IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホルテック インターナショナルの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】核廃棄物貯蔵用無換気キャスク
(51)【国際特許分類】
   G21F 5/008 20060101AFI20240322BHJP
   G21F 5/12 20060101ALI20240322BHJP
   G21C 19/32 20060101ALI20240322BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G21F5/008
G21F5/12
G21C19/32 060
G21F9/36 501F
G21F9/36 501H
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022547241
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2021016184
(87)【国際公開番号】W WO2021158527
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】62/969,183
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520481747
【氏名又は名称】ホルテック インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】シン、クリシュナ、ピー
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-147632(JP,A)
【文献】特開平04-250398(JP,A)
【文献】特開2003-240894(JP,A)
【文献】特開2004-099425(JP,A)
【文献】特開2007-205931(JP,A)
【文献】国際公開第2017/165180(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 5/008
G21F 5/12
G21C 19/32
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非換気核廃棄物燃料貯蔵システムであって、
長手方向軸と、
内部に核燃料を貯蔵するように構成された廃燃料キャニスタと、
内側シェル、外側シェル、これらのシェル間に形成された放射線遮蔽材料を含む環状空間、ならびに前記内側シェルおよび前記外側シェルの下端に密封された底部ベースプレートを含むキャスク本体を備える外側キャスクと、
前記キャスク本体に選択的に密封可能な放射線遮蔽蓋であって、前記キャスク本体上に配置されると、前記キャニスタを受け入れる気密空洞を集合的に画定する、放射線遮蔽蓋と、
前記環状空間内の前記内側シェルと前記外側シェルの間に半径方向に延び、それらのシェルに固定して取り付けられた複数の長手方向の持ち上げリブプレートであって、各持ち上げリブプレートは、その上端に固定して取り付けられたねじ付きアンカーボスを備える、持ち上げリブプレートと、
前記キャスクに前記蓋を固定する前記アンカーボスと螺合する複数のネジ付きボルト組立体と、
を備え、前記気密空洞は、前記キャスク内で大気圧を超える圧力を保持するように動作可能な圧力容器を形成し、
前記蓋が自由浮動設計であり、前記ボルト組立体が前記蓋を前記キャスク本体に緩く取り付けるように構成されて、前記キャスク本体に対する前記蓋の制限された垂直方向の動きを可能にし、前記蓋の重量が、前記蓋を前記キャスク本体に対して密閉して前記気密空洞を形成するように作用する、システム。
【請求項2】
前記持ち上げリブプレートは、前記ベースプレートから前記キャスク本体の上端まで、前記環状空間の長手方向の高さ全体にわたって延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記持ち上げリブプレートは、前記持ち上げリブプレートの対向する長手方向縁部に沿って少なくとも前記内側シェルおよび前記外側シェルに溶接された平らなシート状の長方形構造である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記持ち上げリブプレート間に配置された複数の中間リブプレートをさらに備え、前記中間リブプレートは、前記キャスクの前記環状空間内の前記内側シェルと前記外側シェルの間に半径方向に延び、前記内側シェルと前記外側シェルに固定して取り付けられ、その全高にわたって延在する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記キャスクの外側シェルの上端に溶接された環状の上部閉鎖プレートをさらに備え、前記上部閉鎖プレートは、前記外側シェルから半径方向内側に突出し、前記持ち上げリブプレートのアンカーボスと係合するように前記ボルト組立体を受け入れる複数のファスナ穴を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記上部閉鎖プレートが、前記キャスクの内側シェルに向かって半径方向に突出するが接触しないことにより、前記キャスク本体のシェル間の環状空間を部分的に閉鎖する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ファスナ穴は、前記上部閉鎖プレートの環状の凹んだガスケット着座面を貫通して形成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ガスケット着座面に着座する圧縮可能な環状ガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記キャスクの上部閉鎖プレートと前記蓋の底部プレートとの間で圧縮される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ガスケットは、前記ボルト組立体を受け入れるように、前記上部閉鎖プレートのファスナ穴と同心円状に位置合わせされた複数のファスナ開口を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記蓋が、前記蓋の底面から下向きに延びる隆起した環状せん断リングをさらに備え、前記せん断リングが、キャスク転倒事象の場合に前記上部閉鎖プレートの周方向内縁に近接して係合可能に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記蓋は、(1)前記キャスクの前記気密空洞を密閉する前記キャスク本体と係合した下向きの密閉位置と、(2)前記ボルト組立体と係合するが、前記キャスク本体から少し離れて気密空洞を部分的に開き、それによって周囲大気へのガス過圧逃がし通路を画定する調節可能な隆起逃がし位置との間で前記ボルト組立体に沿って限られた量だけスライド可能に移動できる、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ボルト組立体の各々が、
前記キャスクの上部閉鎖プレートを介して前記持ち上げリブプレートのアンカーボスと螺合するねじ付きスタッドと、
調整可能なリミットストップであって、前記スタッドに回転可能に結合され、前記リミットストップと前記蓋の底部プレートとの間に調整可能な垂直移動ギャップを形成する、調整可能なリミットストップと、
