(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2023200901
(22)【出願日】2023-11-28
【審査請求日】2023-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】盛岡 実
(72)【発明者】
【氏名】後藤 慶次
(72)【発明者】
【氏名】山上 大智
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-240219(JP,A)
【文献】特開2023-087042(JP,A)
【文献】特開2003-256511(JP,A)
【文献】特開2017-165510(JP,A)
【文献】特開2014-160474(JP,A)
【文献】特開2018-200588(JP,A)
【文献】特開2023-147749(JP,A)
【文献】特開2019-067247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成され、
第1の取得ステップでは、第1のユーザが所望する、水の量と配送先と
水を撒く要求とを含むリクエスト情報を取得し、
特定ステップでは、前記リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、前記リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができ
且つ水を撒く機能を備える車両を特定し、
第1の送信ステップでは、前記リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信し、ここで、前記タスクは、前記第2のユーザが前記車両を使用して実行するものである、システム。
【請求項2】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成され、
第1の取得ステップでは、第1のユーザが所望する、水の量と配送先と
水に混合する物質の情報とを含むリクエスト情報を取得し、
特定ステップでは、前記リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、前記リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができ
且つ水と前記物質とを混合する機能を備える車両を特定し、
第1の送信ステップでは、前記リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信し、ここで、前記タスクは、前記第2のユーザが前記車両を使用して実行するものである、システム。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記車両データベースは、前記車両が運搬可能な容量の情報を含み、
前記特定ステップでは、前記水の量を運搬可能な、一つ又は複数の前記車両の組み合わせを特定する、システム。
【請求項4】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の取得ステップでは、配送希望時間を含む前記リクエスト情報を取得し、
前記特定ステップでは、前記配送希望時間に基づいて前記車両を特定する、システム。
【請求項5】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、提示ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記リクエスト情報に応じた利用料を提示する、システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記車両データベースは、前記車両の空き状況に関する情報を備え、
前記利用料は、前記空き状況に応じて変動する、システム。
【請求項7】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記車両データベースは、前記車両の空き状況に関する情報を備え、
さらに、付与ステップでは、前記空き状況に応じて前記第1のユーザに特典を付与する、システム。
【請求項8】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、第2の取得ステップでは、前記第2のユーザから前記車両に関する情報を取得し、
さらに、第1の更新ステップでは、取得した情報に基づき前記車両データベースを更新する、システム。
【請求項9】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記車両データベースは、前記第2のユーザが過去に実行した前記タスクの実績の情報を含み、
前記特定ステップでは、前記実績の情報に基づき、前記車両と前記第2のユーザとの組み合わせを特定する、システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の送信ステップでは、前記実績の情報に応じた前記第2のユーザへの支払額を含む前記依頼情報を送信する、システム。
【請求項11】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記車両データベースは、前記第2のユーザが抱える前記タスクの量の情報を含み、
前記特定ステップでは、前記タスクの量の情報に基づき、前記車両と前記第2のユーザとの組み合わせを特定する、システム。
【請求項12】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、第3の取得ステップでは、前記第2のユーザから前記タスクの実行状況に関する視覚情報を取得し、
さらに、第2の送信ステップでは、前記視覚情報を前記第1のユーザに送信する、システム。
【請求項13】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、受付ステップでは、前記第2のユーザが前記タスクを実行した場合、前記第1のユーザから前記第2のユーザの評価を受け付け、
さらに、第2の更新ステップでは、前記評価に基づき、前記車両データベースを更新する、システム。
【請求項14】
