(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/275 20180101AFI20240325BHJP
F21S 41/26 20180101ALI20240325BHJP
F21S 41/40 20180101ALI20240325BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/26
F21S41/40
(21)【出願番号】P 2020086350
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 荘夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 操
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-083127(JP,A)
【文献】特開2008-181705(JP,A)
【文献】特開2008-276976(JP,A)
【文献】実開平03-028038(JP,U)
【文献】実開昭60-105244(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/275
F21S 41/26
F21S 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボディと透光カバーとで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容された車両用灯具において、
上記第1および第2灯具ユニットは、上記第1灯具ユニットからの出射光が上記透光カバーを透過する第1透光領域と上記第2灯具ユニットからの出射光が上記透光カバーを透過する第2透光領域とが、所要の間隔をおいた状態で並列に配置されており、
上記透光カバーにおける上記第1透光領域と上記第2透光領域との間に位置する中間領域の前面に、第1遮光膜が形成されており、
上記透光カバーにおける上記中間領域の後面に、凹凸部が形成されて
おり、
上記透光カバーの前面に、上記第1遮光膜を覆う有色被膜が形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上記透光カバーにおける上記中間領域の後面に、第2遮光膜が形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記凹凸部は、上記第1および第2透光領域を結ぶ方向と交差する方向に延びるように形成された少なくとも1つの溝部で構成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記溝部は、矩形状の断面形状を有している、ことを特徴とする請求項3記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記有色被膜は、上記第1および第2透光領域を覆うように形成されており、
上記有色被膜の膜厚は、上記第1および第2透光領域に透光性が確保される値に設定されている、ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載の車両用灯具。
【請求項6】
上記第1灯具ユニットは、第1光源と上記第1光源からの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第1リフレクタとを備えており、
上記第2灯具ユニットは、第2光源と上記第2光源からの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第2リフレクタとを備えており、
上記第1リフレクタと上記透光カバーとの間に、上記第1リフレクタの前端面と上記透光カバーの後面との間の隙間を塞ぐように形成された第1パッキングが配置されており、
上記第2リフレクタと上記透光カバーとの間に、上記第2リフレクタの前端面と上記透光カバーの後面との間の隙間を塞ぐように形成された第2パッキングが配置されている、ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容された車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具の構成として、ランプボディと透光カバーとで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容されたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具において、第1灯具ユニットからの出射光が透光カバーを透過する第1透光領域と第2灯具ユニットからの出射光が透光カバーを透過する第2透光領域とが、所要の間隔をおいた状態で配置されたものが記載されている。
【0004】
この「特許文献1」に記載された車両用灯具の透光カバーは、多色成形レンズで構成されており、かつ、第1透光領域と第2透光領域との間に位置する中間領域がスモーク色のダミーレンズで構成されている。
【文献】特開2000-251505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記「特許文献1」に記載された車両用灯具において、透光カバーの中間領域を構成するダミーレンズの色を黒色等に変更すれば、第1および第2灯具ユニット相互間において透光カバーの導光作用による漏光が発生してしまうのを未然に防止することが可能となる。
【0006】
