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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240325BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240325BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240325BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240325BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240325BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 234
F21S2/00 230
F21V23/00 120
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019218232
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021089809
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高橋 富志雄
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 徳晃
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/052484(WO,A1)
【文献】特開平11-095214(JP,A)
【文献】特開2020-024806(JP,A)
【文献】特開2020-140815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 19/00
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に段差が形成された筐体と、
光源を格納する光源格納部と、
弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、
基部と、
前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、
前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、
前記延出部と、前記屈曲部とが接続している方向における前記屈曲部の両端間の長さは、前記延出部の両端間の長さよりも長く、
前記延出部は、一端において、切り欠きを形成しており、前記屈曲部は、前記延出部側の一端において、前記切り欠きの幅と略同一の幅の切り欠きを形成していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記段差は、ヘミング曲げされることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
内側面に段差が形成された筐体と、
光源を格納する光源格納部と、
弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、
基部と、
前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、
前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、
前記光源格納部は、前記光源が配置される配置板を備え、
前記配置板は、両端において内側に開口部を有する湾曲部を有し、
前記接続部材は、前記基部の両端に、前記開口部に挿入され、かつ前記湾曲部に係止される歯部を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
前記歯部は、それぞれ前記筐体に向けて屈曲して延びていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記接続部材の2つの前記歯部の先端間の長さは、2つの前記湾曲部間の長さよりも長いことを特徴とする請求項3または4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記配置板は、樹脂で形成されており、
前記光源格納部は、前記配置板とともに電源を格納するカバーを備えており、
前記湾曲部は、前記カバーを支持する支持部を備えることを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記接続部材の2つの前記歯部の先端間の長さは、2つの前記歯部の先端が当接する前記開口部の奥側端間の長さよりも長いことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
内側面に段差が形成された筐体と、
光源を格納する光源格納部と、
弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、
基部と、
前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、
前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、
