特許 7458866 便器洗浄装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-03-22

(45)【発行日】2024-04-01

(54)【発明の名称】便器洗浄装置

(51)【国際特許分類】

   E03D 1/34 20060101AFI20240325BHJP

【ＦＩ】

E03D1/34

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2020069550

(22)【出願日】2020-04-08

(65)【公開番号】P2021165500

(43)【公開日】2021-10-14

【審査請求日】2023-02-01

(73)【特許権者】

【識別番号】504163612

【氏名又は名称】株式会社ＬＩＸＩＬ

(74)【代理人】

【識別番号】100106002

【弁理士】

【氏名又は名称】正林 真之

(74)【代理人】

【識別番号】100165157

【弁理士】

【氏名又は名称】芝 哲央

(74)【代理人】

【識別番号】100126000

【弁理士】

【氏名又は名称】岩池 満

(74)【代理人】

【識別番号】100160794

【弁理士】

【氏名又は名称】星野 寛明

(72)【発明者】

【氏名】奚 海軍

(72)【発明者】

【氏名】香川 元輝

(72)【発明者】

【氏名】川原 渉

【審査官】油原 博

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１０－１９６２６８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１９７９６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１２４１１５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００２－００４３８３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１６－０７５０８５（ＪＰ，Ａ）

【文献】国際公開第２０１３／０５８５７５（ＷＯ，Ａ２）

【文献】中国特許出願公開第１０２９４９１４０（ＣＮ，Ａ）

【文献】特開平１１－３２４０６０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０３Ｄ １／００－１３／００

Ａ４７Ｋ １３／００－１３／３０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

洗浄水が給水される洗浄タンクと、
前記洗浄タンクを覆うタンクカバーと、
前記タンクカバーを、定位置と前記定位置よりも上方に配置される上昇位置との間で昇降させる昇降装置と、
前記タンクカバーの内側に配置されて機能部の操作を行う操作部材と、を備え、
前記機能部は、補給水を吐水する補給水吐水部であり、
前記操作部材は、前記補給水吐水部から吐水される補給水の水量を調整する操作つまみ部であり、前記タンクカバーの前記定位置において、前記タンクカバーによって覆われ、前記タンクカバーの前記上昇位置において、前記タンクカバーの下方に操作可能に露出するように配置される、便器洗浄装置。

【請求項2】

前記操作部材は、前記タンクカバーの前記上昇位置において、前記タンクカバーの横方向に操作可能に露出するように配置される、請求項１に記載の便器洗浄装置。

【請求項3】

前記洗浄タンクの下部を支持し、周囲にガイド壁部を有するベース部材をさらに備え、
前記操作部材は、前記ガイド壁部の内側に配置され、
前記ガイド壁部は、前記操作部材を前記ベース部材の外部から操作するための操作用開口部を有し、
前記タンクカバーは、前記定位置において、前記ベース部材を覆い、前記上昇位置において、前記タンクカバーの下方に前記ベース部材の前記ガイド壁部の前記操作用開口部を露出させる、請求項１又は２に記載の便器洗浄装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、便器洗浄装置に関する。

【背景技術】

【0002】

便器洗浄装置が有する機能部のうちの一つに、便器本体への汚物の付着防止及び下水管からの臭気の防止等のために、使用後の便器本体内に一定量の洗浄水を給水する機能部が知られている。この洗浄水は補給水と呼ばれ、便器本体内に貯留される封水を形成する。補給水は、便器洗浄装置内の洗浄タンクに給水される洗浄水の一部を分岐して使用される。

【0003】

従来、この補給水の水量を調整するための操作部材を、ロータンク下部に突出して設けた便器洗浄装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開平１１－３２４０６０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

補給水の水量の調整は、例えば便器装置の設置時等に行われるものであり、頻繁に行われることはない。それにもかかわらず、上記従来の便器洗浄装置では、補給水の水量を調整する操作部材がロータンクの外部に突出して設けられ、使用者から常に視認されてしまう。そのため、上記従来の便器洗浄装置は、意匠性の向上を図る観点から課題がある。

