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特許7458522スライドレール組立体及びスライドレールキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】スライドレール組立体及びスライドレールキット
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/50 20170101AFI20240322BHJP
   A47B 88/49 20170101ALI20240322BHJP
【FI】
A47B88/50
A47B88/49
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023017486
(22)【出願日】2023-02-08
(65)【公開番号】P2024031748
(43)【公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】111132228
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-175843(JP,A)
【文献】米国特許第7658457(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0270982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロッキング特徴部を含む第1レールと、
前記第1レールに対して移動可能である第2レールと、
前記第2レールに配置されている第1機能部材と、
前記第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と、
前記第2レールに配置されているブロッキング部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して所定位置に位置し、前記第1機能部材が第1状態にある場合に、前記第1機能部材と前記ブロッキング特徴部とは、前記第2レールが前記所定位置から第1所定方向に移動しないように規制するために、互いにブロックし、
前記ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は、前記第1状態から解放するために前記第1機能部材を駆動しないように前記第1操作部材を規制するために、前記第1操作部材をブロックし、
前記ブロッキング部材が非ブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は、前記第1操作部材が前記第1機能部材を前記第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、前記第1操作部材をブロックせず、前記第1機能部材が前記第2状態にある場合に、前記第1機能部材と前記ブロッキング特徴部とは、前記第2レールを前記所定位置から前記第1所定方向に移動させることを可能にするために、互いにブロックしない、スライドレール組立体。
【請求項2】
ブロッキング特徴部を含む第1レールと、
前記第1レールに対して移動可能である第2レールと、
前記第2レールに配置されている第1機能部材と、
前記第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と、
前記第2レールに配置されている弾性的に復帰可能なブロッキング部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して所定位置に位置し、前記第1機能部材が第1状態にある場合に、前記第1機能部材と前記ブロッキング特徴部とは、前記第2レールが前記所定位置から第1所定方向に移動しないように規制するために、互いにブロックし、
前記ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は、前記第1状態から解放するために前記第1機能部材を駆動しないように前記第1操作部材を規制するために、前記第1操作部材をブロックし、
前記ブロッキング部材が前記ブロッキング状態から非ブロッキング状態に強制的に切り替えられた場合に、前記ブロッキング部材は、前記第1操作部材が前記第1機能部材を前記第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、前記第1操作部材をブロックせず、前記第1機能部材が前記第2状態にある場合に、前記第1機能部材と前記ブロッキング特徴部とは、前記第2レールを前記所定位置から前記第1所定方向に移動させることを可能にするために、互いにブロックせず、
前記非ブロッキング状態での前記ブロッキング部材が解放された場合に、前記ブロッキング部材は弾性的に復帰し、前記非ブロッキング状態から前記ブロッキング状態に切り替わる、スライドレール組立体。
【請求項3】
前記第1レールは、第1壁と、第2壁と、長手方向壁とを含み、前記第1レールの前記長手方向壁は、前記第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続され、前記第1レールの前記第1壁と、前記第2壁と、前記長手方向壁とは、前記第2レールを収容するために協働してチャンネルを画定し、
