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特許7458765情報処理システム、家電機器、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、家電機器、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240325BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019224291
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2021093669
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘暁
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-076799(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049948(WO,A1)
【文献】特開2013-162314(JP,A)
【文献】特開2016-111564(JP,A)
【文献】特開2014-075784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
D06F 33/00-34/34
58/30-58/52
F24C 7/02
F24F 11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G06F 3/16
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器と、前記家電機器に対してネットワークを介して接続された端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記端末装置に設けられ、ユーザの状態情報を検知する状態検知部と、
前記家電機器に設けられ、前記家電機器である洗濯機の運転動作が終了したタイミングに、前記状態検知部により検知された前記状態情報を取得して、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記状態検知部により検知された前記状態情報に基づいて、
前記ユーザが宅内にいる場合に前記洗濯機に関する情通知を実行し
前記ユーザが宅内にいない場合に通知しない
情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記家電機器と前記端末装置との位置関係に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記状態情報に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知を実行するか否かを切り替える、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記状態情報が変化した場合に、前記家電機器に関する情報の通知を実行するか否かを切り替える、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記状態情報は、前記家電機器に関するユーザの特性を含み、
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記家電機器に関するユーザの特性に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記状態情報は、臭気情報を含み、
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記臭気情報に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記状態情報は、前記ユーザの活動量に関する情報を含み、
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記ユーザの活動量に関する情報に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記状態情報に加え、気象情報に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する、
請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
家電機器である洗濯機の運転動作が終了したタイミングに、ユーザの状態情報を取得する状態取得部と、
前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する通知制御部と、
を備え、
前記通知制御部は、
前記状態取得部により取得された前記状態情報に基づいて、
前記ユーザが宅内にいる場合に前記洗濯機に関する通知の情報を更新して通知して、
前記ユーザが宅内にいない場合に通知しない
家電機器。
【請求項10】
家電機器に、
前記家電機器である洗濯機の運転動作が終了したタイミングに、ユーザの状態情報を取得させ、
前記取得されたユーザの状態情報に基づいて、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更させることと、
