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特許7458542ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240322BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240322BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240322BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240322BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/69 510
A63F13/533
A63F13/65
A63F13/79
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023128166
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2021205515の分割
【原出願日】2021-12-17
(65)【公開番号】P2023133623
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2023-08-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-21
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】原 雄太
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】▲吉▼川 康史
【審判官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-194313(JP,A)
【文献】スクフェス7周年前夜祭キャンペーン開催のお知らせ,ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルースクフェス[online],2020年03月19日,インターネット<URL:https://lovelive-sif.bushimo.jp/7thevesife8ah54yi/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98, 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記ゲームにおける複数の選択対象を前記ユーザに提示する選択対象提示部と、
前記睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、前記ユーザに前記睡眠パラメータを対応付けるパラメータ生成部と、
前記ユーザの操作に応じて、前記複数の選択対象から一の選択対象への選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択された一の選択対象に対応する値を前記睡眠パラメータから差し引くことにより、前記一の選択対象に対応する前記ゲーム上の特典を前記ユーザに付与する特典付与部と
を備え、
前記複数の選択対象のそれぞれは、前記ゲームにおいて選択可能になるものであり、
前記睡眠パラメータは、前記選択対象が選択可能な状態になる前に前記ユーザに対応付けた前記睡眠パラメータを含むゲームシステム。
【請求項2】
ゲーム情報または制限アイテム情報を格納する格納ユニットを更に備え、
前記格納ユニットに格納される前記複数の選択対象に関する情報が、ゲーム情報または制限アイテム情報により更新される請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特典付与部が、前記選択された一の選択対象に対応する値を前記睡眠パラメータから差し引くことにより前記一の選択対象に対応する前記ゲーム上の特典を前記ユーザに付与する場合、抽選を実行し、抽選結果に基づいて前記特典を前記ユーザに付与する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームを前記ユーザが進めることで、所定の選択対象が前記複数の選択対象に追加される請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムのゲーム方法であって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得工程と、
前記ゲームにおける複数の選択対象を前記ユーザに提示する選択対象提示工程と、
前記睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、前記ユーザに前記睡眠パラメータを対応付けるパラメータ生成工程と、
前記ユーザの操作に応じて、前記複数の選択対象から一の選択対象への選択を受け付ける選択受付工程と、
前記選択された一の選択対象に対応する値を前記睡眠パラメータから差し引くことにより、前記一の選択対象に対応する前記ゲーム上の特典を前記ユーザに付与する特典付与工程と
を備え、
前記複数の選択対象のそれぞれは、前記ゲームにおいて選択可能になるものであり、
前記睡眠パラメータは、前記選択対象が選択可能な状態になる前に前記ユーザに対応付けた前記睡眠パラメータを含むゲーム方法。
【請求項6】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステム用のゲームプログラムであって、
コンピュータに、
前記ゲームにおける複数の選択対象を前記ユーザに提示する選択対象提示機能と、
前記睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、前記ユーザに前記睡眠パラメータを対応付けるパラメータ生成機能と、
前記ユーザの操作に応じて、前記複数の選択対象から一の選択対象への選択を受け付ける選択受付機能と、
前記選択された一の選択対象に対応する値を前記睡眠パラメータから差し引くことにより、前記一の選択対象に対応する前記ゲーム上の特典を前記ユーザに付与する特典付与機能と
を実行させ、
前記複数の選択対象のそれぞれは、前記ゲームにおいて選択可能になるものであり、
前記睡眠パラメータは、前記選択対象が選択可能な状態になる前に前記ユーザに対応付けた前記睡眠パラメータを含むゲームプログラム。
【請求項7】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行する情報処理装置であって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記ゲームにおける複数の選択対象を前記ユーザに提示する選択対象提示部と、
前記睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、前記ユーザに前記睡眠パラメータを対応付けるパラメータ生成部と、
前記ユーザの操作に応じて、前記複数の選択対象から一の選択対象への選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択された一の選択対象に対応する値を前記睡眠パラメータから差し引くことにより、前記一の選択対象に対応する前記ゲーム上の特典を前記ユーザに付与する特典付与部と
を備え、
前記複数の選択対象のそれぞれは、前記ゲームにおいて選択可能になるものであり、
前記睡眠パラメータは、前記選択対象が選択可能な状態になる前に前記ユーザに対応付けた前記睡眠パラメータを含む情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置に関する。特に、本発明は、ユーザの睡眠情報に基づいてユーザに所定の特典を付与可能なゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、待機枠に「宝箱」がセットされると待機時間のカウントが開始され、この待機時間が経過すると待機枠にセットされた「宝箱」を開封することができ、待機枠にセットされた「宝箱」が開封されると「宝石」(アイテム)がその「宝箱」の中身としてユーザに付与される情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1の段落[0053]参照。)。特許文献1に記載の情報処理装置によれば、所定時間待機することでユーザは所定のアイテムを取得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-130053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報処理装置や従来のソーシャルゲームにおいては、ユーザに所定の特典を付与する場合、ゲームプレイによりユーザが未開封状態(使用制限された状態)のアイテムを取得し、当該アイテムを所定の待機枠等にセットし、所定時間経過することを契機として当該アイテムを開封状態にしてユーザに特典を付与している。そのため、ユーザには特典を取得するために未開封状態のアイテムを取得し続けるというインセンティブが働き、ゲームプレイの継続を促すことになる。一方、ユーザの睡眠情報を用いたゲームとして、ユーザが実際に睡眠を取って所定の条件を達成することで、翌日のゲームプレイにおいてユーザにとってメリットがあるゲーム内容になるゲームがある。そのため、ユーザには睡眠を取るというインセンティブが働き、ユーザに睡眠取得を促すことができる
【0005】
ここで、仮にユーザの睡眠情報を用いたゲームに従来のソーシャルゲーム等における特典付与方法を単に適用すると、ユーザに睡眠取得を促す一方でゲームプレイの継続を促すという矛盾したゲーム内容になりかねず、ユーザにとって好ましくない。例えば、所定時間経過することで開封状態になるアイテムを所持していないユーザは、当該アイテムを所持した状態で睡眠を取らないと睡眠時間が無駄になると考え、睡眠を取る前に未開封状態のアイテム取得しようとする。係る態様のゲームではユーザの睡眠時間を削りかねず、好ましくない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、ユーザの睡眠情報を用い、ユーザの入眠を妨げずにゲームプレイを促すこともできるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、ゲームにおける複数の選択対象をユーザに提示する選択対象提示部と、睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、ユーザに睡眠パラメータを対応付けるパラメータ生成部と、ユーザの操作に応じて、複数の選択対象から一の選択対象への選択を受け付ける選択受付部と、選択された一の選択対象に対して睡眠パラメータを使用することにより一の選択対象に対応するゲーム上の特典をユーザに付与する特典付与部とを備え、複数の選択対象のそれぞれは、ゲームにおいて選択可能になるものであり、睡眠パラメータは、選択対象選択可能な状態になる前にユーザに対応付けた睡眠パラメータを含むゲームシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置によれば、ユーザの睡眠情報を用い、ユーザの入眠を妨げずにゲームプレイを促すこともできるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及び情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るゲームシステムの概要図である。
図2】本実施形態に係るゲームシステムの機能構成ブロック図である。
図3】本実施形態に係る格納ユニットが有する各格納部のデータ構成図である。
図4】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理のフロー図である。
図5】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
<ゲームシステム1の概要>
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いてゲームを実行するシステムである。例えば、ゲームシステム1は、所定の「宝箱」をユーザが所持している場合、ユーザが所定の睡眠に関する条件を満たすこと(例えば、所定の睡眠時間を取ること)で「宝箱」を開封可能にし、開封に伴い「宝箱」内の「所定のアイテム」をユーザに付与する。一方、ゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を所持していない場合、ユーザの睡眠時間等に基づいて生成される睡眠パラメータをユーザが貯め、貯めた睡眠パラメータと引き換えに「宝箱」内の「所定のアイテム」と同等の「所定のアイテム」をユーザに付与する。そのため、ゲームシステム1においては、ユーザは睡眠パラメータを貯めておくことで、「宝箱」を取得しなくても「所定のアイテム」を取得できる。したがって、ゲームシステム1においては、寝る間を惜しんでゲームプレイして「宝箱」を獲得することを要さず、むしろ寝ることによる特典があるのでユーザに対しては適切な睡眠を取ることに対するインセンティブが働く。更に、「所定のアイテム」の取得にはユーザの操作による睡眠パラメータの消費処理等のゲームプレイを要することから、日中等のユーザが覚醒している際にゲームをするというインセンティブもユーザには働く。
