IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パックサイズ,エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図1
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図2
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図3
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図4
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図5
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図6A
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図6B
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図6C
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図6D
  • 特許-包装機械のための適応加速度制御 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】包装機械のための適応加速度制御
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20240322BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20240322BHJP
   B65B 59/02 20060101ALI20240322BHJP
   B65B 5/02 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B65G43/00 D
B65G43/08 Z
B65B59/02
B65B5/02
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021510091
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019049102
(87)【国際公開番号】W WO2020051090
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】62/728,456
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ペッターソン,ニクラス
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102005063193(DE,A1)
【文献】特開2000-211730(JP,A)
【文献】特表2015-530291(JP,A)
【文献】特開2005-153990(JP,A)
【文献】特開昭47-042081(JP,A)
【文献】国際公開第2007/055112(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00
B65G 43/08
B65B 59/02
B65B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を包装機械に送り込む方法であって、
1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップと、
前記1つまたは複数の製品と前記第1の駆動ラインとの間の第1の摩擦を判定するステップであって、前記1つまたは複数の製品が少なくとも前記第1の駆動ライン上で所定の位置から逸脱し始めるまで第1の加速度プロファイルの初期加速度を増加させるステップを含む、ステップと、
前記1つまたは複数の製品と前記第1の駆動ラインとの前記第1の摩擦に基づいて前記第1の駆動ラインの前記第1の加速度プロファイルを調整するステップと、
前記第1の駆動ライン上に置かれた前記1つまたは複数の製品を第2の駆動ラインへ移送するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の製品の寸法を判定するステップをさらに含み、前記1つまたは複数の製品の前記寸法を判定するステップが、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含み、前記事前保存データが、前記寸法を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記事前保存データを読み出す前記ステップが、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた機械読取り可能なデータ表示を走査するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の摩擦を判定するステップが、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の摩擦に関連付けられた前記事前保存データが、前記1つまたは複数の製品と前記第1の駆動ラインとの間の1つまたは複数の摩擦係数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の駆動ラインが、前記1つまたは複数の製品を箱形成機械に通して搬送し、前記第2の駆動ラインが、第2の加速度プロファイルを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数の製品と前記第2の駆動ラインとの間の第2の摩擦に基づいて前記第2の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の摩擦が、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すことによって判定され、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた前記事前保存データが、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた1つまたは複数の摩擦係数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の駆動ライン上に置かれた2つ以上の積み重ねられた製品間の第3の摩擦を判定するステップをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の摩擦に基づいて前記第1の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の摩擦を判定するステップが、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の摩擦に関連付けられた前記事前保存データが、前記2つ以上の積み重ねられた製品間の1つまたは複数の摩擦係数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の駆動ラインが、コンベヤベルトを備え、前記第1の駆動ライン上に置かれた前記1つまたは複数の製品を前記第2の駆動ラインへ移送する前記ステップが、
前記コンベヤベルトを回転させるステップと、