前記ユーザが宅内にいる場合に前記洗濯機に関する通知の情報を更新して通知して、
前記ユーザが宅内にいない場合に通知しないことと
を実施させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、家電機器、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器とサーバ装置と通信端末装置とが通信ネットワークを介して接続され、通信端末装置に備えられたセンサのセンシング情報を家電機器に送信し、センシング情報に基づいて家電機器を用いた情報の通知を行う家電ネットワークシステムが知られている。しかしながら、ユーザの状態を十分に考慮することなく情報の通知が行われた場合、家電機器の利用時におけるユーザの利便性が損なわれる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6460762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、家電機器の利用時におけるユーザの利便性を高めることができる情報処理システム、家電機器、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理システムは、家電機器と端末装置とがネットワークを介して接続されたシステムである。情報処理システムは、状態検知部と、制御部とを持つ。前記状態検知部は、前記端末装置に設けられ、ユーザの状態情報を検知する。前記制御部は、前記端末装置に設けられ、前記家電機器である洗濯機の運転動作が終了したタイミングに、前記状態検知部により検知された前記状態情報を取得して、前記家電機器に関する情報の通知態様を変更する。前記制御部は、前記状態検知部により検知された前記状態情報に基づいて、前記ユーザが宅内にいる場合に前記洗濯機に関する情通知を実行し、前記ユーザが宅内にいない場合に通知しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の情報処理システムの構成の一例を示す図。
図2】実施形態の洗濯機を示す斜視図。
図3】ユーザの状態に応じた洗濯機に関する情報の通知態様の一例を示す図。
図4】ユーザの状態に応じた洗濯機に関する情報の通知態様の一例を示す図。
図5】ユーザの状態に応じた洗濯機に関する情報の通知態様の一例を示す図。
図6】実施形態の洗濯機の構成の一部を示すブロック図。
図7】実施形態の情報処理システムの制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の情報処理システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。本明細書で「YY1またはYY2」とは、「YY1」のみが存在する場合、または「YY2」のみが存在する場合に限定されず、「YY1」および「YY2」の両方が存在する場合も含む。これは、「または」で繋がれる要素が3つ以上の場合も同様である。本明細書で「ZZ1とZZ2とのうち少なくとも一方」とは、「ZZ1」および「ZZ2」の両方が前提として存在する場合に限定されず、「ZZ1」のみしか存在しない場合、または「ZZ2」のみしか存在しない場合も含む。「XX」、「YY1」、「YY2」、「ZZ1」、および「ZZ2」は、それぞれ、任意の要素(例えば任意の情報、機能、または構成)である。
【0008】
[1.情報処理システムの構成]
図1は、実施形態の情報処理システム100の構成の一例を示す図である。情報処理システム100は、家電機器と、家電機器に対してネットワークを介して接続された端末装置とを含む。家電機器は、例えば、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、および、エアコンのうち少なくとも一部を含む。端末装置は、例えば、携帯端末機器、テレビ、および、スマートスピーカのうち少なくとも一部を含む。以下の説明では、家電機器が洗濯機1であり、端末装置が携帯端末機器110、テレビ120、スマートスピーカ130である場合を例に挙げて説明する。
【0009】
洗濯機1は、例えば家屋内に設置されたルータRを介して、携帯端末機器110、テレビ120、およびスマートスピーカ130と通信可能である。携帯端末機器110には、ユーザの状態情報を検知するセンサ112が搭載されている。ユーザの状態情報は、例えば、ユーザの位置情報であり、センサ112は、GPSセンサである。センサ112は、「状態検知部」の一例である。洗濯機1は、ルータRを介してネットワークNWと接続され、クラウドサーバ200と通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、電話回線、無線基地局などのうち1つ以上を含む。
【0010】
クラウドサーバ200は、ネットワークNWを介して洗濯機1および端末装置と通信を行う。クラウドサーバ200は、例えば、携帯端末機器110を通じて検知されたユーザの位置情報をネットワークNWを介して受信し、ユーザの位置情報をデータベースに保存する。ユーザの位置情報は、例えば、緯度情報、経度情報、および、高さ情報を含む。
【0011】
[2.洗濯機の全体構成]
次に、洗濯機1の全体構成について説明する。
