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特許7458730情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240325BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240325BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B15/00 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019179289
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021057757
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】田井 克典
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110366(JP,A)
【文献】特開2013-183306(JP,A)
【文献】特開2013-021680(JP,A)
【文献】特開2011-155595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と通信可能な情報処理装置であって、
記憶媒体に予め記憶された画像に基づくオーバーレイ画像に関する情報および補助線に関する情報を含むオーバーレイ情報を記憶部に保持する保持手段と、
前記撮像装置から取得される撮影画像に、前記保持手段により前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報に基づいて、前記オーバーレイ画像および前記補助線を重ねて表示部に表示するように制御する制御手段と、
ユーザの第1の操作にしたがって、前記オーバーレイ画像および前記補助線それぞれについて表示または非表示の切り替えの指示を受け付ける切替手段と、
を備え、
前記制御手段は、さらに、前記切り替えの指示にしたがって前記オーバーレイ画像または前記補助線を非表示にするように制御し、
さらに、ユーザの前記第1の操作とは異なる第2の操作にしたがって、前記保持手段により前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報のうち前記オーバーレイ画像に関する情報を削除するように制御するとともに、前記オーバーレイ画像を非表示にするように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記オーバーレイ画像に関する情報が、前記記憶媒体における前記オーバーレイ画像の参照先を示す参照先情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示部に前記オーバーレイ画像の参照先の画像を示す画像パスが表示されており、
前記制御手段は、前記第2の操作にしたがって、前記画像パスを非表示にするように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記補助線に関する情報が、前記補助線が表示される間隔、位置及び角度のうち少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
撮像装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
記憶媒体に予め記憶された画像に基づくオーバーレイ画像に関する情報および補助線に関する情報を含むオーバーレイ情報を記憶部に保持する保持ステップと、
前記撮像装置から取得される撮影画像に、前記保持ステップにおいて前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報に基づいて、前記オーバーレイ画像および前記補助線を重ねて表示部に表示するように制御する制御ステップと、
ユーザの第1の操作にしたがって、前記オーバーレイ画像および前記補助線それぞれについて表示または非表示の切り替えの指示を受け付ける切替ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、さらに、前記切り替えの指示にしたがって前記オーバーレイ画像または前記補助線を非表示にするように制御し、