前記コンベヤベルトが回転している間に前記第1の駆動ラインの少なくとも一部分を前記第2の駆動ラインに向かう方向および前記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させるステップと
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の駆動ラインの端部、前記第1の駆動ラインと前記第2の駆動ラインとの間の移行部、または前記第2の駆動ライン沿いに隣接する前記1つまたは複数の製品の位置または向きのうちの1つまたは複数を検出するステップと、
前記1つまたは複数の製品の前記検出された位置または向きに基づいて、前記1つまたは複数の製品が初期の向きまたは位置から滑ったか、傾いたか、もしくは、ずれたかどうかを判定するステップと、
をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の製品の前記検出された位置または向きに基づいて前記第1の駆動ラインの前記第1の加速度プロファイルまたは別の加速度プロファイルを調整するステップ
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記検出された位置および前記1つまたは複数の製品が初期の向きまたは位置から滑ったか、傾いたか、もしくは、ずれたかどうかの判定に関するデータによりデータベースを更新するステップ
をさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
製品を包装機械に送り込む方法であって、
1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップと、
前記1つまたは複数の製品と前記第1の駆動ラインとの間の第1の摩擦を判定するステップであって、前記1つまたは複数の製品が少なくとも前記第1の駆動ライン上で所定の位置から逸脱し始めるまで第1の加速度プロファイルの初期加速度を増加させるステップを含む、ステップと、
前記1つまたは複数の製品の前記第1の摩擦に基づいて前記第1の駆動ラインの前記第1の加速度プロファイルを調整するステップと、
前記第1の駆動ライン上に置かれた前記1つまたは複数の製品を第2の加速度プロファイルを有する第2の駆動ラインへ移送するステップと、
前記1つまたは複数の製品と前記第2の駆動ラインとの間の第2の摩擦を判定するステップと、
前記1つまたは複数の製品の前記第2の摩擦に基づいて前記第2の加速度プロファイルを調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1の摩擦を前記1つまたは複数の製品に関連付けられたデータとして保存するステップ、および、その後に同じまたは類似の製品のうちの1つまたは複数が前記第1の駆動ライン上に置かれたときに前記データに基づいて前記第1の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の摩擦を判定するステップが、前記1つまたは複数の製品が少なくとも前記第2の駆動ライン上で所定の位置から逸脱し始めるまで前記第2の加速度プロファイルの初期加速度を増加させるステップを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の摩擦を前記1つまたは複数の製品に関連付けられたデータとして保存するステップ、および、その後に同じまたは類似の製品のうちの1つまたは複数が前記第2の駆動ライン上に置かれたときに前記データに基づいて前記第2の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の駆動ラインが、コンベヤベルトを備え、前記第1の駆動ライン上に置かれた前記1つまたは複数の製品を前記第2の駆動ラインへ移送する前記ステップが、
前記コンベヤベルトを回転させるステップと、
前記コンベヤベルトが回転している間に前記第1の駆動ラインの少なくとも一部分を前記第2の駆動ラインに向かう方向および前記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させるステップと
を含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の駆動ラインが、並進加速度プロファイルを備え、前記第1の駆動ラインを前記第2の駆動ラインに向かう方向および前記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させる前記ステップが、前記1つまたは複数の製品の前記判定された第1の摩擦および前記判定された第2の摩擦のうちの1つまたは複数に基づいて前記第1の駆動ラインの前記並進加速度プロファイルを調整するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の製品の寸法を判定するステップをさらに含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第1の駆動ラインと、第2の駆動ラインと、走査機構とを備える包装機械であって、
前記第1の駆動ラインが、
1つまたは複数の製品を前記第1の駆動ラインに沿って案内する第1のコンベヤ機構、および、
少なくとも2つの方向において前記第1の駆動ラインを選択的に並進させるように構成された並進機構
を含み、当該第1の駆動ラインは、前記1つまたは複数の製品と前記第1の駆動ラインとの間の摩擦または前記1つまたは複数の製品と前記第2の駆動ラインとの間の摩擦に基づいて調整される並進加速度プロファイルを有し、
前記第2の駆動ラインが、第2のコンベヤ機構を含み、
前記走査機構が、前記1つまたは複数の製品に関連付けられた寸法および1つまたは複数の摩擦係数を判定するように構成された、包装機械。
【請求項25】
前記走査機構が、前記第1の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置されたバーコード走査装置を備える、請求項24に記載の包装機械。
【請求項26】
前記走査機構が、前記第1の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置された立方体走査装置を備える、請求項24または25に記載の包装機械。
【請求項27】
前記第2の駆動ラインが、前記第2の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置されたバックストップを備える、請求項24~26のいずれか一項に記載の包装機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される、2018年9月7日に出願され「Adaptive Acceleration Control For Packaging Machine」と題された米国仮出願第62/728,456号の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本開示は、包装機械に関する。より詳細には、本開示は、包装機械のための加速度を適応させるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]インターネットを介した物品販売およびサービスは近年急速に増加しており、この傾向は継続することが予測される。オンライン注文の大多数は顧客に出荷されるが、オンラインで購入されるほとんどの製品は、出荷のために包装される必要がある。様々な製品が注文されているので、包装は、製造業者および流通業者に多数の課題を提示し得る。例えば、あらゆる形状およびサイズの製品が包装されて顧客に送られる必要があるが、製造業者および/または流通業者は、特定のサイズまたは小範囲のサイズの製品を包装することしかできない包装機械を使用する場合がある。
