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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】電動バイク
(51)【国際特許分類】
   B62K 23/04 20060101AFI20240325BHJP
   B62J 6/16 20200101ALI20240325BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240325BHJP
【FI】
B62K23/04
B62J6/16
B62J45/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020093621
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021187273
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和 1年 5月28日に、NEWSCASTのウェブサイトにて公開(https://newscast.jp/news/214756) 令和 1年 5月30日に、イタリア共和国建国記念レセプションにて公開 令和 1年10月23日に、ADIVA株式会社のウェブサイトにて公開(https://adiva.co.jp/news/2019_10_23.html) 令和 1年10月23日に、aidea株式会社のウェブサイトにて公開(https://aidea.net/products)(https://aidea.net/products/aa-cargo)(https://aidea.net/products#AA-Cargo-AA-Cargo-V2H) 令和 1年10月23日に、第46回東京モーターショー2019にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】519378322
【氏名又は名称】aidea株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】赤間 勝美
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-162095(JP,A)
【文献】特開2017-019327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 23/00 ー 23/04
B62J 45/00
B62J 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操向ハンドルに設けられたアクセルグリップと、該アクセルグリップの操作に応じた駆動トルクを発生させる電動モータとを備え、前記駆動トルクにより車輪を駆動することで前進又は後進する電動バイクにおいて、
後進指示を与えるリバーススイッチと
記電動モータを制御するモータ制御部と
を備え
前記モータ制御部は、
前記リバーススイッチが操作されていない間に、前記アクセルグリップが操作された場合、前記車輪を前進駆動するための駆動トルクを発生させるべく前記電動モータを制御し、
前記リバーススイッチが操作されている間に、前記アクセルグリップが操作された場合、前記車輪を後進駆動するための駆動トルクを発生させるべく前記電動モータを制御し、
前記リバーススイッチの操作が解除された場合、前記後進駆動を停止すべく前記電動モータを制御す
電動バイク。
【請求項2】
前記モータ制御部は、前記アクセルグリップの操作が解除された後に、前進駆動と後進駆動との切替えを許可する
請求項1に記載の電動バイク。
【請求項3】
前記リバーススイッチは、前記アクセルグリップを把持した手の指により操作可能な位置に設けられている
請求項1又は請求項2に記載の電動バイク。
【請求項4】
前記操向ハンドルに取り付けられたスイッチケースを備え、
該スイッチケースには、前記電動モータの制御を含む全制御を停止させる停止スイッチ、前照灯を点灯又は消灯させるライトスイッチ、及び前記リバーススイッチが、前記操向ハンドルの軸回りに並設されている
請求項1から請求項の何れか1つに記載の電動バイク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動バイクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガソリンエンジンを駆動源として搭載する自動二輪車に代わり、バッテリから供給される電力により走行する電動バイクが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この種の電動バイクは、車輪を駆動するための電動モータを備えており、電動モータが発生させる駆動トルクを車輪に伝達することにより、前進又は後進するように構成されている。