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記リクエスト情報は、作業内容を含み、
さらに、表示制御ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記作業内容の選択肢を表示させ、
前記第1の取得ステップでは、前記第1のユーザが選択した前記選択肢を取得する、システム。
【請求項15】
情報処理プログラムであって、
コンピュータに、請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【請求項16】
情報処理方法であって、
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理システムが実行する各ステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自家用車を他のユーザと共有しようとする車提供者端末とこの車に同乗しようとするユーザ端末を仲介してユーザが一緒に退勤できるようにすることにより、交通渋滞を緩和させ、車の維持費用を減少させる、車共有ユーザ仲介方法及びシステムが記載されている。コンピュータによって実行される車共有ユーザ仲介方法であって、所定の時間帯に車を他のユーザと共有しようとする車提供者端末及びユーザ端末それぞれから出発地情報、到着地情報、時間情報、設定情報及び条件情報の入力を受け、前記入力をした端末の識別子情報とマッチングして登録し、前記車提供者端末及び前記ユーザ端末から仲介要請を受信し、前記仲介要請を送信した車提供者端末及びユーザ端末を対象に、前記出発地情報、前記到着地情報、前記時間情報及び前記条件情報に基づいてマッチングする少なくとも1つのユーザ端末と少なくとも1つの車提供者端末を決定し、前記ユーザ端末とのマッチングが決定された車提供者端末に前記ユーザ端末の関連情報を提供し、前記ユーザ端末に前記決定された車提供者端末の関連情報を提供することを含む方法が提供されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
農業や建設、土木等において、水の運搬を求める場合がある。一方、水を運搬可能な車両は限られている。水を運搬可能な車両が空いている場合もあるが、必要な人が空いている車両を探してその運転手に依頼することが難しい場合がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、より有益な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、第1のユーザが所望する、水の量と配送先とを含むリクエスト情報を取得する。特定ステップでは、リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができる車両を特定する。第1の送信ステップでは、リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信する。タスクは、第2のユーザが車両を使用して実行するものである。
【0007】
本発明の一つによれば、より有益な情報処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3(ユーザ端末4)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図5】情報処理システム1によるビジネスモデルの概要を説明するための概要
図5である。
【
図6】ユーザ端末3の表示部34に表示されるリクエスト情報入力画面6の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、サーバ2とユーザ端末3とユーザ端末4とを備える。サーバ2とユーザ端末3とユーザ端末4とは、電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ2単体であっても、あるいはサーバ2とユーザ端末3とユーザ端末4とのうち少なくとも2つの組合せであっても、情報処理システム1に含まれることに留意されたい。より詳細には、情報処理システム1は、サーバ2とユーザ端末3とユーザ端末4とからなる群より選択される要素を備えていてもよい。選択されない要素は、情報処理システム1に含まれずとも、外部の要素として、選択された要素と電気的に接続されていてもよい。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<サーバ2>
図2は、サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素がサーバ2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行されるサーバ2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行されるサーバ2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、サーバ2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能に係る各ステップが実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末3、ユーザ端末4>
図3は、ユーザ端末3(ユーザ端末4)のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、サーバ2における各部の説明と同様のため省略する。ユーザ端末4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44と、入力部45とを備え、これらの構成要素がユーザ端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。各部の説明は、サーバ2及びユーザ端末3における各部の説明と同様のため省略する。
【0020】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0021】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.サーバ2の機能構成
