(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】電子機器、その制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/66 20230101AFI20240325BHJP
H04N 23/667 20230101ALI20240325BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240325BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240325BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240325BHJP
【FI】
H04N23/66
H04N23/667
H04N23/60 300
H04N23/63
G03B15/00 V
(21)【出願番号】P 2019158669
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-08-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】松田 新樹
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225143(JP,A)
【文献】特開2012-156822(JP,A)
【文献】特開2018-061239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/22 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と通信可能に接続された電子機器であって、
第1のモードまたは前記第1のモードとは異なる第2のモードで動作するよう制御を実行する動作制御手段と、
前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して撮像指示を撮像装置へ送信
し、前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して画像閲覧要求を前記撮像装置へ送信する送信手段と、
前記撮像指示に応じて前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第1の画像または、所定の条件を満たすことに応じて自動的に前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第2の画像を前記撮像装置から受信する受信手段と、
前記第1
のモードで動作するよう制御されているとき、前記第2の画像なしに、前記第1の画像を画面に表示するよう制御し、
前記第2
のモードで動作するよう制御されているとき、前記第1の画像および前記第2の画像を前記画面に表示するよう制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1
のモードで動作するよう制御されているとき、前記表示制御手段は、複数の前記第1の画像のうち1つを順に切り替えて前記画面に表示するよう制御し、
前記第2
のモードで動作するよう制御されているとき、前記表示制御手段は、複数の前記第1の画像および前記第2の画像のうち1つを順に切り替えて前記画面に表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、前記表示制御手段は、前記第1の画像および前記第2の画像それぞれと対応するサムネイル画像を前記画面に表示した後、所定の操作を受け付けることに応答して、前記第1の画像および前記第2の画像のうち1つを順に切り替えて前記画面に表示するよう画面遷移を制御することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定の操作は前記サムネイル画像へのユーザーの操作であり、前記所定の操作を受け付けることに応答して、前記受信手段は前記サムネイル画像と対応する前記第1の画像または前記第2の画像を前記撮像装置から受信することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第1の画像と対応するサムネイル画像および前記第2の画像と対応するサムネイル画像を区別可能にして表示するよう制御することを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、前記表示制御手段は、前記撮像装置により撮像処理が実行されて取得されたライブ画像を前記撮像装置から受信して前記画面に表示した後、所定の操作を受け付けることに応答して、前記第2の画像なしに、前記複数の第1の画像のうち1つを順に切り替えて前記画面に表示するよう画面遷移を制御することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、前記第2の画像なしに、前記第1の画像を前記撮像装置に要求し、前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、前記第1の画像および前記第2の画像を前記撮像装置に要求する要求手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子機器の各手段として機能させるプログラム。
【請求項9】
撮像装置と通信可能に接続された電子機器の制御方法であって、
第1のモードまたは前記第1のモードとは異なる第2のモードで動作するよう制御を実行するステップと、
前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して撮像指示を撮像装置へ送信
し、前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して画像閲覧要求を前記撮像装置へ送信するステップと、
