(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ベアリングのためのセンサ付き支持装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20240322BHJP
G01L 5/167 20200101ALI20240322BHJP
F16C 41/00 20060101ALI20240322BHJP
F16C 19/52 20060101ALI20240322BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G01L5/00 K
G01L5/167
F16C41/00
F16C19/52
F16C19/06
(21)【出願番号】P 2021528929
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2019060075
(87)【国際公開番号】W WO2020105010
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102018000010523
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ピッツィ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ザニン,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】アッレーラ,ステファノ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-512420(JP,A)
【文献】特開2005-134377(JP,A)
【文献】特開平02-116454(JP,A)
【文献】国際公開第2017/065074(WO,A1)
【文献】特開平11-308070(JP,A)
【文献】米国特許第06338281(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/00-5/28
F16C 19/06
F16C 19/52
F16C 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-取り付け構造(S)に固定されるように構成され、ベアリング(3)のための少なくとも1つの台座(2c)を画定する、ベアリングハウジング(2)と、
-直接または少なくとも1つのさらなる要素(7;7’)の介在によって、前記取り付け構造(S)と前記ベアリングハウジング(2)の間に少なくとも部分的に配置されるように事前に取り決められた支持体(4’)を有するセンサ付き支持ベース(4)と、を備え、
前記支持体(4’)は、縦方向(L)と横方向(W)に延在し、直接または少なくとも1つのさらなる要素(7;7’)の介在によって、前記ベアリングハウジング(2)と前記取り付け構造(S)の1つの対応する面(6a;Sa)にあるように構成された検出面(4c)を有し、
前記センサ付き支持ベース(4)は、機械的応力センサ手段を備え、
前記機械的応力センサ手段は、前記検出面(4c)の少なくとも一部を画定する少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1,10
2)を備え、
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1,10
2)は、前記ベアリングハウジング(2)に加えられる機械的応力(SS)の大きさに実質的に比例する電位差を発生するように構成され
、
前記少なくとも一つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1
,10
2
)は、
第1の方向における第1のせん断応力(SS)を示す第1の電位差を発生するように構成された第1の圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第1の方向と交差する又は前記第1の方向に対して傾斜した第2の方向における第2のせん断応力(SS)を示す第2の電位差を発生するように構成された第2の圧電トランスデューサ(10
2
)、
及び/又は
前記ベアリングハウジング(2)に加えられるせん断応力(SS)に比例する電位差を発生するように構成された少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)及び前記ベアリングハウジング(2)に加えられる垂直応力に比例する電位差を発生するように構成された垂直応力圧電トランスデューサ(20)、を備えるセンサ付きベアリング支持装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20)は、圧電材料
の層(11;21)と
、少なくとも1つの第1の電極(E1;E21)と1つの第2の電極(E2;E22)を備え、
前記
少なくとも1つの第1の電極(E1;E21)と前記第2の電極(E2;E22)の間に前記圧電材料の層(11;21)が少なくとも部分的に延在
する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧電材料の層(11;21)は、前記支持体(4’)によって特定される前記縦方向(L)、前記横方向(W)及び平面の中の少なくとも1つ
を横切って延在する分極軸(PA)を有する、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;
20;10
1,10
2)は、
前記第1の圧電トランスデューサ(10
1)と
前記第2の圧電トランスデューサ(10
2)を備え、
前記第1の圧電トランスデューサ(10
1
)と前記第2の圧電トランスデューサ(10
2
)は、前記第1の圧電トランスデューサ(10
1)の前記圧電材料の層(11)
が、前記縦方向(L)
を横切って延在する分極軸(PA)を有する、及び/または、前記第2の圧電トランスデューサ(10
2)の前記圧電材料の層(11)
が、前記横方向(W)
を横切って延在する分極軸(PA)を有する、ように配置される、請求項
2に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1,10
2)は、
前記少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)と前記垂直応力圧電トランスデューサ(20)を備え、
前記少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)は、
前記第1の方向における第1のせん断応力(SS)を示す第1の電位差を発生するように構成された第1のせん断応力圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第1の方向と交差する又は前記第1の方向に対して傾斜した前記第2の方向における第2のせん断応力(SS)を示す第2の電位差を発生するように構成された第2のせん断応力圧電トランスデューサ(10
2
)とを備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第2の圧電トランスデューサ(10
2
)、又は前記少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)の前記第1の電極(E1)と前記第2の電極(E2)のそれぞれは、前記圧電材料の層(11)の第1の主面(11a)と第2の主面(11a,11b)において延在する複数の部分または指部(F1,F2)を有する、請求項
2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第2の圧電トランスデューサ(10
2
)、または、前記少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)は、前記圧電材料の層(11)の第1の主面(11a)と第2の主面(11b)において延在する少なくとも1つの第3の電極(E3)と1つの第4の電極(E4)を備える、請求項
2に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第2の圧電トランスデューサ(10
2
)の前記第1の電極(E1)と前記第2の電極(E2)、または、前記少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10
1
,10
2
)の前記第1の電極(E1)と前記第2の電極(E2)は、それぞれ前記圧電材料の層(11)の第1の主面(11a)と第2の主面(11a,11b)において延在する複数の部分または指部(F1,F2)を有し、
前記第3の電極(E3)は、前記第1の電極(E1)の部分または指部(F1)と互いにかみ合うまたは互い違いにある形態である
部分または指部(F3)を有し、
前記第4の電極(E4)は、前記第2の電極(E2)の部分または指部(F2)と
互いにかみ合うまたは互い違いにある形態である
部分または指部(F4)を有
する、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の電極(E1)、前記第2の電極(E2)、前記第3の電極(E3)及び前記第4の電極(E4)の中の少なくともいくつかは、前記圧電材料の層の分極電極であるまたは、前記圧電材料の層(11)の分極電極及び測定電極の両方である、請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1,10
2)は、圧電材料の堆積された層(11;21)と、前記圧電材料(11;21)の堆積された層の2つの対向する主面(11a,11b;21a,21b)において電気導電材料(E1-E4;E22,E23)の堆積された電極を備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記センサ付き支持ベース(4))に機械的応力を伝達するのに適した少なくとも1つの中間層または要素(7;7’)が、前記検出面(4c)と前記対応する面(6c;Sa)の間に設置される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持体(4’)が前記ベアリングハウジング(2)に対して位置決めする及び/またはその逆を行う要素(B)を有する、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記ベアリングハウジング(2)は、前記センサ付き支持ベース(4)の少なくとも一部を受け入れるための位置決め台座(6)を画定し、
