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  • 特許-位置特定のための車両の開始位置の確定 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】位置特定のための車両の開始位置の確定
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
G01C21/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022581433
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2021065895
(87)【国際公開番号】W WO2022002564
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】102020208082.8
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ナハシュテット,ティモ
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】リ,レンリン
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101346(JP,A)
【文献】特開2015-114126(JP,A)
【文献】特開2007-263844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御機器(4)による車両(2)の位置特定のための前記車両(2)の開始位置(A)の確定方法であって、
- 前記車両(2)のオドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器(6)からの測定データ(12)が受信され、
- 前記受信された測定データ(12)に基づいて、第1の位置(P)および前記第1の位置(P)の不確実性範囲が決定され、
- 多数の格納された特徴(18)を有する特徴地図の少なくとも1つの地図区域(16)が受信され、前記地図区域(16)が、前記第1の位置(P)および前記不確実性範囲に重なっている位置および広さを有しており、
- LIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器(8)からの測定データが受信され、かつ前記受信された測定データから静的特徴(20)が抽出され、
- 前記車両(2)の第1の開始位置(A)が、測定データから抽出された前記静的特徴(20)と、前記地図区域(16)に格納されている特徴(18)とのマッチングによって確定され
前記LIDARセンサ機器、前記レーダセンサ機器、および/または前記カメラセンサ機器(8)のより古い測定から抽出された静的特徴(22)が、前記抽出された特徴(22)と、前記地図区域(16)に格納されている特徴(18)とのマッチングを実施するために使用され、
前記より古い測定から抽出された前記静的特徴(22)が、前記オドメトリセンサ機器(6)の測定データ(12)により、最新の測定から抽出された前記静的特徴(20)と連結される、確定方法。
【請求項2】
前記第1の開始位置(A)から時間的に間隔をあけ、少なくとも1つの第2の開始位置(A2、A3)が確定され、前記第1の開始位置(A)および前記少なくとも1つの第2の開始位置(A2、A3)が、前記オドメトリセンサ機器(6)の測定データ(12)から確定された位置(P、P2、P3)と比較され、前記少なくとも1つの第2の開始位置(A2、A3)と、前記オドメトリセンサ機器(6)の測定データ(12)によって確定された前記車両(2)の位置(P2、P3)とのズレ(D)が計算され、一貫性チェックが実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の開始位置(A)から時間的に間隔をあけ、少なくとも1つの第2の開始位置(A2、A3、AP)が確定され、前記第1の開始位置(A)および前記少なくとも1つの第2の開始位置(A2、A3、AP)が、前記オドメトリセンサ機器(6)の測定データ(12)により、軌道に結び付けられ、各軌道に対して適合の質が確定され、最高の適合の質をもつ1つの軌道と結びつけられた開始位置が、前記車両(2)の位置特定のために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の位置(P)を決定するために最適化方法が用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両(2)の前記オドメトリセンサ機器および/または前記GNSSセンサ機器(6)の前記測定データ(12)が連続的に受信され、前記受信された測定データ(12)に基づいて連続的に前記第1の位置(P)が決定される、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載の方法によって確定された第1の開始位置(A)が、入力量および/またはバリデーション量として受信される、位置特定の実施方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項に記載の開始位置の確定方法が、請求項に記載の位置特定の実施方法に並行して実施される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれか1項に記載の方法または請求項もしくはに記載の方法を実行するために適応されている制御機器(4)。
