(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】カメラデバイス
(51)【国際特許分類】
G03B 17/04 20210101AFI20240325BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240325BHJP
G02B 7/10 20210101ALI20240325BHJP
【FI】
G03B17/04
G02B7/04 Z
G02B7/10 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020152508
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルンドブラッド, セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ボクヴィスト, マルテ
(72)【発明者】
【氏名】ダネリウス, ヨンス
(72)【発明者】
【氏名】ショベック, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】パーソン, フレドリック
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-206592(JP,A)
【文献】特開平09-211532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0348607(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0107098(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037050(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/04
G02B 7/04
G02B 7/10
G03B 15/02
G03B 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラデバイス(100)であって、
互いに着脱自在に接続可能な光学部品ユニット(102)およびセンサユニット(106)と、
前記光学部品ユニット(102)に着脱自在に接続可能な電子アクセサリ(104)とを備え、
前記光学部品ユニット(102)は光学部品ユニットコネクタ(108)を備え、前記光学部品ユニットコネクタ(108)は、カメラデバイス(100)の組み立てられた状態で、それぞれ前記電子アクセサリ(104)
の電子アクセサリコネクタ(110)に位置合わせされかつ接触状態になり、それにより、前記光学部品ユニット(102)を介して前記電子アクセサリ(104)と前記センサユニット(106)との間の電気接続を形成し、
前記光学部品ユニットコネクタ(108)および前
記電子アクセサリコネクタ(110)は、電力伝達のために配置された少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタ(108a)およ
び電子アクセサリコネクタ(110a)からなる第1の群、および、信号伝達のために配置された少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタ(108b)およ
び電子アクセサリコネクタ(110b)からなる第2の群を形成し、
前記電子アクセサリ(104)
は、回転軸の周囲に回転させることで、ねじ込み式継手によって前記光学部品ユニット(102)に着脱自在に接続可能であり、
カメラデバイス(100)の前記組み立てられた状態で、前記第1の群は前記回転軸から第1の半径方向距離(R1)に配置され、前記第2の群は前記回転軸から第2の半径方向距離(R2)に配置され、前記第1の半径方向距離は前記第2の半径方向距離と異なり、
前記第1の半径方向距離(R1)は前記第1の群によって単独で占有され、
前記第2の半径方向距離(R2)は前記第2の群によって単独で占有される、カメラデバイス(100)。
【請求項2】
前記ねじ込み式継手は、レンズ配置構成を支持する前記光学部品ユニット(102)の突出セクション上に設けられた雄ねじ、および、前記電子アクセサリ(104)の円筒体内に設けられた対応する雌ねじを備える、請求項1に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項3】
前記電子アクセサリ(104)は、
非光学アクセサリであり、前記非光学アクセサリは、電磁石、オーディオユニット、光ユニット、レーダーユニット、または検出器ユニット
である、請求項1または2に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項4】
前記光学部品ユニット(102)はバリフォーカルレンズ部材を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項5】
前記電子アクセサリ(104)は、前記バリフォーカルレンズ部材を制御するためのアクチュエータを備える、請求項4に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項6】
光学部品ユニットコネクタ(108)およ
び電子アクセサリコネクタ(110)の少なくとも1つの対内の前記光学部品ユニットコネクタ(108)および前
記電子アクセサリコネクタ(110)の少なくとも一方は
前記回転軸の円周方向
に延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項7】
前記第1および第2の群の少なくとも一方は、光学部品ユニットコネクタ(108)およ
び電子アクセサリコネクタ(110)の1つの対のみを備え、前記1つの対内で、前記光学部品ユニットコネクタ(108)または前