前記位置決め台座(6)は、
周辺端部(2d)によって境界を定められる及び/または
平坦な底面を有する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
ベアリングハウジングのためのセンサ付き支持ベースであって、
取り付け構造(S)と前記ベアリングハウジング(2)の間に配置されように事前に取り決められた支持体(4’)であって、前記支持体(4’)は、縦方向(L)及び横方向(W)に延在し、直接または少なくとも1つのさらなる要素(7;7’)の介在によって、前記ベアリングハウジング(2)及び前記取り付け構造(S)の1つの対応する面(6a;Sa)にあるように構成された、検出面(4c)を有し、前記センサ付き支持ベース(4)は、機械的応力センサ手段を備える、支持体(4’)を備え、
前記機械的応力センサ手段は、前記検出面(4c)の少なくとも一部を画定する少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1
;10
2
)を備え、
前記少なくとも1つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1
;10
2
)は、前記ベアリングハウジング(2)に加えられる機械的応力(SS)の大きさに実質的に比例する電位差を発生するように構成され、
前記少なくとも一つの圧電トランスデューサ(10;20;10
1
,10
2
)は、
第1の方向における第1のせん断応力(SS)を示す第1の電位差を発生するように構成された第1の圧電トランスデューサ(10
1
)及び前記第1の方向と交差する又は前記第1の方向に対して傾斜した第2の方向における第2のせん断応力(SS)を示す第2の電位差を発生するように構成された第2の圧電トランスデューサ(10
2
)、
及び/又は
前記ベアリングハウジング(2)に加えられるせん断応力(SS)に比例する電位差を発生するように構成された少なくとも一つのせん断応力圧電トランスデューサ(10;10
1
,10
2
)及び前記ベアリングハウジング(2)に加えられる垂直応力に比例する電位差を発生するように構成された垂直応力圧電トランスデューサ(20)を備える、センサ付き支持ベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベアリングハウジングに伝達される負荷または応力を検出する、またはさらに一般的に、例えば取り付け構造に対するベアリングハウジングの振動または最小の動作または変位であっても検出するように構成された少なくとも1つのセンサ要素を備える、ベアリングのための支持装置に関する。本発明は、機械的応力センサ手段を有するそのような装置のためのセンサ付き支持装置及びセンサ付き支持ベース、ここで好ましくはセンサ付き支持ベースがベアリングハウジングとハウジングが固定される一般取り付け構造の間に少なくとも一部が設置される、を特に参照して開発された。
【背景技術】
【0002】
知られているように、ベアリングは、2つの部品の間の相対動作を拘束できるように設計され、回転部品を引き留める及び支持するための様々なタイプの機構で用いられる装置である。
【0003】
使用の際、ベアリングは、静的な及び動的な両方の異なる負荷を受ける。静的な負荷は、通常ベアリングによって支持される重量に比例する一方で、動的な負荷は、通常ベアリングの使用の条件に依存する。したがって多くのシステムにおいて、ベアリングに作用する負荷を監視できることが望ましい。例えば、自動車分野において、車輪ハブのベアリングの負荷の情報は、有利に車の安定性の制御のためのシステムによって用いられる。
【0004】
振動は、例えば過剰振動が、ベアリングが摩滅するまたは、その耐用年数の終わりに達する事実の兆候であると考えられるならば、ベアリングの条件の指標を提供できる、いくつかの重要なさらなるパラメータを示す。ベアリングによって耐えられる負荷に加えて、このため対応する振動も監視することが役立つことも証明する。
【0005】
欧州特許公開第1528382号は、ホイートストンブリッジを形成するように配置されたひずみゲージによって表される、その内側に荷重測定手段を装備された下に横たわる支持ベース(ベースプレート)が関連するベアリングハウジングを備える、ベアリングのための支持装置を開示する。支持ベースは、ひずみゲージを受け入れるのに適した形状をそこに与えるために機械加工動作を前提にするので、製造が比較的複雑である。支持ベースは、一定の厚さを有しなければならず、ひずみゲージは、その中で横方向に作られた特定の台座に取り付けられるべきである。
【0006】
請求項1のプレアンブルが基づかれる米国特許第8869633号は、ピエゾ抵抗センサによって構成される測定手段を一体化する、下に横たわる支持ベースを備えるベアリングハウジングを備える、同様の支持装置を記載する。この場合においても、センサ付き支持ベースは、ピエゾ抵抗センサが収納される台座を画定するために機械加工される必要がある。用いられるセンサは、電源を必要とし、感知できる抵抗の変動をもたらすことができるために適切な厚さを有する必要がある。これらのピエゾ抵抗センサによって推定される情報は、いずれにせよ比較的限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許公開第1528382号
【文献】米国特許第8869633号
【発明の概要】
【0008】
その一般的な用語において、本発明の目的は、基本的に製造が単純で、コンパクトで安価なセンサ付きベースを備える、ベアリングハウジングのための支持装置を提供することであるが、高精度の検出及び操作の信頼性によって区別される。
【0009】
以後、さらに明確に出現する上記及び他の目的は、添付された特許請求の範囲に規定される特性を有するベアリング検出装置によって本発明に従って達成される。請求項は、本発明に関して本明細書に提供される技術的教示の不可欠な部分を構成する。
【0010】
本発明のさらなる目的、特性及び利点は、説明のための及び非限定の例として純粋に提供された添付された図面を参照して、その後の詳細な説明から明確に出現するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一般取り付け構造に機械的に固定された、本発明の可能な実施形態に従うセンサ付き支持装置の概略斜視図である。
【
図3】
図2の線III-IIIに従う概略断面図である。
【
図4】
図1のセンサ付き支持装置の部分断面概略斜視図である。
【
図5-6】本発明の可能な実施形態に従うセンサ付き支持装置の異なる角度からの概略斜視図である。
【
図7】
図5-6のセンサ付き支持装置の分解概略図である。
【
図8】
図5-6のセンサ付き支持装置の一部の部分断面概略斜視図である。
【
図9】本発明の可能な実施形態に従うセンサ付き支持装置の分解概略斜視図である。
【
図10】本発明の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの部分概略斜視図である。
【
図11】本発明の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの第1の圧電トランスデューサの分解概略表示である。
【
図12】本発明の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの第2の圧電トランスデューサの分解概略図である。
【
図13-14】
図11に示されるタイプの圧電トランスデューサのそれぞれ上面平面図及び下からの平面図の概略表示である。
【
図15】本発明の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの一部の概略斜視図である。
【
図16】本発明の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの一部の概略斜視図である。
【
図17】
図16のセンサ付き支持ベースの一部の第1の断面斜視図である。
【
図19】
図16のセンサ付き支持ベースの一部の第2の断面概略図である。
【
図21-22】電気接続の2つの異なる形態における、本発明の第1の可能な実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの圧電トランスデューサの正面図の概略表示である。
【
図23】本発明の可能な第1の実施形態に従う支持装置のセンサ付き支持ベースの圧電トランスデューサの動作原理を例示する目的の概略斜視図である。
【
図24】本発明の第2の可能な実施形態に従うセンサ付き支持ベースに対応する
図16の図と同様な図である。
【
図25-26】
図24に示されるタイプのセンサ付き支持ベースに対応する
図21及び22の概略表示と同様な概略表示である。
【
図27】
図24に示されるタイプのセンサ付き支持ベースの圧電トランスデューサの動作原理を例示する目的の
図26の図と同様な図である。
【
図28-30】本発明の第3の可能な実施形態に従って製造されたセンサ付き支持ベースに対応する、
図25、26及び27の概略表示と同様な概略表示である。
【
図31】一般取り付け構造に機械的に固定された本発明の他の可能な実施形態に従うベアリングのためのセンサ付き支持装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「1つの実施形態」(an embidimnt)、「1つの実施形態」(one embodiment)、「様々な実施形態」などへの言及は、本明細書のフレームワークにおいて、1つの実施形態に関して記載された少なくとも1つの特定の形態、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意図する。この理由で、本明細書の様々な点に存在する「1つの実施形態において」(in an embodiment)、「1つの実施形態において」(in one embodiment)、「様々な実施形態において」などの語句は、1つの同じ実施形態を指す必要はなく、代わりに異なる実施形態を指すこともある。さらに、本明細書のフレームワークで定義される特定の形態、構造、または特性は、示されるものと異なる1またはそれ以上の実施形態に適切な方法で組み合わされる。特に図の例を参照して本明細書に用いられる符号及び空間参照(例えば「上」(upper)、「下」(lower)、「上」(top)「下」(bottom)、「前」、「後」、「垂直」など)は、便宜のために提供されるのみであって、このため保護の範囲及び実施形態の範囲を定義しない。本明細書及び添付された特許請求の範囲において、一般用語「材料」は、複数の異なる材料の混合物、組成物または組み合わせも備えるとして理解されるべきである。本明細書及び添付された特許請求の範囲において、一般用語「力」及び「応力」は、検出を受ける少なくとも一部の機械的負荷及び/または振動によって及び/または最小の動作または変位にかかわらず決定される好ましくは動的タイプのベクトル物理量も含むとして理解されるべきである。図において、同じ符号は、互いに同様または技術的に等価である要素を指定するために用いられる。