車輪に伝達する駆動トルクの大きさは、操向ハンドルに設けられたアクセルグリップの操作によって調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-103754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電動バイクを後進させる場合、従来では、前進駆動とは異なる操作が必要であり、ライダーが戸惑うことが多い。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、前進駆動と同様の操作にて、直感的に後進駆動できる電動バイクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電動バイクは、操向ハンドルに設けられたアクセルグリップと、該アクセルグリップの操作に応じた駆動トルクを発生させる電動モータとを備え、前記駆動トルクにより車輪を駆動することで前進又は後進する電動バイクにおいて、後進指示を与えるリバーススイッチと、該リバーススイッチが操作されている間に、前記アクセルグリップが操作された場合、前記車輪を後進駆動するための駆動トルクを発生させるべく前記電動モータを制御するモータ制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、前進駆動と同様の操作で後進駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る電動バイクの外観斜視図である。
図2】ハンドルの部分拡大図である。
図3】電動バイクの制御系の構成を示すブロック図である。
図4】電動バイクを前進又は後進させる場合の制御手順を示すフローチャートである。
図5】後進駆動から前進駆動に切り替える場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る電動バイクの外観斜視図である。本実施の形態に係る電動バイクは車体フレーム1を備え、この車体フレーム1には、フロアボード2、フロントカバー3、リアカバー4、荷台5などが設けられている。フロアボード2は前後方向に延びる。フロントカバー3は、上下方向を軸方向とした筒状をなし、フロアボード2の前部から上方に突出する。リアカバー4は矩形箱状をなし、フロアボード2の後部から上方に突出する。リアカバー4の上面には座席6が設けられている。なお、図1に示す前後、左右、上下の各方向は、電動バイクの座席6にライダーが着座した状態を基準にして定められている。
【0010】
フロントカバー3の内側には、上下方向を軸方向とした二本のシャフト31が、やや斜め後方向に倒された姿勢で配置されている。各シャフト31の下端部にフロントサスペンション32が設けられており、二つのフロントサスペンション32の間に、前輪30が回転可能に支持されている。二本のシャフト31の上端部は、シャフト31の軸回りに回転可能なステアリング部33に取り付けられており、ステアリング部33から二つのハンドル10が左右にそれぞれ突出している。ハンドル10の下側に、ブレーキレバー12が取り付けられている。
【0011】
リアカバー4の内側には、充放電が可能なバッテリ110(図3を参照)が収納されている。リアカバー4の前面には接続口4aが設けられている。接続口4aに、例えば充電スタンドのプラグを接続することによって、バッテリ110を充電することができる。
【0012】
座席6の後側に荷台5が設けられている。荷台5は水平方向に延びる板状をなす。荷台5の下側に二つの後輪40が配置されている。後輪40は、ホイール41及びタイヤ42を備える。ホイール41の内側には電動モータの一例であるインホイールモータ43が配置され、ホイール41の周囲にタイヤ42が取り付けられている。インホイールモータ43は、バッテリ110から供給される電力により、後輪40を前進駆動又は後進駆動するための駆動トルクを発生させる。
【0013】
荷台5と座席6との間から、二本の取付管7が上方に突出している。二本の取付管7は左右方向に離れている。フロアボード2及び座席6の上方に、屋根8が設けられている。屋根8は、上方に突出するような曲面状をなし、前側に向かうに従って下降するように傾斜している。屋根8の後端部から下方に向けて二本の脚部8aが突出している。二本の脚部8aは左右方向に離れており、二本の取付管7に、それぞれ取り付けられている。取付管7の間及び脚部8aの間に、背もたれ6aが設けられている。
【0014】
フロントカバー3の上部から、透明なスクリーン9が上方に突出している。スクリーン9の上端部は、屋根8の前端部に連結されている。スクリーン9は、ハンドル10及びブレーキレバー12よりも前側に配置されている。フロントカバー3の前面には前照灯装置34が設けられている。
【0015】
