(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】スプリング保持具、及びスプリング保持方法
(51)【国際特許分類】
B25B 27/30 20060101AFI20240325BHJP
B66B 13/18 20060101ALN20240325BHJP
【FI】
B25B27/30
B66B13/18 A
(21)【出願番号】P 2020067290
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】松田 脩
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014216311(DE,A1)
【文献】特開2007-053835(JP,A)
【文献】実開昭55-007645(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0314430(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 27/30
B66B 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持具本体と、繋ぎ部材と、を備え、
前記保持具本体は、互いに対向している第1対向板及び第2対向板と、前記第1対向板と前記第2対向板とを連結している連結部と、を有しており、
前記第1対向板には、前記第1対向板の外周から前記第1対向板の内側に向けて切り欠かれている第1切り欠き部が設けられており、
前記第2対向板には、前記第2対向板の外周から前記第2対向板の内側に向けて切り欠かれている第2切り欠き部が設けられており、
前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部とは、互いに対向する位置に位置しており、
前記繋ぎ部材は、構造物に着脱可能な取付部材と、前記取付部材を
前記保持具本体に繋ぐ索状体とを有して
おり、
前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部とのそれぞれには、保持しようとするスプリングに挿入されているボルトを挿入することができる、
前記ボルトが挿入されている前記スプリングを保持するスプリング保持具。
【請求項2】
前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部とのそれぞれの切り欠きの長さは、保持しようとする
前記スプリングの外径の半径の長さと、前記スプリングに挿入されている
前記ボルトの半径の長さと、を足し合わせた長さ以上である請求項
1に記載のスプリング保持具。
【請求項3】
保持具本体と、繋ぎ部材と、を備え、
前記保持具本体は、互いに対向している第1対向板及び第2対向板と、前記第1対向板と前記第2対向板とを連結している連結部と、を有しており、
前記第1対向板には、前記第1対向板の外周から前記第1対向板の内側に向けて切り欠かれている第1切り欠き部が設けられており、
前記第2対向板には、前記第2対向板の外周から前記第2対向板の内側に向けて切り欠かれている第2切り欠き部が設けられており、
前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部とは、互いに対向する位置に位置しており、
前記繋ぎ部材は、構造物に着脱可能な取付部材と、前記取付部材を前記保持具本体に繋ぐ索状体とを有しており、
前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部とのそれぞれの切り欠きの長さは、保持しようとするスプリングの外径の半径の長さと、前記スプリングに挿入されているボルトの半径の長さと、を足し合わせた長さ以上である、
前記ボルトが挿入されている前記スプリングを保持するスプリング保持具。
【請求項4】
前記連結部は、前記第1対向板に固定された第1固定部と、前記第2対向板に固定され、第1固定部に接続された第2固定部と、を有しており、
前記第1固定部は、前記第1対向板と前記第2対向板との距離が変化する方向へ前記第2固定部に対して回転可能になっており、
前記保持具本体は、前記第1対向板が前記第2対向板に対向する位置に前記第1固定部を前記第2固定部に保持可能なロック機構を更に有している請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載のスプリング保持具。
【請求項5】
前記第1固定部と前記第2固定部との境界に設けられ、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続する接続部を更に有し、
前記第1固定部は、前記接続部を介して前記第2固定部に対して回転可能であり、
前記保持具本体の長手方向を軸方向としたときに、前記第1固定部と前記第2固定部との前記境界は、前記軸方向に対して傾斜した方向に沿って設けられている請求項4に記載のスプリング保持具。
【請求項6】
前記第2対向板に対向する前記第1対向板の面には、第1対向板凹部が形成されている請求項1
から請求項
5のいずれか一項に記載のスプリング保持具。
【請求項7】
前記第1対向板に対向する前記第2対向板の面は、平面である請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のスプリング保持具。
