(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】マルチキャスト通信のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/121 20230101AFI20240322BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20240322BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20240322BHJP
【FI】
H04W72/121
H04W4/06
H04W72/1268
(21)【出願番号】P 2022575472
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2021101859
(87)【国際公開番号】W WO2022001790
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/099364
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】パークヴァル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジーイー, ズィー
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/192299(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器によって実行される方法(300)であって、
ネットワークノードから、前記端末機器のマルチキャストトラフィックに関するアップリンクリソースインジケータを受信すること(302)と、ここで前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースを示すために使用され、
前記アップリンクリソースインジケータに従って、前記マルチキャストトラフィックに関する前記端末機器のマルチキャストフィードバックのためのアップリンクリソースを決定すること(304)と、を有
し、
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックに関するダウンリンク制御チャネルに含まれる確認応答リソースインジケータである、方法。
【請求項2】
前記アップリンクリソースインジケータによって示される前記異なるアップリンクリソースは、前記マルチキャストグループ内の前記異なる端末機器によって共有可能なアップリンク制御チャネルリソースセットの少なくとも一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットはリソースごとにインデックスを有し、前記マルチキャストグループ内の前記異なる端末機器に関して、異なるインデックスが前記アップリンク制御チャネルリソースセット内の同じリソースに割り当てられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記端末機器に関する前記アップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために前記アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報を取得することをさらに有する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットに関する前記情報は、前記ネットワークノードからの無線リソース制御シグナリングに含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットはユニキャストフィードバック送信に関しても利用可能である、請求項2から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックのために予約される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記決定されたアップリンクリソースに従って、前記端末機器の前記マルチキャストフィードバックを前記ネットワークノードに送信することをさらに有する、請求項1から
7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
端末機器(500)であって、
1つまたは複数のプロセッサ(501)と、
コンピュータプログラムコード(503)を有する1つまたは複数のメモリ(502)と、を有し、
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)は、前記1つまたは複数のプロセッサ(501)によって、前記端末機器(500)に少なくとも、
ネットワークノードから、前記端末機器のマルチキャストトラフィックに関するアップリンクリソースインジケータを受信し、ここで前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースを示すために使用され、
前記アップリンクリソースインジケータに従って、前記マルチキャストトラフィックに関する端末機器のマルチキャストフィードバックのためのアップリンクリソースを決定する、
ようにさせるように構成され
、
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックに関するダウンリンク制御チャネルに含まれる確認応答リソースインジケータである、端末機器。
【請求項10】
前記1つまたは複数のメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記端末機器に、請求項2から
8のいずれか1項に記載の方法を実行させるように構成される、請求項
9に記載の端末機器。
【請求項11】
コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータに、請求項1から
8のいずれか1項に記載の方法のいずれかの工程を実行させるコンピュータプログラムコード(503)を有するコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
ネットワークノードによって実行される方法(400)であって、
端末機器のマルチキャストトラフィックのためのアップリンクリソースインジケータを前記端末機器に送信すること(402)と、ここで前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースを示すために使用され、
前記アップリンクリソースインジケータによって前記端末機器に示されるアップリンクリソースに従って、前記端末機器から前記マルチキャストトラフィックに関する前記端末機器のマルチキャストフィードバックを受信すること(404)と、を有
し、
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックに関するダウンリンク制御チャネルに含まれる確認応答リソースインジケータである、方法。
【請求項13】
前記アップリンクリソースインジケータによって示される前記異なるアップリンクリソースは、前記マルチキャストグループ内の前記異なる端末機器によって共有可能なアップリンク制御チャネルリソースセットの少なくとも一部である、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットはリソースごとにインデックスを有し、前記マルチキャストグループ内の前記異なる端末機器に関して、異なるインデックスが前記アップリンク制御チャネルリソースセット内の同じリソースに割り当てられる、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記端末機器に関する前記アップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、前記端末機器に前記アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報を送信することをさらに有する、請求項
13または
14に記載の方法。
【請求項16】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットに関する前記情報は、前記ネットワークノードからの無線リソース制御シグナリングに含まれる、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記アップリンク制御チャネルリソースセットはユニキャストフィードバック送信に関しても利用可能である、請求項
13から
16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックのために予約される、請求項
12から
17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ネットワークノード(500)であって、
1つまたは複数のプロセッサ(501)と、
コンピュータプログラムコード(503)を有する1つまたは複数のメモリ(502)と、を有し、
前記1つまたは複数のメモリ(502)および前記コンピュータプログラムコード(503)は、前記1つまたは複数のプロセッサ(501)によって、前記ネットワークノード(500)に少なくとも、
端末機器のマルチキャストトラフィックのためのアップリンクリソースインジケータを前記端末機器に送信し、ここで前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースを示すために使用され、
前記アップリンクリソースインジケータによって前記端末機器に示されるアップリンクリソースに従って、前記端末機器から前記マルチキャストトラフィックに関する前記端末機器のマルチキャストフィードバックを受信する、
ようにさせるように構成され
、
前記アップリンクリソースインジケータは、前記マルチキャストトラフィックに関するダウンリンク制御チャネルに含まれる確認応答リソースインジケータである、ネットワークノード。
【請求項20】
前記1つまたは複数のメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記ネットワークノードに、請求項
13から
18のいずれか1項に記載の方法を実行させるように構成される、請求項