そして、このような構成を採用することにより、第1および第2灯具ユニットのうちいずれか一方の灯具ユニットが点灯したとき、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまうのを未然に防止することが可能となり、これにより車両用灯具の見映え向上を図ることが可能となる。
【0007】
しかしながら、このように透光カバーを多色成形レンズで構成した場合には、車両用灯具の製造コストが高くついてしまう。
【0008】
一方、透光カバーを単一のレンズで構成した上で、その中間領域の前面に遮光膜が形成された構成とすれば、第1および第2灯具ユニットのいずれが点灯した場合であっても透光カバーの中間領域が光って見えてしまうのを未然に防止することが可能となる。
【0009】
しかしながら、このような構成を採用した場合であっても、第1および第2灯具ユニットのうちいずれか一方の灯具ユニットが点灯したとき、透光カバーの導光作用によって他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまうという現象はなくすことができない。
【0010】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容された車両用灯具において、その製造コストを抑えた上で見映え向上を図ることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、透光カバーの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0012】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
ランプボディと透光カバーとで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容された車両用灯具において、
上記第1および第2灯具ユニットは、上記第1灯具ユニットからの出射光が上記透光カバーを透過する第1透光領域と上記第2灯具ユニットからの出射光が上記透光カバーを透過する第2透光領域とが、所要の間隔をおいた状態で並列に配置されており、
上記透光カバーにおける上記第1透光領域と上記第2透光領域との間に位置する中間領域の前面に、第1遮光膜が形成されており、
上記透光カバーにおける上記中間領域の後面に、凹凸部が形成されており、
上記透光カバーの前面に、上記第1遮光膜を覆う有色被膜が形成されている、ことを特徴とするものである。
【0013】
上記「第1および第2灯具ユニット」は、第1透光領域と第2透光領域とが所要の間隔をおいた状態で並列に配置されていれば、両者の具体的な位置関係は特に限定されるものではない。
【0014】
上記「第1および第2灯具ユニット」の各々は、光源からの出射光をそのまま透光カバーに入射させるように構成されていてもよいし、光源からの出射光をリフレクタやレンズ等により制御した状態で透光カバーに入射させるように構成されていてもよい。
【0015】
上記「第1遮光膜」は、遮光機能を有する膜であればその具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、塗装膜や蒸着膜等が採用可能である。
【0016】
上記「凹凸部」の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、縞状や格子状に形成された複数の溝部あるいは単一の溝部で構成されたものやシボ加工やフロスト加工等を施すことにより形成されたもの等が採用可能である。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に係る車両用灯具は、ランプボディと透光カバーとで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容されており、かつ、第1および第2灯具ユニットは、第1灯具ユニットからの出射光が透光カバーを透過する第1透光領域と第2灯具ユニットからの出射光が透光カバーを透過する第2透光領域とが、所要の間隔をおいた状態で並列に配置された構成となっているが、透光カバーにおける第1透光領域と第2透光領域との間に位置する中間領域には、その前面に第1遮光膜が形成されるとともに、その後面に凹凸部が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0018】
すなわち、透光カバーにおける中間領域の前面には第1遮光膜が形成されているので、第1および第2灯具ユニットのいずれか一方または両方が点灯したとき、透光カバーの中間領域が光って見えてしまわないようにすることができる。
【0019】
また、透光カバーにおける中間領域の後面には凹凸部が形成されているので、第1および第2灯具ユニットのいずれか一方の点灯によって中間領域に入射した光を、その後面において正反射させないようにし、これにより他方の灯具ユニットの透光領域まで導光されてしまいにくくすることができる。
【0020】
したがって、本願発明に係る車両用灯具においては、第1および第2灯具ユニットのいずれか一方が点灯したとき、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを効果的に抑制することができる。
【0021】
このように本願発明によれば、灯室内に第1および第2灯具ユニットが収容された車両用灯具において、その製造コストを抑えた上で見映え向上を図ることができる。
【0022】
上記構成において、さらに、透光カバーにおける中間領域の後面に第2遮光膜が形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0023】
