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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】梱包部材、梱包体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
B65D81/05 540A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019236380
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104827
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 泰史
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110282217(CN,A)
【文献】特開2001-019049(JP,A)
【文献】特開2009-078854(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0362563(KR,Y1)
【文献】特開2009-241953(JP,A)
【文献】特開平09-221172(JP,A)
【文献】特開2010-265019(JP,A)
【文献】実開平6-14072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00-81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを含むシートを折り曲げることで形成され、被梱包物に取り付けられる梱包部材であって、
基部と、
前記基部に接続され、前記被梱包物を受けるための第1の受け部であって、
前記基部に接続された第1の接続部であって、前記基部との間に第1の曲げ部が形成されるように、前記基部に対して第1の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続された第2の接続部であって、前記第1の接続部との間に第2の曲げ部が形成されるように、前記第1の接続部に対して第2の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第2の接続部と、
前記第2の接続部に接続された第3の接続部であって、前記第2の接続部との間に第3の曲げ部が形成されるように、前記第2の接続部に対して第3の折り曲げ線で前記裏面から表面に向けて折り曲げられた第3の接続部と、
を含み、前記被梱包物を挿入するための第1の挿入開口が形成された第1の受け部と、
前記基部に接続され、前記被梱包物を受けるための第2の受け部であって、
前記基部に接続された第4の接続部であって、前記基部との間に第4の曲げ部が形成されるように、前記基部に対して第4の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第4の接続部と、
前記第4の接続部に接続された第5の接続部であって、前記第4の接続部との間に第5の曲げ部が形成されるように、前記第4の接続部に対して第5の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第5の接続部と、
前記第5の接続部に接続された第6の接続部であって、前記第5の接続部との間に第6の曲げ部が形成されるように、前記第5の接続部に対して第6の折り曲げ線で前記裏面から表面に向けて折り曲げられた第6の接続部と、
を含み、前記被梱包物を挿入するための第2の挿入開口が形成された第2の受け部と、
前記基部に接続された規制部であって、前記基部に対して前記第3の折り曲げ線の方向および前記第6の折り曲げ線の方向と交差する方向に延びる規制部折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられ、前記基部に接続された規制接続部と、前記規制部折り曲げ線の方向に沿って前記規制接続部から突出する第1の係合部と、前記規制部折り曲
げ線の方向に沿って前記規制接続部から突出する第2の係合部と、を有する規制部と、
を有し、
前記基部と前記第1の受け部によって第1の閉ループが形成され、前記基部と前記第2の受け部によって第2の閉ループが形成され、
前記規制部折り曲げ線の両端および前記規制接続部は前記第1の閉ループおよび前記第2の閉ループの外側に位置し、前記第1の係合部が前記第1の閉ループの外側から前記第3の接続部と係合し、前記規制接続部が前記基部の面に沿った方向の前記第3の接続部の移動を規制し、前記第1の係合部が前記基部の面と垂直な方向の前記第3の接続部の移動を規制することによって前記第1の閉ループが開かれることが規制され、前記第2の係合部が前記第2の閉ループの外側から前記第6の接続部と係合し、前記規制接続部が前記基部の面に沿った方向の前記第6の接続部の移動を規制し、前記第2の係合部が前記基部の面と垂直な方向の前記第6の接続部の移動を規制することによって前記第2の閉ループが開かれることが規制されることを特徴とする梱包部材。
【請求項2】
前記第2の接続部と前記第3の接続部に、前記第1の挿入開口が形成され、前記第1の挿入開口は、前記第1の閉ループの周方向について、前記第1の挿入開口の位置が前記第3の曲げ部の位置と重なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【請求項3】
前記第3の接続部は第1の係合開口を備え、前記第1の係合部が前記第1の係合開口に挿入されることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包部材。
【請求項4】
前記基部は基部開口を備え、前記第3の接続部は挿入部を含み、
前記挿入部が前記基部開口に挿入されることを特徴とする請求項3に記載の梱包部材。
【請求項5】
前記第1の係合部は、前記第1の挿入開口に挿入されることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包部材。
【請求項6】
前記第1の曲げ部に配置された第1の突出部と、前記第2の曲げ部に配置された第2の突出部と、を含み、
前記第1の突出部は前記第1の折り曲げ線の方向に交差する方向に向けて前記基部または前記第1の接続部の少なくともいずれか一方から突出し、前記第2の突出部は前記第2の折り曲げ線の方向に交差する方向に向けて前記第1の接続部または前記第2の接続部の少なくともいずれか一方から突出することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の梱包部材。
【請求項7】
前記第3の折り曲げ線の方向に向けて突出する第3の突出部を含み、前記第3の突出部は、前記第1の曲げ部、前記第2の曲げ部、前記第3の曲げ部の少なくともいずれか一つに配置されることを特徴とする請求項に記載の梱包部材。
【請求項8】
前記第1の挿入開口の縁から延びる開口接続部を有し、前記開口接続部は前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の梱包部材。
【請求項9】
前記第1の接続部に接続された支持部であって、前記第1の接続部に対して前記第1の折り曲げ線の方向と交差する方向に延びる支持折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられる支持部を有し、
前記支持部は、前記基部または前記開口接続部の少なくともいずれか一方と係合することを特徴とする請求項に記載の梱包部材。
【請求項10】
前記シートは段ボールによって構成され、
前記第3の折り曲げ線の方向と交差する方向が段ボールシートの幅方向であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の梱包部材。
【請求項11】
前記被梱包物と、
請求項1から10のいずれか1項に記載の梱包部材と、を含み、
前記被梱包物は画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであることを特徴とする梱包体。
【請求項12】
前記カートリッジはトナーを収納するための収納室を含み、
前記カートリッジの長手方向について、前記梱包部材は前記カートリッジの端部に取り付けられ、
前記長手方向に直交する方向に見たとき、前記長手方向における前記収納室の中央と、前記梱包部材とが重ならないことを特徴とする請求項11に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被梱包物を梱包する際に使用する梱包部材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを用いた電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体化したプロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。ユーザが装置本体からプロセスカートリッジ(以下、カートリッジと称す)を取り出し、新しいカートリッジと交換することが一般的となっている。
出荷された新品のカートリッジは被梱包物として、振動や衝撃からカートリッジを保護するための梱包部材に梱包されている。そして、装置本体への新品のカートリッジ装着時には、カートリッジを梱包部材から取り出し、装置本体に装着する。
ここで、被梱包物を保護する為、板状の包装材料を曲げて形成した梱包部材が被梱包物に取り付けられる場合がある(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3336147号公報
【文献】実開昭59-121319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の技術をさらに発展させたものである。本発明の目的は、組み立てが容易であり、振動や衝撃を受けた際に、梱包部材の折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることを抑制できる梱包部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の梱包部材は、
表面と裏面とを含むシートを折り曲げることで形成され、被梱包物に取り付けられる梱包部材であって、
基部と、
前記基部に接続され、前記被梱包物を受けるための第1の受け部であって、
前記基部に接続された第1の接続部であって、前記基部との間に第1の曲げ部が形成されるように、前記基部に対して第1の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続された第2の接続部であって、前記第1の接続部との間に第2の曲げ部が形成されるように、前記第1の接続部に対して第2の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第2の接続部と、
前記第2の接続部に接続された第3の接続部であって、前記第2の接続部との間に第3の曲げ部が形成されるように、前記第2の接続部に対して第3の折り曲げ線で前記裏面から表面に向けて折り曲げられた第3の接続部と、
