(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ガラス板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、およびガラス板の処理装置
(51)【国際特許分類】
G11B 5/84 20060101AFI20240322BHJP
G11B 5/73 20060101ALI20240322BHJP
G11B 5/82 20060101ALI20240322BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20240322BHJP
B23K 26/354 20140101ALI20240322BHJP
C03B 29/08 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G11B5/84 Z
G11B5/73
G11B5/82
B23K26/064 A
B23K26/354
C03B29/08
(21)【出願番号】P 2022578529
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 JP2022003442
(87)【国際公開番号】W WO2022163841
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2024-01-23
(31)【優先権主張番号】1-2021-00461
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】VN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】東 修平
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150546(JP,A)
【文献】特表2018-519229(JP,A)
【文献】国際公開第2020/262702(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/051127(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/84
G11B 5/73
G11B 5/82
B23K 26/064
B23K 26/354
C03B 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内孔を有するガラス板の
前記内孔に沿った内周端面に沿ってレーザー光を照射する処理を含むガラス板の製造方法であって、
前記処理では、前記内周端面に前記レーザー光を照射する際、前記レーザー光を集光レンズにより集光させた後拡散光にし、前記拡散光を前記ガラス板の主表面に対して傾斜した方向から前記内周端面に照射さ
せ、
前記レーザー光が前記集光レンズにより集光する位置は、前記レーザー光の前記内周端面上の照射位置に対して前記内孔の中心を挟んで対向する前記内周端面の位置よりも径方向外側の前記主表面を含む平面の上方にある、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
【請求項2】
前記レーザー光の中心軸の前記主表面に対する傾斜角度は、20度以下である、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
【請求項3】
前記レーザー光の拡散角度は、20度以下である、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
【請求項4】
前記処理により、前記ガラス板の両側の前記主表面のそれぞれと前記内周端面との間の角部が面取され、
前記角部が面取された前記内周端面の断面形状は、前記ガラス板の厚さ方向の中心を通り前記主表面に平行な中心線に対して線対称形状である、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
【請求項5】
前記ガラス板は、磁気ディスク用ガラス基板の元となるガラス基板である、請求項1~
4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
【請求項6】
前記レーザー光の照射後、前記内周端面を研磨処理することなく、前記ガラス板の主表面を研削あるいは研磨する、請求項1~
5のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
【請求項7】
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
請求項1~
5のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法によってガラス板を製造した後、前記ガラス板の主表面を研削あるいは研磨して前記磁気ディスク用ガラス基板を製造することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造されたガラス板の主表面に磁性膜を形成する、ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