19に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は総じて通信ネットワークに関し、より詳細には、マルチキャスト通信のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示のより良い理解を容易にしうる態様を紹介する。したがって、このセクションの記述はこの観点から解されるべきであり、従来技術に属するものまたは従来技術に属しないものの自認として解されるべきでない。
【0003】
通信サービスプロバイダおよびネットワークオペレータは例えば、魅力のあるネットワークサービスおよびパフォーマンスを提供することによって消費者に価値および利便性を提供するという課題に絶えず直面している。ネットワーキングおよび通信技術の急速な発展とともに、ロングタームエボリューション(LTE)/第4世代(4G)ネットワークまたはニューラジオ(NR)/第5世代(5G)ネットワークなどの無線通信ネットワークには、高いトラフィック容量およびエンドユーザデータレートを達成することが期待されている。異なるトラフィック要件を満たすために、無線通信ネットワークは様々な送信技術(例えば、ユニキャスト送信、マルチキャスト送信、ブロードキャスト送信などを含むが、それらに限定されない)をサポートする必要がありうる。送信機に関し、自身が送信したトラフィックデータが受信機によって正常に受信されたかどうかを示すためのフィードバック情報を受信機から入手することが望まれうる。送信技術およびアプリケーションシナリオの多様性を考慮すると、フィードバック送信は、より困難になりうる。
【発明の概要】
【0004】
この概要では、以下の詳細な説明においてさらに説明されるコンセプトの1つを簡単な形態で紹介する。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
マルチキャスト/ブロードキャスト送信は、例えば、ネットワークセキュリティパブリックセーフティ(NSPS)、ビークルツーエブリティ(V2X)などのいくつかの用途に非常に有用でありうる。これらの用途では、例えば、数ミリ秒の遅延許容量で1%未満のパケット誤り率といったサービス品質(QoS)に関する要件が存在しうる。したがって、スペクトル効率を改善するために、5G/NRなどの無線通信ネットワークにおけるマルチキャストサービスのためのハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックをサポートすることが有益であろう。
【0006】
本開示の様々な例示的な実施形態は、マルチキャスト通信のためのソリューションを提案する。このソリューションは、マルチキャストグループ内のユーザ装置(UE)がUE間で競合することなくマルチキャストHARQフィードバックを効率的に送信するために異なるアップリンクリソースを使用することができるよう、マルチキャストグループ内の全UEに関する(例えば肯定応答リソースインジケータ(ARI)などの)アップリンクリソースインジケータ/インデックスが、異なるアップリンクリソース(例えば物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースなど)を示すことを可能にしうる。
【0007】
本明細書において用語「リソース」は時間リソースおよび/または周波数リソースおよび/またはコードリソースを意味しうる。したがって、本明細書において「異なるリソース」は時間リソース、周波数リソース、およびコードリソースのうちの少なくとも1つが異なることを意味しうることを理解することができる。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、UEなどの端末機器によって実行される方法が提供される。方法は、端末機器のマルチキャストトラフィックに関するアップリンクリソースインジケータをネットワークノードから受信することを有する。アップリンクリソースインジケータは、マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソース(例えば、PUCCHリソースなど)を示すために使用されうる。例示的な実施形態によれば、方法は、アップリンクリソースインジケータに従って、マルチキャストトラフィックに関する端末機器のマルチキャストフィードバックのためのアップリンクリソースを決定することをさらに有する。
【0009】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータによって示される異なるアップリンクリソースは、アップリンク制御チャネルリソースセット(例えば、PUCCHリソースセットなど)の少なくとも一部であってよい。アップリンク制御チャネルリソースセットは、マルチキャストグループ内の異なる端末機器によって共有されうる。
【0010】
例示的な実施形態によれば、アップリンク制御チャネルリソースセットはリソースごとのインデックスを有しうる。また、マルチキャストグループ内の異なる端末機器に関して、アップリンク制御チャネルリソースセット中の同一リソースに異なるインデックスが割り当てられうる。
【0011】
例示的な実施形態によれば、本開示の第1の態様による方法は、端末機器に関してアップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報を取得することをさらに有しうる。
【0012】
例示的な実施形態によれば、アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報は、ネットワークノードからの無線リソース制御(RRC)シグナリングに含まれうる。
【0013】
例示的な実施形態によれば、アップリンク制御チャネルリソースセットはまた、ユニキャストフィードバック送信のために利用可能でありうる。
【0014】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータは、マルチキャストトラフィックのために予約されうる。
【0015】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータは、マルチキャストトラフィックのためのダウンリンク制御チャネルに含まれるARIでありうる。ある実施形態では、ARIが例えば、ダウンリンク制御情報(DCI)の一部として、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)中に含まれうる。
【0016】
例示的な実施形態によれば、本開示の第1の態様による方法は、決定されたアップリンクリソースに従って、端末機器のマルチキャストフィードバックをネットワークノードに送信することをさらに有しうる。
【0017】
本開示の第2の態様によれば、端末機器として実施されうる装置が提供される。装置は、1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを格納する1つまたは複数のメモリとを有しうる。1つまたは複数のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプロセッサとともに、装置に、少なくとも本開示の第1の態様による方法の任意の工程を実行させるように構成されうる。
【0018】
本開示の第3の態様によれば、コンピュータ上で実行されたときに、本開示の第1の態様による方法の任意の工程をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコードが実装されたコンピュータ可読媒体が提供される。
【0019】
本開示の第4の態様によれば、端末機器として実施されうる装置が提供される。装置は、受信部と決定部とを有しうる。いくつかの例示的な実施形態によれば、受信部は、本開示の第1の態様による方法の少なくとも受信工程を実行するように動作可能でありうる。決定部は、少なくとも本開示の第1の態様による方法の決定工程を実行するように動作可能でありうる。
【0020】
本開示の第5の態様によれば、基地局などのネットワークノードによって実行される方法が提供される。方法は、端末機器のマルチキャストトラフィックのためのアップリンクリソースインジケータ(例えば、マルチキャストPDCCH中のARIなど)を端末機器に送信することを有する。アップリンクリソースインジケータは、マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースリソースを示すために使用されうる。例示的な実施形態によれば、方法は、アップリンクリソースインジケータによって端末機器に示されるアップリンクリソースに従って、端末機器からのマルチキャストトラフィックに関する端末機器のマルチキャストフィードバックを受信することをさらに有する。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本開示の第5の態様によるアップリンクリソースインジケータは、本開示の第1の態様によるアップリンクリソースインジケータに対応しうる。したがって、本開示の第1および第5の態様によるアップリンクリソースインジケータは、同じまたは類似した内容および/または特徴要素を有しうる。同様に、本開示の第5の態様によるアップリンクリソースインジケータによって示される1つまたは複数のアップリンクリソースは、本開示の第1の態様によるアップリンクリソースインジケータによって示されるアップリンクリソースに対応しうる。
【0022】
例示的な実施形態によれば、本開示の第5の態様による方法は、端末機器に関するアップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報を端末機器に送信することをさらに有しうる。
【0023】
本開示の第6の態様によれば、ネットワークノードとして実施されうる装置が提供される。装置は、1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを格納する1つまたは複数のメモリとを有しうる。1つまたは複数のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプロセッサとともに、装置に、少なくとも本開示の第5の態様による方法の任意の工程を実行させるように構成されうる。
【0024】