制御部23は、取得ステップと、特定ステップと、送信ステップと、提示ステップと、付与ステップと、更新ステップと、受付ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成される。提示ステップと付与ステップと更新ステップと受付ステップと表示制御ステップとは、省略してもよい。
【0023】
取得ステップは、ユーザ端末3又はユーザ端末4から情報を取得するステップである。例えば、第1の取得ステップは、ユーザ端末3の表示部34を介して、第1のユーザからリクエスト情報を取得するステップである。第2の取得ステップは、ユーザ端末4の表示部44を介して第2のユーザから車両に関する情報を取得するステップである。第3の取得ステップは、ユーザ端末4の表示部44を介して第2のユーザからタスクの実行状況に関する視覚情報を取得するステップである。詳細は後述する。
【0024】
特定ステップは、リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができる車両を特定するステップである。特定ステップは、配送希望時間や作業内容、第2のユーザの実績等を加味して車両を特定するステップであってもよい。また、特定ステップは、一つ又は複数の車両の組み合わせを特定するステップであってもよい。詳細は後述する。
【0025】
送信ステップは、ユーザ端末3又はユーザ端末4に対し、情報を送信するステップである。第1の送信ステップは、リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信するステップである。第1の送信ステップは、実績の情報に応じた第2のユーザへの支払額を含む依頼情報を送信するステップであってもよい。第2の送信ステップは、視覚情報を第1のユーザに送信するステップである。詳細は後述する。
【0026】
提示ステップは、ユーザ端末3又はユーザ端末4に対し、情報を提示するステップである。例えば、提示ステップは、第1のユーザに対し、リクエスト情報に応じた利用料を提示するステップである。詳細は後述する。
【0027】
付与ステップは、空き状況に応じて、第1のユーザに対し特典を付与するステップである。詳細は後述する。
【0028】
更新ステップは、車両データベースを更新するステップである。第1の更新ステップは、第2のユーザから取得した情報に基づき車両データベースを更新するステップである。第2の更新ステップは、第1のユーザから取得した評価に基づき、車両データベースを更新するステップである。詳細は後述する。
【0029】
受付ステップは、ユーザ端末3から第2のユーザに対する評価を受け付けるステップである。詳細は後述する。
【0030】
表示制御ステップは、ユーザ端末3の表示部34にリクエスト情報入力画面を表示させるステップである。表示制御ステップは、リクエスト情報入力画面に作業内容の選択肢を表示させるステップであってもよい。具体的には、制御部23は、表示制御ステップとして、画面、静止画又は動画を含む画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末3の表示部34に表示させるように制御する。表示制御ステップでは、ユーザ端末3の表示部34に視覚情報を表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。詳細は後述する。
【0031】
3.情報処理の流れ
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、情報処理システムが実行する各ステップを含む。本実施形態の情報処理プログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0032】
3.1 情報処理の概要
情報処理システム1は、水の運搬を希望する第1のユーザの一例であるユーザXと、水を運搬する役務を提供可能なユーザYとをマッチングするシステムである。水の運搬が可能な車両としては、散水車、タンカー、汲み上げ車、バックホーローダー、散水トラクター、アジテータ車、ミキサー車等がある。何れも水の運搬は可能であるが、それぞれの主要な用途にあわせた業界で使用されているにすぎない。現状、農業、工業、建設現場等の業種横断で水を運搬するニーズと水を運搬可能な車両をマッチングする仕組みはない。また、水の運搬を希望するユーザXが、自力で水を運搬可能なユーザYを探すのは、困難な場合もあるが、このようなマッチングサービスがあれば、容易に水を運搬可能なユーザを見つけることができる。また、ユーザYの中には、仕事の空き時間に副業をしたい、仕事量を増やしたいというニーズもある。このようなマッチングサービスがあれば、ユーザYが、例えば、午前に建設現場用途で水の運搬した後に、午後にイベント会場で土ほこり対策や熱中症予防のために散水するといったことが可能となる。また、このようなマッチングサービスがあれば、労働者の一時的な休みの場合に、法人が使用することもできる。
【0033】
図4は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。
【0034】
まず、サーバ2の制御部23は、ユーザ端末4の表示部44に、ユーザYが視認可能な態様でユーザ情報の登録画面を表示させる。ユーザYは、登録画面を介して、ユーザ情報を登録する。ユーザYは、個人でもよいし法人でもよい。ユーザYが個人の場合、ユーザ情報は、例えば、氏名、住所、メールアドレス、電話番号、ウォレット情報等である。また、ユーザYが法人の場合、ユーザ情報は、例えば、法人名、法人の住所、電話番号、担当者名、担当者のメールアドレス等である。ユーザYが法人の場合、ユーザYは当該法人の従業員であればよく、例えば、法人に所属する第1の従業員が依頼情報を受信し、実際に車両を使用してタスクを実行するのは、法人に所属する、第1の従業員とは異なる第2の従業員であってもよい。制御部23は、ユーザ情報の登録を受け付けると、ユーザYに対して、ユーザアカウントを発行する(アクティビティA101)。
【0035】
次に、制御部23は、ユーザ端末4の表示部44に車両情報の登録画面を表示させる。ユーザYは、表示部44に表示された画面を介して、車両情報を入力する。制御部43は、車両情報の登録画面を介して車両情報の入力を受け付ける(アクティビティA102)。ユーザYは、車両情報として、所有している車両の基本情報、運搬可能な水の容量、空き状況、住所、水まき可否、物質の混合可否等の情報を入力する。ユーザYは、空き状況として、ユーザYが車両を用いてサービスを提供することが可能な日程を入力してもよい。