前記撮像指示に応じて前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第1の画像または、所定の条件を満たすことに応じて自動的に前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第2の画像を前記撮像装置から受信するステップと、
前記第1
のモードで動作するよう制御されているとき、前記第2の画像なしに、前記第1の画像を画面に表示するよう制御し、
前記第2
のモードで動作するよう制御されているとき、前記第1の画像および前記第2の画像を前記画面に表示するよう制御するステップとを備えたことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを画面に表示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影者の操作にしたがって撮影を行う手動撮影機能とともに、予め登録されたシーンで自動的に撮影を行う自動撮影機能を備えた撮像装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置が手動撮影機能と自動撮影機能の両方を備えているとき、手動撮影の画像と自動撮影の画像とが一緒に記録される。よって、記録された画像を再生表示すると、手動撮影の画像と自動撮影の画像とが混在して再生表示されることになり、ユーザーの目的に合わせて所望の画像を探すのに時間がかかる場合がある。例えば、ユーザーが手動撮影を行っている間に、以前の手動撮影の画像を確認しようとするとき、所望の画像を見つけるのに時間がかかり、撮影に支障をきたすことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願にかかる発明の一つは、撮像装置と通信可能に接続された電子機器であって、第1のモードまたは前記第1のモードとは異なる第2のモードで動作するよう制御を実行する動作制御手段と、前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して撮像指示を撮像装置へ送信し、前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、ユーザーの操作に応答して画像閲覧要求を前記撮像装置へ送信する送信手段と、前記撮像指示に応じて前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第1の画像または、所定の条件を満たすことに応じて自動的に前記撮像装置により撮像処理が実行されて記録された第2の画像を前記撮像装置から受信する受信手段と、前記第1のモードで動作するよう制御されているとき、前記第2の画像なしに、前記第1の画像を画面に表示するよう制御し、前記第2のモードで動作するよう制御されているとき、前記第1の画像および前記第2の画像を前記画面に表示するよう制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手動撮影と自動撮影の両方が可能な撮像装置によって撮影された画像を表示するときに、手動撮影を実行しているときは、自動撮影の画像は表示せず、手動撮影の画像を表示するようにした。よって、ユーザーが意図して撮影した画像だけが表示されるので、ユーザーの所望の画像の検索性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る撮影システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る撮像装置の動作の一例を示すフローチャート図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電子機器の表示装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る電子機器の動作の一例を示すフローチャート図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る電子機器の動作の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の撮影システム100の構成の一例を示す図である。撮像装置101と電子機器102は無線LANやBluetooth(登録商標)を介して通信可能に接続されている。撮影者は、撮像装置101を操作して撮影を行う(手動撮影)だけでなく、電子機器102を操作して撮影指示を撮像装置101へ送信し、撮影を行う(リモート手動撮影)。さらに、撮像装置101は、撮影者の操作なしに、予め設定された条件にしたがって撮影を行う(自動撮影)。また、撮影者は電子機器102を操作して撮像装置101へ画像要求を送信し、上述の撮影により得られた画像を撮像装置101から受信し、電子機器102の画面に表示再生させる。
【0012】
図2は本実施形態による撮像装置101の構成の一例を示すブロック図である。撮像装置101は、デジタルカメラ、監視カメラ、スマートフォン等により実現される。203はフォーカスレンズを含む撮影レンズ、201は絞り機能を備えるシャッター、22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像部である。23はA/D変換器であり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。202はバリアであり、撮像装置101の、撮影レンズ203を含む撮像部22を覆うことにより、撮影レンズ203、シャッター201、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。24は画像処理部であり、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像処理により生成された画像データ、すなわち、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。13はD/A変換器であり、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。50はシステム制御部であり、撮像装置101全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。音声センサ211は周囲の音を検出する。