本開示の第7の態様によれば、コンピュータ上で実行されたときに、本開示の第5の態様による方法の任意の工程をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコードが実装されたコンピュータ可読媒体が提供される。
【0025】
本開示の第8の態様によれば、ネットワークノードとして実施されうる装置が提供される。装置は、送信部と受信部とを有しうる。いくつかの例示的な実施形態によれば、送信部は、本開示の第5の態様による方法の少なくとも送信工程を実行するように動作可能でありうる。受信部は、本開示の第5の態様による方法の少なくとも受信工程を実行するように動作可能でありうる。
【0026】
本開示の第9の態様によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータでユーザデータを提供することを有しうる。場合により、方法は、ホストコンピュータで、本開示の第5の態様による方法の任意の工程を実行しうる基地局を有するセルラーネットワークを介してUEへユーザデータを搬送する送信を開始することを有しうる。
【0027】
本開示の第10の態様によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、UEへの送信のためにユーザデータをセルラーネットワークに転送するように構成された通信インターフェースとを有しうる。セルラーネットワークは、無線インターフェースおよび処理回路を有する基地局を有しうる。基地局の処理回路は、本開示の第5の態様による方法の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0028】
本開示の第11の態様によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータでユーザデータを提供することを有しうる。場合により、方法は、ホストコンピュータで、基地局を有するセルラネットワークを介してUEにユーザデータを搬送する送信を開始することを有しうる。UEは、本開示の第1の態様による方法の任意の工程を実行しうる。
【0029】
本開示の第12の態様によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、UEへの送信のためにセルラーネットワークにユーザデータを転送するように構成された通信インターフェースとを有しうる。UEは、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。UEの処理回路は、本開示の第1の態様による方法の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0030】
本開示の第13の態様によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータで、本開示の第1の態様による方法の任意の工程を実行しうるUEから基地局に送信されたユーザデータを受信することを有しうる。
【0031】
本開示の第14の態様によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、UEから基地局への送信に由来するユーザデータを受信するように構成された通信インターフェースを有しうる。UEは、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。UEの処理回路は、本開示の第1の態様による方法の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0032】
本開示の第15の態様によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータで、基地局から、基地局がUEから受信した送信に由来するユーザデータを受信することを有しうる。基地局は、本開示の第5の態様による方法の任意の工程を実行しうる。
【0033】
本開示の第16の態様によれば、ホストコンピュータを含みうる通信システムが提供される。ホストコンピュータは、UEから基地局への送信に由来するユーザデータを受信するように構成された通信インターフェースを有しうる。基地局は、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。基地局の処理回路は、本開示の第5の態様による方法の任意の工程を実行するように構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示そのもの、好ましい使用形態、およびさらなる目的は、添付図面と併せて読んだときに、以下の実施形態の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【0035】
【
図1A】本開示の実施形態による例示的なPUCCHリソース構成を示す図である。
【0036】
【
図1B】本開示の実施形態による、ユニキャストフィードバックのための例示的なPUCCHリソース割り当てを示す図である。
【0037】
【
図2A】本開示の実施形態による例示的なスマートPUCCHリソース構成を示す図である。
【0038】
【
図2B】本開示の実施形態による、マルチキャストフィードバックのための例示的なPUCCHリソース割り当てを示す図である。
【0039】
【
図3】本開示の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【0040】
【
図4】本開示の実施形態による別の方法を示すフローチャートである
【0041】
【
図5】本開示の実施形態による装置を示すブロック図である。
【0042】
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による装置を示すブロック図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態による装置を示すブロック図である。
【0043】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態に従って、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された電気通信ネットワークを示すブロック図である。
【0044】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態に従って、一部が無線である接続により、基地局を介してUEと通信するホストコンピュータを示すブロック図である。
【0045】
【
図9】本開示の実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。
【0046】
【
図10】本開示の実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。
【0047】
【
図11】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。
【0048】
【
図12】本開示の一実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施形態は当業者が本開示をよりよく理解し、その結果として実施することを可能にする目的でのみ論じられ、本開示の範囲に対するいかなる限定も示唆するものではないことを理解されたい。本明細書を通じて、特徴、利点、または類似の言葉への言及は、本開示で実現され得る特徴および利点のすべてが、本開示の任意の単一の実施形態にあるべきである、またはあることを意味するものではない。むしろ、特性および利点に言及する言葉は、実施形態に関連して説明される特定の特性、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。さらに、本開示に記載される特性、利点、および特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。当業者は、本開示が特定の実施形態の特定の特徴または利点の1つまたは複数を欠いた状態で実施されうることを認識するであろう。他の例において、本開示のいずれの実施形態にも存在しないかもしれない追加の特徴および利点が、特定の実施形態で認識されうる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「通信ネットワーク」という用語は、ニューラジオ(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、高速パケットアクセス(HSPA)などの任意の適切な通信規格に従うネットワークを意味する。さらに、通信ネットワーク内の端末機器とネットワークノードとの間の通信は第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、4G、4.5G、5G通信プロトコル、および/または現在知られているか、将来開発されるべき任意の他のプロトコルを含み、かつこれらに限定されない、任意の適切な世代通信プロトコルに従って実行されうる。
【0051】
「ネットワークノード」という用語は通信ネットワーク内のネットワークデバイスであって、それを通じて端末機器がネットワークにアクセスし、またそこからサービスを受信する、ネットワークデバイスを意味する。ネットワークノードは、基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、コントローラ、または無線通信ネットワーク中の任意の他の適切なデバイスを意味しうる。BSは例えば、ノードB(NodeBまたはNB)、発展型NodeB(eNodeBまたはeNB)、次世代NodeB(gNodeBまたはgNB)、遠隔無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、遠隔無線ヘッド(RRH)、リレー、フェムトなどの低電力ノード、ピコなどでありうる。
【0052】
ネットワークノードのさらなる例は、MSR BSなどのマルチ標準無線(MSR)無線機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、送受信基地局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、測位ノードなどを含む。しかしながら、より一般的には、ネットワークノードは、無線通信ネットワークへの端末機器アクセスを可能にする、および/または提供する、あるいは、無線通信ネットワークにアクセスした端末機器に何らかのサービスを提供する、ことが可能な、ように構成された、ように配置された、および/またはように動作可能な任意の適切な機器(または機器群)を表しうる。