【請求項9】
コンピュータまたは制御機器(4)によってコンピュータプログラムが実行される際に前記コンピュータまたは制御機器(4)に請求項1からのいずれか1項に記載の方法または請求項もしくはに記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項に記載のコンピュータプログラムが保存されている機械可読のメモリ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置特定のための車両の開始位置の確定方法に関する。本発明はさらに、位置特定の実施方法、制御機器、コンピュータプログラム、および機械可読のメモリ媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車線まで正確なデジタル地図を利用するには、車両が、自車の位置を車線まで正確に決定できなければならない。車両の位置は、位置特定によって確定され得る。位置特定は通常は反復法に基づくので、車両位置の位置特定は、精確な初期位置または開始位置を必要とする。これに関し、初期位置を出発点として車両位置を決定するために、例えばオドメトリセンサ機器の測定データが用いられる。
【0003】
GNSSデータの受信に基づく、車両位置特定のための初期位置の決定方法が既に知られている。この場合、初期位置を決定するために複数のGNSS位置が参照され得る。しかしながら、この方法のために必要な相応の衛星からのGNSS信号は、例えば森またはトンネルのような多くの道路区間内では入手できない。さらに、確定されたGNSS位置の不十分な精度が問題である。
【0004】
確定されたGNSS位置の精度を改善するためにディファレンシャル法が用いられ得るが、このディファレンシャル法は、追加的なハードウェア故に費用が高く、広域的な利用が可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎となる課題は、割安なセンサ機器によって実現可能な、反復式の車両位置特定のための初期位置または開始位置の精確な確定方法を提案することに見出され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項のそれぞれの対象によって解決される。本発明の有利な形態は、それぞれの従属請求項の対象である。
本発明の一態様に基づき、制御機器による車両の位置特定のための車両の開始位置の確定方法が提供される。本方法は、とりわけ、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの形態での制御機器の初期化モジュールによって実行され得る。
【0007】
1つのステップで、車両のオドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器からの測定データが受信される。このためにオドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器は、制御機器とデータ伝送式につながれ得る。
【0008】
受信された測定データに基づいて、第1の位置および第1の位置の不確実性範囲が決定される。さらなるステップでは、多数の格納された特徴を有する特徴地図の少なくとも1つの地図区域が受信される。この地図区域が、第1の位置および第1の位置の不確実性範囲に重なっている位置および広さを有することが好ましい。不確実性範囲は、楕円形、円形、または多角形の形状で形成され得る。これに関し位置は、不確実性範囲内で中心にまたは中心を外れて存在し得る。
【0009】
さらなるステップでは、LIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器からの測定データが受信され、かつ受信された測定データから静的特徴が抽出される。このような静的特徴は、静的オブジェクト、例えば建物、車道境界線、路面標示、樹木、道路標識、車道の延び具合、およびその類似物を写像し得る。これに関し静的特徴は、記号または特徴的な測定データラスタの形態で存在し得る。
【0010】
続いて車両の開始位置が、測定データから抽出された静的特徴と、地図区域に格納されている特徴とのマッチングによって確定される。
【0011】
本方法により、反復位置特定法のための基礎として用いられる、車線まで正確な車両の初期位置または開始位置が確定され得る。開始位置は、車両の位置および向きを有する開始ポーズとして形成されていてもよい。