すなわち、透光カバーは、その中間領域の後面に凹凸部が形成された構成となっているが、その表面形状によっては、透光カバーの中間領域に入射した光の一部がその後面から出射した後、中間領域に再入射して他方の灯具ユニットの透光領域まで導光されてしまうような事態が発生するおそれがある。これに対し、透光カバーにおける中間領域の後面に第2遮光膜が形成された構成とすることにより、このような事態が発生してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを一層効果的に抑制することができる。
【0024】
上記構成において、さらに、凹凸部の構成として、第1および第2透光領域を結ぶ方向と交差する方向に延びるように形成された少なくとも1つの溝部で構成されたものとすれば、中間領域での導光を阻止する効果を高めることができる。
【0025】
その際、溝部の構成として、矩形状の断面形状を有する構成とすれば、中間領域での導光を阻止する効果を最大限に高めることができる。
【0026】
上記構成において、さらに、透光カバーの前面に、第1遮光膜を覆う有色被膜が形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0027】
すなわち、第1および第2灯具ユニットのいずれか一方または両方が点灯したとき、透光カバーの中間領域が光って見えてしまわないようにするためには、第1遮光膜の色を例えば黒色等のような濃い色に設定することが好ましい。しかしながらこのようにした場合には、非点灯時における車両用灯具の見映えが損なわれてしまうおそれがある。そこで、透光カバーの前面に形成された有色被膜によって第1遮光膜を覆うようにすれば、非点灯時に透光カバーが有色被膜の色で見えるようにすることができ、これにより車両用灯具の見映え向上を図ることができる。
【0028】
上記「有色被膜」は、第1遮光膜を覆うように形成されていれば、その具体的な形成範囲は特に限定されるものではなく、例えば、透光カバーの前面の全領域にわたって形成された構成とすることも可能である。その際、上記「有色被膜」を、第1および第2透光領域を覆うように形成した上で、その膜厚を薄くすることにより、第1および第2透光領域に一定程度の透光性が確保されるようにすることも可能である。
【0029】
上記構成において、さらに、第1灯具ユニットとして第1光源からの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第1リフレクタを備えた構成とするとともに、第2灯具ユニットとして第2光源からの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第2リフレクタを備えた構成とした上で、第1リフレクタと透光カバーとの間に、第1リフレクタの前端面と透光カバーの後面との間の隙間を塞ぐように形成された第1パッキングが配置されるとともに、第2リフレクタと透光カバーとの間に、第2リフレクタの前端面と透光カバーの後面との間の隙間を塞ぐように形成された第2パッキングが配置された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0030】
すなわち、第1リフレクタと透光カバーとの間から漏れた光が第2透光領域に入射してしまったり、第2リフレクタと透光カバーとの間から漏れた光が第1透光領域に入射してしまったりするのを未然に防止することができる。そしてこれにより、第1および第2灯具ユニットのいずれか一方が点灯したとき、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを一層効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す平断面図
【
図5】上記実施形態の第1変形例を示す、
図3と同様の図
【
図6】上記実施形態の第2変形例を示す、
図1と同様の図
【
図8】上記実施形態の第3変形例を示す、
図4と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す平断面図である。また、
図2は、
図1のII方向矢視図である。
【0034】
図1、2において、Xで示す方向が「灯具前方」であり、Yで示す方向が「灯具前方」と直交する「左方向」(灯具正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0035】
図1、2に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の前端部に設けられた状態で対向車ドライバー等に対して意思表示をするためのアクセサリーランプであって、ランプボディ12と透光カバー14とで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニット20A、20Bが収容された構成となっている。
【0036】
この車両用灯具10は、左右対称の形状を有する構成となっており、その透光カバー14は灯具前方側へ向けて僅かに膨らむ凸曲線状の水平断面形状を有している。
【0037】
第1および第2灯具ユニット20A、20Bは、いずれも同様の構成を有しており、左右方向に所要の間隔をおいた状態で並列に配置されている。
【0038】
第1灯具ユニット20Aは、第1光源22Aとこの第1光源22Aからの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第1リフレクタ24Aとを備えた構成となっている。
【0039】