【0053】
「端末機器」という用語は、通信ネットワークにアクセスし、そこからサービスを受信することができる任意の末端機器を意味する。限定ではなく例として、端末機器は、モバイル端末、ユーザ装置(UE)、または他の適切な機器を意味しうる。UEは例えば、加入者局、ポータブル加入者局、移動局(MS)、またはアクセス端末(AT)でありうる。端末機器は、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの撮像端末機器、ゲーム端末機器、音楽記憶再生機器、移動体電話、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末(PDA)、車両などを含みうるが、これらに限定されない。
【0054】
さらに別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオでは、端末機器がIoTデバイスとも呼ばれ、監視、検知および/または測定などを実行し、そのような監視、検知および/または測定などの結果を別の端末機器および/またはネットワーク機器に送信する機械または他の機器を表しうる。端末機器はこの場合、マシンツーマシン(M2M)デバイスであってよく、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の文脈ではマシンタイプ通信(MTC)機器と呼ばれうる。
【0055】
1つの特定の例として、端末機器は、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)規格を実装するUEであってもよい。そのような機械または機器の具体例は、センサ、電力メータなどの計量装置、産業機械、または家庭用または個人用機器、例えば冷蔵庫、テレビ、時計などの個人用ウェアラブルなどである。他のシナリオでは、端末機器は、車両または他の機器、例えば、自身の動作ステータスまたは自身の動作に関連する他の機能を監視、検知、および/または報告することができる医療機器を表しうる。
【0056】
本明細書において、用語「第1の」、「第2の」などは、異なる要素を指す。単数形「a」および「an」は文脈上明らかに背反する場合を除き、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprises)」、「有する(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」は本明細書で使用される場合、述べられた特徴、要素、および/または構成要素などの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの組み合わせの存在を除外しない。用語「~に基づく」は、「~に少なくとも部分的に基づく」と解釈すべきである。用語「一実施形態」および「ある実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈すべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈されるべきである。その他の定義(明示的および暗示的なもの)を以下に記載する。
【0057】
無線通信ネットワークは、音声、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなどの様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。3GPPリリース15およびリリース16によれば、ユニキャスト送信のみが5G/NR通信システムにおいてサポートされる。マルチキャスト/ブロードキャスト送信は、NSPS、V2Xなどの一部の用途で非常に有用なため、NR向けの3GPPリリース17でブロードキャスト/マルチキャスト送信を検討する新しいワークアイテム(WI)が合意された。
【0058】
実際には、マルチキャスト/ブロードキャストがLTEネットワークにおいてサポートされうる。マルチキャスト/ブロードキャストをサポートするための2つの異なる方法、すなわち、単一セルポイントツーマルチポイント(SC-PTM)またはマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)がありうる。これらの手法は、UEからネットワークへのHARQフィードバックをサポートしない。そのような実装の利点は単純さである。一方で、スペクトル効率が非常に低いという欠点がある。これは、UEがパケットを受信したか否かをネットワークが知らないことによる。信頼性を保証するために、ネットワークは非常に低い符号化レートを使用しなければならない場合があり、また、パケットの送信を数回繰り返す場合がある。
【0059】
この問題を克服するために、NRがマルチキャスト送信のためのHARQフィードバックを可能にすることを提案する。NRにおけるユニキャスト送信について、PUCCHリソースをより効率的に利用するために、複数のUEは、(例えばリソースプール内の)同一PUCCHリソースグループを共有しうる。UEはDCI内のPUCCHリソースインジケータ(例えば、ARIなど)をチェックすることによって、リソースプール中のどのリソースを使用するかを特定することができる。一般に、ネットワークはPUCCHリソースインジケータを各UEに通知することができ、異なるUEのための異なるPUCCHリソースインジケータは異なる物理PUCCHリソースを示しうる。そして、各UEは、他とは異なるPUCCHリソースを使用して、HARQフィードバックをネットワークに送信することができる。したがって、複数のUEが同一のPUCCHリソースグループを共有する場合でも、UE間でのリソース競合問題が生じないこともある。
【0060】
図1Aは、本開示の実施形態による例示的なPUCCHリソース構成を示す図である。この実施形態では、ユニキャスト送信のために複数のUEがPUCCHリソースプールを動的に共有することができる。
図1Aに示されるように、インデックスが0から7までの物理PUCCHリソースを含むPUCCHリソースプールは、例えば無線リソース制御(RRC)構成を用いてUEごとに構成されうる。この場合、16のUE(すなわち、ユーザ0からユーザ15まで)が、同一PUCCHリソースグループを共有することができる。これは、すべてのUEを同一タイムスロット内のダウンリンク(DL)送信のためにスケジュールする必要がなく、同一アップリンク(UL)スロットでフィードバックすることが要求されるトラフィック負荷状況に基づきうる。
図1Aに示されるPUCCHリソース構成は単なる一例であり、様々な実施形態のために、より多くの、またはより少ないユーザおよび/または物理PUCCHリソースを含む他の可能なPUCCHリソース構成が実装されうることが理解できる。
【0061】
図1Bは、本開示の実施形態による、ユニキャストフィードバックのための例示的なPUCCHリソース割り当てを示す図である。
図1Aと同様に、
図1Bに示される16のUEは、ユニキャスト送信のためにPUCCHリソースプール内の8つの物理PUCCHリソースを共有することができる。DLにいくつかのUEがスケジュールされ、かつ同一ULスロットでフィードバックする必要がある場合、PDCCH内のPUCCHリソースインジケータ、例えば、DCI内のARIは、PUCCHリソースプール内のどの特定のPUCCHリソースを使用できるかをUEに伝えるために使用されうる。このPUCCHリソースインジケータはUEごとに異なってよく、したがって、異なるUEは異なるPUCCHリソースを使用しうる。例えば、
図1Bに示すように、ユーザ0のためのARIはユーザ0がインデックス「2」をもつPUCCHリソースを使用しうることを示すために2に設定されてよく、一方、ユーザ14のためのARIはユーザ14がインデックス「6」をもつPUCCHリソースを使用しうることを示すために6に設定されてよい。
【0062】
マルチキャストトラフィックスケジューリングでは、マルチキャストグループ内のすべてのUEによって受信される1つのPDCCHのみが存在しうる。1つのPDCCHは、マルチキャスト送信のためにUEグループをスケジュールするために使用されうるので、PDCCH内のARIのような1つのPUCCHリソースインジケータのみが存在しうる。現在の実装形態によれば、DCI内の1つのARIは、1つの物理PUCCHリソースを示すだけでありうる。この場合、マルチキャストグループ内のすべてのUEが同じPUCCHリソース群を共有すれば、見かけ上、マルチキャストグループ内のすべてのUEがULでHARQフィードバックを送信する必要があるため、これらのUEはHARQフィードバックを送るために同一のPUCCHリソースを選択しうる。これは、マルチキャストグループ内のUE間の競合問題をもたらしうる。
【0063】
本開示の様々な例示的な実施形態は、マルチキャスト送信をサポートするソリューションであって、マルチキャストグループ内のユーザについて競合なしにマルチキャストおよび/またはユニキャストHARQフィードバックリソースの共有を可能にしうる。5G/NRなどの無線通信ネットワークにおけるマルチキャスト送信のためのHARQフィードバックをサポートするため、マルチキャストグループ内のすべてのユーザが競合なしに同時にHARQフィードバックを送信できるように、すべてのユーザが異なるPUCCHリソースを有する必要がありうる。例示的な実施形態によれば、gNBは、マルチキャストグループ内のすべてのUEによって共有されうるPUCCHリソースプールを構成しうる。マルチキャストグループ内の異なるUEについて、同一のPUCCHリソースインデックスが、PUCCHリソースプール内の異なる物理PUCCHリソースを示しうる。この場合、同一のARIが異なる物理PUCCHリソースを示しうるため、マルチキャストPDCCH内にARIが1つだけ存在する場合であっても、マルチキャストグループ内のすべてのUEは、HARQフィードバック情報を送信するために異なるPUCCHリソースを実際に使用することができる。したがって、マルチキャストグループ内のUE間でHARQフィードバックを送信するためのリソース競合問題が生じない可能性がある。別の例示的な実施形態によれば、これらのPUCCHリソースは、ユニキャストトラフィックおよびマルチキャストトラフィックのためのHARQフィードバックによって共有されうる。