前記ブロッキング部材が前記非ブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は前記第1操作部材をブロックせず、前記第1操作部材が、前記第1状態から前記第2状態に前記第1機能部材を駆動することを可能にし、
前記第1機能部材が前記第2状態にある場合に、前記第1機能部材と前記ブロッキング特徴部とは互いにブロックせず、前記第2レールを前記所定位置から前記第1所定方向に移動させることにより、前記第2レールを前記チャンネルから分離することを可能にする、請求項1又は2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記第1レールは、前部分と後部分とを含み、前記ブロッキング特徴部は、前記第1レールの前記前部分に隣接して配置されている、請求項1又は2記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
さらに、第2機能部材と第2操作部材とを備え、前記第2機能部材は、前記第2レールに配置され、前記第2操作部材は、前記第2機能部材を操作するように構成され、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記所定位置に位置し、前記第2機能部材が第3状態にある場合に、前記第2機能部材と前記ブロッキング特徴部とは互いにブロックし、前記第2レールを前記所定位置から第2所定方向に移動しないように規制する、請求項1又は2記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記第2操作部材が、前記第2機能部材を前記第3状態から第4状態に駆動した場合に、前記第2機能部材と前記ブロッキング特徴部とは、互いにブロックせず、前記第2レールが前記所定位置から前記第2所定方向に移動することを可能にする、請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
スライドレールと、
前記スライドレールに配置されている第1機能部材と、
前記第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と、
前記スライドレールに配置されているブロッキング部材とを備え、
前記ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は、動作する前記ブロッキング部材が前記第1機能部材を駆動しないように規制するために、前記第1操作部材をブロックし、
前記ブロッキング部材が非ブロッキング状態にある場合に、前記ブロッキング部材は、前記第1操作部材が前記第1機能部材を第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、前記第1操作部材をブロックしない、スライドレールキット。
【請求項8】
前記第1操作部材は、前記第2レール又はスライドレールに移動可能に取り付けられている、請求項1又は2記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第1機能部材は、前記第2レール又はスライドレールに枢軸的に接続されている、請求項1又は2記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
さらに、前記第1機能部材に弾性力を加えるように構成されている弾性部材を備えている、請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び2の特徴項に先立つ前文に記載したスライドレール組立体、及び請求項7の特徴項に先立つ前文に記載したスライドレールキットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1及び第2スライドトラックを含むスライドトラック組立体用の双方向の保持装置を開示している。双方向の保持装置は、第1及び第2スライドトラックにそれぞれ配置された保持機構と停止部材とを備えている。保持機構は、少なくとも2つの保持アームを含み、停止部材は、ブロッキング部を含む。第1スライドトラックが、第2スライドトラックに対して伸長位置などの所定の動作位置に位置する場合に、第2スライドトラックの上に配置された停止部材のブロッキング部が、2つの保持アームの間に位置し、これに係合する。これにより、第2スライドトラックに対して第1スライドトラックを双方向に位置決めする。さらに、2つの保持アームは、停止部材のブロッキング部分から旋回可能に外れるように、少なくとも1つのリンクによって操作することができる。これにより、第2スライドトラックに対して所定の動作位置から、第1スライドトラックを第2スライドトラックの中へ後退させるために後退方向に移動すること、又は、第1スライドトラックを第2スライドトラックから分離するために開放方向に移動することを第1スライドトラックができるようにする
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6935710B2号
【発明の概要】
【0004】
しかし、少なくとも1つのリンク機構が誤って接触した場合に、第1スライドトラックが第2スライドトラックに対して意図しない動きをすると、装置の損傷や、人のからだの怪我を引き起こす可能性がある。従って、高められた使用安全性を有するスライドレール製品を提供することが、重要な主題となる。
