IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図1
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図2
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図3
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図4
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図5
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図6
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図7
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図8
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図9
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図10
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図11
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図12
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図13
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図14
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図15
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図16
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図17
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図18
  • 特許-制御装置およびその制御方法 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】制御装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240325BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240325BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240325BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240325BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B17/18
H04N5/77 200
H04N23/60 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019228215
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021097352
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】瓦田 昌大
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-077237(JP,A)
【文献】特開2009-089348(JP,A)
【文献】特開2003-204504(JP,A)
【文献】国際公開第2011/093367(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G03B 17/18
H04N 5/77
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を記憶手段に記憶させる制御手段と、
各種の情報を表示する表示手段と、を有し、
前記複数の画像のそれぞれは、画像の評価に関する情報と対応づけられ、
前記制御手段は、ユーザによって前記複数の画像を一括削除する操作がなされた場合には、前記複数の画像の評価に関する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記画像の評価に関する情報は、第1の評価または第2の評価若しくは評価が付されていないことに対応する第3の評価を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の画像のうち、前記第2の評価よりも高い評価である前記第1の評価に関する情報を付された画像の数を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記複数の画像は、前記記憶手段の1つのフォルダに格納された画像であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項の記載の制御装置
【請求項5】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶される画像が、通信によって画像が転送されたか否か、外部装置へ画像が保存されたか否か及びユーザによる評価の変更があったか否かのうち少なくとも1つに関する情報を、画像と対応付けて記憶させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置
【請求項6】
複数の画像を記憶手段に記憶させる制御ステップと、
各種の情報を表示する表示ステップと、を有し、
前記複数の画像のそれぞれは、画像の評価に関する情報と対応づけられ、
前記制御ステップでは、ユーザによって前記複数の画像を一括削除する操作がなされた場合には、前記複数の画像の評価に関する情報を前記表示ステップで表示させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の一括削除を行う場合のユーザ通知に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影した画像に評価情報を付与することができることが知られている。特許文献1には、画像の削除など所定処理を施すための操作入力を受けた際、画像の評価情報など特定情報と関連付けられた画像かを判定して、その判定結果に応じて上記所定処理の実施承認操作における表示内容を変更する電子機器が開示されている。この電子機器では、評価情報が入力された画像を削除する際、削除承認を確認する画面で“OK”と“キャンセル”が表示されるが、初期選択として“OK”を避けるよう制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-77701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にて開示された電子機器では、1枚ずつ削除処理を行う上では有効な方法である。しかし、例えばフォルダ削除やメディア初期化といった一括削除処理を行う場合、1枚ずつ削除承認画面を表示させて、操作入力で“OK”を選択させることになる。このため、削除範囲に特定情報と関連付けられた画像が多くなるにつれて、作業が煩雑になる可能性があった。
【0005】
本発明は、画像の一括削除処理を行う場合のユーザの利便性を向上させる制御装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての制御装置は、複数の画像を記憶手段に記憶させる制御手段と、各種の情報を表示する表示手段と、を有し、前記複数の画像のそれぞれは、画像の評価に関する情報と対応づけられ、前記制御手段は、ユーザによって前記複数の画像を一括削除する操作がなされた場合には、前記複数の画像の評価に関する情報を前記表示手段に表示させるよう構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一括削除処理において、所定条件の優良な画像が対象に含まれていることを操作者に知らせることで、誤って削除操作することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1であるデジタルカメラの構成を示す図。
