(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】医療用撮像装置及び医療用撮像システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240325BHJP
【FI】
A61B6/00 520M
(21)【出願番号】P 2019164476
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2022-09-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】森田 秀明
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-044068(JP,A)
【文献】国際公開第2018/115214(WO,A1)
【文献】特開2009-297187(JP,A)
【文献】特開2005-176973(JP,A)
【文献】特開2019-115422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用画像を取得する医療用撮像装置において、
外部装置と通信するための有線通信インターフェースであって、
第1の通信モードと第2の通信モードを含む複数の通信モードのうちのいずれかの通信モードに設定可能な有線通信インターフェースと、
第1の撮像モードおよび第2の撮像モードに要求される通信速度を満たす前記第2の通信モードが設定されている状態において通信に影響する所定の要因が発生したことにしたがって、前記有線通信インターフェースを
前記第2の通信モードよりも通信速度の遅い第1の通信モードに設定する手段と、
次に実行する撮像の撮像条件を取得する手段と、
前記所定の要因の発生に基づき前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記第1の撮像モードでの撮像を実行し、前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定された状態において第2の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースを第2の通信モードに設定してから前記第2の撮像モードでの撮像を実行する手段と、を有することを特徴とする医療用撮像装置。
【請求項2】
前記第2の撮像モードの撮像で得られるデータ量は、前記第1の撮像モードの撮像で得られるデータ量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療用撮像装置。
【請求項3】
前記撮像条件は、伝送に係るフレームレート及びフレームサイズのうちの少なくともいずれかに関連する条件を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の医療用撮像装置。
【請求項4】
前記撮像条件は、画像データのデータ量に関連する条件であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項5】
前記第1の通信モードと前記第2の通信モードでは伝送に係る通信の制約が異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項6】
前記第1の通信モードと前記第2の通信モードでは伝送に係る通信速度の上限の設定が異なることを特徴とする請求項5に記載の医療用撮像装置。
【請求項7】
前記伝送に係る通信速度の上限は撮像モードに応じて要求される通信速度に基づき決定されることを特徴とする請求項6に記載の医療用撮像装置。
【請求項8】
前記通信モードの設定にともなって報知情報を出力部に報知させる報知手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記通信モードの設定に関してエラーが発生した場合に、前記報知情報を前記出力部に報知させることを特徴とする請求項8に記載の医療用撮像装置。
【請求項10】
前記医療用撮像装置は、放射線に基づき放射線画像を取得する放射線撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の放射線撮像装置と、放射線を発生させる放射線発生装置とを含むことを特徴とする医療用撮像装置。
【請求項12】
医療用画像を取得する医療用撮像装置と、前記医療用撮像装置との間で同期に係る処理をおこなう同期制御装置と、を備える医療用撮像システムにおいて、
前記同期制御装置は、
前記医療用撮像装置と通信するための有線通信インターフェースであって、
第1の通信モードと第2の通信モードを含む複数の通信モードのうちのいずれかの通信モードに設定可能な有線通信インターフェースと、
第1の撮像モードおよび第2の撮像モードに要求される通信速度を満たす前記第2の通信モードが設定されている状態において通信に影響する所定の要因が発生したことにしたがって、前記有線通信インターフェースを
前記第2の通信モードよりも通信速度の遅い第1の通信モードに設定する手段と、
次
に実行する撮像の撮像条件を取得する手段と、
前記所定の要因の発生に基づき前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記医療用撮像装置に前記第1の撮像モードでの撮像を実行させ、前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定された状態において第2の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースを第2の通信モードに設定してから前記医療用撮像装置に前記第2の撮像モードでの撮像を実行させる手段と、を有することを特徴とする医療用撮像システム。
【請求項13】
前記第1の撮像モードは、連続撮影、静止画撮影、トモシンセシス撮影のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の医療用撮像装置。
【請求項14】
前記第2の撮像モードは、透視撮影であることを特徴とする請求項2に記載の医療用撮像装置。
【請求項15】
前記所定の
要因はノイズであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項16】
前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記第1の撮像モードでの撮像を実行した後、前記有線通信インターフェースを第3の通信モードに設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項17】
前記有線通信インターフェースを用いる通信の情報として、データレート 、単位時間当たりのパケット損失量、ラウンドトリップタイム、及びパケットバッファの占有率のいずれかを取得する手段を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項18】
医療用画像を取得する医療用撮像装置において、
外部装置と通信するための無線通信インターフェースであって、
第1の通信モードと第2の通信モードを含む複数の通信モードのうちのいずれかの通信モードに設定可能な無線通信インターフェースと、
第1の撮像モードおよび第2の撮像モードに要求される通信速度を満たす前記第2の通信モードが設定されている状態において通信に影響する所定の要因が発生したことにしたがって、前記無線通信インターフェースを
前記第2の通信モードよりも通信速度の遅い第1の通信モードに設定する手段と、
次
に実行する撮像の撮像条件を取得する手段と、
前記所定の要因の発生に基づき前記無線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記無線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記第1の撮像モードでの撮像を実行し、前記無線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定された状態において第2の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記無線通信インターフェースを第2の通信モードに設定してから前記第2の撮像モードでの撮像を実行する手段と、を有することを特徴とする医療用撮像装置。
【請求項19】
前記第2の撮像モードの撮像で得られるデータ量は、前記第1の撮像モードの撮像で得られるデータ量よりも大きいことを特徴とする請求項
18に記載の医療用撮像装置。
【請求項20】
前記撮像条件は、伝送に係るフレームレート及びフレームサイズのうちの少なくともいずれかに関連する条件を含むことを特徴とする請求項
18または19に記載の医療用撮像装置。
【請求項21】
前記撮像条件は、画像データのデータ量に関連する条件であることを特徴とする請求項
18乃至20のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項22】
前記第1の通信モードと前記第2の通信モードでは伝送に係る通信の制約が異なることを特徴とする請求項
18乃至21のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項23】
前記第1の通信モードと前記第2の通信モードでは伝送に係る通信速度の上限の設定が異なることを特徴とする請求項
22に記載の医療用撮像装置。
【請求項24】
前記伝送に係る通信速度の上限は撮像モードに応じて要求される通信速度に基づき決定されることを特徴とする請求項
23に記載の医療用撮像装置。
【請求項25】
前記通信モードの設定にともなって報知情報を出力部に報知させる報知手段を更に備えることを特徴とする請求項
18乃至24のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項26】
前記報知手段は、前記通信モードの設定に関してエラーが発生した場合に、前記報知情報を前記出力部に報知させることを特徴とする請求項
25に記載の医療用撮像装置。
【請求項27】
前記医療用撮像装置は、放射線に基づき放射線画像を取得する放射線撮像装置であることを特徴とする請求項
18乃至26のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項28】
前記第1の撮像モードは、連続撮影、静止画撮影、トモシンセシス撮影のいずれかであることを特徴とする請求項