を含み、前記被梱包物を挿入するための第1の挿入開口が形成された第1の受け部と、
前記基部に接続され、前記被梱包物を受けるための第2の受け部であって、
前記基部に接続された第4の接続部であって、前記基部との間に第4の曲げ部が形成されるように、前記基部に対して第4の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第4の接続部と、
前記第4の接続部に接続された第5の接続部であって、前記第4の接続部との間に第5の曲げ部が形成されるように、前記第4の接続部に対して第5の折り曲げ線で前記裏面から前記表面に向けて折り曲げられた第5の接続部と、
前記第5の接続部に接続された第6の接続部であって、前記第5の接続部との間に第6の曲げ部が形成されるように、前記第5の接続部に対して第6の折り曲げ線で前記裏面から表面に向けて折り曲げられた第6の接続部と、
を含み、前記被梱包物を挿入するための第2の挿入開口が形成された第2の受け部と、
前記基部に接続された規制部であって、前記基部に対して前記第3の折り曲げ線の方向および前記第6の折り曲げ線の方向と交差する方向に延びる規制部折り曲げ線で前記裏面
から前記表面に向けて折り曲げられ、前記基部に接続された規制接続部と、前記規制部折り曲げ線の方向に沿って前記規制接続部から突出する第1の係合部と、前記規制部折り曲げ線の方向に沿って前記規制接続部から突出する第2の係合部と、を有する規制部と、
を有し、
前記基部と前記第1の受け部によって第1の閉ループが形成され、前記基部と前記第2の受け部によって第2の閉ループが形成され、
前記規制部折り曲げ線の両端および前記規制接続部は前記第1の閉ループおよび前記第2の閉ループの外側に位置し、前記第1の係合部が前記第1の閉ループの外側から前記第3の接続部と係合し、前記規制接続部が前記基部の面に沿った方向の前記第3の接続部の移動を規制し、前記第1の係合部が前記基部の面と垂直な方向の前記第3の接続部の移動を規制することによって前記第1の閉ループが開かれることが規制され、前記第2の係合部が前記第2の閉ループの外側から前記第6の接続部と係合し、前記規制接続部が前記基部の面に沿った方向の前記第6の接続部の移動を規制し、前記第2の係合部が前記基部の面と垂直な方向の前記第6の接続部の移動を規制することによって前記第2の閉ループが開かれることが規制されることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の梱包体は、
上記の被梱包物と、
上記の梱包部材と、を含み、
前記被梱包物は画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、組み立てが容易であり、振動や衝撃を受けた際に、梱包部材の折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることを抑制できる梱包部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1に係る梱包部材の組立前後の状態の一例を示す展開図及び斜視図
図2】実施例1に係る画像形成装置の装置本体の一例を示す概略断面図
図3】実施例1に係るカートリッジの一例を示す概略断面図
図4】実施例1に係るカートリッジの一例を示す概略斜視図
図5】実施例1に係るカートリッジ及び梱包部材の一例を示す概略斜視図
図6】実施例2に係る梱包部材の組立前後の状態の一例を示す展開図及び斜視図
図7】実施例1に係る現像装置の一例を示す概略斜視図
図8】実施例3に係る梱包部材の組立前後の状態の一例を示す展開図及び斜視図
図9】実施例4に係る梱包部材の組立前後の状態の一例を示す展開図及び斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
【0009】
本発明に係る梱包部材(緩衝部材)の一実施形態について図1図9を用いて説明する。
以下の実施形態では、梱包部材が梱包する被梱包物として、画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジの場合を例示している。被梱包物と、梱包部材とを備えるものを、梱包体と呼ぶ。ここで、画像形成装置の例としては、4個のカートリッジが着脱可能なフルカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称す)の場合を例示している。ただし、画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジの個数は4個に限定されない。画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジの個数は、必要に応じて適宜設定される。また、以下説明する実施形態によれば、画像形成装置の一態様としてプリンタを例示している。しかしながら、これに限定されるものではない。電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置にも適用することができる。
【0010】
カートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、例えば像担持体である電子写真感光体を有するものと、電子写真感光体に作用する現像手段をカートリッジ化したもの、あるいは、主に現像剤のみをカートリッジ化したものなどがある。装置のメンテナンスをカートリッジの交換という形でユーザ自身が行える構成としたことから、ユーザが画像形成装置の装置本体からカートリッジを取り出し、新しいカートリッジと交換することができる。ここで、梱包部材とは、出荷された新品のカートリッジを輸送時の振動や衝撃から保護するためのものであり、カートリッジに装着するものである。
【0011】
〈実施例1〉
〈画像形成装置の概略構成〉
まず、実施例1の画像形成装置1の断面概略図を図2に示す。
図2に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置1は、プロセスカートリッジ方式であり、カートリッジを画像形成装置1の装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。ここで、画像形成装置1に関して、開閉ドア3を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置1を正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。
装置本体2には第1のカートリッジPY、第2のカートリッジPM、第3のカートリッジPC、第4のカートリッジPKの4つのカートリッジP(PY、PM、PC、PK)が水平方向に配置されている。第1~第4の各カートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下トナーと称す)の色が異なる。第1~第4の各カートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを収納する。
【0012】
以下の説明において、カートリッジPY、PM、PC、PKは、各色同様の構成を有するため、カートリッジPY、PM、PC、PKを総称してカートリッジPと表記する。カートリッジPには装置本体2の駆動出力部(不図示)から回転駆動力が伝達される。また、カートリッジPには装置本体2のバイアス供給部(不図示)からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。
【0013】
〈カートリッジの概略構成〉
図3(A)に示すように、実施例1のカートリッジPは、電子写真感光体4(以下、感光ドラムと称す)と、感光ドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段及びクリーニング手段を備えた第一ユニットであるドラムユニット8を有する。また、カートリッジPは、感光ドラム4上の静電潜像を現像する現像手段を備えた第二ユニットである現像装置9を有する。ドラムユニット8と現像装置9は互いに結合されている。また、帯電手段としては帯電ローラ5、クリーニング手段としてはクリーニングブレード7、現像手段としては現像剤担持体(以下、現像ローラと称す)6を用いている。カートリッジPのより具体的な構成については後述する。
【0014】
図2に示すように、カートリッジPの上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。レーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの露光窓部10を通過して感光ドラム4の表面を走査露光する。カートリッジPの下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11が設けられている。中間転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13、支持ローラ14及びテンションローラ15を有し、可撓性を有する転写ベルト12を掛け渡している。感光ドラム4の下面が転写ベルト12の上面に接している。感光ドラム4と転写ベルト12との接触部が1次転写部である。転写ベルト12の内側には、感光ドラム4に対向するように1次転写ローラ16が設けられている。
【0015】
支持ローラ14は転写ベルト12を介して2次転写ローラ17に対向する。転写ベルト12と2次転写ローラ17との接触部が2次転写部である。中間転写ベルトユニット11の下方には、給送ユニット18が設けられている。給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20を有する。図2における装置本体2内の左上方には、定着ユニット21及び排出ユニット22が設けられている。装置本体2の上面には排出トレイ23が設けられている。記録媒体Sは定着ユニット21に設けられた定着手段によりトナー像が定着され、排出トレイ23へ記録媒体Sが排出される。
【0016】
〈カートリッジの構成〉
図4(A)、(B)は、実施例1に係るカートリッジPを、それぞれ別の角度から見た斜視図である。図4(A)は、カートリッジPを駆動側から見た斜視図である。また、図4(B)は、カートリッジPを非駆動側から見た斜視図である。カートリッジPは感光ドラム4の回転軸線bの方向を長手方向(X方向)とする略直方体形状である。ドラムユニット8に固定された駆動側支持部材24と非駆動側支持部材25が、現像装置9の揺動中心(図4(A)の一点鎖線a)を中心として回転可能に支持した二枠体構成を、カートリッジPは有する。
【0017】
図3(A)に示すように、ドラムユニット8は、感光ドラム4と、帯電ローラ5と、クリーニングブレード7を有するドラム枠体26を有する。図4(A)、(B)に示すように、感光ドラム4は、駆動側支持部材24、非駆動側支持部材25によって回転可能に支持される。駆動側支持部材24、非駆動側支持部材25はドラム枠体26の一部であるということもできる。感光ドラム4は、ドラム駆動カップリング4aから装置本体2のモータ(不図示)の駆動力を得て、図3(A)の矢印D方向に回転駆動する。図3(A)に示すように、帯電ローラ5は、ドラム枠体26の帯電ローラ軸受27によって両端部を回転可能に支持される。帯電ローラ5は、感光ドラム4の表面に接触して従動回転し、帯電バイアスの供給を受けて感光ドラム4の表面を帯電させる。このとき、感光ドラム4の表面を均一に帯電させるため、帯電ローラ5の両端部は帯電ローラ加圧バネ28によって感光ドラム4の表面に加圧されている。