さらに、ユーザの前記第1の操作とは異なる第2の操作にしたがって、前記保持ステップにおいて前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報のうち前記オーバーレイ画像に関する情報を削除するように制御するとともに、前記オーバーレイ画像を非表示にするように制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至何れか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置と通信可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品撮影等の静物撮影において、コンピュータからデジタルカメラ等の撮像装置をリモート操作し、撮像装置の撮像処理によりリアルタイムに生成されるライブビュー画像をコンピュータのディスプレイに拡大表示させて撮影を行うことがある。また、以前撮影した撮影の状況を再現する場合や、構図の決定をより簡便に行うことを可能とするため、補助線や予め準備された画像をライブビュー画像に重ね合わせて表示(オーバーレイ表示)させるオーバーレイ表示機能がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、リモートライブビューに、オーバーレイ画像を重ねて表示し、操作の種類に従ってオーバーレイ画像を非表示にすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-155595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、リモートライブビュー開始時に、オーバーレイ画像が表示されると、オーバーレイ画像がプライバシー性や機密性の高い画像であった場合に、第三者に見られて困るという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、オーバーレイ表示機能を有する情報処理装置においてプライバシー保護を行うとともに、利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、撮像装置と通信可能な情報処理装置であって、記憶媒体に予め記憶された画像に基づくオーバーレイ画像に関する情報および補助線に関する情報を含むオーバーレイ情報を記憶部に保持する保持手段と、前記撮像装置から取得される撮影画像に、前記保持手段により前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報に基づいて、前記オーバーレイ画像および前記補助線を重ねて表示部に表示するように制御する制御手段と、ユーザの第1の操作にしたがって、前記オーバーレイ画像および前記補助線それぞれについて表示または非表示の切り替えの指示を受け付ける切替手段と、を備え、前記制御手段は、さらに、前記切り替えの指示にしたがって前記オーバーレイ画像または前記補助線を非表示にするように制御し、さらに、ユーザの前記第1の操作とは異なる第2の操作にしたがって、前記保持手段により前記記憶部に保持されたオーバーレイ情報のうち前記オーバーレイ画像に関する情報を削除するように制御するとともに、前記オーバーレイ画像を非表示にするように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
オーバーレイ表示機能を有する情報処理装置においてプライバシー保護を行うとともに、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】撮影システムの全体構成を示す図である。
図2】カメラ本体の構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】ライブビュー画面の一例を示す図である。
図5】オーバーレイ画像の一例を示す図である。
図6】ライブビュー画面の一例を示す図である。
図7】ライブビュー画面の一例を示す図である。
図8】ライブビュー画面の一例を示す図である。
図9】撮影システムにおいて実行する処理を示すフローチャートである。
図10】撮影システムにおいて実行する処理を示すフローチャートである。
図11】保持期間設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の撮影システム100の全体構成を示す図である。
本実施形態の撮影システム100は、情報処理装置10と撮像装置20とを有しており、情報処理装置10が撮像装置20と有線又は無線接続されて、互いに通信可能になっている。
【0012】
本実施形態において、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)である。情報処理装置10は、PC本体50とディスプレイ51とを有する。
本実施形態において、撮像装置20は、交換レンズ式デジタルカメラである。撮像装置20は、交換可能なレンズ1とカメラ本体2とを有する。
【0013】
この撮影システム100では、情報処理装置10からのリモート操作により、撮像装置20の各種動作が制御される。また、カメラ本体2が情報処理装置10へライブビュー画像を送信すると、ライブビュー画像がディスプレイ51に表示される。本実施形態において、ディスプレイ51が表示部に相当する。