【請求項8】
前記第1対向板に対向する前記第2対向板の面には、第2対向板凹部が形成されている請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のスプリング保持具。
【請求項9】
前記第1対向板と前記第2対向板の互いに対向する面の大きさは、保持しようとする
前記スプリングの直径以上の直径を有する円を包含する大きさである請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載のスプリング保持具。
【請求項10】
請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載のスプリング保持具を準備する準備工程と、
スプリングにボルトが挿入されて前記ボルトがナットで止められた構造に対して、前記保持具本体の前記第1対向板と前記第2対向板との間に前記スプリングが配置されるように前記ナットと前記スプリングとの間に前記第1対向板を差し込みながら、前記ボルトが前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部に挿入されるように、前記保持具本体を前記構造に差し込み、前記スプリングを前記保持具本体に保持させるスプリング保持工程と、
前記スプリング保持具の前記繋ぎ部材を構造物に取り付ける繋ぎ工程と、
前記ナットを取り外すナット取外工程と、
を備えているスプリングの保持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スプリングを保持するスプリング保持具、及びスプリング保持具を用いたスプリング保持方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターの乗場ドアに回転可能に取り付けられたラッチをラッチ受け部材に掛けることにより、乗場ドアの開方向への移動を阻止するエレベーターのインターロック装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなエレベーターのインターロック装置には、ラッチ受け部材に掛かる方向へラッチに力を加えるためのスプリングが用いられていることがある。この場合、乗場ドアに接続されたボルトがスプリングの内側に挿入されており、ボルトに取り付けられたナットによって、スプリングがボルトに保持されている。保守点検作業では、スプリングをボルトから取り外す必要がある。しかし、スプリングをボルトから取り外すためにナットをボルトから外すと、スプリングの弾性復元力によってスプリングが意図せずボルトから落下する恐れがある。落下したスプリングは、エレベーターの内部に入り込むことがあり、回収には、手間と時間とがかかるという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、保守点検作業時にスプリングの落下をより確実に防止することができるスプリング保持具、及びスプリング保持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、スプリング保持具は、保持具本体と、繋ぎ部材と、を備え、保持具本体は、互いに対向している第1対向板及び第2対向板と、第1対向板と第2対向板とを連結している連結部と、を有しており、第1対向板には、第1対向板の外周から第1対向板の内側に向けて切り欠かれている第1切り欠き部が設けられており、第2対向板には、第2対向板の外周から第2対向板の内側に向けて切り欠かれている第2切り欠き部が設けられており、第1切り欠き部と第2切り欠き部とは、互いに対向する位置に位置しており、繋ぎ部材は、構造物に着脱可能な取付部材と、取付部材を保持具本体に繋ぐ索状体とを有している。
【0007】
また、本開示によれば、スプリングの保持方法は、本開示によるスプリング保持具を準備する準備工程と、スプリングにボルトが挿入されてボルトがナットで止められた構造に対して、保持具本体の第1対向板と第2対向板との間にスプリングが配置されるようにナットとスプリングとの間に第1対向板を差し込みながら、ボルトが第1切り欠き部及び第2切り欠き部に挿入されるように、保持具本体を構造に差し込み、スプリングを保持具本体に保持させるスプリング保持工程と、スプリング保持具の繋ぎ部材を構造物に取り付ける繋ぎ工程と、ナットを取り外すナット取外工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示による、スプリング保持具、及びスプリング保持具を用いたスプリングの保持方法によれば、ボルトをスプリングの内側に挿入しナットで止めている構造において、ナットを取り外した際のスプリングの落下をより確実に防止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1によるスプリング保持具が適用されるエレベーターの乗場ドア装置を示す上部正面図である。
【
図2】
図1の乗場ドア装置に設けられたインターロック装置を示す拡大図である。
【
図3】
図2のインターロック装置のラッチのフック部がラッチ受け部材の傾斜部から外れている状態を示す拡大図である。
【
図5】実施の形態1におけるスプリング保持具を示す斜視図である。
【
図6】