図示はしないが、筐体1A内には、前面が開口したほぼ円筒状をなし、投入口2に連通して洗濯水が溜められる水槽が設けられている。水槽内には、衣類が収容される図示しないドラムが設けられている。図2に示すように、洗濯機1の筐体1Aの前面には、ドラムへの衣類の投入口2が設けられている。筐体1Aの前面には、扉3が設けられている。扉3は、ドラムへの投入口2を開放する開放位置と、ドラムへの投入口2を閉塞する閉塞位置との間で移動可能である。
【0012】
筐体1Aの上面には、操作パネル5が設けられている。操作パネル5は、例えば、タッチパネルディスプレイである。操作パネル5は、例えば、洗濯機1の洗濯動作に関するユーザの入力操作を受け付ける。
【0013】
筐体1Aの前面には、洗濯処理剤投入口6が設けられている。洗濯処理剤投入口6は、ユーザが洗濯動作1回分の洗剤または柔軟剤を水槽に手動で投入する場合に用いられる。
【0014】
筐体1Aの上面には、給水弁ユニット8が設けられている。給水弁ユニット8の上部には接続口7が設けられ、接続口7には水道管が接続され、水道管から水道水が供給される。給水弁ユニット8には、後述する複数の給水弁38が設けられている。給水弁38が開弁した場合、洗濯処理剤投入口6または自動投入機構10を介して水が水槽に給水される。
【0015】
筐体1Aの上面には、洗剤または柔軟剤を水槽に自動投入する自動投入機構10が設けられている。自動投入機構10は、例えば、洗剤タンク11と、柔軟剤タンク12と、ポンプとを備える。自動投入機構10は、ポンプを駆動させることで、洗剤タンク11に収容された洗剤、または、柔軟剤タンク12に収容された柔軟剤を水槽に自動投入する。ポンプは、定量ポンプであり、例えば、シリンジポンプを含む。洗剤タンク11または柔軟剤タンク12は、筐体1Aの上面に凹設されたタンク収容部13に配置されている。筐体1Aの上面には、蓋14が設けられている。蓋14は、タンク収容部13の上方の開口を開放する開放位置と、タンク収容部13の上方の開口を閉塞する閉塞位置との間で変位可能である。
【0016】
図3図5は、ユーザの状態に応じた洗濯機1に関する情報の通知態様の一例を示す図である。洗濯機1、携帯端末機器110、テレビ120、およびスマートスピーカ130は、ルータRを介してクラウドサーバ200に通信可能に接続されており、携帯端末機器110に搭載されたセンサ112を通じて検知されたユーザの位置情報を共有している。図3に示す例では、ユーザは、テレビ120の近くに位置している。この場合、ユーザの位置情報は、例えば、テレビ120または他の機器にカメラを搭載し、カメラにより認識されるテレビ120の使用状況に基づいて検知してもよい。そのため、洗濯機1は、洗濯機1に関する情報をルータRを通じてテレビ120に送信してユーザに通知する。図4に示す例では、ユーザは、洗濯機1の近くに位置している。そのため、洗濯機1は、洗濯機1に関する情報を洗濯機1が備える操作パネル5を通じてユーザに通知する。図5に示す例では、ユーザは、洗濯機1およびテレビ120の双方から離れて位置している。そのため、洗濯機1は、洗濯機1に関する情報をユーザが所持する携帯端末機器110を通じてユーザに通知する。図5に示す例では、ユーザは、洗濯機1に関する情報を、スマートスピーカ130を通じてユーザに通知してもよい。洗濯機1に関する情報は、例えば、洗濯機1の洗濯動作が終了した旨を示すメッセージを含む情報である。
【0017】
[3.制御に関する機能構成]
図6は、洗濯機1の制御に関する機能構成の一部を示すブロック図である。制御部20は、マイコンやタイマなどを有したコンピュータで実現される。制御部20には、通信装置30、操作パネル5、回転センサ32、水位センサ34、自動投入機構10、モータ36、給水弁38、排水弁40、循環ポンプ42、および乾燥ユニット44が接続されている。
【0018】
通信装置30は、例えば、アンテナと高周波回路とを含む無線モジュールである。通信装置30は、ルータRおよびネットワークNWを介して携帯端末機器110、テレビ120、スマートスピーカ130、および、クラウドサーバ200と通信可能である。
【0019】
モータ36は、例えばブラシレスDCモータであり、ドラムを正逆両方向に回転駆動させる。
【0020】
回転センサ32は、モータ36の回転軸に設けられ、モータ36の回転位置を検知する。
【0021】
水位センサ34は、筐体1Aの上部に設けられ、水槽に貯められた水の水位を検知する。
【0022】
給水弁38は、例えば、電磁式の開閉弁であり、給水弁ユニット8内に設けられている。制御部20からの制御に基づき、給水弁38の開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる。給水弁38が開弁状態である場合、給水弁ユニット8に供給された水道水が洗濯処理剤投入口6または自動投入機構10を介して水槽に給水される。
【0023】
排水弁40は、例えば、電磁式の開閉弁であり、水槽の排水口に設けられている。制御部20からの制御に基づき、排水弁40の開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる。排水弁40が開弁状態である場合、水槽に貯められた水が洗濯機1の外部に排出される。
【0024】
循環ポンプ42の吸入口は、水槽に貯められた水を、フィルタユニットを介して吸入し、吸入した水を水槽に循環させる。
【0025】
乾燥ユニット44は、水槽内に温風を循環供給して衣類を乾燥させる。乾燥ユニット44は、例えば、循環ダクトと、循環ダクト内に設けられた送風ファンおよびヒータを備える。乾燥ユニット44は、例えば、循環ダクト内に設けられたヒートポンプなどの除湿手段を含んでもよい。
