(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】保管時に嵩張りにくいマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 A
(21)【出願番号】P 2022163106
(22)【出願日】2022-10-11
【審査請求日】2023-03-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月7日に動画ウェブサイト(https://youtu.be/EPHDHdqETyY)にて公開 令和3年10月8日に一般社団法人発明学会が主催する第25回身近なヒント発明展にて展示 令和3年10月16日に一般社団法人発明学会が主催する東京発明学校にて発表 令和4年1月1日に株式会社日刊工業新聞社が刊行するプレス技術2022年1月号,第101頁に掲載 令和4年3月10日にミツワ株式会社宛に試作品を郵送にて送付
(73)【特許権者】
【識別番号】716002895
【氏名又は名称】原田 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田昭彦
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-023563(JP,A)
【文献】特開2012-217651(JP,A)
【文献】実開昭51-040193(JP,U)
【文献】特開2021-102829(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03109063(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻孔および口を覆うマスクであって、複数のシート材を積層し、積層した前記シート材のうち、着用者側のシート材1枚を装着シート部とし、該装着シート部以外をフィルターシート部とし、前記装着シート部の左右両端と前記フィルターシート部の左右両端とをそれぞれ結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって保持具を形成し
、
前記装着シート部の上端と前記フィルターシート部の上端とを結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって鼻あて拡張具を形成したことを特徴とするマスク。
【請求項2】
鼻孔および口を覆うマスクであって、複数のシート材を積層し、積層した前記シート材のうち、着用者側のシート材1枚を装着シート部とし、該装着シート部以外をフィルターシート部とし、前記装着シート部の左右両端と前記フィルターシート部の左右両端とをそれぞれ結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって保持具を形成し、
前記装着シート部の下端と前記フィルターシート部の下端とを結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって顎あて拡張具を形成したことを特徴と
するマスク。
【請求項3】
鼻孔および口を覆うマスクであって、複数のシート材を積層し、積層した前記シート材のうち、着用者側のシート材1枚を装着シート部とし、該装着シート部以外をフィルターシート部とし、前記装着シート部の左右両端と前記フィルターシート部の左右両端とをそれぞれ結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって保持具を形成し、
前記装着シート部の上端と前記フィルターシート部の上端とを結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって鼻あて拡張具を形成し、
前記装着シート部の下端と前記フィルターシート部の下端とを結合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって顎あて拡張具を形成したことを特徴とするマスク。
【請求項4】
前記保持具の内側に、切り欠きを設けることによって耳掛け部を形成したことを特徴とする請求項1~3記載のマスク。
【請求項5】
前記耳掛け部は、つづら折り状に形成したことを特徴とする請求項
4記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯や保管に便利な折り畳み式マスクが広く普及している。
【0003】