【0004】
[0004]さらに、顧客がオンラインで製品を注文する場合、2つ以上の製品をまとめて注文する場合がある。製造業者および/または流通業者は、各製品を個別に包装する代わりに、2つ以上の製品を単一パッケージにまとめて包装することにより、空間と時間を節約することができる。しかし、現在の包装機械は、単一注文の2つ以上の製品を単一パッケージ内に積み重ねるかまたは他の方法で組み合わせる製造業者および/または流通業者の能力を制限する。現在の包装機械は一般に、顧客によって注文される特定のサイズおよび/または組合せの製品のみを取り扱うように設計される。これらのことを考えると、それぞれの固有の顧客注文に即座に対応するように既存の包装機械を再設計または再構成することは、製造業者および/または流通業者には実現可能ではない。したがって、現在の包装機械は、オンラインで顧客によって注文された様々なサイズおよび組合せの製品に効果的に適応する能力が不足している。
【0005】
[0005]そのような様々な製品および製品組合せを取り扱うことに関する現在の包装機械が有する1つの問題は、包装プロセス中に製品がずれるか転倒するかまたは所定の位置から逸脱することである。例えば、包装機械は、通常、製品を包装機械内へ搬送し、包装機械に通して搬送し、また包装機械の外へ搬送する、1つまたは複数のコンベヤベルトを含む。多くの場合、製品は、1つのコンベヤベルトから他のコンベヤベルトへ移送される。これらの種々のコンベヤベルトが製品を搬送する速度および/もしくは加速度、または1つのコンベヤベルトから次のコンベヤベルトへ製品を移送する速度および/もしくは加速度は、典型的には、製品の寸法および製品とコンベヤベルトとの間の摩擦に基づいて設定されるのではない。したがって、予め設定された速度および/または加速度を有する包装機械のコンベヤベルトは、種々のコンベヤベルト上で搬送されている一部の製品の転倒、ずれ、または所定の位置からの逸脱をもたらし得る。
【0006】
[0006]単一ユニットとして包装されるように互いに積み重ねられる製品は、さらなる複雑さおよび難しさを包装プロセスに追加する。包装のために1つまたは複数のコンベヤベルトを下って搬送される製品は、製品の材料に応じた様々な摩擦係数を有する。さらに、互いに接触している任意の2つの製品は、それらがコンベヤベルトに沿って搬送されるときに、それらの間に異なる摩擦量を有し得る。既存の包装機械にとって過度に軽いまたは過度に背の高い製品のように、製品とコンベヤベルトとの間または積み重ねられた製品間の摩擦が低い製品または製品の群は、コンベヤベルトの速度または加速度が過度に高い場合、ずれるか、転倒するか、または所定の位置から逸脱する恐れがある。しかし、顧客によって注文され得る全てのまたは大多数の製品に適応するように種々のコンベヤベルトの加速度を下げることは、生産量を減少させる。
【0007】
[0007]繰り返すが、注文および包装される製品の様々な摩擦特性に対処するように既存の包装機械を再設計または再構成することは製造業者および/または流通業者には実現可能ではないことが、理解されるであろう。
【0008】
[0008]したがって、取り組まれる必要がある多くの問題が、当技術分野には存在する。本明細書において主張される主題は、任意の欠点を解決する実施形態、または上記で説明されたような環境においてのみ機能する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は、本明細書において説明されるいくつかの実施形態が実践され得る1つの例示的な技術領域を示すために提供されたに過ぎない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本開示は、包装機械に関する。より具体的には、本開示は、包装機械のための適応可能な速度制御および/または加速度制御に関する。例えば、本開示の一実施形態では、製品を包装機械に送り込む方法が、1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップを含む。製品の寸法および/または重量、ならびに製品と第1の駆動ラインとの間の摩擦が、判定される。さらに、第1の駆動ラインは、1つまたは複数の製品の判定した寸法および/または重量ならびに摩擦に基づいて調整され得る速度および/または加速度のプロファイルを有する。第1の駆動ラインは、1つまたは複数の製品を第2の駆動ライン上へ移送することができる。
【0010】
[0010]本開示の一実施形態では、製品を包装機械に送り込む方法が、1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップと、その1つまたは複数の製品の寸法および/または重量を判定するステップとを含む。さらに、1つまたは複数の製品と第1の駆動ラインとの間の第1の摩擦も判定され得る。同様に、1つまたは複数の製品と第2の駆動ラインとの間の第2の摩擦も判定され得る。1つまたは複数の製品は、第1の駆動ラインから第2の駆動ラインへ移送され、各駆動ラインは、速度および/または加速度のプロファイルを有する。第1および第2の駆動ラインの速度および/または加速度のプロファイルは、第1の摩擦、第2の摩擦、ならびに1つまたは複数の製品の寸法および/もしくは重量に基づいて調整され得る。
【0011】
[0011]本開示の一実施形態では、包装機械が、第1の駆動ラインおよび第2の駆動ラインを含む。第1の駆動ラインは、1つまたは複数の製品を第1の駆動ラインに沿って案内する第1のコンベヤ機構、および並進機構を含む。並進機構は、少なくとも2つの方向において第1の駆動ラインを並進させるように構成される。第2の駆動ラインは、コンベヤ機構を同様に備える。包装機械はまた、包装機械によって包装される1つまたは複数の製品に関連付けられた寸法および/または重量ならびに1つまたは複数の摩擦係数を判定するように構成された走査機構を含む。
【0012】
[0012]この発明の概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明する概念から選択したものを簡単に紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求する主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また、特許請求する主題の範囲を定めることの補助として使用されることを意図するものでもない。開示される実施形態のさらなる特徴および利点は、以下の説明において述べられ、また、説明から部分的に明らかになるか、または、本開示を実践することから学ばれるであろう。上記その他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより詳細に理解されるか、または、本開示を実践することによって学ばれるであろう。
【0013】