【0013】
図1-8において、本発明の可能な実施形態に従うセンサ付きベアリング支持装置は、1で全体として指定される。
図1-4において、装置1は、設置された状態、すなわち、Sで指定される一般取り付け構造に固定される一方で、
図5-8において、装置1は、分離して示される。
【0014】
装置1は、中央ハウジング部2aと2つの側面固定部2bを有する、例えば金属材料またはポリマ材料、またはその組み合わせで作られるベアリングハウジングまたは支持部2を含む。
【0015】
例えば内輪、外輪、及びそれらの間に設置された複数の転がり要素と、可能なケージまたはリテーナを備える、全体として3で指定されるベアリングのための台座2cが中央部分2aに画定される。センサ付き支持装置1と組み合わせて用いられるベアリングの構造は、いずれにせよ任意の既知のタイプのものであり、本発明の目的と関係ない。ベアリング3は、適切な取り付け要素3aによって対応する台座2cに固定される。いずれにせよ、ハウジングまたは支持部2にベアリング3を取り付ける方法は、本発明と関係なく、それは任意の既知のタイプであることができる。
図5-9からまた留意されるように、ハウジング2の側面部2bは、基本的に取り付け構造Sに、特に対応する穴に固定するためのそれぞれの部材のための中央穴Aを有するブラケットまたはアイレットなどの形状にされる。非限定の例において、これらの固定部材、好ましくは、ボルトは六角中空ヘッドを備える2つのねじV及びそれぞれのナットNを備える。
【0016】
センサ付き支持装置1は、さらに、示される非限定の例において、ハウジング2と取り付け構造Sの間に動作可能に設置されるべきセンサ付き支持ベース4を備える。センサ付き支持ベース4は、ハウジング2と取り付け構造Sの間に一部のみが設置される。他の実施形態において、一側面のベース4と他側面のハウジング2または構造Sの間に、他の要素の介在が予測される。
【0017】
センサ付き支持ベース4は、以後記載される、応力センサ手段(すなわち、取り付け構造Sに対してベアリングハウジング2の機械的応力及び/または振動及び/または動作または変位を検出するように設計されたセンサ手段)を備え、この目的のために、好ましくは、例えば図示されない外部制御システムへの接続のためのコネクタ5aである遠位端において優先的に提供される電気信号を運ぶための多極ケーブル5がそこに関連付けられる。
【0018】
ベース4は、好ましくはハウジング2に伝達される応力を検出するために、ハウジング2に対して実質的に固定位置に固定されるべきである。さらに一般的に、ベース4は、その応力センサ手段がベアリングハウジング2と取り付け構造Sの間の振動及び/または相対動作または変位、またはベース4とベアリングハウジング2または取り付け構造Sの間の相対変位を検出できるように、ハウジング2と取り付け構造Sの間に少なくとも一部が設置されることが好ましい。
【0019】
様々な実施形態において、ベース4は、例えば
図7の10
1,10
2及び20で指定されるもの及び対応する電気接続トラックTなど、対応する応力センサ手段が存在する中央領域4aを有する。観察されるように、本発明に従って、ベース4に関連する当該応力センサ手段は、例えば上記センサ手段またはトランスデューサに作用する力または応力の変動など、特に応力及び/または機械的負荷及び/または振動に応答する電位差または電圧及び/または電流を発生するように設計されたタイプの少なくとも1つの圧電トランスデューサを備える。
【0020】
描かれる例において、導電接続トラックTは、それぞれの接続端子Cが電気的に関連付けられる、パッドPに終端し、これらの端子Cは、ケーブル5の近位端において提供されるコネクタ5bと結合するように構成される。
【0021】
様々な実施形態において、ベース4の本体4’は、支持体2の下側に対して位置決めするように構成された2つの対向端部領域を有する。描かれる例において、4bで指定される上記2つの端部領域は、ハウジング2の下面のレリーフの対応する部分が係合するべき、それぞれ貫通孔Bによって示される位置決め要素を有する。
図9の例えば2dで指定されるレリーフのこれらの部分は、ハウジング2の側面部2bにおいて画定され、軸方向に、穴Aの対応する部分に貫通する。例において、通路B及びレリーフ2dの部分は、実質的に相補的な円形プロファイルを有するが、他の幾何形状は、明白に可能である(例えば、四角形または多角形のプロファイルを備える穴A及び通路B)。通路B及び/またはレリーフ2dの部分に加えてまたは代わりに、本体4’及びハウジング2は、いくつか他のタイプの位置決め要素を含む。
【0022】
図9から、さらに、様々な優先的な実施形態において、どのようにハウジング2の下面が、支持ベース4の周辺プロファイルに好ましくは実質的に相補的なプロファイルを有する、下に突き出る周辺端部2eを示すかに留意する。ハウジングの下端2eは、当該応力センサ手段によって少なくとも局所的に画定される、-
図7及び8の例えば4cで指定される-ベース4の少なくとも1つの検出面を備える、ベース4が少なくとも部分的に収納される
図9の6で指定される台座の境界を定める。様々な実施形態において、検出面4cは、例えば応力センサ手段によって画定されるその検出面4cの1または複数の部分において、当該台座6の下面6aと少なくとも局所的に接触する(
図9)。他の実施形態において、いずれにせよハウジング2からベース4または対応するセンサ手段に機械的応力を伝達するように設計された、少なくとも1つのさらなる要素または材料(例えば樹脂の層)が検出面4cと台座6の下面6aの間に設置される。例えば
図3及び4から優先的に及び留意されるように、台座6の深さ(または端部2eの高さ)は、台座6の下面6aが、少なくとも応力センサ手段において、効果的にベース4の検出面4cと接触するように、支持ベース4の厚さ未満である。
【0023】
様々な実施形態において、装置1の組み立て状態において、例えば
図9の4dで指定される表面など、検出面4cに対向するベース4の表面は、取り付け構造Sの対応する(上)面Saにある(直接または例えば接着剤または下蓋などいくつか他の可能な要素が介在して)一方で、ハウジングの台座6の下面6aは、ベース4の検出面4cにある(直接または例えば接着剤または樹脂などいくつか他の要素が介在して)。
【0024】
もう一度
図9において、様々な実施形態において、どのようにベアリングハウジング2がケーブル5を引き留めるためのコネクタ5bまたは要素を少なくとも部分的に受け入れるように設計された台座2fを画定し、台座2fが、ハウジング2の側面と台座6の下面6aの両方で開いているかに留意する。
【0025】
図10は、単に例として、
図7に観察されるものと異なる対応する応力センサ手段10及び20の配置を有するが、同じコンセプトに従って実施されるセンサ付き支持ベース4の中央部分4aを描く。
【0026】
様々な実施形態において、ベース4は、本質的に
図10にそれぞれL、W、Hで指定される方向に延在する長さ、幅、及び厚さを有する、好ましいが必須ではない実質的に平面形状を備える基板を提供する。これらの方向L、W及びHは、以後、ベース4の平面を参照してそれぞれ縦方向、横方向及び軸方向とも呼ばれる。ベース4は、表示的に厚さが0.5から4mmである。
【0027】
ベース4は、電気的に絶縁な材料で作られる(例えばセラミック材料)または例えば金属または金属合金(例えば鋼)など電気的に絶縁材料で少なくとも一部が被覆された、または誘電材料(例えばポリマまたは金属酸化物または酸化物の混合物)の層で被覆された電気導電性材料で作られる、またはセラミック材料またはセラミック酸化物またはセラミック酸化物の混合物(例えばアルミナ、またはアルミナとジルコニアの混合物など)で作られる、
図7-9にのみ4’で指定される本体を備える。しかしながら、目的のために適切な他の材料の使用は、本発明の範囲から排除されない。
【0028】
特にせん断応力、すなわち縦方向L及び/または横方向Wに少なくとも1つの成分を有する応力を検出するように構成された少なくとも1つの第1の圧電トランスデューサは、ベース4の本体4’の主面または表面4cにおいてある。様々な実施形態において、当該トランスデューサは、変位または変形が検出されるべきその要素-すなわちハウジング2)-に機械的に関連付けられるように設計され、そのような変位または変形によって決定されるせん断応力を示す電気信号を発生することができる。好ましくは、様々な実施形態において、ベース4の同じセンサ付きの面において、実質的に第1のトランスデューサと同じタイプであるが、当該第1のトランスデューサの方向と異なる方向のせん断応力を検出するように構成された少なくとも1つの第2の圧電トランスデューサが提供される。そのような場合は、実際に、
図7に例示され、ベース4は、特に縦方向Lの成分を有するせん断応力を検出するように構成された第1の圧電トランスデューサ10
1と、特に横方向Wの成分を有するせん断応力を検出するように構成された第2の圧電トランスデューサ10
2を備える。様々な実施形態において、好ましくは、ベース4の同じセンサ付きの面において、特に法線応力すなわち軸方向Hの少なくとも1つの成分を有する応力を検出するように構成された好ましくは圧電タイプでもある少なくとも1つのさらなるトランスデューサが提供される。そのようなトランスデューサは、
図7及び10の20で指定される。
【0029】
言及されたように、以後さらに明確に出現するように、様々な実施形態において、少なくとも1つのトランスデューサ10の上部上に、すなわちベース4に対向するその部分に、-ベアリング3に加えられるまたはそれによって発生される負荷に続いて-取り付け構造S及びベース4に対して動作を実行するまたは変形を受けることができるハウジング2に関連するまたは機械的に接続される。この理由で、言い換えると、ベアリング3は、1またはそれ以上の圧電トランスデューサによって大きさを測定することが望ましい方向L及び/またはW及び/またはHに少なくとも1つの成分を有する力を支持部2に伝達する。
