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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20240325BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/01 112
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019202616
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021076679
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白藤 靖人
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-191416(JP,A)
【文献】特開2016-208151(JP,A)
【文献】特開2013-240952(JP,A)
【文献】特開2019-002981(JP,A)
【文献】特開2020-052239(JP,A)
【文献】特開2018-081237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/01
13/34
15/00-15/01
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置であって、
感光体と、静電潜像を形成するために前記感光体を露光する露光部と、前記静電潜像を現像する現像部と、を有し、画像データに基づき搬送方向に搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送方向に直交する方向の濃度ムラを検知するための検知用画像を有するテストパターンを前記画像形成手段によってシートに形成させる制御手段と、
前記シート上の前記テストパターンを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記検知用画像の読取結果に基づき前記搬送方向に直交する前記方向の複数の領域毎の露光補正量を決定し、前記露光部の露光量を前記複数の領域毎の前記露光補正量に基づき補正する補正手段と、を有し、
前記テストパターンは、前記検知用画像を形成する際の前記露光量と異なる露光量によって形成される補正用画像を含み、
前記補正手段は、前記読取手段による前記検知用画像の読取結果に基づき前記検知用画像の前記搬送方向に直交する前記方向の濃度に関するデータを決定し、該データに基づき基準濃度との濃度差を前記搬送方向に直交する前記方向の前記複数の領域毎に決定し、前記読取手段による前記補正用画像の読取結果に基づき前記露光補正量と濃度変動量との対応関係を生成し、前記複数の領域毎の前記濃度差から前記対応関係に基づき前記複数の領域毎の前記露光補正量を決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記補正用画像は、前記検知用画像を形成する際の前記露光量よりも高い第1光量によって形成される第1補正用画像と、前記検知用画像を形成する際の前記露光量よりも低い第2光量によって形成される第2補正用画像と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補正用画像は、前記搬送方向において前記検知用画像と異なる位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知用画像は、前記搬送方向に直交する前記方向が長手方向となる帯画像であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記補正用画像は、前記搬送方向において前記帯画像と異なる位置に形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補正用画像は、前記搬送方向に直交する前記方向が長手方向となる他の帯画像であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補正手段は、前記帯画像の前記搬送方向に直交する前記方向の濃度に関する前記データに基づき前記基準濃度を決定すると共に、前記搬送方向に直交する前記方向において前記基準濃度との濃度差が最も小さい領域を特定領域に決定し、前記搬送方向に直交する前記方向へ見たときに前記他の帯画像の中の前記特定領域と重なる領域の濃度に関するデータと前記特定領域の濃度に関するデータとに基づき前記対応関係を生成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像成形装置では、画像形成プロセスにおける様々な要因(例えば、感光ドラムの感度ムラや露光装置による露光ムラ)により、出力画像に濃度ムラが生じることがある。