付けられ、かつ、内輪82と第1部材52との間に高さ位置調整機構100が介在する場合について説明した。
【0056】
しかし、この場合に限定されず、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、外輪84が第1部材52に取り付けられ、内輪82が第2部材54に取り付けられてもよい。すなわち、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、内輪82及び外輪84のいずれか一方が第1部材52に取り付けられ、内輪82及び外輪84のいずれか他方が第2部材54に取り付けられればよい。なお、球面滑り軸受け80aの内輪82が第1部材52に取り付けられ、球面滑り軸受け80bの内輪82が第2部材54に取り付けられてもよいし、その逆であってもよい。また、球面滑り軸受け80a、80bの外輪84についても同様である。
【0057】
また、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、外輪84と第2部材54との間に高さ位置調整機構100が介在してもよい。なお、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、内輪82と第1部材52との間、及び、外輪84と第2部材54との間のそれぞれに高さ位置調整機構100が介在してもよい。すなわち、球面滑り軸受け80a、80bは、それぞれ、内輪82と第1部材52との間、及び、外輪84と第2部材54との間の少なくともいずれかに高さ位置調整機構100が介在すればよい。
【0058】
上記実施形態では、球面滑り軸受け60は、外輪64が第1部材52に取り付けられ、内輪62が第2部材54に取り付けられ、かつ、外輪64と第1部材52との間に高さ位置調整機構100が介在しない場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、球面滑り軸受け80a、80bと同様に、外輪64と第1部材52との間に高さ位置調整機構100が介在してもよい。また、球面滑り軸受け80a、80bと同様に、内輪62が第1部材52に取り付けられ、外輪64が第2部材54に取り付けられてもよい。
【0059】
上記実施形態では、高さ位置調整機構100が、雌ネジ部材122を高さ方向に移動させるために、高さ位置調整機構100が雄ネジ部材120を回転駆動させるためのモータ112を有する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、雌ネジ部材122を高さ方向に移動させるために、高さ位置調整機構100が、モータ112の代わりに、雄ネジ部材120を手動で回転駆動させるための操作部を有してもよい。また、雄ネジ部材120、雌ネジ部材122、及びモータ112の代わりに、エアシリンダなどの機構を用いて移動部材を高さ方向に移動させてもよい。
【0060】
上記実施形態では、モータ112と雄ネジ部材120との間にウォームギヤ115が介在する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、モータ112と雄ネジ部材120とが直接的に連結されていてもよいし、ウォームギヤ115以外の減速機構を設けてもよい。
【0061】
上記実施形態では、三つの球面滑り軸受け60、80a、80bが、それぞれ、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置され、球面滑り軸受け80a、80bが、それぞれ、球面滑り軸受け60よりも高い同じ高さ位置に配置される場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、三つの球面滑り軸受け60、80a、80bが、それぞれ、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置されるのであれば、球面滑り軸受け80a、80bが互いに異なる高さ位置に配置されてもよいし、或いは、三つの球面滑り軸受け60、80a、80bが、全て同じ高さ位置に配置されてもよい。
【0062】
(まとめ)
本発明に係る傾き調整装置は、ロボットの一部を構成する第1部材に対する、前記ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを調整するための傾き調整装置であって、前記第1部材と、前記第1部材と対向するように設けられる前記第2部材と、記第1部材と前記第2部材の間に設けられる球面滑り軸受けと、を備え、前記球面滑り軸受けは、内輪及び外輪を有し、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方が前記第2部材に取り付けられ、前記球面滑り軸受けには、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方と前記第1部材との間、及び、前記内輪及び前記外輪のいずれか他方と前記第2部材との間の少なくともいずれかに高さ位置調整機構が介在することを特徴とする。