【0014】
交換可能なレンズ1は、焦点距離を可変するためのズームレンズ11、明るさを制御するための絞り機構12、被写体にピントを合わせるためのフォーカスレンズ13を有している。また、交換可能なレンズ1のマウント部14は、カメラ本体2のマウント部27と機械的に接合可能である。
【0015】
マウント部14には、接点群15が組み込まれている。この接点群15は、カメラ本体2から電源の供給を受け、通信を行うための電子接点である。接点群15は、電源、グランド、送信、受信、クロック等の用途にそれぞれ分かれている。マウント部14の接点群15は、カメラ本体2のマウント部27にある接点群28の中の接続端子とそれぞれ接続する。これにより、接続端子を経由してカメラ本体2から、交換可能なレンズ1に電源が供給され、交換可能なレンズ1とカメラ本体2との間で通信が可能になる。
【0016】
カメラ本体2は、交換可能なレンズ1を通過してきた光を反射させるハーフミラー21と、反射光を結像させる位置に配されたピント板24と、交換可能なレンズ1を通過してきた光を結像させる位置に配された撮像素子23とを有する。ピント板24で結像した光は、プリズム25で反転され、接眼レンズ26を通して正立像として観測される。また、撮影時には、ハーフミラー21が跳ね上がり、シャッター22が開き、交換可能なレンズ1を通過してきた光が、撮像素子23に結像する。
【0017】
図2は、カメラ本体2の構成を示すブロック図である。
撮像素子23は、CCDやCMOSのようなセンサであり、撮像素子23に結像した光が、撮像素子23内の各画素において、入射光量に応じた量の電荷に変換される。タイミングジェネレータ(TG)32が発生させる信号は、撮像素子23を駆動し、センサに蓄積した電荷を伝送し、順次電圧信号に変換される。この変換された電圧信号は、相関二重サンプリング(CDS/AGC)30でサンプリングされ、A/D変換器31でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された画像データは、まず、IC33に入力され、ホワイトバランス処理に必要なデータを算出するためのWB回路33aに入り、第1のメモリ35に一旦格納される。そして、第1のメモリ35に格納された画像データは、再びIC33に入力され、CPU36の制御下で、以下の3種類の画像処理を施される。
【0018】
まず、デジタル信号に変換された画像データは、そのままロスレス圧縮(可逆圧縮)をかけるロスレス圧縮回路33dでロスレス圧縮されたRAWデータに変換され、CPUバス34に送られる。
また、デジタル信号に変換された画像データは、RAWデータをブロック内平均したりローパスフィルタをかけたりして帯域を落とし、そこから間引くことによりダウンサンプリングされる。そして、元の画像サイズより小さいサムネイル画像に変換されるためにRAWサムネイル回路33cで間引き処理され、CPUバス34に送られる。
最後に、デジタル信号に変換された画像データは、JPEG圧縮するために画像処理回路33bで画像処理を施される。その結果出力されるYcbCrは、ラスタブロック変換されて、JPEG圧縮回路33eでJPEG圧縮され、CPUバス34に送られる。
【0019】
CPU36は、撮像装置20の全体を制御する。CPU36が、第2のメモリ37に格納されたプログラムを実行することにより、撮像装置20の各構成手段を制御する。
CPU36は、カメラ本体2を初期化し、交換可能なレンズ1との通信を開始する。
また、CPU36は、撮像素子23で撮像された画像データでCPUバス34に送り出された画像データを、第1のメモリ35に格納する。そして、I/F回路38を介して外部メモリ39に書き込む。CPU36につながるスイッチ40は、レリーズスイッチである。スイッチ40を押すことによって、上記の撮影の動作が行われ、外部メモリ39に画像データが書き込まれる。
【0020】
また、ライブビュー表示時には、CPU36は、ハーフミラー21を跳ね上げ、シャッター22を開き、交換可能なレンズ1を通過してきた光を撮像素子23に結像させ、デジタル信号に変換し、ライブビュー画像を取得する。そして、CPU36は、ライブビュー画像を第2のメモリ37に保存し、カメラ本体2に設置される背面ディスプレイ(不図示)に表示する。CPU36は、ライブビュー画像を一定間隔で更新する。ユーザは光学ファインダーを通して被写体を確認するのと同様に、背面ディスプレイのライブビュー画像によって被写体を確認することができる。
【0021】
図3は、情報処理装置10(PC本体50)の構成を示すブロック図である。
情報処理装置10は、CPU301、メモリ302、不揮発性メモリ303、画像処理部304、表示I/F305、操作部306、記録媒体I/F307、外部I/F309、及び通信I/F310を備えており、各構成部が内部バス312に接続されている。各構成部は、内部バス312を介して互いにデータのやりとりが可能である。