【0005】
これを念頭に置いて、本発明はスライドレール組立体及びスライドレールキットを提供することを目的とする。
【0006】
これは、請求項1及び2に記載のスライドレール組立体、また、請求項7に記載のスライドレールキットによって達成される。従属の請求項は、対応する一層の開発及び改良に関連する。
【0007】
後述する詳細な説明から一層明確に分かるように、請求項に記載したスライドレール組立体は、ブロッキング特徴部を含む第1レールと;第1レールに対して移動可能である第2レールと;第2レールに配置されている第1機能部材と;第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と;第2レールに配置されているブロッキング部材とを備え;第2レールが第1レールに対して所定位置に位置し、第1機能部材が第1状態にある場合に、第1機能部材とブロッキング特徴部とは、第2レールが所定位置から第1所定方向に移動しないように規制するために、互いにブロックし;ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材は、第1状態から解放するために第1機能部材を駆動しないように第1操作部材を規制するために、第1操作部材をブロックし;ブロッキング部材が非ブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材は、第1操作部材が第1機能部材を第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、第1操作部材をブロックせず、第1機能部材が第2状態にある場合に、第1機能部材とブロッキング特徴部とは、第2レールを所定位置から第1所定方向に移動させることを可能にするために、互いにブロックしないものである。
【0008】
この他に、請求項に記載したスライドレール組立体は、ブロッキング特徴部を含む第1レールと;第1レールに対して移動可能である第2レールと;第2レールに配置されている第1機能部材と;第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と;第2レールに配置されている弾性的に復帰可能なブロッキング部材とを備え;第2レールが第1レールに対して所定位置に位置し、第1機能部材が第1状態にある場合に、第1機能部材とブロッキング特徴部とは、第2レールが所定位置から第1所定方向に移動しないように規制するために、互いにブロックし;ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材は、第1状態から解放するために第1機能部材を駆動しないように第1操作部材を規制するために、第1操作部材をブロックし;ブロッキング部材がブロッキング状態から非ブロッキング状態に強制的に切り替えられた場合に、ブロッキング部材は、第1操作部材が第1機能部材を第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、第1操作部材をブロックせず、第1機能部材が第2状態にある場合に、第1機能部材とブロッキング特徴部とは、第2レールを所定位置から第1所定方向に移動させることを可能にするために、互いにブロックせず;非ブロッキング状態でのブロッキング部材が解放された場合に、ブロッキング部材は弾性的に復帰し、非ブロッキング状態からブロッキング状態に切り替わるものである。
【0009】
さらに、請求項に記載したスライドレールキットは、スライドレールと;スライドレールに配置されている第1機能部材と;第1機能部材を操作するように構成されている第1操作部材と;スライドレールに配置されているブロッキング部材とを備え;ブロッキング部材がブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材は、動作するブロッキング部材が第1機能部材を駆動しないように規制するために、第1操作部材をブロックし;ブロッキング部材が非ブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材は、第1操作部材が第1機能部材を第1状態から第2状態に駆動することを可能にするために、第1操作部材をブロックしないものである。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、疑いなく当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下では、添付の図面を参照しながら、本発明を一例としてさらに例示する。
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係り、伸長状態でのスライドレール組立体の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体の分解図である。
図3】本発明の第1実施形態に係り、ブロッキング部材が操作部材をブロックする場合での、スライドレール組立体の斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係り、ブロッキング部材が操作部材をブロックしない場合での、スライドレール組立体の斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係り、後退状態でのスライドレール組立体の図である。