図2】実施例1のデジタルカメラの撮像面を光入射から見て示す図。
図3】実施例1の撮像面内の画素部の構造を示す図。
図4】実施例1において合焦状態で焦点検出画素から得られた位相差像信号の位相差を示す図。
図5】実施例1において非合焦状態で焦点検出画素から得られた位相差像信号の位相差を示す図。
図6図1における焦点検出ユニットの光学系を示す図。
図7】JPEG画像データの構成例を示す図。
図8】実施例1のデジタルカメラが撮影時に実行する処理を示すフローチャート。
図9】実施例1における等級付けの処理を示すフローチャート。
図10】実施例1の第1の等級付け処理におけるデフォーカス量絶対値と等級との関係を示す図。
図11】実施例1のデジタルカメラが非撮影時に実行する処理を示すフローチャート。
図12】実施例1のデジタルカメラにおける画像の一括削除処理を示すフローチャート。
図13】実施例1において記録部初期化の確認の操作入力を求める通常の画面表示。
図14】実施例1においてフォルダ削除の確認の操作入力を求める通常の画面表示。
図15】実施例1において削除範囲に要注意画像が含まれる場合の記録部初期化の確認の操作入力を求める画面表示。
図16】実施例1において削除範囲に要注意画像が含まれる場合のフォルダ削除の確認の操作入力を求める画面表示。
図17】本発明の実施例2のデジタルカメラにおける非撮影時にさらに実行する処理を示すフローチャート。
図18】本発明の実施例3における外部の画像処理装置(コンピュータ)の構成を示す図。
図19】実施例3のコンピュータが実行する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
<デジタルカメラの構成>
図1は、本発明の実施例1である撮像装置としてのデジタルカメラの構成を示す。デジタルカメラは、レンズユニット部100とカメラ部200とを有する。レンズユニット部100は、不図示のマウント部に設けられたレンズ装着機構を介してカメラ部200に着脱可能に取り付けられている。マウント部には、電気接点ユニット108が設けられている。この電気接点ユニット108には、通信クロックライン、データ送信ライン、データ受信ライン等を含む通信バスライン用端子が設けられており、該通信バスライン用端子によりレンズユニット部100とカメラ部200とが通信可能になっている。
【0011】
レンズユニット部100は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、それぞれ光軸方向に移動して変倍(ズーム)および焦点調節(フォーカス)を行うズームレンズおよびフォーカスレンズを含むレンズ部101と、光量を制御する絞り102とを含む。また、レンズユニット部100には、ズームレンズおよびフォーカスレンズを移動させるステッピングモータを駆動源とする駆動系および該駆動源を駆動する電気回路を含むレンズ駆動ユニット103が設けられている。レンズユニット部100には、レンズ駆動ユニット103内のステッピングモータの位相を示す信号の波形をレンズコントローラ104を通じて取得してズームレンズやフォーカスレンズの位置を検出するレンズ位置検出部105が設けられている。レンズ部101、レンズ駆動ユニット103およびレンズ位置検出部105によって焦点調節手段が構成される。
【0012】
さらにレンズユニット部100には、絞り102を制御する絞り制御ユニット106と、レンズ部101と絞り102の各種光学設計値が記録された光学情報記録部107とが設けられている。レンズ駆動ユニット103、絞り制御ユニット106および光学情報記録部107は、レンズユニット部100全体の動作を制御するCPU等のレンズコントローラ104に接続されている。
【0013】
カメラ部200は、レンズユニット部100と電気接点ユニット108を介して通信を行い、レンズ部101のズームやフォーカスおよび絞り102の制御要求をレンズユニット部100に送信し、制御結果をレンズユニット部100から受信する。
【0014】
撮像光学系に入射した光束は、レンズ部101および絞り102を通過してカメラ部200内のメインミラー201に導かれる。メインミラー201はハーフミラーにより構成されている。図1に示すように撮像光学系からの光路上に斜めに配置された状態(以下、ミラーダウン状態という)では、入射光束の半分をピント板203に向けて反射し、他の半分をサブミラー202に向けて透過させる。また、メインミラー201は、図1にて両矢印曲線で示すように上方向に移動して光路から退避することができる(以下、この状態をミラーアップ状態という)。サブミラー202も、同図にて両矢印曲線で示すように、ミラーアップ状態にて光路外に退避する。
【0015】
ピント板203は、後述する撮像部210と光学的に共役な位置に配置された拡散板であり、撮像光学系からの光束がこのピント板203上に被写体像を形成する。ピント板203を透過した光束(被写体像)は、ペンタプリズム204にて正立像に変換され、接眼レンズ205を通過してファインダ206に到達する。撮影者はファインダ206および接眼レンズ205を通じてピント板203上に形成された被写体像を観察することができる。
【0016】
また、ペンタプリズム204に入射した光束の一部は、測光用結像レンズ207を通過して被写体像の輝度を測定する測光センサ208に入射する。測光センサ208は、不図示の光電変換素子や、該光電変換素子にて得られた電荷から輝度を算出する不図示のプロセッサで構成されている。また、測光センサ208は、光電変換素子から得られた電荷から2次元の白黒多階調画像データを得る。この白黒多階調画像データは、後から各種モジュールより参照できるようにメモリ213に保存される。
【0017】
ミラーダウン状態において、サブミラー202は、反射した光束を焦点検出ユニット209に導く。焦点検出ユニット209は、焦点検出領域において位相差検出方式による焦点検出を行う。焦点検出領域は、撮像画角の中央部等の1カ所の領域である。
【0018】
一方、ミラーアップ状態において、撮像光学系に入射した光束は、レンズ部101および絞り102を通過してカメラ部200内の撮像部210に到達する。撮像部210は、二次元光電変換素子としての撮像素子と、該撮像素子から出力された撮像信号から画像データを生成したり該画像データの輝度補正等の各種画像処理を行ったりするプロセッサを含む。撮像部210の詳しい構成については後述する。
【0019】
また、カメラ部200には、撮影者により操作される操作スイッチ211が設けられている。操作スイッチ211は、2段ストロークタイプのスイッチであり、1段目(SW1)のオン操作により、ミラーダウン状態にて測光およびフォーカス等の撮像準備動作が開始される。また、2段目(SW2)のオン操作によりメインミラー201およびサブミラー202がミラーアップ状態に移動して撮像動作が開始される。後述する静止画連写モードにおいてSW2のオン操作が継続されると、複数回の撮像動作(連写)が行われる。
【0020】
相関演算部214は、焦点検出ユニット209又は撮像部210から取得した一対の位相差像信号(2像信号)に対して相関演算を行って該2像信号間のシフト量ごとの相関値を算出する。位相差検出部215は、算出された相関値が最も高い相関を示すシフト量、すなわち位相差(像ずれ量)を算出する。デフォーカス量検出部216は、位相差検出部215で算出された位相差と撮像光学系の光学特性とに基づいて撮像光学系のデフォーカス量を算出する。
【0021】
カメラコントローラ212は、電気接点ユニット108を介してレンズコントローラ104との間で制御情報を送受信し、デフォーカス量検出部216で算出されたデフォーカス量に基づいてレンズ部101を駆動制御する。これにより、撮像光学系の焦点位置を調節する(すなわちAFを行う)。
【0022】
本実施例のデジタルカメラは、撮像部210で撮像された被写体像や各種操作状況を表示する表示部217を有する。また、デジタルカメラは、撮像動作モードである静止画ワンショットモード、静止画連写モード、ライブビューモードおよび動画記録モードを備えており、撮影者が撮像動作モードを切り替えるために操作する操作部218を有する。操作部218は、動画記録の開始や終了の指示を入力したり、記録された各種データを削除する指示を入力することもできる。また、デジタルカメラは、後述するワンショットAFモードおよびサーボAFモードを含む焦点検出モードを備えており、撮影者は操作部218を通じて焦点検出モードを選択することができる。
【0023】
また、本実施例のデジタルカメラは、外部のサーバーやコンピュータ(これらは外部装置の一例である)に接続して、撮影画像を記録する記録部219に記録された画像データを転送(アップロード)するための通信部220を有する。