【請求項9】
内孔を有するガラス板の
前記内孔に沿った内周端面に沿ってレーザー光を照射する処理を行うガラス板の処理装置であって、
前記処理では、前記内周端面に前記レーザー光を照射する際、前記レーザー光を集光レンズにより集光させた後拡散光にし、前記拡散光を前記ガラス板の主表面に対して傾斜した方向から前記内周端面に照射さ
せ、
前記レーザー光が前記集光レンズにより集光する位置は、前記レーザー光の前記内周端面上の照射位置に対して前記内孔の中心を挟んで対向する前記内周端面の位置よりも径方向外側の前記主表面を含む平面の上方にある、ことを特徴とするガラス板の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円環形状のガラス板の内周端面に対してレーザー光を照射する処理を含むガラス板の製造方法およびこのガラス板の製造方法を用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、及びガラス板の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ記録のためのハードディスクドライブ(HDD)装置には、円環形状の非磁性の磁気ディスク用ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられる。
磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、最終製品である磁気ディスク用ガラス基板の素となる円環状のガラス板の端面は、微細なパーティクルが主表面に付着して磁気ディスクの性能に悪影響を与えないためにも、パーティクルの発生しやすい端面の表面を滑らかにすることが好ましい。また、磁気ディスクを精度よくHDD装置に組み込む点から、さらには、ガラス基板の主表面に磁性膜を形成する際にガラス基板の外周端面を把持する治具の把持に適するように、ガラス板の端面を目標形状に揃えることが好ましい。
【0003】
円環形状のガラス板の端面を目標形状にするための方法として、ガラス板のエッジを、レーザー光を用いて面取り加工する方法が知られている。例えば、情報記録媒体用ガラス基板の内外周端面を、レーザー光を用いて低コストで容易に滑らかにすることができる技術が知られている(特許文献1)。
具体的には、内周端面の面取り加工をする場合、円環形状のガラス板の内孔に反射ミラーを配置して、ガラス板の主表面の上方からレーザー光を反射ミラーに向けて照射し、反射ミラーで反射したレーザー光の反射光を内周端面に照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記技術を用いて複数のガラス板の内周端面にレーザー光を照射する場合、ガラス板と反射ミラーがぶつかることがないように、例えば、ガラス板を交換する度に反射ミラーを内孔から退避させ、また、次に加工するガラス板の内孔内に移動させる必要がある。この場合反射ミラーを移動させるための移動機構が必要になるとともに、反射ミラーの移動の時間もかかる。一方、反射ミラーを移動させずにガラス板を移動させる場合も移動経路が複雑になる。そのため、反射ミラーを用いたレーザー光照射装置の装置構成は複雑になるとともに生産性が悪化する。
【0006】
そこで、本発明は、円環形状のガラス板の内周端面に対してレーザー光の照射を行ってガラス板を製造するとき、簡素な装置構成によりレーザー光の照射を行うことができるガラス板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、内孔を有するガラス板の前記内孔に沿った内周端面に沿ってレーザー光を照射する処理を含むガラス板の製造方法である。
前記処理では、前記内周端面に前記レーザー光を照射する際、前記レーザー光を集光レンズにより集光させた後拡散光にし、前記拡散光を前記ガラス板の主表面に対して傾斜した方向から前記内周端面に照射させ、
前記レーザー光が前記集光レンズにより集光する位置は、前記レーザー光の前記内周端面上の照射位置に対して前記内孔の中心を挟んで対向する前記内周端面の位置よりも径方向外側の前記主表面を含む平面の上方にある。
前記処理により、前記ガラス板の両側の前記主表面のそれぞれと前記内周端面との間の角部が面取される、ことが好ましい。
【0008】
前記レーザー光の中心軸の前記主表面に対する傾斜角度は、20度以下である、ことが好ましい。
【0009】
前記レーザー光の拡散角度は、20度以下である、ことが好ましい。
【0010】
前記処理により、前記ガラス板の両側の前記主表面のそれぞれと前記内周端面との間の角部が面取され、
前記角部が面取された前記内周端面の断面形状は、前記ガラス板の厚さ方向の中心を通り前記主表面に平行な中心線に対して線対称形状である、ことが好ましい。
