(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20240325BHJP
【FI】
G06Q40/06
(21)【出願番号】P 2020074846
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175435(JP,A)
【文献】特開2020-047216(JP,A)
【文献】特開2005-309704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのネットワーク上における行動履歴を取得する取得部と、
任意の要求ユーザにより選択された前記行動履歴の種類または期間に対応する前記行動履歴を分析情報源とし、当該分析情報源に基づいて銘柄の評価指数を算出する評価指数算出部と、
前記銘柄の前記評価指数を含む投資支援情報を生成する投資支援情報生成部と、
前記投資支援情報を前記要求ユーザに提供する投資支援情報提供部と、
前記分析情報源の情報量に基づいて、前記要求ユーザに対する課金金額を算出する課金処理部と、
前記銘柄と前記要求ユーザの前記行動履歴との関連度に基づいて、前記銘柄に対する前記要求ユーザの評価指数許容下限値を設定する許容下限値設定部と、を備え
、
前記投資支援情報生成部は、前記銘柄に対応する前記評価指数と前記評価指数許容下限値とを比較し、前記評価指数が前記評価指数許容下限値以上である前記銘柄を選択し、選択された前記銘柄の前記評価指数を含む前記投資支援情報を生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理装置において、
前記行動履歴は、検索履歴、決済履歴、位置履歴、視聴履歴、または、ソーシャルアクション履歴の少なくとも1種以上を含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータにより投資支援情報を提供する情報処理方法であって、
前記コンピュータは、取得部、評価指数算出部、投資支援情報生成部、投資支援情報提供部、課金処理部、および、許容下限値設定部を備え、
前記取得部が複数のユーザのネットワーク上における行動履歴を取得する取得ステップと、
前記評価指数算出部が任意の要求ユーザにより選択された前記行動履歴の種類または期間に対応する前記行動履歴を分析情報源とし、当該分析情報源に基づいて銘柄の評価指数を算出する評価指数算出ステップと、
前記投資支援情報生成部が前記銘柄の前記評価指数を含む投資支援情報を生成する投資支援情報生成ステップと、
前記投資支援情報提供部が前記投資支援情報を前記要求ユーザに提供する投資支援情報提供ステップと、
前記課金処理部が前記分析情報源の情報量に基づいて、前記要求ユーザに対する課金金額を算出する課金処理ステップと、
前記許容下限値設定部が前記銘柄と前記要求ユーザの前記行動履歴との関連度に基づいて、前記銘柄に対する前記要求ユーザの評価指数許容下限値を設定する許容下限値設定ステップと、を含み、
前記投資支援情報生成ステップにおいて、前記投資支援情報生成部は、前記銘柄に対応する前記評価指数と前記評価指数許容下限値とを比較し、前記評価指数が前記評価指数許容下限値以上である前記銘柄を選択し、選択された前記銘柄の前記評価指数を含む前記投資支援情報を生成する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータにより読み取り実行可能な情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、請求項1
または請求項
2に記載の情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上で証券取引ができるオンライントレードサービスが提供されており、このようなサービスを利用して投資を始めるユーザが増えている。そこで、証券知識の少ないユーザであっても気軽に証券取引を行うことができるように、ユーザの投資行動を支援するための投資支援システムが開発されている。
例えば、特許文献1に開示の投資支援システムは、ブログや掲示板等の投稿サイトに投稿された商品評価情報や、POSシステムにより収集された商品販売情報など、上場企業の商品に関する各種情報を取得し、取得した情報に基づいて株価を評価し、この評価結果を含む投資支援情報をユーザに提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ネットワークを利用した様々なサービスにより、ユーザの多種多様な行動履歴が取得されており、上場企業を評価するための情報源は、特許文献1に例示された情報に限られない。