【0024】
<撮像部210>
撮像部210における撮像素子の撮像面の構成について図2および図3を用いて説明する。図2は、光入射側から見た撮像面を示している。撮像部210は、複数の画素部(水平方向h画素部×垂直方向v画素部)を有する。
【0025】
図3(a)は、1つの画素部の構成を示している。各画素部は、撮像光学系の射出瞳面で分割された一対の光束のそれぞれが入射する第1の焦点検出画素Aおよび第2の焦点検出画素Bを有する。第1の焦点検出画素Aおよび第2の焦点検出画素Bの前面には、集光用の1つのマイクロレンズMLが配置されている。各画素部は、Bayer配列の赤、緑、青のいずれかのカラーフィルタ(不図示)を有している。
【0026】
画素部において、平滑層301は、マイクロレンズMLを形成するための平面である。遮光層302a,302bは、第1の焦点検出画素Aと第2の焦点検出画素Bに不必要な斜め角度の光束を入射させないようにするために配置されている。第1の焦点検出画素Aと第2の焦点検出画素Bはそれぞれ、撮像光学系の射出瞳のうち互いに異なる、かつ画素部の中心Cについて対称な瞳領域からの光束を互いに視差を持って受光して電荷(画素信号)を出力する。第1の焦点検出画素Aの電荷と第2の焦点検出画素Bの電荷とを加算することで、図3(b)に示すように撮像画素Cとしての電荷(撮像信号)を得ることができる。
【0027】
<撮像面位相差検出方式による焦点検出の原理>
撮像素子において複数の第1の焦点検出画素Aが配列された第1の焦点検出画素列と複数の第2の焦点検出画素Bが配列された第2の焦点検出画素列は互いに対をなす。これら対の第1および第2の焦点検出画素列上には、撮像素子の画素数が多くなるにつれて近似した一対の被写体像(2像)が形成されるようになる。第1の焦点検出画素列の複数の第1の焦点検出画素Aのそれぞれからの画素信号が結合されることで一列の位相差像信号(以下、A像信号という)が生成される。また、第2の焦点検出画素列の複数の第2の焦点検出画素Bのそれぞれからの画素信号が結合されることで一列の位相差像信号(以下、B像信号ともいう)が生成される。撮像光学系が被写体に対してピントが合っている合焦状態では、A像信号とB像信号は互いに一致する。
【0028】
これに対して、撮像光学系のピントが被写体に対してずれている非合焦状態では、A像信号とB像信号との間には位相差が生じる。その位相差の方向は、予定焦点面に対して結像位置が手前側である前ピン状態と、予定焦点面に対して結像位置が遠側である後ピン状態とで逆になる。
【0029】
図4は、ある画素部における合焦状態でのA像信号とB像信号間の位相差を示す。図5は、ある画素部における非合焦状態でのA像信号とB像信号の位相差を示す。図4および図5では、第1の焦点検出画素AをAとして、第2の焦点検出画素BをBとして示している。
【0030】
被写体(一点)からの光束は、第1の焦点検出画素Aに対応する瞳領域を通って該第1の焦点検出画素Aに入射する光束ΦLaと、第2の焦点検出画素Bに対応する瞳領域を通って該第2の焦点検出画素Bに入射する光束ΦLbとに分割される。これら2つの光束は、被写体上の同一点から入射しているため、撮像光学系の合焦状態では、図4に示すように同一のマイクロレンズMLに入射角θで入射してこれを通過し、撮像素子上の1点に到達する。したがって、A像信号とB像信号は互いに一致する。
【0031】
しかし、図5に示すように、xだけピントがずれている状態では、光束ΦLa,ΦLbのマイクロレンズMLへの入射角がθからθに変化する分だけ両光束ΦLa,ΦLbの到達位置が互いにずれる。したがって、A像信号とB像信号間には位相差が生じる。この場合、A像信号とB像信号に対して上述した相関演算を行うことで位相差を算出しし、該位相差からデフォーカス量を算出する撮像面位相差検出方式による焦点検出を行うことができる。
【0032】
<焦点検出ユニット209>
焦点検出ユニット209の光学系について、図6を用いて説明する。図6において、被写体面601から出射した光束は、レンズ部101および絞り102を含む撮像光学系602とメインミラー201を通過してサブミラー202により反射されて焦点検出ユニット209に入射する。焦点検出ユニット209は、視野マスク603、フィールドレンズ604、2次光学系絞り605、2次結像レンズ606および少なくとも一対の光電変換素子列607a,607bを有する焦点検出用センサ608を含む。
【0033】
焦点検出ユニット209に入射した光束は、予定結像面の近傍に配置された視野マスク603を通過してフィールドレンズ604に入射する。視野マスク603は、焦点検出領域外の不要な光束がフィールドレンズ604から光電変換素子列607a,607bに入射するのを防ぐための遮光部材である。フィールドレンズ604は、焦点検出領域内の周辺部分の減光や不鮮明さを抑えるために、撮像光学系602からの光束を制御するレンズである。フィールドレンズ604を通過した光束は、撮像光学系602の光軸に対して対称に配置された一対の2次光学系絞り605と2次結像レンズ606を更に通過する。これにより、撮像光学系602を通過する光束のうち一部(対の一方)の光束が光電変換素子列607aに入射し、他の一部(対の他方)の光束が光電変換素子列607bに入射する。
【0034】
<焦点検出ユニット209の信号に基づく焦点検出の原理>
撮像光学系602の結像面が予定結像面の前側にある場合は、光電変換素子列607aに入射する光束と光電変換素子列607bに入射する光束は、図6にて矢印で示す方向に互いに近づいた状態となる。また、撮像光学系602の結像面が予定結像面の後側にある場合は、光電変換素子列607aに入射する光束と光電変換素子列607bに入射する光束は互いに離れた状態となる。このように、光電変換素子列607aに入射する光束と光電変換素子列607bに入射する光束とのずれ量は、撮像光学系602の合焦度合いと相関を有する。光電変換素子列607aに入射する光束を光電変換することで得られた信号(A像信号)と光電変換素子列607bに入射する光束を光電変換して得られた信号(B像信号)との間の位相差を求めれば、該位相差からデフォーカス量を算出することができる。これにより、位相差検出方式の焦点検出を行うことができる。
【0035】
<画像データの属性情報の記録方式>
図7は、撮像により得られた画像データをJPEG方式で保存する場合における画像データの構成例を示す。JPEG方式の画像データは、バイト列で表されたマーカーセグメントで各種情報のデータ列を仕切ることで、データ列の内容を把握できるようになっている。図7に示すように、JPEG方式の画像データは、圧縮データの開始を示すマーカーセグメント“SOI”が先頭に記述され、続いて画像データの属性情報を示すマーカーセグメント“APP1”が記述される。このほか圧縮画像データの量子化テーブルやハフマンテーブル等の各種情報が、“APP1”とは別のマーカーセグメントが記述される。最後部には、圧縮符号化された画像のデータ列と、圧縮データの終了を示すマーカーセグメント“EOI”とが記述される。
【0036】
画像データの属性情報を示すマーカーセグメント“APP1”は、下記の参考文献1に記載されたExif方式により“MakerNote”(メーカー独自利用)欄やその他の属性情報を記述することができる。“MakerNote”欄は、メーカーが画像ファイルフォーマットの規格を崩さない限りにおいて自由な方式で各種情報を記述することができる。ただし、記述の自由度がある一方で、他メーカーとの互換性が低くなる特徴を持っている。
(参考文献1)一般社団法人 カメラ映像機器工業会 デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.31 (CIPA DC-008-2016)
【0037】
また、マーカーセグメント“APP1”は、下記の参考文献2に記載のXMP方式(AdobeXMP規格)により“Rating”(等級)欄やその他の属性情報を記述することができる。“Rating”欄は、規格としての値である0~5と、明示的に等級付けをしないことを示す値である-1の計7種類の等級(評価結果)を記述することができる。このような等級付けを利用することで、例えば多数の撮像画像を含む画像群から、高い等級の一部画像を抽出して優先的に取り扱うことができるようになる。
(参考文献2)“Extensible Metadata Platform (XMP) Specification” Part1~Part3, Adobe Systems Incorporated.