【0036】
次に、制御部23は、第2の取得ステップとして、ユーザ端末4の表示部44に表示された車両情報の登録画面を介して、ユーザY(第2のユーザ)から車両に関する情報を取得する(アクティビティA103)。
【0037】
次に、制御部23は、第1の更新ステップとして、ユーザYから取得した情報に基づき車両データベースを更新する(アクティビティA104)。車両データベースには、ユーザYのユーザ情報と、ユーザYが所有する車両情報と、車両の空き状況と、ユーザYの実績や評価等が登録されていてもよい。車両情報としては、車両が運搬可能な容量の情報や水まきの可否や物質の混合可否等を含む。車両の空き状況は、車両自体の空き状況とともにユーザYの空き状況を含む。このような態様により、制御部23は、ユーザY(第2のユーザ)から車両に関する情報を取得し、車両データベースを更新することができる。
【0038】
情報処理システム1は、サービスの提供を希望するユーザYとサービスの利用を希望するユーザXとのマッチングを行うシステムである。そこで、サーバ2の制御部23は、ユーザ端末3の表示部34に、ユーザXが視認可能な態様でユーザ情報の登録画面を表示させる。ユーザXは、表示部34に表示されたユーザ情報の登録画面を介して、ユーザ情報を登録する。ユーザ情報は、例えば、氏名、住所、メールアドレス、電話番号、ウォレット情報等である。ユーザXが情報処理システム1にログインすると、次に、制御部23は、ユーザXのユーザ端末3の表示部34にリクエスト情報の入力画面を表示させる(アクティビティA105)。
【0039】
次に、制御部33は、ユーザXから、表示部34に表示されたリクエスト情報入力画面を介して、リクエスト情報の入力を受け付ける(アクティビティA106)。リクエスト情報は、例えば、ユーザXがユーザYに依頼したいタスクのリクエスト情報である。リクエスト情報は、運搬してほしい水の量と配送先とを含んでもよいし、配送希望時間を含んでもよいし、作業内容等を含んでもよい。作業内容は、例えば、水を撒くことや水に物質を混合すること等であってもよい。リクエスト情報の詳細は、後述する。
【0040】
次に、制御部23は、制御部33からリクエスト情報を取得する(アクティビティA107)。
【0041】
次に、制御部23は、ユーザXのリクエスト情報に一致する車両を特定する(アクティビティA108)。具体的には、制御部23は、取得したリクエスト情報と、車両データベースとを突合し、リクエスト情報と一致する車両情報を特定する。
【0042】
次に、制御部23は、特定された車両情報をユーザXに提示する。ここで、制御部23は、ユーザXに対し、特定された車両情報とともに利用料を提示してもよい(アクティビティA109)。利用料は、所定のルールに基づき特定されてもよい。所定のルールは、運搬距離や特定された車両等に応じて特定するルールであってもよい。
【0043】
次に、制御部33は、制御部23に対し、利用料の承諾を送信する(アクティビティA110)。制御部23は、制御部33から利用料の承諾を受け付けると、次に、制御部23は、ユーザYに対し、依頼情報を送信する(アクティビティA111)。
【0044】
ユーザYは、依頼情報を受信すると、依頼情報を確認し、問題なければ、制御部23に対し、依頼の受諾を送信する(アクティビティA112)。
【0045】
ユーザYから依頼の受諾を受信すると、次に、制御部23は、契約が成立したことをユーザXに対し送信する(アクティビティA113)。制御部23は、契約が成立したことの連絡とともに、依頼内容の詳細について確認を送信してもよい。制御部23は、依頼内容の詳細に関して、ユーザXとユーザYの間で確認事項があれば仲介してもよい。
【0046】
次に、ユーザYが決定した依頼内容(タスク)を実行する。ユーザYは、ユーザ端末4により、依頼を実行したことを示す記録を撮影する(アクティビティA114)。実行記録は、静止画像でもよいし、動画でもよい。
【0047】
次に、制御部43は、制御部23に対し、実行報告を送信する(アクティビティA115)。実行報告には、撮影した実行記録を含んでもよい。換言すると、制御部23は、第3の取得ステップとして、ユーザY(第2のユーザ)からタスクの実行状況に関する実行記録(視覚情報)を取得してもよい。制御部23は、実行報告を取得すると、第2の送信ステップとして、視覚情報をユーザX(第1のユーザ)に送信してもよい。このような態様により、ユーザXはユーザYのタスクの実行記録を画像、動画等により確認することができる。
【0048】
次に、制御部33は、実行報告を受け付ける(アクティビティA116)。ユーザXは、実行報告を受け取ると、ユーザYの行ったタスクに対する評価を送信する。
【0049】
次に、制御部23は、ユーザXが行った評価を受け付ける(アクティビティA117)。制御部23は、受付ステップとして、ユーザY(第2のユーザ)がタスクを実行した場合、ユーザX(第1のユーザ)から第2のユーザの評価を受け付ける。
【0050】
次に、制御部23は、実行報告に基づいて、車両DBを更新する(アクティビティA118)。具体的には、制御部23は、ユーザYの実績を車両DBに登録してもよいし、制御部23は、受け付けた評価をユーザYの評価として車両DBに登録してもよい。すなわち、制御部23は、第2の更新ステップでは、評価に基づき、車両データベースを更新してもよい。このような態様により、ユーザX(第1のユーザ)からユーザY(第2のユーザ)の評価を受け付け、車両データベースを更新することができる。
【0051】
以上をまとめると、情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、ユーザX(第1のユーザ)が所望する、水の量と配送先とを含むリクエスト情報を取得する。特定ステップでは、リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができる車両を特定する。制御部23は、第1の送信ステップとして、リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報をユーザY(第2のユーザ)に送信する。タスクは、ユーザY(第2のユーザ)が車両を使用して実行するものである。