図6】本発明の第1実施形態に係り、第3レールに対する伸長位置の第1レールに対して異なる位置に第2レールが配置されている場合での、スライドレール組立体の図である。
図7】本発明の第1実施形態に係り、第3レールに対する伸長位置の第1レールに対して異なる位置に第2レールが配置されている場合での、スライドレール組立体の図である。
図8】本発明の第1実施形態に係り、第3レールに対する伸長位置の第1レールに対して異なる位置に第2レールが配置されている場合での、スライドレール組立体の図である。
図9】本発明の第1実施形態に係り、伸長位置での第1レールに対して所定位置から、第2レールが第1所定方向に移動することが可能にされた場合での、スライドレール組立体の図である。
図10】本発明の第1実施形態に係り、第2レールが伸長位置で第1レールから分離される場合での、スライドレール組立体の図である。
図11】本発明の第1実施形態に係り、伸長位置での第1レールに対して所定位置から、第2レールが第2所定方向に移動することが可能にされた場合での、スライドレール組立体の図である。
図12】本発明の第2実施形態に係り、ブロッキング部材が操作部材をブロックする場合での、スライドレール組立体の図である。
図13】本発明の第2実施形態に係り、ブロッキング部材が操作部材をブロックしない場合での、スライドレール組立体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる例示的な実施形態を例示するために示される添付の図面を、好ましい実施形態の以下の詳細な説明の中で参照する。これに関して、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向に関する用語が、記載されている図(複数可)の姿勢に関連して使用される。本発明の部材は、多数の異なる姿勢で配置してよい。従って、方向に関する用語は、説明の目的のために使用され、決して限定的なものでない。従って、図面及び説明は、限定的なものでなく、本質的に例示的なものとみなされる。また、断りがない場合に、「接続」という用語は、間接的又は直接的な機械的接続を意味することを意図している。従って、第1装置が第2装置に接続された場合に、直接的な機械的接続を介して、又は他の装置及び接続を介して間接的な機械的接続を介して、その接続は行われてよい。
【0014】
図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態では、スライドレール組立体20は、第1レール22と第2レール24とを含む。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第3レール26を含む。第1レール22は、第3レール26と第2レール24との間に移動可能に取り付けられ、第3レール26に対して第2レール24が移動する距離を延ばすように構成されている。本実施形態では、第3レール26と、第1レール22と、第2レール24とはそれぞれ、外レールと、外レールに対して長手方向に移動可能な中間レールと、中間レールに対して長手方向に移動可能な内レールとであってよい。即ち、スライドレール組立体20は、3部分タイプのスライドレール組立体であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、スライドレール組立体は、単に第1レールと第2レールとのみを含んでよい。第1レールと第2レールとはそれぞれ、外レールと、外レールに対して長手方向に移動可能な内レールとであってよく、即ち、スライドレール組立体は、2部分タイプのスライドレール組立体であってよい。
【0015】
第3レール26は、第1壁28aと、第2壁28bと、第3レール26の第1壁28a及び第2壁28bの間に接続された長手方向壁30とを含む。第3レール26の第1壁28aと、第2壁28bと、第3壁30とは、第1レール22を少なくとも部分的に収容するために、協働して第3レール26のチャンネル32を画定する。第3レール26は、前部分26aと後部分26bとを含む。
【0016】
第1レール22は、第1壁34aと、第2壁34bと、第1レール22の第1壁34a及び第2壁34bの間に接続された長手方向壁36とを含む。第1レール22の第1壁34aと、第2壁34bと、長手方向壁36とは、第2レール24を少なくとも部分的に収容するために、協働して第1レール22のチャンネル38を画定する。第1レール22は、前部分22aと後部分22bとを含む。さらに、第1レール22は、第1レール22のチャンネル38の内側に配置されたブロッキング特徴部39をさらに含む。好ましくは、本実施形態では、ブロッキング特徴部39は、第1レール22の長手方向壁36から横方向又は横断方向に突出する突出部分であり、第1レール22の前部分22aに隣接して配置されてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0017】
