(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】湾曲したエンドエフェクタアセンブリを備える外科用ステープリング器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2022547071
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2020074185
(87)【国際公開番号】W WO2021155486
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シニ
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-193040(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03329862(EP,A2)
【文献】特表2018-500102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲したカートリッジアセンブリであって、
組織接触面を有するステープルカートリッジであって、
前記ステープルカートリッジは、複数列のステープルスロット
と前記組織接触面を通って延在するチャネル
とを画定する
、ステープルカートリッジと、
前記チャネル
内に受容され
る位置合わせピンであって、前記位置合わせピンは、前記ステープルカートリッジの前記組織接触面から遠位方向に突出する遠位端部分を有
し、前記位置合わせピンは、退避位置から前進位置
まで前記チャネル内で移動可能
である、位置合わせピンと、
前記ステープルカートリッジの前記組織接触面を覆うように前記ステープルカートリッジに着脱可能に結合され
ているシッピングキャップであって、
前記シッピングキャップは、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を受容するノッチを画定する端部分を有し、
前記シッピングキャップは、前記位置合わせピンと係合
することにより、前記位置合わせピンが長手方向軸に沿って前記退避位置から前記前進位置
に向かって並進する
ことに抵抗
し、前記位置合わせピンの前記遠位端部分は、溝を画定し、前記シッピングキャップの前記端部分は、前記ノッチ内に延在するタブを有し、前記タブが前記位置合わせピンの前記溝内に受容されることにより、前記位置合わせピンが前記退避位置から前記前進位置に向かって並進することに抵抗する、シッピングキャップ
と
を備える湾曲したカートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記位置合わせピンの前記溝
は、前記位置合わせピンの円周の周りに少なくとも部分的に延在する、請求項
1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記ステープルカートリッジ
は、端部分から近位方向に延在する脚をさらに含み
、
前記シッピングキャップ
は、
前記組織接触面を覆うように構成され
ているプレート
と、
前記プレートから近位方向に延在
する脚であって、前記ステープルカートリッジの前記脚に着脱可能に固定されるように構成され
ている脚と
を
さらに含む、請求項1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記シッピングキャップの突起が前記ステープルカートリッジから前記シッピングキャップを係合解除するために十分な力で把持され引っ張られる場合に、前記シッピングキャップ
は、前記ステープルカートリッジの第1の端部分から前記ステープルカートリッジの第2の端部分に向かう方向に前記ステープルカートリッジから取り外されるように構成されている、請求項1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記シッピングキャップ
が前記ステープルカートリッジから取り外され
ることにより、前記位置合わせピンの前記遠位端部分から係合解除されると、前記シッピングキャップ
は、前記ステープルカートリッジの前記組織接触面に沿ってスライドするように構成されている、請求項
4に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
外科用ステープラーのエンドエフェクタアセンブリであって、
ベース部分
とジョー部分
とを有する湾曲したハウジングと、
前記ジョー部分
上に支持され
ているアンビルアセンブリであって、前記アンビルアセンブリは、複数のステープル形成ポケット
と開口部
とを画定する組織接触面を有する
、アンビルアセンブリと、
前記ベース部分に挿入されるように構成され
ている湾曲したステープルカートリッジであって、前記湾曲したステープルカートリッジは、複数のステープルスロットを画定する組織接触面を含む
、湾曲したステープルカートリッジと、
前記湾曲したステープルカートリッジ
内で支持され
ている位置合わせピンであって、前記位置合わせピンは、遠位端部分を有
し、前記位置合わせピンの前記遠位端部分は、前記湾曲したステープルカートリッジの前記組織接触面から遠位方向に突出し、
かつ、前記アンビルアセンブリの前記開口部に受容されるように構成されている
、位置合わせピンと、
前記ステープルカートリッジに着脱可能に結合され
ているシッピングキャップであって、前記シッピングキャップは、前記位置合わせピンの前記遠位端部分と係合
されることにより、前記湾曲したステープルカートリッジに対する前記位置合わせピンの軸方向の移動に抵抗
し、前記位置合わせピンの前記遠位端部分は、溝を画定し、前記シッピングキャップは、前記溝内に取り外し可能に受容されるタブを有することにより、前記位置合わせピンが長手方向軸に沿って退避位置から前進位置に向かって並進することに抵抗する、シッピングキャップ
と
を備えるエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項7】
前記シッピングキャップの突起が前記ステープルカートリッジから前記シッピングキャップを係合解除するために十分な力で把持され引っ張られる場合に、前記シッピングキャップ
は、前記ステープルカートリッジの前記組織接触面によって画定される平面に沿ってスライド