[0013]本発明の上記その他の利点および特徴をさらに明白にするために、添付の図面に示されている本発明の特定の実施形態を参照することにより、発明のより具体的な説明が行われる。これらの図面は単に本発明の例示的な実施形態を表わすものであり、したがって本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことが理解される。本発明は、添付の図面の使用を通じて、さらなる特異性および詳細とともに説明されかつ記述される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]材料供給システム、ブランク切断機械、製品供給装置、および箱形成機械を含む、例示的な包装システムを示す図である。
図2】[0015]製品供給装置および箱形成機械を含む、図1に示されたシステムの一部分の近接図である。
図3】[0016]製品供給装置の駆動ラインに沿って長手方向に配置された複数のコンベヤ機構を含む、製品供給装置の一実施形態の斜視図である。
図4】[0017]製品供給装置の第1の端部にまたはその近くに配置された製品走査機構の一実施形態を示す図である。
図5】[0018]製品供給装置の第1の駆動ラインから箱形成機械の第2の駆動ラインへの1つまたは複数の製品の移送を促進する、製品供給装置の第2の端部にまたはその近くに配置された製品供給装置の並進部分の斜視図である。
図6】[0019]図6Aは、並進部分のコンベヤベルトが回転している間に箱形成機械の駆動ラインに向かって並進する製品供給装置の並進部分を示す図である。 [0020]図6Bは、箱形成機械の駆動ラインに向かって完全に並進した、図6に示された並進部分を示す図である。 [0021]図6Cは、1つまたは複数の製品を箱形成機械の第2の駆動ラインへ移送するために製品供給装置のコンベヤベルトが回転している間に箱形成機械の駆動ラインから離れる方向に並進する、図6Aおよび6Bに示された並進部分を示す図である。 [0022]図6Dは、1つまたは複数の製品を製品供給装置から箱形成機械へ移送するために製品供給装置のコンベヤベルトが回転している間に箱形成機械の駆動ラインからさらに離れる方向に並進する、図6A~6Cに示された並進部分を示す図である。
図7】[0023]1つまたは複数の製品の適切な位置決めを促進する箱形成機械の第2の駆動ラインのバックストップの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0024]本開示は、包装機械に関する。より具体的には、本開示は、包装機械のための適応可能な加速度制御に関する。例えば、本開示の一実施形態では、製品を包装機械に送り込む方法が、1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップを含む。製品の寸法および/または重量ならびに重心、ならびに製品と第1の駆動ラインとの間の摩擦が判定される。さらに、第1の駆動ラインは、1つまたは複数の製品の判定した寸法および摩擦に基づいて調整され得る速度および/または加速度のプロファイルを有する。第1の駆動ラインは、1つまたは複数の製品を第2の駆動ライン上へ移送することができる。
【0016】
[0025]本開示の実施形態は、製品のいくつかのパラメータおよび包装される製品に基づいて包装機械の速度および/または加速度を適応させるための方法および装置を提供することにより、上記で論じられた当技術分野における問題のうちの1つまたは複数を解決する。例えば、本開示の1つまたは複数の実施形態は、コンベヤベルト上に置かれた様々なサイズ、形状、重量、重心、および摩擦係数の製品が包装機械を通して移動されている間に転倒するか滑るかまたは所定の位置から逸脱することのないように、1つまたは複数のコンベヤベルトの速度および/または加速度のプロファイルを変更することができる。したがって、本開示の1つまたは複数の実施形態により、製造業者および流通業者は、即座に製品に適応する単一の包装機械を使用しながら任意の数の製品サイズおよびその組合せを迅速かつ効果的に包装することが可能になり得る。
【0017】
[0026]本明細書において、「加速度」という用語は、速度増加だけでなく減速(deaccelerations of speeds)をも含むと理解されるべきである。
[0027]次に図を参照すると、図1は、材料供給システム102、ブランク切断機械104、製品供給装置106、および箱形成機械108を含む、例示的な包装システム100を示す。図1で明らかなように、材料供給システム102は、ブランク切断機械104に送り込まれ得る連続材料(fanfold material)110の様々なスタックを含む。連続材料110は、材料供給システム102からブランク切断機械104に送り込まれ得る。次いで、ブランク切断機械104は、連続材料110を切断して、「ブランク」とよばれる平面状の箱テンプレートにすることができる。
【0018】
[0028]ブランク切断機械104は、連続材料を切断しかつ連続材料に種々のパネルおよびタブの折り目を付けることにより、連続材料110からブランクを形成することができる。次いで、ブランク切断機械104は、ブランクを箱形成機械108に提供することができる。続いて、箱形成機械108は、ブランクから包装箱を形成するために、種々のブランク折り畳みステップを行うことができる。これらのことを考えると、ブランク切断機械104および箱形成機械108は、ブランクを1つの機械から次の機械へ移動させる1つまたは複数の駆動ラインを備えることができる。
【0019】
[0029]例えば、1つの実施形態では、ブランク切断機械104の駆動ラインは、ブランクをブランク切断機械104に通して箱形成機械108内へと運ぶコンベヤベルトなどの1つまたは複数のコンベヤ機構を備えることができる。同様に、箱形成機械108の駆動ラインは、ブランクを箱形成機械108に通して運ぶコンベヤベルトなどの1つまたは複数のコンベヤ機構を備えることができる。
【0020】
[0030]さらに、包装機械100によって包装されている製品の寸法に関する情報/データが、各ブランクを切断するのに先立ってブランク切断機械104に提供され得る。ブランク切断機械104は、箱内に包装されるべき製品のサイズに合わせてカスタマイズされた箱を形成することが可能なブランクを切断するために、この情報/データを使用することができる。このようにして、ブランク切断機械100は、廃棄される材料、および、箱形成機械108によって形成される箱内の空間を、最小限に抑えることができる。
【0021】
[0031]本開示の1つの実施形態では、ブランクが切断された後またはその間、およびブランクが箱形成機械108に提供される前またはその間に、製品供給装置106は、1つまたは複数の製品をブランク上に搬送することができる。そのような実施形態では、箱形成機械108は、次いで、ブランクを折り曲げるかまたは折り畳んで、ブランク上に置かれた1つまたは複数の製品の周りに包装箱を形成することができる。
【0022】
[0032]したがって、包装システム100は、1つまたは複数の製品をブランク上へ移送する、製品供給装置106を備え得る。図2は、製品供給装置106および箱形成機械108をより詳細に示すために、包装システム100の近接図を示す。図示のように、製品供給装置106は、箱形成機械108に向かって延在する第1の駆動ライン200を備え得る。同様に、箱形成機械108は、箱形成機械108を通って延在する第2の駆動ライン202を備え得る。第2の駆動ライン202は、上記のようにブランクが折り畳まれて包装箱になるときに、ブランクおよびその上に置かれた1つまたは複数の製品を箱形成機械108に通して運ぶように構成され得る。
【0023】