19に記載の医療用撮像装置。
【請求項29】
前記第2の撮像モードは、透視撮影であることを特徴とする請求項
19に記載の医療用撮像装置。
【請求項30】
前記所定の
要因はノイズであることを特徴とする請求項
18乃至29のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項31】
前記無線通信インターフェースを用いる通信の情報としてRSSI、S/N比のいずれかを取得する手段を有することを特徴とする請求項
18乃至29のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項32】
前記無線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記無線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記第1の撮像モードでの撮像を実行した後、前記無線通信インターフェースを第3の通信モードに設定することを特徴とする請求項
18乃至31のいずれか1項に記載の医療用撮像装置。
【請求項33】
請求項
27に記載の放射線撮像装置と、放射線を発生させる放射線発生装置とを含むことを特徴とする医療用撮像装置。
【請求項34】
医療用画像を取得する医療用撮像装置と、前記医療用撮像装置との間で同期に係る処理をおこなう同期制御装置と、を備える医療用撮像システムにおいて、
前記同期制御装置は、
前記医療用撮像装置と通信するための無線通信インターフェースであって、
第1の通信モードと第2の通信モードを含む複数の通信モードのうちのいずれかの通信モードに設定可能な無線通信インターフェースと、
第1の撮像モードおよび第2の撮像モードに要求される通信速度を満たす前記第2の通信モードが設定されている状態において通信に影響する所定の要因が発生したことにしたがって、前記無線通信インターフェースを
前記第2の通信モードよりも通信速度の遅い第1の通信モードに設定する手段と、
次
に実行する撮像の撮像条件を取得する手段と、
前記所定の要因の発生に基づき前記無線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記無線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記医療用撮像装置に前記第1の撮像モードでの撮像を実行させ、前記無線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定された状態において第2の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記無線通信インターフェースを第2の通信モードに設定してから前記医療用撮像装置に前記第2の撮像モードでの撮像を実行させる手段と、を有することを特徴とする医療用撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用撮像装置及び医療用撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の撮像結果に応じた静止画像や動画像を電子的なデータとして記録する技術が一般的に知られている。なお、以降の説明では、静止画像と動画像とを特に区別しない場合には、単に「画像」と称する場合がある。このような画像を電子的なデータとして記録する技術は、患部(被写体)の画像を撮像する所謂医療用撮像装置にも適用されている。医療用撮像装置の一例としては、例えば、被写体を透過した放射線(例えば、X線等)の検出結果を利用して患部(被写体)の放射線画像を撮像する放射線撮像装置が知られている。特に近年では、リアルタイムで患部の撮像結果に応じた放射線画像を提示可能な放射線撮像装置も提案されている。また、近年では、FPD(Flat Panel Detector)と称される、フラットパネル式の放射線撮像装置も提案されている。例えば、特許文献1には、放射線撮像システムを含む放射線撮像システムの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医療用撮像装置による撮像結果に応じて生成される画像データは、撮像条件に応じてデータ量が異なる場合がある。具体的な一例として、一般的には、動画像の画像データの方が、静止画像の画像データに比べてデータ量がより大きくなる傾向にある。そのため、撮像条件に応じて、画像データの伝送により適した通信条件が異なる場合がある。
【0005】
このような背景から、例えば、静止画像の撮像にあわせて通信条件が設定されている状況下で、動画像の撮像が行われる場合に、動画像の画像データを伝送するために十分な通信速度が得られず、結果として動画像を利用した患部の観察が困難となる場合がある。一方で、通信条件の変更が行われる場合には、新たな通信条件が設定されるまでに待機時間が発生する場合がある。このような待機時間の発生に伴い、患部の撮像に係るサイクルタイムが長くなり、結果として使い勝手が低下する場合がある。
【0006】
本発明は上記の問題を鑑み、撮像条件が変更可能な状況下において、撮像結果に応じた画像データをより好適な態様で伝送可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の医療用撮像装置は、医療用画像を取得する医療用撮像装置において、外部装置と通信するための有線通信インターフェースであって、第1の通信モードと第2の通信モードを含む複数の通信モードのうちのいずれかの通信モードに設定可能な有線通信インターフェースと、第1の撮像モードおよび第2の撮像モードに要求される通信速度を満たす前記第2の通信モードが設定されている状態において通信に影響する所定の要因が発生したことにしたがって、前記有線通信インターフェースを前記第2の通信モードよりも通信速度の遅い第1の通信モードに設定する手段と、次に実行する撮像の撮像条件を取得する手段と、前記所定の要因の発生に基づき前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定されている状態において第1の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースにおける通信モードの設定を変更せずに前記第1の撮像モードでの撮像を実行し、前記有線通信インターフェースに前記第1の通信モードが設定された状態において第2の撮像モードに対応する撮像条件を取得した場合は前記有線通信インターフェースを第2の通信モードに設定してから前記第2の撮像モードでの撮像を実行する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像条件が変更可能な状況下において、撮像結果に応じた画像データをより好適な態様で伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】放射線撮像システムのシステム構成の一例を示した図である。
【
図2】放射線撮像システムの概略構成の一例を示した図である。
【
図3】放射線撮像システムの処理の一例を示したフローチャートである。
【
図4】放射線撮像システムの処理の他の一例を示したシーケンス図である。
【
図5】ユーザへの情報の報知に際し提示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態として、本開示に係る技術を放射線撮像システムに適用した場合の一例について説明する。なお、本開示において、放射線撮像システムとは、被写体である患者に対してX線等の放射線を曝射し、患者を透過した当該放射線を検出することで患部の撮像画像を撮像するシステムである。
【0012】
(システム構成)
図1を参照して、本実施形態に係る放射線撮像システム100のシステム構成の一例について説明する。放射線撮像システム100は、放射線撮像装置111と、放射線発生装置112と、情報処理装置130と、同期制御装置120と、を含む。また、放射線撮像システム100は、アクセスポイント140を含んでもよい。
放射線撮像装置111、放射線発生装置112、情報処理装置130、同期制御装置120、及びアクセスポイント140は、所定のネットワークを介して接続されており、相互に情報を送受信することが可能である。具体的には、
図1に示す例では、放射線撮像装置111、放射線発生装置112、情報処理装置130、及びアクセスポイント140間の通信を、同期制御装置120が仲介するように各装置間が接続されている。
なお、上述した各装置間を接続するネットワークの種別は特に限定されない。具体的な一例として、上記ネットワークは、インターネット、専用線、LAN(Local Area Network)、または、WAN(Wide Area Network)等により構成されていてもよい。また、上記ネットワークは、有線のネットワークにより構成されていてもよいし、無線のネットワークにより構成されていてもよい。また、上記ネットワークは、複数のネットワークを含んでもよく、一部のネットワークとして、他のネットワークと異なる種別のネットワークが適用されてもよい。また、上述した各装置間の通信が論理的に確立されていればよく、上記ネットワークの物理的な構成は特に限定されない。具体的な一例として、上述した各装置間のうち少なくとも2以上の装置間の通信が他の通信装置等により中継されてもよい。
【0013】
放射線発生装置112は、例えば、X線等のような放射線113を発生させ、この放射線113を被写体H(例えば、患者)に向けて曝射する。放射線発生装置112は、電子を高電圧で加速して陽極に衝突させることで放射線113を発生させる放射線管を備える。なお、放射線113は、X線に限らず、例えば、α線、β線、またはγ線であってもよい。また、発生させる放射線に応じて、放射線発生装置112の構成の少なくとも一部が変更されてもよい。
【0014】
放射線撮像装置111は、被写体Hの放射線画像の撮像を行う。具体的には、放射線撮像装置111は、放射線発生装置112から曝射され、被写体H(患者)を透過した放射線113を検出し、当該検出結果に応じた患部の放射線画像(撮像画像)の画像データを生成する。また、放射線撮像装置111は、放射線画像の撮像に係る撮像条件を制御可能に構成されている。なお、当該撮像条件の制御の一例については詳細を別途後述する。また、放射線撮像装置111は、FPD等のような可搬型の放射線撮像装置として構成されていてもよい。
【0015】