することにより、前記位置合わせピンの前記遠位端部分から係合解除されるように構成されている、請求項
6に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項8】
前記エンドエフェクタアセンブリは、前記湾曲したハウジング内にスライド可能に受容されるスライダーをさらに備え、前記スライダー
は、カム面を有
し、前記スライダーの前記カム面は、前記位置合わせピンの近位端部分と係合
することにより、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部に向けて弾性的に付勢するように構成され
ている、請求項
6に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項9】
前記位置合わせピンの前記近位端部分
は、前記湾曲したハウジングへの前記ステープルカートリッジの挿入中、前記スライダーを遠位位置から近位位置に近位方向にカムするように構成されている、請求項
8に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項10】
前記シッピングキャップが前記ステープルカートリッジから取り外された後に、前記位置合わせピン
は、前記スライダーが前記近位位置から前記遠位位置に遠位方向に移動することに
応答して、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部に位置決めするために遠位方向に並進するように構成されている、請求項
9に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項11】
前記シッピングキャップが前記湾曲したステープルカートリッジから取り外されることに
応答して、前記スライダーは、前記近位位置から前記遠位位置に移動するように構成されている、請求項
10に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項12】
前記エンドエフェクタアセンブリは、
前記湾曲したハウジング内に配置され
ているシャフトであって、
前記スライダーは、前記シャフト上
にスライド可能に支持されている、シャフトと、
前記シャフト
上に支持され
ているばねであって、前記ばねは、前記スライダーと係合
されることにより、前記スライダーを弾性的に付勢
することにより、前記位置合わせピンと係合させる
、ばね
と
をさらに備える、請求項
8に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項13】
前記エンドエフェクタアセンブリは、
前記位置合わせピンの近位端部分の周りに固定され
ているブッシング
であって、前記ブッシングは、近位方向に面した面取りされた表面を有する、ブッシングと、
前記湾曲したハウジング内に配置され
ているスラストバーであって、前記スラストバーは、近位位置と遠位位置との間を移動するように構成され
ており、前記スラストバーは、前記ブッシングと係合するように構成され
ている遠位係合面を有する遠位端部分を有
し、スラストバー
と
をさらに備え
、
前記ブッシングの前記近位方向に面した面取りされた表面は、前記スラストバーの前記遠位係合面と係合するように構成されている、請求項
6に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項14】
前記スラストバーが前記近位位置から前記遠位位置に移動することに
応答して、前記ブッシングおよび前記位置合わせピンは、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部
内に位置決めするために遠位方向に並進するように構成されている、請求項
13に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項15】
前記ブッシング
の前記近位方向に面した面取りされた表面は、前記湾曲したハウジングへの前記湾曲したステープルカートリッジの挿入中、前記スラストバー
の前記遠位端部分の前記遠位係合面と係合する
、請求項
14に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項16】
前記スラストバーが前記遠位位置からさらに遠位方向に移動すると、
前記スラストバーは、前記ブッシングを前記位置合わせピンからはずすことにより、前記ブッシングを前記位置合わせピンに沿って遠位方向に移動させるように構成されている、請求項
14に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項17】
前記スラストバーが前記遠位位置から遠位方向に移動すると、
前記スラストバーの前記遠位端部分は、前記位置合わせピンの前記近位端部分を受容するように構成され
ているチャネルを画定する、請求項
16に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項18】
前記スラストバーが前記近位位置から前記遠位位置に遠位方向に移動すると、前記ブッシングおよび前記位置合わせピン
は、遠位方向に移動し、前記スラストバーが前記遠位位置から遠位方向に移動すると、前記ブッシングおよび前記スラストバー
は、前記位置合わせピンに対して遠位方向に移動する、請求項
17に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外科用器具、より具体的には、組織をクランピング、接合、および/または切断するための外科用ステープリング器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の外科用ステープリング器具は、圧縮された生体組織を通してステープルの列を適用するために使用される。これらの外科用ステープリング器具は、例えば、横切開もしくは切除の前に、または吻合中に組織または器官をしっかり留めるために使用される。場合によっては、これらの外科用ステープリング器具は、胸部および腹部の処置で器官を塞ぐために利用される。
【0003】