【0038】
マーカーセグメント“APP1”は、Exif方式の記述とXMP方式の記述を併用することができ、その場合は同じマーカーセグメント“APP1”が記述方式ごとに個別に設けられる。このようなマーカーセグメントで各種情報のデータ列を仕切る記録様態は、JPEG方式のほかTIFFや他の画像ファイルフォーマットでも利用されている。
【0039】
<デジタルカメラの撮像動作モード>
本実施例のデジタルカメラは、撮像から記録に至る動作が互いに異なる静止画ワンショットモードと静止画連写モードとを有する。以下、各モードについて説明する。
【0040】
<静止画ワンショットモード>
本実施例における静止画ワンショットモードは、操作スイッチ211のSW2のオン操作に応じて1つの静止画が得られるモードである。静止画ワンショットモードでは、メインミラー201がミラーダウン状態となるようカメラコントローラ212によって制御され、撮影者がファインダ206を覗くことで被写体像を目視できる状態となる。また、サブミラー202によって被写体からの光束が焦点検出ユニット209に導かれる。
【0041】
静止画ワンショットモードにおいて操作スイッチ211のSW1がオン操作されると、測光センサ208を用いて被写体像の輝度を測定する第1の測光動作を行う。その測光結果に基づいて絞り102の開口径や撮像部210の電荷蓄積時間やISO感度が定められる。また、第1の測光動作に続いて焦点検出ユニット209によって第1の焦点検出が行われ、得られた焦点検出結果(第1の焦点検出結果)に基づいて合焦状態が得られるようにレンズ部101の焦点位置が制御される。
【0042】
静止画ワンショットモードでSW2がオン操作されると、絞り102が第1の測光動作による測光結果に基づいて定められた開口径に制御される。またこれと同時に、メインミラー201とサブミラー202がミラーアップ状態に移動される。ミラーアップ状態において、第1の測光動作による測光結果から定められた電荷蓄積時間やISO感度で撮像部210が撮像信号を取得する撮像動作が行われる。
【0043】
撮像部210は、撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して得られた撮像信号から、瞳分割画像データである第1のRAWデータを生成する。第1のRAWデータは、射出瞳面で分割された一対の被写体光束をそれぞれ光電変換することにより得られ、各画素部の第1の焦点検出画素Aに対応する信号と第2の焦点検出画素Bに対応する信号(一対の画素信号)を保持した画像データである。第1のRAWデータは、カメラコントローラ212と接続されているメモリ213に一時的に記憶される。
【0044】
メモリ213に一時的に記憶された第1のRAWデータは、カメラコントローラ212と接続されている相関演算部214に送られ、該第1のRAWデータに基づく第2の焦点検出に用いられる。
【0045】
また、カメラコントローラ212は、第1のRAWデータを記録用RAWファイル用のファイルフォーマットに整えて記録用の第2のRAWデータを生成する。第2のRAWデータは、第1のRAWデータ(瞳分割画像データ)に相当するデータとともに、撮像条件(絞り値等)や属性情報を記録したものである。第2のRAWデータは、記録部219に記録される。
【0046】
さらに、カメラコントローラ212は、第2のRAWデータが含むA像信号とB像信号を画素部ごとに加算して撮像信号を生成し、該撮像信号に対して現像演算等の画像処理を行う。この画像処理により、所定のファイルフォーマット(本実施例ではJPEGファイル)に編成された記録用の静止画データが得られ、該静止画データは記録部219に記録される。
【0047】
<静止画連写モード>
本実施例における静止画連写モードは、操作スイッチ211のSW2のオン操作が継続されることで、該SW2のオン操作が解除されるまで静止画撮像を繰り返すモードである。これにより、複数の静止画が取得される。
【0048】
<AFモード>
本実施例のデジタルカメラは、焦点検出モードとしてワンショットAFモードとサーボAFモードを備える。以下、これら焦点検出モードについて説明する。
【0049】
ワンショットAFモードは、操作スイッチ211のSW1のオン操作に応じて、合焦状態を得るための焦点位置の制御(以下、焦点位置制御という)を1回のみ行う焦点検出モードである。焦点位置制御の完了後は、SW1がオン操作された状態が継続する間は焦点位置がそのまま固定される。本実施例では、カメラコントローラ212は、静止画ワンショットモード中はワンショットAFモードでの焦点位置制御を行う。
【0050】
サーボAFモードは、操作スイッチ211のSW1かSW2のオン操作が継続されている間、焦点位置制御を繰り返し行う焦点検出モードである。これにより、移動する被写体に焦点位置を追従させることができる。SW1のオン操作が解除されることに応じて焦点位置制御が終了される。本実施例では、カメラコントローラ212は、静止画連写モード中はサーボAFモードでの焦点位置制御を行う。
【0051】
<デジタルカメラの撮影時の動作>
図8のフローチャートは、本実施例におけるデジタルカメラが撮影時に行う処理(撮像動作および画像等級付け動作および画像出力処理状況の初期化)を示している。カメラコントローラ212は、コンピュータプログラムに従って本処理を実行する。カメラコントローラ212は、画像処理装置に相当する。
【0052】
・撮像動作(ステップS801~ステップS807)
本実施例のデジタルカメラは、電源投入直後の初期状態において、ミラーダウン状態で静止画ワンショットモードあるいは静止画連写モードが設定されており、撮影者がファインダ206を覗くことで被写体像を確認できる状態となっている。まず、操作スイッチ211のSW1が撮影者によってオン操作されることでステップS801からの撮像動作のための処理が実行される。
【0053】
ステップS801では、カメラコントローラ212は、測光センサ208に測光を行わせて測光結果を得る。この後、カメラコントローラ212はステップS802に進む。
【0054】
ステップS802では、カメラコントローラ212は、焦点検出ユニット209に撮像光学系(レンズ部101)のデフォーカス量を検出する第1の焦点検出を行わせて第1の焦点検出結果としてのデフォーカス量を得る。この後、カメラコントローラ212はステップS803に進む。
【0055】
ステップS803では、カメラコントローラ212は、ステップS802で得た第1の焦点検出結果に基づいて、レンズ部101のフォーカスレンズの駆動量であるフォーカス駆動量を算出する。カメラコントローラ212は、算出したフォーカス駆動量をレンズコントローラ104に送信する。レンズコントローラ104は、受信したフォーカス駆動量に基づいて、レンズ駆動ユニット103を通じてフォーカスレンズを移動させてレンズ部101の焦点位置を制御する。この後、カメラコントローラ212は、ステップS804に進む。
【0056】
なお、ステップS803でのフォーカス駆動量の算出においては、レンズコントローラ104を通じて絞り制御ユニット106から取得した現在の絞り値を用いてもよい。また、フォーカスレンズの位置ごとに定まるフォーカス敏感度(単位デフォーカス量分の焦点位置移動に必要なフォーカス駆動量)を光学情報記録部107から取得して用いてもよい。また、デフォーカス量の増加とともに光学的に変化する基準フォーカス駆動量の変動倍率を光学情報記録部107から取得して用いてもよい。
【0057】
ステップS804では、カメラコントローラ212は、操作スイッチ211の操作状態を検出し、SW1のオン操作が保持されているか否かを判断する。カメラコントローラ212は、SW1のオン操作が保持されている場合はステップS805に進み、そうでなければステップS806に進む。
【0058】