を備え、前記蓋は、前記移動ギャップによって規定される範囲内で前記キャスク本体に対して垂直方向に移動可能である、請求項または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記リミットストップは、前記垂直移動ギャップの高さおよび前記蓋の移動範囲を変更するように、前記ねじ付きスタッドに沿って位置を調整可能なねじ付きナットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
キャスク過圧状態が発生すると、前記蓋が上昇して前記移動ギャップを閉じ、前記リミットストップを前記蓋の底部プレートと係合させて、前記蓋の上方への動きを阻止する、請求項1または1に記載のシステム。
【請求項15】
前記キャスク過圧状態が緩和すると、前記蓋が自動的に前記下向きの位置に戻り、前記キャスク本体と再係合し、前記気密空洞を再密閉する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記蓋が、上部プレートと、前記蓋の上部プレートおよび底部プレートに溶接されてコンクリートを含む放射線遮蔽材料で満たされた内部空洞を形成する円筒状の外側蓋シェルと、をさらに備える、請求項1~1のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記蓋は、十字形パターンで配置された複数の半径方向に細長い蓋持ち上げプレートをさらに備え、前記蓋持ち上げプレートは、前記コンクリートに埋め込まれ、前記蓋の上部プレートを越えて上方に突出する持ち上げラグを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記蓋は、前記上部プレートを通って前記底部プレートまで垂直に延びる複数の上向きに開いたファスナアクセス管を備え、前記ボルト組立体は前記アクセス管内に配置されアクセス可能である、請求項1または1に記載のシステム。
【請求項19】
前記蓋の底部プレートは、各アクセス管内に蓋ファスナ穴を備え、前記ボルト組立体は、前記蓋ファスナ穴および前記キャスクの上部閉鎖プレートのファスナ穴を通して受け入れられて、前記持ち上げリブプレートのアンカーボスと螺合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記アンカーボスはそれぞれ、前記ネジ付きボルト組立体と係合可能な上向きに開いたネジ付きボアを画定する円筒形本体を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
自己調整式内部圧力解放機構を備えた非換気核廃棄物燃料貯蔵圧力容器であって、
長手方向軸;
内側シェル、外側シェル、これらのシェル間に形成された放射線遮蔽材料を含む環状空間、前記内側シェルおよび前記外側シェルの底端に密封された底部ベースプレート、ならびに核廃棄燃料キャニスタを内部に収容するように構成された内部空洞を含むキャスク本体;
前記キャスク本体の上端に取り付けられた複数の上向きに開いたネジ付きアンカーボス;
前記キャスク本体の上端に移動可能に緩く連結された放射線遮蔽蓋;
前記蓋と前記キャスク本体の上端との間に周方向シールを形成する環状の圧縮性ガスケット;および
前記蓋を貫通し、前記アンカーボスと螺合する複数のボルト組立体であって、前記蓋を前記キャスク本体に緩く固定するように構成され操作可能である、複数のボルト組立体
を備え、前記蓋は、(1)前記キャスクの気密空洞を密閉する前記キャスク本体と係合した下向きのシール位置と、(2)前記ボルト組立体と係合するが、前記キャスク本体の上端から少し離れて前記気密空洞を部分的に開き、それによって周囲大気へのガス過圧逃がし通路を画定する調節可能な隆起逃がし位置との間で移動可能であり、前記キャスクは、前記空洞の内圧を大気圧より高く維持するように動作可能である、圧力容器。
【請求項22】
前記ボルト組立体の各々が、
前記キャスクの上部閉鎖プレートを介して前記持ち上げリブプレートのアンカーボスと螺合するねじ付きスタッドと、
調整可能なリミットストップであって、前記スタッドに回転可能に結合され、前記スタッドに沿って移動可能で、前記リミットストップと前記蓋の底部プレートとの間に調整可能な垂直移動ギャップを形成する、調整可能なリミットストップと、
を備え、前記蓋は、前記移動ギャップによって規定される範囲内で前記キャスク本体に対して垂直方向に移動可能である、請求項21に記載の圧力容器。
【請求項23】
キャスク過圧状態が発生すると、前記蓋が上昇して前記移動ギャップを閉じ、前記リミットストップを前記蓋の底部プレートと係合させて前記蓋の上方への動きを阻止する、請求項2に記載の圧力容器。
【請求項24】
前記キャスクの過圧状態が緩和すると、前記蓋が自動的に前記下向きの位置に戻り、前記キャスク本体と再係合し、前記気密空洞を再密閉する、請求項2に記載の圧力容器。
【請求項25】
前記キャスクの内圧が、前記蓋の重量を超える上向きの力を前記蓋に生じさせるとき、前記蓋が上昇した解放位置まで上昇する、請求項2~2のいずれか一項に記載の圧力容器。
【請求項26】
非換気核廃棄物貯蔵システムを内部過圧から保護する方法であって、
密閉可能な内部空洞と複数のねじ付きアンカーボスを含む非換気キャスクを提供すること、
高レベル核廃棄物を含むキャニスタを前記空洞に降ろすことと、
放射線遮蔽蓋を前記キャスクに配置することであって、前記蓋は、前記キャスクと係合した下向きの密閉位置にあって、大気圧を超える圧力を保持するために前記空洞を気密にする、放射線遮蔽蓋をキャスクに配置することと、
前記蓋に形成された複数のファスナ穴を前記アンカーボスと位置合わせすることと、
ねじ付きスタッドを、前記蓋のファスナ穴を通して各アンカーボスと螺合させることと、
ねじ付きリミットストップを前記ねじ付きスタッドのそれぞれと回転可能に係合させることと、
前記蓋と前記リミットストップとの間に垂直移動ギャップが形成されるように、前記リミットストップを前記スタッド上に配置することと、
を含み、キャスクの過圧状態の間、前記蓋は前記スタッドに沿って前記キャスクから少し離れた解放位置へ上方にスライド可能に移動して、過剰な圧力を大気に放出する、方法。
【請求項27】
前記キャスクの過圧状態が緩和すると、前記蓋が自動的に前記下向きの密閉位置に戻り、前記キャスク本体と再係合し、前記空洞を再シールする、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
前記キャスク上に前記蓋を配置した後、前記キャスクの空洞から空気を送り出して、前記空洞内を大気圧よりも低い圧力にすることをさらに含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記キャスクの空洞に不活性ガスを充填することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月3日に出願された米国仮出願第62/969,183号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、使用済み核燃料または使用済み核燃料(SNF)などの高レベル放射性核廃棄物を貯蔵するためのシステムおよび容器に関し、より詳細には、核廃棄物を貯蔵するための改良された無換気貯蔵キャスクシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