典型的には、そのような外科用ステープリング器具は、アンビルアセンブリと、外科用ステープルのアレイを支持するカートリッジアセンブリと、カートリッジとアンビルのアセンブリとを接近させるための接近メカニズムと、カートリッジとアンビルのアセンブリとの間に組織を捕捉し、および/または接近および発射中にカートリッジとアンビルアセンブリとの間の位置合わせを維持するための位置合わせまたはガイドピンアセンブリと、カートリッジアセンブリから外科用ステープルを排出するための発射メカニズムと、を含む。
【0004】
使用中、外科医は最初に位置合わせピンアセンブリを前進させ、続いてアンビルとカートリッジのアセンブリを接近させて、カートリッジとアンビルのアセンブリの間に組織をクランプする。一部の外科用ステープリング器具では、アンビルとカートリッジのアセンブリの接近に応じて、位置合わせピンが自動的に前進される。次に、外科医は、組織にステープルを配置するために外科用ステープリング器具を発射する。任意選択的には、外科医は、同じ外科用ステープリング器具または別個のデバイスを使用して、ステープルの列に隣接してまたはそれらの間に位置決めされた組織を切断してもよい。いくつかの場合では、外科用ステープリング器具は、ステープルが発射されるときに組織を切断するナイフを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様では、湾曲したカートリッジアセンブリが提供され、組織接触面、位置合わせピン、およびシッピングキャップを有するステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、複数列のステープルスロットと、組織接触面を通って延在するチャネルとを画定している。位置合わせピンはチャネルに受容され、ステープルカートリッジの組織接触面から遠位方向に突出する遠位端部分を有する。位置合わせピンは、チャネル内で退避位置から前進位置に移動可能である。シッピングキャップは、ステープルカートリッジに着脱可能に結合されて、ステープルカートリッジの組織接触面を覆う。シッピングキャップは、位置合わせピンの遠位端部分を受容するノッチを画定する端部分を有する。シッピングキャップは、位置合わせピンと係合して、位置合わせピンが長手方向軸に沿って退避位置から前進位置に並進するのに抵抗する。
【0006】
一態様では、位置合わせピンの遠位端部分は溝を画定し得、シッピングキャップの端部分は、ノッチ内に延在するタブを有し得る。タブは、位置合わせピンの溝内に受容されて、位置合わせピンが退避位置から前進位置に並進するのに抵抗することができる。
【0007】
一態様では、位置合わせピンの溝は、位置合わせピンの円周の周りに少なくとも部分的に延在してもよい。
【0008】
一態様では、ステープルカートリッジは、その端部分から近位方向に延在する脚をさらに含むことができ、シッピングキャップは、プレートと、プレートから近位方向に延在する脚とをさらに含むことができる。シッピングキャップのプレートは、組織接触面を覆うように構成され得、シッピングキャップの脚は、ステープルカートリッジの脚に着脱可能に固定されるように構成され得る。
【0009】
一態様では、シッピングキャップは、ステープルカートリッジの第1の端部分からステープルカートリッジの第2の端部分に向かう方向にステープルカートリッジから取り外されるように構成され得る。
【0010】
一態様では、シッピングキャップは、ステープルカートリッジから取り外されて位置合わせピンの遠位端部分から係合解除されると、シッピングキャップがステープルカートリッジの組織接触面に沿ってスライドするように構成され得る。
【0011】
本開示の別の態様によれば、外科用ステープラーのエンドエフェクタアセンブリが提供され、ベース部分およびジョー部分を有する湾曲したハウジングと、ジョー部分に支持されるアンビルアセンブリと、ベース部分に挿入されるように構成された湾曲したステープルカートリッジと、湾曲したステープルカートリッジで支持される位置合わせピンと、ステープルカートリッジに着脱可能に結合されるシッピングキャップとを含む。アンビルアセンブリは、複数のステープル形成ポケットおよび開口部を画定する組織接触面を有し、湾曲したステープルカートリッジは、複数のステープルスロットを画定する組織接触面を含む。位置合わせピンは、湾曲したステープルカートリッジの組織接触面から遠位方向に突出する遠位端部分を含む。位置合わせピンの遠位端部分は、アンビルアセンブリの開口部に受容されるように構成されている。シッピングキャップは、位置合わせピンの遠位端部分と係合され、湾曲したステープルカートリッジに対する位置合わせピンの軸方向の移動に抵抗する。
【0012】
一態様では、位置合わせピンの遠位端部分は溝を画定し得、シッピングキャップは、溝に取り外し可能に受容されるタブを有することができる。
【0013】
一態様では、シッピングキャップは、ステープルカートリッジの組織接触面によって画定される平面に沿ってスライドして、位置合わせピンの遠位端部分から係合解除されるように構成され得る。
【0014】
一態様では、エンドエフェクタアセンブリは、湾曲したハウジング内にスライド可能に受容されるスライダーをさらに含み得る。スライダーは、位置合わせピンの近位端部分と係合して、位置合わせピンの遠位端部分をアンビルアセンブリの開口部に向けて弾性的に付勢するように構成されたカム面を有することができる。
【0015】
一態様では、位置合わせピンの近位端部分は、湾曲したハウジングへのステープルカートリッジの挿入中、スライダーを遠位位置から近位位置に近位方向にカムするように構成され得る。
【0016】
一態様では、位置合わせピンは、スライダーが近位位置から遠位位置に遠位方向に移動することに応じて、位置合わせピンの遠位端部分をアンビルアセンブリの開口部に位置決めするために遠位方向に並進するように構成され得る。
【0017】
一態様では、スライダーは、シッピングキャップが湾曲したステープルカートリッジから取り外されることに応じて、近位位置から遠位位置に移動するように構成され得る。
【0018】
一態様では、エンドエフェクタアセンブリは、湾曲したハウジング内に配置されたシャフトと、シャフト上で支持されたばねとをさらに含むことができる。スライダーはシャフト上でスライド可能に支持され、ばねはスライダーと係合して、スライダーを弾性的に付勢して位置合わせピンと係合させることができる。
【0019】
一態様では、エンドエフェクタアセンブリは、位置合わせピンの近位端部分の周りに固定されたブッシング、および湾曲したハウジング内に配置され、近位位置と遠位位置との間で移動するように構成されたスラストバーをさらに含み得る。スラストバーは、ブッシングと係合するように構成された遠位端部分を有し得る。
