(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】毛髪用化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240325BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240325BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240325BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20240325BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/41
A61Q5/00
A61Q5/04
A61Q5/12
(21)【出願番号】P 2020116791
(22)【出願日】2020-07-07
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000226161
【氏名又は名称】日華化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】名田 真理
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 亮介
(72)【発明者】
【氏名】喜多野 友梨
(72)【発明者】
【氏名】有村 幸徳
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-285389(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0157202(US,A1)
【文献】特開2003-055171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0263000(US,A1)
【文献】米国特許第9078818(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシメチルシステイン又はその塩、(B)塩基性アミノ酸又はその塩、(C)有機アルカリ剤を含有し、前記(A)成分に対する(B)成分のモル比率[(B)/(A)]が1.02~10.0であり、pHが6.5~9.5であることを特徴とする毛髪用化粧料。
【請求項2】
前記(B)塩基性アミノ酸又はその塩が、リシン又はその塩である請求項1に記載の毛髪用化粧料。
【請求項3】
前記(C)有機アルカリ剤が、アルカノールアミンである請求項1又は2に記載の毛髪用化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正剤は、チオグリコール酸やシステアミン等の還元剤、アンモニアやモノエタノールアミン等のアルカリ剤、過酸化水素等の酸化剤が含まれており、それらの作用により毛髪のクセを矯正する事が出来る。しかし、還元剤やアルカリ剤は毛髪にダメージを与えるため、処理後の毛髪の感触が悪くなり、また、繰り返し施術による断毛等のトラブルが発生する。
そのため、近年では還元剤や酸化剤を使用せずにクセ抑制効果を与える毛髪処理剤が開示されている。特許文献1では、グリオキシル酸とグアニジン塩及び/又は尿素とを含有し、pHが1.0~2.5である毛髪処理剤が提案されている。また、特許文献2では、グリオキシル酸とグルコノラクトン及びエルカラクトンから選択される1種以上とを特定の配合比率で含有し、pHが2.0~3.8の範囲である毛髪処理剤が提案されている。
しかしながら、これらの毛髪処理剤は強い酸性条件で処理するため、毛髪が過度に収斂し、処理後の毛髪の感触が悪くなる。また、ヘアカラーをしている毛髪に対しては、ヘアカラーを褪色させるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-17069号公報
【文献】特開2019-81747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、毛髪のクセ抑制効果に優れ、繰り返し施術を行っても毛髪の柔らかさや指通りが良好であり、ヘアカラーの褪色が少ない毛髪用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、(A)カルボキシメチルシステイン又はその塩、(B)塩基性アミノ酸又はその塩、(C)有機アルカリ剤を含有し、前記(A)成分に対する(B)成分のモル比率[(B)/(A)]が1.02~10.0であり、pHが6.5~9.5であることを特徴とする毛髪用化粧料が、毛髪のクセ抑制効果に優れ、繰り返し施術を行っても毛髪の柔らかさや指通りが良好であり、ヘアカラーの褪色が少ないことを見出した。
本発明において、(B)塩基性アミノ酸又はその塩が、リシン又はその塩であるものは、特に好ましい。
本発明において、(C)有機アルカリ剤が、アルカノールアミンであるものは、特に好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、毛髪のクセ抑制効果に優れ、繰り返し施術を行っても毛髪の柔らかさや指通りが良好であり、ヘアカラーの褪色が少ない毛髪用化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の毛髪用化粧料は、(A)カルボキシメチルシステイン又はその塩(以下「(A