【0022】
CPU301は、情報処理装置10の全体を制御する。CPU301は、不揮発性メモリ303に格納されるプログラムを実行することにより、情報処理装置10の各構成部を制御して、本発明でいう設定手段、制御手段として機能する。
メモリ302は、RAM(半導体素子を利用した揮発性メモリ)等によって構成されており、CPU301のワークメモリとして用いられる。
不揮発性メモリ303は、ROMやHDD等によって構成されており、CPU301を制御するための各種プログラム、画像データの他、各種データを記憶する。
【0023】
画像処理部304は、CPU301の制御下で、不揮発性メモリ303や記録媒体308に格納された画像データや、外部I/F309を介して取得した映像信号、通信I/F310を介して取得した画像データ等に対して、各種画像処理を施す。画像処理部304が行う画像処理には、A/D変換処理、D/A変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、デコード処理、拡大/縮小処理(リサイズ)、ノイズ低減処理、色変換処理等が含まれる。画像処理部304は、特定の画像処理を施すための専用の回路ブロックで構成されてもよい。また、画像処理の種別によっては画像処理部304を用いずに、CPU301がプログラムに従って画像処理を施すことも可能である。
【0024】
表示I/F305は、ディスプレイ51に表示するための映像信号を出力するためのインターフェースである。ディスプレイ51には、CPU301の制御下で、ライブビュー画像や、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面等が表示される。CPU301は、プログラムに従い表示制御信号を生成するとともに、映像信号に変換し、ディスプレイ51に出力するように制御する。ディスプレイ51には、出力された映像信号に基づいた映像が表示される。
【0025】
操作部306は、キーボード等の文字情報入力デバイス、マウスやタッチパネルといったポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパネル等のユーザ操作を受け付けるための入力デバイスである。なお、タッチパネルは、ディスプレイ51に重ね合わせて平面的に構成され、接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。
【0026】
記憶媒体I/F307は、メモリカードやCD、DVDといった記録媒体308が装着可能とされ、CPU301の制御下で、装着された記録媒体308からのデータの読み出しや、当該記録媒体308に対するデータの書き込み等を行う。
外部I/F309は、外部機器と有線ケーブルや無線によって接続し、映像信号や音声信号の入出力を行うためのインターフェースである。
通信I/F310は、外部機器やインターネット311等と通信して、ファイルやコマンド等の各種データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0027】
本実施形態において、情報処理装置10は、外部I/F309を介してカメラ本体2と接続されている。CPU301は、リモートライブビュー機能を実行して、一定間隔でライブビュー画像をカメラ本体2から受信する。CPU301は、受信したライブビュー画像を表示I/F305を介してディスプレイ51に表示させる。また、CPU301は、ライブビュー画像に補助線や画像等を重ね合わせて表示(オーバーレイ表示)させるように制御する。なお、ライブビュー画像は、本発明でいう撮影画像の一例である。撮影画像は、撮像素子23で撮像された画像であれば、ライブビュー画像に限られるものではない。
【0028】
以下、図4図8を参照して、オーバーレイ表示の制御方法について説明する。
図4は、ライブビュー画像を操作、表示するためのライブビュー画面410の一例を示す図である。
【0029】
ライブビュー画面410には、カメラ本体2から受信したライブビュー画像411が表示される。また、オーバーレイ表示される画像であるオーバーレイ画像に関する表示操作を行うためのオーバーレイ画像操作エリア420が設けられている。更に、ユーザ操作により任意の間隔に設定可能な格子状の補助線であるグリッド線の表示操作を行うためのグリッド線操作エリア430が設けられている。また、ユーザ操作により任意の位置や角度に移動可能な補助線であるガイド線の表示操作を行うためのガイド線操作エリア440が設けられている。
【0030】
オーバーレイ画像操作エリア420には、参照先情報表示エリア421、オーバーレイ画像設定クリアボタン422、オーバーレイ画像保持期間設定ボタン423、オーバーレイ画像の表示、非表示を切り替えるための画像表示ONボタン424及び画像表示OFFボタン425等が設けられている。
