(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】計測装置と分散型エネルギ資源デバイスを電気的に接続するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 22/06 20060101AFI20240322BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240322BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240322BHJP
G01R 11/04 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G01R22/06 130H
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/38 110
H02J13/00 301A
G01R11/04 B
(21)【出願番号】P 2021570469
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 US2020035312
(87)【国際公開番号】W WO2020243565
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】カールガード,マット
(72)【発明者】
【氏名】ラドゴウスキー,ジョン
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0218010(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0141575(US,A1)
【文献】米国特許第6376937(US,B1)
【文献】特開2018-046622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 22/06
H02J 3/38
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気メータカラーであって、
分散型エネルギ資源(DER)メータと配電システムのソケット内のライン電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第1の接続経路と、
前記DERメータと前記配電システム、DERデバイス及び負荷の中性線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第2の接続経路と、
前記DERメータと前記DERデバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第3の接続経路と、
第1の複数の嵌合コネクタであって、前記第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端に電気的に接続され、前記DERメータの第2の複数の嵌合コネクタを受けるように構成された、第1の複数の嵌合コネクタと、
第3の複数の嵌合コネクタであって、前記第3の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、前記対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、前記ライン電圧配線、前記中性線、及び前記出力電圧配線と接続するように構成された、第3の複数の嵌合コネクタと、
を備える、電気メータカラー。
【請求項2】
前記DERメータと前記負荷との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第4の接続経路をさらに備える、請求項1に記載の電気メータカラー。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の接続経路は、複数の第1の接続経路を含み、前記複数の第1の接続経路のそれぞれの接続経路は、異なる電気的位相を有する電圧を備える前記配電システムのライン電圧配線に対応する、請求項1に記載の電気メータカラー。
【請求項4】
前記配電システム及び前記DERデバイスの電力生成又は消費要求に基づいて前記DERデバイスを前記配電システムと接続及び切断するように構成された制御可能な電気切断スイッチをさらに備える、請求項1に記載の電気メータカラー。
【請求項5】
前記制御可能な電気切断スイッチは、前記DERメータから受けた指示に基づいて前記DERデバイスを前記配電システムと接続及び切断するように構成される、請求項4に記載の電気メータカラー。
【請求項6】
前記DERデバイスの前記出力電圧配線と前記電気メータカラーの対応する嵌合コネクタとの間に接続された回路遮断器をさらに備え、前記回路遮断器は、電気的障害の発生時に前記DERデバイスを前記配電システムから切断するように構成される、請求項1に記載の電気メータカラー。
【請求項7】
電気メータと、
前記電気メータと嵌合するように構成された電気メータカラーと、
を備え、
前記電気メータカラーは、