【0064】
図2Aは、本開示の実施形態による例示的なスマートPUCCHリソース構成を示す図である。この実施形態では、マルチキャストグループ内の異なるユーザが受信するARIが異なる物理PUCCHリソースを示すことができるように、例えばRRC構成を通じて、マルチキャストグループ内のユーザのためのスマートPUCCHリソース構成を実装することが可能でありうる。
図2Aに示されるように、ユーザ0、ユーザ1、およびユーザ2はマルチキャストグループに属しており、8つのPUCCHリソースを有する同一のPUCCHリソースプールを共有することができる。ユーザ0について、1番目の物理PUCCHリソースはインデックス0を有し、2番目の第2の物理PUCCHリソースはインデックス1を有し、・・・最後の物理PUCCHリソースはインデックス7を有する。ユーザ1について、1番目の物理PUCCHリソースはインデックス1を有し、2番目の第2の物理PUCCHリソースはインデックス2を有し、・・・最後の物理PUCCHリソースはインデックス0を有する。すなわち、ユーザ1についてインデックス1を有する物理PUCCHリソースは、ユーザ0についてインデックス0を有する同一物理PUCCHリソースに実際に対応する。ユーザ2について、1番目の物理PUCCHリソースはインデックス2を有し、2番目の物理PUCCHリソースはインデックス1を有し、・・・最後の物理PUCCHリソースはインデックス1を有する。すなわち、ユーザ2についてインデックス2を有する物理PUCCHリソースは、ユーザ1についてインデックス1を有する同一物理PUCCHリソースに実際に対応するとともに、ユーザ0についてインデックス0を有する同一物理PUCCHリソースにも対応する。他の物理PUCCHリソースについても同様の対応関係がありうる。マルチキャストPDCCH内のいかなるARIもマルチキャストグループ内のユーザについてのPUCCHリソース競合をもたらさない可能性があるため、この種のPUCCHリソース構成はスケジューリング中にgNBに対して最大限の柔軟性を与えうる。
【0065】
図2Aに示すスマートPUCCHリソース構成は単なる一例であり、マルチキャストPDCCH内の同一ARIが、マルチキャストグループ内の異なるユーザについて異なる物理PUCCHリソースを示すことを可能にすることができる他の任意のPUCCHリソース構成も、本開示の様々な実施形態に適用可能でありうることが理解できる。
【0066】
図2Bは、本開示の実施形態による、マルチキャストフィードバックのための例示的なPUCCHリソース割り当てを示す図である。
図2Bに示される例示的なPUCCHリソース割り当ては、
図2Aに関して説明されるようなスマートPUCCHリソース構成に基づきうる。例示的な実施形態によれば、異なる物理PUCCHリソースを示すように、マルチキャストグループ内のすべてのユーザに対してただ1つのAIRを構成することが可能でありうる。そして、マルチキャストトラフィックがユーザ0、ユーザ1、およびユーザ2についてスケジュールされる場合、マルチキャストPDCCH内にはただ1つのARI(例えば、ARI=0)のみが存在するが、このARIは実際には
図2Bに示すように、異なるユーザの観点から異なる物理リソースを示す場合がある。マルチキャストグループ内の各ユーザについてのPUCCHリソースインジケータ(例えば、ARI)は、異なる物理PUCCHリソースを示すように構成されうるので、マルチキャストグループ内のユーザについてのPUCCHリソース競合問題が解決されうる。例示的な実施形態によれば、gNBは、マルチキャストスケジューリングのためにARIを予約することができる。この場合、マルチキャストスケジューリングのために予約されたARIは、ユニキャストPDCCHにおいて使用されないことがある。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態は、特定の例示的なネットワーク構成およびシステム展開のための非限定的な例として使用される4G/LTEまたは5G/NR仕様書に関連して主に説明されることに留意されたい。したがって、本明細書で提供される例示的な実施形態の説明は、実施形態に直接関連する用語を具体的に用いている。そのような用語は、提示された非限定的な例および実施形態の文脈においてのみ使用され、本開示をいかなる形でも当然に限定しない。むしろ、本明細書で説明される例示的な実施形態が適用可能である限り、任意の他のシステム構成または無線技術が等しく利用されうる。
【0068】
図3は、本開示の実施形態による方法を示すフローチャートである。
図3に示す方法300は、端末機器または端末機器に通信可能に接続された装置によって実行されうる。例示的な実施形態によれば、UEなどの端末機器はgNBなどのネットワークノードから様々なトラフィック(例えば、ユニキャストトラフィック、マルチキャストトラフィックなど)を取得し、トラフィックについてのHARQフィードバックをネットワークノードに送信するように構成されうる。
【0069】
図3に示す例示的な方法300によれば、ブロック302に示すように、端末機器は、ネットワークノードから端末機器のマルチキャストトラフィックに関するアップリンクリソースインジケータを受信することができる。アップリンクリソースインジケータはマルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソース(例えば、PUCCHリソースなど)を示すために使用されうる。例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータはマルチキャストトラフィックに関するダウンリンク制御チャネル(例えば、PDCCHなど)に含まれるARIでありうる。ブロック304に示すように、アップリンクリソースインジケータに従って、端末機器は、マルチキャストトラフィックに関する端末機器のマルチキャストフィードバックのためのアップリンクリソースを決定することができる。
【0070】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータによって示される異なるアップリンクリソースは、(
図2Bに関して説明したように)マルチキャストグループ内の異なる端末機器によって共有可能であってよい、アップリンク制御チャネルリソースセットの少なくとも一部でありうる。
【0071】
例示的な実施形態によれば、アップリンク制御チャネルリソースセットは、リソースごとにインデックスを有することができ、(
図2Aに関して説明したように)マルチキャストグループ内の異なる端末機器について、アップリンク制御チャネルリソースセット内の同一リソースに異なるインデックスが割り当てられうる。
【0072】
例示的な実施形態によれば、端末機器は端末機器に関してアップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、アップリンク制御チャネルリソースセットについての情報を取得しうる。一実施形態では、アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報が、ネットワークノードからのRRC信号に含まれうる。
【0073】
例示的な実施形態によれば、アップリンク制御チャネルリソースセットは、ユニキャストフィードバック送信のためにも利用可能でありうる。この場合、端末機器はユニキャストフィードバックをネットワークノードに送信するためにアップリンク制御チャネルリソースセットの一部を使用し、一方で、マルチキャストフィードバックをネットワークノードに送信するためにアップリンク制御チャネルリソースセットの別の一部を使用しうる。
【0074】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータは、マルチキャストトラフィックのために予約されうる。ある実施形態では、マルチキャストトラフィックのために予約されたアップリンクリソースインジケータは、ユニキャストフィードバック送信に割り当てられた(1つまたは複数の)アップリンクリソースを示すために使用されないことがある。
【0075】
例示的な実施形態によれば、端末機器は、決定されたアップリンクリソースに従って、端末機器のマルチキャストフィードバックをネットワークノードに送信することができる。例えば、端末機器は特定のコードブック内のマルチキャストフィードバックをネットワークノードに送信するために、決定されたアップリンクリソースを使用しうる。
【0076】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による方法400を示すフローチャートである。
図4に示す方法400は、ネットワークノードまたはネットワークノードに通信可能に接続された装置によって実行されうる。例示的な実施形態によれば、ネットワークノードは、gNBなどの基地局を含みうる。ネットワークノードは様々なトラフィック(例えば、ユニキャストトラフィック、マルチキャストトラフィックなど)をUEなどの端末機器の1つまたは複数に提供するように構成されうる。
【0077】
図4に示す例示的な方法400によれば、ネットワークノードはブロック402に示すように、端末機器(例えば、
図3に関して説明したような端末機器)に、端末機器のマルチキャストトラフィックに関するアップリンクリソースインジケータを送信しうる。例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータ(例えば、マルチキャストトラフィックのためのPDCCHに含まれるARIなど)は、マルチキャストトラフィックを受信するマルチキャストグループ内の異なる端末機器のマルチキャストフィードバックのための異なるアップリンクリソースを示すために使用されうる。ブロック404に示すように、アップリンクリソースインジケータによって端末機器に示されるアップリンクリソースに従って、ネットワークノードは、端末機器から、マルチキャストトラフィックに関する端末機器のマルチキャストフィードバックを受信することができる。
【0078】
図4に示される方法400の工程、動作、および関連する構成は、