図5のスプリング保持具を示す側面図である。
【
図7】実施の形態1におけるスプリング保持具にスプリングが装着された状態を示す概要図である。
【
図8】実施の形態1におけるスプリング保持方法を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2におけるスプリング保持具を示す斜視図である。
【
図10】実施の形態2におけるスプリング保持具の連結部の変形例を示す図である。
【
図11】実施の形態1及び実施の形態2におけるスプリング保持具の切り欠き部を示す図である。
【
図12】
図11における切り欠き部の切り欠き方向の変形例を示す図である。
【
図13】実施の形態1及び実施の形態2における変形例であるスプリング保持具を示す側面図である。
【
図14】実施の形態1及び実施の形態2における変形例であるスプリング保持具を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるスプリング保持具が適用されるエレベーターの乗場ドア装置の上部正面図である。エレベーターの乗場出入口の上部には、乗場ドアフレーム100が固定されている。乗場ドアフレーム100には、乗場出入口の幅方向に平行な乗場ドアレール101が設けられている。
【0011】
乗場ドアレール101には、一対の乗場ドア102が吊り下げられている。一対の乗場ドア102は、乗場ドアレール101に沿って移動する。各乗場ドア102は、乗場ドアパネル105と、乗場ドアパネル105の上部に固定された乗場ドアハンガ110とを有している。乗場ドアハンガ110には、乗場ドアレール101上を転がりながら移動する複数の乗場ドアローラ111が設けられている。
【0012】
乗場ドアフレーム100の長手方向の中央部には、ラッチ受け部材120が取り付けられている。一方の乗場ドア102の乗場ドアハンガ110には、ラッチ130が回転可能に取り付けられている。一対の乗場ドア102が乗場出入口を全閉する状態である全閉状態のとき、ラッチ130がラッチ受け部材120に掛けられる。これにより、乗場ドア102の開方向への移動が阻止される。ラッチ受け部材120とラッチ130とは、インターロック装置を構成する要素である。
【0013】
図2は、
図1の乗場ドア装置に設けられたインターロック装置を示す拡大図である。インターロック装置は、ラッチ受け部材120、ラッチ130、及びインターロックスイッチ140を有している。ラッチ受け部材120、及びインターロックスイッチ140は、取り付板112を介して乗場ドアフレーム100に取り付けられている。
【0014】
ラッチ受け部材120は、乗場ドア102の開閉方向に対して傾斜した傾斜部1201を有している。
【0015】
ラッチ130は、ラッチ本体131と、ラッチ本体131に設けられた錠接点132とを有している。ラッチ本体131は、フック部1310を有している。フック部1310は、乗場ドア102が全閉状態のときにラッチ受け部材120の傾斜部1201に掛けられる。ラッチ130には、第1ローラ136及び第2ローラ137が設けられている。第1ローラ136は、ラッチ130の回転軸と同軸上に設けられている。乗場ドアハンガ110には、傾斜部1201にフック部1310を掛ける方向へラッチ130に力を加えるスプリング135が設けられている。
【0016】
インターロックスイッチ140は、インターロック接点141を有している。インターロックスイッチ140は、インターロック接点141とラッチ130の錠接点132とが接しているか否かにより、ラッチ130がラッチ受け部材120に掛けられているか否かを検出する。
【0017】
図示しないかごドアには、可動ベーン150が設けられている。かごドアが開動作をする際に、可動ベーン150は、第1ローラ136及び第2ローラ137をかごドアの移動方向に沿って押すことができるように配置されている。
【0018】
図3は、
図2のインターロック装置のラッチのフック部がラッチ受け部材の傾斜部から外れている状態を示す拡大図である。図示しないかごドアの開動作とともに移動する可動ベーン150は、その移動方向に沿って第2ローラ137を押す。これにより、ラッチ130は、第1ローラ136の回転軸を中心に回転する。この回転動作により、フック部1310が、傾斜部1201から外れる。
【0019】
図4は、
図2のIV-IV線に沿った断面図である。ラッチ本体131の上縁部は、乗場ドアハンガ110側に折り曲げられた本体折り曲げ部1311となっている。本体折り曲げ部1311には、貫通穴1312が設けられている。
【0020】
乗場ドアハンガ110には、ステー1101が設けられている。ステー1101には、貫通穴1102が設けられている。ステー1101は、ラッチ本体131の本体折り曲げ部1311の下側に配置される。
【0021】
ボルト133は、ステー1101の下側から、ステー1101の貫通穴1102、ラッチ本体131の貫通穴1312、及びスプリング135の内側の順に、挿入される。そして、ボルト133は、ナット134により止められる。
【0022】
スプリング135は、スプリング本体1350と、スプリング本体1350の両端を覆っている一対のスプリングカバー1351とを有している。ここで、保守点検作業を行うときは、ラッチ130を、乗場ドアハンガ110から取り外す。その際、ナット134をボルト133から外す際には、スプリング保持具1が用いられる。