【0006】

便器洗浄装置は、補給水の給水を行う機能部以外にも、操作部材によって操作される様々な機能部を有する。したがって、便器洗浄装置の機能部を操作するための操作部材が、操作不要時には使用者から視認されず、操作時には容易に操作可能である便器洗浄装置が求められる。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本開示は、洗浄水が給水される洗浄タンクと、前記洗浄タンクを覆うタンクカバーと、前記タンクカバーを、定位置と前記定位置よりも上方に配置される上昇位置との間で昇降させる昇降装置と、前記タンクカバーの内側に配置されて機能部の操作を行う操作部材と、を備え、前記操作部材は、前記タンクカバーの前記定位置において、前記タンクカバーによって覆われ、前記タンクカバーの前記上昇位置において、前記タンクカバーの下方に操作可能に露出するように配置される便器洗浄装置を提供する。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本開示の便器洗浄装置を備える便器装置の一実施形態を示す斜視図である。

【図2】本開示の便器洗浄装置のタンクカバーが定位置に配置された便器装置を示す側面図である。

【図3】本開示の便器洗浄装置のタンクカバーの内部を上方側から視た図である。

【図4】本開示の便器洗浄装置のベース部材を示す斜視図である。

【図5】本開示の便器洗浄装置のタンクカバーが上昇位置に配置された便器装置を示す側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、本開示の便器洗浄装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便器装置の便座に座った人から見た場合の前後の方向を前後方向と定義する。図中の矢印で示すＸ方向は前方を示す。前後方向に交差する左右を結ぶ方向を左右方向と定義する。図中の矢印で示すＹ方向は左右方向の一方の横方向を示す。鉛直方向に沿った上下の方向を上下方向と定義する。図中の矢印で示すＺ方向は上方向を示す

【0010】

本実施形態の便器洗浄装置１は、図１及び図２に示すように、便器２の後方の上面に載置され、便器２とともに便器装置１０を構成する。便器洗浄装置１は、ベース部材３と、洗浄タンク４と、給水部５と、補給水吐水部６と、タンクカバー７と、手洗い部８と、昇降装置９と、を備える。

【0011】

便器２は、便器本体２１と、この便器本体２１の上部に便器本体２１に対して回動可能に取り付けられる便座２２及び便蓋２３と、を含む。

【0012】

ベース部材３は、便器本体２１の後方の上面に取り付けられる。ベース部材３は、図４に示すように、プレート状のベース部材本体３１と、ベース部材本体３１の外周から上方に向けて立ち上がるガイド壁部３２と、を有する。ベース部本体３１の中央には、洗浄タンク４の下端の洗浄水排出口（図示せず）と連通する開口部３３が設けられる。

【0013】

洗浄タンク４は、図３に示すように、上部にタンク蓋部４１を備え、便器本体２１内を洗浄する洗浄水を貯留する。洗浄タンク４は、下端の洗浄水排出口（図示せず）をベース部材本体３１の開口部３３に連通させてベース部材本体３１上に固定される。これによって、洗浄タンク４の下部はベース部材３によって支持される。

【0014】

給水部５は、図３に示すように、洗浄タンク４に備えられる。給水部５は、給水流路部５１を備える。給水部５には、外部の給水源（図示せず）に接続される給水管５０１が接続されている。

【0015】

給水流路部５１は、主流路部（図示せず）と、補給水分岐流路部５１１と、手洗い側流路部５１２と、を有する。主流路部は、給水管５０１から供給される洗浄水を洗浄タンク４内に給水する。補給水分岐流路部５１１は、主流路部から分岐して、洗浄タンク４の外部を通ってベース部材３に向けて延びる。補給水分岐流路部５１１の下流側の端部は、洗浄タンク４とベース部材３との間で、図４に示すように、後述の補給水吐水部６に接続される。手洗い側流路部５１２は、主流路部から分岐して、手洗い部８に向けて延びる。手洗い側流路部５１２の下流側の端部は、図１に示す手洗い吐水部８１に接続される。

【0016】

補給水吐水部６は、図４に示すように、ベース部材３におけるガイド壁部３２の内側のベース部材本体３１の上面に配置される。補給水吐水部６は、吐水部本体６１と、吐水部本体６１の端部に配置される操作つまみ部６２と、を有する。補給水吐水部６は、補給水分岐流路部５１１によって分岐された洗浄水の一部を便器本体２内に補給水として給水する機能を有する。この補給水吐水部６は、便器洗浄装置１が有する機能部の一つである。