【0013】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。30は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。18はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0014】
図3は電子機器102の構成の一例を示す図である。電子機器102は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等により実現される。301は電子機器102の全体を制御する制御部であり、例えばCentral Processing Unit(CPU)である。302は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。303は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。304は装置300に固定して設置されたハードディスクやメモリカード等の外部記憶装置である。305はユーザー操作を受け付け、データを入力する入力装置309とのインターフェースである。306は電子機器102の保持するデータや供給されたデータを表示するための表示装置310とのインターフェースである。307はインターネットなどのネットワーク回線311に接続するためのネットワークインターフェースである。308は、撮像装置101などの外部の装置と通信するためのインターフェースである。313は301~308の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。なお、入力装置309と表示装置310は一体化されたタッチスクリーンとして構成される。
【0015】
図4は撮像装置101の撮影記録処理の動作の一例を示すフローチャート図である。以下の動作は、システム制御部50が不揮発性メモリ56からプログラムを読み出し、これにしたがって各部を制御することにより実現される。
【0016】
システム制御部50は、撮像部22を介してライブ画像を取得し(S401)、画像認識処理を実行し(S402)、画像認識処理の結果が、記録媒体200に記憶された自動撮影のシーンの条件を満たすかどうかを判定する(S403)。自動撮影のシーンの条件を満たすとき(S403でYes)、システム制御部50は、撮影処理を実行して画像ファイルを生成し(S404)、撮影トリガーの種類が自動撮影であることを示す撮影トリガー情報を関連づけて記録媒体200に記録する(S405)。自動撮影のシーンの条件を満たさないとき(S403でNo)、撮影者からの撮影指示を受け付けたかどうか判定する(S406)。例えば、撮影者が所定の音声を発したことを音声センサ211が検知すると、撮影指示を受け付けたと判定される。あるいは、電子機器102から撮影指示のコマンドを受信すると、撮影指示を受け付けたと判定する。撮影者からの撮影指示を受け付けると(S406でYes)、撮影処理を実行して画像ファイルを生成し(S407)、手動撮影であることを示す撮影トリガー情報を関連づけて記録媒体200に記録する(S408)。なお、電子機器102から撮影指示のコマンドを受信すれば、リモート手動撮影であることを示す撮影トリガー情報を記録し、音声による撮影指示であれば、音声手動撮影であることを示す撮影トリガー情報を記録する。なお、撮影トリガー情報は、画像のファイル内にデータとして記録される。あるいは、撮影トリガー情報は、画像のファイルとは別の領域に、画像のファイルと関連付けて記録されてもよい。
【0017】
図5は、撮像装置101の記録媒体200に記録された画像を電子機器102に表示するアプリケーションソフトウエア・プログラムの画面の一例を示す図である。
【0018】
501は基本画面であり、ユーザーにより撮影ボタン506が押下されると、リモート撮影画面504に切り替えて表示する。また、ユーザーにより再生ボタン507が押下されると、電子機器102は画像閲覧要求を撮像装置101へ送信して、撮像装置101の記録媒体200に記憶された画像と対応するサムネイル画像を取得し、画像一覧画面502に切り替えて表示する。
【0019】
画像一覧画面502は、前画面に遷移するためのボタン508、画像一覧表示領域509、画像表示領域510-1~510-Nで構成される。画像一覧表示領域509には、撮像装置101の記録媒体200に記憶されているすべての画像、すなわち、自動撮影された画像と手動撮影された画像それぞれと対応するサムネイル画像が混在して、撮影日時の降順に並べて表示される。撮影日時の降順とは、撮影日時が新しい画像ほど画像一覧表示領域509内の左上のエリアに表示される。
【0020】