さらに、製造技術の向上により、比較的安価に製造が出来るようになった。例えば、先行技術文献1は、製造工程が簡素化され、製造コストが大幅に削減できる技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、近年、携帯や保管に便利な折り畳み式マスクは、低コストで製造可能である。しかし、いずれも、三部以上の部品を接合する必要があり、それぞれの部品の製造および部品同士の接合過程で多大なコストが発生していた。
【0006】
更に、携帯や保管の際は、凹凸ムラが原因で収納しにくいばかりでなく、複数重ね合わせると無駄な空間が発生してしまう問題点があった。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑み、より製造コストを削減できる構造および携帯や保管の際に嵩張りにくく且つマスクとしての機能を著しく損なうことがないマスクの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、鼻孔および口を覆うマスクであって、複数のシート材を積層し、積層した前記シート材のうち、着用者側のシート材1枚を装着シート部とし、該装着シート部以外をフィルターシート部とし、前記装着シート部の左右両端と前記フィルターシート部の左右両端とをそれぞれ接合するとともに、前記装着シート部に切り欠きを設けることによって保持具を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明を用いることにより、部品点数が少なくなり、材料、製造工数および製造時に材料の不要部分が減少しやすい。
【0010】
更に、本発明のマスクは、厚さが一般的な紙のように薄く、折り畳んで包装すると外寸法が小さくなるため、例えば、財布、カードケース、名刺入れおよび携帯電話ケースの中などに常時入れておき、常に携帯しておくことによって、マスクを忘れて外出してしまった時やマスクを紛失してしまった時に重宝する。
【0011】
また、大量に保管しても嵩張りにくいため、防災用として保管するマスクとしても適している。
【0012】
請求項5においては、耳掛け部26に弾性が発生し、耳に掛けやすい、耳から外れにくい、着用者50の顔に保持しやすくなるなどの効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)~(f)は、様々なシート材の平面形の例を示す平面図である。
【
図2】断続的に接合した接合部14を示す斜視図である。
【
図4】保持具20の右側をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【
図6】保持具20に粘着部24を設けた状態を示す斜視図である。
【
図7】装着シート部12とフィルターシート部10との接合の一例を示す斜視図である。
【
図8】保持具20の右側および鼻あて拡張具30をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【
図9】装着シート部12とフィルターシート部10との接合の一例を示す斜視図である。
【
図10】保持具20の一部をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【
図11】(a)~(f)は、様々な切り欠きパターンの例を示す平面図である。
【
図12】切り欠きによって形成された耳掛け部26の一例を示す斜視図である。
【
図13】切り欠きによって形成された耳掛け部26の一例を示す斜視図である。
【
図17】耳掛け部26を設けた本発明を着用者50が着用した様子を示す側面図である。
【
図18】耳掛け部26の切り欠きの一例を示した斜視図である。
【
図19】耳掛け部26の切り欠きの一例を示した斜視図である。
【
図20】鼻あて拡張具30、顎当て拡張具40および右側の耳掛け部26を展開した状態を示す斜視図である。
【
図21】左右の保持具20を展開し、右の耳掛け部26を引き伸ばした状態を示す平面図である。
【
図22】本発明を着用者50が着用した様子を示す側面図である。
【
図23】(a)~(d)は、つづら切りを用いた切り欠きパターンの例を示す平面図である。
【
図24】本発明のマスクを横方向に三つ折りした状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のマスクについて、
図1~
図24を用いて説明する。
【0015】
尚、着用者50の上下方向を本マスクの縦方向とし、着用者50の左右方向を本マスクの横方向とする。
【0016】
積層した前記シート材のうち、着用者50側のシート材1枚を装着シート部12とし、該装着シート部12以外をフィルターシート部10とする。