【0012】
前記ガラス板は、磁気ディスク用ガラス基板の元となるガラス基板である、ことが好ましい。
【0013】
前記レーザー光の照射後、前記内周端面を研磨処理することなく、前記ガラス板の主表面を研削あるいは研磨する、ことが好ましい。
【0014】
本発明の他の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、前記ガラス板の製造方法によってガラス板を製造した後、前記ガラス板の主表面を研削あるいは研磨して前記磁気ディスク用ガラス基板を製造することを特徴とする。
【0015】
本発明のさらに他の一態様は、前記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造されたガラス板の主表面に磁性膜を形成する、ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法である。
【0016】
本発明のさらに他の一態様は、内孔を有するガラス板の前記内孔に沿った内周端面に沿ってレーザー光を照射する処理を行うガラス板の処理装置である。
前記処理では、前記内周端面に前記レーザー光を照射する際、前記レーザー光を集光レンズにより集光させた後拡散光にし、前記拡散光を前記ガラス板の主表面に対して傾斜した方向から前記内周端面に照射させ、
前記レーザー光が前記集光レンズにより集光する位置は、前記レーザー光の前記内周端面上の照射位置に対して前記内孔の中心を挟んで対向する前記内周端面の位置よりも径方向外側の前記主表面を含む平面の上方にある。
前記処理により、前記ガラス板の両側の前記主表面のそれぞれと前記内周端面との間の角部が面取される、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
上述のガラス板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、及びガラス板の処理装置によれば、円環形状のガラス板の内周端面に対してレーザー光を照射してガラス板を製造する装置において簡素な装置構成によりレーザー光の照射を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は、一実施形態であるガラス板の製造方法で製造されるガラス板の一例の斜視図であり、(b)は、面取面の形成後のガラス板の端面の断面形状の一例を示す図であり、(c)は、面取面の形成前のガラス板の端面の断面形状の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態であるガラス板の製造方法において行うレーザー光の照射を説明する図である。
【
図3】一実施形態であるガラス板の製造方法において行うレーザー光の照射を説明する図である。
【
図4】拡散光を用いたガラス板の製造方法で行うレーザー光の照射を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、一実施形態のガラス板の製造方法、ガラス板の処理装置、磁気ディスクガラス基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法について詳細に説明する。
【0020】
一実施形態のガラス板の製造方法で製造されるガラス板は、円環形状のガラス板の端面に面取加工が施されたもので、例えば磁気ディスク用ガラス基板に用いられる。
図1(a)は、一実施形態であるガラス板の製造方法で製造される円環形状のガラス板の一例の斜視図である。円環形状のガラス板は、外周が円形状をしたガラス板である。また、円環形状のガラス板は、上記円形状の円と同心円の内孔があいて内周を有する。また、円環形状のガラス板は、一対の主表面を有する。
【0021】
図1(a)に示すガラス板1は、磁気ディスク用ガラス基板として用いることができる。ガラス板1を磁気ディスク用ガラス基板として用いる場合、磁気ディスク用ガラス基板のサイズは制限されないが、例えば、公称直径2.5インチや3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板のサイズである。公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、外径(直径)が55~70mm、例えば、外径が65mmや67mm、内孔の径(直径)が20mm、板厚が0.3~1.3mmである。公称直径3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、外径が85~100mm、例えば、外径が95mm、96mmや97mmであり、内孔の径が25mmであり、板厚が0.3~1.3mmである。
【0022】
図1(a)に示すガラス板1には、端面の形状加工により端面(内周端面及び/または外周端面)と主表面との間の角部が面取されて面取面(もしくは面取部)が形成されている。なお、本発明では、後述のように面取された後の領域である面取部が平坦面ではない場合でも、その面取部を面取面と呼ぶ。