図3に示される方法300の工程、動作、および関連する構成に対応しうることが理解されうる。したがって、方法300に従って端末機器によって受信されたアップリンクリソースインジケータは、方法400に従ってネットワークノードによって送信されたアップリンクリソースインジケータに対応しうる。同様に、方法300によるアップリンクリソースインジケータによって示されるアップリンクリソースは、方法400によるアップリンクリソースインジケータによって示されるアップリンクリソースに対応しうる。
【0079】
例示的な実施形態によれば、アップリンクリソースインジケータによって示される異なるアップリンクリソースは、アップリンク制御チャネルリソース、例えばPUCCHリソースセットの少なくとも一部でありうる。このアップリンク制御チャネルリソースセットは、マルチキャストグループ内の異なる端末機器によって共有されることができ、場合により、ユニキャストフィードバック送信とマルチキャストフィードバック送信とで共有されうる。
【0080】
例示的な実施形態によれば、ネットワークノードは、端末機器に関するアップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、アップリンク制御チャネルリソースセットに関する情報を端末機器に(例えば、RRC信号などで)送信することができる。例示的な実施形態によれば、マルチキャストグループ内の各端末機器について、ネットワークノードは、対応する端末機器に関してアップリンク制御チャネルリソースセットに割り当てられたインデックスを示すために、(例えば、対応するRRC信号などで)アップリンク制御チャネルリソースセットについての異なる情報を送信しうる。
【0081】
本開示による様々な例示的な実施形態はマルチキャストグループ内のUEがマルチキャストグループ内の他のUEとPUCCHリソースプールを共有し、マルチキャストグループ内の他のUEとのPUCCHリソース競合なしにネットワークノード(例えば、gNB)にHARQフィードバックを送ることを可能にしうる。例示的な実施形態によれば、ネットワークノードは同一のPUCCHリソースインデックス(例えば、DCI内のARI)がマルチキャストグループ内の各UEについて異なる物理PUCCHリソースを示すことができるように、マルチキャストグループ内のすべてのUEによって共有されうるPUCCHリソースプールのスマート構成を実施しうる。これにより、マルチキャストフィードバックのためのDCI内に1つのARIだけが存在しうる場合であっても、マルチキャストグループ内のすべてのUEがマルチキャストHARQフィードバックを送るための個別のPUCCHリソースを有しうることを保証することができる。様々な例示的な実施形態の適用は、より柔軟かつ効率的な方法で、マルチキャストグループ内のUEからのマルチキャストHARQフィードバックの送信をサポートすることができ、それにより、リソース利用を改善しながらネットワーク性能を向上させることができる。
【0082】
図3から
図4に示す様々なブロックは、方法の工程として、および/またはコンピュータプログラムコードの動作から生じる動作として、および/または関連する機能を実行するように構成された複数の結合論理回路要素とみなしうる。上述した模式的なフローチャートは、概して論理フローチャートとして記載されている。したがって、図示された順序およびラベル付けされた工程は、提示された方法の特定の実施形態を示す。例示された方法の1つまたは複数の工程またはその一部と、機能、ロジック、または効果が同等である他の工程および方法が考えられうる。さらに、特定の方法の実行順序は図示される対応する工程の順序に厳密に従う場合もあれば、従わない場合もある。
【0083】
図5は、本開示の実施形態による装置を示すブロック図である。
図5に示すように、装置500は、プロセッサ501などの1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコード503を格納するメモリ502などの1つまたは複数のメモリとを有しうる。メモリ502は、非一時的な機械/プロセッサ/コンピュータ可読記憶媒体でありうる。いくつかの例示的な実施形態によれば、装置500は、
図3に関して説明したような端末機器、または
図4に関して説明したようなネットワークノードに装着またはインストール可能な集積回路チップまたはモジュールとして実施することができる。そのような場合、装置500は、
図3に関して説明されたような端末機器として、または
図4に関して説明されたようなネットワークノードとして実施されうる。
【0084】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503が1つまたは複数のプロセッサ501とともに、装置500に、
図3に関連して説明した方法の任意の動作を少なくとも実行させるように構成されうる。他の実装形態では、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503が、1つまたは複数のプロセッサ501を用いて、装置500に、
図4に関連して説明した方法の任意の動作を少なくとも実行させるように構成されうる。代替的にまたは追加的に、1つまたは複数のメモリ502およびコンピュータプログラムコード503は1つまたは複数のプロセッサ501とともに、装置500に、本開示の例示的な実施形態に係る、提案された方法を実施するために、より多いまたはより少ない動作を少なくとも実行させるように構成されうる。
【0085】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による装置610を示すブロック図である。
図6Aに示されるように、装置610は、受信部611および決定部612を有しうる。例示的な実施形態では、装置610がUEなどの端末機器で実施されうる。受信部611はブロック302における動作を実行するように動作可能であってよく、決定部612はブロック304における動作を実行するように動作可能であってよい。場合により、受信部611および/または決定部612は、本開示の例示的な実施形態に係る、提案された方式を実施するために、より多くの、またはより少ない動作を実行するように動作可能でありうる。
【0086】
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による装置620を示すブロック図である。
図6Bに示されるように、装置620は、送信部621および受信部622を有しうる。例示的な実施形態では、装置620が基地局などのネットワークノードにおいて実施されうる。送信部621はブロック402における動作を実行するように動作可能であってよう、受信部622はブロック404における動作を実行するように動作可能であってよい。場合により、送信部621および/または受信部622は、本開示の例示的な実施形態に係る、提案された方法を実施するために、より多くの、またはより少ない動作を実行するように動作可能でありうる。
【0087】
図7は、本開示のいくつかの実施形態に従って、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された電気通信ネットワークを示すブロック図である。
【0088】
図7を参照すると、ー実施形態に従って、通信システムは、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク711とコアネットワーク714とからなる、3GPPタイプのセルラネットワークなどの電気通信ネットワーク710を含んでいる。アクセスネットワーク711はNB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなどの複数の基地局712a、712b、712cを有し、複数の基地局712a、712b、712cはそれぞれ対応するカバレッジエリア713a、713b、713cを規定する。各基地局712a、712b、712cは、有線または無線接続715を用いてコアネットワーク714に接続可能である。カバレッジエリア713cに位置する第1のUE791は対応する基地局712cに無線で接続するように、または対応する基地局712cによってページングされるように構成される。カバレッジエリア713a内の第2のUE792は、対応する基地局712Aに無線で接続可能である。複数のUE791、792がこの例に示されているが、開示された実施形態は単一のUEがカバレッジエリア内にある状況、または単一のUEが対応する基地局712に接続している状況に等しく適用可能である。
【0089】
電気通信ネットワーク710はそれ自体がホストコンピュータ730に接続されており、ホストコンピュータ730は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバ、のハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されてもよいし、サーバファーム内の処理リソースとして実施されてもよい。ホストコンピュータ730は、サービスプロバイダの所有または管理下にある場合もあれば、サービスプロバイダによって、またはサービスプロバイダに代わって運用されている場合もある。電気通信ネットワーク710とホストコンピュータ730との間の接続721および722は、コアネットワーク714からホストコンピュータ730に直接延びてもよいし、オプションの中間ネットワーク720を経由してもよい。中間ネットワーク720は、公衆ネットワーク、プライベートネットワーク、ホステッドネットワークのうちの1つ、または2つ以上の組み合わせであってもよく、中間ネットワーク720がある場合は、中間ネットワーク720はバックボーンネットワークまたはインターネットであってもよく、具体的には、中間ネットワーク720は2以上のサブネットワーク(図示せず)を有してもよい。
【0090】
図7の通信システムは、全体として、接続されたUE791、792とホストコンピュータ730との間の接続性を実現する。この接続性は、オーバーザトップ(OTT)接続750として記述されうる。ホストコンピュータ730および接続されたUE791、792は、アクセスネットワーク711、コアネットワーク714、任意の中間ネットワーク720、および場合によってはさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続750を通じてデータおよび/またはシグナリングを通信するように構成される。OTT接続750は、OTT接続750が通過する参加通信装置がアップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、透過的でありうる。例えば、基地局712は、接続されたUE791に転送される(例えばハンドオーバされる)ホストコンピュータ730から発信されるデータをもつ入方向ダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されないか、通知される必要がないであろう。同様に、基地局712は、UE791からホストコンピュータ730に向けて発信される出方向アップリンク通信の将来のルーティングを意識する必要はない。