第1光源22Aは、白色に発光する発光ダイオードであって、その発光面を灯具正面方向へ向けた状態で支持基板26Aを介してランプボディ12に支持されている。
【0040】
第1リフレクタ24Aは、第1光源22Aの発光中心を通るようにして灯具前後方向に延びる軸線Axを中心軸とする回転放物面で構成された反射面24Aaを有しており、この反射面24Aaによって第1光源22Aからの出射光を灯具正面方向へ向けて略平行光として反射させるようになっている。この第1リフレクタ24Aは、その後端部が第1光源22Aを囲むようにして円筒状に形成されており、この後端部24Abにおいてランプボディ12に支持されている。
【0041】
第1リフレクタ24Aと透光カバー14との間には、第1リフレクタ24Aの前端面24Acと透光カバー14の後面14bとの間の隙間を塞ぐように形成された第1パッキング28Aが配置されている。
【0042】
この第1パッキング28Aは、例えばスポンジゴム等で構成されており、第1リフレクタ24Aの前端面24Acに沿って円環状に延びるように形成されている。その際、第1パッキング28Aは、第1リフレクタ24Aの前端面24Acと透光カバー14の後面14bとの間隔に応じて肉厚が徐々に変化するように形成されている。
【0043】
一方、第2灯具ユニット20Bは、第1光源22Aと同様の第2光源22Bと、第1リフレクタ24Aと同様の第2リフレクタ24Bとを備えている。
【0044】
すなわち、第2光源22Bは、支持基板26Bを介してランプボディ12に支持されており、第2リフレクタ24Bは、その後端部24Bbにおいてランプボディ12に支持されている。また、第2リフレクタ24Bの前端面24Bcと透光カバー14の後面14bとの間には、第1パッキング28Aと同様の第2パッキング28Bが配置されている。この第2パッキング28Bは、第1パッキング28Aに対して左右対称の形状を有している。
【0045】
この車両用灯具10においては、第1パッキング28Aの内周側に位置する円形状の領域が、第1灯具ユニット20Aからの出射光が透光カバー14を透過する第1透光領域Zaを構成しており、また、第2パッキング28Bの内周側に位置する円形状の領域が、第2灯具ユニット20Bからの出射光が透光カバー14を透過する第2透光領域Zbを構成している。これら第1および第2透光領域Za、Zbは、左右方向に所要の間隔をおいた状態で並列に配置されている。
【0046】
【0047】
図3にも示すように、透光カバー14において第1透光領域Zaと第2透光領域Zbとの間に位置する中間領域14cには、その前面14aに第1遮光膜16が形成されている。
【0048】
また、透光カバー14における中間領域14cの後面14bには、凹凸部14dが形成されている。この凹凸部14dは、上下方向に延びる複数の溝部14d1で構成されている。これら複数の溝部14d1は、いずれも同一断面形状で形成されており、かつ、等ピッチで配置されている。具体的には、各溝部14d1は、横長矩形状の水平断面形状を有しており、その左右幅と各溝部14d1相互間の間隔とが略同じ値に設定されている。
【0049】
さらに、透光カバー14における中間領域14cの後面14bには、第2遮光膜18が形成されている。この第2遮光膜18は、黒色の塗装膜であって、凹凸部14dを覆うようにして縦長矩形状の外形形状で形成されている。
【0050】
そして、このように透光カバー14における中間領域14cの前面14aに第1遮光膜16が形成されるとともに、その中間領域14cの後面14bに凹凸部14dが形成された構成とし、かつ、その中間領域14cの後面14bに第2遮光膜18が形成された構成とすることにより、中間領域14cでの導光作用によって漏光が発生してしまうのを未然に防止するようになっている。
【0051】
例えば、
図3に示すように、第2灯具ユニット20B側から透光カバー14に入射した光が、その前面14aおよび後面14bで全反射を繰り返しながら中間領域14cに導かれて第1灯具ユニット20A側へ向かう際、この光は中間領域14cにおいてはその後面14bに形成された凹凸部14dに到達するが、この凹凸部14dは上下方向に延びる複数の溝部14d1で構成されているので、この凹凸部14dにおいて第1灯具ユニット20A側への導光が阻止される。
【0052】
ただし、仮に中間領域14cの後面14bに第2遮光膜18が形成されていないとした場合には、凹凸部14dに到達した光の一部は、図中2点鎖線で示すように、凹凸部14dを構成する溝部14d1から中間領域14cの後方側空間に一旦出射した後、これと隣接する溝部14d1から中間領域14cに再入射して第1灯具ユニット20A側へ導かれてしまう。
【0053】
しかしながら、本実施形態では、中間領域14cの後面14bに第2遮光膜18が形成されているので、凹凸部14dに到達した光は、凹凸部14dから中間領域14cの後方側空間に出射せずに第2遮光膜18に吸収されてしまい、あるいは、図中実線で示すように第2遮光膜18に吸収されずに第2遮光膜18で反射した光も最終的には複数の溝部14d1の間において凹凸部14dに閉じ込められてしまい、これにより第1灯具ユニット20A側への導光が阻止される。
【0054】
したがって、第1灯具ユニット20Aが点灯したとき第1透光領域Zaは明るく光って見えるが、このとき第2透光領域Zbが薄明るく光って見えてしまうことはなく、また、第2灯具ユニット20Bが点灯したとき第2透光領域Zbは明るく光って見えるが、このとき第1透光領域Zaが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0055】
図4は、本実施形態に係る車両用灯具10を、各種点灯モードで示す、