【0018】
クリーニングブレード7は、ドラム枠体26に固定して設けられており、先端の弾性ゴム部を感光ドラム4の回転方向(図3(A)の矢印D方向)に対してカウンター方向に当接している。画像形成時には、クリーニングブレード7は、感光ドラム4上に残留した転写残トナーを掻き取って感光ドラム4の表面をクリーニングする。また、クリーニングブレード7によって感光ドラム4の表面から掻き取られた転写残トナーは、廃トナーとしてドラム枠体26の廃トナー収納部26aに収納される。
【0019】
図3(A)及び図7に示すように、現像装置9は、現像手段としての現像ローラ6の回転軸方向に延びた横長の形状である。現像装置9の長手方向は、現像ローラ6の回転軸方向と一致する。図7に示すように、現像装置9は、現像ローラ6の他に、現像枠体29、現像ブレード31、現像剤供給ローラ33を有する。また、図3(A)に示すように、カートリッジPは、トナーを収納するためのトナー収納室29cを備える。トナー収納室29cは現像枠体29によって形成され、現像枠体29はトナー収納室29cに連通する開口部29bを有している。現像ローラ6は、現像枠体29の開口部29bに配置され、現像ローラ6の一部が現像枠体29の外部に露出している。
【0020】
図7に示すように、現像ローラ6の2つの軸端部(芯材)6aは、それぞれ現像枠体29の両側面に取り付けられた駆動側軸受38、非駆動側軸受39によって回転自在に支持される。駆動側軸受38、非駆動側軸受39は、現像枠体29の一部ということもできる。また、現像ローラ6の芯材6aと現像剤供給ローラ33の芯材33aの駆動側端部には、それぞれ現像ローラギア40と供給ローラギア41が配置されている。現像ローラギア40及び供給ローラギア41は、現像駆動入力ギア42と噛み合っている。現像駆動入力ギア42は、現像駆動カップリング42aを備えている。現像駆動カップリング42aに装置本体2側の駆動出力カップリング(不図示)が係合することにより、装置本体2の駆動モータ(不図示)の駆動力が現像駆動入力ギア42に伝達され、現像ローラ6と現像剤供給ローラ33が所定の速度で回転駆動される。
【0021】
現像ブレード31は、現像ブレード31の短手方向の自由端が現像ローラ6の回転方向
図3(A)の矢印E方向)に対してカウンター方向に当接している。現像装置(現像ユニット)9は、図4(A)の軸線a(揺動中心)を中心に現像ローラ6が感光ドラム4に接触する方向(図3(A)の矢印W1方向)に加圧バネ(不図示)によって付勢されており、現像ローラ6が感光ドラム4に当接している。一方、現像ローラ6が感光ドラム4から離間した状態を図3(B)に示す。画像形成時には、現像剤供給ローラ33と現像ローラ6が回転して摺擦することで現像枠体29内のトナーが現像ローラ6上に担持される。現像ブレード31は、現像ローラ6の周面に形成されるトナー層の厚みを規制すると共に、当接圧により現像ローラ6との間で摩擦帯電による電荷をトナーに付与する。そして、現像ローラ6と感光ドラム4との接触部で現像ローラ6上の電荷を帯びたトナーが感光ドラム4上の静電潜像に付着し、静電潜像が現像される。
【0022】
〈梱包材の構成〉
図1(A)は、組立前の展開状態の段ボール包装材100Aを示した図であり、図1(B)は、組立後の段ボール包装材100Aを示した図である。また、図5は、カートリッジPを段ボール包装材100A及び段ボール包装材100Bで相対する方向から挟み込んで、カートリッジPに段ボール包装材100A及び段ボール包装材100Bを装着した状態を示した図である。カートリッジPに段ボール包装材100A及び段ボール包装材100Bを装着することで、カートリッジPを振動や衝撃から保護することができる。段ボール包装材100A及び段ボール包装材100Bは同様の構成である。
【0023】
カートリッジPの長手方向について、段ボール包装材100AはカートリッジPの第1の端部に取り付けられ、段ボール包装材100BはカートリッジPの第2の端部に取り付けられる。カートリッジPの長手方向は、感光ドラム4の回転軸線方向と一致する。カートリッジPの長手方向に直交する方向に見たとき、カートリッジPの長手方向におけるトナー収納室29cの中央や、廃トナー収納部26aの中央と、段ボール包装材100A、100Bとが重ならない。カートリッジPの長手中央部の内側には廃トナー収納部26a及びトナー収納室29cとしての空間が存在し、カートリッジPの外側から加わる力に対してドラム枠体26及び現像枠体29の変形が大きい。そのため、カートリッジPの長手中央部を避けて段ボール包装材100A、100Bを装着することにより、振動や衝撃によるドラム枠体26及び現像枠体29の変形を抑制することが可能となる。さらに、カートリッジPの長手方向に直交する方向に見たとき、段ボール包装材100Aと被梱包物(カートリッジP、またはそれを包む袋もしくはシート)との接触部が、トナー収納室29c、廃トナー収納部26aと重ならないことが好ましい。
【0024】
カートリッジPを埃等から保護するため、カートリッジPに袋又はシート(不図示)を被せてもよい。袋又はシートは、カートリッジP、段ボール包装材100A、100Bの外側に配置してもよいし、カートリッジPと段ボール包装材100Aとの間やカートリッジPと段ボール包装材100Bとの間に配置してもよい。段ボール包装材100A、100Bを装着したカートリッジPは、段ボール箱(不図示)に挿入される。この場合、段ボール包装材100A、100Bは、段ボール箱の外側からの振動や衝撃からカートリッジPを保護することができる。
【0025】
〈段ボール包装材の構成〉
段ボール包装材100Aの構成について図1(A)を用いて説明する。なお、以下の説明では、段ボール包装材100Aについて説明しているが、段ボール包装材100Bについても同様である。梱包部材としての段ボール包装材100Aは、表面と裏面とを含むシート(段ボールシート)を折り曲げることで形成され、カートリッジPに取り付けられる。シートは、例えば、段ボールによって構成される。段ボール包装材100Aは、基部と、複数の受け部と、複数の規制部とを備える。具体的には、段ボール包装材100Aは、基部開口としての第1の開口105を有する基部(主要部)101と、基部101に接続
された第1の受け部102及び第2の受け部152と、規制部としての第4の接続部103、104とを備える。
【0026】
カートリッジPを受けるための第1の受け部102は、第1の接続部102aと、第2の接続部102bと、第3の接続部102cとを含む。基部101に第1の接続部102aが接続されており、第1の接続部102aに第2の接続部102bが接続されており、第2の接続部102bに第3の接続部102cが接続されている。段ボール包装材100Aは、基部101と第1の接続部102aとの境界部分に第1の折り曲げ線111を有する。また、段ボール包装材100Aは、第1の接続部102aと第2の接続部102bとの境界部分に第2の折り曲げ線112を有する。更に、段ボール包装材100Aは、第2の接続部102bと第3の接続部102cとの境界部分に第3の折り曲げ線113(113a、113b)を有する。第1の折り曲げ線111、第2の折り曲げ線112及び第3の折り曲げ線113は、同じ方向に延びている。
【0027】
第1の受け部102には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口106が形成されている。第2の接続部102b及び第3の接続部102cに第2の開口106が形成されており、第2の開口106は、第3の折り曲げ線113aと第3の折り曲げ線113bとを結ぶ線(不図示)の位置と重なるように配置されている。第3の接続部102cは、係合開口としての第3の開口108、109を備える。また、第3の接続部102cは、第3の折り曲げ線113が延びる方向と交差する方向であって、段ボールの外側に向けて突出する第1の挿入部107を有する。第1の挿入部107は、第2の開口106の位置から離れる方向に向けて突出する。第2の開口106と第1の挿入部107との間に第3の接続部102cが配置される。また、第1の挿入部107は、第3の折り曲げ線113の方向について、第3の開口108と第3の開口109との間に位置するように、第3の接続部102cに設けられている。
【0028】
カートリッジPを受けるための第2の受け部152は、第1の受け部102と同様の構成である。第1の受け部102及び第2の受け部152は、基部101に対して略対称の形状である。具体的には、第1の接続部152a、第2の接続部152b及び第3の接続部152cが、それぞれ第1の接続部102a、第2の接続部102b及び第3の接続部102cと略対称の形状である。また、第1の受け部102と同様に、第2の受け部152は、第2の開口156、第1の挿入部157、係合開口としての第3の開口158、159、第1の折り曲げ線161、第2の折り曲げ線162及び第3の折り曲げ線163を有する。
【0029】
基部101を挟んで第4の接続部103と第4の接続部104とが対向するようにして、第4の接続部103、104が基部101に接続されている。第4の接続部103と第4の接続部104との間に第1の開口105が配置されている。段ボール包装材100Aは、基部101と第4の接続部103との境界部分に第4の折り曲げ線114を有し、基部101と第4の接続部104との境界部分に第4の折り曲げ線164を有する。第4の折り曲げ線114、164は、第1の折り曲げ線111、第2の折り曲げ線112及び第3の折り曲げ線113が延びる方向と交差する方向に延びている。なお、第4の折り曲げ線114、164は、第1の折り曲げ線111、第2の折り曲げ線112及び第3の折り曲げ線113が延びる方向と直交することが好ましい。
【0030】
第4の接続部103は、係合部としての第2の挿入部103a、103bを有し、第4の接続部104は、係合部としての第2の挿入部104a、104bを有する。第2の挿入部103a、103b、104a、104bは、鉤形状を有する。即ち、第4の接続部103は、第4の折り曲げ線114が延びる方向に向けて突出する第2の挿入部103a、103bを有し、第4の接続部104は、第4の折り曲げ線164が延びる方向に向け
て突出する第2の挿入部104a、104bを有する。第2の挿入部103aと第2の挿入部103bとが互いに逆方向に向けて突出し、第2の挿入部104aと第2の挿入部104bとが互いに逆方向に向けて突出している。また、第2の挿入部103a、104aが略同じ方向に向けて突出し、第2の挿入部103b、104bが略同じ方向に向けて突出している。
【0031】
なお、図1(A)では、第1~第4の折り曲げ線111、112、113、161、162、163、114、164を太線で示している。段ボール包装材100Aにおける太線以外の細線は、段ボールから段ボール包装材100Aを切り出した場合の切断線を示している。また、後述する図6(A)、図8(A)及び図9(A)についても同様である。
【0032】
〈段ボール包装材の組立〉