また、一般に、投資支援情報の情報提供事業者は、ユーザに対する課金を行うことで情報提供事業を継続しており、投資支援情報を要求するユーザ数の増加を望んでいる。
本発明者は、上述の状況を鑑み、ユーザが気軽に投資情報を要求できるように、多種多様な行動履歴を柔軟に利用することを検討している。
【0005】
本発明は、ユーザが気軽に投資支援情報を要求できる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、複数のユーザのネットワーク上における行動履歴を取得する取得部と、任意の要求ユーザにより選択された前記行動履歴の種類または期間に対応する前記行動履歴を分析情報源とし、当該分析情報源に基づいて銘柄の評価指数を算出する評価指数算出部と、前記銘柄の前記評価指数を含む投資支援情報を生成する投資支援情報生成部と、前記投資支援情報を前記要求ユーザに提供する投資支援情報提供部と、前記分析情報源の情報量に基づいて、前記要求ユーザに対する課金金額を算出する課金処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明において、複数のユーザのネットワーク上における各種の行動履歴は、各企業の業績に対して相関関係を有しており、各企業の銘柄を評価するための分析情報源として利用することができる。そして、本発明では、複数のユーザのネットワーク上における各種の行動履歴のうち、ユーザにより選択された行動履歴の種類または期間に対応する行動履歴を分析情報源にすることで、ユーザに請求する課金金額を分析情報源の情報量に応じた金額にすることができる。
このような本発明によれば、分析情報源の情報量が少ない場合における課金金額を低く抑えることができるため、ユーザは、投資支援情報を気軽に要求することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の投資支援サーバ装置を含む情報処理システムの概略構成を示す模式図。
【
図2】本実施形態の投資支援サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
【
図3】本実施形態の情報処理システムにおいて実施される情報処理方法を説明するフローチャート。
【
図4】本実施形態の投資支援コンテンツの一例を示す図。
【
図5】本実施形態の投資支援情報の生成処理を示すフローチャート。
【
図6】本実施形態の投資支援情報を含む投資支援コンテンツの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る一実施形態について説明する。
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態の情報処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、本発明の情報処理装置である投資支援サーバ装置10と、複数のユーザ端末20と、を備え、これらがインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。また、本実施形態の情報処理システム1は、検索サーバ装置30、決済処理サーバ装置40、および、位置情報取得サーバ装置50をさらに備えるものとする。
【0010】
本実施形態の情報処理システム1において、投資支援サーバ装置10は、検索サーバ装置30、決済処理サーバ装置40、および、位置情報取得サーバ装置50のそれぞれから複数のユーザの行動履歴(本実施形態では検索履歴、決済履歴および位置履歴)を取得する。そして、投資支援サーバ装置10は、任意のユーザの要求に応じて、投資先候補となる企業の業務に関する商品やスポット等について、検索数、決済数または訪問数の少なくともいずれかの変化を分析し、その分析結果に基づく投資支援情報を生成し、当該ユーザのユーザ端末20に投資支援情報を送信する。また、投資支援サーバ装置10は、投資支援情報を生成するための分析情報源の分量に基づいて、当該ユーザに対する課金金額を算出する。
【0011】
[投資支援サーバ装置]
図2は、投資支援サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
投資支援サーバ装置10は、一般的なコンピュータにより構成されており、
図2に示すように、通信部11、記憶部12および制御部13など、コンピュータを構成する各部を備えている。
なお、投資支援サーバ装置10を構成するコンピュータの数は特に限定されない。例えば、1台のコンピュータによって投資支援サーバ装置10が構成されてもよく、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバを投資支援サーバ装置10としてもよい。