【0020】
一態様では、ブッシングおよび位置合わせピンは、スラストバーが近位位置から遠位位置に移動することに応じて、位置合わせピンの遠位端部分をアンビルアセンブリの開口部に位置決めするために遠位方向に並進するように構成され得る。
【0021】
一態様では、ブッシングは、湾曲したハウジングへの湾曲したステープルカートリッジの挿入中、スラストバーと係合するように構成された面取りされた表面を有し得る。
【0022】
一態様では、スラストバーは、ブッシングを位置合わせピンからはずして、スラストバーが遠位位置からさらに遠位方向に移動する際に、ブッシングを位置合わせピンに沿って遠位方向に移動させるように構成され得る。
【0023】
一態様では、スラストバーの遠位端部分は、スラストバーが遠位位置から遠位方向に移動すると、位置合わせピンの近位端部分を受容するように構成されたチャネルを画定することができる。
【0024】
一態様では、スラストバーが近位位置から遠位位置に遠位方向に移動すると、ブッシングおよび位置合わせピンが遠位方向に移動し得、スラストバーが遠位位置から遠位方向に移動すると、ブッシングおよびスラストバーが位置合わせピンに対して遠位方向に移動し得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
湾曲したカートリッジアセンブリであって、
組織接触面を有するステープルカートリッジであって、複数列のステープルスロットおよび前記組織接触面を通って延在するチャネルを画定するステープルカートリッジと、
前記チャネルに受容され、前記ステープルカートリッジの前記組織接触面から遠位方向に突出する遠位端部分を有する位置合わせピンであって、前記チャネル内で退避位置から前進位置に移動可能な位置合わせピンと、
前記ステープルカートリッジの前記組織接触面を覆うように前記ステープルカートリッジに着脱可能に結合されたシッピングキャップであって、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を受容するノッチを画定する端部分を有し、前記位置合わせピンと係合して、前記位置合わせピンが長手方向軸に沿って前記退避位置から前記前進位置に並進するのに抵抗する、シッピングキャップと、を備える湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目2)
前記位置合わせピンの前記遠位端部分が溝を画定し、前記シッピングキャップの前記端部分が前記ノッチ内に延在するタブを有し、前記タブが前記位置合わせピンの前記溝内に受容されて、前記位置合わせピンが前記退避位置から前記前進位置に並進するのに抵抗する、項目1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目3)
前記位置合わせピンの前記溝が、前記位置合わせピンの円周の周りに少なくとも部分的に延在する、項目2に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目4)
前記ステープルカートリッジが、端部分から近位方向に延在する脚をさらに含み、前記シッピングキャップが、
前記組織接触面を覆うように構成されたプレート、および
前記プレートから近位方向に延在し、前記ステープルカートリッジの前記脚に着脱可能に固定されるように構成された脚を含む、項目1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目5)
前記シッピングキャップが、前記ステープルカートリッジの第1の端部分から前記ステープルカートリッジの第2の端部分に向かう方向に前記ステープルカートリッジから取り外されるように構成されている、項目1に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目6)
前記シッピングキャップが、前記ステープルカートリッジから取り外されて前記位置合わせピンの前記遠位端部分から係合解除されると、前記シッピングキャップが前記ステープルカートリッジの前記組織接触面に沿ってスライドするように構成されている、項目5に記載の湾曲したカートリッジアセンブリ。
(項目7)
外科用ステープラーのエンドエフェクタアセンブリであって、
ベース部分およびジョー部分を有する湾曲したハウジングと、
前記ジョー部分に支持され、複数のステープル形成ポケットおよび開口部を画定する組織接触面を有するアンビルアセンブリと、
前記ベース部分に挿入されるように構成され、複数のステープルスロットを画定する組織接触面を含む湾曲したステープルカートリッジと、
前記湾曲したステープルカートリッジで支持され、前記湾曲したステープルカートリッジの前記組織接触面から遠位方向に突出し、前記アンビルアセンブリの前記開口部に受容されるように構成されている遠位端部分を有する位置合わせピンと、
前記ステープルカートリッジに着脱可能に結合され、前記位置合わせピンの前記遠位端部分と係合して、前記湾曲したステープルカートリッジに対する前記位置合わせピンの軸方向の移動に抵抗するシッピングキャップと、を備えるエンドエフェクタアセンブリ。
(項目8)
前記位置合わせピンの前記遠位端部分が溝を画定し、前記シッピングキャップが前記溝に取り外し可能に受容されるタブを有する、項目7に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目9)
前記シッピングキャップが、前記ステープルカートリッジの前記組織接触面によって画定される平面に沿ってスライドして、前記位置合わせピンの前記遠位端部分から係合解除されるように構成されている、項目7に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目10)
前記湾曲したハウジング内にスライド可能に受容されるスライダーをさらに備え、前記スライダーが、前記位置合わせピンの近位端部分と係合して、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部に向けて弾性的に付勢するように構成されたカム面を有する、項目7に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目11)