【0091】
図8は、本開示のいくつかの実施形態に従って、一部が無線である接続により、基地局を介してUEと通信するホストコンピュータを示すブロック図である。
【0092】
先の段落で論じたUE、基地局、およびホストコンピュータの、一実施形態による例示的な実装を、
図8を参照して説明する。通信システム800において、ホストコンピュータ810は、通信システム800の異なる通信装置のインタフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するように構成された通信インタフェース816を含むハードウェア815を有する。ホストコンピュータ810は、記憶および/または処理能力を有することができる処理回路818をさらに有する。特に、処理回路818は、命令を実行するように構成された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(図示せず)を有してもよい。ホストコンピュータ810は、ホストコンピュータ810に記憶されるか、ホストコンピュータ810がアクセス可能で、処理回路818によって実行可能なソフトウェア811をさらに有する。ソフトウェア811は、ホストアプリケーション812を含む。ホストアプリケーション812は、UE830およびホストコンピュータ810で終端するOTT接続850を介して接続するUE830のようなリモートユーザに、サービスを提供するように動作可能であってよい。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーション812は、OTT接続850を使用して送信されるユーザデータを提供することができる。
【0093】
通信システム800はさらに、通信システム内に設けられた基地局820であって、ホストコンピュータ810およびUE830と通信することを可能にするハードウェア825を有する基地局820を含む。ハードウェア825は、通信システム800の異なる通信装置のインタフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インタフェース826、ならびに基地局820によってサービスされるカバレッジエリア(
図8には示されていない)内に位置するUE830との少なくとも無線接続870をセットアップおよび維持するための無線インタフェース827を含みうる。通信インタフェース826は、ホストコンピュータ810への接続860を容易にするように構成されうる。接続860は直接的であってもよく、または電気通信システムのコアネットワーク(
図8には示されていない)を経由し、および/または電気通信システムの外部の1つ以上の中間ネットワークを経由してもよい。図示の実施形態では、基地局820のハードウェア825が、命令を実行するように構成された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(不図示)を有しうる処理回路828をさらに含む。基地局820はさらに、内部に記憶された、または外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア821を有する。
【0094】
通信システム800は、既に言及したUE830をさらに含む。そのハードウェア835は、UE830が現在位置するカバレッジエリアにサービスを提供する基地局との無線接続870をセットアップし、維持するように構成された無線インタフェース837を含むことができる。UE830のハードウェア835はさらに、命令を実行するように構成された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(図示せず)を有しうる処理回路838を含む。UE830は、UE830に記憶されるかUE830がアクセス可能で、処理回路838によって実行可能なソフトウェア831をさらに有する。ソフトウェア831は、クライアントアプリケーション832を含む。クライアントアプリケーション832はホストコンピュータ810のサポートにより、UE830を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能である。ホストコンピュータ810において、実行中のホストアプリケーション812は、UE830およびホストコンピュータ810で終端するOTT接続850を介して、実行中のクライアントアプリケーション832と通信することができる。サービスをユーザに提供する際に、クライアントアプリケーション832は、ホストアプリケーション812から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供してもよい。OTT接続850は、要求データおよびユーザデータの両方を転送することができる。クライアントアプリケーション832は、ユーザと対話して、提供するユーザデータを生成することができる。
【0095】
図8に示されるホストコンピュータ810、基地局820、およびUE830は、ホストコンピュータ730、基地局712a、712b、712cのうちの1つ、および
図7のUE791、792のうちの1つとそれぞれ類似または同一でありうることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部動作は
図8に示したものと同様でありうるとともに、それとは独立して、周囲のネットワークトポロジは
図7に示すものとなりうる。
【0096】
図8において、OTT接続850は、基地局820を介したホストコンピュータ810とUE830との間の通信を説明するために抽象的に描かれており、中間装置やこれらの装置を介したメッセージの正確なルーティングについては明示的に示されていない。ネットワークインフラストラクチャは、UE830から、またはサービスプロバイダが運用するホストコンピュータ810から、あるいはその両方から隠すように構成されてもよいルーティングを決定することができる。OTT接続850がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャはルーティングを動的に変更する決定を(例えば、負荷分散の考慮やネットワークの再構成に基づいて)さらに行いうる。
【0097】
UE830と基地局820との間の無線接続870は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、無線接続870が最後のセグメントを形成するOTT接続850を使用して、UE830に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、レイテンシおよび電力消費を改善する可能性があり、それによって、より低い複雑さ、セルにアクセスするために必要とされる時間の短縮、より良好な応答性、バッテリ寿命の延長などの利点を提供することができる。
【0098】
データレート、レイテンシ、および1つ以上の実施形態が改善する他のネットワーク動作態様を監視するために測定手順が提供されてもよい。さらに、測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ810とUE830との間のOTT接続850を再構成するためのオプションネットワーク機能があってもよい。OTT接続850を再構成するための測定手順および/またはネットワーク機能は、ホストコンピュータ810のソフトウェア811およびハードウェア815、またはUE830のソフトウェア831およびハードウェア835、あるいはその両方で実施することができる。いくつかの実施形態において、OTT接続850が経由する通信機器の中または通信機器に付随してセンサ(図示せず)を設けることができ、センサは、先に例示した監視量の値を供給することによって、またはソフトウェア811、831が監視量を計算または推定しうる他の物理量の値を供給することによって、測定手順に参加することができる。OTT接続850の再構成は、メッセージフォーマット、再送信設定、優先ルーティングなどを含むことができる。再構成は、基地局820に影響を与える必要はなく、基地局820には不明または感知不能であってもよい。このような手順および機能は当技術分野で公知かつ実践されているであろう。特定の実施形態において、測定は、スループット、伝搬時間、遅延などのホストコンピュータ810の測定を容易にする、専用のUEシグナリングを伴いうる。測定は、ソフトウェア811および831が伝搬時間、エラーなどを監視しながら、OTT接続850を使用して、メッセージ、特に空または「ダミー」メッセージを送信させることによって実施することができる。
【0099】
図9は、一実施形態に係る、通信システムで実施される方法および/または手順を示すフローチャートである。通信システムは、
図7および
図8に関して説明したものであってよい、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含む。本開示を簡単にするために、
図9に対する図面参照のみがこのセクションに含まれる。工程910において、ホストコンピュータは、ユーザデータを提供する。工程910の副工程911(オプションであってよい)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。工程920において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。工程930(オプションであってよい)において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。工程940(これもオプションであってよい)において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行する。
【0100】
図10は、一実施形態に係る、通信システムで実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図7および