第2レール24は、第1壁40aと、第2壁40bと、第2レール24の第1壁40a及び第2壁40bの間に接続された長手方向壁42とを含む。第2レール24は、前部分24aと後部分24bとを含む。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの第1スライド促進デバイス35が、第3レール26のチャンネル32の内側に配置されている。第1スライド促進デバイス35は、複数のボールを含み、第1レール22が第3レール26に対して滑らかにスライドすることを容易にする。一方、少なくとも1つの第2スライド促進デバイス37が、第1レール22のチャンネル38の内側に配置されている。第2スライド促進デバイス37は、複数のボールを含み、第2レール24が第1レール22に対して滑らかにスライドすることを容易にする。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1スライド促進デバイス及び/又は第2スライド促進デバイスは省略されてよい。
【0019】
図3を参照する。図3に示すように、スライドレール組立体20はさらに、機能部材(working member)とも称してよい第1機能部材44と、操作部材とも称してよい第1操作部材46と、第2レール24の上に配置されたブロッキング部材48とを備えている。第2レール24は、スライドレールとも称してよい。第2レール24と、第1機能部材44と、第1操作部材46と、ブロッキング部材48とは、協働してスライドレールキットを形成してよい。第1操作部材46は、第1機能部材44を操作するように構成されている。ブロッキング部材48は、第1操作部材46と協働するように構成されている。本実施形態では、ブロッキング部材48は、弾性的に復帰可能な弾性構造である。実施形態では、ブロッキング部材48は、弾性プレートであってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。さらに、ブロッキング部材48は、接続セグメント48aとブロッキングセグメント48bとを含む。接続セグメント48aは、第2レール24に接続、例えば、固定的に接続され、ブロッキングセグメント48bは、接続セグメント48aから延びる。好ましくは、実施形態では、ブロッキング部材48はさらに、ブロッキングセグメント48bに接続された操作セグメント48cを含む。操作セグメント48cは、ブロッキングセグメント48bを接続セグメント48aに対して、ユーザが弾性的に移動することを容易に可能にするように構成されている。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、操作セグメントは省略されてよい。別の実施形態では、第1レールは省略されてよく、第2レールは、第1レールではなく、他の構成要素、例えばブラケット又はフレームに取り付けられてよい。
【0020】
好ましくは、第1機能部材44は、第1旋回軸50を介して第2レール24に枢軸的に接続されている。
【0021】
好ましくは、第1操作部材46は、第2レール24に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、第1操作部材46は、第2レール24の長手方向に沿って第2レール24に対して移動することができ、第2レール24は、第1操作部材46が移動するように操作された場合に、第1操作部材46の移動安定性を高めるために、第1操作部材46を支持するように構成された少なくとも1つの第1保持特徴部33を含んでよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1操作部材は、第1保持特徴部によって提供される支持なしで、第2レールに対して旋回することができる。
【0022】
好ましくは、第1操作部材46は、第1操作部51aと、第1駆動部51bと、第1操作部51a及び第1駆動部51bの間に接続された第1延長部51cとを含む。
【0023】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、弾性部材52を備えている。弾性部材52は、第2レール24の上に配置され、第1機能部材44を弾性的に第1状態S1に保持するために第1機能部材44に弾性的に力を加えるように構成されている。本実施形態では、弾性部材52は、第1機能部材44に第1弾性力を与えるように構成された第1弾性部材54aを含んでよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0024】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第2機能部材56と、第2レール24の上に配置され、第2機能部材56を操作するように構成された第2操作部材58とを備えている。第2操作部材58は、第2操作部59aと、第2駆動部59bと、第2操作部59a及び第2駆動部59bの間に接続された第2延長部59cとを含む。
【0025】
好ましくは、第2機能部材56は、第2旋回軸60を介して第2レール24に枢軸的に接続されている。
【0026】
好ましくは、第2操作部材58は、第2レール24に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、第2操作部材58は、第2レール24の長手方向に沿って第2レール24に対して移動可能である。第2レール24は、少なくとも1つの第2保持特徴部61を含んでよい。第2保持特徴部61は、第2操作部材58が操作されて移動した場合に、第2操作部材58の移動安定性を高めるために第2操作部材58を支持するように構成されている。さらに、この実施形態では、第2操作部材58はさらに、第2レール24の第1壁40a及び第2壁40bのうちの少なくとも1つ、例えば、第2レール24の第1壁40aによって支持されてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第2保持特徴部又は第2レールの壁によって提供される支持なしで、第2操作部材は、第2レールに対して旋回可能である。