画像一覧画面502において、ユーザーの押下操作によりサムネイル画像の1つが選択されると、当該サムネイル画像と対応する画像を表示するための1枚表示画面503が表示される。1枚表示画面503において、1枚画像表示領域513には、画像一覧画面502で選択されたサムネイル画像に対応する画像が表示される。1枚表示画面503は、撮影日時順で1つ前の画像に切り替えて1枚表示するための画像戻しボタン514や、撮影日時順で1つ後の画像に切り替えて1枚表示するための画像送りボタン515を含む。また、画像一覧画面502の画像表示領域510-2と510-3のサムネイル画像はリモート撮影された画像とそれぞれ対応し、その他の画像表示領域510-1などのサムネイル画像はそれぞれ自動撮影された画像と対応する。1枚画像表示領域513では、画像戻しボタン514または送りボタン515が押されるたびに、撮像装置101の記録媒体200に記憶されているすべての画像と対応するサムネイル画像を順に前または後のサムネイル画像に切り替えて表示する。すなわち、画像一覧画面502から遷移した1枚表示画面503では、リモート撮影された画像も自動撮影された画像も混在して、順に切り替えて1枚画像表示領域513に表示される。なお、1枚表示画面503では、1枚画像表示領域513を左右にフリック操作することによって、画像戻しボタン514および送りボタン515を押下したのと同様の動作が実現される。
【0021】
リモート撮影画面504は、ライブビュー領域516、画像表示領域517、撮像指示ボタン518で構成される。ライブビュー領域516は、撮像装置101が撮影するライブ画像をリアルタイムに受信して表示し、撮影者はライブビュー領域516に表示されるライブ画像を確認しながら任意のタイミングで撮像指示を行うことができる。撮像指示ボタン518はユーザーによる撮像指示を受け付けるためのアイテムであり、撮像指示ボタン518が押下されると、電子機器102はリモート撮像指示を撮像装置101へ送信する。画像表示領域517には、リモート撮像指示に応答して撮像装置101により撮影され、記録媒体200に記録された画像のうち最新のものと対応するサムネイル画像が表示される。また、画像表示領域517のサムネイル画像が押下されると、当該サムネイル画像と対応する画像を1枚表示するための1枚表示画面505が表示される。1枚表示画面505の構成は1枚表示画面503と同じである。ただし、画像一覧画面502から遷移した1枚表示画面503では、手動撮影の画像や自動撮影の画像を含む撮像装置101の記録媒体200に記録されたすべての画像が表示対象である。これに対し、リモート撮影画面504から遷移した1枚表示画面505では、リモート手動撮影の画像のみが表示対象である。したがって、1枚表示画面505において、画像戻しボタン514または画像送りボタン515を繰り返し押下することで、画像表示領域510-2と510-3のサムネイル画像に対応する画像は順に切り替えて表示されるが、画像表示領域510-1のサムネイル画像に対応する画像は表示されない。
【0022】
図6Aと
図6Bは撮影システム100において、1枚表示画面503、505それぞれを表示する処理を示すフローチャート図である。
【0023】
電子機器102は、アプリケーションソフトウエア・プログラムを起動し、基本画面501を表示装置310に表示し、ユーザーにより再生ボタン507が押下されたかどうか判定する(S601)。再生ボタン507が押下されると(S601でYes)、すべての画像を含むリストの取得要求を撮像装置101へ送信する(S602)。撮像装置101は、画像リストの取得要求に応答して、記録媒体200に記憶されたすべての画像それぞれを特定する識別子としてファイルパスを含む画像リストを生成し、撮像装置101へ送信する。電子機器102は画像リストを撮像装置101から受信する(S603)。ここで、すべての画像とは、撮影トリガー情報の内容に関わらない、すなわち、自動撮影の画像と手動撮影の画像の両方を含むということである。
【0024】
電子機器102は、画像リストに記述されたファイルパスを指定して、各画像のサムネイル画像の取得要求を撮像装置101へ送信する(S604)。撮像装置101はサムネイル画像取得要求に応答して、指定されたファイルパスと対応する画像のサムネイル画像を記録媒体200から読み出し、電子機器102へ送信する。電子機器102はサムネイル画像を撮像装置101から受信する(S605)。電子機器102は、画像リストに記述されたファイルパスの数だけ、S604とS605の処理を繰り返し、すべてのサムネイル画像を撮像装置101から受信する。そして、電子機器102はサムネイル画像を画像表示領域510に配置して画像一覧画面502を表示する(S606)。なお、S605で受信された複数のサムネイル画像のうち、画像一覧表示領域509内に配置可能な一部が表示され、スクロール操作によって、配置されるサムネイル画像が更新される。
【0025】
電子機器102は、ユーザーの押下操作により、画像表示領域510のサムネイル画像の1つが選択されたことを検知すると(S607でYes)、サムネイル画像と対応するファイルパスを指定して画像取得要求を撮像装置101へ送信する(S608)。撮像装置101は画像取得要求に応答して、指定されたファイルパスと対応する画像を記録媒体200から読み出し、電子機器102へ送信する。電子機器102は画像を撮像装置101から受信し(S609)、1枚表示画面503に表示する(S610)。ここで、電子機器102は各画像の撮影トリガーの種類を識別可能にして表示してもよい。例えば、1枚画像表示領域513の近傍に撮影トリガーの種類を示すアイコンを表示したり、1枚画像表示領域513に撮影トリガーの種類ごとに異なる色の枠を表示したりすればよい。
【0026】
電子機器102は、画像戻しボタン514または画像送りボタン515への押下操作で画像送りの指示を受け付けると(S611でYes)、画像リストのうち、現在、表示中の画像の前または後のファイルパスを指定して画像取得要求を撮像装置101へ送信する(S612)。そして、S609以降の処理を実行する。
【0027】
なお、電子機器102は、S607でサムネイル画像が選択されず、画像一覧画面502の戻るボタン508への押下操作により、画面を戻る指示を検知すると(S613でYes)、S601の処理に戻る。
【0028】
また、電子機器102は、S611で画像送り指示がなく、1枚表示画面503の戻るボタン508への押下操作により、画面を戻る指示を検知すると(S614でYes)、S606の処理に戻る。
【0029】