【0011】
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成の概要を示す。
【0012】
ゲームシステム1は、ユーザの端末装置10と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ゲーム処理を実行するサーバ20とを備える。端末装置10とサーバ20とは、通信ネットワーク80を介して双方向通信可能に接続される。また、ゲームシステム1において、サーバ20は、ユーザの睡眠情報を受け付けてゲームを進行させる。なお、ゲームシステム1は、サーバクライアント型のゲームシステムであってよい。また、睡眠測定部11は端末装置10と別個独立のデバイスであっても、端末装置10に内蔵されていてもよい。
【0013】
なお、図1では1つの端末装置10が通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されている例を示すが、それぞれ異なるユーザが用いる複数の端末装置10それぞれが通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されていてもよい。以下の説明では、説明を簡略化するため、1つの端末装置10が通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されている例を説明する。
【0014】
具体的に、ゲームシステム1は、睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠情報(例えば、睡眠時間や睡眠の深さ、睡眠の質に関する情報、睡眠中のユーザの身体情報等)を取得し、取得した睡眠情報に基づいてユーザにゲーム上の特典を付与する。例えば、ゲームシステム1では、日中にゲームプレイすることでユーザは使用制限がされた制限アイテム(例えば、宝箱)を取得する。そして、ゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報を取得する。ゲームシステム1は、取得した睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、取得した睡眠情報及び/又は生成した睡眠パラメータを用いて制限アイテムの使用制限を解除する。これによりゲームシステム1は、使用制限が解除された制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。更に、ゲームシステム1は、ユーザが制限アイテムを所持していない場合であっても、生成した睡眠パラメータと引き換えに制限アイテムに対応する特典をユーザに付与可能にする。これによりユーザは、制限アイテムを取得するために睡眠時間を削ってゲームプレイを続行することを要さなくなる。
【0015】
例えば、ゲームシステム1は、日中等のユーザの活動時間帯(つまり、睡眠を取っていない時間帯)において、ユーザがゲームプレイした内容に基づいて使用制限がされた制限アイテムをユーザ付与する。なお、活動時間帯は、ゲームシステム1が予め設定するゲームプレイ可能な時間帯、又はゲームプレイする時間をユーザが覚醒中に予め設定可能な時間帯であってよい。制限アイテムには所定のゲーム上の特典が対応付けられており、所定の獲得条件が満たされるまで当該特典のユーザへの付与は禁止される。例えば、ゲーム内で所定のクエスト等をユーザがクリアすることでユーザには制限アイテムが付与される。ただし、後述するようにゲームシステム1においては、当該特典をユーザが取得するために、制限アイテムの取得は必須ではない。ここでは一例として、制限アイテムが、ゲームプレイに用いることができる「アイテム」が特典として入っている「宝箱」であり、「宝箱」を開封すること(つまり、獲得条件が満たされて使用制限が解除されること)により「アイテム」がユーザに付与される例を挙げて説明する。
【0016】
(制限アイテムを所持している場合)
ユーザが睡眠を取る前に「宝箱」を取得している場合を説明する。例えば、活動時間帯におけるユーザのゲームプレイによりユーザが所定の条件を満たした場合(例えば、所定のクエストやミニゲーム等をクリアした場合)、ゲームシステム1はユーザに「宝箱」を付与する。そして、この「宝箱」には「アイテム」が入っており、ユーザが所定時間の睡眠を取った場合(つまり、獲得条件が所定の長さの睡眠時間であり、ユーザが当該長さの睡眠を取った場合)に「宝箱」の使用制限が解除され、「アイテム」がユーザに付与される。例えば、ゲームシステム1は、獲得条件をx時間の睡眠時間に設定し(ただし、xは正の数)、ユーザがx時間以上の睡眠を取った場合に「宝箱」を開封し、「宝箱」内の「アイテム」をユーザに付与し、「アイテム」を使用可能にする処理を実行する。
【0017】
また、ゲームシステム1は、獲得条件として例えば以下のような条件を設定してもよい。
(a)ユーザの睡眠中におけるレム睡眠及び/又はノンレム睡眠の回数に基づく獲得条件。一例として、ユーザの睡眠中におけるレム睡眠の回数が所定回数以下の場合、及び/又はノンレム睡眠の回数が所定回数以上の場合に獲得条件を満たす。
(b)ユーザの睡眠中における中途覚醒に基づく獲得条件。一例として、ユーザの中途覚醒の回数が所定回数以下である場合、及び/又は中途覚醒の長さが所定時間以下の場合に獲得条件を満たす。
(c)ユーザの睡眠中におけるレム睡眠及び/又はノンレム睡眠の密度に基づく獲得条件。一例として、ユーザの睡眠中におけるレム睡眠の回数若しくは時間を睡眠時間で除した値を睡眠の密度とした場合においては当該密度が所定値以下の場合、及び/又はユーザの睡眠中におけるノンレム睡眠の回数若しくは時間を睡眠時間で除した値を睡眠の密度とした場合においては当該密度が所定値以上の場合に獲得条件を満たす。
(d)ユーザの睡眠中における寝返り及び/又は所定の動きの回数に基づく獲得条件。一例として、ユーザの睡眠中における寝返りの回数及び/又は所定の動きの回数が所定回数以下の場合に獲得条件を満たす。
(e)ユーザの睡眠中における体温に基づく獲得条件。一例として、ユーザの睡眠中における体温が所定温度以下である状態が所定時間継続した場合に獲得条件を満たす。
(f)ユーザの入床時刻と就寝時刻との差に基づく獲得条件。一例として、ユーザの入床時刻と就寝時刻との差が所定時間以内である場合に獲得条件を満たす(つまり、寝つきが良い場合に獲得条件を満たす。)。
なお、上記複数の獲得条件は、それぞれ単独に用いても、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
まず、ゲームシステム1は、ユーザが睡眠を取る場合、端末装置10を介してユーザの入床開始及び/又は就寝開始を検知し、ユーザの睡眠情報の取得を開始する。続いて、ゲームシステム1は、端末装置10を介してユーザの起床及び/又は覚醒を検知した場合、ユーザの睡眠情報の取得を停止する。そしてゲームシステム1は、ユーザが起床後、この睡眠情報からユーザの睡眠時間を算出し、算出した睡眠時間が獲得条件を満たしているか否かを判断する。ユーザの睡眠時間が獲得条件を満たしている場合、ゲームシステム1は、「宝箱」の使用制限を解除し、「宝箱」の中の「アイテム」をユーザに使用可能にする。
【0019】
一方、ユーザの睡眠時間が獲得条件を満たしていない場合、ゲームシステム1は、睡眠時間に基づいて所定の睡眠パラメータを生成し、ユーザに付与する。これにより生成された睡眠パラメータはユーザが所持することになる。この睡眠パラメータは、引数としての睡眠情報(例えば、睡眠時間)を所定の関数に渡し、当該関数を実行して得られるデータ及び/又は値である。ゲームシステム1は、前回までの睡眠によりユーザが所持し続けている睡眠パラメータに今回の睡眠により得られる睡眠パラメータを含ませること(例えば、合算して蓄積させること)ができる。そして、ゲームシステム1は、「宝箱」の使用制限を解除する獲得条件として、ユーザが所定時間の睡眠を取る条件とは別に、所定量の睡眠パラメータを所持していることを条件にできる。この場合、ゲームシステム1は、当該所定量の睡眠パラメータと引き換えに「宝箱」の使用制限を解除すること、又は「宝箱」を介さずに「アイテム」をユーザに使用可能にすることができる。したがって、ユーザは、今回の睡眠により「宝箱」から「アイテム」を取得できない場合であっても、次回の睡眠により得られる睡眠パラメータと今回の睡眠により得られた睡眠パラメータとを統合して得られる睡眠パラメータが獲得条件を満たせば、獲得条件に対応する量の睡眠パラメータと引き換えに「宝箱」の中の「アイテム」を使用できるようになる。
【0020】
また、ゲームシステム1は、起床後のゲームプレイにおいてユーザが「宝箱」を取得した場合であって、当該ユーザがこの「宝箱」の獲得条件を満たすだけの量の睡眠パラメータを所持している場合、当該量の睡眠パラメータと引き換えに「宝箱」の中の「アイテム」を使用可能にすることもできる。これによりユーザは、睡眠パラメータを貯めておけば、睡眠を取る前に「宝箱」を所持していなくても、起床した後の覚醒時のゲームプレイにおいて「宝箱」を入手すれば、「宝箱」の中の「アイテム」を使用できるようになる。
【0021】
なお、ゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を取得し、当該ユーザがこの「宝箱」の獲得条件を満たすだけの量の睡眠パラメータを所持可能な場合(つまり、当該量の睡眠パラメータを生成可能な睡眠情報がユーザに対応付けられている場合)、睡眠パラメータを介さずに、又は睡眠パラメータを介し、「宝箱」の中の「アイテム」をユーザに使用可能にできる。例えば、ゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を取得し、当該ユーザに、この「宝箱」の獲得条件を満たすだけの量の睡眠パラメータを生成可能な睡眠情報が対応付けられている場合、ユーザによる「宝箱」の取得時にユーザによる睡眠パラメータの消費を決定する操作を介することなく(つまり、自動的に)、所定量の睡眠パラメータに対応する睡眠情報を消費して「宝箱」の中の「アイテム」をユーザに使用可能にできる。また、ゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を取得し、当該ユーザがこの「宝箱」の獲得条件を満たすだけの量の睡眠パラメータを所持している場合、ユーザによる「宝箱」の取得時にユーザによる睡眠パラメータの消費を決定する操作を介すことなく、所定量の睡眠パラメータを消費して「宝箱」の中の「アイテム」をユーザに使用可能にすることができる。あるいはゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を取得した時において、ユーザに対して所定量の睡眠パラメータの消費と引き換えに「宝箱」の中の「アイテム」を使用可能にするか否かを通知し、ユーザによる「アイテム」取得指示(睡眠パラメータの消費を決定する操作)に応じて所定量の睡眠パラメータを消費し、ユーザによる「アイテム」の使用を可能にすることもできる。更に、ゲームシステム1は、ユーザが「宝箱」を取得し、当該ユーザがこの「宝箱」の獲得条件を満たすだけの量の睡眠パラメータを所持している場合、ユーザに対して所定量の睡眠パラメータの消費と引き換えに「宝箱」の中の「アイテム」を使用可能である旨を通知し、消費を決定する操作を介すことなく所定量の睡眠パラメータを消費して「宝箱」の中の「アイテム」をユーザに使用可能にしてもよい。
【0022】
(制限アイテムを所持していない場合)
また、ユーザが睡眠を取る前に「宝箱」を取得していない場合を説明する。この場合においてもゲームシステム1は、上記と同様にユーザの睡眠情報を取得する。ゲームシステム1は、取得した睡眠情報からユーザの睡眠時間を算出し、算出した睡眠時間に基づいて睡眠パラメータを生成してユーザに付与する。そして、ゲームシステム1は、ユーザが起床後、所定量の睡眠パラメータと引き換えに「宝箱」を介さずに「宝箱」内の「アイテム」と同等の「アイテム」をユーザに使用可能にする。この所定量とは当該「宝箱」の使用制限を解除する獲得条件に対応する睡眠パラメータの量である。例えば、「宝箱」の獲得条件がユーザのx時間の睡眠時間である場合、当該所定量は、x時間の睡眠時間に基づいて生成される睡眠パラメータの量である。つまり、ゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報としての睡眠時間から睡眠パラメータを生成し、生成した一定量の睡眠パラメータ(つまり、獲得条件に対応する睡眠パラメータ)を用いることでユーザに「宝箱」を取得した場合と同等の「アイテム」を、ユーザが「宝箱」を所持していない場合にも取得可能にする。ここで、ゲームシステム1においては、当該「アイテム」の獲得を、ゲーム内の所定の場面及び/又は画面(例えば、ゲーム内でユーザが利用可能なセンターやショップ等)でのみ獲得できるようにすることが好ましい。これによりユーザは、睡眠を取る前に「宝箱」を所持していない場合であっても、「宝箱」を取得した場合と同等の「アイテム」を獲得し、「アイテム」を使用できるようになる。
【0023】
(獲得条件を変更する場合の例1)
ゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報及び/又は当該睡眠情報から生成される睡眠パラメータが獲得条件を満たさないものの、所定の緩和条件を満たす場合、獲得条件を自動的に変更することや、獲得条件を満たすように睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを自動的に変更・修正してもよい。すなわち、ゲームシステム1は、ユーザの睡眠時間及び/又は睡眠パラメータと獲得条件とを比較して、獲得条件を満たさないものの獲得条件と睡眠時間及び/又は睡眠パラメータとの差が所定の範囲内である場合(つまり、所定の緩和条件を満たす場合)、獲得条件を変更することや睡眠時間及び/又は睡眠パラメータの算出方法を変更し、獲得条件を満たすようにしてもよい。例えば、獲得条件がユーザのx時間の睡眠時間である場合であって、ユーザの実際の睡眠時間がx時間より短く、x時間と実際の睡眠時間との差がy分(ただし、yは正の数。例えば、数分程度。)以下を満たす場合、獲得条件を「60x-y分」に変更することや、ユーザの実際の睡眠時間にy分だけ加算し、加算後の時間を睡眠時間として扱ってよい。なお、ゲームシステム1は、ユーザに適切な時間の睡眠を取ることを促す観点から、予め定められた時間以上の睡眠を取った場合にのみ、上記のように獲得条件を変更してもよい。
【0024】
(獲得条件を変更する場合の例2)
ゲームシステム1は、睡眠情報として睡眠時間を用いる場合、ユーザが就寝した時刻(実際に眠りについた時刻)から覚醒時刻(実際に目が覚めた時刻)若しくは起床時刻(ベッド等から起きた時刻)までを睡眠時間(第1睡眠時間)として扱う。一方、ゲームシステム1は、睡眠情報として睡眠時間を用いる場合、ユーザが入床した時刻(ベッド等に入った時刻)から起床時刻までの時間を睡眠時間(第2睡眠時間)として取り扱ってもよい。つまり、この場合においてゲームシステム1は、ユーザが覚醒状態であっても入床した状態であれば睡眠を取っていると判断し、ユーザに対して所定時間(つまり、獲得条件の達成までに必要な時間)だけ入床していれば獲得条件を満たすことを通知等した上で、入床時刻から起床時刻までの時間を睡眠時間として取り扱うことができる。ユーザは、就寝時刻(つまり、就寝タイミング)と異なり入床時刻(つまり、入床タイミング)については自己の意思でコントロールできる。そのため、ゲームシステム1においては、獲得条件として第2睡眠時間を用いることで、獲得条件を満たすために要する睡眠時間をユーザは調整しやすくなる。
【0025】
(獲得条件を満たすタイミングをユーザに通知する例)
更に、ゲームシステム1は、睡眠情報として睡眠時間を用い、獲得条件がユーザのx時間の睡眠時間である場合、ユーザの就寝又は入床に応じ、就寝又は入床した時刻からx時間後の時刻に動作を開始するアラームをユーザの操作を要さずに自動的に設定してもよい。これによりユーザは、獲得条件を満たすタイミングに起床することができ、獲得条件に要する睡眠時間を確実に確保できる。
【0026】
(入床時刻と就寝時刻とが相違する場合の例)
また、ゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報として、ユーザの入床時刻及び就寝時刻とを区別して取得し、かつ、起床時刻及び覚醒時刻とを区別して取得することができる。そして、ゲームシステム1は、獲得条件や所定の条件の達成判断に用いる睡眠情報の算出及び/又は睡眠パラメータの生成においては、入床時刻及び/又は就寝時刻、並びに起床時刻及び/又は覚醒時刻を用いてよい。本実施形態の全説明において、特に断りがない限り、入床時刻(又は就寝時刻)を用いる旨を規定している場合、入床時刻(又は就寝時刻)の代わりに就寝時刻(又は入床時刻)を用いてもよく、起床時刻(又は覚醒時刻)を用いる旨を規定している場合、起床時刻(又は覚醒時刻)の代わりに覚醒時刻(又は起床時刻)を用いてもよい。
【0027】
なお、本実施形態において各時刻の定義は以下の通りである。
・入床時刻:ユーザがベッド等の寝床に入った時刻。ベッド等にユーザが横たわった時刻。
・就寝時刻:ユーザが実際に睡眠を開始した時刻。
・起床時刻:ユーザがベッド等の寝床から出た若しくは起き上がった時刻。
・覚醒時刻:ユーザが実際に目を覚ました時刻。
【0028】
また、ゲームシステム1は、例えば、睡眠時間に応じてユーザに所定のポイントを付与することや所定の順位をユーザに対応付ける場合、睡眠情報の算出及び/又は睡眠パラメータの生成に就寝時刻及び覚醒時刻(又は起床時刻)を用いることができる。すなわち、ゲームシステム1においては、睡眠情報としての睡眠時間に基づいてユーザが所定のポイントを取得することや所定のランクづけ等がなされる場合、ユーザが就寝した時点(実際に眠りについた時点)から起床(若しくは覚醒)した時点までの時間を睡眠時間として扱うことができる一方、「宝箱」の制限解除等がなされる場合には、ユーザが入床した時点から起床(若しくは覚醒)した時点までの時間を睡眠時間として扱うことができる。なお、ゲームシステム1は、入床時刻及び起床時刻をユーザによる所定の指示の入力及び/又は所定のセンサ等によるセンシング開始により取得でき、就寝時刻及び覚醒時刻を主として所定のセンサ等によるセンシングにより取得できる。
【0029】
このようにゲームシステム1においては、睡眠情報に基づいて睡眠パラメータが生成され、所定量の睡眠パラメータをユーザは貯めて所持でき、この睡眠パラメータを用いて「宝箱」の中の「アイテム」を取得すること、及び/又は当該「アイテム」と同等の「アイテム」を睡眠パラメータと引き換えに取得することができる。これにより、ゲームシステム1においては、睡眠を取ることでゲームプレイに有用な睡眠パラメータを取得し、取得した睡眠パラメータを用いれば「宝箱」を取得しなくても「宝箱」を取得した場合と同等の「アイテム」を取得できるので、所定の「宝箱」を入手するために睡眠時間を削ってゲームプレイすることを抑制できる。したがって、ゲームシステム1においては、「宝箱」を所持していない状態でユーザが睡眠を取ったとしても、睡眠を取ったことによって「アイテム」を取得できなかった等のデメリットをなくすことができるので、ユーザが睡眠を取ったことによる時間の喪失感を抱くことを防止できる。
【0030】
なお、端末装置10は、1つ又は複数の睡眠測定部11と有線又は無線により接続されていてよい。図1では1つの睡眠測定部11を示しているが、複数の睡眠測定部11が端末装置10と接続されていてもよい。また、端末装置10に1つ以上の睡眠測定部11が内蔵されていてもよい。
【0031】
また、端末装置10は、ユーザが操作可能な装置である。端末装置10は、例えば、移動体通信システムに対応した携帯電話やスマートフォン、タブレット等の携帯端末であってよい。この他に、端末装置10は、例えば、据え置き型のPersonal Computer(PC)、ラップトップPC、ノートPC、携帯用ゲーム機、及び/又は家庭用ゲーム機やゲーム専用機等であってもよい。更に、通信ネットワーク80は、携帯電話網、及び/又はインターネット等の通信網である。通信ネットワーク80は、有線LAN及び無線LAN等の通信ネットワークを含むこともできる。そして、以下において本実施形態に係るゲームシステム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における名称や数値等はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に本発明が限定されることはないこと、及びこれら固有名や数値は実在の固有名や数値とは必ずしも関係するとは限らないことを付言する。
【0032】
<ゲームシステム1の詳細>
図2は、本実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例を示す。また、図3は、本実施形態に係るゲームシステムが有する格納ユニットが有する各格納部のデータ構成の一例を示す。
【0033】
[ゲームシステム1の構成の概要]
ゲームシステム1は、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いてゲームを実行するシステムである。そして、ゲームシステム1は、所定の獲得条件が満たされるまで使用制限されている制限アイテムをユーザに付与可能なゲームシステムである。具体的に、ゲームシステム1は、各種の情報を出力する出力部100と、ユーザからの入力を受け付ける入力部102と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ユーザから受け付けた入力に関する情報を取得する入力取得部200と、出力部100への情報の出力を制御する出力制御部202と、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部204と、ユーザに所定のアイテムを付与するアイテム付与部206と、睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成するパラメータ生成部208と、ユーザに特典を付与する特典付与部210と、アラームの設定及び動作を実行するアラーム部212と、ゲームの各種の処理を制御するゲーム制御部214と、各種の情報を格納する格納ユニット216とを備える。格納ユニット216は、ユーザに関する情報を格納するユーザ情報格納部218と、ゲームに関する情報を格納するゲーム情報格納部220とを有する。
【0034】
ゲームシステム1では、例えば、ユーザが用いる端末装置10においてゲームが実行される。この場合、端末装置10は、出力部100と入力部102とを少なくとも有して構成される。
【0035】
ゲームシステム1は、上記複数の構成要素を物理的に同一の装置や場所に有するだけでなく、上記複数の構成要素の一部を物理的に離れた位置に設置してもよい。この場合、各構成要素は、例えば、インターネット等の通信網により接続されてよい。例えば、ゲームシステム1は、構成要素の機能の一部を外部のサーバに担わせてもよい。また、ゲームシステム1は、一以上のサーバとして構成してもよい。この場合、端末装置、並びに一のサーバの構成要素及び他のサーバの構成要素を組み合わせることで、ゲームシステム1が構成される。また、本実施形態において、各装置(端末装置やサーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体(所定の構成要素の集合体)を1つの「情報処理装置」として把握することができ、ゲームシステム1を複数の情報処理装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るゲームシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はゲームシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定できる。また、格納ユニット216が格納する各種の情報は、入力部102を介して受け付けるユーザの指示や情報により更新されてもよく、ゲームシステム1の外部に存在する所定のサーバから所定の情報を取得して、随時、更新されてもよい。
【0036】
[ゲームシステム1の構成の詳細]
以下の説明においては、ゲームシステム1により提供されるゲームを主としてユーザが端末装置10(例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等)を用いて実行する場合を例として説明する。なお、サーバ20はゲームシステム1におけるユーザの情報を管理すると共にゲーム処理を実行する。ユーザの情報としては、ユーザが所持するゲームキャラクタ、ゲームアイテム、仮想通貨の保有量(無償でユーザに付与した仮想通貨、有償でユーザに付与した仮想通貨を含む)、睡眠パラメータ、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠情報等が挙げられる。
【0037】
(ゲーム制御部214)
ゲーム制御部214は、端末装置10とサーバ20との間で通信し、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、ユーザのゲームプレイを進行させる。例えば、ゲーム制御部214は、ゲーム内におけるクエストやミニゲームの実行、ゲーム内に登場させるキャラクタの動作等の各種の処理を実行してゲームプレイを進行させる。また、ゲーム制御部214は、入力部102を介して受け付けるユーザの操作入力に応じ、各種のゲーム処理を実行する。例えば、ゲーム制御部214は、キャラクタに所定のアイテムを与える処理、ユーザがキャラクタを指定した場合の当該キャラクタのゲーム内仮想空間における動作の処理、ユーザによるアイテムの有償/無償による取得処理や仮想通貨の取得処理、ユーザが保有しているアイテムや睡眠パラメータを消費する処理等のゲーム処理を実行する。
【0038】
(出力部100、出力制御部202)
出力部100は、所定の情報の出力を制御する出力制御部202に制御され、ゲームの実行に関する各種情報(例えば、テキスト情報、静止画や動画の画像情報、音声情報等)を出力する。出力部100は、各種の処理結果や格納ユニット216が格納している情報をユーザが知覚可能に出力する。具体的に出力制御部202は、各構成要素における各種処理結果や格納ユニット216が格納している情報等を、所定形式のデータ、静止画像、動画像、及び/又はテキスト等として出力部100に出力させる。出力部100は、外部のサーバから受け取る情報を出力してもよい。なお、出力部100は、各種情報を表示する表示部、音声を出力するスピーカー等の音声出力部、振動を発する振動部等を有して構成されてよい。そして、表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってよい。