通信部11は、インターネットに接続され、インターネットを介してユーザ端末20等と通信する。
【0012】
記憶部12は、例えばメモリやハードディスク等により構成された情報記録装置であり、投資支援サーバ装置10を制御するための各種情報や情報処理プログラムを記憶する。また、記憶部12は、ユーザデータベース121、検索履歴データベース122、決済履歴データベース123、位置履歴データベース124、および、銘柄データベース125等を備えている。
【0013】
なお、本実施形態では、投資支援サーバ装置10の記憶部12に、各データベースが設けられる例を示すが、投資支援サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに、これらの情報が記憶される構成としてもよい。
【0014】
ユーザデータベース121には、ユーザ毎のユーザ情報が記憶される。
ユーザ情報は、ユーザID、ユーザ属性、支払管理情報および資産情報などを含む。
ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
ユーザ属性は、ユーザの性別、年齢層、趣味嗜好および拠点(住居や職場)情報など、ユーザの属性に関する各種情報である。
支払管理情報は、課金金額の支払方法に関する情報である。支払方法としては、例えば、電子マネー決済、クレジットカード決済、銀行引き落とし等を例示できる。
資産情報は、投資に使用できるユーザの資産に関する情報、例えばユーザの投資口座の残高などである。
【0015】
検索履歴データベース122には、検索サーバ装置30から提供されるユーザ毎の検索履歴が記憶されている。
検索履歴は、検索対象であるキーワード、キーワードを入力したユーザのユーザID、および、キーワードが検索された検索日時などを含む。
キーワードは、検索サーバ装置30がユーザ端末20に提供する検索サービスにおいて、検索対象としてユーザ端末20に入力されるキーワードである。
検索日時は、例えば、検索サーバ装置30がユーザ端末20からキーワードを取得した日時である。
【0016】
決済履歴データベース123には、決済処理サーバ装置40から提供されるユーザ毎の決済履歴が記憶されている。
決済履歴は、例えば、ECサイトにおける購買履歴や、ユーザ端末20にインストールされた電子決済アプリケーションの使用履歴である。決済履歴は、決済を実行したユーザのユーザID、決済が実行された店舗に関する店舗情報、決済が実行された1以上の商品に関する商品情報、決済日時、および、決済金額などを含む。
店舗情報は、店舗識別情報(店舗ID)、店舗名および店舗カテゴリ等を含む。
商品情報は、商品ごとの商品識別情報(商品ID)、商品名および商品カテゴリ等を含む。
【0017】
位置履歴データベース124は、位置情報取得サーバ装置50から提供されるユーザ毎の位置履歴が記憶されている。
位置履歴は、例えば、ユーザ端末20を所有するユーザのユーザID、ユーザ端末20が備えるGPS等の測位センサーにより検出される位置、および、位置が測位された測位日時を含む。
【0018】
銘柄データベース125は、取引市場に上場中の企業ごとの銘柄情報が記憶されている。
銘柄情報は、企業名、株価、時価総額、値動き、値幅、出来高、業績などを含む。
また、銘柄情報は、企業の事業情報を含む。この事業情報としては、企業が販売する商品に関する商品情報や、企業が運営等しているスポット(例えば店舗や施設)に関するスポット情報等が挙げられる。スポット情報は、スポットID、スポットカテゴリおよび所在地等を含む。
【0019】
〔制御部の機能構成〕
制御部13は、CPU等の演算回路およびRAM等の記憶回路により構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されている情報処理プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働により各種処理を実行する。
そして、制御部13は、情報処理プログラムを読み込み実行することで、
図2に示すように、情報取得部131、銘柄抽出部132、関連度算出部133、許容下限値設定部134、評価指数算出部135、投資支援情報生成部136、投資支援情報提供部137、および、課金処理部138として機能する。
【0020】
情報取得部131は、各ユーザのユーザ端末20からユーザ情報を取得すると共に、検索サーバ装置30、決済処理サーバ装置40、および、位置情報取得サーバ装置50のそれぞれから各ユーザの行動履歴(検索履歴、決済履歴および位置履歴)を取得する。
【0021】
銘柄抽出部132は、ユーザに選択された投資目的に対応する1以上の銘柄を抽出する。
関連度算出部133は、直近の所定期間におけるユーザの行動履歴に基づいて、各銘柄とユーザとの関連度を算出する。