前記位置合わせピンの前記近位端部分が、前記湾曲したハウジングへの前記ステープルカートリッジの挿入中、前記スライダーを遠位位置から近位位置に近位方向にカムするように構成されている、項目10に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目12)
前記位置合わせピンが、前記スライダーが前記近位位置から前記遠位位置に遠位方向に移動することに応じて、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部に位置決めするために遠位方向に並進するように構成されている、項目11に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目13)
前記スライダーが、前記シッピングキャップが前記湾曲したステープルカートリッジから取り外されることに応じて、前記近位位置から前記遠位位置に移動するように構成されている、項目12に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目14)
前記湾曲したハウジング内に配置されたシャフトであって、前記シャフト上で前記スライダーがスライド可能に支持されている、シャフトと、
前記シャフトに支持され、前記スライダーと係合して、前記スライダーを弾性的に付勢して前記位置合わせピンと係合させるばねと、をさらに備える、項目10に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目15)
前記位置合わせピンの近位端部分の周りに固定されたブッシングと、
前記湾曲したハウジング内に配置され、近位位置と遠位位置との間を移動するように構成されたスラストバーであって、前記ブッシングと係合するように構成された遠位端部分を有するスラストバーと、をさらに備える、項目8に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目16)
前記ブッシングおよび前記位置合わせピンが、前記スラストバーが前記近位位置から前記遠位位置に移動することに応じて、前記位置合わせピンの前記遠位端部分を前記アンビルアセンブリの前記開口部に位置決めするために遠位方向に並進するように構成されている、項目15に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目17)
前記ブッシングが、前記湾曲したハウジングへの前記湾曲したステープルカートリッジの挿入中、前記スラストバーと係合するように構成された面取りされた表面を有する、項目16に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目18)
前記スラストバーが、前記ブッシングを前記位置合わせピンからはずして、前記スラストバーが前記遠位位置からさらに遠位方向に移動すると、前記ブッシングを前記位置合わせピンに沿って遠位方向に移動させるように構成されている、項目16に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目19)
前記スラストバーの前記遠位端部分が、前記スラストバーが前記遠位位置から遠位方向に移動すると、前記位置合わせピンの前記近位端部分を受容するように構成されたチャネルを画定する、項目18に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目20)
前記スラストバーが前記近位位置から前記遠位位置に遠位方向に移動すると、前記ブッシングおよび前記位置合わせピンが遠位方向に移動し、前記スラストバーが前記遠位位置から遠位方向に移動すると、前記ブッシングおよび前記スラストバーが前記位置合わせピンに対して遠位方向に移動する、項目19に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
開示される外科用ステープリング器具の様々な態様を本明細書において、図面を参照して開示する。
【0026】
【
図1】湾曲したエンドエフェクタアセンブリを有する例示的な外科用ステープラーを示す側面斜視図である。
【
図2】ステープルカートリッジアセンブリと
図1のエンドエフェクタアセンブリの湾曲したハウジングを示す、部品が分解された斜視図である。
【
図3】ステープルカートリッジとシッピングキャップを含む
図2のステープルカートリッジアセンブリを示す斜視図である。
【
図4】シッピングキャップとステープルカートリッジの位置合わせピンとの間の接続を示す、
図3の「4」とラベル付けされた詳細領域の拡大図である。
【
図5】
図3のシッピングキャップを示す斜視図である。
【
図6】シッピングキャップのノッチを示す、
図5の「6」とラベル付けされた詳細領域の拡大図である。
【
図7】
図3の線7-7に沿って取られた、シッピングキャップと係合した位置合わせピンを示す断面図である。
【
図8】外科用ステープラーの湾曲したハウジングを備えた第1の挿入状態にあるステープルカートリッジアセンブリを示す斜視図である。
【
図9】湾曲したハウジングを備えた第2の挿入状態にあるステープルカートリッジアセンブリを示す斜視図である。
【
図10】シッピングキャップとピン位置合わせメカニズムとの間に係合された位置合わせピンを示す、
図9の線10-10に沿って取られた断面図である。
【
図12】ステープルカートリッジからシッピングキャップを取り外した後の、アンビルアセンブリと係合した位置合わせピンを示す、
図1の「12」とラベル付けされた詳細領域の拡大図である。
【
図13】ピン位置合わせメカニズムによってアンビルアセンブリと係合して保持された位置合わせピンを示す、
図12の線13~13に沿って取られた断面図である。
【
図14】代替の位置合わせピンを有するエンドエフェクタアセンブリを示す、部品が分解された斜視図である。
【
図16】シッピングキャップと係合した位置合わせピンを示す、
図14の線16-16に沿って取られた断面図である。
【
図17】シッピングキャップが取り外された後の組み立て状態にある、
図14のエンドエフェクタアセンブリを示す斜視図である。
【
図18】近位位置にあるエンドエフェクタアセンブリのスラストバーを示す、
図17の線18-18に沿った断面図である。
【
図19】位置合わせピンのブッシングと係合した
図18のスラストバーを示す斜視図である。