前記電気メータと配電システムのソケット内のライン電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第1の接続経路と、
前記電気メータと前記配電システムの前記ソケット内の中性線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第2の接続経路と、
前記電気メータと分散型エネルギ資源(DER)デバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第3の接続経路と、
第1の複数の嵌合コネクタであって、前記第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端と電気的に接続され、前記電気メータのさらなる嵌合コネクタを受けるように構成された、第1の複数の嵌合コネクタと、
第2の複数の嵌合コネクタであって、前記第2の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、前記対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、前記ライン電圧配線、前記中性線、又は前記出力電圧配線と接続するように構成された、第2の複数の嵌合コネクタと、
を備える、
システム。
【請求項8】
前記電気メータは、複数の電圧測定装置と複数の電流測定装置とを備え、前記複数の電圧測定装置及び前記複数の電流測定装置は、負荷に提供される電圧波形及び電流波形の電気的特性を測定するように構成され、前記中性線は、前記電圧波形の測定の基準点を提供する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の電圧測定装置は、複数の電圧変換器を含み、
前記複数の電圧変換器のそれぞれは、前記配電システムから提供される複数のライン電圧の1つ又は前記DERデバイスによって提供される出力電圧の電圧特性を個別に測定するように構成され、
前記配電システムから提供される前記複数のライン電圧のそれぞれは、異なる電気的位相を有し、
電圧特性の測定は、前記配電システムのライン電圧配線と前記中性線との間で実行される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の電流測定装置は、複数の電流変換器を含み、
前記複数の電流変換器は、負荷に接続された各ライン電圧配線で前記負荷によって消費される電流、並びに前記配電システムの前記ライン電圧配線及び前記DERデバイスの出力電圧配線によって提供される電流を個別に測定するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
分散型エネルギ資源デバイスに接続し計測するためのシステムであって、前記システムは、
電気メータと、
配電システムに電気的に結合された電気メータソケットと、
前記電気メータを前記電気メータソケットと電気的に結合するように構成された電気メータカラーと、
を備え、
前記電気メータカラーは、
前記電気メータと前記電気メータソケット内のライン電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第1の接続経路と、
前記電気メータと前記配電システム、分散型エネルギ資源(DER)デバイス及び負荷の中性線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第2の接続経路と、
前記電気メータと前記DERデバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第3の接続経路と、
前記電気メータと前記負荷との間の電気接続を形成するように構成された、前記電気メータカラー内の少なくとも1つの第4の接続経路と、
第1の複数の嵌合コネクタであって、前記第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端に電気的に接続され、前記電気メータのさらなる嵌合コネクタを受けるように構成された、第1の複数の嵌合コネクタと、
第2の複数の嵌合コネクタであって、前記第2の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、前記対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、前記ライン電圧配線、前記中性線、前記出力電圧配線、又は前記負荷と接続するように構成された、第2の複数の嵌合コネクタと、
を備える、
システム。
【請求項12】