ステップS805では、カメラコントローラ212は、焦点検出モードがサーボAFモードであるか否かを判断する。サーボAFモードであれば、カメラコントローラ212は、操作スイッチ211のSW2がオン操作あるいは解放されるまで測光および第1の焦点検出を繰り返し行うためにステップS801に戻る。一方、焦点検出モードがサーボAFモードではなくワンショットAFモードであれば、カメラコントローラ212は、焦点位置を固定したまま操作スイッチ211のSW1のオン操作の保持状態を引き続き監視するためにステップS804に戻る。
【0059】
ステップS806では、カメラコントローラ212は、操作スイッチ211の操作状態を検出し、SW2がオン操作されたか否かを判断する。カメラコントローラ212は、SW2がオン操作された場合はステップS807に進み、そうでなければ操作スイッチ211のSW1とSW2がともにオン操作されてないとみなして本処理を終了する。
【0060】
ステップS807では、カメラコントローラ212は、メインミラー201およびサブミラー202をミラーアップ状態に制御する。そしてカメラコントローラ212は、撮像部210に、ステップS801での測光結果から定められた電荷蓄積時間やISO感度の設定に基づいて撮像信号を取得するための撮像動作を行わせる。撮像部210は、被写体像を光電変換することで撮像信号を取得し、瞳分割画像データである第1のRAWデータを生成する。生成された第1のRAWデータは、メモリ213に転送される。
【0061】
また、カメラコントローラ212は、第2のRAWデータや、第2のRAWデータに所定の画像処理を行うことにより所定のファイルフォーマットの静止画データ(JPEGファイル等を生成する。カメラコントローラ212は、これら第2のRAWデータおよび静止画データを記録部219に記録させる。この後、カメラコントローラ212はステップS808に進み、画像処理装置としての動作を行う。
【0062】
・等級付け(ステップS808、ステップS901~ステップS903)
ステップS808では、カメラコントローラ212は、相関演算部214に、メモリ213に転送された第1のRAWデータを用いた第2の焦点検出を行わせる。デフォーカス量検出部216は、該第2の焦点検出の結果(第2の焦点検出結果)からデフォーカス量を算出する。第2の焦点検出は、ステップS807の撮像動作の後に行われるため、本処理の1回のシーケンスの中で、ステップS802で説明した第1の焦点検出結果に基づくステップS803の焦点位置制御より後に行われる。
【0063】
第2の焦点検出について、図9を用いてより具体的に説明する。まずステップS901において、カメラコントローラ212は、第1のRAWデータをメモリ213から相関演算部214に転送させる。相関演算部214は、転送された第1のRAWデータから焦点検出領域に対応する画像領域を抽出し、抽出された画像領域内の一対の焦点検出画素列から得られた2像信号のシフト量ごとの相関値を算出する。位相差検出部215は該シフト量ごとの相関値のうち最も高い相関を示す相関値から位相差を算出する。デフォーカス量検出部216は、絞り102の絞り値ごとに定まる単位位相差あたりの基準デフォーカス量を光学情報記録部107から取得する。デフォーカス量検出部216は、取得した単位位相差あたりの基準デフォーカス量と位相差検出部215で算出された位相差とに基づいてデフォーカス量を算出する。この後、カメラコントローラ212はステップS902に進む。
【0064】
ステップS902では、カメラコントローラ212は、第2の焦点検出結果から算出されたデフォーカス量に基づいて等級付けを行う。具体的には、カメラコントローラ212は、まず第2の焦点検出結果に基づいて算出されたデフォーカス量における遠近方向を示す符号を取り除いて絶対値表現にしたデフォーカス量絶対値D[μm]を算出する。次に、デフォーカス量絶対値Dをあらかじめ定められた合焦度Jと比較し、この比較結果に応じて等級を決定する。合焦度Jは、撮像により取得された画像データ(撮像画像)における許容錯乱円径δ[μm]と絞り値Fの積を単位量とする倍率を表す。この倍率が大きくなるにつれて合焦度合いが下がり、ボケ像が大きいことを表す。
【0065】
図10は、合焦度J[Fδ]と、第2の焦点検出結果に基づいて算出されたデフォーカス量絶対値D[μm]と、それに対応する等級との関係を示す。例えば、絞り102の絞り値Fが2.8で許容錯乱円径δが10[μm]である条件下において、デフォーカス量絶対値Dが7.0[μm]である場合、対応する合焦度J[Fδ]は以下の式(1)の計算により求められる。
J=7.0/(2.8×10)=0.25 …(1)
【0066】
本実施例での等級付けは、図10に示した合焦度Jに基づく値1~5の5段階の等級と、等級付けを行っていないことを示す初期値0の等級と、等級付けを行っていないこと又は等級付けができなかったことを示す値-1の等級との計7種類を用いる。なお、本実施例では、合焦度Jに基づく等級を5段階としているが、参考文献2に記載のXMP方式では、より少なく設定しても差し支えない。または、独自の方式を用いるのであれば、より多い等級数を設定しても良い。第1の等級付けによる等級の決定後、カメラコントローラ212はステップS903に進む。
【0067】
ステップS903では、カメラコントローラ212は、等級付けの結果(評価情報)を、対応する画像(静止画)データの属性情報領域に記録する。つまり、等級付けの結果は対応する画像に対応付けられた形で記録される。具体的には、図7で記録方式として説明したように、画像データのマーカーセグメント“APP1”にExif方式の情報記述領域を作成し、“MakerNote”欄を設ける。そして、その欄に図10に示した合焦度Jに基づく値1~5の5段階の等級を記録する。等級付けの結果を記録したカメラコントローラ212は等級付け処理を終了する。この後、カメラコントローラ212は図8のステップS809に進む。
【0068】
・所定の画像操作の実施管理(ステップS809)
ステップS809では、カメラコントローラ212は、図7で示した“MakerNote”欄に、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域を確保する。ここで、所定の画像操作とは、ステップS809にて等級付けが行われた画像のうち、例えば最高の合焦度Jを示す値5といったような所定以上の等級の画像を、図1の通信部220を介して外部のサーバーへ転送することを指す。また、このほか、所定の画像操作の別例としては、ステップ809にて等級付けが行われた画像に対して、操作者(ユーザとも称する)が手動で所定閾値を下回る等級を設定することを指す。また、所定の画像操作の別例としては、ステップ809にて等級付けが行われた画像を、不図示の接続端子を介して不図示の外部ハードディスク(外部装置の一例である)へ転送することを指す。本ステップで確保した属性領域は、未処理を表す値0や、処理済みを表す値1が設定される領域だが、本ステップでは未処理の段階のため、値0が設定される。設定後、カメラコントローラ212はステップS810に進む。
【0069】
ステップS810では、カメラコントローラ212は、撮像動作モードが静止画連写モードであるか否かを判断する。カメラコントローラ212は、撮像動作モードが静止画連写モードであれば、連写期間中の次の動作を判断するためステップS811に進み、他の撮像動作モードであれば撮像により得られた画像データを適切に分類して記録し終えたために本処理を終了する。
【0070】