【0017】
したがって、本マスクは、装着シート部12とフィルターシート部10とから構成される。
【0018】
装着シート部12は、切り欠きを設けることによって、様々な機能を有する。切欠きと機能については後述する。
【0019】
本マスクの母体は、複数のシート材を積層することにより形成される。
【0020】
シート材の材料は、不織布が好ましいが、布織物、ウレタンフォームなど、他の材料を使用してもよい。
【0021】
本マスクを省スペースで保管するために、好ましくは、できるだけ薄いシート材を使用する。
【0022】
シート材の平面は、着用者50の少なくとも鼻孔と口とを覆う大きさが必要である。
【0023】
シート材の平面形は、四角形、多角形、楕円形、両端が削ぎ落とした楕円形、楕円要素を含んだ四方形など、様々な形状があり、縦方向よりも横方向に長く、左右対称が好ましい。
【0024】
図1(a)~(f)は、様々なシート材の平面形の例を示す平面図である。
【0025】
前記複数のシート材同士は、略同形状且つ略同サイズが好ましいが、後述するシート材同士の接合に支障がなければ、形状や大きさが異なってもよい。
【0026】
フィルターシート部10は、1枚または複数のシートからなり、ろ過能力が高く且つ薄い不織布が好ましい。
【0027】
フィルターシート部10に不織布を使用する場合は、少なくとも1枚は、メルトブロー法で製造された不織布が好ましい。
【0028】
フィルターシート部10は、通気性を有しているシート材を使用することが好ましい。
【0029】
装着シート部12の左右両端とフィルターシート部10の左右両端とをそれぞれ接合する。つまり、左側は左端同士、右側は右端同士を接合する。
【0030】
接合方法は、融着、接着、圧着および縫製が適切だが、他の方法でもよい。接合方法は、請求項1~5共通である。
【0031】
接合部14は、連続的でもよいし、断続的でもよい。
図2は断続的に接合した様子を示す斜視図である。以後、図面内の接合部14は、すべて断続的な接合である。
【0032】
装着シート部12に用いる材料は、伸縮性があり、裂けにくい材料が適している。したがって、装着シート部12に不織布を使用する場合は、スパンボンド法で製造された不織布などの裂けにくい不織布が好ましい。通気性が高いと更によい。
【0033】
装着シート部12は、前述のように1枚のシート材によって構成されるが、複数枚のシート材によって構成してもよい。
【0034】
装着シート部12は
図3に示すように、横方向における中央部分に、上端から下端まで縦方向に切り欠きを設け、左右に分割することによって、左右に一対の保持具20を形成する。
【0035】
保持具20は、着用者50の顔にフィルターシート部10を保持するために必要であり、フィルターシート部10の表面から保持具20をめくりあげ、着用者50の頬に貼り付けたり、保持具20に耳掛け部26を設けた場合は、耳に掛けて使用する。
【0036】
図4は、保持具20の右側をめくりあげた状態を示す斜視図である。保持具20の使用方法は後述する。
【0037】
尚、製造時は、装着シート部12とフィルターシート部10とを接合する前に切り欠きを設けてもよいし、接合した後に切り欠きを設けてもよい。
【0038】
保持具20を形成するための縦方向の切り欠きは、連続的に切り欠いてもよいが、
図5に示すように、僅かに連結部22を残してもよい。
【0039】
前記連結部22を設けることにより、製造時、梱包時および保管時などに、保持具20の切り欠き側の一端がずれて他の部分に重ってしまうことを防止できる。特に折り畳んで包装する場合は重なりやすいので、連結部22を設ける方が好ましい。
【0040】
連結部22は、着用者50が着用前に連結部22を切り離すことにより、保持具20が左右に分かれて使用できるようになる。したがって、連結部22は、着用者50が手で容易にちぎれる範囲とするのが好ましい。
【0041】
保持具20は、前述のように、装着シート部12に切り欠きを設けることによって形成され、フィルターシート部10を着用者50の顔に保持するために必要である。
【0042】
フィルターシート部10を着用者50の顔に保持する方法として、保持具20に粘着部24を設け、顔に粘着させる方法を説明する。
【0043】
図6に示すように、めくりあげた前記保持具20に粘着部24を設け、着用者50の頬に保持具20を粘着させることにより、フィルターシート部10を着用者50の顔に保持する。
【0044】
粘着部24は、両面テープや接着剤など、着用者50の頬近辺に貼り付けることができる粘着剤を使用する。
【0045】