同期制御装置120は、少なくとも放射線撮像装置111及び放射線発生装置112のそれぞれにネットワークを介して接続され、放射線撮像装置111及び放射線発生装置112による放射線画像の撮像に係る動作を制御する。具体的な一例として、同期制御装置120は、放射線発生装置112に放射線113を曝射させ、放射線撮像装置111に被写体Hを透過した当該放射線113を検出させることで放射線画像を撮像させる。この際に、同期制御装置120は、放射線発生装置112による放射線113の曝射タイミングと、放射線撮像装置111による被写体Hを透過した当該放射線113の検出タイミングと、の同期に係る制御を行ってもよい。同期制御装置120は、複数のネットワーク機器を接続するための通信インタフェース(例えば、ハブ等)を備えてもよい。
【0016】
アクセスポイント140は、放射線撮像装置111及び情報処理装置130等の装置間を無線のネットワークを介して接続する電波中継器である。例えば、
図1に示す例では、アクセスポイント140は、同期制御装置120に有線のネットワークを介して接続されている。これにより、同期制御装置120は、情報処理装置130等の他の装置から無線のネットワークを介して各種情報や各種データが送信された場合にも、アクセスポイント140を介してこれらの情報やデータを受信することが可能となる。また、同期制御装置120は、アクセスポイント140を利用することで、各種情報や各種データを、無線のネットワークを介して他の装置に送信することも可能となる。
【0017】
情報処理装置130は、放射線撮像装置111により撮像された放射線画像の提示や、放射線画像の撮像に係る指示の受け付けを行う。具体的には、情報処理装置130は、入力装置132を介してユーザからの放射線画像の撮像に係る指示を受け付ける。また、情報処理装置130は、ユーザに対して出力装置131を介して放射線画像の提示を行う。
【0018】
入力装置132は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、及びペダル等の操作デバイスにより実現され得る。また、入力装置132として適用されるデバイスは、情報処理装置130に対してユーザが指示を行う方法(換言すると、情報処理装置130の操作方法)に応じて適宜変更されてもよい。例えば、情報処理装置130が、音声入力によりユーザからの指示を受け付ける場合には、入力装置132は、マイクロフォン等のような音声の入力を受け付ける集音デバイスにより実現され得る。
【0019】
出力装置131は、例えば、ディスプレイ等のように、各種表示情報や画面等を表示することでユーザに情報を提示する表示デバイスにより実現され得る。また、出力装置131は、音声や電子音等の音響によりユーザに対して情報を提示可能に構成されていてもよい。この場合には、出力装置131は、スピーカ等のような音響を出力する音響出力デバイスを含んでもよい。
【0020】
また、情報処理装置130は、ネットワーク150に接続されることで、当該ネットワーク150を介して他の装置との間で情報の送受信を行ってもよい。具体的な一例として、ネットワーク150は、病院内に構築されたネットワーク(例えば、LAN:Local Area Network)であってもよい。このような構成により、例えば、情報処理装置130は、放射線撮像装置111により撮像された放射線画像の画像データを、ネットワーク150を介して他の装置に転送することも可能となる。
【0021】
放射線撮像システム100は、以上のような構成に基づき、被写体Hの撮像に際し、同期撮影と非同期撮影とのうちのいずれかを選択的に適用することが可能である。同期撮影とは、放射線撮像装置111と放射線発生装置112との間での電気的な同期信号の送受信等に基づき、放射線の曝射タイミングと、当該放射線の検出タイミング(放射線画像の撮像タイミング)と、を同期させる撮像方法である。これに対して、非同期撮影は、上述した同期信号の送受信等に基づく同期を伴わずに、放射線撮像装置111が放射線の入射を検知し、当該検知結果に応じた放射線画像を撮像する撮像方法である。
【0022】
非同期撮影が行われる場合には、放射線発生装置112と放射線撮像装置111との間に同期制御装置120が介在しなくてもよい。この場合には、放射線撮像装置111は、放射線発生装置112から曝射された放射線113を検知すると、画像信号(電荷)の蓄積を行い、当該画像信号の蓄積結果に基づき放射線画像を生成する。このような特性から、主に、非同期撮影による放射線画像の撮像を想定し、同期撮影による放射線画像の撮像を想定していない場合には、放射線撮像システム100は、同期制御装置120を含まなくてもよい。
また、非同期撮影が行われる場合には、撮像結果に応じた放射線画像(撮像画像)の出力先は特に限定されない。例えば、放射線撮像装置111は、撮像結果に応じた放射線画像を、ネットワークを介して他の装置(情報処理装置130等)に転送してもよい。また、他の一例として、放射線撮像装置111は、撮像結果に応じた放射線画像を、アクセス可能な所定の記憶領域(例えば、内蔵する記憶部等)に記憶させてもよい。
【0023】
また、放射線撮像システム100は、多様な撮像条件に応じた各種撮像方法により放射線画像の撮像が可能である。放射線画像の撮像方法の一例としては、例えば、透視、連続撮影、静止画撮影、DSA(Digital Subtraction Angiography)撮影、ロードマップ撮影、プログラム撮影、断層撮影、トモシンセシス撮影等が挙げられる。また、適用される撮像方法に応じて、各種撮像条件が制御される。
放射線画像の撮像に係る撮像条件には、例えば、撮影フレームレート、管電圧、管電流、センサ読出しエリア、センサ駆動ビニング設定、コリメータ絞り設定、及び放射線ウインドウ幅等に関する条件が含まれてもよい。また、当該撮像条件には、自動電圧制御設定(ADC:Auto Dose Contorol)、及び自動曝射制御設定(AEC:Auto Exposure Contorol)等に関する条件が含まれてもよい。また、当該撮像条件には、撮像結果に応じた放射線画像(撮像画像)を、放射線撮像装置111に撮り溜めるか否かに関する条件が含まれてもよい。
【0024】
具体的な一例として、撮像方法として「透視」が選択されている場合には、放射線発生装置112からパルス状の放射線が曝射され、当該曝射に同期するように、放射線撮像装置111による当該放射線の検出が制御される(すなわち、同期撮影が行われる)。この場合には、放射線撮像システム100は、センサ読み出しエリアの設定や、センサ駆動ビニングの設定等を行う場合がある。なお、ビニングとは、複数の画素を1つの画素に見立てて画像信号を読み出す処理である。
【0025】
また、他の一例として、撮像方法として「トモシンセシス撮影」が選択される場合の一例が挙げられる。トモシンセシス撮影は、放射線管を移動させて異なる角度から被写体Hに向けて放射線を曝射し、当該放射線の検出結果(撮像結果)に応じて得られる投影画像から所望の断層画像を得る撮像方法である。撮像方法としてトモシンセシス撮影が選択されている場合には、放射線撮像装置111は、撮像された放射線画像の画像データを所定の記憶領域に記憶させてもよい。この場合には、放射線撮像装置111は、撮像ごとのタイミングや、一連の撮像の終了後のタイミング等のような所望のタイミングで、上記記憶領域に記憶させた画像データを情報処理装置130等の他の装置に転送してもよい。このような制御が適用されることで、放射線画像の撮像を効率よく行うことが可能となる。
【0026】
(概略構成)
続いて、
図2を参照して、放射線撮像システム100の概略構成の一例について、特に、放射線撮像装置111の主要部の概略的な構成に着目して説明する。放射線撮像装置111は、放射線検出部201と、駆動回路205と、読出回路206と、ADC207と、画像処理部218とを含む。また、放射線撮像装置111は、第二通信部211と、第二制御部212と、電源制御部213と、バッテリ部214と、外部電源部215と、電源ボタン216と、記憶部217とを含む。
【0027】
電源ボタン216は、放射線撮像装置111の各構成部へ電力供給の開始及び停止に係る指示をユーザから受け付ける操作部である。なお、電源ボタン216に相当する操作部を、便宜上「ボタン」として説明しているが、当該操作部を実現するためのハードウェア構成は必ずしもボタンのみには限定されない。具体的な一例として、電源ボタン216に相当する操作部が、スイッチ、レバー、ダイヤル等のようなボタン以外の他の操作デバイスにより実現されてもよい。すなわち、放射線撮像装置111の各構成部へ電力供給の開始及び停止に係る指示をユーザから受け付けることが可能であれば、電源ボタン216に相当する操作部のハードウェア構成は適宜変更されてもよい。
ユーザは、電源ボタン216を操作することで撮影の準備を行う。
なお、電源ボタン216が設置される位置については、放射線撮像装置111による放射線の検出に係る処理が妨げられない位置であれば特に限定されない。具体的には、放射線撮像装置111の筐体のうち、当該放射線撮像装置111に対して放射線が入射する方向の面以外の他の面(例えば、側面)に電源ボタン216が設けられていてもよい。
【0028】
バッテリ部214は、放射線撮像装置111に接続されたバッテリから、放射線撮像装置111の各構成部に対して所定の電圧の電力を供給する。具体的な一例として、バッテリ部214は、放射線画像の撮像に係る準備動作(以下、「撮像準備動作」とも称する)を検知するために、当該検知の役割を担う構成(例えば、第二通信部211や第二制御部212等)に対して電力を供給してもよい。バッテリとしては、例えば、リチウムイオン電池や、電気二重層コンデンサ等が用いられる。
【0029】
外部電源部215は、放射線撮像装置111に接続された外部の電源から、放射線撮像装置111の各構成部に対して所定の電圧の電力を供給する。
【0030】
電源制御部213は、電源ボタン216の操作状況に応じて、バッテリ部214や外部電源部215から供給される電力を、放射線撮像装置111の各構成部へ供給する。具体的には、電源制御部213は、バッテリ部214や外部電源部215から印可される電圧を、所定の電圧に変圧したうえで、変圧後の当該電力を、放射線撮像装置111の各構成部へ供給する。
また、電源制御部213は、バッテリ部214と外部電源部215とのいずれを、電力の供給元として利用するかを選択的に切り替えてもよい。具体的な一例として、電源制御部213は、放射線撮像装置111に対して外部の電源が接続されておらず、外部電源部215からの電力供給が困難な場合には、電力の供給元としてバッテリ部214を選択してもよい。