段ボール包装材100Aの組立について図1(B)を用いて説明する。第1の接続部102aは、基部101と第1の接続部102aとの間に第1の曲げ部が形成されるように、基部101に対して第1の折り曲げ線111で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第2の接続部102bは、第1の接続部102aと第2の接続部102bとの間に第2の曲げ部が形成されるように、第1の接続部102aに対して第2の折り曲げ線112で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第3の接続部102cは、第2の接続部102bと第3の接続部102cとの間に第3の曲げ部が形成されるように、第2の接続部102bに対して第3の折り曲げ線113で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。
【0033】
段ボール包装材100Aには、基部101、第1の接続部102a、第2の接続部102b及び第3の接続部102cによって第1の閉ループが形成されている。従って、基部101及び第1の受け部102によって形成された第1の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。また、第1の接続部152a、第2の接続部152b及び第3の接続部152cについても、第1の接続部102a、第2の接続部102b及び第3の接続部102cと同様に折り曲げられている。段ボール包装材100Aには、基部101、第1の接続部152a、第2の接続部152b及び第3の接続部152cによって第2の閉ループが形成されている。従って、基部101及び第1の受け部152によって形成された第2の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。図1(B)では、段ボール包装材100Aは略矩形状の2つの閉ループを有する。閉ループとは、例えば、円、楕円等の開始端と終了端とが一致する形状をいい、一部に曲率の異なる曲線を有する形状や、三角形、四角形等の形状も含まれる。
【0034】
基部101及び第1の受け部102によって第1の閉ループが形成され、第1の挿入部107が第1の開口105に挿入されることで、第3の接続部102cが基部101と係合する。基部101及び第2の受け部152によって第2の閉ループが形成され、第1の挿入部157が第1の開口105に挿入されることで、第3の接続部152cが基部101と係合する。段ボール包装材100Aには、第1の受け部102の第2の開口106及び第2の受け部152の第2の開口156によってカートリッジPを挿入する空間が形成されている。第2の開口106は、第1の閉ループの周方向について、第2の開口106の位置が第2の接続部102bと第3の接続部102cとの間に形成された第3の曲げ部の位置と重なるように配置される。第2の閉ループの周方向について、第2の開口156の位置が第2の接続部152bと第3の接続部152cとの間に形成された第3の曲げ部の位置と重なるように配置される。
【0035】
第4の接続部103は、基部101と第4の接続部103との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部101に対して第4の折り曲げ線114で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第4の接続部104は、基部101と第4の接続
部104との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部101に対して第4の折り曲げ線164で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第2の挿入部103b、104bが、それぞれ第3の開口108、109に挿入されることで、第2の挿入部103b、104bが第3の接続部102cと係合する。第2の挿入部103b、104bが第3の接続部102cと係合することで、第1の閉ループが開かれることが規制される。第2の挿入部103a、104aが、それぞれ第3の開口158、159に挿入されることで、第2の挿入部103a、104aが第3の接続部152cと係合する。第2の挿入部103a、104aが第3の接続部152cと係合することで、第2の閉ループが開かれることが規制される。
【0036】
図1(B)に示すように、第2の挿入部103bが、第1の閉ループの外側から第3の開口108に挿入され、第2の挿入部104bが、第1の閉ループの外側から第3の開口109に挿入される。従って、第1の閉ループが開く際、第3の接続部102cが第4の接続部103、104に近づく方向に移動するため、第3の接続部102cの移動を第4の接続部103、104が規制することができる。そのため、第1の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。図1(B)に示すように、第2の挿入部103aが、第2の閉ループの外側から第3の開口158に挿入され、第2の挿入部104aが、第2の閉ループの外側から第3の開口159に挿入される。従って、第2の閉ループが開く際、第3の接続部152cが第4の接続部103、104に近づく方向に移動するため、第3の接続部152cの移動を第4の接続部103、104が規制することができる。そのため、第2の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。
【0037】
第4の接続部103、104が第3の接続部102c、152cに当接することで、第4の接続部103、104は、基部101の面に対して平行方向における第3の接続部102c、152cの移動を規制する。第2の挿入部103b、104bが、それぞれ第3の開口108、109に挿入されることで、第4の接続部103、104は、基部101の面に対して垂直方向における第3の接続部102cの移動を規制する。第2の挿入部103a、104aが、それぞれ第3の開口158、159に挿入されることで、第4の接続部103、104は、基部101の面に対して垂直方向における第3の接続部152cの移動を規制する。
【0038】
第1の接続部102a、152a、第2の接続部102b、152b、第3の接続部102c、152c、第4の接続部103、104は、段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第1の接続部102a、152a、第2の接続部102b、152b、第3の接続部102c、152c、第4の接続部103、104の折り曲げ方向が同じであるため、段ボール包装材100Aの組立が容易である。
【0039】
基部101及び第1の受け部102によって形成された閉ループが開く方向、及び、基部101及び第1の受け部152によって形成された閉ループが開く方向は、基部101の裏面に対して垂直方向又は略垂直方向である。第1の受け部102に対する第4の接続部103、104の係合状態が解除される方向、及び、第2の受け部152に対する第4の接続部103、104の係合状態が解除される方向は、基部101の裏面に対して平行方向又は略平行方向である。また、第1の受け部102に対する第4の接続部103、104の係合状態が解除される方向は、基部101及び第1の受け部102によって形成された閉ループが小さくなる方向である。第2の受け部152に対する第4の接続部103、104の係合状態が解除される方向は、基部101及び第2の受け部152によって形成された閉ループが小さくなる方向である。基部101及び第1の受け部102によって形成された閉ループが開く方向と、第1の受け部102に対する第4の接続部103、104の係合状態が解除される方向とが異なる。また、基部101及び第2の受け部152によって形成された閉ループが開く方向と、第2の受け部152に対する第4の接続部1
03、104の係合状態が解除される方向とが異なる。そのため、振動や衝撃を受けた際に、段ボール包装材100Aの折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることが抑制され、段ボール包装材100Aの組立が解かれることを抑止することができる。
【0040】
第1の折り曲げ線111、161、第2の折り曲げ線112、162、第3の折り曲げ線113、163の方向と、第4の折り曲げ線114、164の方向とが交差している。そのため、振動や衝撃を受けた際に、第4の接続部103、104が、基部101の面に沿った力を第1の受け部102及び第2の受け部152から受けることができる。つまり、第4の接続部103、104は、第1の閉ループが開く力、第2の閉ループが開く力を、第4の接続部103、104の面に沿って受けることができる。第4の接続部103、104が、第3の接続部102c、152cの各面に対して垂直方向に延びるように配置されている。従って、基部101の面に沿った力が第1の受け部102及び第2の受け部152から第4の接続部103、104に加わった場合、第4の接続部103、104は変形しにくい。この結果、振動や衝撃を受けた際に、段ボール包装材100Aの閉ループが崩れにくくなり、段ボール包装材100Aの折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることが抑制される。
【0041】
カートリッジPに装着した段ボール包装材100Aは、カートリッジPと段ボール包装材100Aの段ボールの断面で接触し、段ボールの断面を押す方向の段ボールの変形によって輸送時の振動や衝撃を吸収する。段ボールは、段ボールのシート面(表面及び裏面)を押す方向(シート面に垂直な方向)の強度よりも段ボールの断面を押す方向(シート面に平行な方向)の強度の方が強い。このため、段ボール包装材100Aは、より大きな振動や衝撃を吸収することが可能となる。なお、第1の挿入部107、157、第2の挿入部103a、103b、104a、104b、第1の開口105、第2の開口106、156、第3の開口108、109、158、159、第4の接続部103、104の個数は、必要に応じて適宜設定される。従って、これらの部材及び開口の個数は、図1(A)及び1(B)に限定されない。
【0042】
〈実施例2〉
本発明の別の形態を実施例2として、図6(A)及び6(B)を用いて説明する。以下では、実施例1と実施例2との相違点について説明し、実施例1で説明した内容と重複する内容についてはその説明を省略する。図6(A)は、組立前の展開状態の段ボール包装材200を示した図であり、図6(B)は、組立後の段ボール包装材200を示した図である。
【0043】
〈段ボール包装材の構成〉
段ボール包装材200の構成について図6(A)を用いて説明する。梱包部材としての段ボール包装材200は、表面と裏面とを含むシートを折り曲げることで形成され、カートリッジPに取り付けられる。段ボール包装材200は、基部と、複数の受け部と、複数の規制部とを備える。具体的には、段ボール包装材200は、基部開口としての第1の開口205を有する基部(主要部)201と、基部201に接続された第1の受け部202及び第2の受け部252と、規制部としての第4の接続部203、204とを備える。第4の接続部203の第2の挿入部203a、203b及び第4の接続部204の第2の挿入部204a、204bは、実施例1と同様である。