図1(b)は、本発明により角部が面取された端面全体の断面形状の一例を示す図である。2つの角部が面取りされた端面は、2つの面取面5を有している。断面形状は、ガラス板1の円環形状の中心を通り径方向及び板厚方向に沿ったガラス板1の形状である。
図1(b)に示すように、面取面5の断面形状は、ガラス板の表面において外側に凸の滑らかな曲線によって作られる湾曲面形状を成している。面取後(面取済)の端面の断面形状は、
図1(b)に示す例のように、2つの主表面それぞれに接続する面取面5、及び、2つの面取面5の間に存在する側壁面6、が全体として1つの湾曲面を形成したものであってもよい。なお、
図1(b)に示す断面形状の他の例として、2つの主表面にそれぞれ接続する面取面が2つの湾曲形状で形成され、2つの面取面の間に存在する側壁面が主表面に直交する直線形状又は面取面とは別の湾曲した曲線形状で形成されてもよい。上記の面取加工後のガラス板1の半径方向の面取長は、半径方向において端面が最も突出した位置の半径と、主表面が端面に向かって傾斜し始める位置の半径との差分として定義され、例えば30~200μmとすることができる。
磁気ディスク用ガラス基板の場合、このガラス板1に対して必要に応じて、主表面の研削及び/又は研磨を行った後、ガラス板1の主表面上に磁性膜が形成されて磁気ディスクが作られる。
【0023】
図1(c)は、面取面形成前のガラス板(以後、ガラス素板とも言う)の内周端面7の断面形状の一例を示す図である。この内周端面7に、後述するレーザー光を照射することにより、ガラス素板の主表面と内周端面7との境界部の角部が軟化点以上の温度に加熱されて一部溶解し、例えば
図1(b)のように湾曲面となることで面取処理がなされる。面取面形成前のガラス素板の内周端面7は、ガラス素板の主表面に対して略直交する面である。外周端面も、内周端面7と同じように、ガラス素板の主表面に対して略直交する面を有する。このような面に後述するレーザー光を照射することにより、主表面と内周端面7との間の角部を面取りすること、例えば、
図1(b)に示す面取面5を形成させることができる。なお、
図1(c)に示す内周端面7の断面形状は、一例であって、主表面に対して略直交する形状に制限されず、角部が僅かに丸まっている形状や主表面に対して傾斜した形状であってもよいが、内周端面7の断面形状が、面取面5の形成前において、ガラス素板の厚さ方向の厚さの中心を通り主表面に平行な中心線に対して線対称(後述)となっていると、レーザー光を照射後の内周端面、すなわち、面取面5の形成後の内周端面の断面形状も同様に線対称になりやすいので好ましい。
【0024】
図2及び
図3は、一実施形態であるガラス板1の製造方法において行うレーザー光の照射を説明する図である。レーザー光Lの照射により、内周端面7に面取面5を形成することができ、また、内周端面7あるいは面取面5の表面粗さを小さくすることができる。レーザー光Lの照射後の内周端面(面取面5及び/又は側壁面6)の表面粗さは、算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)で50nm以下、及び/または、最大高さRz(JIS B0601 2001)で500nm以下である。当該表面粗さは、例えばレーザー顕微鏡で測定することができる。
図2及び
図3に示すように、レーザー光照射前の円環形状のガラス板(すなわち、円環形状のガラス素板2)の内孔3に沿った内周端面7にレーザー光Lの照射を行う際、内周端面7に対してレーザー光Lがガラス素板2の周方向に相対的に移動するように内周端面7にレーザー光Lを照射する。換言すれば、その際、レーザー光Lを、集光レンズ10による集光位置12を通過させて収束光L1から拡散光L2にし、この拡散光L2をガラス素板2の主表面に対して傾斜した方向から内周端面7に照射させる。すなわち、
図2,3に示す実施形態では、レーザー光Lを集光レンズ10により集光させた後に拡散光L2にし、この拡散光L2を、主表面に対して傾斜した方向から内周端面7に照射する。拡散光L2を主表面に対して傾斜した方向から照射するとは、拡散光L2の光束の中心軸を、主表面に対して傾斜させて照射することをいう。さらに換言すれば、
図2,3に示す実施形態では、集光レンズ10により集光させたレーザー光Lが集光位置(焦点)12を過ぎて拡散光L2となったところで内周端面7に照射するようにする。なお、レーザー光Lの収束及び拡散は、少なくともガラス素板の板厚方向において生じていれば良い。
【0025】
拡散光L2の光束は、集光位置12近傍では小さい。光束が大きいと、内周端面7のレーザー光Lの照射位置14に対して円環形状のガラス素板2の中心を挟んで対向するガラス素板2の部分が光路の障害物となって光が散乱し、あるいは、対向部分を透過するにしても透過光の光強度は低下し、面取面5の形成が困難になったり、内周端面の断面形状を線対称形状にするほどの光強度を確保できない。
【0026】