このような出力画像の濃度ムラを補正する技術として、検出用パターンを用いて検出した濃度ムラに基づく露光装置の光量補正よって出力画像の濃度ムラを補正する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、それぞれ画像濃度が異なる複数の領域から成る検出用パターンを用いて、主走査方向の各画素の濃度分布を測定し、その測定結果に基づいて、画像濃度ごとの露光補正量カーブを算出する技術が記載されている。算出された露光補正カーブは、全階調領域に拡張される。画像形成時には、各画素の画素値に対して、適切な露光補正量カーブによる露光量補正が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-131961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、露光補正量を求めるために、露光装置の光量設定値と出力画像の濃度値との対応関係を示す画像形成エンジンのγ特性として、予め定められたγ特性を用いている。しかし、画像形成エンジンのγ特性は、画像形成装置の状態(例えば、感光ドラムの電位特性、トナーの帯電特性、各部品の取り付け公差等)に依存して変化しうる。このように画像形成エンジンのγ特性に変化が生じても、予め定められたγ特性を用いて求めた露光補正量に基づいて濃度ムラ補正を行った場合、補正精度が低下する(即ち、過補正又は補正不足が生じる)可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、出力画像に生じるシートの搬送方向に直交する方向の濃度ムラを補正する補正処理における補正精度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成装置であって、感光体と、静電潜像を形成するために前記感光体を露光する露光部と、前記静電潜像を現像する現像部と、を有し、画像データに基づき搬送方向に搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記搬送方向に直交する方向の濃度ムラを検知するための検知用画像を有する検知用画像を前記画像形成手段によってシートに形成させる制御手段と、前記シート上の前記テストパターンを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記テストパターンの読取結果に基づき前記搬送方向に直交する前記方向の複数の領域毎の露光補正量を決定し、前記露光部の露光量を前記複数の領域毎の前記露光補正量に基づき補正する補正手段と、を有し、前記テストパターンは、前記検知用画像を形成する際の前記露光量と異なる露光量によって形成される補正用画像を含み、前記補正手段は、前記読取手段による前記検知用画像の読取結果に基づき前記検知用画像の前記搬送方向に直交する前記方向の濃度に関するデータを決定し、該データに基づき基準濃度との濃度差を前記搬送方向に直交する前記方向の前記複数の領域毎に決定し、前記読取手段による前記補正用画像の読取結果に基づき前記露光補正量と濃度変動量との対応関係を生成し、前記複数の領域毎の前記濃度差から前記対応関係に基づき前記複数の領域毎の前記露光補正量を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、出力画像に生じるシートの搬送方向に直交する方向の濃度ムラを補正する補正処理における補正精度を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置のハードウェア構成例を示す断面図。
図2】画像形成装置100の制御構成例を示すブロック図。
図3】異なるマシンに対応する画像形成エンジンのγ特性の例を示す図。
図4】濃度ムラの補正処理の手順を示すフローチャート。
図5】S101で出力されるテストパターンの例を示す図。
図6】テストパターンにおける主走査方向に等間隔に分割された複数の領域の例(領域A~領域N)を示す図。
図7】条件2で形成された帯画像に対応する濃度プロファイルの例を示す図。
図8】S105で取得される画像形成エンジン)のγ特性の例、及びγ特性から求められる、濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWの例を示す図。
図9】異なる画像形成装置における画像形成エンジンのγ特性の例を示す図。
図10】補正処理の前後の濃度プロファイルの例を示す図(比較例)。
図11】補正処理の前後の濃度プロファイルの例を示す図
図12】主走査方向の領域ごとにγ特性が異なる例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一又は同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[実施例1]
<画像形成装置>