原子炉の運転において、核エネルギー源は、濃縮ウランで満たされた中空のジルカロイ管の形態であり、燃料集合体と呼ばれる複数の集合体にまとめて配置されている。燃料集合体のエネルギーが所定のレベルまで枯渇すると、使用済みまたは「使用済み」の核燃料(SNF)集合体が原子炉から取り出される。軽水炉から排出された使用済みまたは使用済みの燃料集合体を、オフサイトの輸送またはオンサイトの乾式貯蔵のために梱包するために使用される標準的な構造は、燃料バスケットとして知られている。燃料バスケットは基本的に角柱状の貯蔵セルの集合体であり、それぞれが複数の個々の使用済み核燃料棒を含む1つの燃料集合体を貯蔵するサイズになっている。
【0004】
燃料バスケットは、多目的キャニスタ(MPC)と呼ばれることが多い円筒形の金属製核廃棄物燃料キャニスタの内部に配置される。そのようなMPCは、ニュージャージー州カムデンのホルテックインターナショナルから入手可能である。燃料集合体は通常、原子炉格納構造の使用済み燃料プールに沈められた状態でキャニスタに装填され、人員の放射線被ばくを最小限に抑える。
【0005】
このような燃料貯蔵MPCの本質的な属性は、その内容物に安全な放射線閉じ込めを提供するように設計および製造され、USNRC規制ガイダンス文書で定義されている「漏れ止め」(粒子状およびガス状の放射線物質に対して)の基準を満たすことである。しかし、そのような廃棄物パッケージは、中性子やその内容物から放射されるガンマ線に対して自律的に保護することはできない。したがって、MPCは、環境への放射線の放出をできるだけ少なくできるように、放射線を厳重に遮蔽した外側キャスクに保管する必要がある。貯蔵キャスクは、崩壊する燃料集合体によって MPCの内部で生成される崩壊熱を周囲環境に伝達し、放散することもできなければならない。したがって、効果的な熱除去と効果的な放射の削減は、貯蔵キャスクの2つの機能であり、業界では「オーバーパック」または「貯蔵モジュール」とも呼ばれる。
【0006】
装填されたキャニスタを保管するために使用される貯蔵キャスクは、歴史的に換気キャスクの形をしており、周囲の換気空気がキャスクの底部付近に入り、上部付近から排出され、キャニスタから放出された熱を対流的に除去する。換気キャスク設計は、総熱負荷が50 kWにもなる放射性廃棄物燃料キャニスタの保管に広く使用されている。ただし、このような換気されたキャスクは、塩分を含んだ周囲の換気空気がキャニスタのオーステナイト系ステンレス鋼の閉じ込め境界で応力腐食割れ(SCC)を誘発する可能性がある海洋環境で1つの潜在的な脆弱性に悩まされている。SCCは、核燃料貯蔵業界で遭遇した十分に文書化された問題である。換気されたオーバーパックも定期的に監視して、キャスクからの熱除去を減少させるベント通路が塞がれていないことを確認する必要がある。
【0007】
したがって、必要な熱放散および放射線遮断機能を提供するが、キャスク内の廃棄物燃料キャニスタの外面で応力腐食割れを開始するリスクを排除する改良された核廃棄物貯蔵キャスクが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本出願は、内部に収容された核廃棄物燃料キャニスタから放出される崩壊熱を効果的に除去する熱放散システムを備えた放射線遮蔽非換気(unventilated)核廃棄物貯蔵キャスクを開示する。一実施形態では、キャスクは、内側シェル、外側シェル、およびシェル間に接続された複数の半径方向リブプレートを含み、熱をキャニスタから離れてキャスクの壁を通して周囲環境に運ぶ。外側シェルは、周囲の気流による対流と放射効果によって冷却される。シェルとその中のリブプレートとの間の環に放射線遮蔽が設けられる。本明細書でさらに説明するように、リブプレートは、キャスクをさらに構造的に補強し、キャスクを持ち上げる役割を果たす。
【0009】
上述の典型的な通気貯蔵キャスクとは対照的に、本発明の非通気貯蔵キャスクは、気密に密封されて大気圧を超える圧力を含むように構成された圧力保持容器を形成する。廃棄燃料キャニスタが保管されている非換気貯蔵キャスクの密閉された内部空洞と交換される周囲空気がないため、キャニスタの応力腐食割れ (SCC) が発生するリスクが効果的に軽減される。非換気貯蔵キャスクはまた、圧力容器クラスのキャスク内の過度の圧力の蓄積を緩和するための圧力解放機構を含む安全機能を含む。余分な圧力は、非換気キャスクとその中の廃燃料キャニスタの構造的完全性を保護する独自の浮動蓋とキャスクのインターフェース設計によって安全に大気に解放される。過圧状態が緩和すると、蓋が自動的にキャスク空洞を再密閉する。
【0010】
その設計構成が示すように、非換気貯蔵キャスクは、換気(ventilated)対応物と比較して、熱負荷容量がかなり減少している。本発明の非換気貯蔵システムで利用可能な唯一の熱除去経路は、キャスクのシェルを介した伝導と、キャスクの外面から周囲への自然対流/放射によるものであるため、オーバーパック内の環状ガスは高温になる。空気を加熱すると相対湿度が低下し、廃燃料キャニスタのオーステナイト系ステンレス鋼の閉じ込め境界に応力腐食割れ(SCC)を誘発するには高湿度が必要(ただし十分ではない)であるため、長期保管条件下でのSCCの発生を防止するのに、キャスクの内部空洞内でキャニスタの周囲の空気の温度を上昇させることが役立つ。好ましい代替案は、キャニスタを取り囲むキャスクの環状領域内の空気を、限定されないが窒素またはアルゴンなどの非反応性ガスで置換することである。本設計の長期乾式貯蔵キャスクにおけるSCCの防止は、本発明の非換気核廃棄物燃料貯蔵システムの1つの目的である。
【0011】
SCCが核廃棄物燃料貯蔵環境における主要な脅威でない場合、不活性ガスでの痴漢のためにキャスクから周囲空気をパージする必要はない。このような場合、非換気貯蔵キャスクの密閉された空洞内の空気圧は、おおよそ完全気体の法則に従って温度が上昇する。米国NRC(原子力規制委員会)が想定する事故シナリオ(キャスクの設計基準火災事故など)で、乾式キャスク廃棄物燃料貯蔵システムを設計する必要がある場合に圧力を逃がすために、キャスク閉鎖蓋ボルト組立体は、ボルトからの摩擦干渉なしに蓋をスライド可能に持ち上げることができるように、少量の垂直方向のギャップをもって設置されて、豊富な事前設定された垂直方向の移動クリアランスまたはギャップをもってキャスク本体に対して蓋を緩く取り付ける。キャスク内の空気圧が、蓋をわずかでも持ち上げられるほど高い場合、一部の空気が逃げて、キャスク内の圧力を下げ、通常の動作圧力に戻る。したがって、キャスクは、本明細書でさらに説明するように、制御されない過圧を不可能にする自己調整および自己緩和装置である。いくつかの実施形態では、キャスクの内部設計圧力は、キャスク閉鎖蓋の重量を平衡化する圧力の約200%に等しく設定されてもよい。
【0012】