前記第2の複数の嵌合コネクタのDERデバイス嵌合コネクタは、前記電気メータカラーが前記電気メータ及び前記電気メータソケットと結合されている間に前記電気メータカラーの露出している側面に配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の接続経路は、第1の複数の接続経路を含み、前記第1の複数の接続経路のそれぞれは、異なる電気的位相を有する電圧を備える前記配電システムのさらなるライン電圧配線に対応する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記電気メータカラーは、前記配電システム及び前記DERデバイスの電力生成又は消費要求に基づいて前記DERデバイスを前記配電システムと接続及び切断するように構成された制御可能な電気切断スイッチをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御可能な電気切断スイッチは、前記電気メータから受けた指示に基づいて前記DERデバイスを前記配電システムと接続及び切断するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電気メータカラーは、前記DERデバイスの前記出力電圧配線と前記電気メータとの間に接続された回路遮断器をさらに備え、前記回路遮断器は、電気的障害の発生時に前記DERデバイスを前記配電システムから切断するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記電気メータは、
前記第1の複数の嵌合コネクタへの電気接続を形成するように構成された複数のコネクタであって、前記第1の複数の嵌合コネクタへの少なくとも1つの電気接続は、前記中性線と形成される、複数のコネクタと、
前記配電システム及び前記DERデバイスから前記電気メータに提供される電圧波形及び電流波形の電気的特性を測定するように構成された複数の測定装置であって、前記中性線は、前記電圧波形の測定の電気的基準点を提供する、複数の測定装置と、
を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の測定装置は、前記負荷に提供される電圧波形及び電流波形の電気的特定を測定するように構成された測定装置を含み、前記中性線は、前記電圧波形の測定の基準点を提供する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の測定装置は、複数の電圧変換器を含み、
前記複数の電圧変換器のそれぞれは、前記配電システムから提供される複数のライン電圧の1つ又は前記DERデバイスによって提供される出力電圧の電圧特性を個別に測定するように構成され、
前記配電システムから提供される複数のライン電圧のそれぞれは、異なる電気的位相を有し、
電圧特性の測定は、前記配電システムの前記ライン電圧配線と前記中性線との間で実行される、
請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の測定装置は、複数の電流変換器を含み、前記複数の電流変換器は、(i)前記負荷に接続される前記ライン電圧配線のそれぞれで前記負荷よって消費される電流、並びに(ii)前記配電システムの前記ライン電圧配線及び前記DERデバイスの前記出力電圧配線によって提供される電流を、個別に測定するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、計測装置を分散型エネルギ資源デバイスと電気的に接続するためのシステムに関する。より具体的には、本開示は、分散型エネルギ資源(DER)メータとDERデバイスとメータソケットとの間に電気的に結合されたDERカラーを用いた、DERメータと、DERデバイスと、メータソケットと、の間の電気接続の確立に関する。
【背景技術】
【0002】
分散型エネルギ資源(DER)デバイス、例えば、太陽電池パネル、風力タービン、電気自動車のバッテリなどは、通常、顧客の敷地内の電気パネルの回路遮断器(ブレーカ)への接続を介してグリッドに配線される。DERデバイスの計測が必要な場合、この目的のために分離されたメータが顧客の壁に取り付けられる。1つまたは複数の切断スイッチが同様に顧客の壁に取り付けられている。
【0003】
DERデバイスからの電力及びグリッドからの電力を計測するように設計されたDERメータは、グリッドとDERデバイスの両方から電気的な入力を受けるために、顧客の施設に非規格のメータソケットを必要とし得る。DERメータの非規格のソケットは、顧客の敷地内での侵襲的な設置処理を必要とする場合があり、例えば顧客の住居などの壁の側面に取り付けられた複雑で美的でない解決策を含み得る。
【発明の概要】
【0004】
分散型エネルギ資源デバイスを分散型エネルギ資源メータと接続するためのシステムが提供される。
【0005】
本開示の様々な態様によれば、電気メータカラーが提供される。電気メータカラーは、分散型エネルギ資源(DER)メータと配電システムのソケット内のライン電圧配線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第1の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、DERメータと配電システム、DERデバイス及び負荷の中性線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第2の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、DERメータとDERデバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するように構成された電気メータカラー内の少なくとも1つの第3の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、第1の複数の嵌合コネクタを含み、第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端に電気的に接続され、DERメータの第2の複数の嵌合コネクタを受けるように構成される。メータカラーはまた、第3の複数の嵌合コネクタを含み、第3の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、ライン電圧配線、中性線、及び出力電圧配線と接続するように構成される。