許容下限値設定部134は、各銘柄とユーザとの関連度に基づいて、各銘柄に対するユーザの評価指数許容下限値を算出する。
評価指数算出部135は、各銘柄の評価指数を、ユーザにより選択された分析情報源に基づいて算出する。
投資支援情報生成部136は、対応銘柄群から、ユーザの評価指数許容下限値以上の評価指数を有する銘柄を選択し、選択された銘柄の評価指数を含む投資支援情報を生成する。
投資支援情報提供部137は、生成された投資支援情報を、ユーザ端末20に送信する。
課金処理部138は、投資支援情報を生成するための分析情報源の分量に応じて課金金額を算出し、ユーザに対する課金処理を行う。
【0022】
[ユーザ端末20]
ユーザ端末20は、ユーザが管理するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等により構成されている。
ユーザ端末20の具体的な構成の図示は省略するが、ユーザ端末20は、一般的なコンピュータが有する基本的なハードウェア構成を有する。すなわち、ユーザ端末20は、操作者の操作を受け付ける入力操作部、画像情報を表示させるディスプレイ、各種情報を記録する記録装置、各種情報を演算処理する演算回路(CPU等)を備えている。ユーザ端末20は、例えばGPS装置等により構成された測位センサーを含んで構成され、ユーザの位置を位置情報取得サーバ装置50に送信する。
【0023】
〔他のサーバ装置〕
検索サーバ装置30、決済処理サーバ装置40、および、位置情報取得サーバ装置50は、それぞれ、投資支援サーバ装置10と同様、一般的なコンピュータにより構成されており、通信部、記憶部および制御部など、コンピュータを構成する各部を備えている。
なお、各サーバ装置30,40,50は、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバであってもよい。また、各サーバ装置30,40,50の記憶部は、ネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに構成されてもよい。
【0024】
検索サーバ装置30は、ユーザ端末20からキーワードを含む検索クエリを受信する。そして、検索サーバ装置30は、受信した検索クエリのキーワードに応じたコンテンツ(例えばウェブコンテンツ)を所定のデータベースから検索し、検索結果を当該ユーザ端末20に送信する。また、検索サーバ装置30は、受信した検索クエリに基づく検索履歴を記憶部に蓄積する。
【0025】
決済処理サーバ装置40は、ユーザ端末20(または店舗に設置された端末装置)から決済に関する決済情報を受信し、当該決済情報に基づく決済処理を実行する。また、決済処理サーバ装置40は、受信した決済情報に基づく決済履歴を記憶部に蓄積する。
なお、決済は、電子マネー、QRコード(登録商標)などの2次元コード、または、クレジットカードを利用した電子決済を含む。
【0026】
位置情報取得サーバ装置50は、ユーザ端末20から送信されたユーザの位置と、当該位置にユーザが存在していた日時とを関連付けた位置情報を取得し、この位置情報を位置履歴として記憶部に蓄積する。
なお、位置情報取得サーバ装置50は、取得した位置情報を、投資支援サーバ装置10以外のサーバ装置(例えば路線検索サーバ装置など)に提供してもよい。
【0027】
[情報処理方法]
次に、本実施形態の情報処理システム1における情報処理方法について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施形態において、情報取得部131は、ユーザ端末20から、ユーザ属性等のユーザ情報を予め取得しており、このユーザ情報をユーザデータベース121に記録(登録)している。
また、情報取得部131は、任意のタイミングで、検索サーバ装置30、決済処理サーバ装置40、および、位置情報取得サーバ装置50のそれぞれから、複数のユーザ(例えば全登録ユーザ)の行動履歴(検索履歴、決済履歴および位置履歴)を取得し、検索履歴データベース122、決済履歴データベース123、および、位置履歴データベース124にそれぞれ蓄積している(取得ステップ)。
【0028】
ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じて、所定のアプリケーションを実行し、投資支援サーバ装置10に対して、投資支援コンテンツを要求する要求情報を送信する(ステップS21)。
投資支援サーバ装置10は、要求情報を受信すると、投資支援コンテンツをユーザ端末20に出力する(ステップS11)。これにより、ユーザ端末20は、ディスプレイに投資支援コンテンツを表示させる(ステップS22)。
【0029】