【0023】
図5は、実施の形態1におけるスプリング保持具を示す斜視図である。
図6は、
図5のスプリング保持具を示す側面図である。スプリング保持具1は、保持具本体2及び繋ぎ部材6を備えている。保持具本体2は、互いに対向している第1対向板3及び第2対向板4と、第1対向板3と第2対向板4とを連結している連結部5と、を有している。保持具本体2はU字状である。
【0024】
図5に示す全長Lは、スプリング保持具1の保持具本体2の長手方向の全長である。
図5に示す切り欠き長さmは、第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41のそれぞれの切り欠きの長さである。ここで、全長Lの方向、即ち保持具本体2の長手方向を、スプリング保持具1の軸方向と定義する。
【0025】
第1対向板3には、第1切り欠き部31が設けられている。第1切り欠き部31は、第1対向板3の外周から第1対向板3の内側に向けて切り欠かれた切り欠きである。切り欠かれた方向を切り欠き方向とする。第1切り欠き部31の幅の長さは、ボルト133の直径以上の長さである。
【0026】
第2対向板4には、第2切り欠き部41が設けられている。第2切り欠き部41は、第2対向板4の外周から第2対向板4の内側に向けて切り欠かれた切り欠きである。切り欠かれた方向を切り欠き方向とする。第2切り欠き部41の幅の長さは、ボルト133の直径以上の長さである。
【0027】
第1切り欠き部31と第2切り欠き部41とは、互いに対向する位置に位置している。第1切り欠き部31と第2切り欠き部41とは、同一形状である。すなわち、第1切り欠き部31の切り欠きの方向と第2切り欠き部41の切り欠きの方向とは、同一の方向である。
【0028】
第2対向板4に対向する第1対向板3の面には、第1対向板凹部32が形成されている。第1対向板凹部32の軸方向へ投影された大きさは、スプリング135の外径以上の径を有する円を包含する大きさである。連結部5が接続されている第1対向板3の位置は、第1対向板凹部32の範囲から外れた位置である。
【0029】
第1対向板3に対向する第2対向板4の面は、平面である。連結部5が接続されている第2対向板4の位置は、第1対向板凹部32を軸方向で第2対向板4へ投影した範囲から外れた位置である。
【0030】
繋ぎ部材6は、取付部材61と索状体62とを有している。取付部材61は、索状体62を介して、保持具本体2に繋がれている。取付部材61は、ラッチ本体131、及びラッチ130以外の部材といった構造物に着脱可能である。すなわち、保持具本体2は繋ぎ部材6を構造物に取り付けることによって、構造物に保持される。取付部材61は、磁石、粘着剤が塗布された部材、フックといった構造物に着脱可能な構成からなっている。索状体62は、紐、チェーン、布といった高い柔軟性を有した素材により構成される。
【0031】
本実施の形態1におけるスプリング保持具1は、ラッチ130の保守点検作業時に、スプリング135に装着される。スプリング保持具1は、スプリング135を保持する。
【0032】
図7は、実施の形態1におけるスプリング保持具にスプリングが装着された状態を示す概要図である。ボルト133は、第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41に挿入されている。スプリング135のスプリングカバー1351は、第1対向板凹部32に嵌まっている。スプリング135は、圧縮された状態で保持具本体2の第1対向板3と第2対向板4との間に挟み込まれている。
【0033】
第1対向板3と第2対向板4との互いに対向するそれぞれの面の大きさは、スプリング135の外径以上の直径を有する円を包含する大きさであることが望ましい。
【0034】
第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41のそれぞれの切り欠き長さmは、スプリング135の半径の長さと、ボルト133の半径の長さと、を足し合わせた長さ以上である。このことで、ボルト133を第1切り欠き部31および第2切り欠き部41の奥まで挿入することで、第1対向板3及び第2対向板4がスプリング135の外径を超えて覆うことができる。
【0035】
スプリング保持具1の保持具本体2の全長Lは、ラッチ130の通常動作時において、スプリング135が最小の長さに圧縮された時の最小長さLmin以下であることが望ましい。スプリング135の最小長さLminは、
図3における、かごドアの開動作時に可動ベーン150が第2ローラ137を押してラッチ130を回転させた時のスプリング135の長さである。
【0036】
保守点検作業では、ボルト133からスプリング135を取り外す場合に、ナット134をボルト133から取り外す必要がある。この時、本実施の形態1におけるスプリング保持具1を用いたスプリング135の保持方法について説明する。
図8は、実施の形態1におけるスプリング保持方法を示すフローチャートである。スプリング保持方法は、準備工程と、スプリング保持工程と、繋ぎ工程と、ナット取外工程とを備える。
【0037】
<準備工程>
スプリング保持具1を準備する。
【0038】
<スプリング保持工程>