一態様では、非換気核廃棄物燃料貯蔵システムは、長手方向軸と、内部に核燃料を貯蔵するように構成された廃燃料キャニスタと、内側シェル、外側シェル、これらのシェル間に形成された放射線遮蔽材料を含む環状空間、および前記シェルの下端に密封された底部ベースプレートを含むキャスク本体を備える外側キャスクと、前記キャスク本体に選択的に密封可能な放射線遮蔽蓋であって、前記キャスク本体上に配置されると、前記キャニスタを受け入れる気密空洞を集合的に画定する、放射線遮蔽蓋と、前記環状空間内の前記内側シェルと前記外側シェルの間に半径方向に延び、それらのシェルに固定して取り付けられた複数の長手方向の持ち上げリブプレートであって、各持ち上げリブプレートは、その上端に固定して取り付けられたねじ付きアンカーボスを備える、持ち上げリブプレートと、前記キャスクに前記蓋を固定する前記アンカーボスと螺合する複数のネジ付きボルト組立体と、を備え、前記気密空洞は、前記キャスク内で大気圧を超える圧力を保持するように動作可能な圧力容器を形成する。
【0013】
別の態様によれば、自己調整式内部圧力解放機構を備えた非換気核廃棄物燃料貯蔵圧力容器は、長手方向軸;内側シェル、外側シェル、これらのシェル間に形成された放射線遮蔽材料を含む環状空間、前記シェルの底端に密封された底部ベースプレート、および核廃棄燃料キャニスタを内部に収容するように構成された内部空洞を含むキャスク本体;前記キャスク本体の上端に取り付けられた複数の上向きに開いたネジ付きアンカーボス;前記キャスク本体の上端に移動可能に緩く連結された放射線遮蔽蓋と、前記蓋と前記キャスク本体の上端との間に周方向シールを形成する環状の圧縮性ガスケット;および前記蓋を貫通し、前記アンカーボスと螺合する複数のボルト組立体であって、前記蓋を前記キャスク本体に緩く固定するように構成され操作可能である、複数のボルト組立体を備え、前記蓋は、(1)前記キャスクの気密空洞を密閉する前記キャスク本体と係合した下向きのシール位置と、(2)前記ボルト組立体と係合するが、前記キャスク本体の上端から少し離れて前記気密空洞を部分的に開き、それによって周囲大気へのガス過圧逃がし通路を画定する調節可能な隆起逃がし位置との間で移動可能であり、前記キャスクは、前記空洞の内圧を大気圧より高く維持するように動作可能である。
【0014】
別の態様によれば、非換気核廃棄物貯蔵システムを内部過圧から保護する方法は、密閉可能な内部空洞と複数のねじ付きアンカーボスを含む非換気キャスクを提供すること、高レベル核廃棄物を含むキャニスタを前記空洞に降ろすことと、放射線遮蔽蓋を前記キャスクに配置することであって、前記蓋は、前記キャスクと係合した下向きの密閉位置にあって、大気圧を超える圧力を保持するために前記空洞を気密にする、放射線遮蔽蓋をキャスクに配置することと、前記蓋に形成された複数のファスナ穴を前記アンカーボスと位置合わせすることと、ねじ付きスタッドを、前記蓋のファスナ穴を通して各アンカーボスと螺合させることと、ねじ付きリミットストップを前記ねじ付きスタッドのそれぞれと回転可能に係合させることと、前記蓋と前記リミットストップとの間に垂直移動ギャップが形成されるように、前記リミットストップを前記スタッド上に配置することと、を含み、キャスクの過圧状態の間、前記蓋は前記スタッドに沿って前記キャスクから少し離れた解放位置へ上方にスライド可能に移動して、過剰な圧力を大気に放出する。
【0015】
本発明の適用可能性のさらなる領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0017】
図1】本開示による核廃棄物燃料貯蔵用の非換気キャスクの形態の圧力容器の斜視図である。
【0018】
図2A】その部分断面図である。
【0019】
図2B図2Aから取られた拡大詳細図である。
【0020】
図3】キャスクの上面図である。
【0021】
図4図3から取ったキャスクの長手方向断面図である。
【0022】
図5A】閉鎖蓋対キャスクのインターフェース、および蓋をキャスクに自由浮遊式に固定するための取り付けの詳細を示す拡大詳細図であり、蓋は下向きの密閉位置で示されている。
【0023】
図5B図5Aと同様の図であるが、蓋がキャスクから離れた上昇した圧力解放位置にあることを示している。
【0024】
図5C図5Aと同様の図であるが、蓋ボルト組立体の1つを分解図で示している。
【0025】
図6図3から取ったキャスクの長手方向断面図である。
【0026】
図7】キャスク閉鎖蓋の部分断面図である。
【0027】
図8図7の拡大詳細図である。
【0028】
図9】蓋の横断面図である。
【0029】
図10】キャスクの分解斜視図である。
【0030】
図11】キャスクの側面図である。
【0031】
図12】キャスク閉鎖蓋の一部を分解図で示す側面図である。
【0032】
図13】キャスクの内部空洞内に配置された核廃棄物燃料キャニスタを示すキャスクの部分長手方向断面図である。
【0033】
図14】蓋ボルト組立体と共に使用するように構成されたキャスクの持ち上げリブプレートの1つの斜視図である。
【0034】
図15】キャスクの蓋および上部の底面分解斜視図である。と
【0035】
図16】キャスクの蓋および上部の上面分解斜視図である。
【0036】
図面はすべて概略的であり、必ずしも縮尺通りではない。特定の図では番号が付けられていて、他の図では番号が付けられていないように見える特徴は、本明細書で特に断りのない限り、同じ特徴である。同じ整数を共有するが異なるアルファベット接尾辞を有する関連する図を含む整数による図への本明細書における一般的な参照は、特に断りのない限り、それらの図のすべてへの参照として解釈されるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の特徴および利点は、非限定的な例示的(「例」)の実施形態を参照することによって、本明細書で例示および説明される。例示的な実施形態のこの説明は、添付の図面に関連して読まれることを意図しており、これらの図面は、記述された説明全体の一部と見なされるべきである。したがって、本開示は、単独で、または他の特徴の組み合わせで存在し得るいくつかの可能な特徴の非限定的な組み合わせを示す例示的な実施形態に明確に限定されるべきではない。
【0038】
本明細書に開示される実施形態の説明において、方向または配向への言及は単に説明の便宜を意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。「下の」、「上の」、「水平方向」、「垂直方向」、「上」、「下」、「上へ」、「下へ」、「上部」、「下部」などの相対的な用語、およびその派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」など)は、そのとき説明されている、または議論中の図面に示されている向きを指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜のためだけのものであり、装置が特定の向きで構築または操作されることを必要としない。「取り付けられた」、「付着された」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」などの用語は、特に明記されてない限り、構造物が介在する構造物を介して直接的または間接的に互いに固定または取り付けられている関係や、可動または固定の付属品または関係を指す。
【0039】
全体を通して使用されるように、本明細書に開示される任意の範囲は、範囲内にあるすべての値を記述するための略記として使用される。範囲内の任意の値を範囲の終点として選択できる。さらに、本明細書で引用された参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示における定義と引用文献の定義に矛盾がある場合、本開示が優先する。
【0040】