【0026】
制御部20は、例えば、ユーザによる操作パネル5の操作信号や、水位センサ34の検出信号に基づいて、運転制御プログラムに従って、モータ36、給水弁38、排水弁40、循環ポンプ42等の各機構を制御し、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程などの各工程からなる洗濯動作を実行する。制御部20は、洗い工程およびすすぎ工程において、水槽内の所定水位までの給水状態で、循環ポンプ42を適宜駆動させつつ、ドラムを比較的低速で正方向および逆方向に所定時間間隔で交互に回転させる制御を行う。制御部20は、脱水工程において、ドラムを一方向に連続して高速回転させる制御を行う。
【0027】
制御部20は、携帯端末機器110に搭載されたセンサ112により検知されたユーザの位置情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。制御部20は、「状態取得部」、および、「通知制御部」の一例である。制御部20は、例えば、ユーザの位置情報に基づいて、洗濯機1に関する情報を、洗濯機1または携帯端末機器110を用いて通知してもよい。
【0028】
制御部20は、洗濯機1と携帯端末機器110との位置関係に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。制御部20は、例えば、携帯端末機器110が洗濯機1の近傍に存在する場合に、洗濯機1に関する情報を、洗濯機1を用いて通知してもよい。
【0029】
制御部20は、ユーザの位置情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知を実行するか否かを切り替える。制御部20は、例えば、ユーザが宅内に存在する場合には、洗濯機1に関する情報の通知を実行し、ユーザが宅外に存在する場合には、洗濯機1に関する情報の通知を実行しなくてもよい。
【0030】
制御部20は、ユーザの状態情報が変化した場合に、洗濯機1に関する情報の通知を実行するか否かを切り替える。制御部20は、例えば、ユーザが宅外から宅内に移動した場合に、洗濯機1に関する情報の通知を実行してもよい。また、制御部20は、例えば、ユーザの帰宅時間に合わせて洗濯機1の予約運転を設定し、洗濯機1が予約運転を実行中である場合には予約運転状態であることをユーザに通知したり、洗濯機1が予約運転を終了した場合には予約運転が終了していることをユーザに通知したりしてもよい。また、制御部20は、例えば、ユーザが宅内から宅外に移動した場合において、洗濯機1の予約運転が設定されていない場合には、洗濯機1の洗濯コースとして、槽洗浄剤を用いて水槽およびドラムの洗浄を行う槽洗浄コースを実行することをユーザに提案してもよい。すなわち、制御部20は、洗濯機1の洗濯動作が長時間に亘って行われないことが想定される場合には、洗濯機1のメンテナンスを行うために槽洗浄コースを実行することをユーザに提案してもよい。また、制御部20は、例えば、ユーザが寝室からリビングに移動してテレビ120を視聴し始めた場合に、推奨する洗濯コースをユーザに通知したり、洗濯機1の運転状態をユーザに通知したりしてもよい。
【0031】
制御部20は、洗濯機1に関するユーザの特性に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。ユーザの特性は、例えば、夫、妻、子などの家族構成、年齢、性別などを含む。制御部20は、例えば、ユーザが洗濯を実行した人物であるか否かに応じて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更してもよい。この場合、制御部20は、例えば、第1ユーザ(例えば、妻)が一日に複数回に亘って洗濯を行った場合、洗濯機1の運転が終了した時点で運転終了を第1ユーザに通知し、かつ、第1ユーザの行動内容を宅外に存在する第2ユーザ(例えば、夫)に通知してもよい。これにより、第1ユーザと第2ユーザとの間における家庭内でのコミュニケーションが促進される。
【0032】
制御部20は、臭気情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。臭気情報は、例えば、携帯端末機器110に搭載された臭気センサにより検出される。臭気情報は、ユーザ自身から発せられる臭気に関する情報でもよいし、ユーザが滞在していた環境における臭気に関する情報でもよい。制御部20は、臭いの度合を表す数値が高い場合には、洗浄度の高い洗濯コースを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。また、制御部20は、焼き肉の臭いやタバコの臭いなど、臭いの種別に応じて、臭いを消臭する洗濯コースを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。また、制御部20は、臭いの度合いに応じて、衣類の洗い分けを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。
【0033】