)成分」ということもある)、(B)塩基性アミノ酸又はその塩(以下「(B)成分」ということもある)、(C)有機アルカリ剤(以下「(C)成分」ということもある)を含有し、前記(A)成分に対する(B)成分のモル比率[(B)/(A)]が1.02~10.0であり、pHが6.5~9.5であることを特徴とするものである。
【0008】
(A)カルボキシメチルシステイン又はその塩
カルボキシメチルシステインは、システインのSH基をカルボキシメチル基で保護した構造をもつ化合物である。
カルボキシメチルシステインの塩としては、リシン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩類が挙げられ、リシン塩が好ましい。
(A)成分は、1種を用いてもよいし2種以上を組合せて用いてもよい。
毛髪用化粧料における(A)成分の好ましい配合量は0.01質量%~12.0質量%であり、より好ましい配合量は0.05質量%~12.0質量%であり、さらに好ましい配合量は0.1質量%~12.0質量%である。
前記比率が0.01質量%以上の場合、クセ抑制効果がより良好となり、前記比率が12質量%以下であると製剤の安定性がより良好となる。
【0009】
(B)塩基性アミノ酸又はその塩
塩基性アミノ酸又はその塩は(A)成分との相乗効果により、クセ抑制効果を向上させる。塩基性アミノ酸としては、リシン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられ、リシンであることが好ましい。塩基性アミノ酸の塩としては、塩酸塩、酢酸塩、L-アスパラギン酸塩等が挙げられ、塩酸塩が好ましい。
(B)成分は、1種を用いてもよいし2種以上を組合せて用いてもよい。
(B)成分の配合量は、前記(A)成分に対する(B)成分のモル比率[(B)/(A)]が1.02~10.0となるように配合すればよく、1.1~10.0がより好ましく、1.2~10.0がさらに好ましい。(A)成分に対する(B)成分のモル比率[(B)/(A)]が1.02以上であると(A)成分と(B)成分との相乗効果がより顕著になり、クセ抑制効果、毛髪の柔らかさや指通りなどの毛髪の感触が良好となる。
前記(A)成分に対する(B)成分のモル比率における(B)のモル数は、毛髪用化粧料に含まれる塩基性アミノ酸のモル数の合計であり、例えば、(A)成分の塩として塩基性アミノ酸を含有する場合、(B)のモル数は、(A)成分の塩として含有するモル数と(B)成分として含有する塩基性アミノ酸のモル数との合計である。
例えば、(A)成分のカルボキシメチルシステイン塩基性アミノ酸塩のモル数をa1モル、カルボキシメチルシステイン塩基性アミノ酸塩以外の(A)成分のモル数をa2モル、(B)成分のモル数をbモルとする時、モル比率[(B)/(A)]は、(a1+b)/(a1+a2)で計算される値となる。
【0010】
(C)有機アルカリ剤
有機アルカリ剤はカルボキシメチルシステインとの相乗効果により、クセ抑制効果を向上させる。
有機アルカリ剤としては、アルカノールアミン類、脂肪族アミン類、窒素原子を含有した複素環式化合物が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、エチレンジアミン、ジエチルヘキシルアミン等が挙げられる。
窒素原子を含有した複素環式化合物としては、モルホリン、ナイアシン等が挙げられる。
有機アルカリ剤としては、クセ抑制効果の観点からアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノールがより好ましい
。
毛髪用化粧料における有機アルカリ剤は、毛髪用化粧料のpHが6.5~9.5となるように配合すればよく、 0.01質量%~20質量%が好ましく、0.01質量%~10質量%がより好ましく0.01質量%~5質量%がさらに好ましい。前記配合量が0.01質量%以上の場合、クセ抑制効果が良好となり、前記配合量が20質量%以下であると毛髪ダメージを抑制することができる。
毛髪用化粧料のpHは6.5~9.5であり、7.0~9.5がより好ましい。
【0011】
(D)その他の成分
本発明の毛髪用化粧料は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分以外にも、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の任意添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。
このような成分として、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤または両性界面活性剤などの界面活性剤、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマーまたは両性ポリマーなどの水溶性ポリマー、天然抽出油、高級脂肪酸、炭化水素、エステル油、グリセライド、ワックス、高級アルコール類、脂肪酸アミドまたは各種変性シリコーンオイルなどの油分、コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物、絹加水分解物またはエラスチン加水分解物などの蛋白質加水分解物あるいはその誘導体、さらには保湿剤、低級アルコール、増粘剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、キレート剤、防腐剤、顔料、染料、香料、動物エキス、植物エキスなど、従来用いられている化合物を適宜配合することができる。
【0012】