図1は、実施例1及び2の画像形成装置のハードウェア構成例を示す断面図である。画像形成装置100は、操作部20、原稿Gの画像を読み取る画像読取部(リーダ部)100A、及び画像データに基づいて画像形成を行うプリンタ部100Bを備える。操作部20は、表示部218を有する。操作部20は、制御部110、及び画像読取部100Aと接続されている。操作部20は、ユーザによる操作の受け付けのために用いられる。
【0012】
画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の現像剤(トナー)を用いて画像を形成するカラーレーザプリンタである。画像形成装置100は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機(MFP)及びファクシミリ装置のいずれかとして構成されてもよい。なお、参照符号の末尾のY,M,C,Kは、それぞれ、対応する部材が対象とする現像剤(トナー)の色が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであることを示している。以下の説明では、色を区別する必要がない場合には、末尾のY,M,C,Kを省いた参照符号を使用する。
【0013】
画像形成装置100は、それぞれ異なる色(Y,M,C,K)のトナーを用いて画像を形成する4個の画像形成部P(画像形成部PY,PM,PC,PK)を備える。画像形成部PY,PM,PC,PKは、プリンタ部100Bに含まれる。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト6の移動方向に沿って順に画像形成部PY,PM,PC,PKを配置した、タンデム型中間転写方式のカラープリンタとして構成されている。画像形成部PY,PM,PC,PKは、現像装置4Y,4M,4C,Kによって用いられるトナーの色が異なる点を除き、同様の構成を採用している。なお、図1では、簡略化のため、M,C,Kに対応する画像形成部PM,PC,PKの一部の構成部品について参照符号の付与を省略している。
【0014】
(リーダ部)
リーダ部100Aは、原稿Gが載置される原稿台102を備える。原稿台102上の原稿Gの画像を読み取るために、リーダ部Aは、光源103、光学系104、及び読取センサ105を備える。光源103は、原稿Gに光を照射する。照射された光は原稿Gにより反射される。光学系104は、レンズ等を有し、原稿Gによる反射光を読取センサ105の受光面に結像させる。読取センサ105は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)センサであり、受光面に結像した反射光を受光する。リーダ部100Aは、読取センサ105が受光した反射光に応じて原稿Gの画像を表す画像データを生成し、生成した画像データをプリンタ部Bへ送信する。光源103、光学系104、及び読取センサ105は、読取ユニットとして一体に構成されており、図1に示す矢印方向に移動する。これにより原稿Gは、読取センサ105によって全面の画像が読み取られる。
【0015】
なお、読取センサ105は、受光した反射光に対応する輝度値を出力する。この輝度値は、画像処理部108によって、輝度値を濃度値に換算する所定の変換テーブルを用いて濃度値に変換される。
【0016】
(プリンタ部)
プリンタ部100Bは、リーダ部100Aによって生成された画像データに基づいて画像形成を行う。また、プリンタ部100Bは、ネットワーク又は電話回線を介して外部装置から受信した画像データに基づいて画像形成を行うことも可能である。
【0017】
プリンタ部100Bは、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部110を備える。制御部110は、CPU111、RAM112、及びROM113を備える。プリンタ部100Bは、画像形成部PY,PM,PC,PKを用いた画像形成動作(プリント動作)を制御するプリンタ制御部109を更に備える。
【0018】
画像形成部Pは、感光ドラム1(感光体)と、感光ドラム1の周囲に配置された、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、電位センサ5、一次転写ローラ7、及びクリーニング装置8とを備える。感光ドラム1は、矢印R1の方向に回転する。帯電装置2は、感光ドラム1の表面を所定の電位に帯電させる。
【0019】
露光装置3は、入力画像信号(入力画像データ)に基づいてレーザ光(光ビーム)を出射し、当該レーザ光で感光ドラム1の表面を走査することで感光ドラム1を露光する。これにより、入力画像データに基づいて感光ドラム1上に静電潜像が形成される。露光装置3は、レーザ光の走査のために回転多面鏡(ポリゴンミラー)を有している。ポリゴンミラーは、複数の反射面のうちの1つの反射面にレーザ光が照射されることで、当該レーザ光が感光ドラム1の表面を走査するように当該レーザ光を偏向する。
【0020】