ステップS811では、カメラコントローラ212は、操作スイッチ211のSW2のオン操作が継続されている(連写の続行が指示されている)か、操作スイッチ211のSW1が改めてオン操作されて焦点位置制御を行うように指示されているかを判断する。カメラコントローラ212は、SW2またはSW1のオン操作が行われている場合はステップS801に戻る。これにより、カメラコントローラ212は、メインミラー201とサブミラー202をミラーダウン状態に移行させ、測光および第1の焦点検出(AF)を行う。カメラコントローラ212は、SW2およびSW1のいずれのオン操作も行われていなければ、撮像により得られた画像データを適切に分類して記録し終えたために本処理を終了する。本ステップの動作は、SW2押下開始から操作スイッチ211の押下状態が解放されるまでの連写期間において撮影された複数枚の画像データ(以下、単に画像ともいう)に対して、本発明の等級付けを行うことを意味する。
【0071】
<デジタルカメラの非撮影時の動作>
図11のフローチャートは、本実施例におけるデジタルカメラが待機時や画像再生時といったような撮影時以外の状態時に行う処理(画像出力処理状況の更新)を示している。カメラコントローラ212は、コンピュータプログラムに従って本処理を実行する。カメラコントローラ212は、画像処理装置に相当する。
【0072】
ステップS1101では、図8で説明したような撮影動作が行われておらず、操作スイッチ211が解放されている状態において実行されるステップである。本ステップでは、図8のステップS809で説明したような、サーバー転送や、外部ハードディスクへの保存や、手動での等級下げといった、所定の画像操作を要求する操作入力がなされたか否か、カメラコントローラ212が判断する。操作入力がなければステップS1102へ進み、操作入力があればステップS1103へ進む。
【0073】
ステップS1102では、上述した所定の画像操作を要求する操作入力がない状態である。本ステップでは、撮影処理に関連した要求を意味するSW1押下やSW2押下といった操作入力や、あるいは電源OFFといった操作入力がなされたか否か、カメラコントローラ212が判断する。上記操作入力がなければ、引き続き操作入力の監視を行うため、ステップS1101へ戻る。上記操作入力があれば、撮影時以外の状態時に行う一連の処理を終了する。
【0074】
ステップS1103では、撮影動作が行われていない状態において実行されるステップである。本ステップでは、サーバー転送や、外部ハードディスクへの保存や、手動での等級下げといった、所定の画像操作を要求に基づいて、要求された動作が実行される。実行後、ステップS1104へ進む。
【0075】
ステップS1104では、ステップS1103にて所定の画像操作が実行されたことに伴って、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域に設定されている値を更新する。前記属性領域は、図8のステップS809にて初期化されていた領域である。具体的な更新処理は、未処理を表す値0が設定されていた状態から、処理済みを表す値1に設定を更新するものである。更新後、撮影時以外の状態時に行う一連の処理を終了する。
【0076】
<デジタルカメラの画像削除動作>
図12のフローチャートは、本実施例におけるデジタルカメラが、記録部219に記録されている画像データのうち複数の画像データを一括で削除する要求が発生したときに行われる処理を示している。
【0077】
ステップS1201では、記録部219に記録された画像データの削除を伴う初期化や、あるいは、記録部219に記録された画像データのまとまりであるフォルダを単位に削除要求が操作部218に入力されたか、カメラコントローラ212が判断する。(上述の削除動作を、複数の画像データを一括で削除することから、以後は一括削除と呼ぶ。)上述の一括削除の操作入力があれば、ステップS1202へ進む。操作入力が無ければ、本動作を終了する。
【0078】
ステップS1202では、削除の対象となる記録部219の画像データにおいて、図9のステップS903で説明した等級付けの結果を、カメラコントローラ212が参照する。等級付けの結果は、図7を用いて説明した通り、合焦度を示す値1~5、あるいは等級付け未実施を示す値0、あるいは等級付け非対象を示す値-1が、Rating欄に設定されている。本実施例では、合焦度を示す等級付けの値のうち、高い合焦度である値4~5の画像データを、削除に注意すべき要注意画像として取り扱う。したがって、本ステップでは、削除対象の画像データのうち、等級付けが値4以上の高い合焦度の要注意画像をカメラコントローラ212が抽出されれば、その画像データ名を一時記憶して、ステップS1203へ進む。抽出されなければ、ステップS1204へ進む。
【0079】
ステップS1203では、ステップS1202で抽出した要注意画像において、図11のステップS1104で設定される属性情報の値を参照する。この属性情報は、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域であり、未処理を表す値0か、あるいは、処理済みを表す値1が設定されている。本ステップでは、カメラコントローラ212が未処理を表す値0となっている要注意画像が抽出されなければ、ステップS1204へ進む。抽出されれば、その個数を一時記憶して、ステップS1205へ進む。
【0080】
ステップS1204では、画像の一括削除の要求が入力されたことを受けて、操作者に画像を一括削除して良いかを確認する画面を、表示部217に表示する。この表示には、操作者が一括削除の承認/却下を選択できるよう構成される。
【0081】
図13は、ステップS1201にて記録部219の初期化要求の操作入力があった場合の、初期化の確認の操作入力を求める通常の画面表示例である。表示画面131において、一括削除の承認を選択するための表示132と、却下を選択するための表示133が描画されていて、図13では承認の表示132が選択状態であることを二重線で表している。
【0082】
図14は、ステップS1201にて、記録部219の画像データをフォルダ単位で一括削除する要求の操作入力があった場合における、フォルダ単位の一括削除を確認する操作入力を求める通常の画面表示例である。表示画面141において、記録部219にて画像データが格納されているフォルダの一覧142が表示されていて、フォルダ名と格納された画像データの数のほか、各フォルダを一括削除の対象にするか選択するチェックボックスが描画されている。記録部219に設定されているフォルダ数がフォルダの一覧142の領域からはみ出るほど多い場合は、スクロールバー143も表示されて、スクロール可能になっている。これらの表示の他、チェックボックスで選択されたフォルダの一括削除に対して、承認を選択するための表示144と、却下を選択するための表示145が描画されていて、図14では承認の表示144が選択可能であることを二重線で表している。
【0083】
図13図14を用いて説明したような表示を行った後、本動作を終了する。
【0084】
ステップS1205では、画像の一括削除の要求が入力されたことを受けて、操作者に画像を一括削除して良いかを確認する画面を、表示部217に表示する。本ステップの表示は、ステップS1204での一括削除の確認の表示に加えて、合焦度を示す所定等級以上の要注意画像の個数を合わせて表示する。本実施例における所定等級とは、ステップS1202で説明したように、等級付けが値4以上の高い合焦度を示す値である。このような表示を行うことにより、削除対象の画像を操作者が1枚ずつ確認することなく、要注意画像を誤って削除しないか確認することができるようになる。
【0085】
図15は、ステップS1201にて記録部219の初期化要求の操作入力があり、さらに、合焦度の等級が高く未処理の要注意画像が含まれる場合における、初期化の確認の操作入力を求める画面表示例である。表示画面151において、一括削除の承認を選択するための表示152と、却下を選択するための表示153が描画されていて、図15では承認の表示152が選択状態であることを二重線で表している。ステップS1205での表示は、ステップS1204での表示と異なり、さらに、合焦度の等級が高く未処理の要注意画像が削除範囲に含まれていることを示す警告表示154が表示される。図15に示す警告表示154の例では、未処理で削除に注意すべき画像が33枚あることを示していて、未処理のまま一括削除して良いか操作者に確認を促している。