【
図20】位置合わせピンがアンビルアセンブリと係合する遠位位置のスラストバーを示す、
図14のエンドエフェクタアセンブリの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の外科用ステープリング器具の態様は、同様の参照番号がいくつかの図の各々において対応する要素を示す、図面を参照して詳細に説明される。以下の図面および説明において、「近位」という用語は、外科用ステープリング器具の臨床医に近い端部を指し、「遠位」という用語は、外科用ステープリング器具の臨床医から遠い端部を指す。加えて、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0028】
本明細書で説明および図示される器具は、アンビル表面に対して外科用ステープルを発射するように構成されているが、本開示の態様が、金属またはポリマー材料で作られた他の形態のステープル、ファスナー、クリップ、ならびに2つのパーツファスナーにも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0029】
外科用ステープラーでは、ステープル形成が適切に行われるように、ステープルカートリッジのステープルスロットをアンビルアセンブリのステープル形成ポケットと位置合わせすることが重要である。不適切な位置合わせは、ステープルの奇形および/または組織の外傷につながり得る。ステープルカートリッジのステープルスロットをアンビルアセンブリのステープル形成ポケットに位置合わせするのを支援し、ステープルの形成と組織の切断が、互いに近接して行われることを確実にするよう、余分な組織がカートリッジアセンブリとアンビルアセンブリの間のギャップに入るのを防ぐためのストップとしても機能する位置合わせピンが提供される。ステープルカートリッジが外科用ステープラーに完全に装填されるまでステープルスロットを覆い、位置合わせピンを軸方向位置に保持するためにカートリッジアセンブリのステープルカートリッジに着脱可能に結合されるシッピングキャップも提供される。ステープルカートリッジが外科用ステープラーに装填されると、シッピングキャップはステープルカートリッジから取り外されてもよく、それにより、位置合わせピンはアンビルアセンブリと係合するよう並進し、ステープルカートリッジとアンビルアセンブリの互いの適切な位置合わせを維持することができる。
【0030】
図1および2を参照すると、本開示の一態様による外科用ステープリング器具は、概して、外科用ステープリング器具100として示されている。外科用ステープリング器具100は、静止ハンドルまたはベース112、静止ハンドル112に対して枢動可能に固定されたトリガー部材114、および静止ハンドル112から遠位方向に延在する細長い本体部分116を有するハンドルアセンブリ110を含む。エンドエフェクタアセンブリ150は、細長い本体部分116の遠位部分に固定され、ステープルカートリッジアセンブリ160およびアンビルアセンブリ170を含む。トリガー部材114の作動に応答して、カートリッジアセンブリ160は、カートリッジアセンブリ160がアンビルアセンブリ170から離間している開位置と、カートリッジアセンブリ160がアンビルアセンブリ170に隣接して配置される完全に接近またはクランプされた位置との間で移動するように構成される。
【0031】
一対のクランプスライド部材126a、126b、およびスラストバー130は、接近ストロークおよび/または発射ストロークによるトリガー部材114の移動に応じて退避位置と前進位置との間を移動するために、細長い本体部分116内でスライド可能に支持される。各クランプスライド部材126a、126bの遠位部分は、エンドエフェクタアセンブリ150のカートリッジアセンブリ160を解放可能に受容し、支持するように構成された空洞134を一緒に画定するヘッド部分132を含む。
【0032】
ハンドルアセンブリ110の様々な態様およびエンドエフェクタアセンブリ150のステープリング機能を実行を担う機械的リンケージの詳細な説明については、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、2017年11月30日に出願された共同所有の米国特許出願公開第2018/0153544号を参照されたい。
【0033】
外科用ステープリング器具100のエンドエフェクタアセンブリ150は、細長い本体部分116の遠位端部分に結合されてそこから延在するベース部分154と、ベース部分154から遠位方向に延在するL字型のジョー部分156とを有するハウジング152を含む。エンドエフェクタアセンブリ150のハウジング152は、実質的に湾曲した、C状、またはフック形状の断面を含む。一態様では、ハウジング152は、湾曲ではなく線形でもよい。L字型のジョー部分156は、ベース部分154から離間して、それと重なり合うアンビルサポート156aと、アンビルサポート156aとベース部分154との間に延在し、それらを相互接続する細長いアーム156bとを含む。クランプスライド部材126a、126bのそれぞれのヘッド部分132およびスラストバー130のヘッド部分138は、ハウジング152を通って延在し、ベース部分154とL字型のジョー部分156のアンビルサポート156aとの間に画定されるギャップ157に受容される。
【0034】
エンドエフェクタアセンブリ150のアンビルアセンブリ170は、ハウジング152のL字型ジョー部分156のアンビルサポート156aに支持されたアンビル部材164を含み、アンビルサポート156aと同じ湾曲したプロファイルを画定する。アンビル部材164は、ギャップ157の横方向開口部159に隣接して配置された前端部分164aと、L字型ジョー部分156の細長いアーム156bに隣接して配置された後端部分164bとを有する。アンビル部材164は、アンビル部材164の前端部分164aと後端部分164bとの間に延在する組織接触面166を有する。組織接触面166は、カートリッジアセンブリ160のナイフ部材(明示的に示されていない)を受け入れるように構成された長手方向スロット163(
図1)と、アンビル部材164の後端部分164bにおける開口部168(