【0063】
上記構成によれば、球面滑り軸受けが、高さ位置調整機構によって高さ位置を調整される。これにより、第1部材及び第2部材が、それぞれ、歪むことなく互いの傾きを調整される。その結果、ロボットの一部を構成する第1部材に対する、当該ロボットの他の一部を構成する第2部材の傾きを確実に調整することが可能となる。
【0066】
例えば、少なくとも三つの前記球面滑り軸受けを備え、少なくとも三つの前記球面滑り軸受は、高さ方向から見て互いに異なる箇所に配置され、少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つに、前記高さ位置調整機構が設けられてもよい。
【0067】
例えば、少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも二つは、それぞれ、前記内輪が前記第1部材に取り付けられ、前記外輪が前記第2部材に取り付けられ、かつ、前記内輪と前記第1部材との間に前記高さ位置調整機構が介在してもよい。
【0068】
例えば、少なくとも三つの前記球面滑り軸受けのうちの少なくとも一つは、前記外輪が前記第1部材に取り付けられ、前記内輪が前記第2部材に取り付けられ、かつ、前記外輪と前記第1部材との間に前記高さ位置調整機構が介在しなくてもよい。
前記高さ位置調整機構は、モータと、前記モータにより駆動され、高さ方向に移動可能な移動部材と、を有し、前記移動部材は、前記内輪及び前記外輪のいずれかに取り付けられてもよい。
上記構成によれば、モータを用いて移動部材を高さ方向に移動させることで、第1部材に対する第2部材の傾きを容易かつ精確に調整することが可能となる。
前記高さ位置調整機構は、セルフロック機構を備え、前記セルフロック機構は、ネジ溝を有する、ウォーム及び雄ネジ部材のうちの少なくとも一つを含み、前記ネジ溝は、前記ウォーム及び前記雄ネジ部材のうちの少なくとも一つに直接的又は間接的に加わる外力のうち、前記ウォーム及び前記雄ネジ部材のうちの少なくとも一つを回転させる成分が小さくなるように所定のリード角を有してもよい。
上記構成によれば、モータブレーキを必要としないセルフロック機構を得ることが可能となる。
例えば、前記高さ位置調整機構は、前記モータによる動力を減じて前記移動部材に出力するための減速機構をさらに有してもよい。
【0069】
本発明に係るロボットは、半導体製造装置の一部として構成され、半導体基板を保持して搬送するための前記ロボットであって、上記いずれかの構成を備える傾き調整装置と、前記半導体基板を保持するための保持位置が規定されたブレードと、前記ブレードの基端を保持するための保持部材と、前記保持部材よりも基端側に設けられる手首部と、を備えることを特徴とする。
【0070】
上記構成によれば、本発明に係るロボットは、上記いずれかの構成を有する傾き調整装置を備えるので、半導体製造装置の一部を構成する第1部材に対する、当該半導体製造装置の他の一部を構成する第2部材の傾きを確実に調整することが可能となる。
【0071】
例えば、前記保持部材を支持するための支持部材をさらに備え、前記保持部材は、前記支持部材上を直動可能であり、前記傾き調整装置は、前記手首部側に前記第1部材が位置し、前記支持部材側に前記第2部材が位置するように、前記手首部と前記支持部材との間に設けられてもよい。
【0072】
例えば、高さ方向に延び、前記第2部材に取り付けられる回転軸をさらに備え、前記支持部材が前記回転軸周りに回動可能であってもよい。
【0073】
例えば、前記手首部の基端が取り付けられ、高さ方向に延びるベース体をさらに備え、前記手首部は、前記ベース体上を高さ方向に移動可能であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
5 半導体製造装置
10 ロボット
12 ベース体
14 手首部
16 ブレード
20 保持部材
22 回転軸
24 支持部材
30 第1中間部材
32 第2中間部材
38a~38 ボルト
50 傾き調整装置
52 第1部材
54 第2部材
56 貫通孔
58 突部
59 凹部
60、80a、80b 球面滑り軸受け
62 内輪
64 外輪
82 内輪
83 軸孔
84 外輪
90 蓋部材
100 高さ位置調整機構
110 モータユニット
112 モータ
113 エンコーダ
114 筐体
115 ウォームギヤ
116 ウォーム
120 雄ネジ部材
122 雌ネジ部材
123 軸部
124 溝
125 フランジ
126 留め金
130 収容装置
140 載置面
L 中心軸線
S 半導体基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8