【0006】
別の例では、システムは、電気メータと、電気メータと嵌合する電気メータカラーとを含む。電気メータカラーは、電気メータと配電システムのソケット内のライン電圧配線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第1の接続経路を含む。電気メータカラーはまた、電気メータと配電システムのソケット内の中性線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第2の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、電気メータと分散型エネルギ資源(DER)デバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第3の接続経路を含む。電気メータカラーはまた、第1の複数の嵌合コネクタを含み、第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端に電気的に接続され、電気メータのさらなる嵌合コネクタを受けるように構成される。さらに、電気メータカラーは、第2の複数の嵌合コネクタを含み、第2の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、ライン電圧配線、中性線、又は出力電圧配線と接続するように構成される。
【0007】
別の例では、分散型エネルギ資源デバイスを接続し計測するためのシステムは、電気メータと、配電システムに電気的に結合された電気メータソケットと、電気メータを電気メータソケットと電気的に結合する電気メータカラーと、を含む。電気メータカラーは、電気メータと電気メータソケットのライン電圧配線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第1の接続経路を含む。電気メータカラーはまた、電気メータと配電システム、分散型エネルギ資源(DER)デバイス及び負荷の中性線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第2の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、電気メータとDERデバイスの出力電圧配線との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第3の接続経路を含む。さらに、電気メータカラーは、電気メータと負荷との間の電気接続を形成するために、電気メータカラー内に少なくとも1つの第4の接続経路を含む。電気メータカラーはまた、第1の複数の嵌合コネクタを含み、第1の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第1端に電気的に接続され、電気メータのさらなる嵌合コネクタを受けるように構成される。さらに、電気メータカラーは、第2の複数の嵌合コネクタを含み、第2の複数の嵌合コネクタのそれぞれは、対応する接続経路の第2端に電気的に接続され、ライン電圧配線、中性線、出力電圧配線、又は負荷と接続するように構成される。
【0008】
これらの例示的な態様及び特徴は、記載されている主題を限定又は定義するのではなく、この出願で記載されている概念の理解を助けるための例を提供するために言及されている。記載されている主題の他の態様、利点、及び特徴は、出願全体を検討した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
様々な実施形態の態様および特徴は、添付の図面を参照して例を説明することによってより明らかになるであろう。
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の様々な態様による、DERカラーを用いた分散型エネルギ資源(DER)メータとメータソケットとの間の電気接続を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の様々な態様による、DERメータと接続するための
図1のDERカラーの電気接続の図である。
【
図3】
図3は、本開示の様々な態様による、ANSI規格の2Sメータ形ソケットに面する向きの