図9も参照)とを画定する。開口部168は、底部または後端位置合わせピン136の遠位端部分136bを受け入れるように構成される。アンビル部材164の組織接触面166は、ステープルポケット165の第1および第2のセットをさらに画定する。ステープル形成ポケット165の第1および第2のセットの位置は、カートリッジアセンブリ160のステープルカートリッジ172のステープル受容スロット171(
図7)の第1および第2のアレイの位置に対応する。
【0035】
外科用ステープリング器具100(
図1)のエンドエフェクタアセンブリ150のカートリッジアセンブリ160は、クランプスライド部材126a、126bとの間の空洞134内に解放可能に支持され、ステープルカートリッジ172およびステープルカートリッジ172に着脱可能に結合されたシッピングキャップ180を含む。ステープルカートリッジ172は、ハウジング152のベース部分154と同じ湾曲したプロファイルを有する。ステープルカートリッジ172は、前端部分172a、後端部分172b、前端部分172aから近位方向に延在する脚174、および組織接触面176を有する。組織接触面176は、ステープルカートリッジ172がハウジング152のベース部分154に組み立てられたとき、アンビル部材164の組織接触面166に面するように構成される。ステープルカートリッジ172の後端部分172bは、細長い本体部分116の長手方向軸に平行な方向に組織接触面176を通って延在するチャネル178(
図7)を画定する。
【0036】
図2~4を参照すると、位置合わせピン136は、ステープルカートリッジ172のチャネル178(
図7)を介して受容され、近位端部分136aおよび遠位端部分136bを有する。位置合わせピン136の遠位端部分136bは、ステープルカートリッジ172の組織接触面176から遠位方向に突出し、ステープルカートリッジ172がハウジング152に完全に組み立てられ、位置合わせピン136が前進位置に移動した後、アンビル部材164の開口168(
図8および9)に受容されるように構成される。位置合わせピン136の遠位端部分136bは、位置合わせピン136の円周の周りに延在する環状溝142(
図4)を画定する。
【0037】
図2~7を参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ160のシッピングキャップ180は、ステープルカートリッジ172に着脱可能に結合され、概して、カバープレート182と、カバープレート182の前端部分182aから近位方向に延在する脚184とを含む。脚184は、それぞれが湾曲した形状を有し、スナップフィット係合でステープルカートリッジ172の脚174を受容するように外向きに屈曲するように構成された1つ以上の固定フィンガー186を含む。脚184は、そこから横方向外向きに延在するタブ187を有し、これは、ステープルカートリッジ172からのシッピングキャップ180の着脱および取り外しを容易にするために、臨床医の2本の指の間で把持されるように構成される。シッピングキャップ180のカバープレート182は、ステープル形成ポケット171(
図7)を覆うために、ステープルカートリッジ172の組織接触面176上に位置決めされる。カバープレート182は、ステープルカートリッジ172のそれぞれの側壁のリブ179に着脱可能に係合するために、その反対側から近位方向に延在する一対のフック188を有してもよい。
【0038】
シッピングキャップ180のカバープレート182は、位置合わせピン136の遠位端部分136bを受容するためのノッチ190を画定する後端部分182bを有する。カバープレート182の後端部分182bは、例えば、ノッチ190内に延在し、位置合わせピン136の溝142に受容されるキャッチなどのタブ192を有する。
図8に示すように、シッピングキャップ180のタブ192は、位置合わせピン136と係合されると、位置合わせピン136を、アンビルアセンブリ170との係合から外れて、ステープルカートリッジ172に対して固定された軸方向位置に維持する。他の態様では、シッピングキャップ180は窪みを有してもよく、位置合わせピン136は、位置合わせピン136の軸方向位置を選択的に固定するためにシッピングキャップ180の窪みに受容されるタブまたは突起を有してもよい。
【0039】
図10、
図11、および
図13を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ150は、エンドエフェクタアセンブリ150のハウジング152のベース部分154内に配置されたピン位置合わせメカニズム200をさらに含む。ピン位置合わせメカニズム200は、ハウジング152のベース部分154に軸方向に固定されたシャフト202、シャフト202に支持された付勢部材204(例えば、ばね)、シャフト202にスライド可能に支持されたスライダー206、およびハウジング152のベース部分154に固定的にと固定された固定具208を含む。付勢部材204は、ピン位置合わせメカニズム200のスライダー206と固定具208との間で圧縮されて、スライダー206をシャフト202に沿って遠位方向に弾性的に付勢する。スライダー206は、シャフト204がその中を延在するシュラウド210(
図11)と、シュラウド210から延在するフランジ212とを有する。スライダー206のフランジ212は、ステープルカートリッジ172がエンドエフェクタ150のハウジング152に受容され、付勢部材204を介して、カートリッジアセンブリ160の位置合わせピン136に遠位方向に配向された弾性付勢を加えるときに、位置合わせピン136の近位端部分136aと係合される遠位方向に面したカム面214を有する。
【0040】
アセンブリにおいて、
図2を最初に参照すると、ステープルカートリッジ172および取り付けられたシッピングキャップ180は、矢印「A」で示される方向に、開口部159を介して、エンドエフェクタ150のハウジング152のギャップ157およびクランプスライド部材126a、126b間に画定される空洞134に挿入され、ステープルカートリッジ172をアンビルアセンブリ170(
図8)と間隔を置いて反対の関係に位置決めする。ステープルカートリッジ172をハウジング152に完全に挿入するために、カートリッジアセンブリ160は、
図8に示される位置から
図10に示される位置に近位方向に(例えば、アンビルアセンブリ170から離れるように)並進される。シッピングキャップ180のタブ192は、位置合わせピン136の溝142内に配置されるため、位置合わせピン136の軸方向の移動は、カートリッジアセンブリ160をハウジング152に装填する間、抵抗される。