【0039】
(入力部102、入力面104、入力制御部106)
入力部102は、ユーザからの所定の指示や操作等の入力を受け付ける。入力部102は、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該指示を供給する。当該指示を受け付けた各構成要素はそれぞれ所定の機能を発揮する。入力部102は、ユーザからの操作入力を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、モーションセンサ等)である。本実施形態では入力部102が、端末装置10が備えるタッチパネルである例を説明する。なお、タッチパネルは、マルチタッチ検出可能であってよい。具体的に、入力部102としてのタッチパネルは、ユーザからの操作等が入力される入力面104と入力面104に入力された操作に関する情報を取得する入力制御部106とを有する。タッチパネルは、出力部100である表示部に重ねて配置され、タッチパネルの表面が入力面104に対応する。
【0040】
例えば、表示部には所定の指示を受け付ける領域が表示され、入力面104は、入力面104の当該領域に対するユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作等)により指定された位置における所定の指示を検知する。入力面104は検知した情報、すなわち、検知した位置における所定の指示を示す情報を入力制御部106に供給する。一例として、表示部には、ユーザの睡眠開始の指示を受け付ける領域、ユーザの起床の指示を受け付ける領域等が表示される。入力制御部106は、入力面104から所定の指示を示す情報を取得し、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該情報を供給する。
【0041】
(睡眠測定部11)
睡眠測定部11は、端末装置10のユーザの睡眠に関する情報を取得する。睡眠測定部11は、取得した情報を睡眠情報取得部204に供給する。なお、端末装置10と睡眠測定部11とが別個独立のデバイスである場合、端末装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信により睡眠測定部11と通信し、睡眠測定部11のセンシング結果を受信する。また、睡眠測定部11が、5G等の移動体通信システムの通信規格に対応し、近距離無線通信によらずにサーバ20にセンシング結果を送信してもよい。この場合、端末装置10は、睡眠測定部11からのセンシング結果を受信したサーバ20において取得される睡眠情報を、サーバ20から受け取って格納してもよい。
【0042】
睡眠測定部11は、例えば、端末装置10に内蔵されるモーションセンサや温度センサ(例えば、赤外線式センサ)等により実現される。すなわち、端末装置10と睡眠測定部11とが同一の装置内にあってもよい。この場合、端末装置10が、睡眠測定部11としても機能する。また、睡眠測定部11は、例えば、ユーザの身体に装着される腕時計型、指輪型、アイマスク型等のウェアラブルデバイスであってよく、端末装置10とは独立のデバイスとしてジャイロセンサ等のモーションセンサを有して構成されてよい。また、睡眠測定部11は、ユーザが就寝するマットレス、枕元等に載置するデバイスであってもよい。
【0043】
ここで、モーションセンサは、加速度センサ、角速度センサ等を含んで構成でき、端末装置10の動きをセンシングし、センシング結果を出力する。例えば、ユーザが就寝するベッドのマットレス等に端末装置10を載置することにより、モーションセンサは就寝中のユーザがマットレス上で動いている場合に、当該動きを検出できる。モーションセンサのセンシング結果を用いることにより、後述の睡眠情報取得部204は、ユーザが就寝中であるか覚醒中であるか、また、就寝中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。
【0044】
なお、ユーザが2以上の睡眠測定部11を同時に用いてもよい。例えば、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を2つ装着することや、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を装着しつつ、スマートフォンを睡眠測定部11として用いてもよい。これにより、睡眠中のユーザの身体の動きをジャイロセンサ等により検出できる。ユーザが睡眠中である間に各種センサによってセンシングされたセンシング結果を蓄積することで、睡眠情報取得部204は、ユーザが睡眠中であるか、浅い睡眠状態であるか、深い睡眠状態であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。このようにレム睡眠、ノンレム睡眠の波形を判別する等により、ユーザの睡眠の質を評価できる。例えば、睡眠情報取得部204は、良質な睡眠である場合のレム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルが予め設定されており、ユーザの睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠の波形と比較することで、ユーザの睡眠の質を評価し、睡眠情報として取得できる。
【0045】
また、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11等のモーションセンサの出力等に基づいて、ユーザが入床したこと(例えば、ベッドに横たわったこと)、入床した後に就寝(入眠)したこと(実際に眠ったこと)を検出することもできる。また、睡眠情報取得部204は、ユーザが入床した後、就寝するまでの間に、ユーザが端末装置10に対して入力操作をしていたか、ユーザが端末装置10の出力部100に出力される情報を知覚していたか等を判定することもできる。すなわち、睡眠情報取得部204は、寝ようとしているユーザが、寝る前に端末装置10を操作しているか否かを判定できる。
【0046】
また、ゲームシステム1での利用が予め想定される睡眠測定部11はホワイトリスト形式で管理されていてよい。なお、ゲームシステム1で管理していない睡眠測定部11から後述の睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した場合は、サーバ20が特定できない睡眠測定部11であるとして、当該睡眠情報を受け付けなくてもよく、特定不可能な睡眠測定部11等用のパラメータを用いてその後の処理を実行してもよい。
【0047】
更に、睡眠測定部11の種類の相違は必ずしも装置の相違であることを要さない。すなわち、同一の装置構成の睡眠測定部11であっても、睡眠情報をサーバ20に供給するまでに利用したソフトウェアやアプリケーションの種類によって、ゲームシステム1では異なる睡眠測定部11として管理してもよい。例えば、同一の睡眠測定部11を利用して睡眠情報を検出した場合であっても、睡眠測定アプリケーションAを睡眠情報の加工のために利用した場合と、睡眠測定アプリケーションAとは異なる睡眠測定アプリケーションBを睡眠情報の加工のために利用した場合とでは、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理できる。このように、装置構成としてのデバイスの種類と、用いたアプリケーションとの組み合わせに応じて、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理することで、より柔軟な睡眠情報の生成が可能になり、その結果、睡眠状態に応じたゲームの興趣性を十分に発揮できる。
【0048】
(入力取得部200)
入力取得部200は、ユーザの操作入力を取得する。すなわち、入力取得部200は、入力制御部106を介し、入力面104に入力されたユーザの操作入力を示す情報を取得する。入力取得部200は、取得した操作入力を示す情報を所定の他の構成要素に供給する。
【0049】
(睡眠情報取得部204)
睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠情報及び/又はエラー情報(予期せぬ不具合の発生や睡眠測定部11の不具合が発生したこと等を示す情報)を取得する。睡眠情報取得部204は、睡眠情報及び/又はエラー情報をリアルタイムで取得できる。具体的に、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が取得したユーザの睡眠に関する情報、つまり、睡眠情報を睡眠測定部11から取得する。睡眠情報は、例えば、ユーザの覚醒/睡眠状態、日付情報、入床時刻、就寝(入眠)時刻、覚醒時刻、起床時刻、睡眠時間、睡眠の質(一例として、レム睡眠及び/又はノンレム睡眠の回数、深い睡眠になった回数、いびきの回数、寝返り・動きの回数等)、及び/又は睡眠中のユーザの身体情報(一例として、体温、心拍数等)等の情報である。そして、睡眠情報取得部204は、睡眠情報として、ユーザの入床時刻及び就寝時刻とを区別して取得すると共に起床時刻及び覚醒時刻とを区別して取得する。例えば、睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始(つまり、入床又は就寝開始)から起床までの睡眠情報を取得する。
【0050】
また、睡眠情報取得部204は、睡眠情報に基づいて、ユーザが睡眠を開始したか否か、及び起床したか否かの状態を判断する。すなわち、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザの睡眠開始時点(実際に眠りが開始された時点、つまり、就寝時点)、及びユーザの起床開始時点を判断する。睡眠情報取得部204は、取得した睡眠情報をパラメータ生成部208、特典付与部210、アラーム部212、ゲーム制御部214、及びユーザ情報格納部218に供給する。
【0051】
なお、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの睡眠開始の操作入力を取得した場合、睡眠測定部11はユーザの睡眠に関する情報の取得を開始できる。この場合、睡眠情報取得部204は、この操作入力に応じて、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報(一例として、モーションセンサのセンシング結果等の情報)に基づいて、ユーザが睡眠を開始した(入床した、若しくは就寝した)と判断する。そして、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの起床の操作入力を取得した場合、睡眠測定部11はユーザの睡眠情報の取得を停止する。この場合、睡眠情報取得部204は、この操作入力に応じて、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが起床したと判断する。睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始の判断及び起床の判断に応じて睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠開始から起床までの睡眠情報を取得する。
【0052】
また、睡眠測定部11は、ユーザの睡眠に関する情報を常時取得してもよい。この場合、睡眠情報取得部204は、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの睡眠開始の操作入力を取得した場合、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが睡眠を開始したと判断する。そして、睡眠情報取得部204は、入力部102を介して入力取得部200がユーザからの起床の操作入力を取得した場合、若しくは睡眠測定部11が取得した睡眠情報に基づいて、ユーザが起床したと判断する。睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠開始の判断時から起床の判断時までに睡眠測定部11が測定したユーザの睡眠情報を取得する。
【0053】
(アイテム付与部206)
アイテム付与部206は、ゲームにおけるアイテムをユーザに付与する。アイテム付与部206は、所定の獲得条件が満たされるまで使用制限されている制限アイテムをユーザに付与する。具体的にアイテム付与部206は、ユーザによるゲームプレイに基づいて所定の条件が満たされた場合、当該条件に対応する制限アイテムをユーザに付与する。所定の条件とは、ゲーム内におけるユーザによる所定のキャラクタの獲得、所定のキャラクタのゲーム内仮想空間における状態の撮像等のクエストを達成することやミニゲームをクリアすること等であってよい。アイテム付与部206は、ユーザに付与する制限アイテムに関する情報をユーザ情報格納部218に供給する。つまり、アイテム付与部206は、ユーザID等に制限アイテムの情報(制限アイテムを識別するID等)を対応付けることでユーザに制限アイテムを付与する。
【0054】