図4は、投資支援コンテンツの一例を示す図である。
図4に示すように、投資支援コンテンツ60は、分析対象期間選択部61、分析対象データ選択部62、投資目的選択部63、課金金額表示領域64、および、投資支援要求ボタン65などを含む。
分析対象期間選択部61には、分析情報源となるデータの条件として、データ取得日時(具体的には検索日時、決済日時、または測位日時など)を指定する過去直近の期間の選択肢(例えば3か月、半年、1年など)が表示され、ユーザは、分析対象期間選択部61から所望の選択肢を選択できる。
【0030】
分析対象データ選択部62には、分析情報源となるデータの条件として、行動履歴の種類を指定する選択肢(例えば検索履歴データ、決済履歴データ、位置履歴データ)が表示され、ユーザは、分析対象期間選択部61から所望の選択肢を選択できる。なお、ここでは、複数の選択肢を選択可能である。
【0031】
投資目的選択部63には、ユーザの投資目的を指定する選択肢(例えば「好きな企業を応援」、「新興企業を応援」、「地元企業を応援」など)が表示され、ユーザは、投資目的選択部63から所望の選択肢を選択できる。なお、投資目的は、
図4に示される選択肢に限られない。
【0032】
課金金額表示領域64には、分析対象期間選択部61、分析対象データ選択部62、および、投資目的選択部63のそれぞれにおけるユーザの選択に応じた課金金額が表示される。例えば、投資支援コンテンツ60は、分析対象期間選択部61、分析対象データ選択部62および投資目的選択部63における選択肢の組み合わせに対応する料金テーブルを含んでおり、ユーザ端末20の制御部は、この料金テーブルに基づいて課金金額を算出し、課金金額表示領域64に表示させてもよい。
【0033】
ユーザ端末20は、投資支援コンテンツ60の投資支援要求ボタン65が操作されることで、分析情報源の指定情報(すなわち分析対象期間選択部61、分析対象データ選択部62および投資目的選択部63においてユーザにより選択された選択肢の組み合わせ情報)を、投資支援サーバ装置10に送信する(ステップS23)。
【0034】
投資支援サーバ装置10は、ユーザ端末20から分析情報源の指定情報を受信し、この指定情報に従った分析情報源に基づいて投資支援情報の生成を行う(ステップS12;投資支援情報生成ステップ)。このステップS12の詳細については後述する。
【0035】
投資支援サーバ装置10の投資支援情報提供部137は、ステップS12で生成された投資支援情報を、ユーザ端末20に送信する(ステップS13;投資支援情報提供ステップ)。ユーザ端末20は、投資支援サーバ装置10から投資支援情報を受信し、当該ユーザ端末20のディスプレイに表示させる(ステップS24)。
【0036】
また、投資支援サーバ装置10において、課金処理部138は、分析情報源の分量に基づいてユーザに対する課金金額を算出し、当該ユーザの支払管理情報に記録されている支払方法に対応する課金処理を行う(ステップS14;課金処理ステップ)。
【0037】
ここで、課金処理部138は、分析情報源の分量が多いほど、高い課金金額を算出する。
例えば、課金処理部138は、分析対象期間選択部61で選択された期間の長さ、および、分析対象データ選択部62で選択された行動履歴の種類の数に基づいて、課金金額を算出してもよい。あるいは、課金処理部138は、分析情報源に対応するデータの量を算出し、この量に基づいて課金金額を算出してもよい。
また、課金処理部138は、分析情報源の分量に応じて算出された金額に対し、投資目的選択部63で選択された投資目的に対応する掛け率を掛けた金額を、課金金額として算出してもよい。例えば「地元企業を応援」などの投資目的には、「好きな企業を応援」などの投資目的よりも低い掛け率が対応付けられていてもよい。
以上により、情報処理システム1における情報処理方法のフローが終了する。
【0038】
[投資支援情報の生成処理]
投資支援サーバ装置10における投資支援情報の生成処理について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、ユーザAのユーザ端末20が投資支援情報の要求を送信した場合を例とする。このユーザAは、投資支援情報を要求するユーザである「要求ユーザ」に相当する。
【0039】
まず、銘柄抽出部132は、銘柄データベース125から、ユーザAに選択された投資目的に対応する1以上の銘柄(銘柄群)を抽出する(ステップS31)。
例えば、投資目的が「好きな企業を応援」である場合、ユーザAのユーザ情報における趣味嗜好と企業の事業内容との関連度が所定以上である銘柄を抽出する。また、投資目的が「新興企業を応援」である場合、企業の創業年数が所定以下である銘柄を抽出する。また、投資目的が「地元企業を応援」である場合、ユーザAのユーザ情報における拠点と企業の所在地とが同じエリア(例えば都道府県)内である銘柄を抽出する。