また、電源制御部213は、放射線撮像装置111に接続されたバッテリの状態の監視を行ってもよい。具体的な一例として、電源制御部213は、当該バッテリに蓄電された電力の残量(以下、「バッテリ残量」とも称する)の監視を行ってもよい。このようにバッテリ残量の監視が行われることで、例えば、監視結果に応じてユーザに情報を報知したり、電力の供給先を制限したりすることが可能となる。
【0031】
放射線検出部201は、放射線発生装置112から曝射され、被写体Hを透過した放射線113を検出し、当該検出結果に応じた画像信号を出力する。具体的には、放射線検出部201は、放射線を電気信号に変換したうえで、当該電気信号を蓄積し、所定の制御信号をトリガとして、当該電気信号の蓄積結果を画像信号として所定の出力先(例えば、読出回路206)に出力する。なお、放射線を電気信号に変換する方法は特に限定されない。具体的な一例として、放射線検出部201は、蛍光体を利用して放射線を可視光に変換したうえで、光電変換素子を利用して当該可視光を電気信号に変換するように構成されていてもよい。また、他の一例として、放射線検出部201は、放射線を直接電気信号に変換するように構成されていてもよい。
駆動回路205は、2次元状に配設された複数の画素202の中から、画像信号の読み出しの対象とする画素202を順次選択し、当該画素202のスイッチ素子204に対して駆動信号を供給する。
読出回路206は、各画素202の変換素子203に蓄積された画像信号を読み出し、当該画像信号を所定の出力先に出力する。
【0032】
具体的には、放射線検出部201は、行方向及び列方向のそれぞれに沿って2次元状に配設された複数の画素202を含む。
画素202は、変換素子203と、スイッチ素子204とを含む。変換素子203は、上述した放射線の検出、当該放射線から電気信号への変換、及び当該変換により得られる電気信号の蓄積等を行う。なお、電気信号の蓄積については、例えば、画素202が含むコンデンサ等の素子により実現される。
スイッチ素子204は、変換素子203と、後述する読出回路206に接続された信号線と、の間の接続関係を、後述する駆動回路205から供給される駆動信号に基づき、導通状態と非導通状態との間で選択的に切り替える。
より具体的には、駆動回路205による画素202の選択結果応じて、当該画素202のスイッチ素子204に駆動信号が供給されると、当該スイッチ素子204が導通状態に遷移する。これにより、変換素子203に蓄積された画像信号が、信号線を介して読出回路206に出力される。以上のような構成に基づき、例えば、駆動回路205により行ごとに画素202が順次選択され、当該画素202の変換素子203に蓄積された画像信号(アナログ信号)が、列ごとに画素202に接続された信号線を介して読出回路206に出力される。
なお、放射線検出部201、駆動回路205、及び読出回路206等のように、放射線の検出結果に応じた画像信号の取得に係る構成、すなわち、放射線画像の撮像に係る構成が、「撮像手段」の一例に相当する。
【0033】
読出回路206は、各画素202に接続された信号線を介して各画素202から出力されるアナログの画像信号に対して、増幅等の信号処理を施したうえで、ADC207に出力する。例えば、
図2に示す例の場合には、列ごとに各画素202に接続された信号線を介して行ごとに対応する画素202からアナログの画像信号が読出回路206に順次出力され、読出回路206は、当該画像信号それぞれに対して信号処理を施す。このような特性から、読出回路206は、画像信号に対して施す信号処理に応じた回路を含む。具体的な一例として、読出回路206は、画像信号の振幅を増幅させる場合には、増幅回路を含み得る。
【0034】
ADC207は、入力されたアナログ信号をデジタル信号にA/D変換し、変換後のデジタル信号を所定の出力先に出力する。具体的には、
図2に示す例の場合には、ADC207は、読出回路206から出力されたアナログの画像信号を、デジタルの画像信号に変換し、当該デジタルの画像信号を画像処理部218に出力する。
【0035】
記憶部217は、各種データや各種情報を記憶する記憶領域である。記憶部217は、例えば、ADC207から出力されるデジタルの画像信号に基づき生成された放射線画像の画像データを記憶してもよい。また、記憶部217は、生成された画像データに関連する各種情報を記憶してもよい。画像データに関連する情報としては、例えば、技師の識別情報である技師ID、患者の識別情報である患者ID、撮像条件(例えば、撮像時刻、撮像線量、撮像部位、撮像枚数等)、及び画像データの転送履歴等が挙げられる。
記憶部217は、データや情報の書き込みや、記憶されたデータや情報の読み出しが可能な記憶デバイスにより実現され得る。具体的な一例として、記憶部217は、SSD(Solid State Drive)等のような不揮発性メモリにより実現され得る。また、他の一例として、記憶部217は、HDD(Hard Disk Drive)のような補助記憶装置により実現されてもよい。また、他の一例として、記憶部217は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)のような揮発性メモリにより実現されてもよい。また、他の一例として、記憶部217は、SDカードのような、装置に対して所定のドライブを介して着脱することが可能な記録媒体により実現されてもよい。
【0036】
画像処理部218は、ADC207から出力されるデジタルの画像信号に基づき、放射線画像の画像データを生成する。また、画像処理部218は、生成した画像データに対して各種画像処理を施してもよい。
また、画像処理部218は、生成した画像データに対して、当該画像データに関連する各種情報を関連付けてもよい。具体的な一例として、画像処理部218は、生成した画像データに対して、被写体Hである患者に関する情報を関連付けてもよい。また、画像処理部218は、生成した画像データに対して、撮像条件に関する情報を関連付けてもよい。
画像処理部218は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)等のような演算処理装置により実現される。
【0037】
第二制御部212は、放射線撮像装置111の各機能の動作の制御や各種判定を行う。具体的には、第二制御部212は、駆動回路205による放射線検出部201を構成する各画素202の選択に係る動作の制御や、読出回路206による各画素202からの画像信号の読み出しに係る動作の制御を行う。また、第二制御部212は、電源制御部213、記憶部217、及び第二通信部211の動作の制御を行う。また、第二制御部212は、第二通信部211の動作の制御として、外部機器との通信に係る通信条件(換言すると、通信モード)の判定や、当該通信条件の制御を行う。
第二制御部212は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のような演算処理装置により実現される。
【0038】
ここで、第二制御部212の動作について、特に、本実施形態に係る放射線撮像システム100に特徴的な部分に着目して説明する。
第二制御部212は、各種動作に基づき、他の装置との通信に係る通信条件(換言すると、通信モード)と、放射線画像の撮像に係る撮像条件(換言すると、撮像モード)と、の判定を行う。具体的な一例として、第二制御部212は、情報処理装置130と放射線撮像装置111との間の通信の確立に係る動作や、情報処理装置130と同期制御装置120との間の通信の確立に係る動作に応じて、通信条件及び撮像条件の判定を行ってもよい。また、他の一例として、第二制御部212は、放射線画像の撮像条件(撮像モード)の切り替えに係る動作に応じて、通信条件及び撮像条件の判定を行ってもよい。また、他の一例として、第二制御部212は、読出回路206への電力供給に係る電源の投入に応じて、通信条件及び撮像条件の判定を行ってもよい。そして、第二制御部212は、上記判定の結果に応じて、通信条件の制御を行ってもよい。
【0039】
なお、通信の確立に係る動作については、通信の種別や通信方法に応じて適宜変更されてもよい。例えば、Ether規格に基づく有線のネットワークを介した通信においては、オートネゴシエーション等の機能によって、通信速度の上限の決定や、有線ケーブルのタイプ(半2重/全2重)の決定に係る動作が、通信の確立に係る動作の一例に相当する。また、Wifi(登録商標)やBlutooth(登録商標)等の通信規格に基づく無線のネットワークを介した通信においては、ビーコンのスキャン、アソシエーション、及び認証の完了等に係る動作が、通信の確立に係る動作の一例に相当する。また、通信の種別(例えば、有線と無線とのいずれか等)に関わらず、TCP/IPによる3Wayハンドシェイク等のような通信プロトコルごとの通信の確立に係る手続きが、通信の確立に係る動作として認識されてもよい。また、他の一例として、各種アプリケーションによる接続完了の判断が、通信の確立に係る動作として認識されてもよい。
【0040】
また、第二制御部212は、情報処理装置130からの指示に応じて放射線画像の撮像に適用される撮像条件(撮像モード)の判定を行う。そして、第二制御部212は、撮像条件の判定結果に応じて、駆動回路205及び読出回路206の動作を制御することで、放射線検出部201に放射線画像の撮像を行わせ、画像処理部218に当該撮像の結果に応じた画像データの生成を行わせる。
具体的には、駆動回路205及び読出回路206が協調して動作することで、2次元状に配設された一連の画素202のうち画像信号の読み出しの対象となる行を順次切り替えることで、当該一連の画素202それぞれからの画像信号の読み出しが行われる。以上のようにして、一連の画素202それぞれからから読み出されたアナログの画像信号は、ADC207によりデジタルの画像信号に変換される。その後、画像処理部218が、ADC207から出力されるデジタルの画像信号に基づき、放射線画像の画像データを生成する。また、このとき第二制御部212は、画像処理部218に対して、生成された画像データに対する、患者に関する情報や撮像条件に関する情報等のような当該画像データに関連する情報の関連付けを指示してもよい。
そして、第二制御部212は、生成された画像データをパケタイズしたうえで情報処理装置130に送信するように、第二通信部211に指示する。
【0041】