参照先情報表示エリア421には、オーバーレイ画像の参照先の画像を示す文字列(画像パス)が表示される。オーバーレイ画像の参照先の画像が指定されると、CPU301は、オーバーレイ画像の参照先の画像を示す画像パスを参照先情報として設定する。不揮発性メモリ303には、設定された参照先情報の他、オーバーレイ画像に施された変形情報(表示位置、表示倍率、回転角度、背景透過率等)が保持されている。本実施形態において、不揮発性メモリ303が記憶部に相当する。
【0031】
グリッド線操作エリア430には、グリッド線の表示、非表示を切り替えるためのグリッド線表示ONボタン431及びグリッド線表示OFFボタン432等が設けられている。ガイド線操作エリア440には、グリッド線の表示、非表示を切り替えるためのガイド線表示ONボタン441及びガイド線表示OFFボタン442等が設けられている。
【0032】
図5は、ライブビュー画像411に重ね合わせて表示されるオーバーレイ画像450の一例を示す図である。オーバーレイ画像450のファイル形式は、JPEG形式等の一般的な画像ファイル形式の画像ファイルに限られない。カメラ本体2で生成されたロスレス圧縮(可逆圧縮)形式の画像ファイルやRAWデータも読み込み可能で、オーバーレイ表示用の画像として使用することが可能である。
【0033】
図6は、図4に示したライブビュー画面410が表示されている状態で、図5のオーバーレイ画像450が重ね合わせて表示される状態を示す図である。オーバーレイ画像操作エリア420の参照先情報表示エリア421に文字列が表示された状態で、画像表示ONボタン424が有効になった場合、ライブビュー画像411にオーバーレイ画像450がオーバーレイ表示される。
【0034】
図7は、図6のようにライブビュー画像411にオーバーレイ画像450が重ね合わせて表示されている状態で、グリッド線433及びガイド線443が重ね合わせて表示される状態を示す図である。
グリッド線表示ONボタン431が有効になった場合、ライブビュー画像411にグリッド線433がオーバーレイ表示される。また、ガイド線表示ONボタン441が有効になった場合、ライブビュー画像411にガイド線443がオーバーレイ表示される。
【0035】
不揮発性メモリ303には、グリッド線の間隔やガイド線の位置や角度等の補助線の表示設定に関する情報が保持されている。本実施形態では、上述したオーバーレイ画像の参照先情報、オーバーレイ画像の変形情報、及び補助線の表示設定に関する情報が、本発明でいうオーバーレイ情報に相当する。
【0036】
図8は、図6のようにライブビュー画像411にオーバーレイ画像450が重ね合わせて表示されている状態で、オーバーレイ画像450の参照先情報の設定が解除された後の状態を示す図である。操作部306の操作によりオーバーレイ画像設定クリアボタン422が押下された場合、CPU301は、オーバーレイ画像450の参照先情報として設定されていた画像パスを解除する。このように、オーバーレイ画像設定クリアボタン422がオーバーレイ画像450の参照先情報の設定を解除する指示手段として機能する。また、CPU301は、参照先情報表示エリア421に表示されている文字列を消去する。これにより、オーバーレイ画像450が表示されなくなる。一方、操作部306の操作によりオーバーレイ画像設定クリアボタン422が押下されても、補助線の表示設定に関する情報は解除されず、保持される。
【0037】
次に、本実施形態の撮影システム100におけるカメラ本体2及び情報処理装置10が実行する処理の流れについて、図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。
【0038】
図9及び図10のフローチャートにおける各処理は、情報処理装置10のCPU301が、不揮発性メモリ303に格納されたプログラムをメモリ302に展開して実行し、各機能ブロックを制御することにより実現される。また、カメラ本体2のCPU36が、第2メモリ37に格納されたプログラムを実行し、各機能ブロックを制御することにより実現される。
【0039】
図9は、ユーザ操作によりオーバーレイ画像の参照先情報の設定を解除する処理を示すフローチャートである。まず、カメラ本体2がI/F回路38を介して、情報処理装置10と通信可能に接続される。
ステップS101において、ユーザ操作によりカメラ本体2及び情報処理装置10の電源がONになり動作可能な状態になる。その後、処理はステップS102へ進む。
【0040】
ステップS102において、カメラ本体2のCPU36が、初期通信として、情報処理装置10へ現在のカメラ設定情報を通知する。情報処理装置10のCPU301が、カメラ設定情報を受信する。これにより、カメラ本体2の状態が情報処理装置10側で把握されて、リモートライブビューを開始する準備が整う。その後、処理はステップS103へ進む。