【0044】
カートリッジPを受けるための第1の受け部202は、第1の接続部202aと、第2の接続部202bと、第3の接続部202cとを含む。第1の受け部202には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口206が形成されている。カートリッジPを受けるための第2の受け部252は、第1の受け部202と同様の構成である。第1の受け部202及び第2の受け部252は、基部201に対して略対称の形状であ
る。具体的には、第1の接続部252a、第2の接続部252b及び第3の接続部252cが、それぞれ第1の接続部202a、第2の接続部202b及び第3の接続部202cと略対称の形状である。
【0045】
段ボール包装材200は、第2の開口206の縁から延びる開口接続部としての第5の接続部221(221a、221b、221c及び221d)を有する。段ボール包装材200は、第5の折り曲げ線222(222a、222b、222c及び222d)を有する。段ボール包装材200は、第2の接続部202bと第5の接続部221aとの境界部分に第5の折り曲げ線222aを有する。段ボール包装材200は、第2の接続部202bと第5の接続部221bとの境界部分に第5の折り曲げ線222bを有する。段ボール包装材200は、第2の接続部202bと第5の接続部221cとの境界部分に第5の折り曲げ線222cを有する。段ボール包装材200は、第3の接続部202c第5の接続部221dとの境界部分に第5の折り曲げ線222dを有する。第5の折り曲げ線222a、222cは、第1の折り曲げ線211、第2の折り曲げ線212及び第3の折り曲げ線213(213a、213b)が延びる方向と交差する方向に延びている。第5の折り曲げ線222b、222dは、第1の折り曲げ線211、第2の折り曲げ線212及び第3の折り曲げ線213が延びる方向と同じ方向に延びている。
【0046】
第2の受け部252には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口256が形成されている。段ボール包装材200は、第5の接続部271(271a、271b、271c及び271d)及び第5の折り曲げ線272(272a、272b、272c及び272d)を有する。第5の接続部271は、第5の接続部221と同様であり、第5の折り曲げ線272は、第5の折り曲げ線222と同様である。第1の折り曲げ線211、261、第2の折り曲げ線212、262、第3の折り曲げ線213、263(263a、263b)、第4の折り曲げ線214、264、第1の挿入部207、257は、実施例1と同様である。
【0047】
〈段ボール包装材の組立〉
段ボール包装材200の組立について図6(B)を用いて説明する。第1の接続部202a、第2の接続部202b及び第3の接続部202cの折り曲げについては、実施例1と同様である。段ボール包装材200には、基部201、第1の接続部202a、第2の接続部202b及び第3の接続部202cによって第1の閉ループが形成されている。従って、基部201及び第1の受け部202によって形成された第1の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。また、第1の接続部252a、第2の接続部252b及び第3の接続部252cについても、第1の接続部202a、第2の接続部202b及び第3の接続部202cと同様に折り曲げられている。段ボール包装材200には、基部201、第1の接続部252a、第2の接続部252b及び第3の接続部252cによって第2の閉ループが形成されている。従って、基部201及び第1の受け部252によって形成された第2の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。図6(B)では、段ボール包装材200は略矩形状の2つの閉ループを有する。
【0048】
第5の接続部221aは、第2の接続部202bと第5の接続部221aとの間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部202bに対して第5の折り曲げ線222aで段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第5の接続部221bは、第2の接続部202bと第5の接続部221bとの間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部202bに対して第5の折り曲げ線222bで段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第5の接続部221cは、第2の接続部202bと第5の接続部221cとの間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部202bに対して第5の折り曲げ線222cで段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第5の接続部221dは、第3の接続部202cと第5の接続部
221dとの間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部202cに対して第5の折り曲げ線222dで段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。
【0049】
第4の接続部203は、基部201と第4の接続部203との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部201に対して第4の折り曲げ線214で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第4の接続部204は、基部201と第4の接続部204との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部201に対して第4の折り曲げ線264で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第2の挿入部203b、204bが、第2の開口206に挿入されることで、第2の挿入部203b、204bが第3の接続部202cと係合する。第2の挿入部203a、204aが、第2の開口256に挿入されることで、第2の挿入部203a、204aが第3の接続部252cと係合する。第2の挿入部203b、204bが第3の接続部202cと係合することで、第1の閉ループが開かれることが規制される。第2の挿入部203a、204aが第3の接続部252cと係合することで、第2の閉ループが開かれることが規制される。
【0050】
図6(B)に示すように、第2の挿入部203b、204bが、第1の閉ループの外側から第2の開口206に挿入される。従って、実施例1と同様に、第1の閉ループが開く際、第3の接続部202cが第4の接続部203、204に近づく方向に移動するため、第3の接続部202cの移動を第4の接続部203、204が規制することができる。そのため、第1の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。図6(B)に示すように、第2の挿入部203a、204aが、第2の閉ループの外側から第2の開口256に挿入される。従って、実施例1と同様に、第2の閉ループが開く際、第3の接続部252cが第4の接続部203、204に近づく方向に移動するため、第3の接続部252cの移動を第4の接続部203、204が規制することができる。そのため、第2の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。
【0051】
第1の接続部202a、252a、第2の接続部202b、252b、第3の接続部202c、252c、第4の接続部203、204、第5の接続部221、272の折り曲げ方向が同じであるため、段ボール包装材200の組立が容易である。また、実施例2では、実施例1と同様に、振動や衝撃を受けた際に、段ボール包装材200の折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることが抑制され、段ボール包装材200の組立が解かれることを抑止することができる。
【0052】
カートリッジPは、段ボール包装材200の段ボールの断面と直接接触すると振動や衝撃によってカートリッジPに擦れ傷が生じる場合がある。実施例2では、段ボール包装材200に第5の接続部221、271を設けることで、カートリッジPは第5の折り曲げ線222、272で接触し、カットリッジPは段ボール包装材200の段ボールの断面と接触しない。従って、カートリッジPに段ボール包装材200を装着した際、カートリッジPの擦れ傷を抑止することができる。
【0053】
第2の挿入部203a、204aが第2の開口256に挿入され、第2の挿入部203b、204bが第2の開口206に挿入される。そのため、カートリッジPと第3の接続部202cとの間に第2の挿入部203a、204aが挟み込まれ、カートリッジPと第3の接続部252cとの間に第2の挿入部203a、204aが挟み込まれる。従って、カートリッジPに段ボール包装材200を装着した際、カートリッジPの擦れ傷を抑止することができる。
【0054】
第1の挿入部207、257、第2の挿入部203a、203b、204a、204b
、第1の開口205、第2の開口206、256、第4の接続部203、204、第5の接続部221、271の個数は、必要に応じて適宜設定される。従って、これらの部材及び開口の個数は、図6(A)及び6(B)に限定されない。また、実施例1と同様に、2つの段ボール包装材200をカートリッジPに装着することが可能である。例えば、第1の段ボール包装材200をカートリッジPの第1の端部に装着し、第2の段ボール包装材200をカートリッジPの第2の端部に装着してもよい。
【0055】
〈実施例3〉
本発明の別の形態を実施例3として、図8(A)及び8(B)を用いて説明する。以下では、実施例1と実施例3との相違点について説明し、実施例1で説明した内容と重複する内容についてはその説明を省略する。図8(A)は、組立前の展開状態の段ボール包装材300を示した図であり、図8(B)は、組立後の段ボール包装材300を示した図である。
【0056】
〈段ボール包装材の構成〉
段ボール包装材300の構成について図8(A)を用いて説明する。梱包部材としての段ボール包装材300は、表面と裏面とを含むシートを折り曲げることで形成され、カートリッジPに取り付けられる。段ボール包装材300は、基部と、複数の受け部と、複数の規制部とを備える。具体的には、段ボール包装材300は、基部開口としての第1の開口305を有する基部(主要部)301と、基部301に接続された第1の受け部302及び第2の受け部352と、規制部としての第4の接続部303、304とを備える。第4の接続部303の第2の挿入部303a、303b及び第4の接続部304の第2の挿入部304a、304bは、実施例1と同様である。
【0057】