本発明の毛髪用化粧料の形態としては、毛髪に適用できる剤型であれば特に制限はないが、例えば、シャンプー、リンスオフトリートメント、リーブオントリートメント、多剤式トリートメント、毛髪前後処理剤、スタイリング剤、パーマ剤、染毛剤等を挙げることができる。
毛髪用化粧料は毛髪に塗布した後に洗い流しても、洗い流さなくてもよい。
毛髪用化粧料は1剤式であっても、2剤式以上の多剤式であってもよい。多剤式である場合、例えば、(A)成分を含む化粧料Aと、(B)成分及び(C)成分を含む化粧料BCとの2剤式や、(A)成分を含む化粧料Aと、(B)成分を含む化粧料Bと、(C)成分を含む化粧料Cとの3剤式が挙げられる。簡便性の観点から1剤式であることが好ましい。
【0013】
本発明における毛髪用化粧料の使用量は、特に限定されず、毛髪量、塗布時間、使用形態に合わせて使用量を選択すればよい。例えば、シャンプーやリンスオフトリートメント等の、洗い流して使用する毛髪用化粧料の場合、本発明の毛髪用化粧料を毛髪に対して質量比で0.2倍量~2倍量、好ましくは0.5倍量~1.5倍量塗布し、3分~30分、好ましくは5分~20分放置を行い、洗い流すことが好ましい。
リーブオントリートメント等の洗い流さずに使用する毛髪用化粧料の場合、本発明の毛髪用化粧料を毛髪に対して質量比で0.01倍量~0.2倍量使用することが好ましく、0.01倍量~0.1倍量使用することがより好ましい。
クセ抑制効果の観点から毛髪用化粧料を塗布した後に熱処理を行うことが好ましく、例えば表面温度が140℃~230℃、好ましくは160~ 180℃ の整髪用アイロンで機械力及び熱を加えながら処理する方法が挙げられる。
【実施例】
【0014】
以下に本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。
表1~表5に記載した処方に従い、実施例1~22及び比較例1~13のリンスオフトリートメント、実施例23~34及び比較例14~21のリーブオントリートメントを調
製した。
なお表中の数値は質量%を示し、水の残部とは全量を100質量%とするのに要する量である。
表中のモル比率[(B)/(A)]について説明すると、例えば実施例1においては、(A)成分としてカルボキシメチルシステイン(分子量:179.19)を0.01質量%と(B)成分としてリシン(分子量:146.19)を0.01質量%含有しているが、この場合、毛髪用化粧料100g中における(A)成分のモル数は、0.01/179.19=0.0000558モル、(B)成分のモル数は、0.01/146.19=0.0000684モルとなるため、モル比率[(B)/(A)]は1.226となる。
同様に、実施例4においては、(A)成分としてカルボキシメチルシステインリシンを(分子量:325.38)5質量%と(B)成分としてリシンを0.5質量%含有しているが、この場合、毛髪用化粧料100g中における(A)成分のモル数は、5/325.38=0.01537モル、(B)成分のモル数は、カルボキシメチルシステインリシン由来のモル数とリシン由来のモル数との合計、すなわち(5/325.38)+(0.5/146.19)=0.01879モルとなるため、モル比率[(B)/(A)]は1.223となる。
【0015】
表中の成分は以下の通りである。
(1)ベヘントリモニウムクロリド:ドコシルトリメチルアンモニウムクロリド
(2)ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド:オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド
(3)ジメチコン:高重合ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度20000~60000mPa・s)
(4)アモジメチコン:アミノ変性シリコーンオイル(25℃における粘度50000~100000mPa・m、アミノ基含有量0.25~0.35質量%)
【0016】
<クセ抑制効果の評価方法>
(1)評価用毛束の作成
自然に垂下した際に波の山が3つできる人毛毛束(約20cm、約0.5g)を、10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄し乾燥させ、評価用毛束を作成した。(2)リンスオフトリートメントの性能評価試験
評価用毛束に実施例1~22及び比較例1~13のリンスオフトリートメントを0.7g塗布し、32℃で15分放置した。その後、毛髪をぬるま湯ですすぎ、毛髪用化粧料を毛髪から洗い流した。水洗後、水分をタオルで拭き取った後に、ヘアドライヤーで乾燥させた。さらに、約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばした。その後、10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液を用いて毛髪を洗浄し乾燥させ、クセ抑制効果を評価した。
(3)リーブオントリートメントの性能評価試験
評価用毛束に実施例23~34及び比較例14~21のリーブオントリートメントを0.03g塗布し、約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばした。その後、10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液を用いて毛髪を洗浄し乾燥させ、クセ抑制効果を評価した。
(4)評価基準
評価は、10名の専門パネルによる官能評価により行った。具体的には、毛髪用化粧料を使用する前後の評価用毛束の状態を比較し、以下に示す評価点基準に従い各専門パネルが採点した。