本明細書で使用される場合がある「シール溶接または溶接」という用語は、当技術分野におけるその従来の意味に従って、溶接によって接合された部品間に気密密閉接合を形成する連続溶接であると解釈されるべきである。本明細書で使用される場合がある「密封された」という用語は、気密シールを意味すると解釈されるものとする。
【0041】
図1~16は、自動調整式圧力解放機構および一体型熱放散システムを備えた非換気核燃料貯蔵圧力容器を備える核燃料貯蔵システムの様々な態様を示す。一実施形態における核燃料貯蔵システムは、概して、外側の非換気貯蔵キャスク100の形態の圧力容器と、キャスク内に貯蔵するように構成された高レベル放射性核廃棄物(例えば、SNF)キャニスタ120とを備える。次に、各貯蔵容器の特徴およびその他の特徴についてさらに説明する。
【0042】
キャニスタ120は、使用済み核燃料(SNF)または原子炉から除去された他の形態の放射性廃棄物を含むがこれらに限定されない、任意のタイプの高レベル放射性核廃棄物を保管するために使用することができる。SNFまたは略して単に燃料キャニスタは、ニュージャージー州カムデンのホルテックインターナショナルから入手可能な多目的キャニスタ(MPC)などの市販の核廃棄物燃料キャニスタであり得る。
【0043】
一時的に図13を参照すると、廃燃料キャニスタ120は、円筒状シェル121からなる垂直に細長い金属製の本体を有する。キャニスタ120は、シェルの底端に溶接された底部ベースプレート122と、取り付けられた蓋125によって閉じられた開口上部とをさらに含む。蓋125は、キャニスタシェル121の上端126にシール溶接されて、キャニスタの内側に密閉された空洞127を形成することができる。前述のキャニスタ部品は、例えば限定しないが、好ましくは腐食保護用のステンレス鋼を含む鋼など、任意の適切な金属で形成することができる。
【0044】
燃料バスケット123は、キャニスタ120の空洞127内に配置され、図示のように底部プレート122上に着座する。いくつかの実施形態では、燃料バスケットは、安定性のためにベースプレートに溶接されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースプレート122は、図示のように、燃料バスケットの全周にわたって燃料バスケット123の側面を越えて横方向外向きに延在することができる。
【0045】
燃料バスケット123は、複数の垂直方向に長手方向に延びる燃料集合体貯蔵セル124を形成する垂直方向に延びる開口部のアレイを含むハニカム角柱構造である。各セルは、多数の使用済み核燃料棒(またはその他の核廃棄物)を含む単一のアメリカスタイルの燃料集合体を保持できる断面積および形状で構成される。従来の直線的な断面形状を有するこのタイプの燃料集合体の例が、参照によって本明細書に組み込まれる2020年12月23日に出願された米国特許出願第17/132,102号の図14に示されている。このような燃料集合体および前述の燃料バスケット構造は、業界ではよく知られている。燃料バスケットは、様々な実施形態において、垂直に積み重ねられた層で選択された高さまで構築された、連結され、かつ直交して配置された複数のスロット付きプレートによって形成され得る。複数の垂直に延びる管または他の構造をキャニスタのベースプレートに接合することによるなど、燃料バスケットの他の構造を使用することができ、当技術分野で使用される他のものを使用することができる。燃料バスケットの構造は、本発明を限定するものではない。
【0046】
引き続き図1~16を参照すると、一実施形態における非換気貯蔵キャスク100は、本体の垂直中心線および幾何学的中心を通る垂直長手方向軸LAを画定する、垂直に細長い金属製円筒形本体100aを備える二重壁圧力容器である。キャスク本体は、外側シェル101、外側シェル101と、外側シェル101から半径方向内側に離間し、シェル間に環状空間106を画定する内側シェル102と、シェルの下端に結合された円形底部プレート103と、シェルの上端に連結された環状上部閉鎖プレート104を含む環状構造である。シェルは互いに同軸に配置されている。ベースプレート103は、好ましくはシール溶接を介してシェルの上端および下端に固定して取り付けられ、キャスク本体の密閉底シールを形成することができる。したがって、底部ベースプレート103をシェル101、102に永久的に接合するために、連続周方向シール溶接を使用することが好ましい。
【0047】
上部閉鎖プレート104の周方向外縁104bは、キャスク100の外側シェル101の上端に溶接されてもよい。上部閉鎖プレートは、外側シェルから半径方向内側に突出する半径方向に広がったリング状プレート構造を有する。一実施形態では、示されるように、上部閉鎖プレート104は、キャスク100の内側シェル102に向かって半径方向内側に突出するが、キャスク100の内側シェル102と接触または係合せず、キャスク本体のシェル間の上部の環状空間106を部分的に閉鎖する。この構成は、本明細書でさらに説明するように、内部キャスク過圧状態の場合にキャスクから過剰圧力を迅速に解放するための圧力解放/緩和通路のための追加のスペースを提供する。
【0048】
図10および15~16を参照すると、キャスク100の上部閉鎖プレート104は複数のファスナ穴109を含み、これらのファスナ穴109はボルト組立体140を通して収容して、キャスク本体100aの上端に固定して取り付けられた周方向に離間したアンカーボス165と螺合する。これについては、後述する。ファスナ穴109は、適切な直径のボルト円に沿って周方向に間隔をあけて配置される。一実施形態では、ファスナ穴109は円形であり、上部閉鎖プレート104の内側環状部分に形成された環状の凹んだガスケット着座面110を貫通して形成されてもよい。上部閉鎖プレートの隆起した外側環状部分113は、図示のように開口部なしで平らであってもよい。周方向に間隔を置いて配置された円形ファスナ開口部112を含む圧縮可能な環状ガスケット111が、ガスケット着座面110上に受け入れられる。その上に取り付けられると、ファスナ開口112は、キャスク上部閉鎖リング104のファスナ穴109と同心的に整列可能である。ガスケット111は、蓋150とキャスク本体100aの上部閉鎖プレート104との間に周囲気密シールを形成する。意図した使用条件(例えば、温度、圧力、環境など)に適した任意の適切な天然または人工の圧縮性材料(例えば、エラストマー、ゴムなど)材料を使用することができる。
【0049】
キャスク本体100aは、底部のベースプレート103から外側および内側シェル101、102の上端までキャスクの全高にわたって長手方向に延びる内部空洞105を画定する。いくつかの実施形態では、空洞105は、この技術の通常慣行でもあるように、単一の燃料キャニスタ120のみを保持するための寸法および断面積で構成される。空洞105は、蓋150がキャスク本体100aに取り付けられると気密封止されて大気圧を超える圧力まで加圧され、それによってキャスク100をASMEコードの目的のための圧力容器として分類する。キャスクの圧力保持境界の応力場は、ASMEボイラーおよび圧力容器コードのセクションIIIサブセクションNDの制限に適合し得る。
【0050】