前記段差は、ヘミング曲げされることにより形成されており、
前記延出部と、前記屈曲部とが接続している方向における前記屈曲部の長さは、前記延出部の長さよりも長く、
前記延出部は、一端において、切り欠きを形成しており、前記屈曲部は、前記延出部側の一端において、前記切り欠きの幅と略同一の幅の切り欠きを形成していることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具として、例えば、特許文献1に開示された照明器具が知られている。特許文献1に開示された照明器具は、LEDモジュールと、取付部品とを備える。LEDモジュールは、LEDを支持する本体、ならびに本体背面に設けられた第1保持部材および第2保持部材を有する。取付部品は、本体背面に対向する面に第1係止部材、係止連結部、および第2係止部材を有する。第1係止部材および第2係止部材は、係止連結部において留め具により取付部品に固定される。第1保持部材には、第1係止部材の一部が挿入可能であって、第1屈曲部と係合し、先端部が係止する第1挿入孔が形成される。また、第2保持部材には、第2係止部材の一部が挿入可能であって、第2屈曲部と係合する第2挿入孔が形成される。先端部が、第1挿入孔に係止し、第2屈曲部が第2挿入孔に係合することにより、LEDモジュールは、取付部品に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-92053号公報(2017年5月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の照明器具では、第1係止部材および第2係止部材が、係止連結部において留め具により固定される構成である。そのため、第1係止部材の先端部に係止する第1挿入孔と、第2係止部材の第2屈曲部に係合する第2挿入孔との配置を自由に決めることが困難であった。
【0005】
また、前記従来の照明器具では、第1保持部材および第2保持部材を有するLEDモジュールが、第1係止部材、係止連結部、および第2係止部材を有する取付部品に取り付けられる構成であるので、部品点数が多かった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光源格納部の取付構造を簡単にし、かつ、部品点数の少ない照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、内側面に段差が形成された筐体と、配置板に配置された光源を格納する光源格納部と、弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、基部と、前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びる延出部と、前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、前記延出部と、前記屈曲部とが接続している方向における前記屈曲部の両端間の長さは、前記延出部の両端間の長さよりも長く、前記延出部は、一端において、切り欠きを形成しており、前記屈曲部は、前記延出部側の一端において、前記切り欠きの幅と略同一の幅の切り欠きを形成していることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、内側面に段差が形成された筐体と、光源を格納する光源格納部と、弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、基部と、前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、前記光源格納部は、前記光源が配置される配置板を備え、前記配置板は、両端において内側に開口部を有する湾曲部を有し、前記接続部材は、前記基部の両端に、前記開口部に挿入され、かつ前記湾曲部に係止される歯部を備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、内側面に段差が形成された筐体と、光源を格納する光源格納部と、弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、基部と、前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有し、前記段差は、ヘミング曲げされることにより形成されており、前記延出部と、前記屈曲部とが接続している方向における前記屈曲部の長さは、前記延出部の長さよりも長く、前記延出部は、一端において、切り欠きを形成しており、前記屈曲部は、前記延出部側の一端において、前記切り欠きの幅と略同一の幅の切り欠きを形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、光源格納部の取付構造を簡単にし、かつ、部品点数の少ない照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る照明装置の詳細構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る照明装置の電源格納部の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る照明装置の光源格納部の構成を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る接続部材が電源格納部および光源格納部に取り付けられている状態を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係る接続部材の構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態1に係る接続部材を光源格納部に組み込む状態を示す図である。