本実施形態では、あえて集光位置12を通過した後の拡散光L2を用いることにより、ガラス素板2が障害物になり易い場所(後述の位置A)の傍において光束を小さくすることができる。これにより、レーザー光Lはガラス素板2の当該障害物となり易い場所を回避しやすくなる。このため、拡散光L2の、ガラス素板2の主表面に対する傾斜角度を小さくすることができる。
そして、ガラス素板2の主表面に対する傾斜角度を小さくして拡散光L2を照射することによって、照射時、集光位置12における内周端面7の厚さ方向の両側の角部の温度は略同じ温度に近づく。このため、内周端面の断面形状を線対称形状であって、目標形状にすることが容易にできる。すなわち、内周端面の断面形状を、ガラス板1の厚さ方向の真ん中を通り主表面に平行な中心線に対して線対称形状にすることができる。
【0027】
ここで、線対称形状とは、ガラス板1の厚さ方向の真ん中を通り主表面に平行な中心線に対して断面形状の輪郭線を折り返したときの厚さ方向の各位置における端面の輪郭線同士の主表面に平行な方向のずれのうち最大ずれが30[μm]以下であることをいう。当該最大ずれは20[μm]以下であるとより好ましい。当該最大ずれが30[μm]を超えると、磁気ディスクとして機能させるための磁性膜等を成膜する成膜装置内において内孔3を保持するときにガラス板1の姿勢が不安定となり、ガラス板1の割れや落下のトラブルが発生しやすくなる。また、ガラス素板2の内周端面の断面形状に関して線対称形状とは、ガラス板1の代わりにガラス素板2を用いたときの上記最大ずれが30[μm]以下であることをいう。
【0028】
なお、内周端面7の照射位置14の内孔3の中心を挟んだ対向部分20が光路の障害物とならないようにするために、集光位置12は、拡散光L2の内周端面7上の照射位置14に対して内孔3の中心を挟んで対向する内周端面7の位置(以後、「位置A」とも言う)の上方を中心としたエリアにセットされるのが好ましい。集光位置12は、レーザー光Lの仕様(傾斜角度θや拡散角度φなど)、ガラス素板2の板厚及び内孔3の直径などを考慮して種々調整してよい。また、集光位置12は、位置Aよりも径方向外側の主表面を含む平面の上方に位置するようにセットされることが好ましい。こうすることで、照射位置14における拡散光L2の光束の面積(スポット径)を十分広くする効果も得られる。集光位置12は、換言すれば、平面視において、上記の位置Aから径方向外側に0mm超の距離離れていることが好ましい。当該距離は、10mm以上であるとより好ましく、20mm以上であるとより一層好ましい。当該距離について上限は特に設ける必要はないが、装置の大型化を避けるために例えば300mm以下とすればよい。なお、本明細書において、平面視とは、ガラス板の主表面に対し垂直な方向から見たことを意味する。
【0029】
レーザー光Lは、図示されないレーザー発振装置から出射して得ることができる。また、内周端面7に対してレーザー光L(拡散光L2)をガラス素板2の周方向に相対的に移動させるには、例えば、ガラス素板2の円環形状の中心を、図示されない回転台の回転中心に位置合わせして固定し、ガラス素板2を回転させる方法を用いることができる。例えば、回転台と共に回転するガラス素板2の内周端面7に対してレーザー光Lを照射することによって、ガラス素板2の内周端面7に沿って、レーザー光Lを走査すればよい。レーザー光Lとガラス素板2の内周端面7との相対的な移動速度は、例えば0.7~100[mm/秒]とすればよい。
レーザー光Lとしては、例えばCO2レーザー光を用いることができる。CO2レーザー光の波長は3μm以上とすることが好ましい。なお、レーザー光Lは、ガラスに対し吸収がある発振波長であればCO2レーザー光以外でもよく、例えば、COレーザー光(発振波長約5μm又は約10.6μm)、Er-YAGレーザー光(発振波長約2.94μm)等でもよい。
レーザー光Lの、内周端面7上の照射位置における光束(照射スポット)のサイズおよび形状は、例えば直径1~10mmの円形状とすればよいが、これと同等の面積の楕円形状としてもよい。照射スポットのサイズ及び形状は、面取加工対象のガラス素板2の板厚に応じて適宜選択すればよいが、内周端面7の断面形状を線対称形状にする観点から、少なくとも板厚方向においてガラス素板2の板厚よりも大きいサイズとするのが好ましい。
レーザー光Lの照射位置における光束の平均パワー密度は、例えば1~30[W/mm2]とすればよい。平均パワー密度は、レーザー光Lの全パワー[W]を、レーザー光Lが照射される内周端面7の部分を含む面上における光束の面積[mm2](すなわち、光束の一部が内周端面7からはみ出る場合は、当該はみ出た部分の面積も含める)で割った値である。レーザー光Lの全パワーは、例えば10~300[W]とすればよい。
【0030】
内周端面7への拡散光L2の照射では、拡散光L2の光束の中心軸が、ガラス素板2の円環形状の中心の上方(主表面と直交するガラス素板2の中心軸上のガラス素板2より上方の位置)を通るようにレーザー光Lを照射することが好ましい。こうすることで、レーザー光Lの内周端面7への入射角度が垂直に近づくため、レーザー光Lの反射によるエネルギーロスを最小限に抑制できるため、面取面5を効率よく形成することができる。