図1のDERカラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特定の例が本明細書に記載されているが、これらの例は単なる例として提示されており、保護の範囲を制限することを意図しない。本明細書に記載の装置、方法、及びシステムは、他の様々な形態で具体化できる。さらに、本明細書に記載の例示的な方法及びシステムの形態における様々な省略、置換、及び変更は、保護の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0012】
分散型エネルギ資源デバイスを計測デバイスに接続するためのシステムが提供されている。現在、分散型エネルギ資源(DER)デバイスをグリッドに接続するための標準的な方法はない。既存の方法は複雑であることが多く、例えば顧客の住居などの壁の側面に取り付けられた美的でない解決策を提示する。本明細書において、DERメータを顧客宅内の従来のメータソケット及び顧客宅内のDERデバイスに接続する機構を提供するDERカラーについて説明する。本開示のために、DERデバイスは、配電システムに提供され得る電力を生成または貯蔵する配電システム(すなわち、グリッド)上の任意の資源、又は配電システムの全体的なピーク負荷を管理するように制御され得る任意の大負荷デバイスとして定められる。例えば、DERデバイスは、ローカルのバッテリストレージの有無に関係なく、住宅用ソーラ設備または住宅用風力タービン設備の場合がある。本開示の様々な態様は、従来のメータソケット、DERカラー、及びDERメータを用いてDERデバイスを配電システムに接続するための単純で美的な機構を提供する。
【0013】
図1は、DERカラー106を使用した分散型エネルギ資源(DER)メータ102とメータソケット104との間の電気接続を示すブロック
図100である。DERメータ102、メータソケット104、及びDERカラー106は、顧客宅内(例えば、居住用ビル、商業ビルなど)に配置される。DERメータ102は、配電システム(すなわち、グリッド108)を介して顧客の住居に供給される電力、及びDERデバイス(すなわち、DERデバイス116)を介して顧客の住居で生成又は貯蔵される電力を測定および制御する。したがって、DERメータ102は、グリッド108から提供される電力を受け取り、DERデバイス116から提供される電力を受け取り、電気設備110に電力を提供するのに十分な接続点を含む。
【0014】
DERメータ102は、通信モジュールと組み合わされてもよく、DERメータ102が他のメータ及びユーティリティと通信できる。
図1に示されるように、グリッド108(すなわち、配電システム)からの電力は、電気配線L1(ライン)及びL2(ライン)を介してメータソケット104に供給される。電気配線L1(ライン)及びL2(ライン)は、グリッド108の2つの相から電力を供給し得る。中性線Nは、グラウンドとも呼ばれ、グリッド108と電気設備110との間に、例えば、住宅または商業顧客宅内の電気設備パネルで接続されている。
【0015】
電気設備又は負荷110はまた、対応する電気配線L1(負荷)及びL2(負荷)を介してメータソケット104に接続されている。メータソケット104は、従来のメータがメータソケット104に差し込まれたときに従来のメータへの電気接続を提供するための電気コネクタを含む、2S形ソケットなどの規格ソケットであってもよい。グリッド108と電気設備110との間の電気接続は、DERメータ102がDERカラー106に差し込まれ、DERカラー106がメータソケット104に差し込まれたときに、DERメータ102及びDERカラー106を介して形成される。DERメータ102内で、グリッド108によって電気設備110に提供される電圧及び電流は、測定装置によって測定または計測される。測定装置は、例えば、電圧及び電流波形の電気的特性をそれぞれ測定する電圧変換器112及び電流変換器114であってもよい。電気設備110に供給される電力は、電圧及び電流の測定値に基づいて計算され得る。
【0016】
DERデバイス116からの出力配線はまた、DERカラー106内の接続点に接続され得る。中性線Nの接続118は、グリッド108、DERデバイス116、電気設備110、及びDERメータ102からの中性線を接続するために、DERカラー106内の接続点に形成され得る。1つまたは複数の例では、DERデバイス116の接続点は、DERカラー106の側面120に配置され得る。例えば、DERカラー106の側面120は、メータソケット104又はDERメータ102と結合しないDERカラー106の任意の側面(例えば、DERカラー106がDERメータ102及びメータソケット104に結合されている間に露出している側面)であり得る。側面120上に接続点を配置することで、DERデバイス116がDERカラー106と接続するための容易にアクセス可能な場所を提供することができる。
【0017】
DERカラー106内の接続点は、メータソケット104とDERメータ102との間の電気接続を提供できる。例えば、グリッド108からのDERカラー106でのラインL1(ライン)及びL2(ライン)の接続点は、グリッド108からのラインL1(ライン)及びL2(ライン)をDERメータ102に電気的に接続できる。同様に、DERデバイス116からのラインL1及びL2、並びに電気設備110へのラインL1(負荷)及びL2(負荷)は、DERカラー106内の接続点を介してDERメータ102に電気的に接続され得る。グリッド108からのラインL1(ライン)及びL2(ライン)と同様に、DERデバイス116からのラインL1及びL2は、異なる電気的位相を有する電圧を提供できる。さらに、中性線Nの接続点はまた、DERカラー106の対応するレセプタクルに電気接続を有し得る。