図2と同様の図である。
【0056】
図4(a)に示すように、第1および第2灯具ユニット20A、20Bが非点灯状態にある車両用灯具10は、透光カバー14における中間領域14cの前面14aに形成された第1遮光膜16が黒色で縦長矩形状に見えるとともに、その左右両側に第1および第2灯具ユニット20A、20Bが透光カバー14を透して見える。
【0057】
一方、
図4(b)に示すように、第1および第2灯具ユニット20A、20Bが点灯状態にある車両用灯具10は、第1遮光膜16の左右両側において第1および第2透光領域Za、Zbが明るく光って見える。その際、第1および第2透光領域Za、Zbは、第1および第2光源22A、22Bが高輝度で明るく光って見えるとともに、その周囲において第1および第2リフレクタ24A、24Bの反射面24Aa、24Baが円形形状で明るく光って見える。
【0058】
また、
図4(c)に示すように、第1灯具ユニット20Aのみが点灯状態にある車両用灯具10は、第1透光領域Za(すなわち第1光源22Aならびに第1リフレクタ24Aの反射面24Aa)のみが明るく光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第1灯具ユニット20A側から第2灯具ユニット20Bへの漏光が阻止されているので、第2透光領域Zbが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0059】
同様に、
図4(d)に示すように、第2灯具ユニット20Bのみが点灯状態にある車両用灯具10は、第2透光領域Zb(すなわち第2光源22Bならびに第2リフレクタ24Bの反射面24Ba)のみが明るく光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第2灯具ユニット20Bから第1灯具ユニット20A側への漏光が阻止されているので、第1透光領域Zaが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0060】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0061】
本実施形態に係る車両用灯具10は、ランプボディ12と透光カバー14とで形成される灯室内に第1および第2灯具ユニット20A、20Bが収容されており、かつ、第1および第2灯具ユニット20A、20Bは、第1灯具ユニット20Aからの出射光が透光カバー14を透過する第1透光領域Zaと第2灯具ユニット20Bからの出射光が透光カバー14を透過する第2透光領域Zbとが、所要の間隔をおいた状態で並列に配置された構成となっているが、透光カバー14における第1透光領域Zaと第2透光領域Zbとの間に位置する中間領域14cには、その前面14aに第1遮光膜16が形成されるとともに、その後面14bに凹凸部14dが形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0062】
すなわち、透光カバー14における中間領域14cの前面14aには第1遮光膜16が形成されているので、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方または両方が点灯したとき、透光カバー14の中間領域14cが光って見えてしまわないようにすることができる。
【0063】
また、透光カバー14における中間領域14cの後面14bには凹凸部14dが形成されているので、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方の点灯によって中間領域14cに入射した光を、その後面14bにおいて正反射させないようにし、これにより他方の灯具ユニットの透光領域まで導光されてしまいにくくすることができる。
【0064】
したがって、本実施形態に係る車両用灯具10においては、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方が点灯したとき、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを効果的に抑制することができる。
【0065】
このように本実施形態によれば、灯室内に第1および第2灯具ユニット20A、20Bが収容された車両用灯具10において、その製造コストを抑えた上で見映え向上を図ることができる。
【0066】
その際、実施形態においては、第1遮光膜16の色が濃い色(具体的には黒色)に設定されているので、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方または両方が点灯したとき、透光カバー14の中間領域14cが光って見えてしまわないようにすることが可能となる。
【0067】
しかも本実施形態においては、透光カバー14における中間領域14cの後面14bに第2遮光膜18が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0068】
すなわち、透光カバー14は、その中間領域14cの後面14bに凹凸部14dが形成された構成となっているが、その表面形状によっては、透光カバー14の中間領域14cに入射した光の一部がその後面14bから出射した後、中間領域14cに再入射して他方の灯具ユニットの透光領域まで導光されてしまうような事態が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態のように透光カバー14における中間領域14cの後面14bに第2遮光膜18が形成された構成とすることにより、このような事態が発生してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを一層効果的に抑制することができる。