【0031】
また、レーザー光Lの照射前及び/又は照射中に、ガラス素板2を加熱することが好ましい。こうすることで、レーザー光Lによる面取加工後の内周端面近傍に生じる残留歪を低減することができる。加熱方法としては、例えば、ガラス素板2の周りにヒータ等を配置して、ガラス素板2全体の温度を上昇させればよい。ヒータとしては例えば、ハロゲンランプヒータ、カーボンヒータ、シーズヒータなどの赤外線ヒータ等を用いることができる。
【0032】
このように、集光位置12を通過したレーザー光Lの拡散光L2を内周端面7に照射することにより、従来のように内孔3に反射ミラーを配置する必要がなくなるので、ガラス素板2及びガラス板1の搬送経路が制限されず、装置構成を簡素化することができる。
【0033】
図4は、本発明とは異なる方法を用いたガラス板1の製造方法において行うレーザー光の照射を説明する図である。
図4は、収束光L1を内周端面7に照射する例である。収束光L1は、内周端面7の照射位置14から離れるほど光束は広がるので、内周端面7のレーザー光Lの照射位置14に対向するガラス素板2の対向部分20が障害物となって光の一部が散乱し、あるいは、透過するにしても透過光の強度は低下して、面取面5の形成が困難になったり、内周端面の断面形状を線対称形状にするほどの光強度を確保できない。
【0034】
拡散光L2(レーザー光)の光束の中心軸の主表面に対する傾斜角度θ(
図3参照)は、上述したように、内周端面の断面形状を線対称形状にするために小さくすることが好ましく、具体的には20度以下であることが好ましく、15度以下であることがより好ましく、10度以下であるとより一層好ましい。また、拡散光L2をガラス素板2の一方の主表面の側からのみ、この主表面に対して傾斜した方向から照射することが好ましい。この場合、一方の主表面に対して反対側の他方の主表面の側からガラス素板2をしっかりと固定することができ、ガラス素板2の位置ずれを抑制することができる。これにより精密な形状制御が可能となるので、内周端面の全体に渡って、内周端面を前述の線対称形状にすることが容易となる。また、装置構成を大幅に簡略化することができる。傾斜角度θの最小値は、特に制限されないが、例えば1度以上であることが好ましい。傾斜角度θが1度未満であると、量産時に光学系の調整が困難となる場合がある。
また、レーザー光Lの拡散角度φ(
図4参照。集光または拡散するときの光束の狭まりまたは広がりを示す角度)は、上記の傾斜角度θを小さくしやすくなる観点から、全角表示で20度以下であることが好ましく、10度以下であることがより好ましく、5度以下であるとより一層好ましい。また、拡散角度φが小さいほど、レーザー発振装置及び/又はレンズ等の光学系部品の位置を加工対象物であるガラス素板2から比較的遠ざけやすくなるので、例えばガラス素板2をレーザー光照射装置にロード/アンロードする付帯装置などの設計自由度が高くなるというメリットもある。拡散角度φの最小値は、特に制限されないが、例えば全角表示で0.5度以上であることが好ましい。拡散角度φが0.5度未満であると、装置が大型化してしまう場合がある。
【0035】
レーザー光Lを照射する対象であるガラス素板2の製造方法について、その製造方法は特に制限されないが、例えば、フロート法、ダウンドロー法、あるいはプレス法により製造される。フロート法やダウンドロー法により製造された広いシート状のガラス板から内孔の設けられた円盤形状のガラス板を複数枚、取りだすことができる。広いシート状のガラス板から円盤形状のガラス板を取りだす方法は、周知のスクライバを用いた割断によって行ってもよいし、レーザー光をガラス板に照射して、円形状に欠陥を形成して、円環形状に切り出してもよい。
【0036】
一実施形態であるガラス板の処理装置は、上述したガラス板の製造方法を行うよう構成されている。ガラス板の処理装置は、レーザー光照射装置を備えている。レーザー光照射装置は、レーザー発振装置と、光学系部品とを有している。光学系部品は、集光レンズ10を含むレンズ等を有している。また、ガラス板の処理装置は、ガラス素板を固定又は載置等により保持する保持部と、当該保持部を回転させるための回転機構とを備えていてもよい。また、ガラス板の処理装置は、保持部と回転機構の機能が一体化した回転台を備えていてもよい。
【0037】
磁気ディスク用ガラス基板を、上述した面取面5の形成されたガラス板1から製造する場合、最終製品である磁気ディスク用ガラス基板に適した特性を有するように以下に説明する各種処理が行われる。
【0038】
ガラス板1は、主表面の研削・研磨処理が行われる。
研削・研磨処理では、ガラス板1に対して研削及び/又は研磨が行われる。両方行う場合は、研削後に研磨が行われる。