【0018】
DERカラー106に含まれる接続点(例えば、レセプタクル)は、DERカラー106とDERメータ102との間に電気接続を形成するために、DERメータ102上の接続部品(例えば、ブレードコネクタ)の挿入に対応し得る。同様に、DERカラー106は、メータソケット104及びDERデバイス116内のレセプタクルによって受けられる接続点(例えば、ブレードコネクタなどの接続部品)を含んでもよい。他の電気的結合もまた、メータソケット104、DERデバイス116、DERカラー106、及びDERメータ102の間で検討される。DERメータ102の接続部品がDERカラー106のレセプタクルに挿入されたとき、並びにDERカラー106の接続部品がメータソケット104及びDERデバイス116のレセプタクルに挿入されたとき、電気接続は、DERメータ102とグリッド108からのラインL1(ライン)及びL2(ライン)との間、DERメータ102とDERデバイス116からのラインL1及びL2との間、並びにDERメータ102と電気設備110へのラインL1(負荷)及びL2(負荷)との間で形成され得る。接続点と接続部品(例えば、レセプタクル及びブレードコネクタ)は、一般に嵌合コネクタと呼ばれることがある。
【0019】
また、DERメータ102の接続部品がDERカラー106のレセプタクルに挿入されたとき、及びDERカラー106の接続部品がメータソケット104及びDERデバイス116のレセプタクルに挿入されたとき、電気接続が、中性線NとDERメータ102との間に形成され得る。中性線NとDERカラー106及びDERメータ102との電気接続は、DERメータ102内の電圧変換器112でL1(ライン)から中性及びL2(ライン)から中性への電圧測定を可能にする電気基準点を提供し得る。DERメータ102でのこれらの電圧測定を実行する機能により、L1(ライン)およびL2(ライン)接続のみが使用可能な(つまり、ニュートラルがない)規格の2Sメータ形式で可能であるよりも高度で忠実度の高い計測が可能になる。当該規格の2Sメータ形式は、L1(ライン)とL2(ライン)の接続のみが使用可能(つまり、中性Nの接続がない)であり、したがって、ライン間電圧(つまり、L1(ライン)からL2(ライン)まで)のみを測定できる。DERメータ102はまた、電流変換器114aを使用してグリッド108から、電流変換器114bを使用してDERデバイス116から、電流変換器114c及び114dを使用して電気設備110からのL1(ライン)及びL2(ライン)ラインでの電流測定を実行できる。DERメータ102でのL1(ライン)から中性及びL2(ライン)から中性の電圧測定を実行する機能、及びDERメータ102での電流測定を実行する機能により、負荷分離アルゴリズムなどのさまざまなアプリケーションの実装が可能になり得る。
【0020】
グリッド108からのラインL1(ライン)及びL2(ライン)は、異なる電気的位相を有するライン電圧を提供できる。異なる電気的位相は、地域の配電変圧器(例えば、メータの近くに配置された柱上変圧器)によって生成されてもよいし、変電所で生成された異なる電気相であってもよい。同様に、DERデバイス116からのラインL1及びL2は、異なる電気的位相を有するライン電圧を提供できる。DERデバイス116によって提供されるラインL1及びL2のライン電圧の電気的位相は、グリッド108によって提供されるラインL1(ライン)及びL2(ライン)のライン電圧の電気的位相と同期され得る。本開示によるメータソケットおよびメータの実施形態は、ライン電圧の異なる位相に対応する、より多くの又はより少ない接続点又はレセプタクルを含んでもよい。例えば、1つのライン電圧位相(例えば、位相A)のみが接続されている場合、さらなる位相(例えば、位相Bと位相C)の接続点が必要ないため、メータソケットに含まれる接続点及びレセプタクルは少なくてもよい。同様に、3つのライン電圧位相(例えば、位相A、B及びC)が接続されている場合、さらなる接続点及びレセプタクルがメータソケットに含まれ得る。
【0021】
一例では、切断スイッチ122は、DERメータ102に含まれる。そのような例では、電圧変換器112a及び112bがグリッド108からの電圧を検出しないとき、切断スイッチ122は開いたままであってもよい。さらに、切断スイッチは、DERデバイス116からの電圧位相をグリッド108と同期させるための機構として使用され得る。例えば、電圧変換器112c及び112dは、DERデバイス116によって供給される電圧を測定し得、一方、電圧変換器112a及び112bは、切断スイッチ122が開いている間にグリッド108によって供給される電圧を測定し得る。同期動作中にDERデバイス116とグリッド108との間が同期に達すると、切断スイッチ122は閉じてもよい。さらに、切断スイッチ122は、グリッド108へのL1(ライン)及びL2(ライン)接続からDERメータ102を切断できる。DERメータ102をグリッド108から切断する能力は、「単独運転(islanding)」を可能にできる(すなわち、グリッド108から切断し、DERデバイス116からのみ電気設備110に電力を供給する)。