その他、銘柄データベース125では、各種の投資目的が銘柄に対応付けられており、これら各種の投資目的が投資支援コンテンツ60において選択可能に表示されていてもよい。この場合、銘柄抽出部132は、ユーザに選択された投資目的に基づいて、当該投資目的に対応する銘柄を抽出してもよい。
【0040】
次いで、関連度算出部133は、直近の所定期間におけるユーザAの行動履歴に基づいて、ステップS31で抽出された各銘柄とユーザAとの関連度を算出する(ステップS32)。
本実施形態では、関連度算出部133は、各銘柄に関するユーザ検索頻度、ユーザ購買頻度またはユーザ訪問頻度の少なくともいずれかに基づいて、各銘柄とユーザとの関連度を算出する。
ここで、銘柄に関するユーザ検索頻度は、銘柄に対応する企業に関するキーワード(例えば、企業の名称、企業が販売等する商品やサービスの名称、または、企業が運営等する店舗や施設等のスポットの名称)がユーザの検索履歴に含まれる頻度である。
また、銘柄に関するユーザ購買頻度は、銘柄に対応する企業が販売する商品またはサービス等がユーザの購買履歴に含まれる頻度である。
また、銘柄に関するユーザ訪問頻度は、銘柄に対応する企業が運営等するスポットがユーザの移動履歴に含まれる頻度である。
関連度算出部133は、銘柄に関するユーザ検索頻度、ユーザ購買頻度またはユーザ訪問頻度が多いほど、当該銘柄とユーザとの関連度が高い値になるように、当該関連度を算出する。この関連度の具体的な算出方法には、公知のスコア技術を利用できる。
【0041】
次に、許容下限値設定部134は、ステップS32で算出された各銘柄とユーザとの関連度に基づいて、各銘柄に対するユーザの評価指数許容下限値を算出する(ステップS33)。具体的には、許容下限値設定部134は、銘柄とユーザとの関連度が高いほど、当該銘柄に対するユーザの評価指数許容下限値が低い値になるように、当該評価指数許容下限値を算出する。
なお、許容下限値設定部134は、各銘柄とユーザとの関連度だけでなく、ユーザの資産情報に基づいて、各銘柄に対するユーザの評価指数許容下限値を算出してもよい。例えば、許容下限値設定部134は、ユーザの資産情報における投資用口座の残高情報を取得し、残高が所定以上である場合、残高が所定より低い場合と比べて、ユーザの評価指数許容下限値が低い値になるように、当該評価指数許容下限値を算出してもよい。
【0042】
次に、評価指数算出部135は、ユーザにより選択された種類のデータ(例えば検索履歴、位置履歴および購買履歴)であって、かつ、ユーザに指定された期間(例えば過去直近の1年間)に取得されたデータを、分析情報源として、検索履歴データベース122、決済履歴データベース123および位置履歴データベース124から抽出する。なお、ここで抽出されるデータは、ユーザAに関するデータに限られず、複数のユーザ(例えば登録されている全ユーザ)に関するデータである。そして、評価指数算出部135は、抽出された分析情報源に基づいて、ステップS31で抽出された各銘柄の評価指数を算出する(ステップS34;評価指数算出ステップ)。
【0043】
ここで、銘柄の企業に対する行動履歴の数が増加している場合、当該企業の業績が上向くことが予想され、評価指数算出部135は、当該銘柄に対して高い評価指数を算出できる。一方、銘柄の企業に対する行動履歴の数が減少している場合、当該企業の業績が下向くことが予想され、評価指数算出部135は、当該銘柄に対して高い評価指数を算出できる。
例えば、評価指数算出部135は、分析情報源に基づいて、銘柄ごとに、銘柄に対応する企業に関するキーワード(例えば、企業の名称、企業が販売等する商品やサービスの名称、または、企業が運営等する店舗や施設等のスポットの名称)の検索数の変化を算出する。
また、評価指数算出部135は、分析情報源に基づいて、銘柄ごとに、銘柄に対応する企業が販売する商品またはサービス等の購買数の変化を算出する。
また、評価指数算出部135は、分析情報源に基づいて、銘柄ごとに、銘柄に対応する企業が運営等するスポットへの訪問数の変化を算出する。
なお、検索数、購買数および訪問数のそれぞれの変化は、所定期間(例えば1日)ごとの数の変化として算出される。
そして、評価指数算出部135は、銘柄ごとに、検索数、購買数および訪問数の各変化について変化幅に応じたスコアを算出し、各スコアを総合することによって評価指数を算出する。なお、評価指数算出部135は、増加傾向の変化にはプラスのスコアを算出し、減少傾向の変化にはマイナスのスコアを算出すればよい。
【0044】