次に、スプリング135を圧縮させた状態で、スプリング保持具1の保持具本体2の第1対向板3をナット134とスプリング135との間に差し込む。同時に、保持具本体2の第2対向板4をラッチ本体131の本体折り曲げ部1311と、スプリング135との間に差し込む。そして、第1対向板3の第1切り欠き部31と、第2対向板4の第2切り欠き部41とにボルト133が挿入されるように、保持具本体2の連結部5がボルト133に近づく方向に、保持具本体2を押す。
【0039】
即ち、ボルト133がスプリング135の内側に挿入され、ボルト133をナット134で止めている構造に対して、スプリング保持具1の保持具本体2の第1対向板3と第2対向板4との間にスプリング135が配置されるように前記ナット134と前記スプリング135との間に前記第1対向板3を差し込む。さらに、第1対向板3の第1切り欠き部31及び第2対向板4の第2切り欠き部41に前記ボルト133が挿入されるように、保持具本体2を差し込む。そして、連結部5がボルト133に近づく方向に保持具本体2を押し込む。すると、第1対向板3側に位置するスプリング135の端は、第1対向板凹部32に嵌まり込みはじめる。さらに、保持具本体2を押し込むと、第1対向板3側に位置するスプリング135の端が第1対向板凹部32に完全に嵌まり込む。そして、スプリング135が、第1対向板3と第2対向板4との間に完全に挟み込まれる。これにより、保持具本体2によるスプリング135の保持は完了する。
【0040】
<繋ぎ工程>
繋ぎ部材6の取付部材61を、構造物に取り付ける。取付部材61は、索状体62を介して、保持具本体2に連結されている。このため、スプリング保持具1の保持具本体2は、繋ぎ部材6によって構造物に繋がれ保持される。なお、スプリング保持工程及び繋ぎ工程は、どちらの工程を先に行ってもよい。
【0041】
<ナット取外工程>
スプリング保持工程及び繋ぎ工程の後、ナット134をボルト133から取り外す。
【0042】
このように本実施の形態1におけるスプリング保持具1を用いたスプリングの保持方法によれば、ナット134を取り外しても、保持具本体2がスプリング135を保持している。さらに、保持具本体2は繋ぎ部材6によって、構造物に保持されている。
【0043】
その後、必要に応じて、ボルト133を、スプリング135、ラッチ本体131の本体折り曲げ部1311の貫通穴1312、及びステー1101の貫通穴1102から取り外す。ボルト133及びナット134を取り外しても、依然としてスプリング135はスプリング保持具1の保持具本体2に保持されており、かつ、保持具本体2は繋ぎ部材6によって、構造物に保持されている。
【0044】
保守点検作業が終わり、再びボルト133にナット134を取り付けるには、上記と逆の手順を踏むと良い。
【0045】
本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、第1切り欠き部31が設けられた第1対向板3と、第2切り欠き部41が設けられた第2対向板4とが対向する位置に設けられている。これにより、スプリング135を第1対向板3と第2対向板4との間に挟み込むことができる。よって、スプリング135は、スプリング保持具1の保持具本体2に強固に保持される。したがって、スプリング135が、復元力で保持具本体2から飛び出してしまう恐れは少ない。
【0046】
さらに、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、保持具本体2は、繋ぎ部材6を有している。これにより、スプリング135を挟み込んだ保持具本体2を、繋ぎ部材6によって構造物に保持させることができる。よって、保持具本体2をラッチ130の上から落としたとしても、保持具本体2及びスプリング135は床面、又は隙間に落下することがない。このため、ラッチ130の保守点検作業時のスプリング135の落下をより確実に防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、第2対向板4に対向する第1対向板3の面には、第1対向板凹部32が形成されている。また、第1対向板凹部32の軸方向に垂直な平面に投影される投影部の大きさは、スプリング135の外径以上の径を有する円を包含する大きさである。これにより、スプリング135が第1対向板凹部32に嵌り込むことができ、より強固にスプリング135を保持できる。したがって、スプリング135の飛び出しをより確実に防止できる。
【0048】
また、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、第1対向板3に対向する第2対向板4の面は、平面である。これにより、第1対向板3と第2対向板4との間にスプリング135を挟み込む際に、スプリング135は、第1対向板3に対向する第2対向板4の面に沿って移動することができる。したがって、第1対向板3と第2対向板4との間にスプリング135を容易に挟み込むことができる。よって、保守点検作業の効率を向上させることができる。
【0049】
また、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、第1対向板3と第2対向板4との互いに対向する面の大きさは、スプリング135の外径以上の直径を有する円を包含する大きさであることが望ましい。これにより、第1対向板3及び第2対向板4は、スプリング135の外径を超えて覆うことができる。このことで、スプリング135をより安定して保持することができる。