【0022】
DERカラー106は、DERデバイス116を切断または保護する、統合された制御可能な電気切断スイッチ124、回路遮断器126、又はその両方を含み得る。例えば、単一のデバイスが、回路遮断器と個別の電気切断デバイスの両方の機能を実行して、DERデバイス116のラインL1及びL2をDERメータ102から切断できてもよい。代替的に、制御可能な電気切断スイッチ124、回路遮断器126、又はその両方は、上記のようにDERメータ102及びDERカラー106を介した機械的接続を維持しながら、DERカラー106の外部(例えば、DERカラー106の外側)に配置されてもよい。一例では、回路遮断器126は、電気的障害の発生時に、DERデバイス116をDERメータ102から切断できる。
【0023】
制御可能な電気切断スイッチ124は、プロセッサ(図示せず)及び通信モジュール(図示せず)を含み得る。制御可能な電気切断スイッチ124は、例えば、高負荷が検出されたとき、又は電気設備若しくは負荷110がメータから切断されたときに、DERデバイス116をグリッド108から切断するように自動的に動作してもよい。いくつかの例では、制御可能な電気切断スイッチ124は、DERメータ102又は別のデバイスから受信した指示に基づいて、DERデバイス116をグリッド108から切断するように自動的に動作できる。制御可能な電気切断スイッチ124は、DERデバイス116をDERメータ102に接続して、配電システム(すなわち、グリッド108)から消費された又は配電システムに送り返されたエネルギとは別の値としてDERデバイス116の電力生成又は消費を測定することを可能にし得、それによって請求可能なデータを提供する。請求可能なデータ(すなわち、グリッド108からの消費またはグリッド108に送り返される生成)は、「ネットメータリング」または同様の方法を使用して電力メータ内で計測され得る。さらに、制御可能な電気切断スイッチ124は、グリッド108及びDERデバイス116の電力生成又は消費要求に基づいて、DERデバイス116をグリッド108に接続又は切断できる。さらに、切断スイッチ124を使用して、DERデバイス116をDERカラー106のDERメータ側から電気的に切断して、技術者がDERメータ102を修理、DERメータ102を設置、又はDERメータ102を交換できるようにできる。
【0024】
DERメータ102は、グリッド108、DERデバイス116、又はその両方を介して電気設備110に供給される電力を測定および制御できる。DERメータ102は、通信モジュール(図示せず)およびプロセッサ(図示せず)を含み得る。プロセッサはマイクロプロセッサであってもよい。しかしながら、本開示による実施形態は、そのような実施に限定されない。例えば、プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、コンピュータ、マイクロコントローラ、プログラマブルコントローラ、又は他のプログラマブルデバイスであってもよい。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形例を実施できることを理解するであろう。
【0025】
通信モジュールは、RF、セルラー、PLC、又は他の任意の適切な通信技術を介して通信できる。通信モジュールは、ネットワークを介して制御可能な電気切断スイッチを制御するための命令を含む通信を受信できる。通信モジュールは、メータの動作及びメータ内の測定デバイスによって実行された測定に関連する情報を、ネットワーク上の他のデバイス又は中央システムに送信できる。
【0026】
本開示の様々な態様によれば、DERデバイス116が何らかの形態の発電機(例えば、太陽光または風力発電)またはストレージ装置を含む場合、メータは、配電システムに関する情報を使用できる。情報は、決定を下し、DERデバイス116を制御するためのリアルタイムの電気料金または他の情報を含み得る。例えば、DERメータ102は、情報を使用して、DERデバイス116がエネルギを(例えば太陽光またはバッテリストレージから、ここでバッテリストレージは電気自動車などのバッテリを含み得る)グリッド108に送るべきかどうか、DERデバイス116が(例えばストレージを充電するために又はウォータヒータ、プールポンプなどの大きな負荷を作動できるようにするために)グリッド108からエネルギを消費すべきかどうか、DERデバイス116が(例えばグリッド108からのエネルギを消費しない又はグリッド108にエネルギを送らないように)グリッド108から切断すべきかどうか、又はそれらの任意の組み合わせを、決定してもよい。適切な制御動作は、決定に基づいてDERメータ102によって開始され得る。当業者は、上記の決定および制御の例が網羅的ではなく、本開示の範囲から逸脱することなく他の決定および制御操作が実行され得ることを理解するであろう。