この評価指数算出部135による評価指数の具体的な算出方法については、公知のデータ分析技術を利用できる。また、検索数の変化に関しては、特開2010-20745号公報等に開示されるように、評判指数を利用した重み付けを行ってもよい。
【0045】
次に、投資支援情報生成部136は、ステップS31で抽出された各銘柄について、銘柄に対応する評価指数許容下限値と評価指数とを比較し、評価指数が評価指数許容下限値以上である銘柄を選択する(ステップS35)。そして、投資支援情報生成部136は、ステップS35で選択された各銘柄について、ステップS34で算出された評価指数、ステップS32で算出されたユーザAとの関連度、および、銘柄データベース125における銘柄情報などを含む投資支援情報を生成する(ステップS36)。
以上により、
図5におけるフローが終了する。
なお、上述のステップS34は、ステップS32,S33より前に実施されてもよい。
【0046】
例えば、
図6は、投資支援情報が表示された投資支援コンテンツ70の一例を示す図である。なお、
図6は、投資目的が「好きな企業を応援」である場合を例示している。
図6に示すように、投資支援コンテンツ70は、銘柄表示領域71、関連度表示領域72、評価指数表示領域73、および、評価詳細ボタン74などを含む。
銘柄表示領域71には、投資支援情報に含まれる銘柄の名称が表示される。
関連度表示領域72には、銘柄表示領域71に表示された各銘柄に対応するユーザ関連度(各銘柄とユーザAとの関連度)が表示される。
評価指数表示領域73には、銘柄表示領域71に表示された各銘柄に対応する評価指数が表示される。
なお、
図6において、ユーザ関連度および評価指数は、それぞれ星マークの数で表現されているが、本発明はこれに限られず、数値やグラフなど、他の態様により表現されてもよい。
また、ユーザが各銘柄に対応する評価詳細ボタン74を選択する等により、投資支援コンテンツ70は、各銘柄の評価指数を算出するために使用された分析情報源、すなわち、各銘柄に関する検索数、購買数および訪問数のそれぞれの変化について、グラフ等によって表示してもよい。
【0047】
〔本実施形態の効果〕
本実施形態の投資支援サーバ装置10は、記憶部12と、制御部13とを備え、制御部13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを読み込むことで、情報取得部131、評価指数算出部135、投資支援情報生成部136、および、投資支援情報提供部137として機能する。情報取得部131は、複数のユーザのネットワーク上における行動履歴を取得し、評価指数算出部135は、投資支援情報を要求するユーザである要求ユーザにより選択された行動履歴の種類または期間に対応する行動履歴を分析情報源とし、当該分析情報源に基づいて銘柄の評価指数を算出する。そして、投資支援情報生成部136は、銘柄の評価指数を含む投資支援情報を生成し、投資支援情報提供部137は、投資支援情報を要求ユーザに提供する。また、課金処理部138は、分析情報源の情報量に基づいて、要求ユーザに対する課金金額を算出する。
【0048】
このような本実施形態において、複数のユーザのネットワーク上における各種の行動履歴は、各企業の業績に対して相関関係を有しており、各企業の銘柄を評価するための分析情報源として利用することができる。そして、本実施形態では、複数のユーザのネットワーク上における各種の行動履歴のうち、ユーザにより選択された行動履歴の種類または期間に対応する行動履歴を分析情報源にすることで、ユーザに請求する課金金額を分析情報源の情報量に応じた金額にすることができる。
このような本実施形態によれば、分析情報源の情報量が少ない場合における課金金額を低く抑えることができるため、ユーザは、投資情報を気軽に要求することができる。
【0049】
本実施形態の投資支援サーバ装置10において、制御部13は、銘柄と要求ユーザの行動履歴との関連度に基づいて、銘柄に対する要求ユーザの評価指数許容下限値を算出する許容下限値設定部134としてさらに機能する。また、投資支援情報生成部136は、銘柄に対応する評価指数と評価指数許容下限値とを比較し、評価指数が評価指数許容下限値以上である銘柄を選択し、選択された銘柄の評価指数を含む投資支援情報を生成する。
このような本実施形態において、ある銘柄と要求ユーザの行動履歴との関連度が高い場合、要求ユーザは、当該銘柄に対応する企業に対して高い関心を持っていると推測される。このため、仮に、銘柄に対応する企業の評価指数が低い場合であっても、当該銘柄に対する要求ユーザの関連度が高い場合には、要求ユーザが当該銘柄を投資対象にする可能性が高い。このため、要求ユーザの関連度が高い銘柄に対して、要求ユーザの評価指数許容下限値を低く設定することにより、ユーザの利益だけでなく、ユーザの好みに着目し、企業を応援する視点を有する投資支援情報を生成することができる。その結果、投資に対するユーザの動機を増やすことができ、ユーザが投資情報をより気軽に要求することができる。