【0027】
好ましくは、弾性部材52はまた、第2機能部材56を第3状態S3に弾性的に保持するために、第2機能部材56に弾性的に力を加えるように構成されている。本実施形態では、弾性部材52はさらに、第1機能部材44に第2弾性力を与えるように構成されている第2弾性部材54bを含んでよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0028】
図3及び図4を参照する。ブロッキング部材48がブロッキング状態K1にある場合に、第1機能部材44を駆動して第1機能部材44を図3に示す状態から解放させないように第1操作部材46を規制するために、ブロッキング部材48は第1操作部材46をブロックする。ブロッキング部材48が、図4に示すように非ブロッキング状態K2にある場合に、例えば、ブロッキング状態K1から非ブロッキング状態K2に切り替えるためにユーザから与えられる第1外力F1によって、ブロッキング部材48が駆動される場合に、ブロッキング部材48、例えば、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bは、弾性変形されて、第1外力F1と反対の復元弾性力Jを発生させる。その結果、ブロッキング部材48は、第1操作部材46をブロックしない。ブロッキング部材48が第1操作部材46をブロックしない場合に、第1操作部材46は、図4に示す第2外力F2によって駆動されることが可能にされ、図3に示す第1位置X1から図4に示す第2位置X2へ移動し、第1機能部材44を図3に示す第1状態S1から図4に示す第2状態S2に切り替えるように駆動する。
【0029】
具体的には、図3に示すように、ブロッキング部材48がブロッキング状態K1にある場合に、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bは、第1操作部材46の移動路の中に配置され、第1操作部材46が第1機能部材44を駆動して第1状態S1から解放しないように規制するために、第1操作部材46をブロックする。第1操作部材46を操作することが望ましい場合には、ユーザは、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bを操作してよく、例えば、第1外力F1を図4に示すブロッキング部材48の操作部48cに加え、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bを接続セグメント48aに対して駆動して弾性的に移動させ、ブロッキング部材48を図3に示すブロッキング状態K1から図4に示す非ブロッキング状態K2に切り替える。その結果、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bと第1操作部材46とは互いに位置ずれが生じ、即ち、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bが第1操作部材46の移動路の中に位置せず、第1操作部材46をブロックすることができない。第1操作部材46は、例えば第1操作部材46の第1操作部51aに加えられる第2外力F2によって、操作されることが可能にされる。第1操作部材46を駆動して、図3に示す第1位置X1から図4に示す第2位置X2へ移動させる。
【0030】
なお、第1操作部材46が、図4に示す第2位置から逆に図3に示す第1位置に移動し、第1外力F1が除去された場合に、復元弾性力Jによってブロッキング部材48が駆動され、図4に示す非ブロッキング状態から図3に示すブロッキング状態に復帰し、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bが第1操作部材46の移動路に逆に移動し、第1操作部材46をブロックすることに留意するものとする。
【0031】
以上から、当然のことながら、ユーザは、ブロッキング部材48を非ブロッキング状態に切り替える必要がある。例えば、第1操作部材46をブロックしないために、第1操作部材46の移動路からブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bを移動させる必要がある。その結果、第1操作部材46は、ブロッキング部材48によって規制されず、第1機能部材44を駆動するように動作可能である。
【0032】
図5を参照する。スライドレール組立体20が図5に示す後退状態にある場合に、第1レール22と第2レール24とはそれぞれ、第3レール26と第1レール22とに対して後退される。このとき、第2レール24は、第1レール22に対して後退位置Rに配置することができる。弾性部材52の第1弾性部材54aと第2弾性部材54bとで与えられる第1弾性力及び第2弾性力に応答して、第1機能部材44と第2機能部材56とは、それぞれ第1状態S1と第3状態S3とに弾性的に保持することができる。さらに、第1操作部材46は、第1位置X1に配置することができる。ブロッキング部材48は、図3と同じブロッキング状態K1にすることができる。