キャスク100は、核廃棄物燃料キャニスタ120によって放出されるガンマ線および中性子線をキャスクの外側の安全なレベルまで改善するように動作可能な重放射線遮蔽核廃棄物燃料貯蔵圧力容器である。したがって、外側シェル101と内側シェル102との間に形成される環状空間106は、適切な放射線遮蔽材料107で満たされる。いくつかの実施形態では、遮蔽材料110は、プレーンコンクリートまたは補強コンクリートを含み得る。230ポンド/立方フィート以下のコンクリート密度を使用できる。しかしながら、限定されないが、鉛、ホウ素含有材料、またはこれらの組み合わせ、および/または、キャスク100に装填されると、キャニスタ120に格納された核廃棄物(例えば、燃料集合体)によって放射されるガンマ線および中性子線を遮断および/または弱化させるのに効果的な他の材料を含む、他のまたは追加の遮蔽材料およびその組み合わせを使用し得る。必要な程度の遮蔽を提供するために、遮蔽材料の任意の適切なタイプ、厚さ、および配置を使用することができる。
【0051】
キャスク100の外側および内側シェル部材101、102は、例えば、限定されないが塗装鋼などの適切な金属で形成されてもよい。同様に、上部閉鎖プレート104および底部ベースプレート103は、溶接適合性および強度のために同じ金属から形成され得る。
【0052】
一実施形態では、キャニスタ120を支持するために、内部空洞105の内側でベースプレート103(例えば、図2を参照)の上面に複数のスチール製キャニスタ横断支持体115を溶接することができる。横断支持体115は、図示のように交差するXパターン(十字形)に配置することができる。しかしながら、支持体の他の適切な配置が提供されてもよい。特定の実施形態では、周方向に離間した複数の金属製耐震管116を、空洞105内の内側シェル102の内面に溶接することができる。管は、キャニスタ120を中心に保ち、地震事象の発生中の半径方向/横方向の動きを低減する。キャニスタ120の上部および底部を拘束するために、キャスク空洞105の上部および下部の両方に拘束管116のグループを設けることができる。
【0053】
垂直通気オーバーパックまたはキャスクとは対照的に、本非通気キャスク100は、キャスクの内部空洞105を通る周囲冷却空気の交換を可能にして自然の熱サイフォン対流気流によってキャニスタを冷却することを可能にする設備を有していないことに留意すべきである。本明細書で前述したように、そのような換気キャスクの設計は、腐食性の大気環境および条件でキャスク内のステンレス鋼キャニスタに使用済み核燃料(SNF)を貯蔵するのに適していない可能性がある。多くのSNFキャニスタはオーステナイト系ステンレス鋼でできており、キャニスタの製造による残留引張表面応力が存在する湿気のある腐食環境では、応力腐食割れ(SCC)の影響を受けやすくなっている。沿岸環境では、空中浮遊塩の存在により、特にステンレス鋼のSNFキャニスタが塩化物誘発SCCの影響を受けやすくなる可能性がある。
【0054】
本発明の非換気キャスク100の内部空洞105は気密であり、圧力容器を形成するので、キャスク内の密閉貯蔵環境内でキャニスタを冷却するために放熱機構が必要である。さらに、100トンを容易に超える重いコンクリートを積んだキャスク本体を考慮して、電動キャスククローラーでキャスクを安全に持ち上げて輸送できるようにするために、キャスクの骨格鋼構造のさらなる構造強化が望まれる。
【0055】
キャスクに付加的な構造強度と、キャスク100内の核廃棄物燃料キャニスタ100を冷却するための熱伝達機構との両方を提供するために、キャスクは、長手方向に延びる複数のリブプレート160を含むことができる。図14は、リッド取り付けボス165を含むリブプレート160aの一形態を分離してより詳細に示す。プレーンリブプレートは、以下でさらに説明するように、取り付けボスを除いた同様の構造を有する。
【0056】
引き続き図1図16を参照すると、長手方向リブプレート160は、内側シェル102と外側シェル101との間のキャスク100の環状空間106の内側に配置された平らなシート状の長方形構造である。リブプレートは周方向に離間し、プレートの対向する長手方向縁部161に沿って少なくとも内側シェル102および外側シェル101に溶接される。一実施形態では、長手方向に連続したフィレット(fillet)溶接を使用することができ、これは、リブプレートの全高に沿ってシェル接合部まで延在する。リブプレート160は、上縁162、下縁163、および対向する平らで平行した主表面164をさらに含む。リブプレートは、内側シェル102と外側シェル101との間で半径方向に延在し、いくつかの実施形態では、直径方向に対向する一対のプレートとして配置され得る(例えば、図9を参照)。リブプレート160は、ベースプレート103から上部閉鎖プレート104の底面におけるキャスク本体の上端まで、キャスクの環状空間106の完全な長手方向の高さにわたって延在する(例えば、図2A~B、4および5Aを参照)。特定の実施形態では、リブプレート160は、上縁162および下縁163でベースプレート103および/または上部閉鎖プレート104に溶接されて、キャスク骨格構造をさらに強化することができる。環状空間106内のリブプレート160間に形成された周方向ギャップは、限定されないがコンクリートなどの放射線遮蔽材料107で充填される。
【0057】
リブプレート160はそれぞれ、内側シェル102と外側シェル101との間の伝導性熱伝達経路を提供することに留意すべきである。内側シェル102の内面は、廃燃料キャニスタ120に直接さらされることによって加熱される。外側シェル101を加熱するために伝導によってリブプレート160を通って半径方向外側に移動し、外側シェル101は熱くなり、対流冷却および放射によって大気に熱を放散する。
【0058】
リブプレート160のいくつかは、キャスク100を持ち上げる際に使用される荷重伝達部材として機能するように構成されている。したがって、持ち上げ(lifting)リブプレート160aはそれぞれ、その上端に固定して取り付けられたねじ付きアンカーボス165を備える(例えば、図14を参照)。アンカーボス165は、それぞれの取り付けボルト組立体140にねじ込み可能に係合するように配置された上向きに開いたねじ穴166を画定する円筒形本体を備える。図示のように、一部の実施形態では、取り付けボスの頂部は持ち上げリブプレートの上縁162と面一であり、リブプレートの高さを最大にすることができ、ひいてはその熱伝達容量を最大にする。複数の持ち上げリブプレート160aが好ましくは提供され、キャスク本体の上端の周りで周方向に間隔を置いて配置される。非限定的な図示の実施形態では、4つの持ち上げリブプレート160aが、図示のようにキャスク本体の周りに90度離間して設けられる(例えば、図9を参照)。ただし、キャスクの他の実装では、より多くのまたは少数の数が提供される場合がある。持ち上げリブプレート160aは、蓋150との負荷伝達インターフェースを提供する。
【0059】
蓋150は、円形の上部プレート151、反対側の円形の底部プレート152、および蓋の上部プレートおよび底部プレートに溶接されて内部空洞154を形成する円筒状の外側の蓋シェル153を含む外側の金属ケーシング(例えば鋼)を有する放射線遮蔽構造である。空洞154は放射線遮蔽材料107で満たされ、これはいくつかの実施形態ではコンクリートを含み得る。キャスク放射線遮蔽に関して本明細書で前述したように、様々な他の遮蔽材料およびそれらの組み合わせを使用することができる。
【0060】