【0052】
このような態様により、ユーザX(第1のユーザ)から取得したリクエスト情報に応じた車両を特定し、ユーザY(第2のユーザ)に車両を使用したタスクを依頼するシステムを提供することができる。
3.2 情報処理の詳細
【0053】
図5は、情報処理システム1によるビジネスモデルの概要を説明するための概要
図5である。
図6は、ユーザ端末3の表示部34に表示されるリクエスト情報入力画面6の一例を示す図である。以下、
図5及び
図6を用いて、詳細を説明する。
【0054】
概要
図5は、情報処理システム1によるビジネスモデルの概要を説明するための図である。概要
図5は、ユーザXとサーバとユーザYとを含む。概要
図5において、サーバは、まず、ユーザYから車両情報を取得し、取得した車両情報を車両DBに登録し、ユーザXからリクエスト情報を取得し、リクエスト情報と車両DBとのマッチングを行い、ユーザYに依頼情報を送信する。依頼情報を取得したユーザYは、ユーザXに対しタスクを実行する。ユーザXは、利用料を支払い、ユーザYは、利用料を受け取る。利用料の受け渡しは、サーバを介して行う。サーバは、ユーザXから受け取った利用料の一部をシステム利用料としてもよい。また、ユーザXとユーザYとは何れも情報処理システム1のユーザであり、サーバは、ユーザに対しユーザ登録料やシステム利用料を請求してもよい。
【0055】
ユーザXは、例えば、ユーザX1、X2、X3を含む。リクエスト情報51は、ユーザX1のリクエスト情報であり、リクエスト情報52は、ユーザX2のリクエスト情報であり、リクエスト情報53は、ユーザX3のリクエスト情報である。ユーザYは、例えば、ユーザY1、Y2、Y3を含む。車両情報54は、ユーザY1の車両情報であり、車両情報55は、ユーザY2の車両情報であり、車両情報56は、ユーザY3の車両情報である。
【0056】
図6は、リクエスト情報入力画面6の一例を示す図である。リクエスト情報入力画面6は、領域61~65を含む。リクエスト情報入力画面6は、ユーザXからリクエストの入力を受け付ける画面である。領域61は、希望日時の入力を受け付ける領域である。領域62は、運搬先の住所の入力を受け付ける領域である。領域63は、運搬量の入力を受け付ける領域である。領域64は、作業内容の入力を受け付ける領域である。領域65は、リクエストの送信を受け付ける領域である。領域61~領域64は、テキストで数字の入力を受け付けてもよいし、選択肢を選択させてもよい。選択肢は、地図やカレンダーにより提示しても良いし、ドラムロール式等により提示してもよい。また、選択肢は、領域64のように、複数のボタンを設けてもよい。ユーザXは、領域61~64に入力した上で、領域65を押下することにより、リクエスト情報を送信することができる。
【0057】
ここで、リクエスト情報入力画面6は、ユーザX1のリクエスト情報51に沿って記入されている。すなわち、「A県B市まで12月3日の10時に4トンの水を運んでほしい」というリクエスト情報51に従い、領域61には、「12月3日」と、「10:00」とが入力されている。領域62には、「A県B市」と入力され、領域63には、「4トン」が入力されている。領域64には、「運搬のみ」が選択されている。ユーザXが、領域65を押下すると、制御部23は、リクエスト情報51を取得する(アクティビティA107)。次に、制御部23は、リクエスト情報51と車両DBとを突合する(アクティビティA108)。例えば、リクエスト情報51を満たす車両情報として、車両情報54及び車両情報55が特定される。
【0058】
なお、リクエスト情報51は、希望日時と運搬先の情報を含み、車両DBは、空き状況やユーザYの住所の情報を含むため、制御部23は、希望日時と運搬先の情報を加味してタスクを実行可能な車両を特定する。換言すると、制御部23は、第1の取得ステップとして、配送希望時間を含むリクエスト情報を取得する。制御部23は、特定ステップとして、配送希望時間に基づいて車両を特定する。このような態様により、制御部23は、ユーザX(第1のユーザ)のリクエスト情報に含まれる配送希望時間に応じた車両を特定し、ユーザY(第2のユーザ)にタスクを依頼するシステムを提供することができる。
【0059】
次に、制御部23は、特定された車両情報をユーザXに提示する。ここで、複数の車両情報を特定した場合には、制御部23は、複数の車両情報を提示してもよいし、より条件に合う車両情報を提示してもよい。例えば、制御部23は、車両情報54と車両情報55とでは、車両情報54のほうがリクエスト情報との一致度が高いことを根拠に車両情報54のみをユーザXに提示してもよい。
【0060】
次に、制御部23は、提示ステップとして、ユーザX(第1のユーザ)に対し、リクエスト情報に応じた利用料を提示する。制御部23は、ユーザXに対し、特定された車両情報とともに利用料を提示してもよい(アクティビティA109)。制御部23は、特定された車両情報によって、利用料を変動させてもよい。例えば、制御部23は、4トンの水を運搬のみ可能な車両情報54と比べて、6トンの水を運搬可能で水まきも可能な車両情報55の場合の利用料を高くしてもよい。また、利用料は、ユーザYの住所と運搬先との距離に応じて変動してもよい。このような態様により、ユーザX(第1のユーザ)のリクエスト情報に応じた利用料を提示することができる。
【0061】
また、制御部23は、ユーザYのこれまでの実績に応じて利用料を変動させてもよい。制御部23は、第1の送信ステップとして、実績の情報に応じた第2のユーザへの支払額を含む依頼情報を送信してもよい。このような態様により、第2のユーザに対し、実績に応じた支払額を含む依頼情報を送信することができる。
【0062】
さらに、利用料は、空き状況に応じて変動してもよい。例えば、繁忙期でユーザXに対して空いているユーザYが少ない場合に、制御部23は、利用料を高く設定してもよい。また、逆に、空いているユーザYに対して、ユーザXが少ない場合に、制御部23は利用料を安く設定してもよい。空き状況に応じて利用料を変動させることにより、仕事が集中しているときの仕事を減らし、仕事が少ないときの仕事を増加させることが期待できる。
【0063】