【0050】
また、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41のそれぞれの切り欠き長さmは、スプリング135の半径の長さと、ボルト133の半径の長さとを足し合わせた長さ以上である。これにより、スプリング135の内側に挿入されているボルト133は、第1対向板3及び第2対向板4が、スプリング135の外径全体を挟み込むまで、第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41のそれぞれに対して挿入することができる。したがって、スプリング135をより安定して保持することができる。
【0051】
本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、保持具本体2の全長Lは、ラッチ130の通常動作時において、スプリング135が最小の長さに圧縮された時の最小長さLmin以下であることが望ましい。これにより、スプリング135は、圧縮された状態で保持具本体2の第1対向板3と第2対向板4との間に挟み込まれる。したがって、第1対向板3と第2対向板4との間に挟み込まれたスプリング135は、伸長しようとする復元力にて第1対向板3と第2対向板4とを押している。よって、スプリング135は、保持具本体2に一層強固に保持される。
【0052】
また、本実施の形態1におけるスプリング保持具1によれば、保持具本体2の全長Lは、ラッチ130の通常動作時において、スプリング135が最小の長さに圧縮された時の最小長さLmin以下であることが望ましい。このことで、ラッチ130の状態を問わず、保持具本体2を、本体折り曲げ部1311とナット134との間に挟み込むことができる。例えば
図4における開動作時の状態であっても、或いは、かごドアが開動作状態ではなく乗場ドア102が全閉状態であっても、本体折り曲げ部1311とナット134との間の距離は、最小長さLmin以上である。ここで、スプリング保持具1の保持具本体2は、スプリング135の最小長さLmin以下の全長Lである。したがって、かごドア或いは乗場ドア102がどのような状態であっても、保持具本体2を本体折り曲げ部1311とナット134との間に挟み込むことができる。したがって、保守点検作業時においてラッチ130の状態を限定する必要がない。これにより、ラッチ130の保守点検作業の時間を大幅に短縮することができまる。
【0053】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2におけるスプリング保持具を示す斜視図である。連結部5は、第1対向板3に固定された第1固定部51、及び第2対向板4に固定された第2固定部52を有している。第1固定部51と第2固定部52とは、接続部53を介して接続されている。第1固定部51は、第1対向板3と第2対向板4との距離が変化する方向へ第2固定部52に対して回転可能になっている。保持具本体2は、第1対向板3と第2対向板4とが互いに対向する位置に保持されるために第1固定部51を第2固定部52に保持するためのロック機構7を更に有している。
【0054】
ロック機構7は、第1筒部71、第2筒部72及び棒状部材73を有している。第1筒部71は、第1固定部51に設けられている。第2筒部72は、第2固定部52に設けられている。第1対向板3と第2対向板4とが互いに対向している状態では、第1筒部71と第2筒部72とは、一直線上に並ぶように配置されている。一直線上に並んだ第1筒部71と第2筒部72とに対して、棒状部材73を挿入することができる。棒状部材73を第1筒部71と第2筒部72とに挿入することで、第1固定部51を第2固定部52に保持することができる。そして、ロック機構7により、第1固定部51を第2固定部52に保持することで、第1対向板3と第2対向板4とを互いに対向する位置に保持することができる。棒状部材73を第1筒部71と第2筒部72とから抜くことで、ロック機構7のロックが解除され、第2固定部52に対して第1固定部51が回転可能な状態となる。
【0055】
また、ロック機構7は、第1筒部71、第2筒部72及び棒状部材73から構成されるものでなくても良い。接続部53が丁番であるときには、ロック機構7は、丁番に付加されてもよい。即ち、ロック機構付き丁番を用いることもできる。
【0056】
さらに、ロック機構7として、面ファスナーを用いても良い。面ファスナーを保持具本体2に巻きつけることで、第1対向板3と第2対向板4とが互いに対向する位置に保持することができる。また、ロック機構7は、これらの構成に限ったものではなく、第1対向板3と第2対向板4とが互いに対向する位置に保持することができればよい。
【0057】
保守点検作業では、ボルト133からスプリング135を取り外す場合に、ボルト133からナット134を取り外す必要がある。この時、本実施の形態2におけるスプリング保持具1を用いたスプリング135の保持方法について説明する。スプリング保持方法は、準備工程と、スプリング保持工程と、繋ぎ工程と、ナット取外工程とを備える。
【0058】
<準備工程>
スプリング保持具1を準備する。
【0059】
<スプリング保持工程>