現像装置4は、感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させることで当該静電潜像を現像する。これにより、感光ドラム1上にトナー像が形成される。感光ドラム1の近傍で、露光装置3による露光位置と現像装置4との間には、電位センサ5が設けられる。電位センサ5は、感光ドラム1に形成された静電潜像の電位を検出可能である。本実施例において、露光装置3は、画像データに基づいてレーザ光で感光体(感光ドラム1)を露光することで当該感光体に静電潜像を形成する露光手段の一例である。また、現像装置4は、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像することで、シートに転写されるトナー像を形成する現像手段の一例である。
【0021】
一次転写ローラ7は、中間転写ベルト6の内側面を押圧して、感光ドラム1と中間転写ベルト6との間に一次転写ニップ部T1を形成する。一次転写ローラ7は、転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1上のトナー像を、中間転写ベルト6に転写する。クリーニング装置8は、中間転写ベルト6へのトナー像の転写後に感光ドラム1上に残ったトナーを回収する。
【0022】
画像形成部PY,PM,PC,PKにおいてそれぞれ感光ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された4色のトナー像は、中間転写ベルト6上に順に重ねて転写される(一次転写)。これにより、Y,M,C,Kから成るマルチカラーのトナー像が中間転写ベルト6上に形成される。
【0023】
中間転写ベルト6は、テンションローラ61、駆動ローラ62、及び対向ローラ63によって支持されており、駆動ローラ62によって駆動されて所定の速度で矢印R2方向に回転する。中間転写ベルト6上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト6の回転に伴って、中間転写ベルト6と二次転写ローラ64との間の二次転写ニップ部T2へ搬送される。中間転写ベルト6上のトナー像は、二次転写ローラ64によってシートSに転写される。クリーニング装置68は、中間転写ベルト6からシートSへのトナー像の転写後に中間転写ベルト6上に残ったトナーを回収する。
【0024】
シートSは、中間転写ベルト6上のトナー像が二次転写ニップ部T2に到達するタイミングに合わせて、給紙カセット65から給紙及び搬送される。なお、シートSは、記録紙、記録材、記録媒体、用紙、転写材、転写紙等と称されうる。シートSは、分離ローラ66によって1枚ずつ分離されて搬送路に給紙され、レジストローラ対67に向けて当該搬送路を搬送される。レジストローラ対67は、搬送路上のシートを停止状態で待機させ、中間転写ベルト6上のトナー像の搬送タイミングに合わせてシートSを二次転写ニップ部T2へ送り込むように駆動される。これにより、二次転写ニップ部T2において中間転写ベルト6上のトナー像がシートSへ転写される(二次転写)。
【0025】
トナー像が転写されたシートSは、定着装置11へ搬送される。定着装置11は、シートS上に転写されたトナー像に熱及び圧力を加えることで、トナー像をシートSに定着させる。定着装置11による定着処理の後、シートSは、画像形成装置100の外部へ(例えば、排紙トレイへ)排出される。
【0026】
<制御構成>
図2は、画像形成装置100の制御構成例を示すブロック図である。プリンタ制御部109は、光量制御回路190、パルス幅変調回路191、及びパターンジェネレータ192を有する。画像処理部108は、γ補正回路209を有する。
【0027】
光量制御回路190は、露光装置3から出力されるレーザ光の光量(パワー)を制御する。光量制御回路190は、レーザ駆動信号に対して所望の画像濃度が得られるように、露光装置3から出力されるレーザ光の光量を決定する。レーザ光の光量は、露光装置3の露光量に相当し、画像形成条件の一例である。パターンジェネレータ192は、後述する濃度測定用のパターン画像であるテストパターンを形成するための画像データを保持している。
【0028】
γ補正回路209は、入力された画像データに含まれる入力画像信号(入力値)を、階調補正テーブル(LUT)を参照することによって出力画像信号(出力値)に変換する。階調補正テーブルは、画像形成部Pによって形成される画像の階調特性を補正するために画像データを変換するための変換テーブルである。なお、出力画像信号と濃度レベルとの対応関係は、予め求められてROM113に格納されている。この対応関係に基づいて生成された階調補正テーブルが、γ補正回路209に保存されている。
【0029】
パルス幅変調回路191は、光量制御回路190で決定した光量、及び階調補正テーブルに基づいて変換されてγ補正回路209から出力された画像信号に基づいて、レーザ駆動信号を生成する。レーザ駆動信号はPWM(パルス幅変調)信号であり、露光装置から出力されるレーザ光の変調に用いられる。パルス幅変調回路191は、画素ごとに、入力された画像信号が示す濃度に対応したパルス幅(時間幅)を有するパルス信号をレーザ駆動信号として出力する。レーザ駆動信号は、高濃度の画素に対してはパルス幅が広く、低濃度の画素に対してはパルス幅が狭く、中間濃度の画素に対してはパルス幅が中間幅になる。