【0030】
圧電トランスデューサ10の下部がベース4に対して固定位置にあり、圧電トランスデューサ10の上部がハウジング2に関連するまたは固定される(例えば接着される)とすると、方向W及び/または方向Lにハウジング2に加えられる力は、-圧電効果によって-誘導されたせん断応力の大きさに比例する電位差を対応する電極に渡って発生するトランスデューサ10に応力を引き起こす。この方法で、ベアリング3によってハウジング2に与えられる負荷の方向に対応する情報を得ることができる。
【0031】
ハウジング2は、ハウジングに軸力が方向Hに少なくとも1つの成分を有して加えられたとき、圧電トランスデューサ20の上部にも関連する。この理由でこの軸力は、圧電効果によって、誘導された垂直応力の大きさを表す電位差を対応する電極に渡って発生するトランスデューサ20の対応する応力を誘導する。
【0032】
ハウジング2は、必ずしもトランスデューサ20に固定される必要はないが、単純にその上に設置される。他方で、いずれにせよ問題の2つの部品が互いに上部にあるように設置されるまたは互いに接着されるまたは互いにスロットにいれられる、またはいずれにせよ方向L及び/またはWのハウジング2の動作または変形がトランスデューサ10の対応する応力を誘導することを保証するように、互いに関連付けられるならば、ハウジングがトランスデューサ10に固定されることさえ厳密に必要ない。しかしながら、本発明の特に有利な実施形態に従って、樹脂の薄層またはさらに一般的に、問題の部品を一緒に拘束し、例えば軸方向Hまたは側面方向L及び/またはWに、ハウジング2の様々な方向の最小の動作であるが、トランスデューサ10及び/または20に伝達するように設計された材料(例えば接着材料)が、特に少なくともトランスデューサ10及び/または20において、ベース4の検出面4cとハウジングの底面6aの間に横たわる。当該層は
図3に例示され、7で指定され、表示的に厚さが100nmから2mm、好ましくは10から200μmである。
【0033】
トランスデューサ10及び/または20が、例えばスクリーン印刷などで画定されるベース4は、その後樹脂コーティングされ、好ましくはハウジング2に対して固定されるポリマまたは接着剤を備える。樹脂7は、ハウジング自体が受ける応力をトランスデューサに機械的に伝達する。ベアリングハウジング2は、一般的に剛性を有し、可能な限り小さい変形を受けるが、いずれにせよ応力を受けるならば、最小であるが変形を受ける。用いられる圧電トランスデューサの極端な感度は、ナノメータの動きを検出することができ、またこれらの小さい変形を検出できる。
【0034】
様々な実施形態において、トランスデューサまたはそれぞれのトランスデューサは、圧電材料の少なくとも1つの要素または層(以後簡単にするために「圧電層」と呼ばれる)と少なくとも2つの電極を備え、そのそれぞれは、圧電層の主面と関連する。優先的に、電極は、電気導電材料で作られたトラック(以後、簡単にするために「導電トラック」と呼ぶ)によって定義され、これらのトラックは、-対応する電極の反対のその端部において-例えばパッドの形態で終端接続部を定義する可能性がある。例えばトランスデューサ10
1及びトランスデューサ20の圧電層がそれぞれ11及び21で指定される
図10を参照して、文字「T」、「E」及び「P」(対応する符号が続く)は、それぞれ当該導電トラック、対応する電極のいくつか、及び対応する終端部またはパッドを識別する。電極EとトラックTは、必ずしも一体に形成される必要がないことに留意すべきである。例えば、プレートまたは薄層形状を備えるスタンドアロン体として圧電層11または21を形成し、その後対応する圧電層11または21の対向する主面に電極Eを形成し、その後、ベース4のセンサ付き面4a上に対応するパッドPを備えるトラックTを形成し、最後にベース4の面4aに電極Eを運ぶ層11または21を固定し、電極Eと対応するトラックTの間に必要な接続を提供することが可能である。この解決法は、電極を備える部品が例えばPCBまたはハイブリット回路などの電気回路に配置され、次に半田付けされるSMDタイプの電子部品の取り付けと同様である。
【0035】
好ましくは、圧電層11及び/または21、トラックT、及び電極Eは、実質的に平面であり、互いに及び本体4’の対応する面の表面に実質的に平行に横たわる。
【0036】
様々な実施形態において、トランスデューサ10及び/または20、またはその圧電層11及び/または21は、例えばスクリーン印刷またはスピンコーティングによって、ベース4上の及び/または下電極上の少なくとも一部の材料の堆積によって得られる。
【0037】
優先的に、また電極Eまたは導電トラックTは、例えばスクリーン印刷技術、またはスパッタリング技術、または熱蒸発の技術で、または分配によってまたはさらに一般的に、対応する基板上に電気導電材料の堆積のための設計された任意の既知の技術による堆積プロセスを用いて形成される。
【0038】
様々な優先的な実施形態において、全トランスデューサ10及び/または20は、ベース4上に異なる材料の連続層の堆積によって、すなわち、第1に層11及び/または21の下面上の少なくとも一部に設置されるべき電気導電部を堆積し、その後、圧電層11及び/または21を堆積し、最後に層11及び/または21の上面の少なくとも一部にあるべき電気導電トラックを堆積することによって得られる。
【0039】
積み重ねられた層の堆積は、優先的にスクリーン印刷技術を用いて得られ、その場合圧電層11及び/または21は、厚さが20から300μm、好ましくは約100μmであり、代わりに電極E及びトラックTは、厚さが8から25μm、好ましくは約15μmである。代わりに、圧電層(及び電極E及び/またはトラックT)は、薄膜技術(例えばゾル-ゲル、スパッタリングまたはCVD(化学蒸着))を用いて堆積され、その場合、層は厚さが50から2000nm、好ましくは500から800nmである(トラック/電極は、厚さが50から200nm、好ましくは80から120nmであり、スパッタリング、熱蒸発、または有機金属インクによるスクリーン印刷によって堆積される)。
【0040】
層11またそれぞれの層11及び/または21は、圧電セラミック(ピエゾセラミック)ベースのペーストを用いて堆積される一方で、電極Eは、好ましくは貴金属の金属ベースのペーストを用いて得られる(例えば、白金、銀、銀パラジウム、または銀白金のベースのペースト)。
【0041】
圧電層またはそれぞれの圧電層は、上記例示された技術と異なる及び/または必ずしも基板に材料を堆積または成長することによらない技術でも得られる。例えば、圧電層は、粉体の圧縮とその後のそれらの焼結によって得られる圧電セラミックで作られた本体として構成され、その2つの主面において、電極Eは、次に堆積または塗布され、その後代わりにベース4の対応する面に提供される対応するトラックTに接続される。この場合においても、前に記載されたように、プロセスは、PCBまたはハイブリッド回路の圧電セラミック要素のSMDタイプの取り付けと同様である。
【0042】
図11において、トランスデューサ10は、概略的に分解された図で示される。注目されるように、様々な実施形態において、圧電層11は、縦方向Lに延在し、それぞれ少なくとも1つの第1の電極E1と1つの第2の電極E2がある、2つの対向する主面11aと11bを有する。優先的に、本体8’の面8aの少なくとも一部が堆積されるまたはいずれにせよ得られる対応する導電トラックT1及びT2は、それぞれの電極E1及びE2と関連し、それぞれの接続パッドP1及びP2を画定する。
【0043】
この種の実施形態は、圧電層21が円形状を有し、好ましくはまた円形であるそれぞれの電極E22及びE23がその対向する主面21a及び21bに関連する、トランスデューサ20において
図12に示される。
【0044】
また、ベース4の面4cの少なくとも一部に提供される対応する導電トラックT22及びT23は、それぞれの電極E22及びE23と関連し、それぞれの接続パッドP22及びP23を画定する。圧電層21及び対応する電極E22,E23の円形状は、好ましいが、必須ではないことに留意すべきである。
【0045】
述べられたように、例えばスクリーン印刷によってなど、
図10のトランスデューサ10及び20において上記例示されたタイプの積み重ねられた層の堆積を仮定すると、ベース4の面4c上に、始めに対応するパッドP2及びP23を備える電極E1及びE23を画定するトラックT2及びT23が堆積され、次に面8a上、及び電極E2及びE23を画定するトラックT2及びT23の部分上に、圧電層11及び21が堆積され、最後にトラックT1及びT22が堆積され、(パッドP1及びP22を備える)それらの部分は、ベース4の面4cに延在し、電極E1及びE22を画定するそれらの部分は、代わりにそれぞれ圧電層11及び21の上面に延在する。
【0046】
述べられたように、いずれにせよ、電極は、前に焼結またはいくつかの他の方法によって得られる層11及び/または21の対向する主面に形成された区別できる部分として構成され、その後、トラックT1,T2及びT22,T23が代わりに得られるベース4上のトランスデューサ10及び20の組み立ての間に電気的に接続される。
【0047】
どのように電極E1及びE2が得られるかに無関係に、それらは櫛状電極であることが好ましく、すなわち電極は、それぞれ圧電層11の伸長の方向、ここでは縦方向Lにそれぞれ圧電層11の2つの対向する主面11a及び11bに延在する、少なくとも複数の部分、または歯部または指部を有する。
【0048】
本発明の優先的な態様に従って、特に
図11を参照すると、圧電トランスデューサ10は、少なくとも1つの第3の電極E3及び少なくとも1つの第4の電極E4を備え、また好ましくは、櫛状電極であり、いずれにせよそれぞれは、それぞれ圧電層11の2つの対向する主面11a及び11bにおいて縦方向Lに延在する複数の指部を有する。もう一度、本発明の当該優先的な態様に従って、第3の電極E3の指部は、第1の電極E1の指部と、互いにかみ合うまたは互い違いにある形態であり、第4の電極E4の指部は、第2の電極E2の指部F2と互いにかみ合うまたは互い違いにある形態である。
【0049】