第二通信部211は、情報処理装置130や同期制御装置120等のような他の装置との間で、各種データや各種情報の送受信を行う。第二通信部211は、他の装置との間での通信の種別(例えば、伝送路の種別)や通信方式に応じて、当該通信に使用するモジュールを選択的に切り替え可能に構成されている。このような特性から、第二通信部211は、他の装置との間での利用が想定される通信の種別や方式に応じたモジュールを備えていることが望ましい。具体的な一例として、第二通信部211は、有線での通信の利用が想定される場合には有線通信モジュールを備えているとよく、無線での通信の利用が想定される場合には無線通信モジュールを備えているとよい。また、第二通信部211が有線通信モジュールのみを備える場合においても、通信方式を有線通信と無線通信との間で相互に変換する変換モジュールに接続させることで、無線通信を実現することも可能である。
なお、本実施形態では、便宜上、第二通信部211は、有線通信モジュール及び無線通信モジュールの双方を備え、これらのモジュールを選択的に切り替えて利用可能であるものとする。
【0042】
第二通信部211は、通信の状況に応じて当該通信に関する各種情報を取得する。取得される当該情報の具体的な一例として、データレート、単位時間当たりのパケット損失量、ラウンドトリップタイム(RTT:Round Trip Time)、及びパケットバッファの占有率等が挙げられる。また、無線の通信が利用されている場合には、無線通信における受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、及びS/N比(SNR:Signal to Noise Ratio)等の情報も取得され得る。
【0043】
第二通信部211は、通信条件を制御可能に構成されている。
例えば、第二通信部211は、有線の通信が利用されている場合には、有線の通信に係る各種条件を制御してもよい。具体的な一例として、第二通信部211は、ジャンボパケットのフレームサイズ上限値、省電力モード、リンク速度、及び送受信方向等を制御してもよい。なお、省電力モードの具体的な一例としては、省電力型イーサネット(登録商標)(Energy Efficient Ethernet)機能等が挙げられる。
同様に、第二通信部211は、無線の通信が利用されている場合には、無線の通信に係る各種条件を制御してもよい。具体的な一例として、第二通信部211は、無線通信に利用する周波数帯域、無線信号の変調方式、及び無線信号の信号強度等を制御してもよい。
【0044】
第二制御部212は、他の装置との通信に適用される通信条件に関する情報を第二通信部211から取得する。取得される情報としては、例えば、通信速度の上限等のような、通信の制約に関連する情報が挙げられる。なお、各種通信条件のプリセットごとに通信モードが設定されており、通信モードの切り替えにより通信条件が制御されてもよい。この場合には、第二制御部212は、設定されている通信モードに関する情報を第二通信部211から取得してもよい。
また、第二制御部212は、情報処理装置130等から放射線撮像装置111に通知される放射線画像の撮像に係る各種指示に基づき、放射線画像の撮像に適用される撮像条件を認識する。なお、放射線撮像装置111に通知される当該指示が、「撮像条件に関する情報」の一例に相当する。また、各種撮像条件のプリセットごとに撮像モードが設定されており、撮像モードの切り替えにより撮像条件が制御されてもよい。この場合には、第二制御部212は、撮像条件に関する情報として、適用される撮像モードに関する情報を情報処理装置130等から取得してもよい。
なお、第二制御部212が、上記通信条件(通信モード)に関する情報と、上記撮像条件(撮像モード)に関する情報と、を取得することが可能であれば、これらの情報が記憶される記憶領域は特に限定されない。具体的な一例として、放射線撮像装置111、同期制御装置120、及び情報処理装置130のうちの少なくともいずれかが備える記憶領域(例えば、不揮発性メモリや補助記憶装置等)に、上記情報が記憶されていてもよい。また、他の一例として、放射線撮像装置111、同期制御装置120、及び情報処理装置130のうちの少なくともいずれかで動作するプログラム内に上記情報が保持されていてもよい。この場合には、当該プログラムが実行されることで動作するプロセスが、各種指示に基づき上記情報を出力すればよい。
【0045】
そして、第二制御部212は、撮像準備動作において、撮像条件(撮像モード)に関する情報に基づき、通信条件(通信モード)の制御を行うべきか否かの判定を行う。この際に、第二制御部212は、取得した通信条件(通信モード)に関する情報を鑑みて、通信条件を制御するか否かを決定してもよい。具体的な一例として、第二制御部212は、撮像条件に基づき適用する通信条件を決定したうえで、当該通信条件と現在設定されている通信条件との比較に基づき、通信条件の制御を行うべきか否かを決定してもよい。
【0046】
第二制御部212は、通信条件の制御を行うべきと判定した場合には、第二通信部211による他の装置との間の通信(特に、放射線画像の画像データの伝送)に係る通信条件の制御を行う。具体的な一例として、第二制御部212は、第二通信部211に対して、放射線画像の撮像に係る撮像モードに応じた通信モードを設定する。
一方で、第二制御部212は、通信条件の制御を行わなくともよいと判定した場合には、他の装置との間の通信に係る通信条件(特に、画像データの伝送に係る通信条件)の制御を行わなくてもよい。
そして、第二制御部212は、上記判定と、当該判定の結果に応じた通信条件の制御と、を含む撮像準備動作が完了すると、放射線画像の撮像に係る制御を開始する。
【0047】
第二制御部212は、放射線画像の撮像に際し、駆動回路205及び読出回路206の動作を制御することで、放射線検出部201を構成する各画素202の選択に係る動作や、各画素202からの画像信号の読み出しに係る動作の制御を行う。これにより、各画素202が順次選択され、当該画素202の変換素子203に蓄積された画像信号(電荷)が、当該画素202に接続された信号線を介して読出回路206に出力される。
また、第二制御部212は、画像処理部218に対して、読出回路206により読み出された画像信号に基づく画像データを生成させる。そして、第二制御部212は、第二通信部211に対して、生成された画像データのパケタイズと、当該パケタイズされた当該画像データの他の装置への送信と、を指示する。
【0048】
第二制御部212は、情報処理装置130から送信される撮像条件の制御に係る指示に関するパケットデータに基づき、以降における放射線画像の撮像に適用する撮像条件(撮像モード)を特定してもよい。なお、この際に、同期制御装置120は、情報処理装置130と放射線撮像装置111との間の通信(パケットデータの伝送)を仲介することで、情報処理装置130からの指示に応じた撮像条件(撮像モード)を認識してもよい。
撮像条件に関する情報には、例えば、放射線撮像装置111と情報処理装置130との間での放射線画像の画像データの伝送に係るフレームレートやフレームサイズに関する情報が含まれる。なお、以降では、画像データの伝送に係るフレームレートを「伝送フレームレート」とも称し、当該伝送に係るフレームサイズを「伝送フレームサイズ」とも称する。
【0049】
第二制御部212は、駆動回路205の制御に係る駆動フレームレートと、伝送フレームレートと、が異なる場合には、当該駆動フレームレートとフレームの間引き数とに関する情報をパケットデータとして、情報処理装置130に個別に送信してもよい。
また、撮像条件(撮像モード)と、画像データの伝送に係る通信データ量(換言すると、要求される通信速度)と、の関係が、管理データ(例えば、管理テーブル)としてあらかじめ管理されていてもよい。当該管理データについては、例えば、放射線撮像装置111、同期制御装置120、及び情報処理装置130のうち、特に、撮像条件と通信データ量とのうちの一方から他方の特定を行う構成が読み出し可能な記憶領域にあらかじめ記憶させておくとよい。また、撮像条件と、通信データ量に関する設定と、のそれぞれのプリセットをモードとして管理する場合には、モード番号等の識別情報から対応する撮像条件や通信データ量が特定できるように、管理データが生成されていてもよい。
【0050】
続いて、同期制御装置120及び情報処理装置130の概略構成について、特に、放射線画像の撮像や、撮像結果に応じた放射線画像の画像データの伝送に係る部分に着目して説明する。
【0051】
まず、同期制御装置120について説明する。同期制御装置120は、第一通信部221と、第一制御部222とを含む。
【0052】
第一通信部221は、情報処理装置130や放射線撮像装置111等のような他の装置との間で、各種データや各種情報の送受信を行う。第一通信部221は、他の装置との間での通信の種別(例えば、伝送路の種別)や通信方式に応じて、当該通信に使用するモジュールが適用される。具体的な一例として、第一通信部221は、有線での通信の利用が想定される場合には有線通信モジュールを備えているとよく、無線での通信の利用が想定される場合には無線通信モジュールを備えているとよい。また、第一通信部221は、有線通信モジュール及び無線通信モジュールの双方を備えていてもよい。また、第一通信部221が有線通信モジュールのみを備える場合においても、通信方式を有線通信と無線通信との間で相互に変換する変換モジュールに接続させることで、無線通信を実現することも可能である。
【0053】
第一通信部221は、通信の状況に応じて当該通信に関する各種情報を取得する。有線の通信が利用されている場合に取得される当該情報の具体的な一例として、データレート、単位時間当たりのパケット損失量、ラウンドトリップタイム、及びパケットバッファの占有率等が挙げられる。また、無線の通信が利用されている場合には、無線通信における受信強度、及びS/N比の情報等が取得され得る。
【0054】
第一通信部221を実現するための装置は、各種データや各種情報の伝送に適用する通信の種別や通信方式に応じて決定される。例えば、有線のネットワークを介した通信を利用した各種データや各種情報の伝送を想定した場合には、スイッチングハブ等の通信装置が、第一通信部221の一例に相当し得る。また、他の一例として、無線のネットワークを介した通信を利用した各種データや各種情報の伝送を想定した場合には、アクセスポイント等の通信装置が、第一通信部221の一例に相当し得る。もちろん上記はあくまで一例であり、必ずしも第一通信部221の構成を限定するものではない。例えば、第一通信部221は、互いに異なる種別の通信に利用可能な複数の通信装置を含んでもよい。