撮影ボタン506が押下されると(S615でYes)、撮影トリガー情報がリモート手動撮影を示す画像を含むリストの取得要求を撮像装置101へ送信する(S622)。撮像装置101は、画像リストの取得要求に応答して、記録媒体200に記憶された画像のうち、撮影トリガー情報がリモート手動撮影の画像それぞれのファイルパスを含む画像リストを生成し、電子機器102へ送信する。電子機器102は画像リストを撮像装置101から受信する(S623)。
【0030】
電子機器102は、画像リストに記述されたファイルパスのうち最後に撮影された画像のファイルパスを指定して、サムネイル画像の取得要求を撮像装置101へ送信する(S624)。撮像装置101はサムネイル画像取得要求に応答して、指定されたファイルパスと対応する画像のサムネイル画像を記録媒体200から読み出し、電子機器102へ送信する。電子機器102はサムネイル画像を撮像装置101から受信する(S625)。電子機器102はサムネイル画像を画像表示領域517に配置してリモート撮影画面504を表示する(S626)。なお、画像表示領域517に表示されるサムネイル画像は1つなので、S624とS625は繰り返すことなく、1度、実行される。
【0031】
電子機器102は、ユーザーの押下操作により、画像表示領域517のサムネイル画像が選択されたことを検知すると(S627でYes)、サムネイル画像と対応するファイルパスを指定して画像取得要求を撮像装置101へ送信する(S628)。撮像装置101は画像取得要求に応答して、指定されたファイルパスと対応する画像を記録媒体200から読み出し、電子機器102へ送信する。電子機器102は画像を撮像装置101から受信し(S629)、1枚表示画面505に表示する(S630)。
【0032】
電子機器102は、画像戻しボタン519または画像送りボタン520への押下操作で画像送りの指示を受け付けると(S631でYes)、画像リストのうち、現在、表示中の画像の前または後のファイルパスを指定して画像取得要求を撮像装置101へ送信する(S632)。そして、S629以降の処理を実行する。
【0033】
なお、電子機器102は、S627でサムネイル画像が選択されず、リモート撮影画面504の戻るボタン508への押下操作により、画面を戻る指示を検知すると(S633でYes)、基本画面501を表示し、S601の処理に戻る。
【0034】
また、電子機器102は、S631で画像送り指示がなく、1枚表示画面505の戻るボタン508への押下操作により、画面を戻る指示を検知すると(S634でYes)、S626の処理に戻る。
【0035】
なお、電子機器102は、撮影ボタン506が押下されなければ(S615でNo)、終了指示があったかどうかを判定し(S616)、終了指示があれば(S616でYes)、本処理を終了し、終了指示がなければ(S616でNo)、S601の処理に戻る。
【0036】
また、本実施形態では、電子機器102は、S622で、撮影トリガー情報がリモート手動撮影だけではなく、音声手動撮影の画像を含むリストを撮像装置101へ送信するようにしてもよい。
【0037】
また、S605でサムネイル画像とともに、その撮影トリガー情報も受信し、各サムネイル画像を自動撮影かリモート手動撮影かを区別可能にして画像一覧画面502に表示してもよい。
図5ではリモート手動撮影のサムネイル画像を太枠で表示している。あるいは、サムネイル画像の近傍に自動撮影か、リモート手動撮影かを表すマークを表示するようにしてもよい。
【0038】
また、手動撮影は、上述したリモート撮影指示や音声撮影指示だけでなく、撮像装置101に備えられた撮影ボタンの押下操作など、ユーザーの撮影指示を他の手段により実現するものであってもよい。
【0039】
また、自動撮影が行われるシーンの条件の設定は、ユーザーが手動で行ってもよいし、ディープラーニング等の技術を用いて自動で行ってもよい。
【0040】
また、本実施形態の画像は、静止画でも動画でも同様に適用できる。また、画像の代わりに音声を自動録音や手動録音をする場合など、他のコンテンツを記録する場合でも同様に適用できる。
【0041】
また、本実施形態では、S622において電子機器102が画像リストの取得要求を送信すると、撮像装置101が撮影トリガー情報に基づき、手動撮影の画像のファイルパスを含む画像リストを生成し、電子機器102へ送信する場合について説明した。この代わりに、撮像装置101はすべての画像のファイルパスと撮影トリガー情報とを含む画像リストを生成し、電子機器102へ送信するようにしてもよい。この場合、S624において電子機器102は、撮影トリガー情報がリモート手動撮影の画像のファイルパスを指定して画像取得要求を送信すればよい。
【0042】
また、本実施形態では、電子機器102が動作するモードのうち、手動撮影モードとは異なるモードとして再生モードを例にして説明したが、その他のモードも含んでもよい。
【0043】
また、本実施形態では、撮像装置101と電子機器102が別の異なる装置で構成される場合について説明したが、1つの装置で実現してもよい。
【0044】
以上のようにして、本実施形態によれば、再生モードでは、自動撮影とリモート手動撮影の両方の画像が混在して表示される。電子機器102が再生モードで動作しているときは、ユーザーは画像を閲覧する時間に余裕があるので、自動撮影の画像も含む画像を表示することで、多くの画像の中から所望の画像を見つけることができる。一方、本実施形態によれば、手動撮影モードでは、手動撮影の画像だけが表示される。電子機器102がリモート手動撮影モードで動作しているときは、ユーザーは主に撮影の操作を行っており、画像を閲覧する時間に余裕がない。よって、ユーザーが手動撮影をしている間は、自動撮影された画像は表示されないので、ユーザーは自分が意図して撮影し、記憶に残っている画像から短時間で、所望の画像を見つけやすくなる。
【0045】
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。