記電子アクセサリコネクタ(110)は
前記回転軸の円周方向に環状
に延在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項8】
それぞれの光学部品ユニットコネクタ(108)は、前記光学部品ユニットコネクタ(108)が、
前記電子アクセサリコネクタ(110)に位置合わせされかつ接触状態になることに応答して、前記センサユニット(106)に係合するように配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項9】
前記電子アクセサリ(104)は、前記光学部品ユニット(102)に接続されると、前記ねじ込み式継手によって端位置まで可動であり、前記光学部品ユニットコネクタ(108)は、前記電子アクセサリ(104)が前記端位置内に配置されると、前
記電子アクセサリコネクタ(110)に位置合わせされかつ接触状態になる、請求項1から8のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【請求項10】
前記第1の群は、接地用の光学部品ユニットコネクタ(108)および接地用
の電子アクセサリコネクタ(110)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のカメラデバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラデバイスに関する。特に、本発明は、電子アクセサリを備えるカメラデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークカメラなどのモジュール式カメラは、多くの異なる状況で、室内と室外の両方で使用することができる。モジュール式カメラの多用途性は、モジュール式カメラの費用効果的な生産についての需要の増加をもたらした。この需要を満たすために、モジュール式カメラの構成要素についてのコストだけでなく、モジュール式カメラの組み立てに関連するコストも低減することが望ましい。このタイプのカメラの機能を改善することも望ましい。
【0003】
さらに、モジュール式カメラは、異なる環境でまた異なる目的で使用することができる。高品質画像を得るために、アクセサリは、モジュール式カメラのカメラユニットに付加され、それは、カメラユニットのかさ高性を増加させる可能性がある。
【0004】
モジュール式カメラは、普通、2つの別個の部分;カメラユニットおよびケーブルを介してカメラユニットに接続された主ユニットを備える。
【0005】
カメラユニットは、センサユニット、および、センサユニットによって着脱自在に支持された光学部品ユニットを備える。画像センサは、センサユニット内に配置することができる。カメラユニットは、極めて小さく、10~50mmの範囲内の長さおよび10~50mmの範囲内の直径を有することができる。
【0006】
主ユニットは、画像処理およびネットワーク通信のために配置することができ、センサユニットと別個に配置することができる。
【0007】
こうして、モジュール式カメラのカメラユニットは幾つかの構成要素を備え、カメラユニットの組み立ては、複雑で時間がかかり費用がかかる場合がある複数のステップを必要とする。さらに、組み立て体は、高い精度を必要とする。モジュール式カメラのカメラユニット内での構成要素の相対的位置のわずかの偏位(deviation)は、例えば、ミスアライメント(misalignment)をもたらし、モジュール式カメラの性能を低下させる場合がある。センサユニット内での光学部品ユニットの適切なアライメントは特に重要であり、なぜならば、わずかな偏位が、モジュール式カメラによって達成される画像品質を著しく低下させる場合があるからである。
【発明の概要】
【0008】
上記で述べたことを考慮して、本発明の目的は、上記で論じた問題の少なくとも幾つかを軽減するカメラデバイスを提供することである。
【0009】
上記目的また同様に以下の説明から明らかになるであろう他の目的の少なくとも1つを達成するために、請求項1に規定される特徴を有するカメラデバイスが、本発明に従って提供される。デバイスの好ましい実施形態は従属請求項から明らかになるであろう。
【0010】
より具体的には、カメラデバイスが本発明に従って提供され、カメラデバイスは、互いに着脱自在に接続可能な光学部品ユニットおよびセンサユニットと、回転軸に関連するねじ込み式継手(threaded fitting)によって光学部品ユニットに着脱自在に接続可能な電子アクセサリとを備える。光学部品ユニットは光学部品ユニットコネクタを備え、光学部品ユニットコネクタは、カメラデバイスの組み立てられた状態で、それぞれ電子アクセサリの関連する電子アクセサリコネクタに位置合わせ(align)されかつ接触状態になり、それにより、光学部品ユニットを介して電子アクセサリとセンサユニットとの間の電気接続を形成する。光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタは、電力伝達のために配置された少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタからなる第1の群、および、信号伝達のために配置された少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタからなる第2の群を形成する。カメラデバイスの組み立てられた状態で、第1の群は回転軸から第1の半径方向距離に配置され、第2の群は回転軸から第2の半径方向距離に配置され、第1の距離は第2の距離と異なる。第1の半径方向距離は第1の群によって単独で占有され、第2の半径方向距離は第2の群によって単独で占有される。
【0011】