【0055】
第一制御部222は、第一通信部221の動作を制御することで、放射線画像の撮像に係るタイミングの制御を行う。具体的な一例として、第一制御部222は、放射線発生装置112及び放射線撮像装置111のそれぞれに対して同期信号が送信されるように制御することで、放射線の曝射タイミングと、当該放射線の検出タイミングと、を同期させる。また、第一制御部222は、放射線発生装置112及び放射線撮像装置111のうち少なくともいずれかと、情報処理装置130と、の間の通信を仲介してもよい。具体的な一例として、第一制御部222は、放射線撮像装置111により生成された放射線画像の画像データが、第一通信部221を介して情報処理装置130に送信されるように、当該第一通信部221の動作を制御してもよい。
【0056】
次いで、情報処理装置130について説明する。情報処理装置130は、第三通信部231と、第三制御部232とを含む。
【0057】
第三通信部231は、同期制御装置120や放射線撮像装置111等のような他の装置との間で、各種データや各種情報の送受信を行う。第三通信部231は、他の装置との間での通信の種別(例えば、伝送路の種別)や通信方式に応じて、当該通信に使用するモジュールが適用される。具体的な一例として、第三通信部231は、有線での通信の利用が想定される場合には有線通信モジュールを備えているとよく、無線での通信の利用が想定される場合には無線通信モジュールを備えているとよい。また、第三通信部231は、有線通信モジュール及び無線通信モジュールの双方を備えていてもよい。また、第三通信部231が有線通信モジュールのみを備える場合においても、通信方式を有線通信と無線通信との間で相互に変換する変換モジュールに接続させることで、無線通信を実現することも可能である。
【0058】
第三通信部231は、通信の状況に応じて当該通信に関する各種情報を取得する。有線の通信が利用されている場合に取得される当該情報の具体的な一例として、データレート、単位時間当たりのパケット損失量、ラウンドトリップタイム、及びパケットバッファの占有率等が挙げられる。また、無線の通信が利用されている場合には、無線通信における受信強度、及びS/N比の情報等が取得され得る。
【0059】
第三制御部232は、第三通信部231の動作を制御することで、放射線撮像装置111への撮像条件の指示や、放射線撮像装置111から送信される画像データに基づく放射線画像の出力等を行うために、同期制御装置120や放射線撮像装置111と通信を行う。
具体的な一例として、第三制御部232は、所定の入力部(例えば、入力装置132)を介してユーザにより指定された撮像条件に関する情報が、放射線撮像装置111に送信されるように制御する。
また、他の一例として、第三制御部232は、放射線撮像装置111から送信された画像データのパケットデータが受信された場合に、受信された一連のパケットデータから画像データを復号する。そして、第三制御部232は、復号された画像データに基づく放射線画像を、所定の出力部(例えば、出力装置131)に出力させることで、当該放射線画像をユーザに提示する。
【0060】
なお、本実施形態では、放射線撮像装置111が備える第二制御部212が通信条件の制御を行う場合の一例について説明したが、放射線撮像装置111とは異なる他の装置が、当該通信条件の制御を行ってもよい。具体的な一例として、放射線画像の画像データが有線の通信を介して放射線撮像装置111から情報処理装置130に伝送される場合は、当該通信を仲介する同期制御装置120が、当該伝送に係る通信条件(通信モード)の制御を行ってもよい。なお、同期制御装置120が通信条件(通信モード)の制御を行う場合の処理の一例については、第2の実施形態として詳細を別途後述する。
【0061】
以上のように、放射線撮像システム100では、第二制御部212は、指定された撮像条件(撮像モード)に応じて、撮像結果に応じた放射線画像の画像データの伝送に係る通信条件(通信モード)を制御する。
【0062】
(実施例)
ここで、実施例として、本実施形態に係る放射線撮像システム100による、撮像条件(撮像モード)に応じた通信条件(通信モード)の制御の一例について、より具体的な例を挙げて説明する。なお、本実施例では、伝送フレームレート、伝送フレームサイズ、ビニング、画素間引き、及び階調圧縮等のような、撮像結果に応じた画像データの伝送に対して適用される条件が互いに異なる複数の撮像モードが規定されているものとする。より具体的な一例として、上記した適用される条件の違いに応じて撮像結果に基づき得られる画像データのデータ量が互いに異なる二つのモードを、便宜上、第一の撮像モード及び第二の撮像モードとも称する。なお、本実施例では、第一の撮像モードよりも第二の撮像モードの方が、撮像結果に基づき得られる画像データのデータ量がより大きいものとする。また、第二制御部212は、放射線画像の撮像に係る撮像準備動作において、撮像結果に応じた画像データの伝送に係る通信モードの判定を行い、適用される撮像モードに応じた通信モードが適用されるように第二通信部211の動作を制御するものとする。
【0063】
第二の撮像モードとして「透視」を行うための撮像モードが設定されている状況下で、撮像前に通信モードがノイズ等の影響により意図せず変更され、通信速度の上限が低下した(すなわち、通信速度がより遅くなった)ものとする。このような場合には、通信速度の上限がより高くなるように(すなわち、通信速度がより速くなるように)、通信モードが改めて変更されることが望ましい場合がある。
一方で、第一の撮像モードとして「連続撮影」や「静止画撮影」を行うための撮像モードが設定されている状況下では、撮像前に通信モードがノイズ等の影響により変更されたとしても、通信モードの変更を行わずに撮像を開始することが望ましい場合がある。
【0064】
また、本実施例では、放射線撮像装置111と情報処理装置130との間の通信を同期制御装置120が仲介するものとする。そのため、本実施例では、放射線撮像装置111と同期制御装置120との間の通信と、同期制御装置120と情報処理装置130との間の通信と、のそれぞれについて通信モードの判定が行われるものとする。
【0065】
「透視」が行われる状況下では、撮像結果に応じた放射線画像の提示に対してリアルタイム性が要求される場合がある。特に、手術前等のような放射線画像の撮像が行われる前に通信速度の上限が低下すると、放射線画像の提示に係るリアルタイム性が損なわれ、利便性が低下する場合がある。そのため、このような状況下では、通信モードの再設定が行われる方がより望ましい。
一方で、「連続撮影」、「静止画撮影」、及び「トモシンセシス撮影」等のような撮像結果に応じた画像データを放射線撮像装置111の記憶領域に撮り溜める撮像条件が適用された場合には、「透視」に比べてリアルタイム性に対する要求がより低い場合がある。このような場合には、通信モードの再設定を行ったうえで通信が行われる場合に比べて、通信モードの再設定を行わずに通信を行う方が、撮像結果に応じた放射線画像の提示に係る期間がより短くなる場合がある。すなわち、このような場合には、通信モードの再設定が行われることで、却って利便性が低下することとなり、通信モードの再設定を行わない方がより望ましい場合がある。
また、放射線撮像装置111の記憶領域に画像データが撮り溜められている場合には、放射線画像の撮像終了後に、情報処理装置130に対して当該画像データを転送することも可能である。そのため、このような場合には、放射線画像の撮像前には通信モードの再設定を行わずに、撮像後に通信モードの再設定を行う方がより望ましい場合もある。
【0066】
なお、実施例として上述した例はあくまで一例であり、放射線画像の撮像に適用される撮像条件(撮像モード)と、通信条件(通信モード)を制御するか否かと、の間の関係については、必ずしも上述した例には限定されない。すなわち、どのような撮像条件が設定された場合に、通信条件を制御するかについては、放射線撮像システム100の利用シーンに応じて適宜変更してもよい。
【0067】
(処理)
続いて、
図3を参照して、本実施形態に係る放射線撮像システム100の処理の一例について、特に、放射線撮像装置111の動作の制御に着目して説明する。なお、
図3に示す例では、第二制御部212は、撮像モードを選択的に切り替えることで撮像条件を制御し、通信モードを選択的に切り替える通信条件の制御を行うものとする。また、
図3に示す処理は、放射線撮像装置111の演算処理装置が、所定の記憶領域(例えば、記憶部217)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)等の主記憶メモリに展開して実行することで実現される。
【0068】
S301において、第二制御部212は、第二通信部211による撮像結果に応じた画像データの情報処理装置130への伝送に係る通信モードの設定を行う。
【0069】
S302において、第二制御部212は、ネットワークを介して送信された情報処理装置130からの放射線画像の撮像に係る指示の受信結果を第二通信部211から取得する。第二制御部212は、情報処理装置130からの指示に基づき、撮像モードの設定を行う。この際に、第二制御部212は、例えば、撮像結果に応じた画像データの伝送に要求されるフレームレート等の条件の特定を行う。なお、S302で示した処理が、本実施形態における撮像条件に関する情報の取得に関する取得処理の一例に相当する。
S303において、第二制御部212は、撮像準備動作が開始されるように駆動回路205及び読出回路206等の、放射線画像の撮像に係る各部の動作を制御する。
以上の処理を完了すると、第二制御部212は、S304に処理を進める。
【0070】
S304において、第二制御部212は、S302において設定された撮像モードで要求される通信モードが設定されているか否かを判定する。
例えば、第二制御部212は、「透視」のように撮像画像の提示に係るリアルタイム性が要求される撮像モードが設定されている場合に、当該リアルタイム性の確保が困難な場合には、撮像モードで要求される通信モードが設定されていないと判定してもよい。
一方で、「連続撮影」、「静止画撮影」、及び「トモシンセシス撮影」等のような撮像結果に応じた画像データを放射線撮像装置111に撮り溜めることが可能な撮像モードは、「透視」に比べて撮像画像の提示に係るリアルタイム性に関する要求が低い。このような場合には、例えば、第二制御部212は、撮像結果に応じた画像データを非同期で情報処理装置130に送信するために要求される通信条件が確保できていれば、撮像モードで要求される通信モードが設定されていると判定してもよい。