【0027】
図2は、本開示の様々な態様による、DERメータ102と接続するためのDERカラー106の電気接続の
図200である。DERカラー106は、複数のレセプタクル211~217又は他の嵌合コネクタ、例えば、7つ又は別の数のレセプタクルを含み得る。DERカラー106のレセプタクル211~217の数は、DERメータ102上の嵌合コネクタの数に対応し得る。本開示の様々な態様によれば、7つ以上のレセプタクル/コネクタを有するDERカラー106及びDERメータ102は、DERメータ102に含まれる適切な数の電圧変換器112及び電流変換器114を用いて負荷分離アルゴリズムを実施するのに適し得る。例えば、電流変換器114a及び114bは、それぞれ、グリッド108及びDERデバイス116から発生する電流を個別に測定するように配置されている。電圧変換器112と組み合わせて、DERメータ102は、電気設備110による電力消費を適切な供給源(例えば、グリッド108またはDERデバイス116)に正確に割り当てることができる。
【0028】
第1のレセプタクル211及び第2のレセプタクル212は、グリッド(例えば、グリッド108)からのラインL1(ライン)及びラインL2(ライン)のためのDERメータ102への電気接続を提供できる。第3のレセプタクル213及び第4のレセプタクル214は、DERデバイス(例えば、DERデバイス116)からのラインL1及びラインL2のためのDERメータ102への電気接続を提供できる。第5のレセプタクル215及び第6のレセプタクル216は、DERメータ102からのラインL1(負荷)及びラインL2(負荷)のための電気設備(例えば、電気設備110)への電気接続を提供できる。第7のレセプタクル217は、DERカラー106の中性線NからDERメータ102への電気接続を提供できる。中性線をDERメータ102への中性線の接続を提供することにより、DERメータ102に含まれる測定装置(例えば、電圧変換器112、電流変換器114、または他の測定装置)がグリッド108からのラインL1(ライン)及びラインL2(ライン)で、並びにDERデバイス116からのラインL1及びラインL2で、DERメータ102での電圧測定を実行できるようになり、グリッド108及びDERデバイス116によって提供又は消費される電力を決定することができる。例えば、中性線Nは、ラインL1からラインL2への単一の測定を行うのではなく、ラインL1から中性及びラインL2から中性への直接の測定を可能とする。ラインL1及びラインL2での電圧波形は、理論的には互いに180°位相がずれているため、ラインL1から中性及びラインL2から中性へのこれらの電圧測定は合計される。位相が完全にはそろっていない場合、又はラインL1又はL2のいずれかにのみ存在する特定の負荷のためにラインL1から中性の電圧がラインL2から中性の電圧と同一でない場合、ラインL1から中性及びラインL2から中性の測定は、ラインL1からラインL2の測定に対してのみ、精度と忠実度を向上させる。
【0029】
図1及び
図2は、7つの接続を有するDERカラー106およびDERメータ102を示しているが、本開示による実施形態は、この実装に限定されない。例えば、DERカラー106及びDERメータ102のいくつかの実装は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる数の接続(例えば、7つより多い又は少ない接続)を含み得る。
【0030】
本開示の様々な態様によれば、上記と同様の方法を使用して、ANSI 1S、2S、3S、4S、5S、又は12Sメータ形態またはその他のメータ形態を有するメータソケットにDERデバイスの切り替え及び測定機能を追加できる。
【0031】
ANSI規格の2S形メータソケット及びメータは、ほとんどの米国の住宅に設置されている。
図3は、本開示の様々な態様による、ANSI規格の2Sメータ形態ソケット(例えば、メータソケット104)に面する向きのDERカラー106を示す図である。すなわち、
図3は、メータソケット104に取り付けられるDERカラー106の側面を示している。図示のように、DERカラー106の2S形に面する側面300は、DERメータ102へのメータソケット104内のラインL1(ライン)とラインL2(ライン)(すなわち、グリッド108からのライン)とラインL1(負荷)とラインL2(負荷)(すなわち、電気設備110へのライン)との間の電気接続のための4つのレセプタクル302a~302dまたは他の嵌合コネクタのみを提供する。DERカラー106は、DERデバイス116のラインL1及びL2並びに中性線NをDERメータ102に接続するための、DERカラー106の側面120上にさらなるレセプタクル304を含み得る。
【0032】
本主題は、その特定の態様に関して詳細に説明されてきたが、当業者は、前述の理解を得ると、そのような態様の変更、変形、及び同等物を容易に生成できることが理解されよう。したがって、本開示は、限定ではなく例示の目的で提示されており、当業者に容易に明らかであるような本主題へのそのような修正、変形、及び/又は追加を含めることを排除するものではないことを理解されたい。