図8】本発明の実施形態1に係る接続部材を電源格納部に組み込む状態を示す図である。
図9】本発明の実施形態2に係る接続部材の構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態3に係る接続部材の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1~8に基づいて詳細に説明する。なお、+Y方向に視た図を正面図と称する。また、+X方向に視た図を側面図と称する。また、+Z方向に視た図を上面図と称する。
【0011】
(照明装置の構成)
図1は、本実施形態の照明装置20の構成を示す斜視図である。図1に示されるように、照明装置20は、電源格納部30と、光源格納部40とを備える。照明装置20は、電源格納部30側から所定の部材(例えば天井)に装着される。
【0012】
図2は、本実施形態の照明装置20の詳細構成を示す図である。図2の符号2001は、正面図である。図2の符号2002は、側面図である。図2の符号2003は、上面図である。
【0013】
図2の符号2001に示されるように、電源格納部30と、光源格納部40とは、互いに接続されている。電源格納部30と光源格納部40との接続方法の詳細については、後述する。電源格納部30には、3個の解除穴31が設けられている。解除穴31は、電源格納部30と光源格納部40との接続の解除に利用される。
【0014】
図2の符号2002に示されるように、電源格納部30は、ノックアウト32を備える。ノックアウト32を打つまたは切ることにより、電源格納部30の内部に通じる穴を設けることができる。
【0015】
図2の符号2003に示されるように、電源格納部30は、複数の突起33と、突出部34とを備える。電源格納部30には、複数の取付穴35と、複数の配線穴36(交流電圧の電線を通す穴)とが設けられている。取付穴35は、照明装置20を所定の部材に取り付けるために利用される。配線穴36は、照明装置20の内部に配線を引き込むために利用される。突出部34は、取付穴35と配線穴36との間に形成されている。
【0016】
(電源格納部の構成)
電源格納部30は、照明装置20の光源などに電力を供給する電源部8を格納する。
【0017】
図3は、本実施形態の電源格納部30の構成を示す図である。図3の符号3001は、正面図である。図3の符号3002は、図3の符号3001に示される範囲Aの底面図である。図3の符号3003は、図3の符号3001に示される範囲Bの底面図である。図3の符号3004は、範囲Bの上面図である。
【0018】
図3の符号3001に示されるように、電源格納部30は、筐体としての本体シャーシ7と、電源端子台9と、調光端子台10と、とを備える。
【0019】
電源部8は、電源格納部30の、突出部34が設けられた位置(図3の(a)において斜線で示される位置)に格納される。具体的には、突出部34は、電源格納部30の内面において凹部になっている。そして、電源部8は、この凹部に格納される。この電源部8は、交流電圧を受けて直流電圧をLEDに供給する。
【0020】
図3の符号3002に示されるように、電源格納部30は、第1配線39をさらに備える。第1配線39の一端は、電源部8に接続されている。また、第1配線39の他端には、コネクタ391が取り付けられている。電源部8は、交流電圧を受け、この第1配線39を介し直流電圧を後述のLEDに供給する。
【0021】
図3の符号3003に示されるように、電源端子台9と、調光端子台10とは、本体シャーシ7に取り付けられている。上述の突起33と、突出部34とは、本体シャーシ7に設けられている。電源端子台9および調光端子台10は、それぞれ、電源部8に配線で接続されている。
【0022】
図3の符号3003および3004に示されるように、配線穴36の縁に、絶縁キャップ361が取り付けられている。これにより、電線が金属製の本体シャーシ7で擦れてショートすることを防止できる。特に、突起33により、本体シャーシ7と、照明装置20が装着される部材(天井など)との間に隙間が形成される場合には、上述の交流電線(配線穴36を通る電線)は、この隙間を動きやすい。この場合にも、絶縁キャップ361は、上述のショートを有効に防止できる。この電線は、例えば、VVF(Vinyl insulated Vinyl sheeted Flat-type)線である。また、電線には、アース線も含まれる。
【0023】
(光源格納部)
光源格納部40は、配置板3に配置された光源を格納する。光源格納部40は、電源格納部30に取り付けられており、複数の発光ダイオード(LED)を格納している。
【0024】
図4は、図1に示される照明装置20の光源格納部40の構成を示す図である。図4の符号4001は、正面図である。図4の符号4002は図4の符号4001に示される範囲Cの上面図である。図4の符号4003は図4の符号4002においてサイドカバー2が外された状態を示す図である。図4の符号4004は範囲Cの斜視図である。図4の符号4005は、図4の符号4004においてサイドカバー2が外された状態を示す。なお、光源格納部40の、電源格納部30に対向する側を上面としている。