提供されるカメラの利点は、ケーブルを必要とすることなくアクセサリをカメラに付加することができることである。こうして、よりコンパクトなカメラ配置構成が提供される。提供されるカメラデバイスは、異なる目的で異なるアクセサリを備えることができる。こうして、カメラの利用可能な使用分野が増加することができる。提供されるカメラについての別の利点は、カメラのメンテナンスが費用効率的にされる可能性があることである。電子アクセサリは、単純な方法でかつカメラ配置構成全体を変更する必要性が全くない状況についての必要性に基づいて交換することができる。コネクタの第1の群が電力伝達のために配置され、コネクタの第2の群が信号伝達のために配置されかつ異なる半径方向距離に配置されることによって、カメラデバイスは、短絡のリスクを低減した状態で組み立てることができる。こうして、フェイルセーフ組み立てを可能にするカメラデバイスが提供される。コネクタの第1の群および第2の群が回転軸から異なる半径方向距離にあることはいずれの短絡のリスクもなくすことができる。光学部品ユニットコネクタおよび電子アクセサリコネクタは、コネクタの第1の群に属する任意のコネクタが、コネクタの第2の群の任意のコネクタに係合することを防止するように配置される。
【0012】
光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタは、電子アクセサリとセンサユニットとの間の電力伝達または信号伝達のために配置することができる。
【0013】
電子アクセサリは、カメラデバイスにかさ高性を付加することなく、光学部品ユニットに容易に接続することができ、本発明は、こうして、モジュール式カメラなどの小さいカメラデバイスに特に適する。ねじ込み式継手は、レンズ配置構成を支持する光学部品ユニットの突出セクション上に設けられた雄ねじ、および、電子アクセサリの円筒体内に設けられた対応する雌ねじを備えることができる。こうして、電子アクセサリは、電子アクセサリを光学部品ユニット上でねじ込むことによって光学部品ユニットに接続することができる。これは、カメラデバイスの組み立てを容易にすることができる。
【0014】
電子アクセサリは非光学アクセサリとすることができる。非光学アクセサリは、電磁石、オーディオユニット、光ユニット、レーダーユニット、または検出器ユニットとすることができる。これは、カメラデバイスの機能が増すことができるため有益である場合がある。電磁石は、鋼板などの適した支持構造上にカメラデバイスを搭載するために使用することができる。例えばオーディオユニットを付加することによって、カメラデバイスは、カメラデバイスのかさ高性を付加することなく、ビデオと音の両方を取り込むことができる。オーディオユニットは、例として、スピーカまたはマイクロフォンとすることができる。光ユニットを付加することによって、カメラデバイスは、より暗い環境で使用することができる。光ユニットは、例として、光を放出または受信するように配置することができる。光ユニットは、可視光か、IR光か、UV光か、またはレーザーの形態の光を受信または放出するように配置することができる。レーダーユニットを付加することによって、カメラデバイスは、取り込まれる画像内に存在するものまでの距離を決定することができる。検出器ユニットは、例として、カメラデバイスの視野内の煙または振動を検出するように配置することができる。
【0015】
したがって、利点は、単純な方法で機能を付加し除去することができるより多用途性のあるカメラである。
【0016】
光学部品ユニットはバリフォーカルレンズ部材を備えることができる。こうして、機能拡張のための付加アクセサリを有しながら、費用効率的な方法でズームインしズームアウトする能力を有するカメラデバイスを提供することができる。バリフォーカルレンズ部材は、固定焦点レンズより大きい視野を有することができ、それは、モニタリングカメラにとって有益である場合がある。バリフォーカルレンズ部材は、カメラデバイスの取り込まれる画像の品質を改善することができる。
【0017】
電子アクセサリは、バリフォーカルレンズ部材を制御するためのアクチュエータを備えることができる。アクチュエータは、カメラデバイスの使用の柔軟性および容易さを改善することができる。アクチュエータは、カメラデバイスがモニタリングカメラであるときに使用するのが有益である場合がある。アクチュエータは、カメラがアクティブであるときに自動的にズームインしズームアウトするように配置することができる。
【0018】
光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタの少なくとも1つの対内の光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタの少なくとも一方は周方向拡張部(circumferential extension)を有する。これは、電子アクセサリユニットが光学部品ユニットに接続されるときに光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタが位置ずれする(misalign)リスクを低減することができる。周方向拡張部は、組み立てるのが簡単であるレンズ配置構成を有するカメラデバイスを提供することができる。
【0019】
第1および第2の群の少なくとも一方は、光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタの1つの対のみを備えることができ、その1つの対内で、光学部品ユニットコネクタまたは関連する電子アクセサリコネクタは環状拡張部を有することができる。
【0020】
それぞれの光学部品ユニットコネクタは、光学部品ユニットコネクタが、関連する電子アクセサリコネクタに位置合わせされかつ接触状態になることに応答して、センサユニットに係合するように配置することができる。それにより、電子アクセサリは、光学部品ユニットに接続されると、光学部品ユニットを介してセンサユニットに電気結合することができる。