なお、制限アイテムは、所定の獲得条件が満たされるまでユーザによるゲーム内での使用が禁止若しくは制限されたアイテムである。制限アイテムには所定のゲーム上の特典が対応付けられており、獲得条件が満たされると、ユーザに当該特典が付与される。そして、特典とは、例えば、ゲーム内で利用可能なアイテム、ゲーム内で用いるキャラクタ、ゲーム内仮想通貨、及び/又は制限アイテム自体等であってよい。
【0055】
獲得条件は、ユーザの睡眠情報が所定の内容を満たす条件であってよい。獲得条件は、例えば、制限アイテムを獲得することが可能になる時間である獲得可能時間であってよく、獲得可能時間はユーザに要求する睡眠時間であってよい。すなわち、この場合の獲得条件とは、所定時間の睡眠をユーザが取ることである。また、獲得条件は、ユーザの睡眠の質が所定の質以上であること、及び/又はユーザの睡眠情報に基づいて算出される睡眠パラメータの量が所定量以上であること等であってもよい。
【0056】
(パラメータ生成部208)
パラメータ生成部208は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、生成した睡眠パラメータをユーザに対応付ける。例えば、パラメータ生成部208は、睡眠情報としてのユーザの睡眠時間を用いて睡眠パラメータを生成する。また、パラメータ生成部208は、ユーザに対応付けられている睡眠パラメータが既に存在する場合、既に存在する睡眠パラメータ(既存の睡眠パラメータ)に、新たに生成した睡眠パラメータ(新たな睡眠パラメータ)を含ませることができる。一例として、パラメータ生成部208は、既存の睡眠パラメータに新たな睡眠パラメータを合算し、合算後の睡眠パラメータをユーザに対応付けることができる。すなわち、パラメータ生成部208は、ユーザに対して制限アイテムが付与される前及び/又はゲーム上の特典が付与される前にユーザに対応付けた睡眠パラメータ(既存の睡眠パラメータ)が存在する場合、あるいはユーザに対して制限アイテムが付与された後及び/又は特典が付与された後にユーザに対応付けた睡眠パラメータ(既存の睡眠パラメータ)が存在する場合、生成した睡眠パラメータ(新たな睡眠パラメータ)に既存の睡眠パラメータを含ませる。これによりユーザは、睡眠パラメータを貯めることができる。パラメータ生成部208は、生成した睡眠パラメータをユーザ情報格納部218に供給する。
【0057】
また、パラメータ生成部208は、ユーザの睡眠時間と制限アイテムの獲得条件の獲得可能時間とを比較して睡眠時間の方が長い場合、睡眠時間から獲得可能時間を差し引いた残り時間に基づいて睡眠パラメータを生成してユーザに対応付けてもよい。
【0058】
更に、パラメータ生成部208は、ユーザの起床時に制限アイテムがユーザに付与されている場合、以下のように睡眠パラメータの生成に要する睡眠時間算出の開始時刻及び/又は終了時刻のタイミングを変更することもできる。すなわち、この場合のパラメータ生成部208は、睡眠パラメータが獲得条件を満たしているか否かの判断時において、睡眠パラメータが獲得条件を満たさない場合、睡眠情報に基づいて獲得条件を満たす睡眠パラメータを再生成することができる。この場合、パラメータ生成部208は、出力部100を介して睡眠パラメータを再生成するか否かをユーザに通知してもよい。そして、入力部102を介して睡眠パラメータの再生成の指示を受け付けた場合、パラメータ生成部208は睡眠パラメータを再生成してよい。なお、パラメータ生成部208は、睡眠パラメータを再生成するか否かをユーザに通知せずに睡眠パラメータを自動的に再生成してもよい。
【0059】
具体的に、パラメータ生成部208は、通常状態においては、就寝時刻と覚醒時刻(若しくは起床時刻)とを用いて算出される睡眠時間に基づいて睡眠パラメータを生成する。しかしながら、制限アイテムの獲得条件を満たすために要する睡眠パラメータ(必要睡眠パラメータ)の量よりも生成した睡眠パラメータ(生成睡眠パラメータ)の量が少ない場合、ユーザは睡眠を取ったにもかかわらず制限アイテムに対応する特典を取得できない。この必要睡眠パラメータから生成睡眠パラメータを差し引いた量が所定の範囲内である場合(例えば、両者の差が数分に対応するわずかな量である場合等)、ユーザに酷である。そのため、パラメータ生成部208は、必要睡眠パラメータから生成睡眠パラメータを差し引いた量が所定の範囲内である場合、生成睡眠パラメータの量を増加させるべく、入床時刻と起床時刻とを用いて算出される時間に基づいて睡眠パラメータを再生成する。つまり、通常は入床時刻の方が就寝時刻より早いので、睡眠時間の計測の開始時点を入床時刻に変更することで睡眠パラメータの生成に用いる睡眠時間を長くする。これにより、睡眠パラメータの量を増加させることができる。
【0060】
なお、パラメータ生成部208が出力部100を介してユーザに通知する内容は、例えば、「所定時間、ベッド等で横になっていれば獲得条件を満たす」という内容であってよい。すなわち、ユーザが覚醒し、特典を獲得する条件である獲得条件を満たしているだろうとユーザが考えて起床しようとしたところ、実際は数分程度、睡眠時間が短いことから獲得条件を満たしていない場合、ユーザの失望感は大きい。そこで、このような失望感をユーザに抱かせることを防止すべく、パラメータ生成部208は、当初の獲得条件を緩和し、新たな獲得条件を満たすために必要な条件をユーザに通知し、ユーザに起床時刻を遅延させるか否かを選択可能にする。ユーザは当該通知に応じ、自ら起床時刻を所定時間遅延させることができる。ただし、ユーザに適切な睡眠及び/又は起床を促す観点から、必要睡眠パラメータから生成睡眠パラメータを差し引いた量が、例えば、数分程度に対応する量の時間内に入るという条件を満たしている場合に、パラメータ生成部208はユーザに上記通知をし、獲得条件を緩和することが好ましい。また、同様の観点からパラメータ生成部208は、必要睡眠パラメータから生成睡眠パラメータを差し引いた量に対応する時間だけユーザが起床時刻を遅延させることを許容し、当該時間を超えてユーザが起床時刻を遅延させた場合、当該時間を超えた分の時間は睡眠パラメータの生成に用いることを禁止してよい。
【0061】
(特典付与部210)
特典付与部210は、睡眠パラメータ若しくは睡眠情報が獲得条件を満たした場合、制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する。特典付与部210は、ユーザが既に制限アイテムを所持している場合において睡眠パラメータ(若しくは睡眠情報)が獲得条件を満たした場合、制限アイテムの使用制限を解除し、制限アイテムを介して制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する。また、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持していない場合において睡眠パラメータ(若しくは睡眠情報)が獲得条件を満たした場合、制限アイテムを介さずに制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する。つまり、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持している場合は睡眠パラメータ(若しくは睡眠情報)が獲得条件を満たすことを条件に制限アイテムを介してユーザに特典を付与し、ユーザが制限アイテムを所持していない場合であってもユーザが所持している睡眠パラメータ(若しくは睡眠情報)が獲得条件を満たすことを条件に制限アイテムを所持していた場合と同等の特典をユーザに付与する。そして、特典付与部210は、ユーザに特典を付与したことを示す情報をユーザ情報格納部218に供給する。
【0062】
具体的に特典付与部210は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいて判断されるユーザの起床後、ユーザが制限アイテムを所持しているか否かについてユーザ情報格納部218を参照して判断する。また、特典付与部210は、ユーザ情報格納部218を参照し、ユーザの今回の睡眠において睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報、当該睡眠情報に基づいてパラメータ生成部208が生成した睡眠パラメータ、及び/又は既にユーザに対応付けられている睡眠パラメータを把握する。
【0063】
そして、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持している場合、当該制限アイテムに設定されている獲得条件と参照したユーザの睡眠情報とに基づいて、獲得条件を満たしているか否か判断する。例えば、獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合、特典付与部210は、ユーザの睡眠情報に含まれる今回の睡眠時間が獲得条件を満たすか否か判断し、獲得条件を満たす場合(つまり、獲得条件で設定されている長さ以上の睡眠時間をユーザが取っている場合)、制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。なお、特典付与部210は、獲得条件として所定量の睡眠パラメータも設定されている場合、ユーザに対応付けられている睡眠パラメータの量が獲得条件を満たすか否か判断し、獲得条件を満たす場合(つまり、獲得条件で設定されている量以上の睡眠パラメータをユーザが所持している場合)、制限アイテムの使用制限を解除し、制限アイテムに対応する特典をユーザに付与してもよい。
【0064】
なお、特典付与部210は、ユーザに特典を付与する場合に抽選を実行し、抽選結果に基づいて特典をユーザに付与してもよい。例えば、制限アイテムには複数の特典が対応付けられており、各特典には所定の抽選確率を対応付けてよい。特典付与部210は、ユーザに特典を付与する際に、これらの抽選確率に基づいて抽選を実行し、当選した特典をユーザに付与してよい。また、ゲームシステム1は、複数種類の制限アイテムを用いることもできる。例えば、特典には所定のレアリティを設定でき、高いレアリティの特典の抽選確率が高い制限アイテム、中程度のレアリティの特典の抽選確率が高い制限アイテム、及び/又は低いレアリティの特典の抽選確率が高い制限アイテムをゲームシステム1は用いてもよい。
【0065】
一方、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持していない場合(つまり、ユーザに制限アイテムが付与されていない場合)、ユーザが所持している睡眠パラメータと引き換えに所定の制限アイテムに対応する所定の特典をユーザに付与可能にする。すなわち、特典付与部210は、ユーザに制限アイテムが付与されていない場合において当該制限アイテムの獲得条件を満たす睡眠パラメータがユーザに対応付けられている場合、獲得条件を満たす量の睡眠パラメータと引き換えに当該制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する。例えば、特典付与部210は、ユーザの覚醒中、入力部102が受け付けるユーザからの所定量の睡眠パラメータの消費指示に応じ、所定の制限アイテムに対応する特典をユーザに付与できる。
【0066】
ここで、特典付与部210がユーザに特典を付与するタイミングはユーザの起床時に限らない。例えば、特典付与部210は、ユーザが起床後、ユーザが覚醒している間の任意のタイミングでユーザに特典を付与することもできる。この場合、特典付与部210は、入力部102を介して受け付けるユーザの指示に応じ、当該任意のタイミングでユーザに付与された睡眠パラメータを消費してユーザに特典を付与する。
【0067】
(特典付与部210:睡眠パラメータを用いない例)
また、特典付与部210は、ユーザの起床時に制限アイテムがユーザに既に付与されており、睡眠情報により獲得条件が満たされる場合、睡眠パラメータを用いずに制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与してもよい。すなわち、ユーザが起床する時に既に制限アイテムを所持している場合、ユーザは睡眠開始前にゲームプレイして制限アイテムを取得することを要さない。そこで、特典付与部210は、睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成する工程を省略し、睡眠時間が獲得条件を満たす場合に制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。例えば、制限アイテムに設定されている獲得条件が「x時間の睡眠」若しくは「x時間の睡眠時間に基づいて生成される睡眠パラメータ」である場合においてユーザがx時間の睡眠を取れば、特典付与部210は睡眠パラメータを生成せずに睡眠時間を用いて獲得条件を満たしたと判断し、制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。
【0068】
(特典付与部210:睡眠パラメータを生成する例)