【0025】
図4の符号4001に示されるように、光源格納部40は、カバー1と、複数のサイドカバー2と、光源が配置される配置板3と、LED実装基板4と、接続部材50と、複数の落下防止ヒモ6とを備える。カバー1は、配置板3とともに電源を格納する。サイドカバー2は、光源格納部40の両端を覆っている。LED実装基板4は、光源として機能する。LED実装基板4は、カバー1に覆われており、かつ、配置板3の+Z方向側に配置されている。
【0026】
(電気的接続)
図4の符号4002および符号4004に示されるように、光源格納部40は、第2配線49(直流電圧供給線)を備える。この第2配線49の一端は、後述するようにLED実装基板4(LED)から引き出されている。また、第2配線49の他端には、コネクタ491が取り付けられている。そして、コネクタ491と、上述のコネクタ391とが接続されることにより、LED実装基板4と、電源部8とが、電気的に接続される。すなわち、LEDは、電源格納部30に格納された電源部8と配線によって電気的に接続されている。具体的には、電源格納部30は、電源部8から引き出された第1配線39を有する一方、光源格納部40は、LED実装基板4(LED)から引き出された第2配線49を有している。また、第1配線39と第2配線49とは、それぞれコネクタを有しており、これらのコネクタが接続されることにより、電気的に接続される。
【0027】
ここで、サイドカバー2と配置板3との間には、第2配線49を通す穴(隙間)が設けられている。また、図4の符号4003および符号4005に示されるように、配置板3の範囲Dには、開口部11A、11Bが設けられている。LED実装基板4は、この開口部11A、11Bからサイドカバー2側に露出している。そして、第2配線49は、この隙間と開口部11A、11Bとを介し、LED実装基板4に接続されている。
【0028】
第2配線49を通す隙間には、スポンジ19が取り付けられ塞がれている。これにより、LED実装基板4に、埃や虫が侵入することを防止できる。
【0029】
スポンジ19を用いることにより、隙間の形状に合わせて容易に変形させながら隙間を塞ぐことができる。また、スポンジ19は配線より軟らかい材料であるため、第2配線49のダメージを低減でき短絡防止できる。さらに、スポンジ19は接着部材で隙間を塞ぐのとは異なり、サイドカバー2を容易に何度も繰り返して取り付けたり取り外したりすることが可能である。
【0030】
図5は、後述する接続部材50が電源格納部30および光源格納部40に取り付けられている状態を示す図である。電源格納部30が備える本体シャーシ7は、金属板で構成されている。図5に示すように、本体シャーシ7は、+Y方向および-Y方向の両端側の端部37A、37Bで、それぞれ+Z方向側に折り曲げられて本体シャーシ7の内側面に段差38A、39Bが形成されている。本実施形態では、段差38A、39Bは、ヘミング曲げされることにより形成されている。これにより、端部37Aと、カバー1とが係合する部分において、これらの部材が摩擦などにより傷つく可能性を減らすことができる。また、ヘミング曲げされた箇所の強度を向上させることができる。また、ヘミング曲げは、電源格納部30の端部37A、37Bを折り曲げて構成するので、容易にヘミング曲げを形成することができる。ただし、段差38A、39Bは、本体シャーシ7の内側面に突出部または係合部などにより形成されていてもよい。
【0031】
光源格納部40が備える配置板3は、支持部9A、9Bと、第1湾曲部10Aと、第2湾曲部10Bと、を備える。配置板3は、樹脂で成形されている。配置板3は、+Y方向の一端において内側(内面)に開口部11Aを有する第1湾曲部10Aを有する。配置板3は、-Y方向の他端側において内側に開口部11Bを有する第2湾曲部10Bを有している。
【0032】
開口部11A、11Bは、それぞれ第1湾曲部10Aおよび第2湾曲部10Bにおける先端(第1湾曲部10Aおよび第2湾曲部10Bの端のうち、配置板3のY方向における端と反対側の端)の端面と、配置板3の内側のうち、第1湾曲部10Aおよび第2湾曲部10Bにおける先端を-Z方向に延長して配置板3に交わる位置から配置板3のY方向における端(配置板3のY方向の一端または他端)までの内側と、第1湾曲部10Aおよび第2湾曲部10Bの内側と、により形成される。
【0033】
支持部9Aは、配置板3の+Y方向の一端側から、+Z方向に延出するように設けられている。支持部9Bは、配置板3の+Y方向他端側から、+Z方向に延出するように設けられている。支持部9A、9Bは、それぞれ第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bの一部に形成されている。支持部9Aは、カバー1の一端部8Aを係止し、支持部9Bは、カバー1の他端部8Bを係止する。これにより、カバー1を配置板3に固定することができる。
【0034】
第1湾曲部10Aと、第2湾曲部10Bは、+X方向に視たときに、円弧状である。ただし、第1湾曲部10Aと、第2湾曲部10Bは、内側の開口部11A、11Bにそれぞれビスを通すことができるように湾曲していれば、第1湾曲部10Aと、第2湾曲部10Bの形状はこれに限られない。
【0035】