【0069】
その際、本実施形態においては、凹凸部14dが、上下方向(第1および第2透光領域Za、Zbを結ぶ方向と交差する方向)に延びるように形成された複数の溝部14d1で構成されているので、中間領域14cでの導光を阻止する効果を高めることができる。
【0070】
しかも、各溝部14d1は矩形状の断面形状を有しているので、中間領域14cでの導光を阻止する効果を最大限に高めることができる。
【0071】
本実施形態に係る車両用灯具10は、第1灯具ユニット20Aが第1光源22Aからの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第1リフレクタ24Aを備えているとともに、第2灯具ユニット20Bが第2光源22Bからの出射光を灯具前方へ向けて反射させる第2リフレクタ24Bを備えた構成となっているが、第1リフレクタ24Aと透光カバー14との間には、第1リフレクタ24Aの前端面24Acと透光カバー14の後面14bとの間の隙間を塞ぐように形成された第1パッキング28Aが配置されており、また、第2リフレクタ24Bと透光カバー14との間には、第2リフレクタ24Bの前端面24Bcと透光カバー14の後面14bとの間の隙間を塞ぐように形成された第2パッキング28Bが配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0072】
すなわち、第1リフレクタ24Aと透光カバー14との間から漏れた光が第2透光領域Zbに入射してしまったり、第2リフレクタ24Bと透光カバー14との間から漏れた光が第1透光領域Zaに入射してしまったりするのを未然に防止することができる。そしてこれにより、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方が点灯したとき、他方の灯具ユニットが薄明るく光って見えてしまう現象が発生するのを一層効果的に抑制することができる。
【0073】
上記実施形態においては、凹凸部14dが、上下方向に延びる複数の溝部14d1で構成されており、その各々が横長矩形状の同一形状の水平断面形状で形成されており、かつ、等ピッチで配置されているものとして説明したが、これ以外の断面形状で形成されたものや、そのピッチが変化するように配置されたもの、さらには単一の溝部14d1からなるものとすることも可能である。例えば、ピッチが、中間領域14cの左右方向(Y方向)の幅の増減に応じて変化するように、凹凸部14dが配置された構成とすることも可能である。
【0074】
上記実施形態においては、第1および第2灯具ユニット20A、20Bが、第1および第2光源22A、22Bからの出射光を第1および第2リフレクタ24A、24Bによって灯具前方へ向けて反射させるように構成されているものとして説明したが、第1および第2光源22A、22Bからの出射光をレンズを介してあるいは直射光として灯具前方へ向けて照射するように構成されたものとすることも可能である。
【0075】
上記実施形態においては、第1および第2光源22A、22Bがいずれも白色に発光する発光ダイオードで構成されているものとして説明したが、白色以外の発光色(例えば青色や緑色等)に発光する発光ダイオード等で構成されたものとすることも可能であり、その際、第1および第2光源22A、22Bの発光色を互いに異なったものとすることも可能である。
【0076】
上記実施形態においては、車両用灯具10がアクセサリーランプであるものとして説明したが、それ以外の灯具(例えばテールランプやストップランプあるいはウェルカムランプ等)として構成されたものとすることも可能である。
【0077】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0078】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0079】
図5は、本変形例に係る車両用灯具110の要部を示す、
図3と同様の図である。
【0080】
図5に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光カバー114の構成が上記実施形態の透光カバー14と一部異なっている。
【0081】
すなわち、本変形例の透光カバー114においても、第1透光領域Zaと第2透光領域Zbとの間に位置する中間領域114cには、その後面114bに凹凸部114dが形成されているが、この凹凸部114dが中間領域114cの後面114bにシボ加工を施すことによって構成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0082】
そして、本変形例の透光カバー114には、その中間領域114cの後面114bに上記実施形態のような第2遮光膜18は形成されていない。
【0083】
なお、本変形例の透光カバー114においても、その中間領域114cの前面114aには第1遮光膜16が形成されている。
【0084】
本変形例においては、例えば、第2灯具ユニット20B側から透光カバー114に入射した光が、その前面114aおよび後面114bで全反射を繰り返しながら中間領域114cに導かれて第1灯具ユニット20A側へ向かう際、その後面114bに形成された凹凸部114dに到達すると、この凹凸部14dにおいて散乱光として反射することとなる。
【0085】