【0086】
図16は、ステップS1201にて、記録部219の画像データをフォルダ単位で一括削除する操作入力があり、さらに、合焦度の等級が高く未処理の要注意画像が含まれる場合における、フォルダ単位の一括削除を確認する操作入力を求める画面表示例である。表示画面161において、記録部219にてデータが格納されているフォルダの一覧162が表示されていて、フォルダ名と格納された画像データ数のほか、各フォルダを一括削除の対象にするか選択するチェックボックスが描画されている。記録部219に設定されているフォルダ数がフォルダの一覧162の領域からはみ出るほど多い場合は、スクロールバー163も表示されて、スクロール可能になっている。これらの表示の他、チェックボックスで選択されたフォルダの一括削除に対して、承認を選択するための表示164と、却下を選択するための表示165が描画されていて、図15では承認の表示164が選択可能であることを二重線で表している。また、さらにステップS1206での表示は、ステップS1204での表示と異なり、さらに、合焦度の等級が高く未処理の要注意画像が削除範囲に含まれていることを示す警告表示166が表示される。図16に示す警告表示166の例では、未処理で削除に注意すべき画像が、フォルダ001に4枚、フォルダ002に1枚、フォルダ003に47枚あることを示していて、未処理のまま一括削除して良いか操作者に確認を促している。
【0087】
図15図16を用いて説明したような表示を行った後、ステップS1206へ進む。
【0088】
ステップ1206では、表示部217に表示された一括削除の承認/却下の選択のうち、操作者がどちらを選択したか、カメラコントローラ212が判断する。承認が選択された場合は、ステップS1207へ進む。却下が選択された場合は、本動作を終了する。
【0089】
ステップS1207では、操作者による画像の一括削除の承認を受けて、S1201で操作入力が確認された処理である、記録部219の初期化やフォルダ単位の削除が実行され、本動作が終了する。
【0090】
<効果>
以上のような動作を行うことにより、画像データの削除を伴う記録部219の初期化やフォルダ削除といった一括削除動作の際、合焦度の高い重要画像であり削除に注意を要する画像を、誤って削除する可能性を低減できるようになる。
【実施例2】
【0091】
実施例1では、記録部219の初期化や、記録部219に記録された画像データのまとまりであるフォルダ単位での一括削除を、操作者が操作入力を行うことで実行していた。これに対し、本発明の実施例2では、記録部219の記録可能な空き容量が所定以下になったことを検出して、撮影者に一括削除をするか否かの判断を促す表示を自動で行う。
【0092】
実施例2について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは本実施例と実施例1との相違点について説明し、共通点については説明を省略する。
【0093】
本実施例のデジタルカメラは、実施例1における図1図7の構成を同様に備えて、図8図11の動作を同様に行う。本実施例と実施例2の相違点は、デジタルカメラが待機時や画像再生時といったような撮影時以外の状態時に、図11の動作に加えて、図13のフローチャートに示す動作を追加で行う点である。以下、図17に示す動作を説明する。
【0094】
ステップS1701では、カメラコントローラ212は、記録部219の空き容量が所定の閾値以下か否かを判断する。所定の閾値は、例えば記録部219の記録総量の1%といった閾値である。空き容量が閾値以下であれば、ステップS1702へ進む。閾値を超えていれば、本動作を終了する。
【0095】
ステップS1702では、記録部219の画像データにおいて、図9のステップS903で説明した等級付けの結果を、カメラコントローラ212が参照する。等級付けの結果は、図7を用いて説明した通り、合焦度を示す値1~5、あるいは等級付け未実施を示す値0、あるいは等級付け非対象を示す値-1が、Rating欄に設定されている。本実施例では、合焦度を示す等級付けの値のうち、高い合焦度である値4~5の画像データを、削除に注意すべき要注意画像として取り扱う。したがって、本ステップでは、記録部219の画像データのうち、等級付けが値4以上の高い合焦度である削除に要注意な画像をカメラコントローラ212が抽出されれば、その画像データ名を一時記憶して、ステップS1703へ進む。抽出されなければ、ステップS1704へ進む。
【0096】
ステップS1703では、ステップS1702で抽出した要注意画像において、図11のステップS1104で設定される属性情報の値を参照する。この属性情報は、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域であり、未処理を表す値0か、あるいは、処理済みを表す値0が設定されている。本ステップでは、カメラコントローラ212が未処理を表す値0となっている要注意画像が抽出されなければ、ステップS1704へ進む。抽出されれば、その個数を一時記憶して、ステップS1705へ進む。
【0097】
ステップS1704では、記録部219の空き容量が所定の閾値以下であることを検出したことを受けて、操作者に一括削除して良いか確認する画面を、実施例1の図14のように表示部217に表示する。一括削除する範囲を操作者に指定してもらうために、上記画面において、記録されている画像データがフォルダ分けされていれば、フォルダごとに削除するかどうかを一括選択させるよう表示される。この表示には、操作者が一括削除の承認/却下を選択できるよう構成される。なお、変形例として、表示部217での表示形態を、図14ではなく図13のようにして、記録部219の初期化を実行して良いか確認する様態でも差し支えない。表示後、本動作を終了する。
【0098】
ステップS1705では、記録部219の空き容量が所定の閾値以下であることを検出したことを受けて、操作者に画像を一括削除して良いかを確認する画面を、実施例1の図16のように表示部217に表示する。本ステップの表示は、ステップS1704での一括削除の確認の表示に加えて、合焦度を示す所定等級以上の要注意画像の個数を合わせて表示する。本実施例における所定等級とは、実施例1における図12のステップS1202で説明したように、等級付けが値4以上の高い合焦度を示す値である。このような表示を行うことにより、削除対象の画像を操作者が1枚ずつ確認することなく、要注意画像を誤って削除しないか確認することができるようになる。表示後、ステップS1706へ進む。
【0099】
ステップS1706では、表示部217に表示された一括削除の承認/却下の選択のうち、操作者がどちらを選択したか、カメラコントローラ212が判断する。承認が選択された場合は、ステップS1707へ進む。却下が選択された場合は、本動作を終了する。
【0100】
ステップS1707では、記録部219の空き容量が所定の閾値以下であることを検出したことを受けて、ステップS1705で選択された記録部219の画像データを含むフォルダの削除が実行される。ステップS1705にて全てのフォルダが選択されていたら、記録部219の初期化が実行される。上述の一括削除処理の実行後、本動作を終了する。
【0101】
<効果>
以上のような動作を行うことにより、撮影者が撮影を続けていく中で記録容量の空きが無くなりつつある時に、自動的に削除の確認を表示して記憶容量の確保を促しつつ、合焦度が高いものの所定処理が行われていない画像データの削除に注意を促すことができる。
【実施例3】
【0102】