図5に示すように、照明装置20は、電源格納部30および光源格納部40に加えて、接続部材50をさらに備える。接続部材50は、照明装置20のX方向に沿って略均等に3箇所配置されている。これにより、電源格納部30と光源格納部40とを安定的に固定することができる。ただし、接続部材50の配置数および配置間隔は、これに限られない。接続部材50の詳細については、後で説明する。
【0036】
(接続部材)
図6は、本実施形態の接続部材50の構成を示す図である。
【0037】
図6に示すように、接続部材50は、基部51と、歯部52A、52Bと、延出部53A、53Bと、屈曲部54A、54Bとを備えている。
【0038】
接続部材50は、例えば金属で構成されており、弾性を有している。接続部材50は、光源格納部40と電源格納部30が備える本体シャーシ7とを接続する。接続部材50は、基部51の+Y方向および-Y方向の両端に、前記開口部11A、11Bに挿入され、かつ第1湾曲部10Aまたは第2湾曲部10Bに係止される歯部52A、52Bを備えている。
【0039】
接続部材50は、+Y方向略中央に、X方向の厚みが他の基部51よりも薄い切り欠き部55が形成されている。これにより、基部51が+Z方向または-Z方向に屈曲しやすくなるので、接続部材50を本体シャーシ7に接続することが容易となる。
【0040】
歯部52A、52Bは、それぞれ延出部53A、53Bの+X方向および-X方向側に2つ設けられている。ただし、歯部52A、52Bは、それぞれ少なくとも1つ設けられていればよい。歯部52A、52Bは、一端側に切り欠きが形成されている。これにより、歯部52A、52Bがそれぞれ第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに食い込みやすくすることができる。歯部52A、52Bは、+X方向に視て+Z方向に屈曲して延びている。すなわち、歯部52A、52Bは、電源格納部30に向けて屈曲して延びている。
【0041】
延出部53A、53Bは、基部51の+Y方向に沿う両端側から屈曲して、それぞれ本体シャーシ7の内側面に向けて延びている。
【0042】
屈曲部54A、54Bは、それぞれ延出部53A、53Bの一端において本体シャーシ7の内側面に向けて屈曲している。
【0043】
歯部52A、52Bと、延出部53A、53Bとは、それぞれ基部51から別々に設けられている。このため、歯部52A、52Bが第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに食い込んで接続部材50と本体シャーシ7とを固定することによらずに、屈曲部54A、54Bを本体シャーシ7の段差38A、38Bに係合させることができる。
【0044】
(接続部材の光源格納部への組み込み方法)
図7は、本実施形態の接続部材50を光源格納部40に組み込む状態を示す図である。図7の符号7001は、本実施形態の接続部材50が光源格納部40に組み込まれる前の状態を示す図である。図7の符号7002は、本実施形態の接続部材50が光源格納部40に組み込まれた後の状態を示す図である。
【0045】
図7の符号7001に示すように、接続部材50のY軸方向の先端間の長さを長さLとする。換言すれば、屈曲部54Aが段差38Aに係合する側の端部と、屈曲部54Bが段39Bに係合する側の端部と、の間の長さである。第1湾曲部10A、第2湾曲部10B間の長さを長さL1とする。2つの歯部52A、52Bの先端が当接する開口部11A、11Bの奥側端間の長さを長さL2とする。なお、接続部材50の2つの歯部52A、52Bの先端間の長さとは、歯部52Aの切り欠きが形成されている側の一端と、歯部52Bの切り欠きが形成されている側の一端と、の間の長さをいう。
【0046】
接続部材50を光源格納部40に組み込む際には、まず、接続部材50の基部51を、Y方向において撓ませた後、接続部材50を配置板3の近傍まで移動させる。次に、基部51に印加している力を解除することにより、歯部52A、52Bをそれぞれ第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに当接させる。
【0047】
ここで、図7の符号7001および7002に示すように、接続部材50を光源格納部40に取り付けていない状態において、接続部材50の2つの前記歯部52A、52Bの先端間の長さは、L2の長さよりも長い。このため、さらに接続部材50を-Z方向に移動させると、接続部材50は、接続部材50の2つの前記歯部52A、52Bの先端間の長さと、L2の長さとの差分に対応して、基部51と配置板3との間に空間を形成するように撓む。このとき、撓んだ基部51は、-Z方向に弾性力が働く。このため、歯部52A、52Bは、それぞれ+Y方向および-Y方向に弾性力が作用する。また、屈曲部54A、54Bは、それぞれ+Y方向および-Y方向に弾性力が作用する。
【0048】
歯部52A、52Bは、それぞれ第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに食い込みながら係止している。このため、歯部52A、52Bは、それぞれ第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに食い込みながら係止することにより、接続部材50が電源格納部30に固定されやすくすることができる。歯部52A、52Bは、電源格納部30に向けて屈曲して延びるため、+Z方向側の歯部52A、52Bの面においても第1湾曲部10A、第2湾曲部10Bに係止する。これにより、接続部材50が電源格納部30により固定されやすくすることができる。