ロック機構7のロックを解除し、第2固定部52に対して第1固定部51を回転可能な状態とする。そして、保持具本体2の第2対向板4をラッチ本体131の本体折り曲げ部1311とスプリング135との間に差し込む。このとき、第2切り欠き部41には、ボルト133が挿入される。次に、スプリング135を圧縮させる。そして、第1対向板3と第2対向板4とを互いに対向する位置になるように、第2固定部52に対して第1固定部51を回転させる。これとともに、スプリング135とナット134との間に第1対向板3を差し込む。そして、ロック機構7を用いて第1対向板3と第2対向板4とを互いに対向する位置に保持させるために、第1固定部51を第2固定部52に保持する。そして、第1対向板3の第1切り欠き部31と、第2対向板4の第2切り欠き部41とにボルト133が挿入されるように、保持具本体2の連結部5を、ボルト133に近づく方向に、保持具本体2を押す。
【0060】
連結部5がボルト133に近づく方向に押し込まれるにつれて、第1対向板3側に位置するスプリング135の端は、第1対向板凹部32に嵌まり込む。そして、第1対向板3側に位置するスプリング135の端が第1対向板凹部32に完全にはまり込み、かつ、スプリング135が第1対向板3と第2対向板4との間に完全に嵌まり込むと、スプリング保持具1の保持具本体2によるスプリング135の保持は完了する。
【0061】
<繋ぎ工程>
繋ぎ部材6の取付部材61を、構造物に取り付ける。取付部材61は、索状体62を介して、保持具本体2に連結されている。このため、スプリング保持具1の保持具本体2は、繋ぎ部材6によって構造物に繋がれ保持される。なお、スプリング保持工程及び繋ぎ工程は、どちらの工程を先に行ってもよい。
【0062】
<ナット取外工程>
スプリング保持工程及び繋ぎ工程の後、ナット134をボルト133から取り外す。
【0063】
その後、必要に応じて、スプリング135をボルト133から取り外し、ラッチ130の取り外しを進めていく。
【0064】
なお、スプリング保持工程において、先に第2対向板4をラッチ本体131の本体折り曲げ部1311とスプリング135との間に差し込んだがこれに限るものではない。例えば、先に第1対向板3をスプリング135とナット134との間に差し込み、その後に第2対向板4をラッチ本体131の本体折り曲げ部1311とスプリング135との間に差し込んでも良い。
【0065】
保守点検作業が終わり、再びボルト133にナット134を取り付けるには、上記と逆の手順を踏むと良い。他の構成及び保持方法は、実施の形態1と同様である。また、本実の施形態2のスプリング135の保持方法を、ボルト133をスプリング135の内側に挿入し、ボルト133をナット134で止めている構造に適用することもできる。
【0066】
本実施の形態2におけるスプリング保持具1によれば、実施の形態1におけるスプリング保持具1の構成に加えて、第1固定部51が第2固定部52に対して回転可能となっている構成を有している。さらに、本実施の形態2におけるスプリング保持具1によれば、ロック機構7にて、第1対向板3を第2対向板4に対向する位置となるように保持することができるという構成を有している。これにより、保持具本体2の形状の自由度が向上し、スプリング135を挟み込む際に、取り回しが容易となる。したがって、狭い場所でのラッチ130の取り外し作業の効率の向上が図れる。
【0067】
また、本実施の形態2におけるスプリング保持具1によれば、第1固定部51が第2固定部52に対して回転可能となっている構成を有している。この構成により、例えば、第2対向板4をスプリング135に対して嵌め込み、次に、第1対向板3を第2対向板4に対向する状態にして、第1対向板3をスプリング135に対して嵌め込むことができる。このように、第1対向板3及び第2対向板4の嵌め込みを別々に実施することができる。このことで、作業の確実性と作業性とをより向上させることができる。
【0068】
図10は、実施の形態2におけるスプリング保持具の連結部の変形例を示す図である。
図9では、第1固定部51と第2固定部52との境界は、軸方向に垂直な方向に沿って設けられている。しかし、第1固定部51と第2固定部52との境界は、軸方向に垂直ではなく傾斜した方向に沿って設けてもよい。
【0069】
これにより、スプリング保持具1でスプリング135を挟み込む際に、第2対向板4に対して第1対向板3を軸方向に垂直な方向に退避させる状態を取ることができる。このことから、狭い場所でのラッチ130の取り外し作業に掛かるスプリング保持具1の取り付けが容易となる。
【0070】
<変形例1>
図11は、実施の形態1及び実施の形態2におけるスプリング保持具の切り欠き部を示す図である。
図12は、
図11における切り欠き部の切り欠き方向の変形例を示す図である。スプリング保持具1において、第1切り欠き部31の切り欠き方向は、連結部5の平面に垂直な方向である。第2切り欠き部41の切り欠き方向は、第1切り欠き部31の切り欠き方向と同一である。
【0071】
第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41の切り欠き方向は、これに限られたおのではない。
図12にみられるように、軸方向から見て、切り欠きの方向は、連結部5に沿った方向としてもよい。また、切り欠き方向は、軸方向から見て連結部5に対して傾斜した方向となっても良い。
【0072】