【0030】
露光装置3は、レーザ駆動信号のパルス幅に応じて面積階調により階調が表現された画像(静電潜像)を、感光ドラム1に形成する。具体的には、露光装置3のレーザ光源(半導体レーザ)は、供給されたレーザ駆動信号のパルス幅に対応する時間だけ発光する。レーザ光源は、形成対象の画素の濃度が高いほど、より長い時間駆動され、形成対象の画素の濃度が低いほど、より短い時間駆動される。その結果、感光ドラム1に形成される静電潜像のドットサイズ(面積)は、画素の濃度に対応して異なるサイズとなる。即ち、露光装置3は、高濃度画素に対しては主走査方向においてより長い範囲を露光し、低濃度画素に対しては主走査方向においてより短い範囲を露光することになる。なお、本実施例において、主走査方向は、シートの搬送方向と直交する方向であり、副走査方向は、シートの搬送方向(主走査方向と直交する方向)である。
【0031】
また、感光ドラム1の近傍で、現像装置4と一次転写ニップ部T1との間には、濃度センサ12が設けられている。濃度センサ12は、感光ドラム1に形成されたトナー像の濃度を検出するためのフォトセンサである。制御部110(CPU111)は、濃度センサ12を用いて、感光ドラム1に形成されたトナー像(テストパターン)の濃度を測定可能である。
【0032】
本実施例において、制御部110(CPU111)は、リーダ部100A又は濃度センサ12による、テストパターンの濃度の測定結果を示す測定データの取得、及び測定データに基づく処理を行う。制御部110(CPU111)は更に、プリンタ部100Bによる濃度ムラ補正用のテストパターンの形成、及びプリンタ部100Bによる画像形成における露光装置3の露光量の補正を制御する。
【0033】
<シェーディング機能>
本実施例の画像形成装置100は、プリンタ部100Bによって形成される画像(出力画像)に発生する主走査方向の濃度ムラの補正を、露光装置3が有するシェーディング機能により実現する。露光装置3は、1走査周期中の、レーザ光源から出力されるレーザ光の光量(露光量)を、シェーディング機能により調整可能である。出力画像に発生する主走査方向の濃度ムラに合わせて1走査周期中のレーザ光の光量を調整(補正)することで、濃度ムラ補正が可能である。
【0034】
本実施例の画像形成装置100では、主走査方向においてレーザ光による走査が行われて画像が形成される画像形成領域が、主走査方向において等間隔に複数の領域に分割され、分割された領域ごとに、露光装置3の光量設定(LPW)が管理される。例えば、画像形成領域の幅が330.2mmであり、(後述する図6に示すように)当該領域を14個の領域A~Nに分割する場合、約23.59mmごとに領域が区切られ、領域ごとに光量設定(LPW)が管理される。濃度ムラ補正に用いられる、レーザ光の光量の補正量(露光補正量ΔLPW)は、後述する補正処理により上述の領域単位で(領域A~Nのそれぞれについて)生成されて管理される。
【0035】
上述の露光補正量ΔLPWは、露光装置3の光量設定値と出力画像の濃度値との対応関係を示す濃度特性に相当する、画像形成エンジンのγ特性に基づいて求められる。このγ特性として予め定められたγ特性を用いて、上述の各領域の露光補正量ΔLPWを決定する場合、画像形成エンジンのγ特性に変化が生じると、濃度ムラの補正精度が低下する可能性がある。
【0036】
ここで、図3は、マシンに対応する画像形成エンジンのγ特性の例を示す図である。例えば、図3に示すように、γ特性の異なるマシンA及びBにおいて主走査方向の濃度ムラ補正のために補正すべき濃度差ΔDが同一である場合に、必要となる露光補正量ΔLPWは、マシンごとに異なるはずである。しかし、固定的に予め定められたγ特性を用いて濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWを決定した場合、露光装置3の光量設定値を適切に制御することができず、露光ムラの補正精度が低下する。
【0037】
そこで、本実施例では、後述するテストパターンを出力し、当該テストパターンの測定結果に基づいて画像形成部P(画像形成エンジン)のγ特性を取得し、取得したγ特性に基づいて露光補正量を決定する。これにより、濃度ムラの補正精度を向上させる。
【0038】
<濃度ムラの補正処理>
次に、本実施例における、プリンタ部100Bによって形成される画像(出力画像)に生じる主走査方向の濃度ムラを補正するための補正処理について説明する。この補正処理は、本実施例の画像形成装置100において制御部110によって実行される。
【0039】
図4は、濃度ムラの補正処理の手順を示すフローチャートである。制御部110は、濃度ムラの補正処理の実行を開始すると、まずS101で、制御部110は、図5に示すように複数の帯画像を含む、濃度ムラの検出用のテストパターンを、シートSに形成(出力)するよう、画像形成部Pを制御する。