【0012】
地図区域を、第1の位置およびその不確実性範囲の周りの小さな領域へと限定することにより、少ない技術的努力で特徴マッチングが実施され得る。この場合、センサ精度への要求は低く、これにより割安のセンサも本方法のために利用可能である。
【0013】
レーダセンサ機器を用い得ることは、雨または霧のような不適当な気象条件の際にも開始位置の決定を可能にする。さらに、GNSS信号のない地域でも開始位置が精確に確定され得る。
【0014】
開始位置は、とりわけ、自動化または部分自動化された走行機能を実現するために使用され得る。このような走行機能は、例えば、車線まで正確なナビゲーションにアクセスでき、かつ軌道計画を有し得る。
【0015】
開始位置の確定方法は、実質的に3つの主要ステップによって決定される。1つのステップでは、第1の位置を決定するために、車両のオドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器の測定データが、別々にまたはセンサデータ融合として参照される。この第1の位置に基づいて、第1の位置およびその不確実性範囲をカバーする相応の地図区域がダウンロードされ得る。第3の主要ステップでは、ダウンロードされた地図区域が、LIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器の測定データを手掛かりとする特徴に基づく位置特定のために利用され得る。
【0016】
本発明のさらなる一態様に基づき、本方法を実行するために適応されている制御機器が提供される。この制御機器は、例えば車両側の制御機器、車両外部の制御機器、または車両外部のサーバユニット、例えばクラウドシステムであり得る。
【0017】
制御機器は、とりわけ位置特定モジュールおよび/または初期化モジュールを有し得る。これにより制御機器は、車両の開始位置の確定方法および/または位置特定の実施方法を実行し得る。
【0018】
それだけでなく本発明の一態様に基づき、コンピュータまたは制御機器によってコンピュータプログラムが実行される際にコンピュータまたは制御機器に本発明による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。本発明のさらなる一態様に基づき、本発明によるコンピュータプログラムが保存されている機械可読のメモリ媒体が提供される。
【0019】
車両は、BASt(ドイツ道路交通研究所)規格に基づいて支援され、部分自動化され、高度自動化され、および/または完全自動化されもしくは無人で動作可能であり得る。
【0020】
車両は、例えば乗用車、トラック、ロボタクシー、およびその類似物として存在し得る。車両は、道路上での動作に制限されない。むしろ車両は、水上を走る乗り物、空を飛ぶ乗り物、例えば輸送用ドローン、およびその類似物として形成されていてもよい。
【0021】
さらなる一実施形態では、第1の開始位置から時間的に間隔をあけ、少なくとも1つの第2の開始位置が確定され、第1の開始位置および少なくとも1つの第2の開始位置が、オドメトリセンサ機器の測定データから確定された位置と比較される。少なくとも1つの第2の開始位置と、オドメトリセンサ機器の測定データによって確定された車両の位置とのズレが計算され、一貫性チェックが実施されることが好ましい。この一貫性チェックは、本方法の最終ステップとして実現され得、この最終ステップが、初期化の信頼できる結果を保証する。この一貫性チェックは、とりわけ、多数の同一の車道境界線または静的特徴を有する例えば森区域またはアウトバーンのような規則的な周囲環境内で、開始位置の正しさを保証し得る。
【0022】
一貫性チェックは、2つの相次ぐ位置合わせ結果または開始位置の第1のものが、オドメトリセンサ機器の測定データを使い、第2の位置合わせ結果の時点まで進められ、続いて実際の第2の位置合わせ結果との差が計算される場合に、技術的に特に簡単に実現され得る。この差が、ある特定の閾値より下であれば、この開始位置は整合性があるとみなされ得る。
【0023】
有利な一形態では、複数の整合性のある開始位置が相次いで確定され得、その後、これらの開始位置が車両位置特定に渡される。
【0024】
さらなる1つの例示的実施形態によれば、第1の開始位置から時間的に間隔をあけ、少なくとも1つの第2の開始位置が確定され、第1の開始位置および少なくとも1つの第2の開始位置が、オドメトリセンサ機器の測定データにより、軌道に結び付けられる。各軌道に対して適合の質が確定され、最高の適合の質をもつ1つの軌道が使用されるかまたはすべての軌道が放棄される。開始位置が放棄されると、その後、一貫性チェックに合格する開始位置を確定するために、本方法が改めて実施される。これにより、複数仮説追跡(Multiple-Hypothesis-Tracking)が使用され得る。この措置により、とりわけ規則的な周囲環境内で、開始位置の精確さがさらに高められ得る。