図2はハンドル10の部分拡大図である。図2はライダーの右手により把持される右側のハンドル10を示している。ハンドル10は左右方向に延びるハンドルバー10aを備えており、ハンドルバー10aの右端にはアクセルグリップ11が設けられている。アクセルグリップ11は、ハンドルバー10aの軸回りに回動することでライダーの操作を受付ける操作具である。ライダーは、アクセルグリップ11を把持して前後に回動させることにより、後輪40を駆動するインホイールモータ43の出力を調整することが可能である。インホイールモータ43は、電動バイクの進行方向に依らずに、アクセルグリップ11が後方側(図の手前側)に回動することにより出力(駆動トルク)が増加し、アクセルグリップ11が前方側(図の奥側)に回動することにより出力(駆動トルク)が減少するように制御される。アクセルグリップ11の操作が解除された場合(すなわち、アクセルグリップ11が回動していない位置まで戻った場合)、インホイールモータ43の出力は停止される。
【0016】
アクセルグリップ11の左側にはスイッチケース20が設けられている。スイッチケース20はハンドルバー10aに固定される。スイッチケース20は、例えば、停止スイッチ22、ライトスイッチ23、及びリバーススイッチ24を備える。停止スイッチ22は、インホイールモータ43の制御を含む全ての制御を停止させるためのスイッチである。ライトスイッチ23は、前照灯装置34の点灯及び消灯を切り替えるためのスイッチである。なお、前照灯装置34の自動点灯が義務付けられている場合、ライトスイッチ23は、搭載されていなくてもよく、またスイッチとして機能しないようにソフト的又はハード的にロックされた状態でスイッチケース20に搭載されてもよい。リバーススイッチ24は、後進指示を与えるためのスイッチである。このリバーススイッチ24は、通常の状態では接点が開状態となり、ライダーの手の指で押下操作されている間だけ接点が閉状態となるモーメンタリ型のスイッチである。
【0017】
本実施の形態において、停止スイッチ22はスイッチケース20の上面に配置され、ライトスイッチ23及びリバーススイッチ24はスイッチケース20の後方側(図の手前側)の側面に配置される。例えば、ライトスイッチ23は、操作部が後方向(水平方向)に突出するように配置され、リバーススイッチ24は、ライトスイッチ23から5度~30度下側に回転した位置に配置される。停止スイッチ22、ライトスイッチ23、及びリバーススイッチ24は、アクセルグリップ11を把持しているライダーの手の指(例えば親指)にて操作することができるスイッチである。また、スイッチケース20には、アクセルグリップ11の操作量を検知し、その操作量に応じた信号を出力するアクセルセンサ25(図3を参照)が内蔵されていてもよい。
【0018】
図3は電動バイクの制御系の構成を示すブロック図である。電動バイクは、バッテリ110から供給される電力により動作するコントローラ100を備えている。コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などにより構成される。コントローラ100が備えるCPUは、ROMに格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、電動バイクが備える各種コンポーネントの動作を制御する。制御対象のコンポーネントの一例はインホイールモータ43である。RAMには制御に必要な情報が一時的に記憶される。
【0019】
コントローラ100には、メインスイッチ21、停止スイッチ22、ライトスイッチ23、リバーススイッチ24等の各種スイッチ、アクセルセンサ25、回転速度センサ26、ブレーキセンサ27等の各種センサが接続され、これらのスイッチが操作されたことを示す信号やセンサの検知結果を示す信号が入力される。また、コントローラ100には、制御対象のコンポーネントとして、インホイールモータ43の他、前照灯装置34、ブレーキ120などが接続される。
【0020】
メインスイッチ21は、コントローラ100を含む制御システムに電源を投入するために操作されるスイッチであり、例えばフロントカバー3の後面に設けられている。メインスイッチ21が操作された場合、コントローラ100にはバッテリ110から電力が供給され、コントローラ100による各種コンポーネントの制御が可能になる。
【0021】
停止スイッチ22は、インホイールモータ43の制御を含む全ての制御を停止させるためのスイッチである。停止スイッチ22が操作されたことを示す信号が入力された場合、コントローラ100は、バッテリ110から電力が供給されている場合であっても、全ての制御を停止する。
【0022】
ライトスイッチ23は、前照灯装置34を点灯又は消灯させるためのスイッチである。コントローラ100は、ライトスイッチ23から点灯を指示する信号が入力された場合、前照灯装置34を点灯させる制御を実行する。また、コントローラ100は、ライトスイッチ23から消灯を指示する信号が入力された場合、前照灯装置34を消灯させる制御を実行する。なお、前照灯装置34の自動点灯機能を有効にしている場合、コントローラ100は、ライトスイッチ23の操作の有無に関わらず、前照灯装置34を点灯させる制御を実行してもよい。