さらに、制御部23は、付与ステップとして、空き状況に応じてユーザX(第1のユーザ)に特典を付与してもよい。具体的には、制御部23は、車両の空き状況で、空いているユーザYが多い場合には、ユーザXに対し、特典を付与してもよい、制御部23は、特典として、例えば、割引クーポンやマイルやポイント等を付与してもよい。特典を付与することによって、ユーザXの利用を喚起することができる。
【0064】
また、概要
図5において、ユーザX2のリクエスト情報52は、「A県C市まで12月10日に10トン運んで散水してほしい」というものである。リクエスト情報は、作業内容を含んでもよい。また、制御部23は、ユーザXからこのようなリクエストの入力を受け付けるために、制御部23は、表示制御ステップとして、ユーザX(第1のユーザ)に対し、作業内容の選択肢を表示させてもよい。制御部23は、ユーザXの表示部34に表示させるリクエスト情報入力画面6において、作業内容の入力を受け付ける領域である領域64を設けてもよい。領域64は、作業内容として「運搬のみ」、「運搬+水散布」、「運搬+物質混合+散布」の選択肢を設けている。ユーザX2が、散水を希望する場合、「運搬+水散布」を選択する。次に、制御部23は、第1の取得ステップとして、第1のユーザが選択した選択肢を取得する。このような態様により、制御部23は、ユーザX(第1のユーザ)からユーザXが所望する作業内容を取得することができる。作業内容の選択肢は、これに限られない。
【0065】
制御部23は、第1の取得ステップとして、水を撒く要求を含むリクエスト情報を取得してもよく、特定ステップとして、水を撒く機能を備える車両を特定してもよい。このような態様により、ユーザX(第1のユーザ)のリクエスト情報52に水を撒く要求が含まれる場合、水を撒く機能を備える車両を特定することができる。
【0066】
なお、リクエスト情報52において、ユーザX2が運搬を希望する水の容量は10トンである。概要
図5の例によれば、ユーザY1、ユーザY2、ユーザY3ともにこの条件を満たすことはできない。しかしながら、ユーザY1とユーザY2の2台を組み合わせると、10トンの水の運搬が可能である。また、ユーザY1単独では散水を行うことができないが、散水可能なユーザY2と組み合わせれば、散水可能である。すなわち、制御部23は、特定ステップとして、水の量を運搬可能な、一つ又は複数の車両の組み合わせを特定してもよい。このような態様により、第1のユーザから取得した水の量のリクエスト情報に応じた一つ又は複数の車両を特定することができる。
【0067】
概要
図5において、ユーザX3のリクエスト情報53は、「D県E市で1トン除草剤を撒いてほしい」というものである。このような場合、ユーザX3は、リクエスト情報入力画面6の領域64において、「運搬+物質混合+散布」を選択する。なお、領域64に記載された選択肢はあくまでも選択肢の一例である。例えば、制御部23は、領域64に「運搬+農薬散布」、「運搬+肥料散布」、「運搬+凍結抑制剤散布」のように物質の種類毎の選択肢を設けてもよい。また、制御部23は、「運搬+物質混合+散布」が選択された場合に、物質の種類や混合量等の情報を受け付けてもよい。制御部23は、第1の取得ステップとして、水に混合する物質の情報を含むリクエスト情報を取得してもよい。制御部23は、特定ステップとして、水と物質とを混合する機能を備える車両を特定する。制御部23は、リクエスト情報を満たす車両情報として、「1トン、水まき可能、混合可能」であることが登録されている、車両情報56を特定する。このような態様により、ユーザX(第1のユーザ)のリクエスト情報に水に混合する物質の情報が含まれる場合、水と物質を混合する機能(ミキサー等)を備える車両を特定することができる。
【0068】
混合する物質は、例えば、農薬や肥料、除草剤、凍結防止剤等であってもよい。混合する物質は、車両DBに登録された車両により対応できる物質であればよい。車両DBにコンクリート用のミキサー車の登録があれば、混合する物質はセメントや骨材であってもよい。混合する物質の種類や混合割合、混合方法により実行可能な車両が異なる場合があるので、制御部23は、リクエスト情報入力画面6による作業内容の情報を取得した後、さらに、物質の種類や混合割合、散布方法等の詳細情報を取得してもよい。このような態様により、リクエスト情報に適した車両を特定することができる。
【0069】
3.3 変形例
さらに、以下のような態様を採用してもよい。
【0070】
車両データベースは、ユーザY(第2のユーザ)が過去に実行したタスクの実績の情報を含んでもよい。制御部23は、特定ステップとして、実績の情報に基づき、車両と第2のユーザとの組み合わせを特定してもよい。このような態様により、制御部23は、過去の実績が豊富なユーザYに依頼したいというユーザXのニーズに応えることができる。
【0071】
制御部23は、第1の送信ステップとして、ユーザYの実績の情報に応じてユーザY(第2のユーザ)への支払額を含む依頼情報を送信してもよい。例えば、制御部23は、過去の実績が豊富なユーザYに対し、支払額を高くしてもよい。このような態様により、ユーザY(第2のユーザ)は、実績に応じた支払額を含む依頼情報を受け取ることができる。
【0072】
また、車両データベースは、ユーザY(第2のユーザ)が抱えるタスクの量の情報を含んでもよい。制御部23は、ユーザYが抱えるタスクの量が多すぎることがないように、ユーザYの抱えるタスクの量を管理してもよい。制御部23は、特定ステップとして、タスクの量の情報に基づき、車両とユーザY(第2のユーザ)との組み合わせを特定してもよい。このような態様により、制御部23は、ユーザY(第2のユーザ)のタスクの量が過大にならないように管理することができる。
【0073】
上記実施形態では、制御部23は、車両の空き状況に応じて、特典を付与したが、制御部23は、ユーザXの利用状況に応じて、特典を付与してもよい。例えば、制御部23は、サービスを繰り返し利用するユーザXに対し、特典を付与してもよい。
【0074】