【0017】

吐水部本体６１は、補給水吐水部６において補給水分岐流路部５１１の下流側の端部と接続される部位であり、ベース部材本体３１の上面に固定されている。吐水部本体６１は、ベース部材３の左右方向の一方端部のガイド壁部３２に近接して配置される。詳しくは、吐水部本体６１は、図４に示すように、ガイド壁部３２のうちの便器装置１０に着座した使用者の左手側の左ガイド壁部３２１に近接して配置されている。操作つまみ部６２は、吐水部本体６１から左ガイド壁部３２１に向けて延びている。

【0018】

吐水部本体６１は、操作つまみ部６２が配置される端部と反対側の端部に吐水口６１１を有する。吐水口６１１は、ベース部材本体３１の上面に対して略平行に配置され、吐水部本体６１から横向きに延びている。吐水部本体６１は、補給水分岐流路部５１１を通って供給される補給水を、吐水口６１１からベース部材本体３１の上面に吐水する。ベース部材本体３１には、開口部３３の近傍の前方側に、補給水流出口３４が設けられている。吐水口６１１からベース部材本体３１の上面に吐水された補給水は、補給水流出口３４から便器本体２１内に流下し、便器本体２１内において封水を形成する。

【0019】

ベース部材本体３１の上面には、導水板３５が設けられている。導水板３５は、ベース部材本体３１の上面から立ち上げられ、吐水部本体６１の吐水口６１１に対向している。導水板３５は、吐水口６１１から吐水される補給水の流れを、図４中の矢印で示すように、補給水流出口３４に向けて円滑に案内する。

【0020】

操作つまみ部６２は、吐水口６１１から吐水される補給水の水量を調整する操作部材である。操作つまみ部６２は、左ガイド壁部３２１に近接して配置されている。操作つまみ部６２は、吐水部本体６１における吐水口６１１と反対側の端部に、吐水部本体６１に対して回転可能に設けられる。操作つまみ部６２は、操作者によって回転操作されることによって、吐水口６１１から吐水される補給水の水量を調整する。

【0021】

操作つまみ部６２が近接する左ガイド壁部３２１には、操作つまみ部６２をベース部材３の左側方に露出させる操作用開口部３２２が開口している。操作用開口部３２２は、操作者が指を差し入れて操作つまみ部６２を操作可能な大きさを有する円形穴からなる。左ガイド壁部３２１を正面視したときに、操作つまみ部６２のほぼ全体が操作用開口部３２２の内側に露出する。操作つまみ部６２は、操作用開口部３２２から左ガイド壁部３２１の外側に突出していない。しかし、操作つまみ部６２は、後述のタンクカバー７と干渉しない限りにおいて、操作用開口部３２２から左ガイド壁部３２１の外側に突出していてもよい。操作つまみ部６２が操作用開口部３２２から左ガイド壁部３２１の外側に突出することによって、操作つまみ部６２の操作性がさらに向上する。

【0022】

操作つまみ部６２は、操作用開口部３２２の内側に配置され、ベース部材本体３１及びガイド壁３２のいずれも貫通していない。そのため、ベース部材３に対して貫通部位の漏水防止対策を講じる必要はない。

【0023】

タンクカバー７は、図１及び図２に示すように、洗浄タンク４及びベース部材３の全体を覆う。タンクカバー７は、上部カバー部７１と、下部カバー部７２と、を有する。上部カバー部７１及び下部カバー部７２は、例えば樹脂材料によって形成される。

【0024】

上部カバー部７１は、タンクカバー７の上部を構成する。上部カバー部７１は、手洗い部８の手洗いボウル部８１を含む。上部カバー部７１は、下部カバー部７２に対して着脱可能に構成される。

【0025】

下部カバー部７２は、タンクカバー７の下部を構成する。下部カバー部７２は、筒状に形成され、洗浄タンク４及びベース部材３の周囲を取り囲むように形成される。下部カバー部７２は、上部側が狭くなるように形成され、図３に示すように、上部に上部開口７２１が形成される。上部カバー部７１は、上部開口７２１を塞ぐように下部カバー部７２の上部に取り付けられている。本実施形態の便座２２及び便蓋２３は、下部カバー部７２に回動可能に取り付けられている。