電極E3及びE4は、優先的に電極E1及びE2を形成するために用いられる技術と同じ技術を用いて、及び同じ製造ステップで得られる。したがって、もう一度スクリーン印刷技術によって重ねられた層の堆積の前述の例を参照して、電極E4を備えるトラックT4は、ベース4の電極E2を備えるトラックT2が得られるステップと同じ堆積ステップで形成される一方で、電極E3を備えるトラックT3は、一部が圧電層11上で、一部がベース4上の電極E1を備えるトラックT1が得られるステップと同じ堆積ステップで形成される。
【0050】
図13及び14は、層11の上面11aにおける電極E1及びE3の(
図13)、及び層11の下面11bにおける電極E2及びE4の(
図14)可能な形状の概略を例示する。理解されるように、非限定の例において、上記電極E1-E4は、櫛状電極であり、この理由で、それぞれの集電体または分配部から始まる、ここで層11の縦方向Lに互いに実質的に平行に、及び/または好ましくは等距離で(すなわち互いから実質的に一定の距離離れて)好ましくは延在する一連の部分または歯部または指部を備える。
【0051】
例えば
図13及び14を参照すると、対応する電極を識別する数が続く文字「D」及び「F」は、正確にそれぞれ電極Eの当該分配部及び対応する指部を示す。述べられたように、層11の1つの同じ面に配置された電極Eの指部Fは、互いにかみ合う。優先的な形態において、それぞれの櫛状電極Eの指部Fは、実質的に直線であるが、これは好ましいが不可欠な特徴を構成せず、指部が例えば異なる進行も有することができる。
【0052】
例において、層11の1つの同じ面に配置された2つの電極Eの分配部Dは、また実質的に互いに平行であるが、しかしどちらもこの特徴が不可欠であると見なされることはない。
【0053】
トランスデューサ20が配置されたベース4の一部が、
図15に観察でき、述べられたように上電極E22と下電極E23を備え、対応する圧電層21がその間に設置される。優先的に、トランスデューサ20がベース4上の連続層の堆積によって得られたとき、層21は、好ましくは実質的に互いに同じである電極E22及びE23の周辺寸法より大きい周辺寸法(ここで円周)を有することが好ましい。電極E22及びE23と比較して層21のより大きい周辺大きさは、例えばスクリーン印刷など堆積プロセスの間、材料の様々な層の積み重ねを簡単にする。トランスデューサ20は、基本的に圧力センサとして動作する。すなわち、層21が圧縮されたとき、すなわち上電極E22が下電極E23に向かって押されたとき、すなわちベアリングハウジング2がセンサ付き支持ベース4に押されたとき、層21は、電圧(または電位差)を発生する。
【0054】
トランスデューサ10が配置されたベース4の一部が
図16に観察でき、述べられたように、互いにかみ合うまたは互い違いある形態の少なくとも2つの下櫛状電極(ここでは図示されない)と、互いにかみ合うまたは互い違いある形態の少なくとも2つの上櫛状電極E1及びE3を備える圧電層11を備える。例えば1から600mm
2、好ましくは2から100mm
2である、層11の領域は、下電極E2,E4またはそれらの指部F2及びF4の少なくとも広く行き渡る部分を覆うようなものである。
【0055】
図17-20の断面図から、様々な実施形態において、どのように様々な電極Eの指部Fが実質的に対称で、相互に面するまたは対向する位置にあるかに留意すべきである。特に、上電極E1のそれぞれの指部F1は、下電極E2のそれぞれの指部F2と実質的に重なるまたは揃えられる位置にあり、好ましくは下電極E2の指部F2と実質的に同じ形状及び大きさを有する。同様に、上電極E3のそれぞれの指部F3は、下電極E4のそれぞれの指部F4と実質的に重なるまたは揃えられる位置にあり、好ましくは下電極E4の指部F4と実質的に同じ形状及び大きさを有する。
【0056】
例えば
図21を参照すると、このタイプの実施形態において、上電極E1及びE3の隣接する指部F1及びF3は、互いから実質的に第1の距離D
1を置いて延在する一方で、電極E1の2つの連続指部F1の間の、それぞれ電極E3の2つの連続指部F3の間の距離D
2は、実質的に第1の距離D
1の2倍以上であり、好ましくは実質的に距離D
1の2倍である。反対側で、また下電極E2及びE4の隣接する指部F2及びF4は、実質的に互いから当該第1の距離D
1を置いて延在し、電極E2の2つの連続指部F2の間の及びそれぞれ電極E4の2つの連続指部F4の間の距離D
2は、同様に実質的に第1の距離D
1の2倍以上であり、好ましくは、実質的に距離D
1の2倍である。
【0057】
圧電層11は、優先的に例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などセラミック材料で作られ、特にその後の機械的励起のためのものと異なる配向を備える圧電材料の分極を得ることが必要であるとき、前に分極プロセスを受けなければならない。この目的のために、一側面の下電極E2及びE4の少なくとも1つと、他の側面の上電極E1及びE3の少なくとも1つの間で、電場(表示的に1から5kV/mmである)が層11の内側の電気双極子が全て同じ方向に配向するように加えられる(この動作は、一般的にポーリングとして知られる)。知られているように、分極ステップを実行するために、トランスデューサ10-すなわちその層11-は、通常120℃から140℃など所定の温度、通常いずれにせよ選択される圧電材料によって変わるキュリー温度未満に加熱される(ここでその場合は、約350℃のキュリー温度を備える圧電セラミックと考えられる)。この温度に到達した後、電圧は、例えば1から50分、好ましくは10から20分の一定の時間加えられ、またその後この電圧は、加熱が中断したとき、その後の材料の冷却の間維持される。
【0058】
圧電効果(すなわち機械的応力を受けるときの電位差を示す材料の容量または電場を受けたとき変形を受ける容量)は、本質的に結晶格子のゆがみに基づくことが思い出される。例えばPZTなど圧電セラミックの非常に共通なタイプは、キュリー温度より高い温度であるとき、面中心立方格子(FCC)によって区別され、面の頂点において、金属原子(例えば鉛原子)があり、面の中心において、酸素原子があり、格子の中心において酸素より重い原子(例えばチタンまたはジルコニウム)がある。キュリー温度以下において、格子は、チタンとジルコニウムの相対割合に応じて、正方晶または菱面体晶である。通常、両方の相が存在する50%に近い濃度が用いられる。例えば約60%チタンと40%ジルコニウムなど、高いキュリー温度を示すチタン上で不均衡なPZT組成物を用いることが有利である。200℃付近の温度を超えない場合において、いずれにせよ相対濃度が45%から55%、好ましくは52%チタンの相対濃度である、形態指向性領域間の境界の近くに留まることを勧める。例えばニオブなどのドーパントを用いて圧電センサの応答を改善することがさらに有利である(好ましくは1重量%未満の濃度)。
【0059】
重い中心原子は、非対称の安定位置を推定し、電気双極子の形成をもたらす電荷の不均衡を引き起こす。この理由で圧電材料は、通常加熱によって支持される非常に強い電場によって分極され、望まれたようにその双極子を配向し、材料の機械的、熱的または電気的応力の限界に安定である集合分極を引き起こす。分極プロセスの終わりにおいて、材料の格子は、ゆがみ、質量及び電荷の変位の同じ機構で機械的または電気的応力に反応し、その表面の電荷の変動を発生する。材料は、分極しなくても、現象は発生するが、様々なドメインが不規則に配置されるので様々な効果が相殺される。
【0060】
分極は、正電位(+)における分極電極と負電位(-)における電位の間で互い違いにある方向に圧電層11の平面にある。近年、どのように分極ステップが負電位における分極の極に向かって酸素空孔の移動を引き起こすかが証明された(例えば、G. Holzlechnerら、「電場の影響下でのPbZrxTi1- xO3 (PZT)の酸素空孔の再分配」、Solid State Ionics 262:625-629,2014参照)。さらにどのように酸素空孔のより大きい濃度が圧電セラミックの分極の減少を引き起こすかが証明された(例えば、A.B., Joshiら、「PZTの結晶化と圧電性能に及ぼす酸素空孔の影響」、Ferroelectrics、Vol.494,117-122,2016参照)。
【0061】
本明細書で考えられる特定の場合において、この理由で分極の間、正電位において設置された電極の近位に層11の高品質の圧電材料が得られるであろう。「材料の品質」とはこの場合において、理想の場合において、例えばABO3の結晶の形態の利用可能な全てのOサイトを占める酸素空孔の濃度が低いため、または逆に酸素イオンの濃度が高いため結晶格子のより規則正しい構造である理解され、ここで最も一般的な場合では、PZTの結晶であり、Aは、鉛に対応し(A=Pb)、Bはジルコニウムまたはチタンに対応する(B=ZrまたはB=Ti)。この理由で材料の分極は、正電位に接続された電極の近位でさらに強く、(負の)酸素イオンが移動し、負電位に接続された電極の近位に(正の)酸素空孔を残す。
【0062】
本発明のさらに優先的な態様に従って、圧電層11の分極は、その後に圧電トランスデューサ10がせん断応力を検出するために用いられたときに用いられる同じ電極の電気接続の形態と異なる様々な上及び下櫛状電極の電気接続の形態によって得られる。
【0063】
言い換えると、層11は、圧電材料の層の分極の目的とその後の層11自体によって発生される電気信号の測定または検出の目的の両方で少なくとも一部が役立つ電極を備える。
【0064】
正確に、
図21は、トランスデューサ10、またはその圧電層11の分極の可能なステップの概略表示であり、電極E1及びE2は、負電位(-)に一緒に電気的に接続される一方で、電極E3及びE4は、正電位(+)に一緒に接続され、電極E1及びE2と電気的に絶縁される。この理由で、酸素イオンは、指部F3及びF4の間を含む領域の近く、一部は、電極の下に横たわる領域及び一部は、電極のない領域で、正に荷電するF3-F4に最も近い領域の指部F3-F4とF1-F2のペアの間に集中する傾向がある一方で、酸素空孔は、指部F1及びF2の間を含む領域の近く、一部は、電極の下に横たわる領域、一部は、電極のない領域で、負に荷電するF1-F2に最も近い領域の指部F3-F4とF1-F2のペアの間に集中する傾向がある。
【0065】