【0071】
なお、第二制御部212は、S304の判定を、例えば、撮像モードと、当該撮像モードで要求される通信モードと、の対応関係があらかじめ記録された制御情報(制御テーブル)を参照することで行うことが可能である。当該制御情報については、例えば、放射線撮像装置111が備える記憶領域(例えば、記憶部217)にあらかじめ記憶させておけばよい。
また、他の一例として、第二制御部212は、設定された撮像モードで要求される通信条件を許容可能な、画像データの伝送に係る通信条件を決定し、当該通信条件を満たす通信モードを特定して設定してもよい。具体的な一例として、第二制御部212は、設定された撮像モードで要求される通信速度に応じて、画像データの伝送に係る通信速度の上限を決定し、当該通信速度の上限に関する条件を満たす通信モードを設定してもよい。
【0072】
第二制御部212は、S304において設定された撮像モードで要求される通信モードが設定されていると判定した場合には、S309に処理を進める。この場合には、S309において、第二制御部212は、S302で設定された撮像モードに基づき放射線画像の撮像に係る動作を制御し、S301で設定された通信モードに基づき撮像結果に応じた画像データの伝送に係る動作を制御することとなる。
【0073】
一方で、第二制御部212は、S304において設定された撮像モードで要求される通信モードが設定されていないと判定した場合には、S305に処理を進める。
S305において、第二制御部212は、S302において設定された撮像モードで要求される通信モードの設定を改めて行う。例えば、第二制御部212は、設定された撮像モードで要求される通信速度を満たすことが可能な通信モード(例えば、通信速度の上限が閾値を超える通信モード)を設定する。なお、S305で示した処理が、本実施形態における画像データのネットワークを介した伝送に係る通信条件の制御に関する制御処理の一例に相当する。
【0074】
S306において、第二制御部212は、S305における通信モードの設定が成功したか否かを判定する。
第二制御部212は、S306において通信モードの設定が成功したと判定した場合には、処理をS309に進める。この場合には、S309において、第二制御部212は、S302で設定された撮像モードに基づき放射線画像の撮像に係る動作を制御し、S305で改めて設定された通信モードに基づき撮像結果に応じた画像データの伝送に係る動作を制御することとなる。
【0075】
一方で、第二制御部212は、S306において通信モードの設定に関してエラーが発生した(換言すると、通信モードの設定に失敗した)と判定した場合には、処理をS307に進める。
S307において、第二制御部212は、通信モードの設定を所定の回数試みたか否かを判定する。
第二制御部212は、S307において通信モードの設定を所定の回数試みていないと判定した場合には、処理をS305に進める。この場合には、第二制御部212は、S305において、改めて通信モードの設定を試みることとなる。
【0076】
これに対して、第二制御部212は、S307において通信モードの設定を所定の回数試みたと判定した場合には、処理をS308に進める。
S308において、第二制御部212は、通信モードの設定を改めて行わずに、変更を試みる前の通信モード(すなわち、S301で設定された通信モード)を維持し、処理をS309に進める。この場合には、S309において、第二制御部212は、S302で設定された撮像モードに基づき放射線画像の撮像に係る動作を制御し、S301で設定された通信モードに基づき撮像結果に応じた画像データの伝送に係る動作を制御することとなる。
【0077】
以上のようにして、S309において、第二制御部212は、放射線画像の撮像に係る動作の制御を開始し、当該撮像に係る制御が完了すると、処理をS310に進める。
S310において、第二制御部212は、
図3に示す放射線画像の撮像に係る一連の処理を終了するか否かを判定する。具体的な一例として、第二制御部212は、情報処理装置130から送信されるユーザからの指示に基づき、
図3に示す処理を終了するか否かを判定してもよい。また、他の一例として、第二制御部212は、放射線発生装置112による放射線の曝射に係る曝射スイッチ信号をトリガとする同期制御装置120からの指示に基づき、
図3に示す処理を終了するか否かを判定してもよい。
第二制御部212は、S310において放射線画像の撮像に係る一連の処理を終了しないと判定した場合には、S301から改めて
図3に示す一連の処理の実行を再開する。
一方で、第二制御部212は、S310において放射線画像の撮像に係る一連の処理を終了すると判定した場合には、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0078】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る放射線撮像システム100は、放射線画像の撮像に係る撮像条件(撮像モード)に応じて、撮像結果に応じた画像データの伝送に係る通信条件(通信モード)を制御する。このような構成により、例えば、放射線画像の撮像が開始される前に、静電気や磁界等の外的要因により意図せず通信条件が変更された場合においても、指定された撮像条件に応じて通信条件の判定が行われ、必要に応じて当該撮像前に通信条件の制御が行われる。そのため、指定された撮像条件により適した通信条件が設定されるように制御されるため、放射線画像の撮像が失敗するような事態の発生を防止することが可能となり、ひいては、再撮像が行われる頻度をより低減することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射線撮像装置111が、撮像手段に設定された撮像条件に基づき、当該撮像手段による患部の撮像結果に応じた画像データのネットワークを介した伝送に係る通信条件を制御する制御装置の一例に相当する。
【0079】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、同期制御装置120が放射線画像の撮像結果に応じた画像データの伝送に係る通信条件の制御を行う場合の一例について説明する。なお、本実施形態においては、放射線撮像システムのシステム構成及び概略構成については第1の実施形態と同様であるものとする。そのため、本実施形態では、放射線撮像システムの処理の一例について、特に、第1の実施形態と異なる部分に着目して説明する。
【0080】
(処理)
図4は、第2の実施形態に係る放射線撮像システム100の処理の一例を示したシーケンス図である。なお、
図4に示す例では、第二制御部212は、撮像モードを選択的に切り替えることで撮像条件を制御し、通信モードを選択的に切り替える通信条件の制御を行うものとする。また、
図4に示す処理は、放射線撮像装置111及び同期制御装置120それぞれの演算処理装置が、所定の記憶領域に記憶された各装置に対応するプログラムを所定の主記憶メモリに展開して実行することで実現される。
【0081】
S401において、放射線撮像装置111の第二通信部211と、同期制御装置120の第一通信部221と、が通信を開始する。この際に、例えば、第二通信部211及び第一通信部221のそれぞれは、オートネゴシエーションが設定されている場合に、FLP(Fast Link Pulse)バースト等の制御信号を利用したシーケンスに基づき、通信速度等の通信条件を決定してもよい。そして、第二通信部211は、第一通信部221とネットワークを介して接続されると、当該接続が完了したことを第二制御部212に通知する。
【0082】
S402において、第二制御部212は、撮像準備動作が開始されるように駆動回路205及び読出回路206等のような、放射線画像の撮像に係る各部の動作を制御する。また、第二制御部212は、放射線画像の撮像に適用される撮像モードに関する情報を第二通信部211に通知し、当該情報の送信を第二通信部211に指示する。
【0083】
S403において、第二通信部211は、第二制御部212からの指示に基づき、放射線画像の撮像に適用される撮像モードに関する情報を、第一通信部221に通知する。この際に、第二通信部211は、撮像モードに関する情報をパケタイズしたうえで、各パケットを所定の信号に変換したうえで第一通信部221に送信してもよい。
【0084】
S404において、第一通信部221は、第二通信部211から送信された撮像モードに関する情報を受信する。この際に、第二通信部211は、第二通信部211からの送信信号から各パケットを復号したうえで、一連のパケットに基づき撮像モードに関する情報を復号してもよい。そして、第一通信部221は、受信した撮像モードに関する情報を第一制御部222に通知する。なお、S404で示した処理が、本実施形態における撮像条件に関する情報の取得に関する取得処理の一例に相当する。
【0085】
S405において、第一制御部222は、第一通信部221から通知された撮像モードに関する情報に基づき、放射線撮像装置111において放射線画像の撮像に適用される撮像モードを認識する。また、第一制御部222は、第一制御部222に対して現在設定されている通信モードに関する情報の通知を指示し、当該情報を第一通信部221から取得する。第一制御部222は、取得した撮像モードに関する情報や通信モードに関する情報を所定の記憶領域に記憶させる。なお、これらの情報が記憶される記憶領域については、第一制御部222が参照可能であれば特に限定されない。具体的な一例として、同期制御装置120が備える補助記憶装置に、撮像モード及び通信モードそれぞれに関する情報が記憶されてもよい。
【0086】
S406において、第一制御部222は、所定の記憶領域に記憶させた撮像モード及び通信モードそれぞれに関する情報を読み出す。
S407において、第一制御部222は、読み出した上記情報を基に、設定される撮像モードに基づき撮像される放射線画像の画像データを、現在設定されている通信モードに基づき伝送が可能か否かを判定する。
第一制御部222は、S407において画像データの伝送が可能と判定した場合には、S411に処理を進める。この場合には、S411において、第二制御部212による制御に基づき放射線画像の撮像が行われ、当該撮像結果に応じた画像データが、S406において設定されている通信モードに基づき伝送されることとなる。