【0026】

手洗い部８は、図１及び図２に示すように、洗浄タンク４の上方に配置される。手洗い部８は、手洗い吐水部８１と、手洗いボウル部８２と、を備える。

【0027】

手洗い吐水部８１は、手洗いボウル部８２の背部側の前面から前方に突出するように配置される。この手洗い吐水部８１の先端部は、手洗い水を吐水するために下方に開口している。

【0028】

手洗いボウル部８２は、タンクカバー７における上部カバー部７１の一部により構成される。手洗いボウル部８２は、手洗い吐水部８１から吐水される手洗い水を受ける。この手洗いボウル部８２の底部には、洗浄水排出口（図示せず）が形成されている。

【0029】

昇降装置９は、図２に示すように、タンクカバー７の内部においてベース部材３よりも前方に配置されるフロントベース部（図示せず）を、便器本体２に対して昇降させる。フロントベース部は、ベース部材３の前方の便器本体２１の上面に配置され、便器洗浄装置１に装備される洗浄ノズル、電気部品等の機能部品（いずれも図示せず）を搭載する。昇降装置９は、フロントベース部を一定の距離の範囲で昇降させることによって、タンクカバー７、便座２２及び便蓋２３を、上昇前の定位置（図２参照）及び上昇後の上昇位置（図５参照）のいずれかの位置に配置させる。しかし、昇降装置９は、ベース部材３を昇降させない。

【0030】

定位置に配置されるタンクカバー７は、図２に示すように、ベース部材３の周囲を覆っている。このとき、ベース部材３は便器洗浄装置１の外部に露出せず、使用者から視認されることはない。上昇位置に配置されるタンクカバー７は、図５に示すように、ベース部材３の少なくとも一部を便器洗浄装置１の外部に露出させる。

【0031】

昇降装置９は、図２及び図５に示すように、昇降操作レバー部材９１と、昇降機構部９２と、を備える。本実施形態においては、昇降装置９は、昇降操作レバー部材９１を手動で操作することによって、フロントベース部及びタンクカバー７を昇降させる。

【0032】

昇降操作レバー部材９１は、フロントベース部の上面に配置される。昇降操作レバー部材９１は、タンクカバー７の下部カバー部７２の前方側の下端部から側方に露出する昇降操作部９１１を有する。

【0033】

昇降機構部９２は、伸縮軸機構部９２１を有する。伸縮軸機構部９２１は、圧縮ばね部材（図示せず）を有する。伸縮軸機構部９２１は、操作者によって昇降操作レバー部材９１の昇降操作部９１１が押し込まれた際に、圧縮ばね部材の伸長によって伸長する。これによって、昇降機構部９２は、定位置に配置されるタンクカバー７を、フロントベース部と共に上昇位置まで上昇させる。

【0034】

本実施形態の便器洗浄装置１において、昇降装置９によってタンクカバー７が定位置に配置されると、図４に示すように、ベース部材３の周囲はタンクカバー７によって覆われ、便器洗浄装置１の外部に露出しない。そのため、ベース部材３の左ガイド壁部３２１に設けられる操作用開口部３２２及び操作用開口部３２２の内側の操作つまみ部６２が視認されることはない。

【0035】

しかし、昇降装置９によってタンクカバー７が上昇位置に配置されると、図５に示すように、タンクカバー７の横方向の下方に、少なくともベース部材３の左ガイド壁部３２１が露出する。このときに露出されるベース部材３の露出部１００には、操作用開口部３２２が含まれている。そのため、操作用開口部３２２の内側には、補給水吐水部６の操作つまみ部６２が操作可能に露出する。

【0036】

操作つまみ部６２が露出した後、補給水の水量調整を行うオペレータは、露出した操作用開口部３２２から指を差し入れて操作つまみ部６２を回転操作することができる。これよって、補給水の水量が調整される。操作用開口部３２２及び操作つまみ部６２は、タンクカバー７の横方向の下方に配置されるため、オペレータは、操作つまみ部６２に対して容易にアクセスすることができる。そのため、オペレータは操作つまみ部６２を容易に操作することができる。補給水の水量調整終了後、図２に示すように、タンクカバー７が定位置に復帰すると、ベース部材３は再びタンクカバー７によって覆われる。