図21において、層11の中心の小さい矢印VPは、一側面の電極E1とE3、及び他側面の電極E2とE4の間の電位差の適用によって決定される分極ベクトルを例として示す。理解されるように、PAで指定される分極軸は、方向W、すなわち縦方向Lを横切って延在する。それぞれ一対の重ねられた指部F1-F2とF3-F4の間の軸方向に(方向H)延在する圧電材料の領域は、当該一対の指部の間の横方向(方向W)に延在する材料の領域より分極が小さい。これは基本的に薄くなり長くなる傾向がある当該ペアの指部の間に設置された分極領域の変形による。
【0066】
代わりに
図22は、検出目的のためのトランスデューサ10のその後の使用において、どのように電極E1-E4が層11の分極のステップで用いられるものと異なる電気接続の形態で利用されるかを描く。
【0067】
特に上電極E1及びE3は、(ここで純粋に例として、正電位+に)一緒に電気的に接続される一方で、下電極E2及びE4は、(ここで純粋に例として、負電位-に)一緒に電気的に接続され、他の2つの電極E1及びE3から電気的に絶縁される。この方法で、縦方向Lに少なくとも1つの成分を有する圧電層11に誘導されるせん断応力は、値が誘導されるせん断応力に実質的に比例する電位差を一側面の電極E1及びE3と他側面の電極E2及びE4の間に発生する。
【0068】
図23は、分極ベクトルVPの挙動を概略的な方法で正確に強調することが目的であり、その2つのみが拡大スケールで概略的に示される。層11が指部Fの伸長の、この理由で分極軸を実質的に横切るまたは垂直な方向(ここで実質的に縦方向L)に、少なくとも1つの成分を有するせん断応力SSを受けたとき、ベクトルVPの異方性回転が生じ、上電極E1及びE3と下電極E3及びE4の間の電荷の発現を引き起こす。
【0069】
この理由で、異なる方法で配向された複数のトランスデューサ10を支持ベース4に提供することによって、ベアリング3によってハウジング2に誘導された応力の大きさ及びそのような応力の方向を検出することができる。
図7に例示された場合において、このためトランスデューサ10
1は、実質的に縦方向Lに作用する負荷を検出するのに適する一方で、トランスデューサ102は、実質的に横方向Wに作用する負荷を検出するのに適する(及びトランスデューサ20は、軸方向Hに介在する負荷を検出するのに適している)。-上電極E1及びE3の指部F1及びF3と下電極E2及びE4の指部F2及びF4の間の対称配置によって区別され、上電極の指部が、下電極の指部に実質的に面するまたは重ねられる-
図21-23を参照して記載された実施形態は、実際に縦方向Lに発生する(または少なくとも1つの成分を有する)層11の変形の検出ができる。
【0070】
このタイプの動作は、前に言及された酸素空孔の移動の理由で得られた分極の非対称に基づく。しかしながら、これは、指部Fの間の異なる相対位置決め及び/または分極及び使用の間の電極Eの電気接続の異なる形態によって、異なる動作モードが得られるため本発明の不可欠な特徴を構成しない。
【0071】
例えば、
図24-27は、上電極E1,E3と下電極E2,E4の間の、すなわち対応する指部の間の非対称の配置によって区別される実施形態を指す。
図24から、どのようにトランスデューサ10の一般構造が、例えば積み重ねられた層のシルクスクリーン堆積の技術を用いる、製造の手順と同様なように、既に前に記載されたものと実質的に同様であるかに留意する。代わりに電極Eの指部Fの配置は、異なる。特に、2つの異なる電極の隣接する指部の間の距離は、1つの同じ電極の2つの連続指部の間の距離より小さい。
【0072】
特にまた
図25を参照すると、このタイプの様々な実施形態において、上電極E1及びE3の互いに近い隣接する指部F1及びF3は、互いに実質的に第1の距離D
1を置いて(ここで縦方向Lに)延在する一方で、電極E1の2つの連続指部F1の間の距離D
2は、距離D
1の2倍より大きい(例において、D
1の約3倍)。また電極E3の連続指部F3は、実質的に距離D
2置いて離れる。上電極E1及びE3の互いに近づかない隣接する指部F1及びF3は、距離D
2未満離れる距離D
3を置いて延在することに留意すべきである(D
3は、例においてD
1の約2倍である。)
【0073】
反対側では、下電極E2及びE4の互いに近い隣接する指部F2及びF4は、互いから実質的に当該第1の距離D1を置いて(ここで縦方向Lに)延在し、電極E2の連続指部F2、それぞれ電極E4の連続指部F4は、実質的に当該距離D2を置いてある。また下電極E2及びE4の互いに近づかない隣接する指部F2及びF4は、互いから実質的に距離D3を置いて延在する。
【0074】
図25から同様にどのように電極E1のそれぞれの指部F1が電極E2のそれぞれの指部F2と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあるか及び電極E3のそれぞれの指部F3が電極E4のそれぞれの指部F4と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあるかを同様に留意すべきである。
【0075】
この場合においても、圧電層11の分極は、その後圧電トランスデューサ10がせん断応力を検出すべきときに用いられる電気接続の形態と異なる様々な電極の電気接続の形態によって得られる。
【0076】
実際に、
図25は、トランスデューサ10、または圧電層11の分極の可能なステップを概略的に示し、その間、電極E1とE2は、負電位(-)に一緒に電気的に接続され、電極E3とE4は、正電位(+)に一緒に電気的に接続され、他の2つの電極E1及びE2と電気的に絶縁される。この場合においても、層11の中心の矢印VPは、一側面の電極E1及びE2と他側面の電極E3及びE4の間の電位差の適用によって決定される分極ベクトルを例として示す。
【0077】
代わりに
図26は、どのようにせん断応力の検出の目的のためのトランスデューサ10の有効な使用の間、電極E1-E4の電気接続の形態が、層11の分極の間、用いられるものと異なることを描く。特に上電極E1及びE3は、正電位(+)に(ここでは純粋に例として)電気的に接続され、下電極E2及びE4は、負電位(-)に(ここでは純粋に例として)電気的に接続され、他の2つの電極E1及びE3から電気的に絶縁される。
【0078】
この方法において、
図27に例示されるように、縦方向Lを横切る方向(すなわち方向W)に層11に誘導されるせん断応力SSは、当該せん断応力SSに比例する値の電位差を一側面の電極E1及びE3と他側面の電極E2及びE4の間に発生する。電極に電荷を発生する分極ベクトルの変動は、せん断応力によって引き起こされる分極ベクトルの回転として観察される。また読み取りは、例えば電極E1及びE2、対向面の一対の電極のみを接続することによってなされる。
【0079】
この理由で、理解されるように、縦方向Lに全て配向されたそれぞれの指部Fを備える、
図16-22に従う第1のトランスデューサ10と
図24-27に従う第2のトランスデューサ10をベース4に提供することによって、いずれにせよ(第1のトランスデューサによって)実質的に縦方向Lに作用する負荷と(第2のトランスデューサによって)横方向Wに実質的に作用する負荷の両方を検出することができるであろう。
【0080】
図28-30は、上電極E1,E3と下電極E2,E4の間の、すなわち対応する指部Fの間の非対称配置、特に方向Wに上電極E1,E3の少なくとも1つの指部が下電極E2,E4の少なくとも1つの指部に対して交互に配置される配置によって区別される他の実施形態を参照する。
【0081】
トランスデューサ10の一般構造は、例えば積み重ねられた層のシルクスクリーン堆積の技術を用いる製造の手順と同様にように、当該交互に配置される配置から離れて前の図を参照して描かれたものと実質的に同様である。
図28-30から実際に電極Eの指部Fの異なる配置が理解される。この場合においても2つの異なる電極の隣接指部の間の距離は、1つの同じ電極の2つの連続指部の間の距離より小さいが、上電極の指部Fは、下電極の指部Fに対して少なくとも部分的に交互に配置された位置である。
【0082】
特に
図28を参照すると、このタイプの様々な実施形態において、上電極E1及びE3の互いに近い隣接する指部F1及びF3は、互いに実質的に第1の距離D
1を置いて(ここで縦方向Lに)延在する一方で、電極E1の2つの連続指部F1の間の距離D
2は、距離D
1の2倍より大きい(例において、約D
1の3倍)。また電極E3の連続指部F3は、実質的に距離D
2離れている。上電極E1及びE3の互いに近くない隣接する指部F1及びF3は、距離D
2未満である距離D
3(例においてD
3はD
1の約2倍である)離れて延在することに留意すべきである。反対側で、下電極E2及びE4の互いに近い隣接する指部F2及びF4は、互いから実質的に第1の距離D
1を置いて(ここで縦方向Lに)延在し、電極E2の連続指部F2、それぞれ電極E4の連続指部F4は、実質的に距離D
2離れている。また下電極E2及びE4の互いに近くない隣接する指部F2及びF4は、実質的に距離D
3離れて延在する。
【0083】
図21-22及び25-27の配置から
図28-30の配置を区別するものは、上電極E3のそれぞれの指部F3が下電極E4のそれぞれの指部F4に対して交互に配置された配置であり、上電極E1のそれぞれの指部F1が、下電極E2のそれぞれの指部F2に対して交互に配置された位置にあり、好ましくは、上電極E1のそれぞれの指部F1が下電極E4のそれぞれの指部F4と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあることである。さらに一般的に、2つの上電極E1及びE3の1つのそれぞれの指部Fは、2つの下電極E2及びE4の1つのそれぞれの指部Fと実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にある一方で、2つの上電極E1及びE3の他の1つのそれぞれの指部Fは、2つの下電極E2及びE4の他の1つのそれぞれの指部Fに対して実質的に交互に配置された位置にある。述べられたように、描かれた例において、上電極E1の指部F1は、下電極E4の指部F4と重ねられるまたは揃えられる位置にある一方で、上電極E3の指部F3は、下電極E2の指部F2に対して交互に配置された位置にある。
【0084】
この場合においても、圧電層11の分極は、圧電トランスデューサ10がせん断応力を検出するために用いられるとき用いられる形態と異なる様々な電極の電気接続の形態によって得られる。
【0085】
実際に、