そして本変形例においては、このように中間領域114cに導かれた光が後面114bで正反射することなく乱反射することにより、第1灯具ユニット20A側への導光が効果的に抑制されるようになっている。
【0086】
なお、凹凸部14dで反射した散乱光は、中間領域114cの前面114aに形成された第1遮光膜16によって灯具前方側の空間への出射が阻止される。
【0087】
一方、凹凸部14dに到達した光の一部が灯具後方側の空間へ出射するようなことがあったとしても、この出射光が凹凸部14dから中間領域114cに再入射してしまうようなことはない。また、第1および第2リフレクタ24A、24Bと透光カバー14との間には第1および第2パッキング28A、28Bが配置されているので、灯具後方側の空間へ出射した光が第1透光領域Zaや第2透光領域Zbに入射してしまうこともない。
【0088】
なお本変形例においても、透光カバー114における中間領域114cの後面114bに、上記実施形態のような第2遮光膜18が形成された構成とすることも可能である。
【0089】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0090】
図6は、本変形例に係る車両用灯具210の要部を示す、
図1と同様の図である。
【0091】
図6に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光カバー14の前面14aに、第1遮光膜16を覆う有色被膜230が追加形成されている点で上記実施形態と異なっている。
【0092】
具体的には、有色被膜230は、白色の塗装膜で構成されており、透光カバー14の前面14aの全領域にわたって形成されている。その際、有色被膜230の膜厚は、第1および第2透光領域Za、Zbに一定程度の透光性が確保されるような値に設定されている。
【0093】
本変形例に係る車両用灯具210においては、このような有色被膜230が透光カバー14の前面14aに追加形成されていることにより、第1および第2光源22A、22Bからの直射光ならびに第1および第2リフレクタ24A、24Bの反射面24Aa、24Baからの反射光は、透光カバー14を透過する際、その前面14aに形成された有色被膜230によって白色の散乱光として灯具前方へ向けて出射する。
【0094】
図7は、本
変形例に係る車両用灯具210を、各種点灯モードで示す、
図4と同様の図である。
【0095】
図7(a)に示すように、第1および第2灯具ユニット20A、20Bが非点灯状態にある車両用灯具210は、透光カバー14の前面14aの全領域にわたって有色被膜230が形成されているので、その全領域が白色で見える。その際、透光カバー14における中間領域14cの前面14aに形成された第1遮光膜16ならびに第1および第2灯具ユニット20A、20Bは、有色被膜230に隠れているので見えない。
【0096】
一方、
図7(b)に示すように、第1および第2灯具ユニット20A、20Bが点灯状態にある車両用灯具210は、第1遮光膜16の左右両側において第1および第2透光領域Za、Zbが円形形状で光って見える。その際、第1および第2透光領域Za、Zbは、上記実施形態の場合よりも多少暗くなるが略均一な明るさで光って見える。
【0097】
また、
図7(c)に示すように、第1灯具ユニット20Aのみが点灯状態にある車両用灯具210は、第1透光領域Zaのみが略均一な明るさで光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第1灯具ユニット20A側から第2灯具ユニット20Bへの漏光が阻止されているので、第2透光領域Zbが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0098】
同様に、
図7(d)に示すように、第2灯具ユニット20Bのみが点灯状態にある車両用灯具210は、第2透光領域Zbのみが略均一な明るさで光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第2灯具ユニット20Bから第1灯具ユニット20A側への漏光が阻止されているので、第1透光領域Zaが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0099】
本変形例の構成を採用した場合においても、車両用灯具210の製造コストを抑えた上で見映え向上を図ることができる。
【0100】
しかも本変形例においては、透光カバー14の前面14aに形成された有色被膜230によって第1遮光膜16が覆われているので、非点灯時に透光カバー14の一部が第1遮光膜16の色(すなわち黒色)で見えてしまうことなく有色被膜230の色(すなわち白色)で見えるようにすることができ、これにより車両用灯具10の見映え向上を図ることができる。
【0101】
その際、本変形例においては、有色被膜230が、透光カバー14の前面14aの全領域にわたって形成されているので、非点灯時には第1遮光膜16のみならず第1および第2灯具ユニット20A、20Bも見えないようにする一方、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方または両方が点灯したときには、第1および第2透光領域Za、Zbのいずれか一方または両方の部分のみが円形形状で明るく光って見えるようにすることができる。
【0102】
上記第2変形例においては、有色被膜230が白色の塗装膜で構成されているものとして説明したが、白色以外(例えば水色やクリーム色等)の塗装膜で構成されたものとすることも可能である。
【0103】
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