粘着による保持方法は、耳に掛けて保持する方法とは違い、耳への負担がない、メガネの着脱時に干渉しにくい、耳に装着するイヤリングやピアス等のアクセサリーに干渉しにくいなどの効果が期待できる。
【0046】
左右の保持具20は、着用者50の後頭部ないし首の後ろで接合することによりフィルターシート部10を着用者50の顔に保持する方法もある。
【0047】
請求項4~5においては、保持具20に耳掛け部26を設け、一般的なマスクのように耳に掛けることによってフィルターシート部10を着用者50の顔に保持する。詳細は後述する。
【0048】
請求項2において、
図2の状態から更に、装着シート部12の上端および上端から左右両端までの間と前記フィルターシート部10の上端および上端から左右両端までの間とを接合する。つまり、請求項1の範囲を含めると、
図7に示すように、下端および下端から左右両端までの間以外の外縁はすべて接合する。
【0049】
鼻あて拡張具30は、装着シート部12の上部に横方向の切り欠きを設けることによって形成される。
【0050】
鼻あて拡張具30は、着用者50がマスクを装着した時に生じる鼻と頬との隙間を覆うためおよびフィット感を増すために設けられ、装着時には、切り欠き部分をめくりあげ、フィルター側に接していた面を鼻筋に当たるように装着する。
【0051】
図8は、保持具20の右側および鼻あて拡張具30をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【0052】
鼻あて拡張具30の面積を大きくすると、装着時にマスク全体の面積を拡大することができるため、着用者50の鼻孔および口を覆いやすい効果がある。
【0053】
請求項3において、
図7の状態から更に、装着シート部12の下端および下端から左右両端までの間と前記フィルターシート部10の下端および下端から左右両端までの間とを接合する。つまり、請求項1~2の範囲を含めると、
図9に示すように外縁のすべてを接合する。
【0054】
顎あて拡張具40は、装着シート部12に切り欠きを設けることによって形成される。
【0055】
顎あて拡張具40は、着用者50が装着された時に生じる口から顎にかけて生じる隙間を覆うためおよびフィット感を増すために設けられ、装着時に切り欠き部分をめくりあげ、フィルター側に接していた面を顎に当たるように装着する。
【0056】
図10は、保持具20の右側、鼻あて拡張具30および顎あて拡張具40をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【0057】
顎あて拡張具40の面積を大きくすると、装着時にマスク全体の面積を拡大することができるため、着用者50の鼻孔および口を覆いやすい効果がある。
【0058】
前述したように、装着シート部12の切り欠きによって、保持具20、鼻あて拡張具30、顎あて拡張具40などが形成され、様々な切り欠きパターンがある。
【0059】
図11(a)~(f)は、様々は切り欠きパターンの例を示す平面図である。
【0060】
請求項4において、保持具20の内側に切り欠きを設けることによって耳掛け部26が形成される。
【0061】
図12は、鼻あて拡張具30、顎あて拡張具40および耳掛け部26を形成した保持具20の右側をめくりあげた状態を示す斜視図である。
【0062】
切り欠きによる耳掛け部26の形成は打ち抜き成形が可能なので、従来のマスクのように別部品として耳かけ紐を設置するよりも製造コストを軽減できるメリットがある。
【0063】
保持具20は1枚のシートから形成することにより、包装時の厚さを薄くすることができる。したがって、保管場所の省スペース化ができる。
【0064】
耳掛け部26は、着用した際に着用者50の耳の形に沿う方向の曲線が好ましい。
【0065】
耳掛け部26は、切り欠きによって保持具20に穴を設けてもよい。
図13は、切り欠きによって保持具20に耳掛け穴を空けた例の斜視図である。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
図17は、耳掛け部26を形成した本発明を着用者50が着用した様子を示す側面図である。耳掛け部26を着用者50の耳に掛けることによりフィルターシート部10を着用者50の顔に保持する。
【0070】
図18および
図19は、耳掛け部26の切り欠きの内側に更に切り欠きを設けた例を示した斜視図である。これにより、保持具20の接合部14から横方向における耳掛け部26先端までの距離を伸ばすことができる。
【0071】
図18および