【0023】
リバーススイッチ24は、後進指示を与えるためのスイッチである。リバーススイッチ24が押下操作され、接点が閉状態である間、リバーススイッチ24の接点が閉状態(オン状態)であることを示す信号がコントローラ100に入力される。本実施の形態では、コントローラ100は、リバーススイッチ24がオン状態であり、かつ、アクセルグリップ11を後方側に回動させる操作を受付けた場合、電動バイクを後進させるための駆動トルクを発生させるべくインホイールモータ43の動作を制御する。
【0024】
アクセルセンサ25は、アクセルグリップ11の操作量を検知し、その操作量に応じた信号を出力するセンサである。コントローラ100は、アクセルグリップ11の操作量に応じて、インホイールモータ43の回転速度を決定する。アクセルグリップ11の操作量とインホイールモータ43の回転速度との関係は、コントローラ100が備えるROMの内部に予め記憶されていればよい。なお、アクセルグリップ11の操作量に対応するインホイールモータ43の回転速度は、電動バイクを前進させる場合と、後進させる場合とで異ならせてもよい。
【0025】
コントローラ100は、決定した回転速度となるようにインホイールモータ43の動作を制御する。このとき、コントローラ100は、インホイールモータ43の回転速度を検知する回転速度センサ26の出力を参照して、インホイールモータ43をフィードバック制御すればよい。コントローラ100は、アクセルグリップ11の操作量に応じた回転速度にてインホイールモータ43を駆動することにより、駆動トルクを発生させる。インホイールモータ43に発生させた駆動トルクは、後輪40に伝達され、電動バイクを前進又は後進させる。
【0026】
ブレーキセンサ27は、ブレーキレバー12の操作を検知し、検知結果に応じた信号を出力するセンサである。コントローラ100は、ブレーキセンサ27から入力される信号に応じて、ブレーキ120を作動させる。ブレーキ120が作動することにより、電動バイクは減速又は停止する。
【0027】
以下、コントローラ100による制御手順について説明する。
図4は電動バイクを前進又は後進させる場合の制御手順を示すフローチャートである。電動バイクのメインスイッチ21がONである場合(ステップS101)、コントローラ100は、リバーススイッチ24がON状態であるか否かを判断する(ステップS102)。
【0028】
リバーススイッチ24がON状態であると判断した場合(S102:YES)、コントローラ100は、アクセルグリップ11が操作されたか否かを判断する(ステップS103)。アクセルグリップ11の操作量に応じた信号が入力された場合、コントローラ100は、アクセルグリップ11が操作されたと判断することができる。アクセルグリップ11が操作されていないと判断した場合(S103:NO)、コントローラ100は、処理をステップS102へ戻す。
【0029】
コントローラ100は、ステップS103でアクセルグリップ11が操作されたと判断した場合(S103:YES)、後輪40を後進駆動する(ステップS104)。すなわち、コントローラ100は、インホイールモータ43の動作を制御して、後進駆動用の駆動トルクを発生させる。インホイールモータ43に発生させた後進駆動用の駆動トルクは後輪40に伝達する。電動バイクは、後輪40が後進駆動されることによって後進する。
【0030】
次いで、コントローラ100は、リバーススイッチ24がOFFとなったか否かを判断する(ステップS105)。リバーススイッチ24のON状態が継続されている場合(S105:NO)、コントローラ100は、処理をステップS104へ戻し、後進駆動を継続する。一方、リバーススイッチ24の操作が解除され、OFFとなった場合(S105:YES)、コントローラ100は、後輪40の後進駆動を停止する(ステップS106)。すなわち、コントローラ100は、インホイールモータ43の動作を停止させる。
【0031】
コントローラ100は、ステップS102でリバーススイッチ24がON状態でないと判断した場合(S102:NO)、アクセルグリップ11が操作されたか否かを判断する(ステップS107)。アクセルグリップ11の操作量に応じた信号が入力された場合、コントローラ100は、アクセルグリップ11が操作されたと判断することができる。アクセルグリップ11が操作されていないと判断した場合(S107:NO)、コントローラ100は、処理をステップS102へ戻す。
【0032】
コントローラ100は、ステップS107でアクセルグリップ11が操作されたと判断した場合(S107:YES)、後輪40を前進駆動する(ステップS108)。すなわち、コントローラ100は、インホイールモータ43の動作を制御して、前進駆動用の駆動トルクを発生させる。インホイールモータ43に発生させた前進駆動用の駆動トルクは後輪40に伝達する。電動バイクは、後輪40が前進駆動されることによって前進する。