[0033]図1および2の例示された実施形態では、製品供給装置106の第1の駆動ライン200は、箱形成機械108の第2の駆動ライン202に対してほぼ垂直に位置決めされる。しかし、包装機械100の1つまたは複数の他の実施形態は、第2の駆動ライン202に対して垂直以外の角度に向けられた第1の駆動ライン200を有する製品供給装置106を備え得ることが、理解されるであろう。例えば、第1の駆動ライン200と第2の駆動ライン202との間の角度は、0度、180度、またはそれらの間の任意の角度であってよい。さらに、第1の駆動ライン200および第2の駆動ライン202、またはそれらの一部分もまた、異なる平面において配置または方向付けされ得る。また、本明細書において説明される包装システム100の1つまたは複数の実施形態は、2つ以上の製品供給装置106を備えることができ、各製品供給装置106は、1つまたは複数の駆動ライン200を有する。同様に、包装システム100の1つまたは複数の実施形態は、2つ以上の箱形成機械108を備えることができ、各箱形成機械は、1つまたは複数の駆動ライン202を有する。
【0024】
[0034]図3は、本開示による製品供給装置106の一実施形態の近接斜視図を示す。例示された実施形態では、製品供給装置106は、第1の駆動ライン200に沿って長手方向に配置された1つまたは複数のコンベヤ機構300を備える。例示された実施形態では、コンベヤ機構300は、第1の駆動ライン200に沿って1つまたは複数の製品を運ぶために回転するコンベヤベルト302を備え得る。1つまたは複数の実施形態は、チェーン、ホイール、もしくは同種のもの、またはそれらの組合せなどの、コンベヤベルト302以外の機構を備えるコンベヤ機構300を含み得る。
【0025】
[0035]図3の例示された実施形態では、コンベヤベルト302は、コンベヤベルト302上に置かれた1つまたは複数の製品が箱形成機械108の第2の駆動ライン202に向かって第1の駆動ライン200を下って行くように、端から端まで配置され得る。種々のコンベヤ機構300またはコンベヤベルト302の数および位置は、他の実施形態では異なり得る。例えば、1つの実施形態では、1つまたは複数のコンベヤ機構300が、第1の駆動ライン200を横切って並んで配置され得る。また、例えば、1つの実施形態は、本明細書において例示されたコンベヤ機構300の数よりも多いまたは少ない数のコンベヤ機構300を含み得る。
【0026】
[0036]製品供給装置106はまた、第1の駆動ライン200の第1の端部にまたはその近くに配置された1つまたは複数の走査機構304を備え得る。図3に例示された走査機構304は、立方体走査装置(cube scanner)を備え、1つまたは複数の製品は、コンベヤ機構300が製品を第1の駆動ライン200により第2の駆動ライン202に向けて運ぶときに、この立方体走査装置を通過することができる。走査機構304は、製品の高さ、幅、および長さを含めて第1の駆動ライン200上に置かれている1つまたは複数の製品の寸法を判定するために使用され得る。この寸法データは保存されて、走査されている製品に関連付けられ得る。
【0027】
[0037]図4は、第1の駆動ライン200に沿って走査機構304に通されている1つまたは複数の製品400の斜視図を示す。1つまたは複数の製品を走査してその寸法を判定することに加えて、製品供給装置106はまた、1つまたは複数の製品の重量を判定するために、秤を含み得る。
【0028】
[0038]さらに、またはその代わりに、1つまたは複数の実施形態の走査機構304は、バーコード読取り機、RFID走査装置、または製品の正体を判定する他の方法を含み得る。そのような実施形態では、バーコード読取り機、RFID走査装置、または他の識別機構は、走査される1つまたは複数の製品に関連付けられたバーコードまたはQRコード(登録商標)などの1つまたは複数の機械読取り可能なデータ表示を走査するように構成され得る。バーコード読取り機によって読み出されるデータは、走査される1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データ(prestored data)を含み得る。事前保存データは、製品の高さ、幅、および長さを含めて、1つまたは複数の製品の寸法を含み得る。
【0029】
[0039]さらに、事前保存データは、走査される1つまたは複数の製品に関する他の情報を含み得る。例えば、走査される各製品のための事前保存データは、製品の重量、重心、慣性モーメント、および摩擦係数を含み得る。各製品は、製品または製品包装の材料に依存する1つまたは複数の摩擦係数を有し得る。これらの摩擦係数は、1つまたは複数の製品と第1の駆動ラインのコンベヤ機構300との間の摩擦係数、および/または互いに積み重ねられるかもしくは隣同士に接触して置かれ得る種々の製品間の摩擦係数を判定するために使用され得る。
【0030】
[0040]さらに、これらの摩擦係数は、1つまたは複数の製品と箱形成機械108の第2の駆動ライン202との間の摩擦係数を判定するためにも使用され得る。
[0041]さらに、またはその代わりに、製品供給装置106の1つの実施形態は、駆動ライン200、202のコンベヤ機構300上に置かれた1つまたは複数の製品がずれるか滑るか転倒するかまたは所定の位置から逸脱し始めるまでコンベヤ機構300の速度および/または加速度を増加させることにより、製品摩擦係数を判定し得る。1つまたは複数の製品が所定の位置から逸脱する速度および/または加速度は、上記の寸法、重量、重心、および慣性モーメントなどの他の事前保存製品データと併せて、各製品に対して1つまたは複数の摩擦係数を計算するために使用され得る。このデータは、計算された摩擦係数を含めて、各製品に関連付けられたデータとして記録および保存され得る。このデータは、その後に製品供給装置106上に置かれる同じまたは類似の製品に関連付けられた事前保存データとして読み出され得る。
【0031】
[0042]各製品に関連する、走査機構304および/またはバーコード走査装置によって読み出されたデータは、包装のために切断されるべきブランクのサイズおよび構成を判定するために、ブランク切断機械104に中継され得る。例えば、各製品の寸法データは、製品に合わせてカスタマイズされた適切なサイズのブランクが切断されることを確実にするために、ブランク切断機械104に中継され得る。
【0032】
[0043]さらに、各製品に関連付けられかつ走査機構304によって読み出される事前保存データは、各駆動ライン200、202のための適切な速度および/または加速度のプロファイルを判定するために使用され得る。速度および/または加速度のプロファイルは、時間または距離にわたっての駆動ライン200、202のコンベヤ機構300の速度および/または加速度を含む。例えば、1つの実施形態では、第1の駆動ライン200は、コンベヤベルト302が1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン200により第2の駆動ライン202に向けて運ぶときに1つまたは複数のコンベヤベルト302の回転を初期のより低い速度からより高い速度へと加速させる加速度プロファイルを有し得る。さらに、またはその代わりに、同じ加速度プロファイルが、1つまたは複数の製品が第2の駆動ライン202に近づくにつれて第1の駆動ライン200の端に向かうコンベヤベルト302の速度を低下させることを含み得る。
【0033】