カートリッジPを受けるための第1の受け部302は、第1の接続部302aと、第2の接続部302bと、第3の接続部302cとを含む。第1の受け部302には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口306が形成されている。カートリッジPを受けるための第2の受け部352は、第1の接続部352aと、第2の接続部352bと、第3の接続部352cとを含む。第2の受け部352には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口356が形成されている。
【0058】
段ボール包装材300は、第2の開口306の縁から延びる開口接続部としての第5の接続部333を有する。第5の接続部333は、溝を有する略コの字形状である。第5の接続部333は、先端部に溝を有し、根元部が第2の接続部302bに接続されている。段ボール包装材300は、第2の接続部302bと第5の接続部333との境界部分に第5の折り曲げ線334を有する。第5の折り曲げ線334は、第1の折り曲げ線311、第2の折り曲げ線312及び第3の折り曲げ線313(313a、313b)が延びる方向と同じ方向に延びている。
【0059】
段ボール包装材300は、第2の開口356の縁から延びる開口接続部としての第5の接続部383を有する。第5の接続部383は、矩形状又は略矩形状である。段ボール包装材300は、第2の接続部352bと第5の接続部383との境界部分に第5の折り曲げ線384を有する。第5の折り曲げ線384は、第1の折り曲げ線361、第2の折り曲げ線362及び第3の折り曲げ線363(363a、363b)が延びる方向と同じ方向に延びている。
【0060】
段ボール包装材300は、第1の接続部302aに接続された支持部としての第6の接続部331を有する。第6の接続部331は、階段形状を有し、階段形状の底部を形成する部分が第1の接続部302aに接続されている。段ボール包装材300は、第1の接続部302aと第6の接続部331との境界部分に支持折り曲げ線としての第6の折り曲げ
線332を有する。第6の折り曲げ線332は、第1の折り曲げ線311、第2の折り曲げ線312及び第3の折り曲げ線313が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0061】
段ボール包装材300は、第1の接続部352aに接続された支持部としての第6の接続部381を有する。第6の接続部381は、階段形状を有し、階段形状の底部を形成する部分が第1の接続部352aに接続されている。段ボール包装材300は、第1の接続部352aと第6の接続部381との境界部分に支持折り曲げ線としての第6の折り曲げ線382を有する。第6の折り曲げ線382は、第1の折り曲げ線361、第2の折り曲げ線362及び第3の折り曲げ線363が延びる方向と交差する方向に延びている。また、第6の接続部381は、基部301の位置に近づく方向に向けて突出する第3の挿入部381aを有する。
【0062】
段ボール包装材300は、第4の接続部303に接続された支持部としての第7の接続部335を有する。第7の接続部335は、例えば矩形形状を有する。段ボール包装材300は、第4の接続部303と第7の接続部335との境界部分に支持折り曲げ線としての第7の折り曲げ線336を有する。段ボール包装材300は、第4の接続部304に接続された支持部としての第7の接続部385を有する。第7の接続部385は、例えば矩形形状を有する。段ボール包装材300は、第4の接続部304と第7の接続部385との境界部分に支持折り曲げ線としての第7の折り曲げ線386を有する。
【0063】
第1の折り曲げ線311、361、第2の折り曲げ線312、362、第3の折り曲げ線313、363、第4の折り曲げ線314、364、第1の挿入部307、357、第3の開口308、309、358、359は、実施例1と同様である。
【0064】
〈段ボール包装材の組立〉
段ボール包装材300の組立について図8(B)を用いて説明する。第1の接続部302a、第2の接続部302b及び第3の接続部302cの折り曲げについては、実施例1と同様である。段ボール包装材300には、基部301、第1の接続部302a、第2の接続部302b及び第3の接続部302cによって第1の閉ループが形成されている。従って、基部301及び第1の受け部302によって形成された第1の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。また、第1の接続部352a、第2の接続部352b及び第3の接続部352cについても、第1の接続部302a、第2の接続部302b及び第3の接続部302cと同様に折り曲げられている。段ボール包装材300には、基部301、第1の接続部352a、第2の接続部352b及び第3の接続部352cによって第2の閉ループが形成されている。従って、基部301及び第1の受け部352によって形成された第2の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。図8(B)では、段ボール包装材300は略矩形状の2つの閉ループを有する。
【0065】
第6の接続部331は、第1の接続部302aと第6の接続部331との間に第6の曲げ部が形成されるように、第1の接続部302aに対して第6の折り曲げ線332で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第5の接続部333は、第2の接続部302bと第5の接続部333との間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部302bに対して第5の折り曲げ線334で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第5の接続部333の溝に第6の接続部331が挿入されることで、第6の接続部331が第5の接続部333と係合する。第6の接続部331は、第6の折り曲げ線332を基準として、第1の高さを有する第1の部分と第2の高さを有する第2の部分とを有する。第1の高さは第2の高さよりも高い。第5の接続部333の溝に第6の接続部331の第1の部分を挿入してもよい。第6の接続部331が第5の接続部333と係合することにより、第6の接続部331が基部301の裏面に対して垂直方向又は略垂直方向に立った状態が維持される。段ボール包装材300が第6の接続
部331を有することにより、カートリッジPに段ボール包装材300を装着した際、カートリッジPを支える段ボールの断面積が増えるため、カートリッジPを振動や衝撃からより保護することができる。
【0066】
第6の接続部381は、第1の接続部352aと第6の接続部381との間に第6の曲げ部が形成されるように、第1の接続部352aに対して第6の折り曲げ線382で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第6の接続部381の第3の挿入部381aが第1の開口305に挿入されることで、第6の接続部381が基部301と係合する。第3の挿入部381aの段ボールはある程度の厚みを有するため、第3の挿入部381aを第1の開口305に挿入することが可能である。また、基部301に対する第1の接続部352aの折り曲げ角度を鋭角にして、第3の挿入部381aを第1の開口305に挿入してもよい。
【0067】
第5の接続部383は、第2の接続部352bと第5の接続部383との間に第5の曲げ部が形成されるように、第2の接続部352bに対して第5の折り曲げ線384で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第6の接続部381が基部301と係合した状態で第5の接続部383を折り曲げることにより、第5の接続部383の段ボールの断面が第6の接続部381を支持する。従って、第6の接続部381は、第6の接続部381が基部301と係合した状態における第6の接続部381の位置ずれを抑止する。第6の接続部381が基部301と係合することにより、第6の接続部381が基部301の裏面に対して垂直方向又は略垂直方向に立った状態が維持される。段ボール包装材300が第6の接続部381を有することにより、カートリッジPに段ボール包装材300を装着した際、カートリッジPを支える段ボールの断面積が増えるため、カートリッジPを振動や衝撃からより保護することができる。
【0068】
第6の接続部331は、第3の挿入部381aと同様の挿入部(第3の挿入部)を有してもよい。第6の接続部331の第3の挿入部が第1の開口305に挿入されることで、第6の接続部331が基部301と係合してもよい。第5の接続部383は、第5の接続部333と同様の溝を有してもよい。第5の接続部383の溝に第6の接続部381が挿入されることで、第6の接続部381が第5の接続部383と係合してもよい。
【0069】
第7の接続部335は、第4の接続部303と第7の接続部335との間に第7の曲げ部が形成されるように、第4の接続部303に対して第7の折り曲げ線336で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第7の接続部385は、第4の接続部304と第7の接続部385との間に第7の曲げ部が形成されるように、第4の接続部304に対して第7の折り曲げ線386で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第7の接続部335、385が基部301の裏面に対して垂直方向又は略垂直方向に立った状態で配置されている。段ボール包装材300が第7の接続部335、385を有することにより、カートリッジPに段ボール包装材300を装着した際、カートリッジPを支える段ボールの断面積が増えるため、カートリッジPを振動や衝撃からより保護することができる。
【0070】
図8(B)に示すように、第2の挿入部303bが、第1の閉ループの外側から第3の開口308に挿入され、第2の挿入部304bが、第1の閉ループの外側から第3の開口309に挿入される。実施例1と同様に、第1の閉ループが開く際、第3の接続部302cが第4の接続部303、304に近づく方向に移動するため、第3の接続部302cの移動を第4の接続部303、304が規制することができる。そのため、第1の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。第2の挿入部303aが、第2の閉ループの外側から第3の開口358に挿入され、第2の挿入部304aが、第2の閉ループの外側から第3の開口359に挿入される。実施例1と同様に、第2の閉ループが開く際、第3
の接続部352cが第4の接続部303、304に近づく方向に移動するため、第3の接続部352cの移動を第4の接続部303、304が規制することができる。そのため、第2の閉ループの開きをより確実に抑止することができる。
【0071】
第1の接続部302a、352a、第2の接続部302b、352b、第3の接続部302c、352c、第4の接続部303、304、第5の接続部333、383、第6の接続部331、381、第7の接続部335、385の折り曲げ方向が同じである。そのため、段ボール包装材300の組立が容易である。また、実施例3では、実施例1と同様に、振動や衝撃を受けた際に、段ボール包装材300の折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることが抑制され、段ボール包装材300の組立が解かれることを抑止することができる。