研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス板1の一対の主表面に対して研削が行われる。具体的には、ガラス板1の外周端面を、両面研削装置の保持部材(研削用キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラス板1の両側の主表面の研削を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス板1が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、クーラントを供給しながらガラス板1と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス板1の両主表面を研削することができる。例えば、ダイヤモンドの微粒子を樹脂で固定した固定砥粒をシート状に形成した研削部材を定盤に装着して研削することができる。
【0039】
次に、研削後のガラス板1の一対の主表面に第1研磨が施される。具体的には、ガラス板1の外周端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス板1の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨は、研削処理後の主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。
【0040】
第1研磨処理では、固定砥粒による上述の研削処理に用いる両面研削装置と同様の構成を備えた両面研磨装置を用いて、研磨スラリを与えながらガラス板1が研磨される。第1研磨処理では、遊離砥粒を含んだ研磨スラリが用いられる。第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、酸化セリウム、あるいはジルコニア等の砥粒が用いられる。両面研磨装置も、両面研削装置と同様に、上下一対の定盤の間にガラス板1が狭持される。下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂ポリッシャ)が取り付けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス板1と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス板1の両主表面を研磨する。研磨砥粒の大きさは、平均粒径(D50)で0.5~3μmの範囲内であることが好ましい。
【0041】
第1研磨後、ガラス板1を化学強化してもよい。この場合、化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合熔融液等を用い、ガラス板1を化学強化液中に浸漬する。これにより、イオン交換によってガラス板1の表面に圧縮応力層を形成することができる。
【0042】
次に、ガラス板1に第2研磨が施される。第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。具体的には、ガラス板1の外周端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持させながら、ガラス板1の両側の主表面の研磨が行われる。第2研磨処理では、第1研磨処理に対して、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なり、樹脂ポリッシャの硬度が異なる。樹脂ポリッシャの硬度は第1研磨処理時よりも小さいことが好ましい。例えばコロイダルシリカを遊離砥粒として含む研磨液が両面研磨装置の研磨パッドとガラス板1の主表面との間に供給され、ガラス板1の主表面が研磨される。第2研磨に用いる研磨砥粒の大きさは、平均粒径(d50)で5~50nmの範囲内であることが好ましい。第2研磨後のガラス板1の一対の主表面の粗さは、算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)で0.2nm以下とすることが好ましい。当該表面粗さは、例えばAFMで測定することができる。
【0043】
化学強化処理の要否については、ガラス組成や必要性を考慮して適宜選択すればよい。第1研磨処理及び第2研磨処理の他にさらに別の研磨処理を加えてもよく、2つの主表面の研磨処理を1つの研磨処理で済ませてもよい。また、上記各処理の順番は、適宜変更してもよい。
こうして、上述したレーザー光L(拡散光L2)の端面への照射により端面の面取面5を形成したガラス板1を製造した後、ガラス板1の主表面を研削あるいは研磨することにより、磁気ディスク用ガラス基板に要求される条件を満足した磁気ディスク用ガラス基板が製造される。
この後、磁気ディスク用ガラス基板の主表面に少なくとも磁性膜を形成することにより、磁気ディスクが製造される。
【0044】
なお、レーザー光L(拡散光L2)の端面への照射により面取面5を形成した後に、ガラス板1の端面(内周端面及び/又は外周端面)を研磨する端面研磨を行ってもよい。