【0033】
図6を参照する。スライドレール組立体20が図6に示す状態にある場合に、第1レール22は、第3レール26に対して、即ち、第1レール22の前部分22aが第3レール26の前部分26aから突出するように伸長する。第2レール24は、第1レール22に対して第1所定方向D1に移動可能である。これはさらに、所定方向と称してよい。本実施形態では、第1所定方向D1は、開放方向(伸長位置への方向)であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。さらに、第2レール24が第1レール22に対して図6に示す位置に位置する場合に、第3状態S3での第2機能部材56は、第1レール22上のブロッキング特徴部39の第1端部39aと接触する。
【0034】
さらに図7を参照する。図6に示す位置から図7に示す位置まで、第2レール24が第1所定方向D1に、第1レール22に対して移動し続ける場合に、ブロッキング特徴部39は、第2機能部材56に力を加えることができ、駆動して、第2機能部材56を所定の角度だけ旋回させ、例えば、第4状態S4に切り替え、第2機能部材56がブロッキング部材39の第1端部39aを通り越すことを可能にする。さらに、この時点で、弾性部材52の第2弾性部分54bは、弾性変形され、第2弾性力を発生させる。
【0035】
図8を参照する。第2レール24がさらに、第1レール22に対して第1所定方向D1に、図8に示す所定位置P、例えば、伸長位置まで移動し続けた場合に、スライドレール組立体20が伸長状態、例えば、完全に伸長した状態になるように、第1レール22aの前部分22aからの第2レール24の前部分24aの突出長が増加する。この時点で、第2機能部材56は、ブロッキング特徴部39によって力が加えられず、弾性部材52の第2弾性部54bで与えられる第2弾性力に応答して、逆に第3状態S3に切り替わるように駆動される。さらに、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに位置する場合に、第3状態S3での第2機能部材56と、第1状態S1での第1機能部材44とは、ブロッキング特徴部39の第2端部39bと第1端部39aとに隣接して位置する。
【0036】
以上より、当然のことながら、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに位置し、第1機能部材44と第2機能部材56とがそれぞれ第1状態S1と第3状態S3とにある場合に、第1機能部材44と第2機能部材56とは、ブロッキング特徴部39の第1端部39aと第2端部39bとをそれぞれブロックすることができる。第1機能部材44とブロッキング特徴部39の第1端部39aとは、互いにブロックするので、第2レール24は、所定位置Pから第1所定方向に移動しないように規制される。さらに、第2機能部材56とブロッキング特徴部39の第2端部39bとは互いにブロックするので、第2レール24は、所定位置Pから第2所定方向D2に移動しないように規制される。本実施形態では、第2所定方向D2は、第1所定方向D1と反対の後退方向であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0037】
なお、図8に示すように、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに位置し、ブロッキング部材48が図3と同じブロッキング状態K1にある場合に、第1機能部材44を駆動して第1状態から解放しないように第1操作部材46を規制するために、ブロッキング部材48は、第1操作部材46をブロックすることに留意するものとする。
【0038】
図9を参照する。図9に示すように、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに位置し、ブロッキング部材48が図4の場合と同じ非ブロッキング状態にある場合に、ブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bと第1操作部材46とは、互いに位置ずれが生じる。その結果、ブロッキング部材48は、第1操作部材46をブロックせず、第1操作部材46を第2外力F2で駆動することを可能にし、第1操作部材46を図8に示す第1位置X1から図9に示す第2位置X2へ移動させ、第1機能部材44を図8に示す第1状態S1から図9に示す第2状態S2に駆動して切り替える。第1機能部材44が第2状態S2にある場合に、第1機能部材44とブロッキング特徴部39の第1端部39aとは、互いにブロックしないので、第2レール24を所定位置Pから第1所定方向D1に移動させることにより、第2レール24を第1レール22のチャンネル38から分離することが可能にされる。
【0039】
図10を参照する。図10に示すように、第2レール24が第1レール22のチャンネル38から分離されると、第1操作部材46は、第1位置X1に逆に移動できる。その結果、ブロッキング部材48は、ブロッキング状態から非ブロッキング状態に復帰し、第1操作部材46をブロックするために第1操作部材46の移動路の中でブロッキング部材48のブロッキングセグメント48bを移動させることができる。さらにこの時点で、第1機能部材44は、弾性部材52の第1弾性部54aで与えられる第1弾性力によって駆動され、第2状態S2から第1状態S1に切り替わる。