特典付与部210は、ユーザの起床時に制限アイテムがユーザに既に付与されており、睡眠情報により獲得条件が満たされる場合、睡眠情報に基づいて生成される睡眠パラメータを用い、制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与してもよい。すなわち、まずパラメータ生成部208は、睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成し、生成した睡眠パラメータをユーザに対応付ける。そして、特典付与部210は、睡眠パラメータが生成されたこと及びユーザに睡眠パラメータが対応付けられたことをユーザに提示せずに、制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与できる。若しくは、特典付与部210は、睡眠パラメータが生成されたこと及びユーザに睡眠パラメータが対応付けられたことをユーザに提示し(つまり、特典付与部210は、出力制御部202を介して出力部100に睡眠パラメータが生成されたこと及びユーザに睡眠パラメータが対応付けられたことをユーザに知覚可能に出力させる)、制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与してもよい。これらの場合において特典付与部210は、ユーザが制限アイテムに対応するゲーム上の特典の付与を受けるための操作を要さずに(つまり、自動的に)特典をユーザに付与してよい。
【0069】
(特典付与部210:獲得条件を調整する例)
また、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持している場合においてユーザに対応付けられている睡眠パラメータが当該制限アイテムの獲得条件を満たしているか否かの判断時(例えば、ユーザの起床時若しくは制限アイテムの使用制限の解除を試みるタイミング等)において、睡眠パラメータが獲得条件を所定の基準で満たさない場合、制限アイテムの使用制限を解除できるように獲得条件を変更することもできる。
【0070】
所定の基準とは、例えば、獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合、この所定長の睡眠時間と、ユーザの起床時において睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報から導出されるユーザの睡眠時間との差が所定の範囲内である場合等である(ただし、所定長の睡眠時間>ユーザの睡眠時間とする。)。あるいは、所定の基準とは、獲得条件が所定量の睡眠パラメータを満足することである場合、この所定量の睡眠パラメータと、ユーザの起床時において睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいてパラメータ生成部208が生成した睡眠パラメータ若しくは既にユーザに対応付けられている睡眠パラメータ(つまり、ユーザ情報格納部218に格納されている睡眠パラメータ)とパラメータ生成部208が生成した睡眠パラメータとの合計量との差が所定の範囲内である場合等であってもよい(ただし、所定量の睡眠パラメータ>ユーザの睡眠パラメータの量、とする。)。なお、所定の基準は、ユーザに適切な睡眠を取るインセンティブを働かせる観点から、適切な睡眠を妨げない範囲で設定できる。例えば、所定の基準が所定長の睡眠時間に基づいて設定される場合、所定長の睡眠時間よりユーザの睡眠時間が数分程度短い範囲で当該所定の基準は設定される。また、この「数分程度」、つまり猶予期間は、ユーザ毎に異なっていてもよい。例えば、ユーザによるゲームのプレイ期間、ゲームアイテムの使用の有無、及び/又は所定の睡眠を取っている場合(例えば、所定の質の睡眠を取っている場合等)等に基づいて猶予期間を伸縮できる。例えば、ユーザによるプレイ期間が所定期間以上である場合、ゲームアイテムの使用がある場合、及び/又は所定の質の睡眠を取っている場合等に猶予期間を伸長できる。
【0071】
更に、特典付与部210は、上記のように獲得条件を変更する代わりに、若しくは獲得条件の変更と共に、睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを調整することもできる。この調整は特典付与部210が自動的に実行することも、ユーザからの所定の指示(例えば、ゲーム内において睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを加算可能なアイテムの消費指示等)に応じて実行することもできる。例えば、獲得条件が所定長の睡眠時間(必要睡眠時間)を満足することである場合(若しくは、必要睡眠時間に対応する所定量の睡眠パラメータを満足することである場合)において、ユーザの睡眠時間(ユーザ睡眠情報)が必要睡眠時間より数分程度短い場合、特典付与部210は、必要睡眠時間とユーザ睡眠情報との差に該当する時間をユーザの睡眠時間に加算することにより睡眠情報を調整してもよい。一例として、ユーザ睡眠情報が「7時間55分」であり、必要睡眠時間が「8時間」である場合において、特典付与部210は、睡眠時間を5分追加可能なアイテムの消費指示を入力部102を介してユーザから受け付けた場合、ユーザ睡眠情報を「8時間」に調整する。そして特典付与部210は、調整後のユーザ睡眠情報(若しくは、調整後のユーザ睡眠情報から生成される睡眠パラメータ)を用いて獲得条件を満たしているか否かを判断する。
【0072】
また、獲得条件が所定量の睡眠パラメータ(必要睡眠パラメータ)を満足することである場合において、ユーザの睡眠時間に対応する睡眠パラメータ(ユーザ睡眠パラメータ)が必要睡眠パラメータより所定量(例えば、数分程度の睡眠時間に対応する量の睡眠パラメータ)だけ少ない場合、特典付与部210は、必要睡眠パラメータとユーザ睡眠パラメータとの差に該当する量の睡眠パラメータをユーザ睡眠パラメータに加算することにより睡眠パラメータを調整してもよい。一例として、ユーザ睡眠情報が「7時間55分」であり、必要睡眠パラメータが「8時間」に対応する量の睡眠パラメータである場合において、特典付与部210は、まず、ユーザ睡眠情報に対応する量の睡眠パラメータ(ユーザ睡眠パラメータ)が生成された後、必要睡眠パラメータとユーザ睡眠パラメータとの差に対応する量の睡眠パラメータを追加可能なアイテム(パラメータ追加アイテム)の消費指示を入力部102を介してユーザから受け付けた場合、ユーザ睡眠パラメータにパラメータ追加アイテムの睡眠パラメータを追加し、ユーザ睡眠パラメータを「8時間」に対応する量のパラメータに調整する。そして特典付与部210は、調整後のユーザ睡眠パラメータを用いて獲得条件を満たしているか否かを判断する。
【0073】
なお、ユーザの睡眠習慣を良好にする観点から、特典付与部210が睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを調整した場合、当該調整は獲得条件との関係でのみ調整することが好ましい。すなわち、特典付与部210が睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを調整した場合であっても、ユーザ情報格納部218に格納される睡眠情報及び/又は睡眠パラメータは、ユーザの実際の睡眠に対応する睡眠情報及び/又は睡眠パラメータであることが好ましい。
【0074】
そして、特典付与部210は、睡眠パラメータが所定の基準で獲得条件を満たさない場合、ユーザの睡眠時間若しくは睡眠パラメータの量により獲得条件を満たすように、獲得条件の内容自体を変更する。例えば、特典付与部210は、獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合、ユーザの実際の睡眠時間に合わせ、所定長の睡眠時間を減じる調整を実行する。また、特典付与部210は、獲得条件が所定量の睡眠パラメータを満足することである場合、ユーザが所持している睡眠パラメータの量に合わせ、所定量の睡眠パラメータを減じる調整を実行する。
【0075】
(特典付与部210:睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを調整する例)
また、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持している場合においてユーザに対応付けられている睡眠パラメータが制限アイテムの獲得条件を満たしているか否かの判断時(例えば、ユーザの起床時若しくは制限アイテムの使用制限の解除を試みるタイミング等)において、睡眠パラメータが獲得条件を所定の基準で満たさない場合、制限アイテムの使用制限を解除できるように睡眠パラメータを獲得条件を満たす内容に変更することもできる。なお、所定の基準とは、「(特典付与部210:獲得条件を調整する例)」での説明と同様である。
【0076】
そして、特典付与部210は、睡眠パラメータが所定の基準で獲得条件を満たさない場合、獲得条件を満たすようにユーザの睡眠時間若しくは睡眠パラメータの量を変更する。例えば、特典付与部210は、獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合、所定長の睡眠時間を満足するようにユーザの実際の睡眠時間に不足分の睡眠時間を加算する調整を実行する。また、特典付与部210は、獲得条件が所定量の睡眠パラメータを満足することである場合、所定量の睡眠パラメータを満足するようにユーザが所持している睡眠パラメータに不足分の睡眠パラメータを加算する調整を実行する。
【0077】
(特典付与部210:睡眠情報及び/又は睡眠パラメータが獲得条件を満たさない場合)
特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持している場合において睡眠パラメータ若しくは睡眠情報が獲得条件を満たさない場合、出力部100を介し、獲得条件を満たすために更に要する睡眠パラメータ及び/又は睡眠情報を制限アイテムと共に出力してもよい。この場合、特典付与部210は、獲得条件を満たすために要する残りの睡眠パラメータ若しくは睡眠情報を制限アイテムと共に出力部100から出力させてよい。例えば、獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合においてユーザの睡眠情報としての睡眠時間が当該所定長の睡眠時間に満たない場合、特典付与部210はユーザの睡眠時間を獲得条件の一部を満たすものとして用いた上、当該所定長の睡眠時間からユーザの睡眠時間を差し引いた後の残り時間(つまり、残り時間分の睡眠を取れば獲得条件を満たすことになる)を制限アイテムと共に出力部100に出力させる(例えば、制限アイテムの近傍、若しくは制限アイテムに重畳して出力させる。)。一例として、特典付与部210は、ユーザが所持している制限アイテムの獲得条件の情報(つまり、保有アイテムに関する情報)に、獲得条件の一部を満たすものとして用いたユーザの睡眠時間を対応付けてユーザ情報格納部218に格納する。特典付与部210は、ユーザ情報格納部218に格納されている制限アイテムの獲得条件の情報に対応付けられているユーザの睡眠時間が獲得条件を満たすまで、出力部100に残り時間を出力させてよい。
【0078】
(特典付与部210:制限アイテムの使用制限解除の例)
特典付与部210は、睡眠パラメータ(若しくは睡眠情報)が所定の制限アイテムの獲得条件を満たした場合、制限アイテムの使用制限を解除する解除アイテムをユーザに付与してもよい。解除アイテムは、例えば、「鍵」として出力部100から出力される。そして、入力部102を介しユーザから「カギ」の使用指示を受け付けた場合、特典付与部210は、制限アイテムの使用制限を解除し、ゲーム上の所定の特典をユーザに付与してよい。なお、ユーザは、解除アイテムを有している場合、任意のタイミングで制限アイテムの使用制限を解除できる。
【0079】
(特典付与部210:制限アイテムを所持していない場合の特典について)
なお、特典付与部210は、ユーザが所定の制限アイテムを所持していない場合において、ユーザに対応付けられている睡眠パラメータが所定の制限アイテムの獲得条件を満たした場合、制限アイテムを介さずに制限アイテムに対応するゲーム上の特典と同等の特典をユーザに付与することが最も好ましい。ただし、特典付与部210は、ユーザが睡眠パラメータを所持している場合、睡眠パラメータをゲーム内仮想通貨として用い、制限アイテムに対応する特典とは異なる特典の取得に用いてもよい。一例として、特典付与部210は、入力部102が受け付けるユーザからの指示に応じ、ゲーム内のショップ等において所定の特典(例えば、アイテム等)の取得に睡眠パラメータを用いることもできる。
【0080】
(特典付与部210:複数の制限アイテムを所持している例)
ユーザが複数の制限アイテムを所持している場合、特典付与部210は以下のように機能可能である。例えば、ユーザが第1の制限アイテム及び第2の制限アイテムを所持しており、第1の制限アイテムには第1の獲得条件が設定され、第2の制限アイテムには第2の獲得条件が設定されている例を挙げる。
【0081】
(第1の例)
まず、ユーザが第1の制限アイテムを取得した後、第2の制限アイテムを取得したとする。この場合に特典付与部210は、ユーザが獲得した制限アイテムの獲得順にユーザが所持している睡眠パラメータの獲得条件への適用を実行する。例えば、特典付与部210は、ユーザが所持している睡眠パラメータと第1の制限アイテムの第1の獲得条件とを比較し、第1の獲得条件を睡眠パラメータが満たす場合、第1の制限アイテムに対応する第1の特典をユーザに付与し、第1の特典の付与に要した睡眠パラメータをユーザが所持している睡眠パラメータから差し引く。そして、特典付与部210は、差し引き後にユーザが所持する睡眠パラメータが残存している場合、残存している睡眠パラメータを第2の制限アイテムの第2の獲得条件と比較し、第2の獲得条件を残存している睡眠パラメータが満たす場合、第2の制限アイテムに対応する第2の特典をユーザに付与し、満たさない場合は第2の特典をユーザに付与しない。一方、特典付与部210は、差し引き後にユーザが所持する睡眠パラメータが残存していない場合、処理を終了する。なお、特典付与部210は、上記「第1の例」の変形例として、ユーザが獲得した制限アイテムの獲得順の逆順、若しくは獲得順に関わらずランダムに、一の制限アイテムの一の獲得条件に睡眠パラメータを適用してもよい。