【0049】
接続部材50は、ビスを使用せずに光源格納部40に固定する構成である。このため、接続部材50の設置場所を自由に決めることができる。
【0050】
(光源格納部の電源格納部への接続方法)
図8は、本実施形態の光源格納部40を電源格納部30に接続する状態を示す図である。図8の符号8001は、本実施形態の接続部材50が電源格納部30に組み込まれる前の状態を示す図である。図8の符号8002は、本実施形態の接続部材50が電源格納部30に組み込まれる途中の状態を示す図である。図8の符号8003は、本実施形態の接続部材50が電源格納部30に組み込まれた後の状態を示す図である。図8の符号8004は、図8の符号8003の範囲Eの拡大図である。
【0051】
図8の符号8001に示す状態では、光源格納部40と、電源格納部30とは、接続されていない状態である。この状態から、光源格納部40を+Z方向に移動させると、図8の符号8002に示すように、端部37A、37Bは、それぞれ屈曲部54A、54Bに当接する。この状態から、光源格納部40を+Z方向にさらに移動させると、図8の符号8003および符号8004に示すように、屈曲部54A、54Bは、それぞれ+Y方向および-Y方向に弾性力が作用しているため、本体シャーシ7の内側面を押圧する作用が生じる。そして、この状態から、光源格納部40を+Z方向にさらに移動させると、屈曲部54A、54Bは、それぞれ本体シャーシ7の内側面の段差38A、39Bに係合する。これにより、屈曲部54A、54Bは、段差38A、39Bに係合するだけで、接続部材50を電源格納部30に係止することができる。このため、接続部材50の取付を容易にすることができる。また、接続部材50のみで電源格納部30と光源格納部40とを係止することができるので、部品点数を少なくすることができる。
【0052】
本実施形態において、接続部材50の2つの前記歯部52A、52Bの先端間の長さは、L1の長さよりも長い。このため、接続部材50は、これらの長さの差分に対応して撓んで弾性変形する。これにより、屈曲部54A、54Bは、それぞれ本体シャーシ7の内側面に向けて押圧する弾性力がより大きくなるので、接続部材50が電源格納部30の段差38A、38Bに係合されやすくすることができる。
【0053】
本実施形態において、接続部材50の2つの前記歯部52A、52Bの先端間の長さは、L2の長さよりも長い。このため、基部51は、接続部材50の2つの前記歯部52A、52Bの先端間の長さと、L2の長さとの差分に対応して配置板3との間に空間を形成する。これにより、基部51は、配置板3との空間の大きさが変わる自由度があるので、段差38A、38Bに適切に係合することができる。
【0054】
延出部53A、53Bと、屈曲部54A、54Bと、が接続している方向(図8のX方向)における屈曲部54A、54Bの長さは、延出部53A、53Bの長さよりも長い。接続している方向とは、延出部53A、53Bと、屈曲部54A、54Bとの境界(折れている箇所)が延びている方向である。これにより、屈曲部54A、54Bがより段差38A、39Bに係合しやすくすることができる。
【0055】
本実施形態の照明装置20においては、屈曲部54A、54Bは、それぞれ延出部53A、53Bの一端において本体シャーシ7の内側面に向けて屈曲する。このため、屈曲部54A、54Bに作用する弾性力は、本体シャーシ7の外側に向かって作用しやすくなっている。
【0056】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0057】
図9は、本実施形態の接続部材60の構成を示す図である。
【0058】
図9に示すように、接続部材60は、延出部53A、53B、および屈曲部54A、54Bに代えて、延出部63A、63B、および屈曲部64A、64Bを備える。
【0059】
延出部63A、63Bは、一端において、延出部63A、63Bの延出方向に垂直な方向な方向から視たときに、矩形状の切り欠きを形成している。
【0060】
屈曲部64A、64Bは、それぞれ延出部63A、63Bの一端において本体シャーシ7の内側面に向けて屈曲する。屈曲部64A、64Bは、X方向における延出部63A、63Bの矩形状の切り欠きの幅と略同一の幅の切り欠きを形成している。これにより、接続部材60は、接続部材50と比べて、切り欠きを形成しているので、製造コストを低くすることができる。また、延出部63A、63Bと屈曲部64A、64Bとが接続されている箇所が、他の実施形態と比べて、範囲が狭い。このため、屈曲部64A、64Bが段差38A、38Bに係合するために、屈曲しやすくすることができる。
【0061】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0062】
図10は、本実施形態の接続部材70の構成を示す図である。
【0063】
図10に示すように、接続部材70は、基部51、歯部52A、52B、および延出部53A、53Bに代えて、基部71と、歯部72A、72Bと、延出部73A、73Bとを備える。
【0064】
基部71は、+Y方向および-Y方向の両端に歯部72A、72Bに接続している。基部71は、基部51と比べて、X方向における幅が小さい。これにより、基部71を備える接続部材70は、電源格納部30と光源格納部40とを接続する際に使用するスペースを減らすことができる。