【0040】
図5は、S101で出力されるテストパターンの例を示す図である。図5に示すように、本実施例のテストパターンは、副走査方向に一定の幅を有し、かつ、主走査方向に帯状に延びた複数の画像(帯画像)を含む画像パターンとなっている。この複数の帯画像は、それぞれ均一の画像信号値に基づいて主走査方向の画像形成領域にわたって形成され、かつ、主走査方向と直交する副走査方向に並列に配置される。このため、各帯画像は、濃度ムラが生じなければ濃度が均一の画像として形成される。本実施例では、一例として、画像信号値を40%(即ち、最大濃度レベルに対して40%の濃度レベルを示す画像信号値)として各帯画像を形成する。
【0041】
また、図5に示すテストパターンには、それぞれ異なる色(Y,M,C,K)の帯画像から成る帯画像群が、副走査方向に複数配置されている。それぞれの帯画像群は、異なる画像形成条件(条件1~条件4)で形成される。例えば、条件2として、最新の(現在の)画像形成条件(帯電電位、光量設定、及び現像電位)を用いて、対応する2番目の帯画像群が形成される。また、条件1として、条件2の光量設定値(LPW)の-5%となる光量設定値を用いて、対応する1番目の帯画像群が形成される。また、条件3として、条件2の光量設定値(LPW)の+5%となる光量設定値を用いて、対応する3番目の帯画像群が形成され、条件4として、条件2の光量設定値(LPW)の+10%となる光量設定値を用いて、対応する4番目の帯画像群が形成される。
【0042】
このように、制御部110は、色ごとに、テストパターンに含まれる複数の帯画像を、それぞれ異なる画像形成条件で形成するよう、画像形成部Pを制御する。本実施例では、このように異なる画像形成条件で形成された帯画像の濃度を測定し、その測定結果に基づいて画像形成部P(画像形成エンジン)のγ特性を求める。更に、求めたγ特性に基づいて露光補正量を決定することにより、濃度ムラの補正精度を向上させる。なお、上述の画像形成条件は、画像形成エンジンのγ特性に応じて設定されればよい。
【0043】
テストパターンがシートSに形成されると、次にS102で、制御部110は、リーダ部100Aにより、テストパターンの読み取りを行い、対応する画像データを取得する。なお、取得される画像データの各画素の画素値は輝度値で表現される。このため、制御部110は、取得した画像データに含まれる輝度値を濃度値に変換する。
【0044】
その後、S103で、制御部110は、テストパターンにおける帯画像ごとに、主走査方向の画像形成領域を等間隔の複数の領域に分割し、分割された領域単位で各領域の濃度の測定値(濃度値)を、濃度データとして取得する。図6は、テストパターンにおける主走査方向に等間隔に分割された複数の領域の例を示している。本例では、主走査方向の画像形成領域が領域A~Nの14個の領域に分割されている。制御部110は、帯画像ごとに、領域A~Nで得られた濃度値から成る濃度データを、濃度プロファイルとして保存する。なお、以下では4色(Y,M,C,K)の処理のうちの1色(Y)の処理について説明するが、他の色の処理も同様に実行される。また、本実施例では、リーダ部100Aを用いてシートSに形成された上述の複数の帯画像の読み取りを行って得られた濃度データを取得する例について説明しているが、濃度センサ12を用いて複数の帯画像の濃度測定を行って濃度データを取得してもよい。
【0045】
次にS104で、制御部110は、保存した濃度プロファイルに基づいて、領域A~Nの濃度値の平均値である平均濃度値と、平均濃度値に対する各領域の濃度値の差分である濃度差ΔDとを取得する。ここでは、制御部110は、最新の画像形成条件(条件2)で形成された2番目の帯画像群に含まれる帯画像に対応する濃度プロファイルに基づいて、平均濃度値及び各領域の濃度差ΔDを取得する。
【0046】
各帯画像における平均濃度値に対する濃度差ΔDについての主走査方向の分布は、出力画像に生じる主走査方向の濃度ムラの分布に相当する。領域A~Nの濃度差ΔDは、出力画像の濃度ムラの補正処理における濃度の補正量に相当し、平均濃度値は、当該補正処理における濃度の目標値に相当する。領域A~Nの濃度差ΔDは、後述するS105で求められる画像形成部Pのγ特性とともに、後述するS106において、対応する露光補正量ΔLPWを決定するために用いられる。制御部110は、S104の処理が完了するとS105に処理を進める。
【0047】
S105で、制御部110は、画像形成部Pのγ特性を取得する。本実施例では、制御部110は、領域A~Nのうちで、γ特性の取得対象とすべき領域を決定する。具体的には、最新の画像形成条件(条件2)で形成された帯画像に対応する濃度プロファイルに基づいて取得された濃度差ΔDが最も小さい(即ち、平均濃度値に最も近い濃度値を有する)領域を、γ特性の取得対象とすべき領域として決定する。ここで、図7は、条件2で形成された帯画像に対応する濃度プロファイルの例を示す図である。図7の例では、領域Iの濃度値が平均濃度値に最も近いため、領域Iがγ特性の取得対象とすべき領域として決定される。なお、本実施例では、領域A~Nのうちの1つの領域を、γ特性の取得対象とすべき領域として選択しているが、後述する実施例2では、領域A~Nの各領域についてγ特性を取得する。