制御部20は、ユーザの活動量に関する情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。ユーザの活動量に関する情報は、例えば、携帯端末機器110に搭載された活動量センサにより検出される。ユーザの活動量に関する情報は、ユーザの心拍数に関する情報でもよいし、ユーザの歩数に関する情報でもよいし、ユーザの移動速度や移動距離に関する情報でもよい。また、ユーザの活動量に関する情報は、ユーザの位置情報と関連付けられてもよい。制御部20は、例えば、ユーザの活動量が多い場合には、衣類の汚れ度合いが高いと判断し、洗浄度の高い洗濯コースを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。また、制御部20は、例えば、ユーザが公園に滞在した履歴がある場合には、衣類が泥汚れしている可能性が高いと判断し、泥汚れに適した洗濯コースを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。また、制御部20は、複数のユーザの衣類をまとめて洗濯する場合には、ユーザごとの活動量の集計値に基づいて、衣類の汚れ度合いを判断し、衣類の汚れ度合いに適した洗濯コースを推奨するようにユーザに対して通知してもよい。
【0034】
制御部20は、ユーザの位置情報に加え、気象情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。気象情報は、例えば、外部サーバからネットワークNWを通じて取得される。気象情報は、例えば、天気、気温、湿度、および、花粉に関する情報を含む。気象情報は、ユーザの位置情報と関連付けられてもよい。制御部20は、例えば、ユーザが存在するエリアの花粉量が多く、かつ、ユーザが宅外に存在していた場合には、花粉の洗浄に適した洗濯コースを推奨するようにユーザに通知する。この場合、制御部20は、ユーザが存在するエリアの花粉量が多い場合であっても、ユーザが宅内に存在していた場合には、花粉の洗浄に適した洗濯コースの推奨を行わない。
【0035】
[4.通知処理の制御フロー]
図7は、通知処理の主な制御の流れを示すフローチャートである。まず、制御部20は、洗濯機1に関する情報の通知タイミングであるか否かを判定する(S10)。洗濯機1に関する情報の通知タイミングは、例えば、洗濯機1の洗濯動作が終了したタイミングを含む。
【0036】
制御部20は、洗濯機1に関する情報の通知タイミングである場合(S10:YES)、ユーザの状態情報を取得する(S12)。また、制御部20は、ユーザの状態情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を設定し(S14)、設定した通知態様で洗濯機1に関する情報をユーザに通知する(S16)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。一方で、制御部20は、洗濯機1に関する情報の通知タイミングではない場合(S10:NO)、S12~S16の処理を経ることなく、本フローチャートの処理が終了する。
【0037】
[5.利点]
本実施形態の情報処理システム100は、ユーザの状態情報を検知し、ユーザの状態情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。これにより、適切な手段によって情報の通知を行うことができる。
【0038】
本実施形態では、制御部20は、洗濯機1と携帯端末機器110との位置関係に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。これにより、ユーザの位置に適した手段によって情報の通知を行うことができる。
【0039】
本実施形態では、制御部20は、ユーザの状態情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知を実行するか否かを切り替える。これにより、効果的に情報を通知することができる。
【0040】
本実施形態では、制御部20は、ユーザの状態情報が変化した場合に、洗濯機1に関するっ情報の通知を実行するか否かを切り替える。これにより、効果的に情報を通知することができる。
【0041】
本実施形態では、制御部20は、洗濯機1に関するユーザの特性に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。これにより、ユーザにとって有意義な情報の通知を行うことができる。
【0042】
本実施形態では、制御部20は、臭気情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。これにより、臭気の種別や度合いに適した洗濯コースを推奨するなど、臭気情報に応じた情報の通知を行うことができる。
【0043】
本実施形態では、制御部20は、ユーザの活動量に関する情報に基づいて、洗濯機1に関する情報の通知態様を変更する。これにより、ユーザの活動量が多い場合には、衣類の汚れが多いと判断し、洗浄度の高い洗濯コースを推奨するなど、ユーザの活動量に応じた情報の通知を行うことができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
1…洗濯機、20…制御部、100…情報処理システム、110…携帯端末機器、120…テレビ、130…スマートスピーカ、200…クラウドサーバ、NW…ネットワーク、R…ルータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7