上記実施形態では、リクエスト情報入力画面6の領域61には「12月3日」と「10:00」とが入力され、リクエスト情報として具体的な希望日時を取得したが、制御部23は、希望日時について、「いつでもよい」という選択肢を表示させてもよい。車両の空き状況に合わせて、ユーザXの予定を調整できる場合もあるためである。また、制御部23は、希望日時について、「○月○日まで」又は「○月○日から○月○日まで」のような期間の指定を受け付けてもよい。このような希望日時の設定は、ユーザYのタスクの荷重を調整できるというメリットがある。制御部23は、ユーザXが希望日時を指定しない場合には、ユーザXに特典を付与してもよい。
【0075】
また、制御部23は、第1の取得ステップとして、ユーザXが希望する車両の種類を取得してもよいし、車両が備える機能の指定を取得してもよい。希望する作業内容によっては、車両の種類や車両が備える機能を指定したほうが確実な場合があるためである。
【0076】
また、制御部23は、第1の取得ステップとして、ユーザYに関する条件の選択を取得してもよい。ユーザYに関する条件とは、例えばこれまで実行したタスクの内容や実績、評価等である。このような態様により、特定のタスクについて実績のあるユーザYを選択したい、評価の高いユーザYを選択したいというユーザXのニーズを満たすことができる。
【0077】
上記情報処理の態様はあくまで一例である。本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0078】
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、サーバ2は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、全ての処理がサーバ2で行われてもよいし、全ての処理がユーザ端末3で行われてもよい。ユーザ端末3にアプリケーションをインストールし、ユーザ端末3とサーバ2とが連携して上記したような処理を実行するようにしてもよい。
【0079】
サーバ2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0080】
上記実施形態では、サーバ2が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0081】
図1には、不図示の管理者端末により、利用料やサービス料の管理や、システムの管理を行ってもよい。
【0082】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0083】
(1)情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成され、第1の取得ステップでは、第1のユーザが所望する、水の量と配送先とを含むリクエスト情報を取得し、特定ステップでは、前記リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、前記リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができる車両を特定し、第1の送信ステップでは、前記リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信し、ここで、前記タスクは、前記第2のユーザが前記車両を使用して実行するものである、システム。
【0084】
このような態様により、第1のユーザから取得したリクエスト情報に応じた車両を特定し、第2のユーザに車両を使用したタスクを依頼するシステムを提供することができる。
【0085】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記車両データベースは、前記車両が運搬可能な容量の情報を含み、前記特定ステップでは、前記水の量を運搬可能な、一つ又は複数の前記車両の組み合わせを特定する、システム。
【0086】
このような態様により、第1のユーザから取得した水の量のリクエスト情報に応じた一つ又は複数の車両を特定することができる。
【0087】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1の取得ステップでは、配送希望時間を含む前記リクエスト情報を取得し、前記特定ステップでは、前記配送希望時間に基づいて前記車両を特定する、システム。
【0088】
このような態様により、第1のユーザのリクエスト情報に含まれる配送希望時間に応じた車両を特定し、車両を運転する第2のユーザにタスクを依頼するシステムを提供することができる。
【0089】
(4)上記(1)から(3)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第1の取得ステップでは、水を撒く要求を含む前記リクエスト情報を取得し、前記特定ステップでは、水を撒く機能を備える前記車両を特定する、システム。
【0090】
このような態様により、第1のユーザのリクエスト情報に水を撒く要求が含まれる場合、水を撒く機能を備える車両を特定することができる。
【0091】
(5)上記(1)から(4)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第1の取得ステップでは、水に混合する物質の情報を含む前記リクエスト情報を取得し、前記特定ステップでは、水と前記物質とを混合する機能を備える前記車両を特定する、システム。
【0092】
このような態様により、第1のユーザのリクエスト情報に水に混合する物質の情報が含まれる場合、水と物質を混合する機能(ミキサー等)を備える車両を特定することができる。
【0093】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、さらに、提示ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記リクエスト情報に応じた利用料を提示する、システム。
【0094】
このような態様により、第1のユーザのリクエスト情報に応じた利用料を提示することができる。
【0095】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記車両データベースは、前記車両の空き状況に関する情報を備え、前記利用料は、前記空き状況に応じて変動する、システム。
【0096】
このような態様により、空き状況に応じて変動させた利用料を提示することができる。
【0097】