【0041】
カートリッジアセンブリ160(ステープルカートリッジ172およびシッピングキャップ180)を
図10に示される位置の近位方向に移動させる間、位置合わせピン136の近位端部分136aは、ピン位置合わせメカニズム200のスライダー206のカム面214と係合し、開始位置または遠位位置から近位位置の方に、シャフト202に沿って付勢部材204の弾性付勢に対抗してスライダー206を移動させる。
【0042】
アセンブリプロセスを完了するために、シッピングキャップ180の突起187を、臨床医が、シッピングキャップ180のフィンガー186をステープルカートリッジ172の脚174から係合解除するのに十分な力で把持および引っ張ってもよい。次に、シッピングキャップ180は、
図9の矢印「B」によって示される方向に、ステープルカートリッジの前端部分172aに向かって、ステープルカートリッジ172に沿ってスライドされてもよい。シッピングキャップ180をステープルカートリッジ172から取り外すと、シッピングキャップ180のタブ192(
図10)は、位置合わせピン136の溝142内から取り外され、ステープルカートリッジ172内の位置合わせピン136の軸方向の移動をもはや妨げない。位置合わせピン136がシッピングキャップ180から解放されると、スライダー206を介して位置合わせピン136に加えられるピン位置合わせメカニズム200の付勢部材204の遠位方向に配向された力が、位置合わせピン136を、
図10に示される近位位置から
図12および
図13に示される遠位位置に、シャフト202に沿って移動させる。遠位位置では、位置合わせピン136の遠位端部分136bは、ステープルカートリッジ172およびアンビル部材164を互いに適切な長手方向の位置合わせに維持するために、アンビル部材164の開口部168に受容される。
【0043】
図14~20は、
図1~13のエンドエフェクタアセンブリ150と同様の別のエンドエフェクタアセンブリ250を示している。エンドエフェクタアセンブリ250は、一般に位置合わせピン236として示される位置合わせピン136の代替バージョンを有することによって、エンドエフェクタアセンブリ150とは異なる。
【0044】
エンドエフェクタアセンブリ250の位置合わせピン236は、遠位端部分236b、近位端部分236a、および近位端部分236aの周りに固定されたブッシング238を含む。ブッシング238は、摩擦係合、接着剤、または位置合わせピン236の長手方向軸に沿ったブッシング238の長手方向の移動に抵抗する任意の他の好適な締結係合材料または技術を介して、位置合わせピン236の近位端部分236aに接着されるプラスチックブッシングであり得る。
【0045】
ブッシング238と位置合わせピン236の近位端部分236aとの間の接続は、ブッシング238に加えられる遠位方向に配向された閾値力が、接続を克服して、ブッシング238の、位置合わせピン236に対するスライド可能な移動を可能にするよう設計される。ブッシング238は、スラストバー130のヘッド部分138の遠位係合面143と係合するように構成された近位方向に面したカム面240を有する。スラストバー130のヘッド部分138は、位置合わせピン236の近位端部分236aを受容するように構成された長手方向に延在するチャネル145(
図16)を画定する。
【0046】
アセンブリにおいて、
図14を最初に参照すると、ステープルカートリッジ172および取り付けられたシッピングキャップ180は、ハウジング152のギャップ157と、クランプスライド部材126a、126bのヘッド部分132の間に画定された空洞134とに挿入される。ステープルカートリッジ172をハウジング152内に移動させている間、位置合わせピン236のブッシング238の面取りされた表面240は、スラストバー130のヘッド部分138と係合して、ステープルカートリッジ172をハウジング152内に案内する。ステープルカートリッジ172がハウジング152に装填された状態で、シッピングキャップ180は、上記の方法でステープルカートリッジ172から取り外されて、位置合わせピン236をシッピングキャップ180から解放する。
【0047】
トリガー部材114(
図1)を押し下げて、スラストバー130を介してステープルカートリッジ172をアンビルアセンブリ170に向かって前進させてもよい。スラストバー130が近位位置(
図18)から遠位位置に遠位方向に移動すると、スラストバー130は、位置合わせピン236とともにブッシング240を遠位方向に並進させて、位置合わせピン236の遠位端部分236bをアンビルアセンブリ170の開口部168(
図18)に位置決めする。
【0048】
位置合わせピン236の遠位端部分236bがアンビルアセンブリ170と係合し、したがって遠位方向へのそれ以上の移動が停止された状態では、スラストバー130のさらなる前進が、ブッシング238に閾値力を加えて、ブッシング238を位置合わせピン236から解放し、それにより、位置合わせピン236に対するスラストバー130のさらなる前進が可能になる。スラストバー130がさらに前進すると(例えば、エンドエフェクタアセンブリ250のステープリング機能を実行するために)、ブッシング238は、位置合わせピン236の近位端部分236aが前進するスラストバー130のチャネル145に通される間、位置合わせピン236に沿ってスライドする。
【0049】
本明細書で開示される様々な態様は、説明および添付の図面に具体的に提示される組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わせることができることを理解されたい。本明細書に記載のプロセスまたは方法のいずれかの特定の行為または事象は、実施例に応じて異なる順序で行われてもよく、追加、併合、または完全に省略されてもよい(例えば、すべての記載された行為または事象は、本技術を実行するために必要ではない場合がある)ことも理解されたい。加えて、本開示の特定の態様は、明確にするために単一のモジュールまたはユニットによって実施されるものとして説明されているが、本開示の技法は、例えば、医療デバイスに関連するユニットまたはモジュールの組み合わせによって実施され得ることを理解されたい。