【0048】
S105で、制御部110は更に、上述のように決定した領域(特定領域)に対応する濃度データに基づいて、画像形成部Pのγ特性を取得する。具体的には、制御部110は、それぞれ異なる画像形成条件(条件1~4)に対応する複数の濃度プロファイルに含まれる、特定領域(領域I)についての濃度値に基づいて、画像形成部Pのγ特性を取得する。図8(A)は、S105で得られる、画像形成部P(画像形成エンジン)のγ特性(γ特性)の例を示す図である。図8(A)に示すように、S105では、条件1~4として設定された、露光装置3の露光量に相当する光量設定値(LPW)と、領域Iについての濃度との対応関係を示すγ特性(γ特性カーブ)が取得される。
【0049】
その後、S106で、制御部110は、S105で取得されたγ特性を用いて、S104で取得された領域A~Nのそれぞれの濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWを決定する。具体的には、γ特性カーブにおいて、出力画像において濃度差ΔDを補正するために必要となる光量設定値(LPW)の補正量が求められ、求められた補正量が露光補正量ΔLPWとして決定される。図8(B)は、γ特性カーブから求められる、それぞれ異なる濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWの例を示す図である。制御部110は、図8(B)に示すような対応関係に基づいて、S104で取得された領域A~Nのそれぞれの濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWを決定し、S107へ処理を進める。
【0050】
最後にS107で、制御部110は、S106で決定した、領域A~Nのそれぞれの露光補正量ΔLPWに基づいて、露光装置3の露光量を補正することで、出力画像の主走査方向の濃度ムラの補正を行う。具体的には、制御部110は、領域A~Nのそれぞれの露光補正量ΔLPWを用いて、最新の画像形成条件(条件2)として設定されている光量設定値を補正することで、それぞれの領域用の光量設定値(LPW)を生成する。生成された光量設定値(LPW)は、光量制御回路190に対して適用される。これにより、光量設定値(LPW)に対応する光量(パワー)で、露光装置3から感光ドラム1の露光用のレーザ光が出力される。その結果、出力画像の主走査方向の濃度ムラが補正される。S107の処理が完了すると、制御部110は、図4の手順による処理を完了する。
【0051】
<濃度ムラの補正効果>
次に、画像形成装置100として複数のマシンY及びZを用いて、各マシンに対して上述の補正処理を適用した場合の、出力画像に発生する主走査方向の露光ムラの補正効果について説明する。マシンY及びZは、図9に示すように、画像形成エンジン(画像形成部P)のγ特性として異なるγ特性を有している。なお、画像形成エンジンγ特性として予め定められたγ特性を用いて露光補正量ΔLPWを決定する場合を比較例とする。比較例では、図5に示すテストパターンに含まれる帯画像群のうち、最新の画像形成条件(条件2)で形成される2番目の帯画像群のみが使用される。
【0052】
図10(A)及び(B)は、マシンY及びZのそれぞれにおいて比較例の補正処理が行われた場合の、補正前後の濃度プロファイルの例を示している。比較例では、図10(A)に示すように、マシンYについては、補正後の濃度プロファイルにおける各濃度値は平均濃度値に近い値に補正されており、出力画像における主走査方向の濃度ムラが十分に低減されている。一方で、図10(B)に示すように、マシンZについては、補正後の濃度プロファイルにおける各濃度値には平均濃度値に対して誤差が生じており、出力画像における主走査方向の濃度ムラが低減されていない。
【0053】
また、図11(A)及び(B)は、マシンY及びZのそれぞれにおいて、本実施例の補正処理が行われた場合の、補正前後の濃度プロファイルの例を示している。図11(A)及び(B)に示すように、本実施例の補正処理では、マシンY及びZのいずれについても、補正後の濃度プロファイルにおける各濃度値は平均濃度値に近い値に補正されており、出力画像における主走査方向の濃度ムラが十分に低減されている。
【0054】
このように、予め定められたγ特性を用いて露光補正量ΔLPWを決定して、濃度ムラの補正処理を行う、比較例のケースでは、マシンのγ特性に合わせて補正処理を行うことができない。その結果、マシンのγ特性に応じて、図10(B)に示すように、露光ムラの補正精度が低下しうる(即ち、過補正又は補正不足が生じうる)。これに対し、本実施例では、画像形成装置100ごとに(マシンごとに)、画像形成エンジンのγ特性に合わせて露光補正量ΔLPWを決定し、濃度ムラの補正処理を行うことができるため、露光ムラの補正精度を向上させることが可能である。