[0044]そのような実施形態では、速度および/または加速度のプロファイルは、第1の駆動ライン200上に置かれた1つまたは複数の製品を製品がコンベヤ機構300上に置かれるときおよび/または製品走査機構304を通り過ぎるかもしくは通り抜けるときに低速に維持するのに役立ち得る。最初に製品を過度に急速に加速させるコンベヤ機構300上に1つまたは複数の製品を置くことは、製品をコンベヤ機構300上に置くことを難しくする恐れがある。また、走査機構を通り抜けるまたは走査機構下の製品を過度に急速に加速させることにより、走査機構304が適切に機能しなくなる恐れがある。同様に、加速度プロファイルは、第2の駆動ライン202上への製品の移送に備えて、製品が第2の駆動ライン202に接近するにつれて第1の駆動ライン200上に置かれた製品の速度を低下させることができる。それを過度に急速に行うことは、移送されるときの1つまたは複数の製品の転倒、滑り、ずれ、または所定の位置からの逸脱、あるいは損傷につながり得る。
【0034】
[0045]1つまたは複数の実施形態では、各駆動ライン200、202は、1つまたは複数の製品が各駆動ライン200、202を下って移動されるときの速度および加速度を含む任意の数の加速度プロファイルを含み得ることが、理解されるであろう。適切な加速度プロファイルは、上記で説明された方法によって決定され得るか、または、走査機構300によって読み出されるような各製品に関連付けられた事前保存データから決定され得る。
【0035】
[0046]したがって、各駆動ライン200、202は、製品供給装置106上に置かれた各製品または製品のスタックに対して即座に独特にあつらえられた適切な加速度プロファイルにおいて動作し得る。適切な加速度プロファイルは、本明細書において説明されるように、各製品または製品の群に関連付けられた事前保存データおよび/または判定したデータに基づいて調整され得る。各製品または製品の群に関連付けられた適切な加速度プロファイルは、駆動ライン200、202に沿って製品を過度に急速に加速させることを回避することができる。このようにして、製品供給装置106および箱形成機械108は、駆動ライン200、202上に置かれた1つまたは複数の製品を転倒させること、滑らせること、ずらすこと、または所定の位置から逸脱させることおよび/または損傷を与えることを回避することができる。さらに、製品が所定の位置から逸脱するのを防ぐことは、製品がブランク上に適切に置かれることを確実にし得る。
【0036】
[0047]次に図5を参照すると、製品供給装置106の第1の駆動ライン200は、第1の駆動ライン200の端部分に沿って第2の駆動ライン202にまたはその近くに配置された1つまたは複数の並進部分500を備え得る。第1の駆動ライン200の並進部分500は、並進部分500を第2の駆動ライン202またはその一部分に向かう方向および第2の駆動ライン202またはその一部分から離れる方向に並進させる並進機構を備え得る。並進部分500はまた、並進機構が並進部分500を並進させている間に回転して1つまたは複数の製品を並進部分500に沿って移送する、図5に示されたコンベヤベルト302などの1つまたは複数のコンベヤ機構を備え得る。
【0037】
[0048]製品供給装置106の1つまたは複数の実施形態は、部分的にまたは全面的に第1の駆動ライン200に沿って延在する並進部分500を備え得る。例えば、1つまたは複数の実施形態では、並進機構は、第1の駆動ライン200の全体または大部分を第2の駆動ライン202に向かう方向および第2の駆動ライン202から離れる方向に並進させることができる。1つまたは複数の実施形態では、並進部分500は、図5に示された程度を上回るまたは下回る程度まで、第1の駆動ラインに沿って延在し得る。
【0038】
[0049]また、図5に示されるように、包装機械100の1つの実施形態は、中間駆動ライン204を備えることができ、この中間駆動ライン204もまた、1つまたは複数のコンベヤベルトを含み得る。そのような実施形態では、中間駆動ライン204は、その上でブランク502が搬送される第2の駆動ライン202の上方に配置され得る。このようにして、ブランク502は、第1の駆動ラインの並進部分500が第2の駆動ライン202に向かう方向および第2の駆動ライン202から離れる方向に並進している間に、中間駆動ライン204の下で第2の駆動ライン202に沿って移動することができる。
【0039】
[0050]図6A~6Dは、第1の駆動ライン200の並進部分500および中間駆動ライン204がどのようにして第1の駆動ライン200から第2の駆動ライン202への1つまたは複数の製品400の円滑な移行を促進し得るかを示す。図6A~6Dに示されるように、第1の駆動ライン200および並進部分500の1つの実施形態は、中間駆動ライン204の上方で延在するように位置決めされ得る。並進機構(図示せず)が、コンベヤベルト302が回転して製品400を並進部分500上で前進させている間に、並進部分500を中間駆動ライン204に向かって並進させることができる。図6Aは、中間駆動ライン204上へ完全には並進されていない並進部分を示す。
【0040】
[0051]図6Bの例示された実施形態では、第1の駆動ライン200は、中間駆動ライン204上へ完全に並進されている。しかし、1つまたは複数の実施形態では、並進機構は、並進部分500を中間駆動ライン204上へ部分的にのみ並進させることができる。他の実施形態は、並進部分500を中間駆動ライン204に向かっておよび/または中間駆動ライン204上へ様々な程度で並進させることを含み得る。
【0041】
[0052]図6Bは、中間駆動ライン204に向かって/中間駆動ライン204上へ完全に並進された並進部分500を示し、製品400は、コンベヤベルト302により並進部分500の端まで移動されている。並進部分500が中間駆動ライン204に向かって/中間駆動ライン204上へ完全に並進されると、並進機構は、並進部分500を中間駆動ライン204から離れる方向に並進させ始めることができるが、第1の駆動ライン200のコンベヤベルト302は、製品400を並進部分500の端および中間駆動ライン204に向かって移動させ続ける。したがって、図6Cに示されるように、製品400は、第1の駆動ライン200の端を越えて中間駆動ライン204へ移り始めることができる。
【0042】
[0053]図6Dに示されるように、製品400が中間駆動ライン204上へ完全に移送されると、第1の駆動ライン200の並進部分500は、中間駆動ライン204から離れる方向に完全に並進することができる。第1の駆動ライン200の並進部分500は、第1の駆動ライン200から中間駆動ライン204への次の製品の移送に備えて、中間駆動ライン204から離れる方向に完全に並進することができる。
【0043】
[0054]最後に、製品400が中間駆動ライン204上へ移送され終わると、中間駆動ライン204は、中間駆動ライン204の下方で第2の駆動ライン202に沿って移動しているブランク上に製品を移送することができる。したがって、他の駆動ライン200、202と同様に、中間駆動ライン204は、製品を移動させるコンベヤベルトなどの1つまたは複数のコンベヤ機構を備え得る。したがって、ブランクが中間駆動ライン204の下の第2の駆動ライン202に沿って移動するときに、中間駆動ライン204は、製品400をブランク上へ(製品が第1の駆動ライン200から中間駆動ライン204へ移送されるのと同様の方法で(中間駆動ラインの一部として並進部分を含んでも含まなくても)移送することができる。そこから、ブランク、およびブランク上に位置決めされた製品400は、第2の駆動ライン202に沿って箱形成機械108を通って移送され得る。次いで、箱形成機械108は、製品400の周りに箱を形成することができる。