【0082】
(第2の例)
ユーザが第1の制限アイテムを取得した後、第2の制限アイテムを取得したとする。この場合に特典付与部210は、ユーザが獲得した制限アイテムに設定されている獲得条件が容易な順に、ユーザが所持している睡眠パラメータを適用する。例えば、特典付与部210は、ユーザが所持している第1の制限アイテムの第1の獲得条件と第2の制限アイテムの第2の獲得条件とを比較し、いずれの獲得条件が容易に達成しうるかを判断する。例えば、第1の獲得条件が第1の量の睡眠パラメータの消費であり、第2の獲得条件が第2の量の睡眠パラメータの消費である場合において、「第1の量>第2の量」である場合、特典付与部210は、第2の制限アイテムの第2の獲得条件をユーザが所持する睡眠パラメータが満たすか否かを判断し、満たす場合に第2の制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。その後、特典付与部210は、ユーザが所持する睡眠パラメータが残存している場合、第1の獲得条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には第1の制限アイテムに対応する特典をユーザに付与し、満たさない場合は処理を終了する。
【0083】
(第3の例)
ユーザが第1の制限アイテムを取得した後、第2の制限アイテムを取得したとする。この場合に特典付与部210は、ユーザによる選択に基づいてユーザが所持している睡眠パラメータを適用する。例えば、特典付与部210は、入力部102を介して受け付けるユーザによる第1の制限アイテム又は第2の制限アイテムの選択指示に応じ、選択された制限アイテムに対応する特典をユーザに付与する。そして特典付与部210は、ユーザが所持している睡眠パラメータを、ユーザが選択した制限アイテムの獲得条件に適用する。例えば、ユーザが第1の制限アイテムを選択した場合、特典付与部210は、ユーザが所持している睡眠パラメータと第1の制限アイテムの第1の獲得条件とを比較し、第1の獲得条件を睡眠パラメータが満たす場合、第1の制限アイテムに対応する第1の特典をユーザに付与し、第1の特典の付与に要した睡眠パラメータをユーザが所持している睡眠パラメータから差し引く。続いて、ユーザが第2の制限アイテムを選択した場合、特典付与部210は、差し引き後にユーザが所持している残存の睡眠パラメータを第2の制限アイテムの第2の獲得条件と比較し、第2の獲得条件を残存している睡眠パラメータが満たす場合、第2の制限アイテムに対応する第2の特典をユーザに付与し、満たさない場合は第2の特典をユーザに付与しない。一方、特典付与部210は、差し引き後にユーザが所持する睡眠パラメータが残存していない場合、及び/又はユーザが第2の制限アイテムを選択しなかった場合、処理を終了する。
【0084】
(アラーム部212)
アラーム部212は、ユーザに対して発するアラームを設定する。アラーム部212は、ゲームシステム1におけるゲーム内でのユーザの状況に応じ、アラームを発するタイミングを自動的に変更する。アラーム部212は、例えば、音声を発する音声出力部、光を放射する発光部、及び/又は振動を発生させる振動部等を含んで構成できる。また、アラーム部212は、端末装置10が有していてもよく、端末装置10とは別個独立の装置として構成してもよい。この場合においてアラーム部212は、端末装置10及び/又はサーバ20と双方向通信可能に接続される。更にアラーム部212は、ゲームシステム1において用いるゲームアプリ内の一機能として構成してもよく、あるいは端末装置10の他のアプリケーション(例えば、オペレーティングシステム(OS)が標準的に有するアラーム等のアプリケーション)にアラームの設定情報を供給して当該アラームを動作させてもよい。
【0085】
具体的に、アラーム部212は、ユーザの睡眠開始後、制限アイテムの獲得条件が満たされるタイミングに合わせ、ユーザに起床を促すアラームの設定及び/又は制御を実行する。アラーム部212は、制限アイテムがユーザに付与されており、当該制限アイテムの獲得条件に基づいてアラームを出力するタイミングを設定する。すなわち、アラーム部212は、制限アイテムがユーザに付与されており、睡眠パラメータ若しくは睡眠情報が獲得条件を満たす場合における当該睡眠パラメータ若しくは当該睡眠情報に対応する睡眠情報としての睡眠時間に基づいて、獲得条件が満たされるタイミングに発するアラームの設定情報を生成する。
【0086】
例えば、制限アイテムの獲得条件が所定長の睡眠時間を満足することである場合、アラーム部212は、獲得条件を満足するために要する睡眠時間が当該所定長の睡眠時間であると判断し、睡眠情報取得部204が取得する睡眠情報に基づいて判断されるユーザの入床又は就寝のタイミングから当該所定長の睡眠時間経過時の時刻にアラームが動作するようにアラームの設定情報を自動的に生成する。また、アラーム部212は、当該入床のタイミングにおいて、出力部100を介してユーザにアラームの設定要否を通知(若しくは提案)してもよい。この場合、アラーム部212は、入力部102を介して受け付けるユーザによるアラーム設定の指示に応じ、アラームの設定情報を生成してもよい。
【0087】
また、制限アイテムの獲得条件が所定量の睡眠パラメータを満足することである場合、アラーム部212は、獲得条件を満足するために要する睡眠パラメータが当該所定量の睡眠パラメータであると判断し、睡眠情報取得部204が取得する睡眠情報に基づいて判断されるユーザの入床のタイミングから当該所定量の睡眠パラメータが生成される時間が経過する時の時刻にアラームが動作するようにアラームの設定情報を自動的に生成する。所定量の睡眠パラメータが生成される時間とは、パラメータ生成部208が当該所定量の睡眠パラメータの生成に要する睡眠時間であり、アラーム部212は、ユーザの入床のタイミングから当該所定量の睡眠パラメータが生成される時間が経過する時の時刻にアラームが動作するようにアラームの設定情報を自動的に生成する。なお、アラーム部212は、上記と同様にユーザからの入力を受け付けることでアラームの設定情報を生成してもよい。
【0088】
更にアラーム部212は、アラームを発するタイミングとしてユーザの入床時刻に基づいて決定されるタイミングを用いてよい。つまり、アラーム部212は、獲得条件を満たすために要する睡眠時間が入床時刻から経過した時点を、アラームを発するタイミングとしてよい。ここで、入床時刻とユーザの就寝時刻とが一致しない場合、アラーム部212は以下のように機能してよい。
【0089】
すなわち、アラーム部212は、ユーザの実際の睡眠によりパラメータ生成部208において生成される睡眠パラメータが制限アイテムの獲得条件を満たすタイミングを算出する。例えば、アラーム部212は、通常の場合、獲得条件を満たすために要する睡眠パラメータの生成に要する睡眠時間を入床時刻に適用することで、アラームを発するタイミング(起床予定の時刻)を決定する。しかし、入床時刻と就寝時刻とが一致しない場合、アラーム部212は、獲得条件を満たすために要する睡眠パラメータの生成に要する睡眠時間を就寝時刻に適用することでアラームを発するタイミングを算出しなおす。アラーム部212は、入床時刻と就寝時刻とが一致しない場合において算出しなおしたタイミングを、アラームを発するタイミングに変更して、変更後のタイミングに発するアラームの設定情報を自動的に生成することもできる。なお、アラーム部212は、入床時刻と就寝時刻とが一致しない場合、入床時刻に予め定められた時間を加算して得られる時刻を用いアラームを発するタイミングを変更してもよい。
【0090】
なお、アラーム部212がアラームを発するタイミングを変更する条件は入床時刻と就寝時刻とが一致しない場合であり、不一致の度合いが所定の範囲内である場合であってもよい。例えば、不一致の度合い、すなわち、入床時刻と就寝時刻との差が所定値以上であって所定の範囲内である場合(例えば、10分以上であって30分から1時間以内の範囲である場合等)にアラーム部212はタイミングを変更する。この不一致の度合いは適宜調整できる。また、アラーム部212は、アラームを発するタイミングの変更の実行の要否をユーザに選択させることもできる。例えば、アラーム部212は、タイミングの変更をするモード(第1モード)と変更をしないモード(第2モード)とを予め設定しておき、ユーザの入床前等に出力部100に両モードの選択画面を出力させる。そして、アラーム部212は、入力部102を介して受け付けるユーザの第1モード選択指示に応じ、アラームの設定情報の生成を実行してよい。
【0091】
このようにアラーム部212は、例えば、ユーザが寝付けないために実際の睡眠時間が入床時刻から起床時刻までの時間より短くなった場合、つまり就寝時刻が入床時刻より遅くなった場合において、制限アイテムの獲得条件を満たすタイミングで起床できるように自動的にアラームを発するタイミングを変更する。
【0092】
例えば、制限アイテムの獲得条件が「7時間の睡眠時間を取ること」である場合において、ユーザが0時から7時まで睡眠することを想定し、アラーム部212がユーザの入床時刻に応じてアラームを7時に設定したところ、ユーザの実際の就寝時刻が0時30分である場合、7時にアラームを動作させると睡眠時間は6時間30分と想定より短くなる。この場合、獲得条件を満たさない。そこで、アラーム部212は、就寝時刻に基づいてアラームを動作させる時刻をずらし(例えば、7時30分にずらす)、獲得条件を満たすようにできる。
【0093】
また、アラーム部212は、ユーザの入床時刻から就寝時刻までに所定時間かかることを予め想定した場合において、制限アイテムの獲得条件を満たすために要する睡眠時間を満たすタイミングとしての起床時刻でアラームを発するために、入床時刻と獲得条件を満たすために要する睡眠時間とに基づいて算出される時刻に、所定時間(加算時間)を加算した時刻を、アラームを発するタイミングである起床時刻(設定起床時刻)としてもよい。しかし、ユーザが入床時刻から加算時間が経過する前に就寝した場合には、アラーム部212は、設定起床時刻より早いタイミングでアラームを動作させることができる。すなわち、アラーム部212は、睡眠情報取得部204が取得したユーザの実際の就寝時刻とユーザの入床時刻との差から得られる時間を加算時間から差し引き、差し引いて得られる時間だけ設定起床時刻から早めた時刻を、アラームを発するタイミングに再設定してよい。
【0094】
つまり、ユーザが就寝するまでに所定時間かかると想定し、入床時刻から起床時刻までの時間を獲得条件を満たすために要する睡眠時間より長く設定したところ、ユーザが予想に反して早く就寝した場合、アラームを発するタイミングを自動的に早めることができる。例えば、制限アイテムの獲得条件が「7時間の睡眠時間を取ること」である場合、7時間の睡眠を取るため、0時に入床し、就寝するまでの時間30分を想定して7時30分にアラームを設定したところ、0時に就寝した場合、アラーム部212は、7時にアラームを発するようにアラームが動作するタイミングを自動的に変更する。
【0095】
(格納ユニット216)
格納ユニット216は、ゲームシステム1に関連する各種情報を格納する。格納ユニット216が有する各格納部は、ゲームシステム1の他の構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素に供給する。
【0096】
(格納ユニット216:ユーザ情報格納部218)
ユーザ情報格納部218は、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて、ユーザ情報、睡眠情報、睡眠パラメータ、保有アイテム、特典情報等に関する情報を格納する。ユーザ情報としては、例えば、ユーザが設定する名称であるユーザ名、ログインID、及び/又はパスワード等の情報が挙げられる。睡眠情報としては、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠に関する睡眠情報(睡眠情報を取得した連続計測日数等を含む)が挙げられる。また、睡眠情報は、睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した日時に対応付けられていてもよい。例えば、ユーザ情報格納部218は、睡眠情報として、当該日時に対応付けてユーザの睡眠時間を睡眠履歴として格納できる。睡眠パラメータは、パラメータ生成部208が睡眠情報に基づいて生成した睡眠パラメータである。ユーザ情報格納部218は、一の睡眠(つまり、ある日の睡眠)により生成された睡眠パラメータに他の睡眠(つまり、ある日とは異なる日の睡眠)により生成された睡眠パラメータを含めて睡眠パラメータを格納できる。また、睡眠パラメータの格納期間には所定の期間制限を設けてもよい。保有アイテムに関する情報としては、例えば、ユーザに付与されてユーザが所持することになった制限アイテムに関する情報(制限アイテムの使用制限を解除するための獲得条件を含む)、ユーザが所持しているゲームアイテムに関する情報等が挙げられる。保有アイテムに関する情報は、各ゲームアイテムの種類及び数等の情報も含む。また、保有アイテムに関する情報は、ゲーム内仮想キャラクタであって、ユーザが所持している仮想キャラクタに関する情報を含むこともできる。特典情報とは、制限アイテムに対応するゲーム上の特典であってユーザに付与された特典に関する情報である。特典情報は、所定のアイテム、所定のキャラクタ、ゲーム内仮想通貨、及び/又は制限アイテム自体等に関する情報であってよい。