【0072】
第1の挿入部307、357、第2の挿入部303a、303b、304a、304b、第1の開口305、第2の開口306、356、第5の接続部333、383、第6の接続部331、381、第7の接続部335、385の個数は、適宜設定される。従って、これらの部材及び開口の個数は、図8(A)及び8(B)に限定されない。また、実施例1と同様に、2つの段ボール包装材300をカートリッジPに装着することが可能である。例えば、第1の段ボール包装材300をカートリッジPの第1の端部に装着し、第2の段ボール包装材300をカートリッジPの第2の端部に装着してもよい。また、実施例3は、実施例2に適用してもよく、実施例2の構成と実施例3の構成とを可能な限り組み合わせてもよい。
【0073】
〈実施例4〉
本発明の別の形態を実施例4として、図9(A)及び9(B)を用いて説明する。以下では、実施例1と実施例4との相違点について説明し、実施例1で説明した内容と重複する内容についてはその説明を省略する。図9(A)は、組立前の展開状態の段ボール包装材400を示した図であり、図9(B)は、組立後の段ボール包装材400を示した図である。
【0074】
〈段ボール包装材の構成〉
段ボール包装材400の構成について図9(A)を用いて説明する。梱包部材としての段ボール包装材400は、表面と裏面とを含むシートを折り曲げることで形成され、カートリッジPに取り付けられる。段ボール包装材400は、基部と、複数の受け部と、複数の規制部とを備える。具体的には、段ボール包装材400は、複数の第1の開口(基部開口)405を有する基部(主要部)401と、基部401に接続された第1の受け部402及び第2の受け部452と、規制部としての第4の接続部403、404、453、454とを備える。
【0075】
カートリッジPを受けるための第1の受け部402は、第1の接続部402aと、第2の接続部402bと、第3の接続部402cとを含む。基部401に第1の接続部402aが接続されており、第1の接続部402aに第2の接続部402bが接続されており、第2の接続部402bに第3の接続部402cが接続されている。段ボール包装材400は、基部401と第1の接続部402aとの境界部分に第1の折り曲げ線411(411a、411b、411c及び411d)を有する。また、段ボール包装材400は、第1の接続部402aと第2の接続部402bとの境界部分に第2の折り曲げ線412(412a、412b、412c)を有する。更に、段ボール包装材400は、第2の接続部402bと第3の接続部402cとの境界部分に第3の折り曲げ線413(413a、413b)を有する。第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412及び第3の折り曲げ線413は、同じ方向に延びている。
【0076】
カートリッジPを受けるための第2の受け部452は、第1の接続部452aと、第2の接続部452bと、第3の接続部452cとを含む。段ボール包装材400は、第1の折り曲げ線461(461a、461b、461c及び461d)と、第2の折り曲げ線462(462a、462b、462c)と、第3の折り曲げ線463(463a、463b)とを有する。第1の折り曲げ線461、第2の折り曲げ線462及び第3の折り曲げ線463は、それぞれ第1の折り曲げ線461、第2の折り曲げ線462及び第3の折り曲げ線463と同様である。第1の接続部452aは、第1の折り曲げ線461が延びる方向と交差する方向における長さが、第1の接続部402aよりも長い。第1の接続部452aの他の点については、第1の接続部402aと同様である。第1の接続部452aは、第2の接続部402bと同様である。第3の接続部452cは、第3の折り曲げ線463が延びる方向と交差する方向における長さが、第3の接続部402cよりも長い。第3の接続部452cの他の点については、第3の接続部402cと同様である。したがって、第1の受け部402及び第2の受け部452は、基部401に対して非対称の形状である。
【0077】
第1の受け部402には、カートリッジPを挿入するための挿入開口としての第2の開口406が形成されている。第3の接続部402cは、係合開口としての第3の開口408、409を備える。第3の接続部402cは、複数の第1の挿入部407を有する。第2の開口406、第3の開口408、409は、実施例1と同様である。第1の挿入部407の構成は、実施例1の第1の挿入部107の構成と同様であり、第1の挿入部407の位置が、実施例1の第1の挿入部107の位置と異なる。
【0078】
基部401を挟んで第4の接続部403と第4の接続部404とが対向するようにして、第4の接続部403、404が基部401に接続されている。段ボール包装材400は、基部401と第4の接続部403との境界部分に第4の折り曲げ線423を有し、基部401と第4の接続部404との境界部分に第4の折り曲げ線424を有する。第4の折り曲げ線423、424は、第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412及び第3の折り曲げ線413が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0079】
第4の接続部403は、係合部としての第2の挿入部403aを有し、第4の接続部404は、係合部としての第2の挿入部404aを有する。第4の接続部403は、第4の折り曲げ線423が延びる方向であって、第1の接続部402aの位置から離れる方向に向けて突出する第2の挿入部403aを有する。第4の接続部404は、第4の折り曲げ線424が延びる方向であって、第1の接続部402aの位置から離れる方向に向けて突出する第2の挿入部404aを有する。第2の挿入部403aと第2の挿入部404aとが略同じ方向に向けて突出している。
【0080】
基部401を挟んで第4の接続部453と第4の接続部454とが対向するようにして、第4の接続部453、454が基部401に接続されている。段ボール包装材400は、基部401と第4の接続部453との境界部分に第4の折り曲げ線473を有し、基部401と第4の接続部454との境界部分に第4の折り曲げ線474を有する。第4の折り曲げ線473、474は、第1の折り曲げ線461、第2の折り曲げ線462及び第3の折り曲げ線463が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0081】
第4の接続部453は、係合部としての第2の挿入部453aを有し、第4の接続部454は、係合部としての第2の挿入部454aを有する。第4の接続部453は、第4の折り曲げ線473が延びる方向であって、第1の接続部452aの位置から離れる方向に向けて突出する第2の挿入部453aを有する。第4の接続部454は、第4の折り曲げ線474が延びる方向であって、第1の接続部452aの位置から離れる方向に向けて突出する第2の挿入部454aを有する。第2の挿入部453aと第2の挿入部454aと
が略同じ方向に向けて突出している。第2の挿入部403aと第2の挿入部453aとが互いに逆方向に向けて突出し、第2の挿入部404aと第2の挿入部454aとが互いに逆方向に向けて突出している。
【0082】
基部401及び第1の接続部402aは、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向に向けて突出する第1の突出部(緩衝部)491(491a、491b、491d)を有する。基部401は、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向であって、第1の接続部402aの位置に近づく方向に向けて突出する第1の突出部491a、491cを有する。第1の接続部402aは、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向であって、基部401の位置に近づく方向に向けて突出する第1の突出部491bを有する。第1の突出部491aは、第1の折り曲げ線411aと第1の折り曲げ線411bとの間に配置される。第1の突出部491bは、第1の折り曲げ線411bと第1の折り曲げ線411cとの間に配置される。第1の突出部491cは、第1の折り曲げ線411cと第1の折り曲げ線411dとの間に配置される。基部401が、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向であって、第1の接続部402aの位置に近づく方向に向けて突出する第1の突出部491(491a、491b、491c)を有してもよい。第1の接続部402aが、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向であって、基部401の位置に近づく方向に向けて突出する第1の突出部491(491a、491b、491c)を有してもよい。基部401、第1の接続部402a、第2の接続部402b及び第3の接続部402cによって第1の閉ループが形成されたとき、第1の突出部491(491a、491b、491d)は第1の閉ループの外側に向けて突出する。
【0083】
第2の接続部402bは、第2の折り曲げ線412が延びる方向と交差する方向であって、第1の接続部402aの位置に近づく方向に向けて突出する第2の突出部(緩衝部)492(492a、492b)を有する。第2の突出部492aは、第2の折り曲げ線412aと折り曲げ線412bとの間に配置される。第2の突出部492bは、第2の折り曲げ線412bと折り曲げ線412cとの間に配置される。第1の接続部402aが、第2の折り曲げ線412が延びる方向と交差する方向であって、第2の接続部402bの位置に近づく方向に向けて突出する第2の突出部492(492a、492b)を有してもよい。第1の接続部402aが、第2の折り曲げ線412が延びる方向と交差する方向であって、第2の接続部402bの位置に近づく方向に向けて突出する第2の突出部492aを有してもよい。第2の接続部402bが、第2の折り曲げ線412が延びる方向と交差する方向であって、第1の接続部402aの位置に近づく方向に向けて突出する第2の突出部492bを有してもよい。基部401、第1の接続部402a、第2の接続部402b及び第3の接続部402cによって第1の閉ループが形成されたとき、第2の突出部492(492a、492b)は第1の閉ループの外側に向けて突出する。
【0084】
第1の接続部402aは、第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412、第3の折り曲げ線413が延びる方向であって、段ボールの外側に向けて突出する第3の突出部(緩衝部)414、417を有する。第3の突出部414と第3の突出部417とが対向するように、第3の突出部414、417が第1の接続部402aに設けられている。
【0085】