【0044】
[0055]加速度プロファイルは、並進機構が並進部分500を並進させる加速度および速度を含み得る。中間駆動ライン204および第2の駆動ライン202もまた、加速度プロファイルを有し得る。この場合もやはり、上記のように、並進部分500、中間駆動ライン204、および/または第2の駆動ライン202の適切な加速度プロファイルは、第1の駆動ライン200から第2の駆動ライン202への製品の移送が適切な速度および加速度において起こることを確実にするために、各製品または製品の群に対して選択され得る。したがって、1つの駆動ラインから次の駆動ラインへの製品の移送は、製品を所定の位置から逸脱させることなく行われ得る。この場合もやはり、このことは、製品が損傷を受けないこと、および、製品が適切な位置においてブランク上に置かれることを、確実にし得る。
【0045】
[0056]図7は、中間駆動ライン204上に配置されたバックストップ700を示す。バックストップは、堅固に設置されて、製品400が第1の駆動ライン200から中間駆動ライン204へ移送されるときに通過することのできない障壁を形成することができる。このようにして、バックストップ700は、移送されるときの製品400のブランク上での適切な位置決めをさらに確実にすることができる。中間駆動ライン204から第2の駆動ライン202へ移送されるときの製品400の適切な位置決めを確実にするために、同様のバックストップが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、バックストップのうちの1つまたは複数が定位置を有する場合があるが、他の実施形態では、バックストップのうちの1つまたは複数が選択的に移動可能とされる場合がある。
【0046】
[0057]いくつかの実施形態では、走査機構304に類似した1つまたは複数の追加の走査機構(例えば、光センサ、ライトカーテン、など)が、第1の駆動ライン200の端の近くもしくは端、第1の駆動ライン200から中間駆動ライン204への移行部の近くもしくは移行部、および/または中間駆動ライン204と第2の駆動ライン202との間の移行部の近くまたは移行部に位置決めされ得る。1つまたは複数の追加の走査機構は、第1の駆動ライン200、中間駆動ライン204、および/または第2の駆動ライン202の間で移送されている製品の位置を検出することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加の走査機構は、製品が第1の駆動ライン200、中間駆動ライン204、および/もしくは第2の駆動ライン202に沿ってまたはそれらの間で移動するときに製品の位置および/または向きの滑り、傾き、および/またはずれがあったかどうかを検出することができる。製品が移動したかどうか、どの程度移動したのか、およびどの方向に移動したのかに関する情報は、第1の駆動ライン200、中間駆動ライン204、および/または第2の駆動ライン202の速度および/または加速度を調整して製品の移動および/または製品の再配置を補償するために直接使用され得る。情報はまた、既知の速度条件および加速度条件下で移動する製品の性向を含む、製品に関するデータベースを更新するために使用され得る。
【0047】
[0058]したがって、本明細書において説明される装置および方法は、様々なサイズ、形状、重量、および数量の製品が包装のためにコンベヤ機構上に置かれたときに包装システム100がコンベヤ機構の速度および/または加速度を即座に調整することを可能にすることができる。本明細書において説明される方法および装置は、包装形成プロセスを中断させることまたは製品に損傷を与えることなしに、上記のことを迅速かつ円滑に行うことができる。
【0048】
[0059]本教示と整合するさらなる例が、以下の番号付けされた条項に提示される。
[0060]条項1:製品を包装機械に送り込む方法であって、
1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップと、
上記1つまたは複数の製品と上記第1の駆動ラインとの間の第1の摩擦を判定するステップと、
上記1つまたは複数の製品と上記第1の駆動ラインとの上記第1の摩擦に基づいて上記第1の駆動ラインの第1の加速度プロファイルを調整するステップと、
上記第1の駆動ライン上に置かれた上記1つまたは複数の製品を第2の駆動ラインへ移送するステップと、
を含む、方法。
【0049】
[0061]条項2:上記1つまたは複数の製品の寸法を判定するステップをさらに含み、上記1つまたは複数の製品の上記寸法を判定するステップが、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含み、上記事前保存データが、上記寸法を含む、請求項1に記載の方法。
【0050】
[0062]条項3:上記事前保存データを読み出す上記ステップが、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた機械読取り可能なデータ表示を走査するステップを含む、条項2に記載の方法。
【0051】
[0063]条項4:上記第1の摩擦を判定するステップが、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含む、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0052】
[0064]条項5:上記第1の摩擦に関連付けられた上記事前保存データが、上記1つまたは複数の製品と上記第1の駆動ラインとの間の1つまたは複数の摩擦係数を含む、条項4に記載の方法。
【0053】
[0065]条項6:上記第2の駆動ラインが、上記1つまたは複数の製品を箱形成機械に通して搬送し、上記第2の駆動ラインが、第2の加速度プロファイルを有する、条項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0054】
[0066]条項7:上記1つまたは複数の製品と上記第2の駆動ラインとの間の第2の摩擦に基づいて上記第2の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、条項6に記載の方法。
【0055】
[0067]条項8:上記第2の摩擦が、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すことによって判定され、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた上記事前保存データが、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた1つまたは複数の摩擦係数を含む、条項7に記載の方法。
【0056】
[0068]条項9:上記第1の駆動ライン上に置かれた2つ以上の積み重ねられた製品間の第3の摩擦を判定するステップをさらに含む、条項1~8のいずれか一項に記載の方法。
[0069]条項10:上記第3の摩擦に基づいて上記第1の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、条項9に記載の方法。
【0057】
[0070]条項11:上記第3の摩擦を判定するステップが、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた事前保存データを読み出すステップを含む、条項9または10に記載の方法。