【0025】
さらなる一実施形態によれば、LIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器のより古い測定から抽出された静的特徴が、これらの抽出された特徴と、地図区域に格納されている特徴とのマッチングを実施するために使用される。この場合、地図区域が、最新の測定とより古い測定との間隔に相応して拡張され得る。これは、オドメトリセンサ機器の測定データを参照することによって実現され得る。より古い測定データと最新の測定データが、空間的に互いに間隔をあけた静的特徴を有し得ることが好ましく、これらの静的特徴を組み合わせ、第1の開始位置を確定するために、地図区域に格納されている特徴とマッチングすることができる。これにより、第1の開始位置を確定するためにより大きなデータクラウドが参照され得る。この措置は、例えば一貫性チェックの代わりに行われ得る。
【0026】
さらなる1つの例示的実施形態によれば、より古い測定から抽出された特徴が、オドメトリセンサ機器の測定データにより、最新の測定から抽出された特徴と連結される。これにより、例えば数秒早く確定されたより古い静的特徴が、車両の進んだ距離を経て、最新の確定された静的特徴と結び付けられ得る。進んだ距離は、オドメトリセンサ機器によって辿られ得る。これにより、例えばアウトバーンまたは森区間のような規則的な周囲環境内での不明確さまたは多義性を解消するための相応の特徴を有する拡張された道路形状が用いられ得る。
【0027】
さらなる一実施形態によれば、第1の位置を決定するために最適化方法が用いられる。例えば、ある期間にわたって受信された車両のオドメトリセンサ機器およびGNSSセンサ機器の測定データによる移動グラフ(gleitender Graph)に基づいてデータ構造が作成され得、それを基に第1の位置が確定され得る。この措置により、第1の位置を決定する際の測定不確実性、変動、ジッタが除去または減少され得る。
【0028】
さらなる1つの例示的実施形態によれば、車両のオドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器の測定データが連続的に受信される。さらに、受信された測定データに基づいて連続的に第1の位置が決定される。この措置により、第1の開始位置を確定するための第1の位置の入手可能性が保証され得る。
【0029】
さらなる一実施形態によれば、確定された開始位置が、道路開放サービス(Straβenfreigabedienst)を実施するために用いられる。これにより本方法は、特定の自動化または部分自動化された走行支援機能に対し、道路または道路区間を開放するために用いられ得る。その際、オドメトリセンサ機器の測定データおよび静的特徴の冗長的な使用により、例えばいわゆるGNSSスプーフィングによる開始位置の不正操作が防止され得る。
【0030】
本発明のさらなる一態様に基づき、位置特定の実施方法が提供され、車両の開始位置の本発明による確定方法によって確定された第1の開始位置が、入力量および/またはバリデーション量として受信される。
【0031】
この確定された開始位置により、車両の位置特定が、割安な車両センサを用いても、デジタル地図に対して車線まで正確に行われ得る。この位置特定の実施方法は、車両のLIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器の測定データからの静的特徴と、デジタル地図に格納されている特徴との連続的なマッチングを実現し得る。これは、例えば制御機器の位置特定モジュールによって行われ得る。
【0032】
位置特定の実施方法が反復式に形成されているので、精確な開始位置の提供により、車両が特に正確に位置特定され得る。
【0033】
第1の位置により、とりわけ、特徴に基づく位置特定のための検索範囲を少なくとも1つの地図区域へと限定でき、必要計算量が減らされ得る。
【0034】
一実施形態によれば、開始位置または初期位置の確定方法が、位置特定の実施方法に並行して実施される。この措置により、制御機器の初期化モジュールは、位置特定中にバックグラウンドで動作することもできる。この場合、初期化モジュールの出力が、位置特定部の出力の追加的な状態チェックとして使用され得る。開始位置と、位置特定によって確定された車両位置との限界値を上回る相違が確認される場合、位置特定モジュールのために新たな開始位置を出力でき、改めて車両の位置特定が開始され得る。
【0035】
以下に、非常に簡略化した概略図に基づいて本発明の好ましい例示的実施形態をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】車両の第1位置の決定を図示するための車道の概略的な俯瞰図である。
図2図1からの車道および地図区域の概略的な俯瞰図である。
図3】一貫性チェックを図示するための概略的なグラフである。