第2の接続部402bは、第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412、第3の折り曲げ線413が延びる方向であって、段ボールの外側に向けて突出する第3の突出部(緩衝部)415、418を有する。第3の突出部415と第3の突出部418との間に第2の開口406が配置されている。従って、第2の開口406を挟んで第3の突出部415と第3の突出部418とが対向するように、第3の突出部415、418が第2の接続部402bに設けられている。第3の接続部402cは、第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412、第3の折り曲げ線413が延びる方向であって、段ボールの外側
に向けて突出する第3の突出部416、419を有する。第3の突出部416と第3の突出部419との間に第2の開口406が配置されている。従って、第2の開口406を挟んで第3の突出部416と第3の突出部419とが対向するように、第3の突出部416、419が第3の接続部402cに設けられている。第3の折り曲げ線413aを挟んで第3の突出部415と第3の突出部416とが隣接している。第3の折り曲げ線413bを挟んで第3の突出部418と第3の突出部419とが隣接している。
【0086】
第2の受け部452は、第1の受け部402と同様である。第3の接続部402cは、複数の第1の挿入部457を有する。第1の挿入部457は、第1の挿入部407と同様である。第2の開口456、第3の開口458、459は、それぞれ第2の開口406、第3の開口408、409と同様である。第1の突出部(緩衝部)493(493a、493b、493d)は、第1の突出部491(491a、491b、491d)と同様である。第2の突出部(緩衝部)494(494a、494b)は、第2の突出部492(492a、492b)と同様である。第3の突出部(緩衝部)464、467は、それぞれ第3の突出部414、417と同様である。第3の突出部465、468は、それぞれ第3の突出部415、418と同様である。第3の突出部466、469は、それぞれ第3の突出部416、419と同様である。
【0087】
〈段ボール包装材の組立〉
段ボール包装材400の組立について図9(B)を用いて説明する。第1の接続部402aは、基部401と第1の接続部402aとの間に第1の曲げ部が形成されるように、基部401に対して第1の折り曲げ線411で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第2の接続部402bは、第1の接続部402aと第2の接続部402bとの間に第2の曲げ部が形成されるように、第1の接続部402aに対して第2の折り曲げ線412で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第3の接続部402cは、第2の接続部402bと第3の接続部402cとの間に第3の曲げ部が形成されるように、第2の接続部402bに対して第3の折り曲げ線413で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。
【0088】
段ボール包装材400には、基部401、第1の接続部402a、第2の接続部402b及び第3の接続部402cによって第1の閉ループが形成されている。従って、基部401及び第1の受け部402によって形成された第1の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。また、第1の接続部452a、第2の接続部452b及び第3の接続部452cについても、第1の接続部402a、第2の接続部402b及び第3の接続部402cと同様に折り曲げられている。段ボール包装材400には、基部401、第1の接続部452a、第2の接続部452b及び第3の接続部452cによって第2の閉ループが形成されている。従って、基部401及び第1の受け部452によって形成された第2の閉ループは、3つの折り曲げ部を有する。図9(B)では、段ボール包装材400は略矩形状の2つの閉ループを有する。
【0089】
基部401及び第1の受け部402によって第1の閉ループが形成され、各第1の挿入部407が対応する各第1の開口405に挿入されることで、第1の受け部402が基部401と係合する。基部401及び第2の受け部452によって第2の閉ループが形成され、各挿入部457が対応する各第1の開口405に挿入されることで、第2の受け部452が基部401と係合する。
【0090】
第4の接続部403は、基部401と第4の接続部403との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部401に対して第4の折り曲げ線423で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第4の接続部404は、基部401と第4の接続部404との間に第4の曲げ部が形成されるように、基部401に対して第4の折り曲げ
線424で段ボールの裏面から段ボールの表面に向けて折り曲げられている。第2の挿入部403a、404aが、それぞれ第3の開口408、409に挿入されることで、第2の挿入部403a、404aが第3の接続部402cと係合する。第2の挿入部403a、404aが第3の接続部402cと係合することで、第1の閉ループが開かれることが規制される。第2の挿入部453a、454aが、それぞれ第3の開口458、459に挿入されることで、第2の挿入部403a、404aが第3の接続部452cと係合する。第2の挿入部453a、454aが第3の接続部452cと係合することで、第2の閉ループが開かれることが規制される。
【0091】
図9(B)に示すように、第2の挿入部403aが、第1の閉ループの内側から第3の開口408に挿入され、第2の挿入部404aが、第1の閉ループの内側から第3の開口409に挿入される。各第1の挿入部407が各第1の開口405に挿入されることで、第1の閉ループが開くように第3の接続部402cが移動することが抑止される。第2の挿入部403a、404aが、それぞれ第3の開口408、409に挿入されることで、各第1の挿入部407が各第1の開口405から抜けることが規制される。このように、第3の接続部402cが、第1の閉ループの外側に向けて移動することが規制されるように、各第1の挿入部407が各第1の開口405に挿入されている。また、第2の挿入部403a、404aは、各第1の挿入部407が各第1の開口405から外れることを規制する。第2の挿入部453a、454aの構成及び効果は、それぞれ第2の挿入部403a、404aの構成及び効果と同様である。各第1の挿入部457の構成及び効果は、各第1の挿入部407の構成及び効果と同様である。
【0092】
段ボール包装材400は、第1の曲げ部に配置された第1の突出部491と、第2の曲げ部に配置された第2の突出部492とを有する。第1の突出部491は、第1の折り曲げ線411が延びる方向と交差する方向に向けて基部401及び第1の接続部402aの少なくとも一方から突出する。第2の突出部492は、第2の折り曲げ線412が延びる方向と交差する方向に向けて第1の接続部402a及び第2の接続部402bの少なくとも一方から突出する。
【0093】
段ボール包装材400は、第1の曲げ部に配置された第3の突出部414、417と、第3の曲げ部に配置された第3の突出部415、416、418、419とを有する。第3の突出部414~419は、第1の折り曲げ線411、第2の折り曲げ線412、第3の折り曲げ線413が延びる方向に向けて突出する。この構成に限らず、例えば、第3の突出部414、417を第1の曲げ部に配置し、第3の突出部415、418を第2の曲げ部に配置し、第3の突出部416、419を第3の曲げ部に配置してもよい。また、第3の突出部414~419の少なくともいずれか一つが、第1の曲げ部、第2の曲げ部、第3の曲げ部の少なくともいずれか一つに配置されてもよい。
【0094】
第1の接続部402aが第1の折り曲げ線411で折り曲げられることにより、第1の突出部491は、段ボール包装材400の外側に向かって突出する。第2の接続部402bが第2の折り曲げ線412で折り曲げられることにより、第2の突出部492は、段ボール包装材400の外側に向かって突出する。第3の突出部414~419は、段ボール包装材400の外側に向かって突出する。振動や衝撃を受けた際に、第1の突出部491、第2の突出部492、第3の突出部414~419が潰れることにより、段ボール包装材400に対する衝撃が緩和される。これにより、振動や衝撃を受けた際に、段ボール包装材400の折り曲げ部が折り曲げ前の元の状態に戻ることが抑制され、段ボール包装材400の組立が解かれることを抑止することができる。また、振動や衝撃による段ボール包装材400の変形を第1の突出部491、第2の突出部492、第3の突出部414~419に集中させることにより、カートリッジPと直接接触している段ボール包装材400の箇所の変形を軽減することができる。そのため、段ボール包装材400とカートリッ
ジPとのがたつきを抑制することができる。
【0095】
第1の突出部493、第2の突出部494の構成及び効果は、それぞれ第1の突出部491、第2の突出部492の構成及び効果と同様である。第3の突出部464~469の構成及び効果は、第3の突出部414~419の構成及び効果と同様である。また、実施例4における第1の突出部491、493、第2の突出部492、494、第3の突出部414~419、464~469は、実施例1~3に適用することが可能である。
【0096】
〈実施例5〉
本発明の別の形態を実施例5として説明する。以下では、実施例1と実施例5との相違点について説明し、実施例1で説明した内容と重複する内容についてはその説明を省略する。
【0097】
段ボールシートの面に沿った方向(段ボールシートの厚み方向と直交する方向)で、段ボールシートの中芯の波の凹凸形状が並ぶ方向を、段ボールシートの流れ方向と呼ぶ。段ボールシートの面に沿った方向で、流れ方向と直交する方向(波の凹凸の母線方向と同じ)を、段ボールシートの幅方向(紙巾方向)と呼ぶ。段ボール包装材100Aにおいて、第1の折り曲げ線111、第2の折り曲げ線112、第3の折り曲げ線113が延びる方向と交差する方向が、製造工程における段ボールシートの幅方向(不図示)である。段ボールシートは、段ボールシートの幅方向に折る場合の強度の方が、段ボールシートの流れ方向に折る場合の強度よりも強い。そのため、第1の開口105に挿入された第1の挿入部107が変形して、基部101と第3の接続部102cとの係合状態が解かれることを抑止することができる。第1の挿入部157の構成及び効果は、第1の挿入部107の構成及び効果と同様である。また、実施例5は、実施例1~4に適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
100…段ボール包装材、101…基部、102…第1の受け部、102a…第1の接続部、102b…第2の接続部、102c…第3の接続部、103、104…第4の接続部、106…第2の開口106、103a、103b、104a、104b…第2の挿入部、111…第1の折り曲げ線、112…第2の折り曲げ線、113…第3の折り曲げ線、P…カートリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9