【0058】
[0071]条項12:上記第3の摩擦に関連付けられた上記事前保存データが、上記2つ以上の積み重ねられた製品間の1つまたは複数の摩擦係数を含む、条項11に記載の方法。
[0072]条項13:上記第1の駆動ラインが、コンベヤベルトを備え、上記第1の駆動ライン上に置かれた上記1つまたは複数の製品を上記第2の駆動ラインへ移送する上記ステップが、
上記コンベヤベルトを回転させるステップと、
上記コンベヤベルトが回転している間に上記第1の駆動ラインの少なくとも一部分を上記第2の駆動ラインに向かう方向および上記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させるステップと
を含む、条項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0059】
[0073]条項14:上記第1の駆動ラインの端部、上記第1の駆動ラインと上記第2の駆動ラインとの間の移行部、または上記第2の駆動ライン沿いに隣接する上記1つまたは複数の製品の位置または向きのうちの1つまたは複数を検出するステップと、
上記1つまたは複数の製品の前記検出された位置または向きに基づいて、上記1つまたは複数の製品が初期の向きまたは位置から滑ったか、傾いたか、もしくは、ずれたかどうかを判定するステップと、
をさらに含む、条項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
[0074]条項15:上記1つまたは複数の製品の上記検出された位置または向きに基づいて上記第1の駆動ラインの上記第1の加速度プロファイルまたは別の加速度プロファイルを調整するステップ
をさらに含む、条項14に記載の方法。
【0061】
[0075]条項16:上記検出された位置および上記1つまたは複数の製品が初期の向きまたは位置から滑ったか、傾いたか、もしくは、ずれたかどうかの判定に関するデータによりデータベースを更新するステップ
をさらに含む、条項14または15に記載の方法。
【0062】
[0076]条項17:製品を包装機械に送り込む方法であって、
1つまたは複数の製品を第1の駆動ライン上に置くステップと、
上記1つまたは複数の製品と上記第1の駆動ラインとの間の第1の摩擦を判定するステップと、
上記1つまたは複数の製品の上記第1の摩擦に基づいて上記第1の駆動ラインの第1の加速度プロファイルを調整するステップと、
上記第1の駆動ライン上に置かれた上記1つまたは複数の製品を第2の加速度プロファイルを有する第2の駆動ラインへ移送するステップと、
上記1つまたは複数の製品と上記第2の駆動ラインとの間の第2の摩擦を判定するステップと、
上記1つまたは複数の製品の上記第2の摩擦に基づいて上記第2の加速度プロファイルを調整するステップと、
を含む、方法。
【0063】
[0077]条項18:上記第1の摩擦を判定するステップが、上記1つまたは複数の製品が少なくとも上記第1の駆動ライン上で所定の位置から逸脱し始めるまで上記第1の加速度プロファイルの初期加速度を増加させるステップを含む、条項17に記載の方法。
【0064】
[0078]条項19:上記第1の摩擦を上記1つまたは複数の製品に関連付けられたデータとして保存するステップ、および、その後に同じまたは類似の製品のうちの1つまたは複数が上記第1の駆動ライン上に置かれたときに上記データに基づいて上記第1の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、条項18に記載の方法。
【0065】
[0079]条項20:上記第2の摩擦を判定するステップが、上記1つまたは複数の製品が少なくとも上記第2の駆動ライン上で所定の位置から逸脱し始めるまで上記第2の加速度プロファイルの初期加速度を増加させるステップを含む、条項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
[0080]条項21:上記第2の摩擦を上記1つまたは複数の製品に関連付けられたデータとして保存するステップ、および、その後に同じまたは類似の製品のうちの1つまたは複数が上記第2の駆動ライン上に置かれたときに上記データに基づいて上記第2の加速度プロファイルを調整するステップをさらに含む、条項20に記載の方法。
【0067】
[0081]条項22:上記第1の駆動ラインが、コンベヤベルトを備え、上記第1の駆動ライン上に置かれた上記1つまたは複数の製品を上記第2の駆動ラインへ移送する上記ステップが、
上記コンベヤベルトを回転させるステップと、
上記コンベヤベルトが回転している間に上記第1の駆動ラインの少なくとも一部分を上記第2の駆動ラインに向かう方向および上記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させるステップと
を含む、条項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
[0082]条項23:上記第1の駆動ラインが、並進加速度プロファイルを備え、上記第1の駆動ラインを上記第2の駆動ラインに向かう方向および上記第2の駆動ラインから離れる方向に並進させる上記ステップが、上記1つまたは複数の製品の上記判定された第1の摩擦および上記判定された第2の摩擦のうちの1つまたは複数に基づいて上記第1の駆動ラインの上記並進加速度プロファイルを調整するステップを含む、条項22に記載の方法。
【0069】
[0083]条項24:上記1つまたは複数の製品の寸法を判定するステップをさらに含む、条項17~23のいずれか一項に記載の方法。
[0084]条項25:第1の駆動ラインと、第2の駆動ラインと、走査機構とを備える包装機械であって、
上記第1の駆動ラインが、
1つまたは複数の製品を上記第1の駆動ラインに沿って案内する第1のコンベヤ機構、および、
少なくとも2つの方向において上記第1の駆動ラインを選択的に並進させるように構成された並進機構
を含み、
上記第2の駆動ラインが、第2のコンベヤ機構を含み、
上記走査機構が、上記1つまたは複数の製品に関連付けられた寸法および1つまたは複数の摩擦係数を判定するように構成された、包装機械。
【0070】
[0085]条項26:上記走査機構が、上記第1の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置されたバーコード走査装置を備える、条項25に記載の包装機械。
[0086]条項27:上記走査機構が、上記第1の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置された立方体走査装置を備える、条項25または26に記載の包装機械。
【0071】
[0087]条項28:上記第2の駆動ラインが、上記第2の駆動ラインの第1の端部にまたはその近くに配置されたバックストップを備える、条項25~27のいずれか一項に記載の包装機械。
【0072】
[0088]本発明は、本発明の精神または本質的特性から逸脱することなしに他の特定の形態で具現化され得る。説明された実施形態は、あらゆる点で単に例示的なものであって制限的なものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および同等の範囲に含まれるあらゆる変更は、本発明の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7