【0050】
本実施形態の投資支援サーバ装置10において、行動履歴は、検索サーバ装置30における検索履歴、決済処理サーバ装置40における決済履歴、または、位置情報取得サーバ装置50における位置履歴の少なくとも1種以上を含む。
本実施形態では、各企業の業績の変化に対して相関関係を有する行動履歴が多面的に取得され、銘柄の評価指数をより正確に算出することができる。また、「位置履歴」を利用することで、企業の業務に関するスポットへの訪問数など、従来技術にない新たな視点から評価指数を算出できる。
【0051】
〔変形例〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形をも含むものである。
【0052】
例えば、前記実施形態において、許容下限値設定部134は、銘柄ごとに評価指数許容下限値を算出しているが、銘柄のカテゴリごとに評価指数許容下限値を算出してもよい。例えば、関連度算出部133は、要求ユーザの行動履歴と銘柄のカテゴリとの関連度を算出し、許容下限値設定部134は、銘柄のカテゴリに対応する関連度に基づいて、銘柄の評価指数許容下限値を算出してもよい。
同様に、前記実施形態において、評価指数算出部135は、銘柄ごとに評価指数を算出しているが、銘柄のカテゴリごとに評価指数を算出してもよい。
なお、銘柄のカテゴリは、銘柄情報に含まれる商品カテゴリやスポットカテゴリに対応する。
【0053】
また、本発明の「複数のユーザのネットワーク上における行動履歴」は、前記実施形態で説明した検索履歴、決済履歴および位置履歴に限定されず、他のサービスで取得される履歴であってもよい。
例えば、本発明の行動履歴は、メディアやコンテンツなどの提供サーバから取得される各ユーザの視聴履歴、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などの提供サーバから取得される各ユーザのソーシャルアクション履歴(例えばSNS内の記事や発言に対するライクやシェア、リツイートなど)などであってもよい。これらの行動履歴についても、各企業の業績に対して相関関係を有しており、各企業の銘柄を評価するための分析情報源として利用することができる。具体的には、銘柄の企業に対するポジティブな行動履歴の数が増加する場合、当該企業の業績が上向くことが予想され、評価指数算出部135は、当該銘柄に対して高い評価指数を算出できる。一方、銘柄の企業に対するポジティブな行動履歴の数が減少する場合、または、ソーシャルアクション履歴において銘柄の企業に対するネガティブな行動履歴の数が増加する場合、当該企業の業績が下向くことが予想され、評価指数算出部135は、当該銘柄に対して低い評価指数を算出できる。
また、評価指数算出部135は、前述の行動履歴だけでなく、天気や景気などの他の情報をさらに利用することで、銘柄の評価指数を算出してもよい。
【0054】
前記実施形態では、銘柄の評価指数(すべてのユーザーの行動履歴から算出される指数)が、この銘柄に対するユーザAの評価指数許容下限値(ユーザAの行動履歴等から算出される下限値)以上であれば、この銘柄をユーザAに提案しているが、本発明はこのような態様に限定されない。
例えば、前記実施形態において、ステップS31~S33は省略されてもよい。この場合、ステップS34において各銘柄の評価指数を算出した後、ステップS35において、評価指数が高い順に所定数の銘柄を選択してもよい。すなわち、ユーザAの評価指数許容下限値を利用せずに、単に評価指数が高い銘柄をユーザAに提案してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…情報処理システム、10…投資支援サーバ装置、11…通信部、12…記憶部、121…ユーザデータベース、122…検索履歴データベース、123…決済履歴データベース、124…位置履歴データベース、125…銘柄データベース、13…制御部、131…情報取得部、132…銘柄抽出部、133…関連度算出部、134…許容下限値設定部、135…評価指数算出部、136…投資支援情報生成部、137…投資支援情報提供部、138…課金処理部、20…ユーザ端末、20…ユーザ端末、30…検索サーバ装置、40…決済処理サーバ装置、50…位置情報取得サーバ装置、60…投資支援コンテンツ、61…分析対象期間選択部、62…分析対象データ選択部、63…投資目的選択部、64…課金金額表示領域、65…投資支援要求ボタン、70…投資支援コンテンツ、71…銘柄表示領域、72…関連度表示領域、73…評価指数表示領域、74…評価詳細ボタン。