一方で、第一制御部222は、S407において画像データの伝送が困難と判定した場合には、放射線画像の撮像に適用される撮像モードに応じた通信モードの設定を試みる。なお、S407の判定結果に応じた通信モードの設定に係る処理が、本実施形態における画像データのネットワークを介した伝送に係る通信条件の制御に関する制御処理の一例に相当する。
【0087】
S408において、第一制御部222は、通信モードの設定が成功したか否かを判定する。
第一制御部222は、S408において通信モードの設定が成功したと判定した場合には、処理をS411に処理を進める。この場合には、S411において、第二制御部212による制御に基づき放射線画像の撮像が行われ、当該撮像結果に応じた画像データが、S407の判定結果に応じて設定された通信モードに基づき伝送されることとなる。
【0088】
一方で、第一制御部222は、S408において通信モードの設定に関してエラーが発生した(換言すると、通信モードの設定に失敗した)と判定した場合には、撮像可否情報を情報処理装置130に通知するように第一通信部221に指示する。なお、撮像可否情報は、放射線画像の撮像の可否に関するユーザへの問い合わせの指示を示す情報である。
また、第一制御部222は、通信モードの設定を複数回試行してもよい。この場合には、第一制御部222は、通信モードの設定の試行回数が閾値に達しても、なおS408において通信モードの設定に関してエラーが発生したと判定した場合には、情報処理装置130への上記撮像可否情報の送信を第一通信部221に指示すればよい。
【0089】
S409において、情報処理装置130の第三制御部232は、第一通信部221から撮像可否情報の通知を受ける。第三制御部232は、通知された撮像可否情報に基づき、画像データの伝送に適用される通信モードが、設定されている撮像モードで要求される条件を満たすことが困難であることを、出力装置131を介してユーザに報知する。なお、S409で示した処理が、通信条件の制御の結果に応じた報知情報を出力手段に報知させる報知処理の一例に相当し、出力装置131が当該出力手段の一例に相当する。
【0090】
S410において、第三制御部232は、現在設定されている撮像モード及び通信モードに基づき放射線画像の撮像を行うか否かについて、入力装置132を介してユーザから指示を受け付ける。
第三制御部232は、S410において、ユーザからの指示に基づき放射線画像の撮像を行わないと判定した場合には、
図4に示す処理を終了する。
一方で、第三制御部232は、S410において、ユーザからの指示に基づき放射線画像の撮像を行うと判定した場合には、放射線画像の撮像に係る指示を同期制御装置120に送信するように第三通信部231に指示する。第一制御部222は、情報処理装置130からの上記指示を受けて、S411に処理を進める。この場合には、S411において、第二制御部212による制御に基づき放射線画像の撮像が行われ、当該撮像結果に応じた画像データが、S406において設定されている通信モードに基づき伝送されることとなる。
【0091】
(情報の報知)
ここで、
図4のS409において、ユーザに対して情報を報知するために出力装置131を介して提示される画面の一例について説明する。
図5は、ユーザへの情報の報知に際し提示される画面の一例を示している。
【0092】
第二制御部212は、現在設定されている通信モードが、放射線画像の撮像に適用される撮像モードで要求される条件(例えば、通信速度)を満たすことが困難な場合に、その旨をユーザに報知する。例えば、
図4に示す例では、第二制御部212は、情報処理装置130に撮像可否情報を送信することで、現在設定されている通信モードが、設定されている撮像モードで要求される条件を満たすことが困難であることの報知を、情報処理装置130に指示している。この指示を受けて、情報処理装置130の第三制御部232は、
図5に示す画面を出力装置131に表示させることで、ユーザに対する情報の報知を行っている。
【0093】
具体的には、報知情報501は、現在設定されている通信モードが、設定されている撮像モードで要求される条件を満たすことが困難である旨を報知するために提示される情報である。
図5に示す例では、報知情報501により、通信状態の変化に伴い、通信速度に関する条件を、設定されている撮像モードで要求されている条件の50%までしか満たせないことが報知されている。
【0094】
また、入力領域502及び503は、ユーザからの指示を受け付けるための領域である。具体的には、第三制御部232は、入力領域502がユーザからの操作を受け付けると、ユーザにより放射線画像の撮像を行う旨の指示が行われたものと認識する。また、第三制御部232は、入力領域503がユーザからの操作を受け付けると、ユーザにより放射線画像の撮像を行わない旨の指示が行われたものと認識する。すなわち、第三制御部232は、入力領域502及び503のいずれがユーザからの操作を受け付けたかに応じて、放射線画像の撮像を行うか否かに関する情報が、同期制御装置120や放射線撮像装置111に通知されるように第三通信部231に指示を行う。具体的な一例として
図4に示す例の場合には、第三制御部232は、入力領域502がユーザからの操作を受け付けた場合に、放射線画像の撮像に係る指示を同期制御装置120に送信するように第三通信部231に指示することとなる。
【0095】
なお、本実施形態では、ディスプレイ等に情報を表示することで、ユーザに対して報知情報を提示する場合の一例について説明した。一方で、ユーザに対して報知情報を提示することが可能であれば、報知情報の提示方法は特に限定されず、報知情報の提示に利用される出力装置の種別も当該提示方法に応じて適宜変更されてもよい。具体的な一例として、音声や電子音等のような音響を利用して報知情報が提示されてもよく、この場合には、当該報知情報を提示するための出力装置として、スピーカ等のような音響出力装置が利用されてもよい。
【0096】
(作用効果)
以上のような処理が適用されることで、同期制御装置120は、放射線撮像装置111が放射線画像の撮像に適用する撮像条件(撮像モード)に応じて、当該撮像結果に応じた画像データの伝送に係る通信条件(通信モード)を制御することが可能となる。
なお、本実施形態では、同期制御装置120が、撮像手段に設定された撮像条件に基づき、当該撮像手段による患部の撮像結果に応じた画像データのネットワークを介した伝送に係る通信条件を制御する制御装置の一例に相当する。
【0097】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0098】
また、上記実施形態では、あらかじめ規定された撮像モードのうち放射線画像の撮像に適用される撮像モードに応じて、あらかじめ規定された通信モードのうち、撮像結果に応じた画像データの伝送に適用される通信モードが決定される場合の一例について説明した。一方で、放射線画像の撮像に適用される撮像条件に応じて、画像データの伝送に適用される通信条件が決定されれば、必ずしも撮像モードや通信モードが規定されていなくてもよい。具体的な一例として、第二制御部212は、設定された撮像条件に基づき、撮像結果に応じた画像データの伝送に要求される条件(例えば、通信速度)を算出し、当該算出の結果に応じて、当該画像データの伝送に係る通信条件の設定や制御を行ってもよい。
【0099】
また、
図1及び
図2を参照して説明したシステム構成や概略構成はあくまで一例であり、放射線撮像システム100のシステム構成、ハードウェア構成、及び機能構成を限定するものではない。すなわち、本開示に係る技術思想を逸脱しない範囲で、一部の構成が適宜変更されてもよい。
具体的な一例として、前述したように同期制御装置120を含まない構成とすることも可能である。この場合には、放射線撮像装置111と情報処理装置130とがネットワークを介して直接通信を行ってもよい。
また、放射線撮像装置111に対して複数の情報処理装置130が接続されてもよい。この場合には、放射線撮像装置111は、複数の情報処理装置130それぞれからの指示を受け付けてもよいし、認証等により特定された一部の情報処理装置130からの指示を受け付けてもよい。また、放射線撮像装置111は、放射線画像の撮像結果に応じた画像データを、複数の情報処理装置130それぞれに対して送信してもよいし、認証等により特定された一部の情報処理装置130に対して送信してもよい。
また、放射線撮像装置111に対して複数の同期制御装置120が接続されてもよい。この場合には、放射線撮像装置111は、複数の同期制御装置120それぞれからの指示を受け付けてもよいし、認証や放射線撮像装置の内部設定等により特定された一部の同期制御装置120からの指示を受け付けてもよい。具体的には、放射線撮像装置111は、放射線発生装置112による放射線113の曝射タイミングと、被写体Hを透過した当該放射線113の検出タイミングと、の同期に係る制御を行う際、先に同期制御を開始した同期制御装置120の指示を受け付けてもよい。より具体的な一例として、放射線撮像装置111は、曝射開始スイッチの押下に伴い同期制御装置120から送信される指示を受け付けてもよい。また、放射線撮像装置111は、放射線画像の撮像結果に応じた画像データを、複数の同期制御装置120それぞれに対して送信してもよいし、認証等により特定された一部の同期制御装置120に対して送信してもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、本発明に係る技術を放射線撮像システムに適用する場合の一例について説明したが、必ずしも本発明に係る技術の適用先を限定するものではない。具体的には、撮像条件の制御に応じて、撮像結果に応じた画像データの伝送に要求される通信条件が異なる場合には、本発明に係る技術を適用することが可能である。例えば、内視鏡装置、顕微鏡装置、CT(Computed Tomography)、及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)等の医療用撮像装置を含む医療用撮像システムに対して、本発明に係る技術を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0101】
100 放射線撮像システム
111 放射線撮像装置
112 放射線発生装置
120 同期制御装置
130 情報処理装置
211 第二通信部
212 第二制御部
221 第一通信部
222 第一制御部
231 第三通信部
232 第三制御部