【0055】
以上説明したように、本実施例で、制御部110は、均一の画像信号値に基づいて主走査方向の画像形成領域にわたって形成され、かつ、副走査方向に並列に配置される複数の帯画像を、それぞれ異なる画像形成条件で形成するよう、画像形成部Pを制御する。制御部110は、複数の帯画像の濃度を測定して得られた濃度データに基づいて、主走査方向において画像形成領域を分割した複数の領域(領域A~N)のそれぞれについて、主走査方向の濃度ムラ補正のために補正すべき濃度差ΔDを取得する。制御部110は、濃度データに基づいて、露光装置3の光量設定値と出力画像の濃度値との対応関係を示すγ特性(濃度特性)を取得する。更に、制御部110は、当該濃度特性に基づいて、複数の領域のそれぞれについて、濃度差ΔDに対応する、露光装置3が出力するレーザ光の光量の補正量ΔLPWを決定する。制御部110は、複数の領域のそれぞれについて、決定された補正量ΔLPWで補正された光量設定値を生成する。
【0056】
このように、本実施例では、複数の帯画像(テストパターン)の測定結果に基づいて画像形成部P(画像形成エンジン)のγ特性を取得し、取得したγ特性に基づいて露光補正量を決定する。これにより、画像形成エンジンのγ特性が変化したとしても、出力画像に生じる主走査方向の濃度ムラを補正する補正処理における補正精度を向上させることが可能になる。
【0057】
[実施例2]
実施例1では、画像形成装置ごとに画像形成エンジンのγ特性を求め、当該γ特性に基づいて、補正すべき濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWを決定することで、露光ムラの補正処理を行っている。とりわけ、図4のS105では、主走査方向において分割された領域A~Nのうちで選択した領域(特定領域)をγ特性の取得対象としている。しかし、実際の画像形成装置では、主走査方向における領域ごとに画像形成エンジンのγ特性が異なる場合がありうる。そこで、本実施例では、主走査方向において分割された領域A~Nのそれぞれのγ特性を取得し、取得したγ特性に基づいて露光補正量ΔLPWを決定する例について説明する。以下では、主に実施例1と異なる部分について説明する。
【0058】
図12(A)は、現像装置4の現像ローラと感光ドラム1との間の距離(ΔSD)が領域ごとに異なることで、領域A及びGで画像形成エンジンのγ特性が異なっている例を示している。ΔSDが異なると、現像ローラと感光ドラム1との間に生じる電解強度が異なるため、感光ドラム1に付着するトナー量が異なることになる。これは、主走査方向の領域ごとに画像形成エンジンのγ特性が異なることにつながる。なお、主走査方向の領域ごとにΔSDにばらつきが生じるのは、現像ローラの磁力特性、及び機械的公差等に起因し、ΔSDの差を0にすることは難しい。
【0059】
本実施例における、濃度ムラの補正処理の手順は、実施例1(図4)と同様である。ただし、本実施例では、上述のように、主走査方向における領域ごとに画像形成エンジンのγ特性が異なる場合に対処するために、S105及びS106の処理が以下のように異なっている。
【0060】
具体的には、S105で、制御部110は、領域A~Nの各領域について、画像形成部P(画像形成エンジン)のγ特性を取得する。図12(B)は、S105で取得される、領域ごとに取得されるγ特性の例を示している。(なお、一例として領域A、N及びGのγ特性のみを示しているが、実際には領域A~Nの全てについてγ特性が取得される。)更にS106で、制御部110は、S105で取得された、領域ごとのγ特性を用いて、S104で取得された領域A~Nのそれぞれの濃度差ΔDに対応する露光補正量ΔLPWを決定する。ここでは、領域ごとに取得されたγ特性を用いて、対応する領域について露光補正量ΔLPWが決定される。
【0061】
最後にS107で、制御部110は、実施例1と同様、S106で決定した、領域A~Nのそれぞれの露光補正量ΔLPWに基づいて、露光装置3の露光量を補正することで、出力画像の主走査方向の濃度ムラの補正を行う。
【0062】
以上説明したように、本実施例では、複数の領域(A~N)のそれぞれを取得対象として、画像形成部Pのγ特性を取得し、領域ごとに、取得したγ特性に基づいて露光補正量ΔLPWを決定する。これにより、主走査方向における領域ごとに画像形成エンジンのγ特性が異なっていたとしても、出力画像に生じる主走査方向の濃度ムラを補正する補正処理における補正精度を向上させることが可能になる。
【符号の説明】
【0063】
100:画像形成装置、100A:リーダ部、100B:プリンタ部、110:制御部
図1
図2
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図12