以下の総合評価基準に従い、得られた評価点の合計値からクセ抑制効果を評価した。
【0017】
[評価点基準]
5点:クセ抑制効果が非常に強くクセが無くなっている、4点:クセ抑制効果が強くクセ
がほぼ無くなっている、3点:クセ抑制効果があるが弱くクセが残っている、2点:クセ抑制効果が弱く中程度のクセが残っている、1点:クセの抑制効果がなく強くクセが残っている。
[試験項目の総合評価基準]
評価5:点数の合計が40点以上
評価4:点数の合計が32点以上40点未満
評価3:点数の合計が24点以上32点未満
評価2:点数の合計が16点以上24点未満
評価1:点数の合計が16点未満
【0018】
<毛髪の柔らかさ及び指通りの評価方法>
(1)評価用ウィッグの作成
ウィッグ(トリプル・カット;レジーナ社製)を必要数用意し、これらの毛髪に、日華化学社製「トレニージョ パウダーブリーチ(商品名)」、「トレニージョ OX-6.0(商品名)」を1:3の質量比で用事調製したもの160gを塗布し、32℃で30分加温し毛髪のブリーチ処理を行った。その後、10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液を用いてウィッグの毛髪を洗浄し乾燥させ、評価用ウィッグを作製した。
(2)リンスオフトリートメントの性能評価試験
評価用ウィッグに、実施例1~22及び比較例1~13のリンスオフトリートメントを60g塗布し、32℃で15分放置した。その後、毛髪をぬるま湯ですすぎ、毛髪用化粧料を毛髪から洗い流した。水洗後、水分をタオルで拭き取った後に、ヘアドライヤーで乾燥させた。さらに、約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばし、初回処理後の毛髪の柔らかさ及び毛髪の指通りを評価した。また、さらにこの処理を4回繰り返して行い、5回処理後の毛髪の柔らかさ及び毛髪の指通りを評価した。
(3)リーブオントリートメントの性能評価試験
評価用ウィッグに、実施例23~34及び比較例14~21のリーブオントリートメントを2g塗布し、約180℃ に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばし、初回処理後の毛髪のやわらかさ、毛髪の指通りを評価した。また、さらにこの処理を4回繰り返して行い、5回処理後の毛髪の柔らかさ及び毛髪の指通りを評価した。
(4)評価基準
評価は、10名の専門パネルによる官能評価により行った。具体的には、以下に示す評価点基準に従い各専門パネルが採点し、以下の総合評価基準に従い、得られた評価点の合計値から毛髪の柔らかさ及び毛髪の指通りをそれぞれ評価した。
【0019】
[評価点基準]
5点;非常によい、4点;よい、3点;普通、2点;悪い、1点;非常に悪い。
[試験項目の総合評価基準]
評価5:点数の合計が40点以上
評価4:点数の合計が32点以上40点未満
評価3:点数の合計が24点以上32点未満
評価2:点数の合計が16点以上24点未満
評価1:点数の合計が16点未満
【0020】
<ヘアカラーの褪色抑制効果の評価方法>
(1)評価用毛束の作成
ヤク毛毛束(約1.0g、マタイジャパン社製)を必要数用意し、日華化学社製「アソート アリア C C-8/BA(商品名)」、「アソート アリア C OX-6.0(商品名) 」を1:1の質量比で用事調製したもの1.5gを塗布し、32℃で30分加温
し毛髪の染色を実施した。その後、10質量%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄し乾燥させ、評価用毛束を作製した。
(2)リンスオフトリートメントの性能評価試験
評価用毛束に、実施例1~22及び比較例1~13のリンスオフトリートメントを1.5g塗布し、32℃で15分放置した。その後、毛髪をぬるま湯ですすぎ、毛髪用化粧料を毛髪から洗い流した。水洗後、水分をタオルで拭き取った後に、ヘアドライヤーで乾燥させた。さらに、約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばし、初回処理後における、ヘアカラーの褪色抑制効果を評価した。
(3)リーブオントリートメントの性能評価試験
評価用毛束に、実施例23~34及び比較例14~21のリーブオントリートメントを0.05g塗布し、約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばし、初回処理後における、ヘアカラー褪色抑制効果を評価した。
(4)評価基準
評価は、毛髪用化粧料の使用前後における評価用毛束の色の明度(L値)を測定することにより行った。具体的には、実施例又は比較例の毛髪用化粧料で処理した評価用毛束のL値を分光色彩計(SD 7000、日本電色工業株式会社製)で測定し、毛髪化粧料を使用する前の評価用毛束のL値との差を以下に示す評価基準に従い採点し、ヘアカラーの褪色抑制効果を評価した。
【0021】
[ 試験項目の評価基準]
評価5:L値の差が3未満
評価4:L値の差が3以上6未満
評価3:L値の差が6以上9未満
評価2:L値の差が9以上12未満
評価1:L値の差が12以上
【0022】
上記の各実施例により、本発明の毛髪用化粧料は、毛髪のクセ抑制効果に優れ、繰り返し施術を行っても毛髪の柔らかさや指通りが良好であり、ヘアカラーの褪色が少ないことが確認できた。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】