蓋150は、複数の半径方向/横方向に細長い蓋持ち上げプレート155をさらに含み、これらは、蓋の中心で交差する直交十字形パターンで配置され得る(例えば、図10、15、および16を参照)。持ち上げプレートは、コンクリート充填物に埋め込まれ、上部プレート151を越えて上方に突出する持ち上げラグ156を備える。持ち上げラグ156は、非換気貯蔵キャスク100を上昇、下降、および輸送するためのオーバーヘッドホイストまたはクレーンに装備するための穴を有するように構成される。したがって、持ち上げプレート155は、上部プレート151、底部プレート152、および/または外側シェル153に溶接されて、一般に100トンを超える重さのキャスク100を取り扱うことができる蓋150のための剛性の骨格フレームを提供することができる。
【0061】
重要なことは、持ち上げプレート155および前述の溶接蓋構造が、キャスク空洞105内のキャニスタ120によって放出された熱を蓋を通して周囲環境に放散する熱伝達機構としてさらに機能することである。熱伝達をさらに高めるために、持ち上げプレートは、キャスク空洞105に直接露出するために、蓋150の底部プレート152を貫通することができる(例えば、図15を参照)。持ち上げプレートは、この目的のために示されているように、いくつかの実施形態では底蓋プレートの底面の下に下向きに突出してもよく、キャスクの輸送中または地震事象のいずれかの垂直方向の動きに対してキャスク内のキャニスタ120を垂直方向に安定させる。
【0062】
燃料バスケット123を介して廃棄燃料キャニスタ120(例えば、MPC)内で生じる熱サイフォン効果により、図13に見られるキャニスタの上蓋125は、キャニスタの外面で最も高温の部分である。内部の崩壊する使用済み燃料集合体によって放出される熱によって加熱された高温のキャニスタは、直接放射および対流によって、キャニスタの真上および上部に近接するキャスクの閉鎖蓋150の底部プレート152に熱を放出する。したがって、蓋持ち上げプレート155と、それらが周囲環境に直接さらされる蓋の底部プレート152と上部プレート151との間に提供する物理的接続は、キャニスタを冷却するためのキャスクの熱性能にとって重要である。人員の安全の観点から、キャスクの最も高温の表面(すなわち蓋150)を(監視要員の手の届かないところにある)キャスクの最上部に配置することは、核廃棄物燃料貯蔵システムの有利な操作上の特徴である。
【0063】
具体的に図5Bおよび16を参照すると、蓋150の底部プレート152は、キャスク上部閉鎖プレート104のファスナ穴109および持ち上げリブプレート160aのねじ付きボス165と同心に整列するように配置された複数の周方向(circumference)蓋ファスナ穴157を備える。各蓋ファスナ穴157は、底部プレート152に溶接されたそれぞれのアクセス管159を通してアクセス可能である。アクセス管159は、蓋の上部プレート151を通過して上向きに突出し、好ましくは、図示のように上部プレートを越えて突き出て、溜り水が蓋の上面から管に侵入することを防ぐ。アクセス管は鋼、好ましくはステンレス鋼で形成され、ボルト組立体140(例えば、ねじ付きスタッド141)に沿った浮動蓋の摺動運動に悪影響を及ぼし得る腐食および錆の蓄積を防止する。いくつかの実施形態では、管159は、上部プレート51にさらに溶接される。アクセス管159は、蓋150内のコンクリート放射線遮蔽材料に埋め込まれている(例えば、図5Aおよび16を参照)。
【0064】
下部閉鎖プレートが腐食して錆びる可能性のある鋼で形成されるキャスク蓋構造の場合、ボルト締め組立体アクセス管159と同様にステンレス鋼で形成される環状穴インサートプレート158を任意に使用することができる。ホールインサートプレートは、蓋の底部プレートにその周囲の一部または全体を溶接して、蓋の内部への圧力の通過を排除する。この場合の蓋150のファスナ穴157は、ホールインサートプレートによって形成される。しかし、他の実施形態では、インサートプレート158を省略し、ファスナ穴157をアクセス管159内の蓋底部プレート152に直接形成することができる。いずれの構造を使用してもよい。アクセス管159、ホールインサートプレート158、および好ましくはボルト締結組立体140の構成要素を構成するためのステンレス鋼の使用は、キャスクの過圧状態中にボルト組立体に沿った浮動蓋150の滑らかな摺動運動を妨げる可能性がある錆の形成を軽減する。キャスク100の内部空洞107から蓋150を通して放散された熱が最終的に水を蒸発させるまで、雨水はアクセス管159の内部に蓄積する傾向があるので、これは露出である。
【0065】
図5A~Cおよび15~16を参照すると、ねじ付きボルト組立体140はそれぞれ、キャスク100の上部閉鎖プレート104を介して持ち上げリブプレート160のアンカーボス165(すなわち、ねじ付きボア166)と螺合可能な円筒状のねじ付きスタッド141と、スタッドに回転可能に連結されて上向き/下向きに位置決めされる雌ねじ付きの調節可能なリミットストップ142、およびオプションとして、スタッドを収容するワッシャ143と、を含む。一実施形態では、リミットストップ142は、ネジ付きスタッドに沿って位置を調整可能なネジ付き六角ナットであり、リミットストップと蓋150の底部プレート152との間に形成される設置者が調整可能な垂直移動ギャップGの高さを変更することができる。オプションのワッシャ143が設けられると、ワッシャの頂部と蓋底部プレートの底面との間に移動(travel)ギャップGが形成される。移動ギャップGは、スタッド141に沿った蓋の垂直移動の範囲を画定する。いくつかの実施形態では、移動ギャップGは、約3/8インチ以上であり得る。蓋を上げたときの蓋とキャスク本体とのわずかな隙間でも、キャスクから過剰な内圧を逃がす効果がある。したがって、蓋150は、移動ギャップによって規定される範囲内でキャスク本体に対して垂直方向に移動可能である。前述のボルト組立部品(スタッド、リミットストップ、およびワッシャ)は、好ましくはステンレス鋼で形成され、キャスクの過圧状態で上昇する際に蓋がスタッドに沿って自由にスライドするのを阻害する可能性があるねじ付きスタッド141上の腐食および錆の形成を防止する。
【0066】
自己調整式キャスクの過圧緩和システムを提供するために、放射線遮蔽蓋150は、ボルト組立体140によって気密封止可能な方法でキャスク100の上端に移動可能に結合される自由浮動設計である。したがって、ボルト組立体140は、キャスク本体に蓋を緩く取り付けるように構成され、それにより、ボルト組立体の前述の設置者が位置決め可能なリミットストップ142を介して、キャスク本体に対する蓋の制限された垂直方向の動きを可能にして、移動ギャップGを調整する。蓋の重量は、キャスク本体の気密シールを維持するために、蓋とキャスク本体の上端との間に周方向シールを形成する環状の圧縮性ガスケット111と共に作用する。これにより、キャニスタ120を通常のキャスク動作圧力下で収容する気密空洞105が形成される。したがって、キャスク100は、大気圧を超える気密空洞105内の内圧を保持するように動作可能である。キャスク空洞105に露出した蓋底部プレート152の底面領域に作用するキャスクの内圧Pが、蓋の重量を超える上向きに作用する揚力を生み出すと、蓋は上昇し、キャスクの上部閉鎖プレート104からわずかに半開きになって、キャスクの過剰圧力を解放する(例えば、図5Bを参照)。
【0067】