【0104】
図8は、本変形例に係る車両用灯具310を示す、
図4と同様の図である。
【0105】
図8に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2変形例の場合と同様であるが、第1および第2灯具ユニット320A、320Bの構成が上記第2変形例の場合と異なっており、これに伴って第1および第2パッキング328A、328Bの構成も上記第2変形例の場合と異なっている。
【0106】
第1灯具ユニット320Aは、その第1リフレクタ324Aの反射面324Aaが上下2段で形成されており、その各々に対して上記第2変形例と同様の第1光源22Aが配置された構成となっている。
【0107】
各反射面324Aaは、上記第2変形例の反射面24Aaと同様の反射面形状を有しているが、その外形形状が横長矩形状に設定されている。
【0108】
そして、第1リフレクタ324Aと透光カバー14との間には、上記第2変形例の第1パッキング28Aと同様の第1パッキング328Aが配置されているが、この第1パッキング328Aは第1リフレクタ324Aの前端面に沿って矩形環状に延びるように形成されている。
【0109】
第2灯具ユニット320Bも、第1灯具ユニット320Aと同様、その第2リフレクタ324Bの反射面324Baが上下2段で形成されており、その各々に対して上記第2変形例と同様の第2光源22Bが配置された構成となっている。各反射面324Baの構成は、第1リフレクタ324Aの反射面324Aaと同様である。また、第2リフレクタ324Aと透光カバー14との間には、第1パッキング328Aと左右対称形状を有する第2パッキング328Bが配置されている。
【0110】
これにより、本変形例に係る車両用灯具310においては、第1パッキング328Aの内周側に位置する縦長矩形状の領域が、第1灯具ユニット320Aからの出射光が透光カバー14を透過する第1透光領域Zaを構成しており、また、第2パッキング328Bの内周側に位置する縦長矩形状の領域が、第2灯具ユニット320Bからの出射光が透光カバー14を透過する第2透光領域Zbを構成している。
【0111】
図8(a)に示すように、第1および第2灯具ユニット320A、320Bが非点灯状態にある車両用灯具310は、上記第2変形例の場合と同様、透光カバー14の前面14aの全領域にわたって形成された有色被膜230が白色で見え、第1遮光膜16ならびに第1および第2灯具ユニット320A、320Bは見えない。
【0112】
一方、
図8(b)に示すように、第1および第2灯具ユニット320A、320Bが点灯状態にある車両用灯具310は、第1遮光膜16の左右両側において第1および第2透光領域Za、Zbが矩形形状で光って見える。その際、第1および第2透光領域Za、Zbは、略均一な明るさでかつ上記第2変形例の場合よりも明るく光って見える。
【0113】
また、
図8(c)に示すように、第1灯具ユニット320Aのみが点灯状態にある車両用灯具310は、第1透光領域Zaのみが略均一な明るさで光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第1灯具ユニット320A側から第2灯具ユニット320Bへの漏光が阻止されているので、第2透光領域Zbが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0114】
同様に、
図8(d)に示すように、第2灯具ユニット320Bのみが点灯状態にある車両用灯具310は、第2透光領域Zbのみが略均一な明るさで光って見える。その際、透光カバー14の中間領域14cにおいて第2灯具ユニット320Bから第1灯具ユニット320A側への漏光が阻止されているので、第1透光領域Zaが薄明るく光って見えてしまうことはない。
【0115】
本変形例の構成を採用した場合においても、車両用灯具310の製造コストを抑えた上で見映え向上を図ることができる。
【0116】
しかも本変形例においては、第1および第2灯具ユニット320A、320Bの第1および第2リフレクタ324A、324Bが上下2段で形成された反射面324Aa、324Baを備えており、その各々に対して第1および第2光源22A、22Bが配置されているので、第1および第2灯具ユニット20A、20Bのいずれか一方または両方が点灯したときには、第1および第2透光領域Za、Zbのいずれか一方または両方の部分のみが矩形形状で光って見え、その際、略均一な明るさでかつ上記第2変形例の場合よりも明るい状態で光って見えようにすることができる。
【0117】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0118】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0119】
10、110、210、310 車両用灯具
12 ランプボディ
14、114 透光カバー
14a、114a 前面
14b、114b 後面
14c、114c 中間領域
14d、114d 凹凸部
14d1 溝部
16 第1遮光膜
18 第2遮光膜
20A、320A 第1灯具ユニット
20B、320B 第2灯具ユニット
22A 第1光源
22B 第2光源
24A、324A 第1リフレクタ
24Aa、24Ba、324Aa、324Ba 反射面
24Ab、24Bb 後端部
24Ac、24Bc 前端面
24B、324B 第2リフレクタ
26A、26B 支持基板
28A、328A 第1パッキング
28B、328B 第2パッキング
230 有色被膜
Ax 軸線
Za 第1透光領域
Zb 第2透光領域