(8)上記(1)から(7)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記車両データベースは、前記車両の空き状況に関する情報を備え、さらに、付与ステップでは、前記空き状況に応じて前記第1のユーザに特典を付与する、システム。
【0098】
このような態様により、空き状況に応じて第1のユーザに特典を付与することができる。
【0099】
(9)上記(1)から(8)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、さらに、第2の取得ステップでは、前記第2のユーザから前記車両に関する情報を取得し、さらに、第1の更新ステップでは、取得した情報に基づき前記車両データベースを更新する、システム。
【0100】
このような態様により、第2のユーザから車両に関する情報を取得し、車両データベースを更新することができる。
【0101】
(10)上記(1)から(9)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記車両データベースは、前記第2のユーザが過去に実行した前記タスクの実績の情報を含み、前記特定ステップでは、前記実績の情報に基づき、前記車両と前記第2のユーザとの組み合わせを特定する、システム。
【0102】
このような態様により、第2のユーザのタスクの実績に基づき、車両を特定することができる。
【0103】
(11)上記(10)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1の送信ステップでは、前記実績の情報に応じた前記第2のユーザへの支払額を含む前記依頼情報を送信する、システム。
【0104】
このような態様により、第2のユーザに対し、実績に応じた支払額を含む依頼情報を送信することができる。
【0105】
(12)上記(1)から(11)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記車両データベースは、前記第2のユーザが抱える前記タスクの量の情報を含み、前記特定ステップでは、前記タスクの量の情報に基づき、前記車両と前記第2のユーザとの組み合わせを特定する、システム。
【0106】
このような態様により、第2のユーザのタスクの量が過大にならないように管理することができる。
【0107】
(13)上記(1)から(12)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、さらに、第3の取得ステップでは、前記第2のユーザから前記タスクの実行状況に関する視覚情報を取得し、さらに、第2の送信ステップでは、前記視覚情報を前記第1のユーザに送信する、システム。
【0108】
このような態様により、第1のユーザは第2のユーザがタスクを実行する状況を画像、動画等により確認することができる。
【0109】
(14)上記(1)から(13)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、さらに、受付ステップでは、前記第2のユーザが前記タスクを実行した場合、前記第1のユーザから前記第2のユーザの評価を受け付け、さらに、第2の更新ステップでは、前記評価に基づき、前記車両データベースを更新する、システム。
【0110】
このような態様により、第1のユーザから第2のユーザの評価を受け付け、車両データベースを更新することができる。
【0111】
(15)上記(1)から(14)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記リクエスト情報は、作業内容を含み、さらに、表示制御ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記作業内容の選択肢を表示させ、前記第1の取得ステップでは、前記第1のユーザが選択した前記選択肢を取得する、システム。
【0112】
このような態様により、第1のユーザから所望する作業内容を取得することができる。
【0113】
(16)情報処理プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(15)までの何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【0114】
このような態様により、第1のユーザから取得したリクエスト情報に応じた車両を特定し、第2のユーザに車両を使用したタスクを依頼するシステムを提供することができる。
【0115】
(17)情報処理方法であって、上記(1)から(15)までの何れか1つに記載の情報処理システムが実行する各ステップを含む、方法。
【0116】
このような態様により、第1のユーザから取得したリクエスト情報に応じた車両を特定し、第2のユーザに車両を使用したタスクを依頼するシステムを提供することができる。
もちろん、この限りではない。
【0117】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 :情報処理システム
2 :サーバ
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
4 :ユーザ端末
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :制御部
44 :表示部
45 :入力部
5 :概要図
51 :リクエスト情報
52 :リクエスト情報
53 :リクエスト情報
54 :車両情報
55 :車両情報
56 :車両情報
6 :リクエスト情報入力画面
61 :領域
62 :領域
63 :領域
64 :領域
65 :領域
X :ユーザ
X1 :ユーザ
X2 :ユーザ
X3 :ユーザ
Y :ユーザ
Y1 :ユーザ
Y2 :ユーザ
Y3 :ユーザ
【要約】
【課題】より有益な情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、第1のユーザが所望する、水の量と配送先とを含むリクエスト情報を取得する。特定ステップでは、リクエスト情報と車両データベースとに基づいて、リクエスト情報を満たす量の水を運ぶことができる車両を特定する。第1の送信ステップでは、リクエスト情報に沿ったタスクを依頼するための依頼情報を第2のユーザに送信する。タスクは、第2のユーザが車両を使用して実行するものである。
【選択図】
図1