【0040】
図8及び図11を参照する。図8及び図11に示すように、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに配置されている場合に、図8に示す第3状態S3から図11に示す第4状態S4に切り替えるように、第2機能部材56を駆動するように、第2操作部材58は動作可能である。第2機能部材56とブロッキング特徴部39の第2端部39bとは、互いにブロックせず、第2レール24が所定位置Pから第2所定方向D2に移動することが可能にされる。
【0041】
具体的には、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに位置する場合に、ユーザは、第2操作部材58を操作してよく、例えば、第2操作部材58の第2操作部59aに第3外力F3を加えることができる。その結果、第2レール24に対して第2操作部材58を移動させて、第2機能部材56を駆動し、図8に示す第3状態S3から図11に示す第4状態S4に切り替える。第2機能部材56が第4状態S4にある場合に、第2機能部材56とブロッキング特徴部39の第2端部39bとは、互いにブロックせず、第2レール24が所定位置Pから第2所定方向D2に移動することが可能にされる。
【0042】
当然のことながら、別の実施形態では、第2機能部材と第2操作部材とは省略されてよい。その結果、第1機能部材と第2操作部材との協働によって、スライドレール組立体は、ただ選択的にのみ、第2レールを規制することができ、又は、第2レールに対して所定位置から第1所定方向に移動を許容することができる。
【0043】
図12及び図13を参照する。図12及び図13に示すように、本発明の第2実施形態では、ブロッキング部材200をバネのような補助弾性部材202によってロードすることができ、その結果、ブロッキング部材200は、補助弾性部材202によって復帰可能となる。
【0044】
具体的には、図12に示すように、ブロッキング部材200がブロッキング状態K1’にある場合に、ブロッキング部材200は、第1機能部材44を駆動して第1状態S1から解放しないように第1操作部材46を規制するために、第1操作部材46をブロックする。好ましくは、第2レール24は、所定の壁204を含む。本実施形態では、所定の壁204は、突出した物体であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。所定の壁204は、ブロッキング部材200が第1操作部材46をブロックし、第1操作部材46に対するブロッキング部材200のブロッキング強度を高めるのを容易にすることができる。
【0045】
図13に示すように、ユーザから与えられる第1外力F1’により、ブロッキング部材200が非ブロッキング状態K2’に強制的に切り替えられた場合に、ブロッキング部材200と第1操作部材46とは互いに位置ずれが生じる。その結果、ブロッキング部材200が第1操作部材46をブロックせず、第1操作部材46が第1位置X1から解放して、例えば、第1位置X1から第2位置X2へ移動することを可能にし、第1機能部材44が第1状態S1から第2状態S2に切り替わるように駆動する。
【0046】
図13に示すように、ブロッキング部材200が非ブロッキング状態K2’である場合に、補助弾性部材202は弾性変形されて復元弾性力J’を発生させることに留意するものとする。第1外力F1’が除去されると、ブロッキング部材200は、補助弾性部材202で与えられる復元弾性力J’によって駆動されることができ、図13に示す非ブロッキング状態K2’から図12に示すブロッキング状態K1’に切り替わり、第1操作部材46をブロックする。
【0047】
以上から、本発明は、下記の特徴を有することが分かる。
【0048】
1:ユーザは、ブロッキング部材48,200を非ブロッキング状態に切り替える必要があり、その結果、ブロッキング部材48,200と第1操作部材46とは、第1操作部材46を操作して第1機能部材44を駆動させることが可能にされるように、互いにブロックしない。上述の構成の利点は、第2レール24が第1レール22に対して所定位置Pに配置されている場合に、第2レール24及び/又は第2レール24に載せられた物体が、第1操作部材46への誤接触に起因して、意図せずに第1レール22から取り外されることを防止することである。
【0049】
2:ブロッキング部材48,200は復帰可能である。第1外力F1,F1’が除去された場合に、ブロッキング部材48,200は、非ブロッキング状態K2,K2’からブロッキング状態K1,K1’に切り替えることができ、ブロッキング部材48,200が第1操作部材46をブロックすることを確実にする。その結果、本発明は、使用安全性を向上させる。
【0050】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多くの修正及び変更を行ってよいことを容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。
図1
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図10
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