蓋150は、蓋底部プレート152の底面から下向きに突出する金属製の隆起した環状せん断リング170をさらに備えることができる。せん断リングは、キャスク100がひっくり返った場合に蓋がキャスク本体上部プレート104に接触して、前記ボルト組立体140の代わりにせん断力を吸収するように設計されている。これにより、キャスク空洞105の構造的完全性および蓋とキャスクとの間のシールが保護される。せん断リング170は、図5Aに示すように、キャスクの転倒事象の場合にそれらの間の相互係合のために、互上部閉鎖プレート140の周方向内縁104aに近接して配置される。
【0068】
蓋150は、移動ギャップGによって規定されるボルト組立体140(すなわち、特にねじ付きスタッド141)に沿って制限された量だけ垂直方向にスライド可能に移動できる。蓋150葉、キャスクの気密空洞を密封するキャスク本体と係合した下向きの密閉位置(例えば、図5Aを参照)と、(2)ボルト組立体と係合するが、キャスク本体から半開きで、気密空洞を部分的に開き、それによって、キャスク本体の上端の周りで周方向および周囲に延びる周囲大気へのガス過圧逃がし通路を画定する、調整可能な隆起した逃がし位置(解放位置)(図5B)との間で移動することができる。
【0069】
内部キャスク過圧状態が発生すると、蓋150は圧力Pの下で上昇して移動ギャップGを閉じ、スタッド141のネジ付きリミットストップ142を蓋の底部プレート152と係合させ、蓋の上方への動きを阻止する。SNFキャニスタ120内に貯蔵された燃料集合体による、キャスク空洞105内の閉じ込められた量のガス(すなわち、蓋の配置および蓋による密封後にキャスク空洞内に送り込まれる空気または不活性ガス)の加熱は、それ自体自由浮遊蓋の重量によって制限される点までの内部キャスク圧力Pの増加をもたらす。このような過圧状態は、使用済み核燃料乾式貯蔵システム(すなわち、キャスク)の設計基準火災事象、またはキャスク内の他の異常な運転状態にも関連している可能性がある。米国NRC(原子力規制委員会)は、想定されるキャスク設計基準の事故事象の発生中を含め、乾式貯蔵システムが常に厳しい安全要件を満たすことを義務付けている。設計基準事故とは、外部火災、燃料棒の破裂、および地震、落雷、発射体の衝突などの自然現象など、貯蔵システムの完全性に重大な影響を与える可能性のあるあらゆる事象である。
【0070】
キャスクの過圧状態が緩和すると、解放されたキャスクの内部圧力がキャスク内に再び低下し、蓋150が自重で自動的に下向き位置に戻り、キャスク本体を再係合し、気密密閉空洞105を再密閉する。過圧状態が再び発生した場合、蓋150は再び上昇して過剰圧力を解放し、手動介入なしでサイクルを繰り返すことにより、自己調整式キャスク過圧解放システムを形成する。
【0071】
上記を考慮して、非換気核燃料貯蔵キャスクを内部過圧から保護するための方法またはプロセスをここで簡単に要約する。この方法は、密閉可能な内部空洞105と複数のねじ付きアンカーボス165とを備える非換気キャスク100を提供することを含む。キャスクの空洞は、この接合点で上向きに開いたままである。この方法は、高レベル核廃棄物を収容するキャニスタ120を空洞105内に下降させ、次にキャスク上に放射線遮蔽蓋150を配置することを続ける。蓋はキャスクと係合した下向きの密閉位置にあり、これにより空洞が気密になり、大気圧を超える圧力が保持される。この方法は、蓋150(例えば、蓋底部プレート152)に形成された複数のファスナ穴109をアンカーボスと位置合わせすることを続ける。次に、この方法は、ボルト組立体140のねじ付きスタッド141をキャスクアンカーボス165のそれぞれと、蓋のファスナ穴109を通してねじ込み可能に係合させ、次いで、ねじ付きリミットストップ142をねじ付きスタッドのそれぞれと回転可能に係合させることを含む。ワッシャが任意に使用される場合、この最後のステップの前に、ワッシャ143を各ネジ付きスタッド141の上にスライドさせて蓋(例えば、アクセス管159の基部にある蓋底部プレート152)上に載置することができる。最後のステップは、蓋とリミットストップとの間に垂直移動ギャップGが形成されるように、リミットストップ142を回転させてスタッド141上に配置することを含む。蓋150のこの位置は、図5Aに示されている。キャスクの内圧によって自由浮遊蓋150の底面に加えられる上向きの力が蓋の重量を超えるキャスクの過圧状態の間、蓋はスタッド141に沿って上向きに摺動可能に移動して、過剰な圧力を大気圧に逃がす。本明細書で前述したように、キャスクの過圧状態が緩和すると、蓋は自動的に下向き位置に戻り、キャスク本体を再係合し、気密空洞を再密閉して操作を継続する。
【0072】
いくつかの実施形態では、廃棄燃料キャニスタ120の空気を保持するキャスク空洞105の圧力は、すべての使用条件下で周囲圧力未満に留まるように十分に低い値まで低下させることができる。キャスクが大気より低い条件下で動作することを保証するために、キャニスタ120および蓋150が適所に配置された後、キャスク空洞105内の周囲空気を排出する必要がある。典型的には、約1/2気圧の初期圧力は、キャスク100の内部圧力がすべての操作条件下で大気圧未満のままであることを保証するのに一般に十分である。キャスクから空気を送り出し、大気圧より低いキャスク操作圧を確立するために、適切な配管接続およびバルブを設けることができる。次に、いくつかの実施形態では、蓋150をキャスク100に取り付けた後、キャスク空洞105を任意に不活性ガスで満たすことができる。キャニスタ120の外面でのSCCの開始が操作上の問題である可能性がある場合、キャニスタ閉じ込めバリアの長期的な完全性を保護するためのこの追加の安全対策を使用することができる。
【0073】
前述の説明および図面はいくつかの例示的なシステムを表しているが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲および均等物の範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、修正、および置換を行うことができることが理解されるであろう。特に、当業者には、本発明が、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率、サイズ、および他の要素、材料、および構成要素で具現化され得ることが明らかであろう。その。さらに、本明細書に記載された方法/プロセスにおいて多数の変更を行うことができる。当業者はさらに、本発明が、構造、配置、プロポーション、サイズ、材料、および構成要素の多くの修正と共に使用されてもよく、そうでなければ、特定の環境に特に適合され、動作する本発明の実施において使用されてもよいことを理解するであろう。本発明の原理から逸脱することなく、要件を満たしている。したがって、現在開示されている実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義され、前述の説明または実施形態に限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本発明の均等物の範囲および範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得る、本発明の他の変形および実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16