【0033】
図4のフローチャートでは、後進駆動の停止手順のみを示しているが、前進駆動の停止手順は従来と同様である。すなわち、コントローラ100は、ブレーキレバー12が操作されたことを示す信号が入力された場合、ブレーキ120を作動させる制御を実行し、前進駆動を停止させればよい。
【0034】
図5は後進駆動から前進駆動に切り替える場合の制御手順を説明するフローチャートである。後輪40を後進駆動した場合、コントローラ100は、前進駆動の禁止フラグをONにセットする(ステップS201)。禁止フラグは、例えばコントローラ100が備えるRAMに記憶され、電動バイクの前進駆動を禁止する場合にON、前進駆動を禁止しない場合にOFFにセットされる。
【0035】
次いで、コントローラ100は、リバーススイッチ24がOFFとなったか否かを判断する(ステップS202)。リバーススイッチ24がOFFとなっていない場合(S202:NO)、コントローラ100は、アクセルグリップ11の操作が解除されているか否かを判断する(ステップS203)。アクセルグリップ11の操作が解除されていない場合(S203:NO)、コントローラ100は、処理をステップS202へ戻す。また、アクセルグリップ11の操作が解除されていると判断した場合(S203:YES)、コントローラ100は、禁止フラグをOFFにセットし(ステップS204)、処理をステップS202へ戻す。なお、アクセルグリップ11の操作が解除された場合、後輪40の後進駆動は停止される。
【0036】
リバーススイッチ24がOFFとなった場合(S202:YES)、コントローラ100は、適宜のタイミングにおいて、アクセルグリップ11が操作されている状態であるか否かを判断する(ステップS205)。アクセルグリップ11が操作されていない場合(S205:NO)、コントローラ100は、本フローチャートによる処理を終了する。なお、リバーススイッチ24がOFFであり、アクセルグリップ11が操作されていない状態である場合、後輪40の駆動は停止される。
【0037】
アクセルグリップ11が操作されている状態と判断した場合(S205:YES)、コントローラ100は、内蔵のRAMを参照し、禁止フラグがONであるか否かを判断する(ステップS206)。禁止フラグがONである場合(S206:YES)、すなわちアクセルグリップ11の操作が解除されることなく、リバーススイッチ24がOFFされた場合、コントローラ100は、後輪40の前進駆動を禁止する(ステップS207)。これにより、後進駆動から前進駆動に急に切り替わることが回避される。
【0038】
一方、禁止フラグがOFFである場合(S206:NO)、コントローラ100は、後輪40の前進駆動を実施する(ステップS208)。すなわち、コントローラ100は、インホイールモータ43の動作を制御して、前進駆動用の駆動トルクを発生させる。インホイールモータ43に発生させた前進駆動用の駆動トルクは後輪40に伝達する。電動バイクは、後輪40が前進駆動されることによって前進する。
【0039】
なお、図5のフローチャートでは、後進駆動から前進駆動への切替手順について説明したが、前進駆動から後進駆動への切替手順についても同様である。すなわち、前進駆動している状態から後進駆動に切り替える場合、アクセルグリップ11の操作が一旦解除された後に、リバーススイッチ24が操作され、かつ、アクセルグリップ11が操作された場合、コントローラ100は、後輪40の後進駆動を実施すればよい。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、アクセルグリップ11を後方側へ回動させることにより電動バイクを前進させることができ、リバーススイッチ24を押しながらアクセルグリップ11を後方側へ回動させることにより電動バイクを後進させることができる。本実施の形態では、電動バイクを前進させる場合と後進させる場合とでアクセルグリップ11の回動方向が変化しないので、ライダーは直感的な操作により電動バイクを後進させることが可能となる。また、リバーススイッチ24を離すと後進が停止するので、ブレーキ操作などの更なる操作を受付けることなく電動バイクを停止させることができる。
【0041】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1 車体フレーム
2 フロアボード
3 フロントカバー
4 リアカバー
5 荷台
6 座席
10 ハンドル
11 アクセルグリップ
12 ブレーキレバー
20 スイッチケース
21 メインスイッチ
22 停止スイッチ
23 ライトスイッチ
24 リバーススイッチ
30 前輪
40 後輪
41 ホイール
42 タイヤ
43 インホイールモータ
100 コントローラ
110 バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5