このような端面研磨を行う場合であっても、レーザー光Lの照射によって面取面5が形成されたガラス板1の端面の算術平均粗さRaを50nm以下、及び/または、Rzを500nm以下にできるので、端面研磨に要する時間を短くすることができる。
端面研磨は、遊離砥粒を端面に供給しながら研磨ブラシを用いて研磨する研磨ブラシ方式を用いてもよい。しかし、生産効率を高めるためには、端面研磨をすることなく、ガラス板1の主表面を研削あるいは研磨することが好ましい。すなわち、ガラス板1の端面の表面粗さを、レーザー光Lの照射によって得られる端面の表面粗さに保持したまま、ガラス板1の主表面を研削あるいは研磨することが好ましい。なお、本実施形態で行うレーザー光Lの照射により形成される端面の表面粗さは小さいので、面取面5の形成は端面研磨を兼ねているといえる場合がある。この場合、上述の端面研磨とは、面取面5の形成で同時に行われる端面研磨以外の、追加の端面研磨をいう。
なお、追加の端面研磨は、第1研磨を行う前に行うことが好ましい。第1研磨後に追加の端面研磨を行うと、研磨された主表面にキズをつける場合がある。また、追加の端面研磨は、主表面の研削処理の前又は後に行ってもよい。
【0045】
ガラス板1、及びその元板となるガラス素板2のガラスの材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどのアモルファスのガラスを用いることができる。特に、主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、ガラスの材料は、アモルファスのガラスであることが好ましい。また、磁性膜を形成する際の加熱に耐えうるように、ガラス板1及びガラス素板2のガラス転移温度Tgは、450~850℃であることが好ましい。
【0046】
(実験例1)
円環状ガラス素板の内周端面へのレーザー光Lの照射条件を種々変更した場合に、光束が当該ガラス素板によって遮られるかどうかをシミュレーションにより確かめた。
【0047】
(シミュレーション条件)
・円環状ガラス素板の形状:外径97mm、内径25mm、厚さ1mm、内周端面の断面は上記
図1(c)に示す断面形状と同じ形状
・レーザー光の傾斜角度θ、拡散角度φ、照射スポット径(直径)、照射方法(収束光か拡散光か)、照射位置14から集光位置12までの距離(平面視したときの距離)のそれぞれを、表1のとおり種々変えて、上記ガラス素板の内周端面に照射した場合を想定した。なお、照射スポット径は、計算を簡略化するため、内周端面の照射位置におけるガラス板の板厚方向の光束の断面の最大長さとした(すなわち、傾斜角度θのレーザー光Lの中心軸に垂直な断面から得た長さではない)。また、照射スポット径の中心は内周端面の板厚の中心に合わせた。
・評価結果:光束が少しでもガラス素板で遮られる場合をBAD(すなわち、
図4のような場合)、全く遮られない場合をGOOD(すなわち、
図3のような場合)とした。
【0048】
【0049】
表1からわかるように、従来の収束光を用いる条件では光束が遮られるケースでも、拡散光を用いることによって光束が遮られずにレーザー光を照射できることがわかった。
照射位置から集光位置までの距離が25mmを超える場合、平面視において焦点の位置はガラス素板の内径端よりも径方向外側に位置している。すなわち、前述の「位置A」よりも径方向外側に位置している。このような場合、レーザー発振装置及び/又はレンズ等の光学系部品の位置を加工対象物であるガラス素板から比較的遠ざけやすくなる。その結果、例えばガラス素板をレーザー光照射装置にロード/アンロードする付帯装置などの設計自由度が高くなるので好ましい。
【0050】
(実験例2)
表1の条件10、12、14を用いて、実際にガラス素板の内周端面の面取処理を行った。円環状ガラス素板の形状は厚さを0.7mmに変更した以外は実験例1と同様とした。ガラス素板の材料としてはガラス転移点が約500℃のアモルファスのアルミノシリケートガラスを用いた。レーザー光LにはCO
2レーザーを用いた。レーザー光Lの照射前にガラス素板2の主表面全体を赤外線ヒータにより加熱した。その他の照射を実施するための条件や方法は、面取処理後の内周端面が
図1(b)と同様の断面形状を有するように、前述の実施形態を参照して適宜調節した。
【0051】
その結果、いずれの条件においても、得られたガラス板の内周端面は、
図1(b)と同様の断面形状を有し、面取面が形成されていた。また、それらの内周端面の表面粗さは算術平均粗さRaで50nm以下(レーザー顕微鏡で測定)であった。また、ガラス板の厚さ方向の中心を通り前記主表面に平行な中心線に対して線対称形状であった。
【0052】
以上、本発明のガラス板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、およびガラス板の処理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0053】
1 ガラス板
2 ガラス素板
3 内孔
5 面取面
6 側壁面
7 内周端面
10 集光レンズ
12 集光位置
14 照射位置
20 対向部分