図19に示すように、保持具20の切り欠きパターンによって様々な耳掛け部26が形成される。
【0072】
保持具20は、展開した時に切り欠きの部分から避けにくい材料が好ましい。
【0073】
請求項5において、前記保持具20の内側に長手方向の切り欠きを入れ、該切り欠きから外側に向かって、更に前記保持具20の外縁から内側に向かって、互い違いに切り欠きを入れることにより耳掛け部26を形成する。このような切り欠きをつづら切りと呼ぶ。
【0074】
つづら切りをした保持具20は、耳掛け部26を引き伸ばすことにより、大きな環状の耳掛け部26を形成することができる。したがって、保持具20の接合部14から耳掛け部26先端までの距離を伸ばすができる。
【0075】
図20は、つづら切りによって耳掛け部26が形成された本発明において、鼻あて拡張具30、顎当て拡張具40および右側の保持具20をめくりあげ、耳掛け部26を右方向に引き伸ばした状態を示す斜視図である。
【0076】
図21は、つづら切りによって耳掛け部26が形成された本発明において、左右の保持具20をめくりあげ、右の耳掛け部26を右方向に引き伸ばした状態を示す平面図である。
【0077】
更に、互い違いの切れ込み部分が引っ張られることによって、耳掛け部26に弾性が発生し、耳に掛けやすい、耳から外れにくい、着用者50の顔に保持しやすくなるなどの効果が期待できる。
【0078】
図22は、つづら切りによって耳掛け部26を形成した本発明を着用者50が着用した様子を示す側面図である。
【0079】
図23(a)~(d)は、本発明の様々な平面形を元に、つづら切りを用いた切り欠きパターンの例を示す平面図である。
【0080】
つづら切りは、
図23に示すように、保持具20の形状に合わせ、展開した時に極端に細くなる部分が無いような切り欠きのパターンが好ましい。
【0081】
保持具20は、展開した時につづら切りの部分から避けにくい材料が好ましい。
【0082】
本発明のマスクは、厚さを非常に薄くすることができるため、ノートや手帳に挟んだり、書類を保管するためのクリアファイルに挟んだり、丸めて筒の中に入れるなどが容易なので、多様な梱包方法および保管方法がある。
【0083】
本発明のマスクは、真空包装にするとによって、包装時の厚さを大変薄くすることができるだけでなく、包装内部に空気が流入しにくくなり、衛生的且つ、雨や多湿の状況下や浸水などに晒されたとしても、マスク本体が守られる効果が期待できる。
【0084】
更に、真空包装によって包装の硬度が増すため、保管しやすいだけでなく、うちわや下敷きなど、硬くて薄いものへの代用ができる。
【0085】
真空包装する際、横方向に三つ折りもしくは四つ折り、または縦に二つ折りおよび横に二つ折りにするなど、畳んで平面の面積を減らすことによって、持ち運びや保管に適した包装になり、名刺入れおよび携帯電話ケースの中などに入れて携帯することが容易になる。本のしおりとしても使用できる。
【0086】
図24は、本発明のマスクを横方向に三つ折りした状態を示した斜視図である。折りたたんだ状態で真空包装することにより、携帯や保管がしやすくなる効果が期待できる。
【0087】
一例として、折り畳みおよび真空包装された縦横の寸法が、クレジットカード国際規格ISO/IEC7810のID-1で定められている縦53.98mm、横85.60mmに近い面積の場合、財布、カードケースなどに入れて携帯することが容易になる。
【0088】
このように、本発明のマスクは携帯および保管に適している。
【0089】
本発明のマスクは使い捨てが好ましいが、繰り返し使用することもできる。
【0090】
以上、本発明の実施形態、作用、効果および実施例を説明した。
【符号の説明】
【0091】
10 フィルターシート部
12 装着シート部
14 接合部
20 保持具
22 連結部
24 粘着部
26 耳掛け部
30 鼻あて拡張具
40 顎あて拡張具
50 着用者
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、製造コストを削減できるばかりでなく、携帯や保管の際に嵩張りにくく且つマスクとしての機能を著しく損なうことがないマスクを提供する。
【解決手段】鼻孔および口を覆うマスクであって、複数のシート材を積層し、積層した前記シート材のうち、着用者側のシート材1枚を装着シート部12とし、該装着シート部12以外をフィルターシート部10とし、前記装着シート部12の左右両端と前記フィルターシート部10の左右両端とをそれぞれ接合するとともに、前記装着シート部12に切り欠きを設けることによって保持具20を形成したことを特徴とする。
【選択図】
図13