図28は、トランスデューサ10、または圧電層11の分極のステップを概略的に示し、その間、4つの電極E1,E2,E3,及びE4は、互いに電気的に絶縁であり、電位差は、2つの上電極の1つ-ここで正電位(+)に設定された電極E3-と2つの下電極の1つ-ここで負電位(-)に設定された電極E2-の間に適用され、電位差が与えられる2つの電極は、好ましくは指部Fが互いに対して交互にされた配置の位置にある(ここで電極E3及びE2の指部F3及びF2)電極である。再び、層11の中心において矢印VPは、電極E3及びE2の間の電位差の適用によって決定される分極ベクトルを例として示す。せん断応力に対応する信号は、また電極E1及びE4の間の分極ステップを実行し、その後電極E3及びE2の間の変形を測定することによって得られるが、代わりに一般的に分断することが望ましい、通常の圧縮からの信号に、より大きな影響がある。
【0086】
分極ベクトルVPは、正電位(+)に設定される電極E3の指部F3と負電位(-)に設定される下電極E2のそれぞれの指部F2の間の異なる距離の前で異なる値を有する。層11は、異なる分極を備える領域を有する。
【0087】
図29は、代わりにどのようにトランスデューサ10の有効な使用の間、電極E1-E4が層11の分極の間、用いられる形態と異なる形態で電気的に接続されるかを描く。特に、4つの電極E1,E2,E3,及びE4は、常に互いに電気的に絶縁にされ、電極E1とE4の間でせん断応力に続いて層11に誘導された電位差が検出される(描かれた非限定の例において、電極E1は、負電位-を検出し、電極E4は、正電位+を検出する)。この理由で、せん断応力の検出の目的のために用いられる電極Eは、指部が互いに実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にある電極であると理解される。
【0088】
この方法で、
図30に例示されるように、縦方向Lを横切る方向に層11に誘導されるせん断応力SSは、当該せん断応力SSに比例する値を有する電位差を電極E1とE4の間に発生する。電極に電荷を発生する分極ベクトルの変動は、せん断応力によって引き起こされる分極ベクトルの回転として観察される。
【0089】
前に記載された実施形態の様々な例において、2つの上櫛状電極E1及びE3と2つの下櫛状電極E2及びE4は圧電層11と関連する。しかしながら、他の実施形態において、櫛状電極の数は、より多い及び/または上電極及び/または指部の数は、下電極及び指部の数と異なる。
【0090】
もちろん、またトランスデューサ20の圧電層21は、前に分極を受けなければならない。圧電層21の場合において、対応する分極軸PAは、
図15に示されるように、層21によって識別される平面を横切る方向(H)に延在する。この場合において、測定の間用いられる電極は、分極の間用いられる電極と一致する。
【0091】
前に言及されたように、-例えば
図7を参照して-外部システムに電気接続するためのケーブル5が、好ましくはセンサ付き支持ベース4に関連付けられる。ケーブル5のコネクタ5bは、ハウジング2とベース4の少なくとも1つと機械的に関連し、端子Cと結合するように構成されたそれぞれのコネクタ体を有し(
図7及び8参照)、それぞれは、プレート4に提供されたそれぞれのパッドPと電気接触する1つの端部を有する。
図7は、端子Cの場合を例示するが、明白にこの数は、場合によってはいくつかの共通の接続を備える、(2または4または6電極Eなどを備えるかどうか)提供される圧電トランスデューサの数及びタイプに依存する。有利にコネクタ5a及び5bを備えるケーブル5は、分極ステップを実行する目的のために用いられる製造設備に接続するために、すなわち、前に記載されたものに沿った電気接続の第1の形態で、利用される。その後、装置1の設置の際に、同じケーブル5は、トランスデューサ10及び/または20を、対応する検出を用いる外部システムに電気接続するために利用され、電気接続の第2の形態は、前に記載されたものに沿う。
【0092】
様々な実施形態において、センサ付き支持ベースは、前に例示されたものに対して逆さまに設置された形態で、または直接または少なくとも1つのさらなる要素の介在によって、取り付け構造Sにあるその検出面を備えて設置される。この場合も、ベース4は、好ましくはハウジング2と取り付け構造Sの間に少なくとも一部が設置される。
【0093】
このタイプの様々な実施形態において、例えば台座6の下面6aなど、ハウジングの下面は、(直接またいくつか他の可能な要素の介在を備えて)検出面4cに対向するベース4の表面4dにある装置1の組み立て状態にある。他側面で、ベースの検出面4cは、(直接またいくつか他の可能な要素の介在を備えて)構造Sの表面Saにある
【0094】
このタイプの実施形態は、
図31及び32に例示され、ベース4は、当該台座6の下面6aと接触する表面4dを備えて、台座6内に設置される。この場合も、いずれにせよ2つの表面4dと6aの間に、例えば樹脂の層など、さらなる要素が設置される。ベース4は、ハウジング2に対して実質的に固定された位置にあることが好ましい。
【0095】
代わりに、ベースの検出面4cまたは少なくとも1つのセンサ手段10及び/または20は、ここでハウジング2の下蓋7’によって構成される中間要素にあり、ハウジング2の下蓋7’は、次に台座が提供されたとき、この下の台座6を閉じる蓋を備える、構造Sの表面Saにある。そのような下蓋は、また前に記載された実施形態にも存在する。
【0096】
下蓋7’は、構造Sに対して固定された位置に取り付けられる及び/または例えばハウジング2と蓋7’の間の適合要素7’’(例えばペリメトラルガスケット)を提供することによってベアリングハウジング2に対して相対変位を実行できる。他方で、蓋7’は、また例えば端部に沿って、ハウジングに溶接される、ハウジング2に対して固定されることができるが、いずれにせよセンサ手段の領域にわずかに柔軟である。いずれにせよ蓋7’の代わりに、接着剤または樹脂の層が提供される。しかしながら、この場合においても、配置は、ベース4の応力センサ手段がベアリングハウジング2と取り付け構造Sまたは蓋7’の間の振動及び/または相対動作または変位、またはベース4とベアリングハウジング2または蓋7’または取り付け構造Sの間の相対変位を検出することができるようである。
【0097】
図31-32のセンサ付き支持装置1の動作は、既に前に記載されたものと概念的に同様であることが理解されるであろう。
【0098】
前の記載から、どのように本発明に従うセンサ付き支持装置の製造及び動作が単純で信頼できるか理解される。
【0099】
観察されたように、優先的に複数の圧電トランスデューサは、センサ付き支持ベースに提供される。電気が供給されなければならない及び一般変形のみの検出ができるピエゾ抵抗センサと異なり、本発明に従って提供された圧電トランスデューサは、電源を必要とせず、応力方向の検出もできる。本発明に従って提供される圧電トランスデューサは、抵抗の十分な変動及び従って電圧の十分な変動を誘導するために比較的高い変形を必要とするピエゾ抵抗センサ(この理由で、ピエゾ抵抗センサは、通常複雑な機械的増幅手段を必要とする)と異なり、変形の存在が最小であるにもかかわらず、比較的高い電位差または電圧を有する信号を得ることができる。
【0100】
トランスデューサは、検出要求に従って適切に分配され、せん断応力を検出するように設計され、特に取り付け構造Sの静止面に平行な2つの方向(方向L及びW)の応力を検出するために互いに対して直角に配置された例えば2つのトランスデューサと、場合によっては、静止面に直角な方向(方向H)の応力を検出するための圧電トランスデューサを備える。原理において、20で指定されるタイプの1つの垂直応力トランスデューサと10で指定されるタイプの2つのせん断応力トランスデューサ(例えば
図7のように互いに同じであるが、互いに対して90°で配向される2つのトランスデューサ10
1及び10
2)によって、ベアリングが受ける応力の3次元マッピングを再構成することができる。提案された圧電トランスデューサは、ナノメートルオーダの非常に限られた変形の検出ができる。この理由で、ベアリングハウジングは、大幅に動く必要がない。
【0101】
実際に、好ましい解決方法の実質的な利点は、提案された検出システムが特に転がりベアリングなど、ベアリングの応力の検出ができ、応力の方向性も区別する事実によって示される。この関連で、転がりベアリングの従来の診断は、またベアリングのハウジングの一般的な振動を検出することによってなされるが、その空間的方向性を識別することができないことに留意すべきである。振動の全体のレベルが特に非周期的な故障を検出するために、ベアリングの劣化を評価するために用いられても、初期段階において、故障または不適切な使用を識別するのに十分でなかった。内輪で、外輪で、転がり本体で、またはベアリングのケージで生じる周期的故障は、特定周期で振動の成分を作り出す。これらの周期は、ベアリングの形状及び回転の速度の関数であり、周波数領域の振動の分析によって識別される。本発明に従う提案された優先的な解決法は、例えば不適切な方法で加えられた負荷を識別する空間的方向性をこのタイプの分析に加えることができる。
【0102】
リアルタイムで作られた複数の次元のスペクトル分析は、本発明に従うセンサ付きベアリング支持装置によって、例えば自動車で(安定制御システム、ブレーキシステムなど)または他の状況で(電気モータドライブ、産業機器、電気家電など)、ベアリングに関する機械システムの運動の利用可能な情報を有するために、特に役立つことを証明する。
【0103】
優先的な実施形態に従う、説明された検出装置の別の利点は、少なくとも1つのせん断応力トランスデューサが、電気接続の第1の形態の材料の分極の目的のための製造の間、及びその後の電気接続の第2の形態の検出の目的のための最終の使用の間の両方で利用される、電極の所定の構造を備えて、最初からまさに事前に取り決められる。この方法で第1の製造ステップで分極電極を提供し、その後の製造ステップで検出電極を提供しなければならない問題はもはやなく、すなわち、電極の複雑な組み立て動作と置換に頼る必要はなく、代わりに従来技術の典型例である。(例えばMarcelo Areias Trindadeら、「厚させん断圧電マクロ繊維複合材料の有効材料特性の評価」、COBEM 2011、第21回国際機械工学会議の議事録、2011年10月24~28日、ブラジル、ナタール、RN)。この理由で、本発明は、装置の及び/または製造プロセスの簡略化を提供する。
【0104】