なお、カメラ設定情報とは、撮影モードの設定状態、ホワイトバランスの設定情報、ライブビュー状態等の各種の情報である。ユーザ操作によりカメラ本体2の設定変更が行われた場合や、情報処理装置10からカメラ本体2の設定変更が行われた場合に、カメラ本体2から情報処理装置10へカメラ設定情報の更新通知がなされる。
【0041】
ステップS103において、情報処理装置10のCPU301は、リモートライブビュー機能を実行するためのアプリケーションを起動し、ディスプレイ51にライブビュー画面410を表示させる。そして、リモートライブビューの開始をカメラ本体2へ通知する。
カメラ本体2のCPU36は、ライブビュー表示を開始し、一定間隔でライブビュー画像を情報処理装置10へ送信する。
情報処理装置10のCPU301は、カメラ本体2からライブビュー画像を一定間隔で受信し、ライブビュー画面410のライブビュー画像411の表示を一定間隔で更新する。
【0042】
なお、前回のリモートライブビュー終了時に設定されていたオーバーレイ情報が、本ステップにおけるリモートライブビュー開始時に読み込まれる。これにより、リモートライブビュー開始時に前回の撮影状況が自動で再現される。その後、処理はステップS104へ進む。
【0043】
ステップS104において、情報処理装置10のCPU301は、ユーザオペレーション(操作)があったか否か判定する。CPU301がユーザオペレーションがあったと判定した場合、処理はステップS105へ進む。CPU301がユーザオペレーションがないと判定した場合、処理はステップS108へ進む。
【0044】
ステップS105において、情報処理装置10のCPU301は、ユーザオペレーションにより、オーバーレイ画像設定クリアボタン422が押下されたか否かを判定する。CPU301がオーバーレイ画像設定クリアボタン422が押下されたと判定した場合、処理はステップS106へ進む。CPU301がオーバーレイ画像設定クリアボタン422が押下されていないと判定した場合、処理はステップS108へ進む。
【0045】
ステップS106において、情報処理装置10のCPU301は、現在表示されているオーバーレイ画像の参照先情報が設定されているか否かを判定する。CPU301が参照先情報が設定されていると判定した場合、処理はステップS107へ進む。CPU301が参照先情報が設定されていないと判定した場合、処理はステップS108へ進む。
【0046】
ステップS107において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像の参照先情報を削除するとともに、参照先情報表示エリア421に表示される文字列を消去する。その後、処理はステップS108へ進む。
【0047】
ステップS108において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像の表示条件が有効であるか否かの判定として、画像表示ONボタン424が有効であって、オーバーレイ画像の参照先情報が設定されているか否かを判定する。CPU301がオーバーレイ画像の表示条件が無効であると判定した場合、処理はステップS109へ進む。CPU301がオーバーレイ画像の表示条件が有効であると判定した場合、処理はステップS110へ進む。
【0048】
ステップS109において、情報処理装置10のCPU301は、現在表示されているオーバーレイ画像を非表示にする。処理はステップS111へ進む。
ステップS110において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像として設定されている参照先にしたがって、画像を記憶媒体308から読み出し、変形情報にしたがって読み出された画像を加工してオーバーレイ画像を生成する。そして、生成されたオーバーレイ画像をライブビュー画像411にオーバーレイ表示させる。処理はステップS111へ進む。
【0049】
ステップS111において、情報処理装置10のCPU301は、カメラ本体2からのライブビューの終了操作、又は情報処理装置10からのライブビューの終了操作が行われたか否かを判定する。CPU301が終了操作が行われたと判定した場合、処理はステップS112へ進む。CPU301が終了操作が行われていないと判定した場合、処理はステップS104へ戻る。
【0050】
ステップS112において、情報処理装置10のCPU301は、ライブビュー画面410を非表示にして、アプリケーションを終了し、カメラ本体2へライブビューの終了を通知する。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113において、情報処理装置10のCPU301は、カメラ本体2との通信接続を切断する。その後、処理はステップS114へ進む。