【0065】
歯部72A、72Bは、基部71の+X方向中央にそれぞれ1つ備えられている。これにより、歯部72A、72Bは、それぞれ1つ備えているので、他の実施形態に比べて、部品点数を下げることができる。
【0066】
延出部73A、73Bは、それぞれ延出方向に垂直な方向な方向から視たときに、一端側に正方形状の切り欠きを形成している。正方形状の切り欠きの1辺の長さは、歯部72A、72BのX方向における長さと略同一である。
【0067】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る照明装置は、内側面に段差が形成された筐体と、配置板に配置された光源を格納する光源格納部と、弾性を有し、前記光源格納部と前記筐体とを接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、基部と、前記基部の両端側から屈曲してそれぞれ前記筐体の前記内側面に向けて延びている延出部と、前記延出部の一端において前記筐体の前記内側面に向けて屈曲し、前記段差に係合する屈曲部と、を有する。
【0068】
上記の構成によれば、光源格納部と電源格納部とを接続する際に接続部材1つのみで光源格納部と電源格納部とを接続することができる。また、上記の構成による照明装置は、留め具などのビスを使用する必要もない。このため、光源格納部の取付構造を簡単にし、かつ、部品点数の少ない照明装置を提供することができる。
【0069】
本発明の態様2に係る照明装置は、上記態様1において、前記段差は、ヘミング曲げされることにより形成されていてもよい。
【0070】
上記の構成によれば、電源格納部と光源格納部とが係合する部分において、これらの部材が摩擦などにより傷つく可能性を減らすことができる。また、ヘミング曲げされた箇所の強度を向上させることができる。また、ヘミング曲げは、電源格納部の端部を折り曲げて構成するので、容易にヘミング曲げを形成することができる。
【0071】
本発明の態様3に係る照明装置は、上記態様1または2において、前記光源格納部は、前記光源が配置される配置板を備え、前記配置板は、両端において内側に開口部を有する湾曲部を有し、前記接続部材は、前記基部の両端に、前記開口部に挿入され、かつ前記湾曲部に係止される歯部を備えてもよい。
【0072】
上記の構成によれば、歯部は、それぞれ湾曲部に食い込みながら係止することにより、接続部材が電源格納部に固定されやすくすることができる。
【0073】
本発明の態様4に係る照明装置は、上記態様3において、前記歯部は、それぞれ前記筐体に向けて屈曲して延びていてもよい。
【0074】
上記の構成によれば、歯部がより多くの箇所で湾曲部に係止する。これにより、接続部材が電源格納部により固定されやすくすることができる。
【0075】
本発明の態様5に係る照明装置は、上記態様3または4において、前記接続部材の2つの前記歯部の先端間の長さは、2つの前記湾曲部間の長さよりも長くてもよい。
【0076】
上記の構成によれば、接続部材の2つの前記歯部の先端間の長さと、湾曲部間の長さとの差分に対応して撓んで弾性変形する。これにより、屈曲部は、それぞれ電源格納部の内側面に向けて押圧する弾性力がより大きくなるので、接続部材が電源格納部の段差に係合されやすくすることができる。
【0077】
本発明の態様6に係る照明装置は、上記態様3~5において、前記配置板は、樹脂で形成されており、前記光源格納部は、前記配置板とともに電源を格納するカバーを備えており、前記湾曲部は、前記光源格納部を係止する支持部を備えていてもよい。
【0078】
上記の構成によれば、支持部は、カバーを係止する。これにより、カバーを配置板に固定することができる。
【0079】
本発明の態様7に係る照明装置は、上記態様6において、前記接続部材の2つの前記歯部の先端間の長さは、2つの前記歯部の先端が当接する前記開口部の奥側端間の長さよりも長くてもよい。
【0080】
上記の構成によれば、接続部材は、2つの前記歯部の先端間の長さと、2つの歯部の先端が当接する開口部の奥側端間の長さとの差分に対応して、接続基部と配置板との間に空間を形成するように撓む。これにより、接続基部は、配置板との空間の大きさが変わる自由度があるので、段差に適切に係合することができる。
【0081】
本発明の態様8に係る照明装置は、上記態様1~7において、前記延出部と、前記屈曲部とが接続している方向における前記屈曲部の長さは、前記延出部の長さよりも長くてもよい。
【0082】
上記の構成によれば、屈曲部がより段差に係止しやすくすることができる。
【0083】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0084】
3 配置板
7 本体シャーシ(筐体)
支持部 9A、9B
第1湾曲部(湾曲部) 10A
第2湾曲部(湾曲部) 10B
20 照明装置
38A、38B 段差
40 光源格納部
50、60、70 接続部材
51、71 接続基部
歯部 52A、52B、72A、72B
延出部 53A、53B、63A、63B、73A、73B
屈曲部54A、54B、64A、64B
接続部の両端間の長さ L
湾曲部間の長さ L1
2つの歯部の先端が当接する開口部の奥側端間の長さ L2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10