図4】一貫性チェックを図示するための概略的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図4は、制御機器4による車両2の位置特定のための車両2の第1の開始位置Aの確定方法を図示するための概略図を示す。
【0038】
車両2は、オドメトリセンサ機器および/またはGNSSセンサ機器6ならびに特徴に基づく位置特定のための追加的なセンサ機器8を有する。追加的なセンサ機器8は、例えばLIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器として形成されていてもよい。
【0039】
図1は、車両2の第1の位置Pの決定を図示するための車道10の概略的な俯瞰図を示す。車両2は、車道10を走行方向Fに走行する。図示された例示的実施形態では、走行中にオドメトリセンサ機器およびGNSSセンサ機器6によって測定データが収集される。これに関し、第1の位置Pを決定するため、時間的に相次いで収集されたオドメトリセンサ機器およびGNSSセンサ機器6の複数の測定データ12が保存される。オドメトリセンサ機器およびGNSSセンサ機器6の測定データ12は、任意で平滑化されてもよく、これにより、確定された測定データ12から、最適化された測定データ14が結果として生じる。確定された測定データ12は、例えば移動平均によって最適化され得る。
【0040】
確定された測定データ12は最大数を有してもよく、よって古い測定データは自動的に消去されるか、またはより最新の測定データによって上書きされる。この場合、第1の位置Pは、最適化または平滑化に基づく、オドメトリセンサ機器およびGNSSセンサ機器6の最後のまたは最新の測定として形成されていてもよい。
【0041】
図2では、図1からの車道10および地図区域16の概略的な俯瞰図が示されている。地図区域16は、特徴地図の一部であり、多数の特徴18を有する。図示した例示的実施形態では、特徴地図はレーダ特有の特徴地図である。地図区域16は、第1の位置Pおよび第1の位置Pの任意の不確実性範囲に重なるまたはそれをカバーする位置および広さを有する。
【0042】
さらに、LIDARセンサ機器、レーダセンサ機器、および/またはカメラセンサ機器8の最新の測定から抽出された静的特徴20およびより古い測定からの静的特徴22が考慮され、したがって抽出された静的特徴20、22と、地図区域16に格納されている特徴18とのマッチングを実施するために、拡張された地図区域16が使用される。
【0043】
レーダ特有の特徴地図および地図区域16は、道路網または車道10のトポロジーを写像する地図区域16の形態で格納されている。この少なくとも1つの地図区域16は、見やすくするために図2では示されていない車両2の座標系に変換され得る。さらに、地図区域16の特徴18と抽出された静的特徴20、22とが比較され、特徴に基づく位置特定のために互いに対して位置合わせされ得る。このような位置合わせは、コスト関数およびこのコスト関数のための最適化アルゴリズムによって実現され得る。
【0044】
図3および図4は、一貫性チェックを図示するための概略的なグラフを示す。図3は、技術的に簡略化された一貫性チェックを示す。第1の開始位置Aから時間的に間隔をあけた複数の第2の開始位置A2、A3が確定される。
【0045】
開始位置A、A2、A3に並行して位置P、P2、P3がオドメトリセンサ機器6によって確定され、かつ開始位置A、A2、A3と比較される。このために、位置P、P2、P3と開始位置A、A2との差Dまたは間隔が計算され得る。差Dが所定の閾値または限界値より下であれば、一貫性チェックは成功である。
【0046】
図示した例示的実施形態では、最初の2つの開始位置A、A2は整合性があり、または正しい。最後の開始位置A3は、位置P3からの大きすぎるズレDを有し、整合性がない。この場合、車両2の開始位置Aの確定方法が改めて実施され、一貫性チェックに投じられ得る。最後にチェックされた開始位置A3が車両2の位置特定のために供される前に、一貫性チェックが、チェックが成功した複数の開始位置A、A2、A3を有し得ることが好ましい。
【0047】
図4では、複数仮説追跡に基づく、技術的により手間のかかる一貫性チェックが図示されている。地図区域16内で最も良く一致している複数の開始位置A、A2、A3が考慮される。これらの開始位置A、A2、A3が、特徴18、20、22のそれぞれ最後の位置合わせに基づく一致と連結される。オドメトリセンサ機器6の測定データ12は、開始位置A、A2、A3をつなぐために用いられる。開始位置A、A2、A3の各々が地図区域16内で、抽出された特徴20、22と地図区域16に格納されている特徴18とが一致する並列の開始位置APを有し得る。特徴に基づく位置特定のこのような結果は、例えばアウトバーン区間のような規則的な周囲環境の場合に生じ得る。オドメトリセンサ機器6の測定データ12が、軌道の形態で、それぞれの開始位置A、A2、A3、APと比較され、最高の適合の質をもつ開始位置A、A2、A3、APが、車両2のその先の位置特定のために使用される。
図1
図2
図3
図4