ステップS114において、ユーザ操作によりカメラ本体2及び情報処理装置10の電源がOFFになり、一連の処理が終了する。
【0051】
以上のような、図9に示す処理によれば、ユーザからの簡単な操作で、オーバーレイ画像の参照先情報の設定を解除することが可能になる。これにより、次回のリモートライブビュー開始時に、前回設定されていたプライバシー性や機密性の高い画像が無自覚に表示されてしまうという事態を回避することができる。
【0052】
図10は、オーバーレイ画像に対して保持期間を設定することにより、オーバーレイ画像の参照先情報の設定を自動で解除する処理を示すフローチャートである。
まず、S201~S203において、図9のS101~S103の処理と同様の処理が実行される。
【0053】
ステップS204において、情報処理装置10のCPU301は、ユーザオペレーション(操作)があったか否か判定する。CPU301がユーザオペレーションがあったと判定した場合、処理はステップS205へ進む。CPU301がユーザオペレーションがないと判定した場合、処理はステップS207へ進む。
【0054】
ステップS205において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像保持期間設定ボタン423が押下されたか否かを判定する。CPU301がオーバーレイ画像保持期間設定ボタン423が押下されたと判定した場合、処理はステップS206へ進む。CPU301がオーバーレイ画像保持期間設定ボタン423が押下されていないと判定した場合、処理はステップS207へ進む。
ステップS206において、情報処理装置10のCPU301は、ディスプレイ51に図11に示す保持期間設定画面を表示させて、ユーザ操作によりオーバーレイ画像の参照先情報に対して保持期間を設定する。その後、処理はステップS207へ進む。
【0055】
図11は、オーバーレイ画像の参照先情報の保持期間を設定するための保持期間設定画面460の一例である。チェックボックス461の選択操作により、保持期間を「常に保持する」又は「アプリケーション終了まで保持する」の何れかに選択的に設定することができる。なお、本実施形態において、設定可能な保持期間は、「常に保持する」又は「アプリケーション終了まで保持する」の何れかであるが、これらに限定されるものではない。ユーザ操作により保持期間が自由に設定されるようにしてもよい。
【0056】
ステップS207~S212において、図9のS108~S113と同様の処理が実行される。
ステップS213において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像の参照先情報の保持期間が、「アプリケーション終了まで保持する」に設定されているか否かを判定する。CPU301が「アプリケーション終了まで保持する」に設定されていると判定した場合、処理はステップS214へ進む。CPU301が「アプリケーション終了まで保持する」に設定されていないと判定した場合、処理はステップS215へ進む。
【0057】
ステップS214において、情報処理装置10のCPU301は、オーバーレイ画像の参照先情報を削除する。その後、処理はステップS215へ進む。
ステップS215において、ユーザ操作によりカメラ本体2及び情報処理装置10の電源がOFFになり、一連の処理が終了する。
【0058】
以上のような、図10に示す処理によれば、保持期間を経過した後で、オーバーレイ画像の参照先情報の設定を自動で解除することが可能になる。これにより、ユーザが参照先情報のクリア操作を行うことを失念したとしても、次回のライブビュー開始時に、前回設定されていたプライバシー性や機密性の高い画像が無自覚に表示されてしまうという事態を回避することができる。
【0059】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0060】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0061】
1:交換可能なレンズ
2:カメラ本体
10:情報処理装置
20:撮像装置
36:撮像装置のCPU
37:撮像装置の第2のメモリ
51:ディスプレイ
100:撮影システム
301:情報処理装置のCPU
303:情報処理装置の不揮発性メモリ
410:ライブビュー画面
411:ライブビュー画像
420:オーバーレイ画像操作エリア
421:参照先情報表示エリア
422:オーバーレイ画像設定クリアボタン
423:オーバーレイ画像保持期間設定ボタン
430:グリッド線操作エリア
433:グリッド線
440:ガイド線操作エリア
443:ガイド線
450:オーバーレイ画像
460:保持期間設定画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11