好ましくはスクリーン印刷技術によって、材料の層の連続堆積に基づいて、少なくとも1つのせん断応力トランスデューサの製造の好ましいプロセスにより、対応するセンサ手段の微細化によって、非常にコンパクトなセンサ付き支持ベースを非常に簡単な方法で、低コストで得ることができる。
【0105】
多数の変更が、続く特許請求の範囲によって定義される発明の範囲から逸脱せずに、例として記載された装置に当業者によってなされることが明確である。同様に、前に説明された実施形態を参照して開示された個々の特性は、他の実施形態において互いに組み合わされることが明確である。
【0106】
言及されたように、指部Fの実質的な直線形状は、好ましいにもかかわらず、不可欠な特徴を構成しない。指部は、実際に、曲がった及び/または例えばS字形状またはジグザク形状電極などの縦方向Lに対して角度を付けられた伸長部によって区別される展開を有する。
【0107】
例えば距離D
1及び/またはD
2及び/またはD
3など、前に提供された例で言及された距離は、優先的であるが非限定的であると理解されるべきであり、すなわち、電極の指部の間の距離及び/または上記要素の対応する配置または交互の配置は、例の例として示されているものと異なってもよい。提供される非限定の例において、分極及びせん断応力検出は、1つの同じ方向(ここで縦方向L)に延在する指部Fを参照して説明された。しかしながら、電極Eの他の部分も、特に指部の伸長部の方向の少なくとも1つの成分を有するせん断応力の場合に(
図23の場合のように)、例えば指部Fに接合する電極の部分Dなど、検出に貢献してもよい。さらに一般的に、様々な実施形態において、電極Eは、第1の方向(ここで長さ方向L)に延在する第1の部分Fと当該第1の部分Fを横切る方向(ここで幅方向W)に延在する第2の部分Dの両方を予測し、電極Eの当該部分D及びFは、分極及び/または測定に参加できる。
【0108】
電極は、圧電材料11の層の縦方向(L)及び幅方向(W)の少なくとも1つの代わりに、上記2つの方向に対して角度を付けられたまたは斜めの方向に延在するような形状にされることができる。
【0109】
本発明に従うセンサ付き支持装置の様々な好ましい実施形態において、提供される少なくとも1つの圧電センサによって発生された信号は、外部システム(例えば制御ユニット)によって検出されるように、対応する電気コネクタに直接供給され、そのため装置に電気を供給する必要がなくなる。しかしながら、他の可能な実施形態において、それを備えるセンサ付き支持ベースまたは支持装置は、例えば信号の増幅及び/または処理及び/または伝達のために、回路配置(例えば支持ベース自体に)を含む。この場合において、当該回路配置は、優先的に増幅及び/または処理及び/または伝達部品のための対応する電源段を備え、いずれにせよセンサ付きベースに提供される少なくとも1つの圧電センサは、いかなる場合でも電源を要求しないことが理解されたままである。
【0110】
以下に記載される特徴は、前に記載された少なくとも4つの電極を備える圧電トランスデューサの好ましい実施形態と見なす。
【0111】
1.第1及び第3の電極(E1,E3)の部分または指部(F1,F3)が互いから実質的に第1の距離(D1)を置いて少なくとも縦方向(L)に延在し、それぞれ第1の電極(E1)の部分または指部(F1)、第3の電極(E3)の部分または指部(F3)は、実質的に第1の距離(D1)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D1)の2倍離れた距離(D2)を置き、
第2及び第4の電極(E2,E4)の部分または指部(F2,F4)は、互いから実質的に第1の距離(D1)を置いて少なくとも縦方向(L)に延在し、それぞれ、第2の電極(E2)の部分または指部(F2)、第4の電極(E4)の部分または指部(F4)は、実質的に第1の距離(D1)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D1)の2倍離れた距離(D2)を置き、及び好ましくは、
第1の電極(E1)のそれぞれの部分または指部(F1)は、第3の電極(E2)のそれぞれ当該部分または指部(F2)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第3の電極(E3)のそれぞれの部分または指部(F3)は、第4の電極(E4)のそれぞれの当該部分または指部(F4)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にある、圧電トランスデューサ。
【0112】
2.第1及び第3の電極(E1,E3)またはそれぞれの部分または指部(F1,F3)が電気的に一緒に接続され(+)、第2及び第4の電極(E2,E4)またはそれぞれの部分または指部(F2,F4)が電気的に一緒に接続され(-)、第1及び第3の電極(E1,E3)から電気的に絶縁され、少なくとも縦方向(L)に延在に圧電材料の層(11)に誘導されたせん断応力(SS)が一側面の第1及び第3の電極(E1,E3)と、他の側面の第2及び第4の電極(E2,E4)の間に当該せん断応力(SS)に比例する値を有する電位差を発生する、1に記載の圧電トランスデューサ。
【0113】
3.第1及び第3の電極(E1,E3)の部分または指部(F1,F3)が互いから実質的に第1の距離(D1,D3)を置いて縦方向(L)に延在し、第1の電極(E1)の部分または指部(F1)は、第1の距離(D1,D3)の2倍より大きい第2の距離(D2)を置き、第3の電極(E3)の部分または指部(F3)は、実質的に第2の距離(D2)を置き、
第2及び第4の電極(F2,F4)の部分または指部(F2,F4)は、互いから実質的に第1の距離(D1,D3)を置いて縦方向(L)に延在し、それぞれ第2の電極(E2)の部分または指部(F2)、第4の電極(E4)の部分または指部(F4)は、実質的に第2の距離(D2)を置く、圧電トランスデューサ。
【0114】
4.-第1の電極(E1)のそれぞれの当該部分または指部(F1)が、第2の電極(E2)のそれぞれ当該部分または指部(F2)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第3の電極(E3)のそれぞれの当該部分または指部(F3)は、第4の電極(E4)のそれぞれ当該部分または指部(F4)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にある、または
-第1及び第3の電極(E1,E3)の1つのそれぞれ当該部分または指部(F1)は、第2及び第4の電極(E2,E4)の1つのそれぞれ当該部分または指部(F2)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第1及び第3の電極(E1,E3)の他の1つのそれぞれ当該部分または指部(F3)は、第2及び第4の電極(E2,E4)の他の1つのそれぞれ当該部分または指部(F4)に対して実質的に交互に配置された位置にある、3に記載の圧電トランスデューサ。
【0115】
5.-第1の電極(E1)のそれぞれ当該部分または指部(F1)は、第2の電極(E2)のそれぞれ当該部分または指部(F2)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第3の電極(E3)のそれぞれ当該部分または指部(F3)は、第4の電極(E4)のそれぞれ当該部分または指部(F4)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第1及び第3の電極(E1,E3)またはそれぞれ当該部分または指部(F1,F3)は、電気的に一緒に接続され(+)、第2及び第4の電極(E2,E4)またはそれぞれ当該部分または指部(F2,F4)は、電気的に一緒に接続され(-)、第1及び第3の電極(E1,E3)と電気的に絶縁され、縦方向(L)を横切る方向(W)に圧電材料の層(11)に誘導されたせん断応力(SS)は、一側面の第1及び第3の電極(E1,E3)と、他の側面の第2及び第4の電極(E2,E4)の間に、当該せん断応力(SS)に比例する値を有する電位差を発生する、または
-第1及び第3の電極(E1,E3)の1つのそれぞれ当該部分または指部(F1)は、第2及び第4の電極(E2,E4)の1つのそれぞれ当該部分または指部(F2)と実質的に重ねられるまたは揃えられる位置にあり、第1及び第3の電極(E1,E3)の他の1つのそれぞれ当該部分または指部(F3)は、第2及び第4の電極(E2,E4)の他の1つのそれぞれ当該部分または指部(F4)に対して実質的に交互に配置された位置にあり、第1及び第3の電極(E1,E3)またはそれぞれ当該部分または指部(F1,F3)は、互いに電気的に絶縁であり、第3及び第4の電極(E3,E4)またはそれぞれ当該部分または指部(F3,F4)は、互いに及び第1及び第3の電極(E1,E3)に対して電気的に絶縁であり、縦方向(L)を横切る方向(W)に圧電材料の層(11)に誘導されたせん断応力(SS)は、一側面の第1及び第3の電極(E1,E3)の1つと、他側面の第2及び第4の電極(E2,E4)の1つの間に当該せん断応力(SS)に比例する値を有する電位差を発生し、第1及び第3の電極(E1,E3)の1つ及び第2及び第4の電極(E2,E4)の1つは、好ましくは当該部分または指部が実質的に互いに重なり合っているまたは互いに揃えられる位置にある電極である、4に記載の圧電トランスデューサ。
【0116】
6.i)圧電材料の層(11)の第1の主面(11a)の少なくとも一部に第1の電極(E1)及び少なくとも1つの第3の電極(E3,E5)、またはそれぞれ当該部分または指部を備え、圧電材料の第1の層(11)の第2の主面(11b)の少なくとも一部に第2の電極(E2)及び少なくとも1つの第4の電極(E4,E6)またはそれぞれ当該部分または指部を備える圧電トランスデューサ(10)を形成するステップと、
ii)一側面の第1の電極(E1)と少なくとも1つの第3の電極(E3,E5)の少なくとも1つ、またはそれぞれの当該部分または指部、他の側面の第2の電極(E2)と少なくとも1つの第4の電極(E4,E6)の少なくとも1つ、またはそれぞれ当該部分または指部の間に電位差を加えることによって圧電材料の層(11)の分極を得るステップと、を備え、
ステップii)は、圧電トランスデューサ(10)がその後せん断の力を検出するために用いられる電極またはそれぞれ当該部分または指部の電気接続の第2の形態と異なる、電極またはそれぞれ当該部分または指部の電気接続の第1の形態で実行される、圧電トランスデューサを製造する方法。