【0037】

このように、本実施形態の便器洗浄装置１は、洗浄水が給水される洗浄タンク４と、洗浄タンク４を覆うタンクカバー７と、タンクカバー７を、定位置と定位置よりも上方に配置される上昇位置との間で昇降させる昇降装置９と、タンクカバー７の内側に配置されて機能部である補給水吐水部６の水量調整のための操作を行う操作つまみ部６２と、を備え、操作つまみ部６２は、タンクカバー７の定位置において、タンクカバー７によって覆われ、タンクカバー７の上昇位置において、タンクカバー７の下方に操作可能に露出するように配置される。そのため、補給水の水量調整のための操作つまみ部６２は、操作不要時にはタンクカバー７によって覆われて使用者から視認されない。したがって、便器洗浄装置１の意匠性が向上する。操作つまみ部６２の操作時には、タンクカバー７を上昇させることによって、タンクカバー７の下方に操作つまみ部６２を露出させることができるため、補給水の水量調整が操作可能である。

【0038】

本実施形態の便器洗浄装置１において、操作つまみ部６２は、タンクカバー７の上昇位置において、タンクカバー７の横方向に操作可能に露出するように配置される。そのため、補給水の水量調整を行うオペレータは、操作つまみ部６２に対して容易にアクセスでき、操作つまみ部６２を楽に操作することができる。

【0039】

本実施形態の便器洗浄装置において、洗浄タンク４の下部を支持し、周囲にガイド壁部３２を有するベース部材３をさらに備え、操作つまみ部６２は、ベース部材３のガイド壁３２の内側に配置され、ガイド壁部３２は、操作つまみ部６２をベース部材３の外部から操作するための操作用開口部３２２を有し、タンクカバー７は、定位置において、ベース部材３を覆い、上昇位置において、タンクカバー７の下方にベース部材３のガイド壁部３２の操作用開口部３２２を露出させるように構成される。そのため、ベース部材３のガイド壁部３２の内側に配置される操作つまみ部６２は、ベース部材３の外部に対して操作可能に露出する。したがって、オペレータは、ガイド壁部３２の内側の操作つまみ部６２を容易に操作することができる。

【0040】

本開示の便器洗浄装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。機能部の操作を行う操作部材は、上記実施形態の操作つまみ部６２のように、オペレータによって回転操作されるものに限定されない。例えば、操作部材は、オペレータによって押し引き操作されるレバー等であってもよいし、オペレータによって引っ張り操作される紐状部材等であってもよい。

【0041】

上記実施形態とは異なり、補給水吐水部６は、左ガイド壁部３２１と反対側のベース部材３の右ガイド壁部に近接して配置され、その右ガイド壁部に操作用開口部が設けられてもよい。補給水吐水部６は、ベース部材３の前方及び後方のいずれか一方に露出するように配置されてもよい。

【0042】

上記実施形態とは異なり、昇降装置は、モータを備え、モータの駆動によってタンクカバーを自動で昇降させるように構成されてもよい。昇降装置は、タンクカバーを上下移動させることによって昇降させるものに限らず、タンクカバーを回動させることによって昇降させるようにしてもよい。

【0043】

便器洗浄装置の機能部は、上記実施形態の補給水吐水部６に限定されない。機能部は、便器洗浄装置に装備される各種の機能部のうち、通常時には操作不要であり、非通常時に操作が必要となる機能部であればよい。非通常時としては、便器洗浄装置及び便器装置の少なくともいずれかの設置時、メンテナンス時、停電等の緊急対応時等が例示される。

【符号の説明】

【0044】

１ 便器洗浄装置、 ３ ベース部材、 ３２ ガイド壁部、 ３２２ 操作用開口部、 ４ 洗浄タンク、 ６ 補給水吐水部（機能部）、 ６２ 操作つまみ部（操作部材）、 ７ タンクカバー、 ９ 昇降装置

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】