図8に関して説明したものであってよい、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含む。本開示を簡単にするために、
図10への図面参照のみが、このセクションに含まれる。方法の工程1010において、ホストコンピュータは、ユーザデータを提供する。オプションの副工程(図示せず)では、ホストコンピュータが、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。工程1020において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して渡されうる。工程1030(オプションであってよい)において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0101】
図11は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図7および
図8に関して説明したものであってよい、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含む。本開示を簡単にするために、
図11への図面参照のみが、このセクションに含まれる。工程1110(オプションであってよい)において、UEは、ホストコンピュータによって提供される入力データを受信する。追加的にまたは代替的に、工程1120において、UEは、ユーザデータを提供する。工程1120の副工程1121(オプションであってよい)において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。工程1110の副工程1111(オプションであってよい)においてUEは、ホストコンピュータによって提供された受信入力データに応答して、ユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受け取ったユーザ入力をさらに考慮してもよい。ユーザデータが提供された具体的な方法にかかわらず、UEは、副工程1130(オプションであってよい)において、ユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。方法の工程1140において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0102】
図12は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図7および
図8に関して説明したものであってよい、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含む。本開示を簡単にするために、
図12への図面参照のみが、このセクションに含まれる。工程1210(オプションであってよい)において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。工程1220(オプションであってよい)において、基地局は、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。工程1230(オプションであってよい)において、ホストコンピュータは、基地局によって開始された送信で搬送されるユーザデータを受信する。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータでユーザデータを提供することを有しうる。場合により、方法は、ホストコンピュータで、
図4に関して説明した例示的な方法400の任意の工程を実行可能な基地局を有するセルラーネットワークを介して、UEへのユーザデータを搬送する送信を開始することを有しうる。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、UEへの送信のためにユーザデータをセルラーネットワークに転送するように構成された通信インターフェースとを有しうる。セルラーネットワークは、無線インターフェースおよび処理回路を有する基地局を有しうる。基地局の処理回路は、
図4に関して説明したような例示的な方法400の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータでユーザデータを提供することを有しうる。場合により、方法は、ホストコンピュータで、基地局を有するセルラネットワークを介してUEにユーザデータを搬送する送信を開始することを有しうる。UEは、
図3に関して説明したような例示的な方法300の任意の工程を実行しうる。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、UEへの送信のためにセルラーネットワークにユーザデータを転送するように構成された通信インターフェースとを有しうる。UEは、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。UEの処理回路は
図3に関して説明したような例示的な方法300の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータで、
図3に関して説明したような例示的な方法300の任意の工程を実行可能なUEから基地局に送信されたユーザデータを受信することを有しうる。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、UEから基地局への送信に由来するユーザデータを受信するように構成された通信インターフェースを有しうる。UEは、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。UEの処理回路は、
図3に関して説明したような例示的な方法300の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0109】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータと、基地局と、UEとを含みうる通信システムにおいて実施される方法が提供される。方法は、ホストコンピュータで、基地局から、基地局がUEから受信した送信に由来するユーザデータを受信することを有しうる。基地局は、
図4に関して説明したような例示的な方法400の任意の工程を実行しうる。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ホストコンピュータを含みうる通信システムが提供される。ホストコンピュータは、UEから基地局への送信に由来するユーザデータを受信するように構成された通信インターフェースを有しうる。基地局は、無線インターフェースおよび処理回路を有しうる。基地局の処理回路は、
図4に関して説明したような例示的な方法400の任意の工程を実行するように構成されうる。
【0111】
一般に、様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは専用チップ、回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組合せによって実施されうる。例えば、いくつかの態様はハードウェアで実施されうる一方で、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行されうるファームウェアまたはソフトウェアで実施されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。本開示の例示的な実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、または他の何らかの視覚的表現を用いて図示および説明され得るが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術または方法は、非限定例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティングデバイス、またはこれらの何らかの組み合わせで実装され得ることは十分に理解されるところである。したがって、本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様は、集積回路チップおよびモジュールといった様々な部品で実施されうることを理解すべきである。
【0112】
したがって、本開示の例示的な実施形態は、集積回路として実施される装置で実現されてもよく、集積回路は、本開示の例示的な実施形態に従って動作するように構成可能なデータプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンド回路および無線周波数回路の少なくとも1つを実施するための回路(ならびに場合によってはファームウェア)を有しうることが理解されよう。
【0113】
本開示の例示的な実施形態の少なくともいくつかの態様は、1つまたは複数のコンピュータまたは他の機器によって実行される、1つまたは複数のプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令で実施されうることを理解すべきである。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、またはコンピュータまたは他の機器内のプロセッサによって実行されたときに特定の抽象データタイプを実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ可読媒体に格納されうる。当業者が理解するように、プログラムモジュールの機能は様々な実施形態における要求に応じて組み合わされたり分散されたりしてもよい。さらに、機能は全体的または部分的に、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのファームウェアまたはハードウェア均等物で実施されうる。
【0114】
本開示は、本明細書に明示的に開示された任意の新規な特徴または特徴の組み合わせ、あるいはその一般化された形態を含む。本開示の前述の例示的な実施形態に対する様々な修正および適応化は、添付の図面と併せて読むことにより、前述の説明を考慮して関連する技術の当業者には明らかになるであろう。しかしながら、任意のおよび全ての変更は、本開示の非限定的かつ例示的な実施形態の範囲内に依然として含まれる。