上述の実施例では、サーバー転送や、外部ハードディスクへの保存や、手動での等級下げといった、所定の画像操作がデジタルカメラにおいて実行されたか否かを、画像データの属性情報欄に記録していた。これに対し、本発明の実施例3では、外部の画像処理装置(コンピュータ)において、コンピュータプログラムに従って処理を実行する。コンピュータは、デジタルカメラの記録部をなす記録媒体がコンピュータに接続されたり通信転送されたりして、コンピュータ上で所定の画像操作が実行された場合に、画像データの属性情報欄に記録する。このような動作を行うことで、外部の画像処理装置としてのコンピュータ上で一括削除の処理を行う場合であっても、上述の実施例と同様に、未処理の画像データの削除に注意を促すことができる。また、デジタルカメラの記録部をなす記録媒体が再びデジタルカメラに接続されたり、画像データがデジタルカメラへ通信再転送されたりした際も、画像データに所定の処理が実行されたか否かをより把握できるようになる。
【0103】
実施例3について、図18図19を用いて説明する。
【0104】
図18は、本実施例におけるデジタルカメラの記憶部219と外部の画像処理装置としてのコンピュータ1800とを電気的に接続して、通信可能な状態を構築した全体構成を示す図である。
【0105】
着脱可能な記録媒体である記録部219には、画像データが格納されている。
【0106】
<画像処理装置の構成>
本実施例における外部の画像処理装置としてのコンピュータの構成を図18に示す。システム制御部1810は、操作者がマウス、キーボードおよびタッチパネル等により構成される操作部1811を操作することに応じて、記録部219からの画像読み込みを受け付ける。これに応じて、システム制御部2210は、記録インターフェース(I/F)1802を介して、コンピュータ1800に着脱可能な記録部219に記録された画像データを画像メモリ1803に記録させる。
【0107】
システム制御部1810は、記録部219から読み込んだ画像データが圧縮符号化されたデータである場合は、画像メモリ1803に記録された画像データを、コーデック部1804に送信する。コーデック部1804は、圧縮符号化された画像データを復号し、復号された画像データを画像メモリ1803に出力する。システム制御部1810は、画像メモリ1803に蓄積された復号後の画像データまたはベイヤーRGB形式(RAW形式)等の非圧縮の画像データを画像処理部1805に出力する。
【0108】
画像処理部1805は、非圧縮の画像データに対して画像処理を行い、その結果として得られた処理済み画像データを、画像メモリ1803に格納する。また、システム処理部1810は、処理済み画像データを画像メモリ1803から読み出して、外部モニタインターフェース(I/F)1806を介してモニタ1807に出力する。
【0109】
なお、図18に示すように、コンピュータ1800は電源スイッチ1812、電源部1813、コンピュータプログラムを記憶した不揮発性メモリ1814を含む。また、コンピュータ1800は、各種制御に用いる時間や内蔵大麻によりカウントされた時間を計測するシステムタイマ1815を有する。さらに、コンピュータ1800は、システム制御部1810の動作用の定数、変数を記憶したり、不揮発性メモリ1814から読み出したコンピュータプログラムを展開したりするシステムメモリ1816を含む。
【0110】
<画像処理装置の動作>
図19のフローチャートは、本実施例のシステム制御部1810が実行する処理(所定処理の実行状況の記録)を示す。システム制御部1810は、不揮発性メモリ1814から読み出してシステムメモリ1816に展開したコンピュータプログラムに従って本処理を実行する。
【0111】
まず、撮像装置外部の記録媒体やネットワークサーバーに保存するなど所定の処理の実施有無を管理することに対応した所定のソフトウェア・アプリケーションが、操作者により起動されることに応じて、システム制御部1810はステップS1901に進む。所定のソフトウェア・アプリケーションは、操作者に指定された画像データを読み込んで、各種の画像処理を施して、処理後の画像データを指定された記録先へ記録や通信転送する機能を有する。
【0112】
ステップS1901では、操作者の操作入力によって、処理する画像データが指定されて、撮像装置外部の記録媒体やネットワークサーバーに保存するなど所定の処理の要求がなされたか、システム制御部1810が判断する。所定の処理要求があれば、ステップS1902へ進む。要求がなければ、ステップS1905へ進む。
【0113】
ステップS1902では、操作者の操作入力に基づいて、指定された画像データに対して、要求された所定の処理を実行して、ステップS1903へ進む。
【0114】
ステップS1903では、指定された画像データにおいて、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域が存在するか否かを、システム制御部1810が判断する。上記の属性領域は、実施例1の図8におけるステップS809で初期化された、Exif方式の“MakerNote”欄に確保された項目である。上記の属性領域が画像データに存在していれば、ステップS1904へ進む。存在していなければ、ステップS1905へ進む。
【0115】
ステップS1904では、ステップS1902で所定の処理の実行に伴って、実施例1の図11のステップS1104で説明したように、本発明で処理状況を管理する所定の画像操作が行われたかどうかを記録するための属性領域に設定されている値を更新する。具体的な更新処理は、未処理を表す値0が設定されていた状態から、処理済みを表す値1に設定を更新するものである。更新後、ステップS1905へ進む。
【0116】
ステップS1905では、撮像装置外部の記録媒体やネットワークサーバーに保存するなど所定の処理の実施有無を管理することに対応した、起動中の所定のソフトウェア・アプリケーションが終了するか否かを、システム制御部1810が判断する。アプリケーションを終了しない場合は、ステップS1901へ戻って、他の画像データに対しても同様に操作を受け付ける。アプリケーションを終了する場合は、本動作を終了する。
【0117】
<効果>
以上のような動作を行うことにより、デジタルカメラとは異なる外部の画像処理装置としてのコンピュータ上で画像データの一括削除の処理を行う場合であっても、上述の実施例と同様に、未処理の画像データの削除に注意を促すことができる。つまり、一括削除動作の際、合焦度の高い重要画像であり削除に注意を要する画像を、誤って削除する可能性を低減できるようになる。また、デジタルカメラの記録部をなす記録媒体が再びデジタルカメラに接続されたり、画像データがデジタルカメラへ通信再転送されたりした際も、画像データに所定の処理が実行されたか否かをより把握できるようになる。
【0118】
<変形例>
なお、デジタルカメラの記録219からデータを読み出す読み出し機器と外部のコンピュータとを電気的に接続して、通信可能な状態を構築する構成でも良い。また、デジタルカメラの記録部219や、記録部219からデータを読み出す読み出し機器や、外部のコンピュータに無線通信手段を設けて、電気的な接続なく通信可能な状態を構築する構成でも良い。
【0119】
<その他の変形例>
また、本発明は上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み取り実行する処理でも実現できる。更に、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現できる。
【0120】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
210 撮像部
212 カメラコントローラ
217 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19