【0097】
(格納ユニット216:ゲーム情報格納部220)
ゲーム情報格納部220は、ゲーム情報IDに対応付けて、ゲーム情報、及び制限アイテム情報を格納する。ゲーム情報としては、ゲームに登場するキャラクタに関する情報、アイテムに関する情報、アイテムの抽選に関する情報(所定のアイテムの抽選確率等の情報を含む)、ゲーム内仮想通貨に関する情報、及び/又は所定の音声や音楽情報等の各種の情報が挙げられる。例えば、ゲーム情報としてキャラクタに関する情報をゲーム情報格納部220が格納する場合、ゲーム情報IDとしてのキャラクタIDに対応付けてゲーム情報としてのキャラクタ情報を格納する。他の各種情報についても同様に、各種情報のIDに対応付けて各種情報が格納される。そして、制限アイテム情報は、ゲーム内に登場する制限アイテムに関する情報である。制限アイテム情報は、制限アイテムを識別する制限アイテムIDに対応付けて、制限アイテムの種類等に関する情報、制限アイテムの使用制限を解除するための獲得条件に関する情報、及び/又は当該制限アイテムに対応付けられているゲーム上の特典に関する情報等を含む。なお、制限アイテム情報は、一の制限アイテムIDに対応付けて1以上の特典に関する情報を対応付けることができる。
【0098】
[ゲームシステム1の処理の流れ]
図4は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す。
【0099】
まず、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11の測定、若しくは入力部102を介して受け付けるユーザの睡眠開始の指示に基づいて、ユーザが睡眠(入床又は就寝)を開始したか否かを判断する。ユーザが睡眠を開始していないと睡眠情報取得部204が判断した場合、睡眠情報取得部204はユーザの睡眠開始まで睡眠情報の取得を待機する。一方、ユーザが睡眠を開始したと睡眠情報取得部204が判断した場合、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が測定するユーザの睡眠情報の取得を開始する。
【0100】
そして、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11の測定、若しくは入力部102を介して受け付けるユーザの起床の指示に基づいて、ユーザが起床したか否かを判断する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。ユーザが起床していないと睡眠情報取得部204が判断した場合(S10のNo)、睡眠情報取得部204は睡眠情報の取得を継続する。一方、ユーザが起床したと睡眠情報取得部204が判断した場合(S10のYes)、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が測定するユーザの睡眠情報の取得を停止する。そして、睡眠情報取得部204は、取得した睡眠情報に基づいて睡眠時間の算出を実行する(S12)。なお、パラメータ生成部208が睡眠時間を算出してもよく、S12の段階でパラメータ生成部208が、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいて睡眠パラメータを生成してもよい。
【0101】
続いて、特典付与部210は、ユーザが制限アイテムを所持しているか否かを判断する(S14)。特典付与部210は、ユーザ情報格納部218を参照し、ユーザIDに対応付けて保有アイテムとしての制限アイテムが格納されているか否かを判断することでユーザが制限アイテムを所持しているか否かを判断する。特典付与部210によりユーザが制限アイテムを所持していることが確認された場合(S14のYes)、特典付与部210は、制限アイテムに設定されている獲得条件が満たされているか否かを判断する(S16)。
【0102】
獲得条件として所定長の睡眠時間の取得が設定されている場合、特典付与部210は、算出された睡眠時間が獲得条件を満たしているか否かを判断する。一方、獲得条件として所定量の睡眠パラメータが設定されている場合、特典付与部210は、パラメータ生成部208が生成した睡眠パラメータの量、若しくはパラメータ生成部208が生成した睡眠パラメータの量にユーザ情報格納部218に格納されている睡眠パラメータの量を加算した量が獲得条件を満たしているか否かを判断する。特典付与部210が獲得条件を満たしていると判断した場合(S16のYes)、特典付与部210は制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する(S18)。特典付与部210は、ユーザIDに対応付けて当該特典に関する情報をユーザ情報格納部218に格納することで特典をユーザに付与する。
【0103】
そして、獲得条件として所定長の睡眠時間の取得が設定されている場合において特典付与部210がユーザに特典を付与した後、獲得条件を満たすために要した睡眠時間を算出された睡眠時間(ユーザの今回の睡眠時間)から差し引いた残り時間があるか否かを判断する(S24)。残り時間がない場合(S24のNo)、特典付与部210は処理を終了する(起床時処理終了)。一方、残り時間がある場合(S24のYes)、パラメータ生成部208は、残り時間に基づいて睡眠パラメータを生成し、ユーザに付与した後(S26)、処理を終了する(起床時処理終了)。パラメータ生成部208は、生成した睡眠パラメータをユーザIDに対応付けてユーザ情報格納部218に格納する。ユーザ情報格納部218に既に睡眠パラメータが格納されている場合、パラメータ生成部208は、既に格納されている睡眠パラメータにS26で生成した睡眠パラメータを合算等して含ませることができる。
【0104】
一方、特典付与部210によりユーザが制限アイテムを所持していないことが確認された場合(S14のNo)、パラメータ生成部208は睡眠情報取得部204が算出した睡眠時間に基づいて睡眠パラメータを生成する(S26)。以降の処理は上記と同様である。
【0105】
また、特典付与部210が、ユーザの睡眠時間及び/又は睡眠パラメータが獲得条件を満たしていないと判断した場合(S16のNo)、特典付与部210は、獲得条件を所定の基準で満たさないか否かを判断する(S20)。特典付与部210が獲得条件を所定の基準で満たさないことが否定されると判断した場合(S20のNo)、S26以降の処理が実行される。一方、特典付与部210が獲得条件を所定の基準で満たさないと判断した場合(S20のYes)、特典付与部210は、獲得条件の調整、及び/又は睡眠情報・睡眠パラメータの調整を実行する(S22)。具体的な調整方法は、上記「(特典付与部210:獲得条件を調整する例)」及び「(特典付与部210:睡眠情報及び/又は睡眠パラメータを調整する例)」に説明の通りである。特典付与部210による調整の実行後、S18以降の処理が実行される。
【0106】
[ゲームシステム1の処理の流れの他の例]
図5は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す。
【0107】
ゲームシステム1は、ユーザの覚醒時(若しくは起床時)に睡眠パラメータを用いてユーザへの特典付与を実行してもよい。具体的に他の例は、ユーザに既に対応付けられている睡眠パラメータを用いて特典付与を実行する例である。なお、以下の説明においては上記フローと同一の工程の説明は省略若しくは簡略化し、相違する工程を中心に説明する。
【0108】
まず、S10までは上記と同様である。なお、睡眠情報取得部204は、取得した睡眠情報に基づいて睡眠時間の算出を実行してもよい。続いて、S14の工程も上記と同様である。そして、特典付与部210によりユーザが制限アイテムを所持していることが確認された場合(S14のYes)、特典付与部210は、ユーザに既に対応付けられている睡眠パラメータに基づいて、制限アイテムに設定されている獲得条件が満たされているか否かを判断する(S17)。すなわち、特典付与部210は、ユーザ情報格納部218にユーザのユーザIDに対応付けて格納されている睡眠パラメータを用いて獲得条件が満たされているか否かを判断する。
【0109】
具体的に、獲得条件として所定長の睡眠時間の取得が設定されている場合、特典付与部210は、ユーザに既に対応付けられている睡眠パラメータの生成に用いられた睡眠時間が獲得条件を満たしているか否かを判断する。一方、獲得条件として所定量の睡眠パラメータが設定されている場合、特典付与部210は、ユーザ情報格納部218に格納されている睡眠パラメータの量が獲得条件を満たしているか否かを判断する。なお、特典付与部210は、パラメータ生成部208が睡眠パラメータを生成した場合、生成した睡眠パラメータの量にユーザ情報格納部218に格納されている睡眠パラメータの量を加算した量を用いてもよい。
【0110】
特典付与部210が獲得条件を満たしていると判断した場合(S17のYes)、特典付与部210は制限アイテムに対応するゲーム上の特典をユーザに付与する(S18)。そして、獲得条件として所定長の睡眠時間の取得が設定されている場合において特典付与部210がユーザに特典を付与した後、獲得条件を満たすために要した睡眠時間をユーザに既に対応付けられている睡眠パラメータの生成に用いられた睡眠時間から差し引いた残り時間があるか否かを判断する(S24)。残り時間がない場合(S24のNo)、特典付与部210は処理を終了する(起床時処理終了)。一方、残り時間がある場合(S24のYes)、特典付与部210は、残った残り時間に対応する睡眠パラメータをユーザに付与したままにし(S27)、処理を終了する(起床時処理終了)。
【0111】
一方、特典付与部210によりユーザが制限アイテムを所持していないことが確認された場合(S14のNo)、パラメータ生成部208は睡眠情報取得部204が算出した睡眠時間に基づいて睡眠パラメータを生成し、ユーザに付与する(S27)。以降の処理は上記と同様である。また、特典付与部210が、獲得条件を満たしていないと判断した場合は(S17のNo)、上記と同様にS20及びS22が実行される。
【0112】
[ゲームプログラム]
図1図5に示した本実施形態に係るゲームシステム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等の演算処理装置にプログラム(すなわち、ゲームプログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0113】
本実施形態に係るゲームプログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、ゲームプログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、ゲームプログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0114】
本実施形態に係るゲームプログラムは、CPU等に働きかけて、ゲームプログラムを、図1図4にかけて説明した睡眠測定部11、出力部100、入力部102、入力面104、入力制御部106、入力取得部200、出力制御部202、睡眠情報取得部204、アイテム付与部206、パラメータ生成部208、特典付与部210、アラーム部212、ゲーム制御部214、格納ユニット216、ユーザ情報格納部218、及びゲーム情報格納部220として機能させる。
【0115】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠に基づいて生成される睡眠パラメータをユーザに対応付けて貯めておくことができ、制限アイテムを所持していなくても、睡眠パラメータを消費して制限アイテムを所持している場合と同等の特典をユーザは取得できる。これにより、ゲームシステム1においては、制限アイテムを所持するために睡眠時間を削ってゲームプレイすることを要さないので、ユーザの入眠を妨げずにゲームプレイを促すこと、及び適切な睡眠を取る習慣をユーザに促すことができる。
【0116】
ゲームシステム1は、上記の通りユーザが睡眠することによりユーザに睡眠パラメータを付与し、睡眠パラメータと引き換えに所定の特典をユーザに所持させることができる。これにより、ゲームシステム1においては、睡眠しようとする動機づけをユーザに与えることができ、また、少なくとも睡眠しようとする動機づけを妨げることがない。
【0117】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0118】
1 ゲームシステム
10 端末装置
11 睡眠測定部
20 サーバ
80 通信ネットワーク
100 出力部
102 入力部
104 入力面
106 入力制御部
200 入力取得部
202 出力制御部
204 睡眠情報取得部
206 アイテム付与部
208 パラメータ生成部
210 特典付与部
212 アラーム部
214 ゲーム制御部
216 格納ユニット
218 ユーザ情報格納部
220 ゲーム情報格納部
図1
図2
図3
図4
図5