このことで、スプリング保持具1をスプリング135に嵌め込む際に、保持具本体2を適宜な方向から嵌め込むことができる。したがって、作業性の向上を図ることができる。
【0073】
<変形例2>
図13は、実施の形態1及び実施の形態2における変形例であるスプリング保持具を示す側面図である。第1切り欠き部31を有する第1対向板3の端部33は、傾斜面を有している。同じく、第2切り欠き部41を有する第2対向板4の端部43は、傾斜面を有している。端部33の傾斜面と端部43の傾斜面とは、第1対向板3と第2対向板4との対向する面にそれぞれ設けられている。端部33及び端部43のそれぞれの傾斜面は、端部33及び43の先端に近づくに従い互いに離れる方向に傾斜している。
【0074】
スプリング保持具1をスプリング135に用いる際に、第1対向板3は、ナット134とスプリング135との間に差し込まれる。また、第2対向板4は、本体折り曲げ部1311とスプリング135との間に差し込まれる。このとき、第1対向板3及び第2対向板4の端部33及び端部43にそれぞれ傾斜面が設けられていることで、第1対向板3は、ナット134とスプリング135との間に差し込まれ易くなり、第2対向板4は、本体折り曲げ部1311とスプリング135との間に差し込まれ易くなる。これにより、スプリング135をスプリング保持具1にて挟み込む作業がし易くなり、作業時間の短縮を図ることができる。
【0075】
<変形例3>
図14は、実施の形態1及び実施の形態2における変形例であるスプリング保持具を示す側面図である。第1対向板3に対向する第2対向板4の面に、第1対向板凹部32と同様の第2対向板凹部42を形成しても良い。第2対向板凹部42へ投影された投影部の大きさは、スプリング135の外径以上の径を有する円を包含する大きさである。第2対向板凹部42を形成した場合、第2対向板4の連結部5が接続されている位置は、第2対向板凹部42の範囲から外れた位置である。これにより、スプリング135が第2対向板凹部42に嵌り、スプリング135の脱落を一層防止することができる。
【0076】
本開示において、第1対向板3及び第2対向板4は、軸方向から見て四角形の形状である。しかし、この形状に限らず、円形及び楕円形としても良い。また、五角形及び六角形といった多角形としてもよい。
【0077】
本開示において、連結部5は板状部材となっている。しかし、連結部5は、板状部材に限られることはなく、棒状であってもよい。また、連結部5は、第1対向板3及び第2対向板4のそれぞれの外周に接続されている。しかし、連結部5は、第1対向板3及び第2対向板4のそれぞれの外周に接続されることに限られるものではない。保持具本体2がスプリング135を保持した際に、スプリング135に干渉しない位置であり、かつ第1切り欠き部31及び第2切り欠き部41を塞がない位置であれば、どこに設けても良い。
【0078】
本開示において、第1対向板凹部32の軸方向へ投影された形状は、円形が望ましい。しかし、円形に限られるものではなく、三角形、四角形、五角形といった多角形形状としても良い。
【0079】
本開示において、スプリング135は、スプリング本体1350と、スプリング本体1350の両端に設けられるスプリングカバー1351とを有している。しかし、スプリング135はこれに限ったものではない。スプリングカバー1351を有していないスプリング135とすることもできる。
【0080】
本開示において、スプリング135は、ナット134を締め付けることで固定されている。この時、適宜ワッシャといったナット止めに用いられる周知な部材を更に用いても良い。また、ナット134は、単体でもよいし、ダブルナットとしても良い。
【0081】
本開示において、スプリング保持具1は、ラッチ130の貫通穴1312を通るボルト133とナット134とで固定されたスプリング135を保持している。しかし、スプリング保持具1は、ラッチ130を固定するためのボルト133とナット134とに保持されたスプリング135への適用に限ったものではない。ラッチ130に関するものでなくとも、ボルトをスプリングの内側に挿入しナットで止めている構造であれば、本開示のスプリング保持具1を用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 スプリング保持具、2 保持具本体、3 第1対向板、31 第1切り欠き部、32 第1対向板凹部、33 端部、4 第2対向板、41 第2切り欠き部、42 第2対向板凹部、43 端部、5 連結部、51 第1固定部、52 第2固定部、53 接続部、6 繋ぎ部材、61 取付部材、62 索状体、7 ロック機構、71 第1筒部、72 第2筒部、73 棒状部材、100 乗場ドアフレーム、101 乗場ドアレール、102 乗場ドア、105 乗場ドアパネル、110 乗場ドアハンガ、1101 ステー、1102 貫通穴、111 乗場ドアローラ、112 取り付板、120 ラッチ受け部材、1201 傾斜部、130 ラッチ、131 ラッチ本体、1310 フック部、1311 本体折り曲げ部、1312 貫通穴、132 錠接点、133 ボルト、134 ナット、135 スプリング、1350 スプリング本体、1351 スプリングカバー、136 第1ローラ、137 第2ローラ、140 インターロックスイッチ、141 インターロック接点、150 可動ベーン。