【0021】
電子アクセサリは、光学部品ユニットに接続されると、ねじ込み式継手によって端位置まで可動であることができ、光学部品ユニットコネクタは、電子アクセサリが端位置内に配置されると、関連する電子アクセサリコネクタに位置合わせされかつ接触状態になる。こうして、電子アクセサリは、光学部品ユニット上でねじ込まれ、それにより、機能を確保した状態でカメラデバイスを組み立てる単純なプロシージャを提供することができる。
【0022】
第1の群は、接地用の光学部品ユニットコネクタおよび接地用の関連する電子アクセサリコネクタを備えることができる。
【0023】
概して、特許請求項で使用される全ての用語は、本明細書で別段に明示的に規定されない限り、技術分野におけるその普通の意味に従って解釈される。1つの(a)/1つの(an)/その(the)[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなど]に対する全ての参照は、別段に明示的に述べられない限り、上記要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを参照していると公然と解釈される。本明細書で開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される厳密な順序で実施される必要はない。
【0024】
本発明の上記のならびにさらなる目的、特徴、および利点は、同じ参照符号が同様の要素のために使用されることになる添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の例証的でかつ非制限的な以下の詳細な説明を通してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】
図1Aに示すカメラデバイスの電子アクセサリユニットの斜視図である。
【
図3A】
図1Aに示すカメラデバイスの電子アクセサリの斜視図である。
【
図3B】
図1Aに示すカメラデバイスの電子アクセサリの斜視図である。
【
図4】
図1Aに示すカメラデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ここで、現在のところ好ましい本発明の実施形態が示される添付図面を参照して以降でより完全に述べられるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない;むしろ、これらの実施形態は、徹底さおよび完全さ(thoroughness and completeness)のために提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。
【0027】
カメラデバイスは、以下で、
図1A~1B、
図2、
図3A~3B、および
図4を参照して述べられるであろう。
【0028】
図1Aはカメラデバイス100を示し、
図1Bはカメラデバイス100を分解図で示す。カメラデバイス100は、光学部品ユニット102、センサユニット106、および電子アクセサリ104を備える。カメラデバイス100は光学軸OAを有する。
【0029】
カメラデバイス100は、例えばケーブルを介してセンサユニット106に接続される処理ユニット(示さず)を備えるモジュール式カメラである。光学部品ユニット102、センサユニット106、および電子アクセサリ104は、そのような場合、処理ユニットに接続される1つのユニットとして形成することができる。
【0030】
カメラデバイス100は、固定焦点または自動焦点カメラとすることができる。モジュール式カメラは監視/モニタリングのために適合することができる。
【0031】
光学部品ユニット102およびセンサユニット106は、互いに着脱自在に接続される。さらに、電子アクセサリ104は、ねじ込み式継手によって光学部品ユニット102に着脱自在に接続される。ねじ込み式継手は回転軸に関連する。回転軸はカメラデバイス100の光学軸OAに一致することができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、カメラデバイス100はシール(示さず)をさらに備える。シールは、電子アクセサリ104と光学部品ユニット102との間に配置されて、カメラデバイス100の組み立てられた状態での環境シールを提供し、水分、埃、および同様なものから電気接続を保護することができる。
【0033】
図1Bに示す光学部品ユニット102の実施形態から明らかであるように、光学部品ユニット102は、雄ねじを備える突出セクションを備えることができる。光学部品ユニット102の突出セクションは、そのセクション内に配置されたレンズ配置構成を支持するように配置することができる。相応して、電子アクセサリ104は、
図1Bおよび
図2に示すように、電子アクセサリ104の円筒体内に設けられた雌ねじを備えることができる。こうして、光学部品ユニット102の雄ねじおよび電子アクセサリ104の雌ねじは、光学部品ユニット102を電子アクセサリ104に着脱自在に接続するためのねじ込み式継手を形成することができる。
【0034】
光学部品ユニット102は光学部品ユニットコネクタ108を備える。光学部品ユニットコネクタ108は、電子アクセサリ104に含まれる関連する電子アクセサリコネクタ110を有する。カメラデバイス100が組み立てられた状態にあるとき、光学部品ユニットコネクタ108のそれぞれは、関連する電子アクセサリコネクタ110に位置合わせされかつ接触状態にある。アライメントは、ねじ込み式継手によって達成される。
【0035】
光学部品ユニットコネクタ108は、ばね式ピンを備えることができる。ばね式ピンは、例として、ポゴピン(pogo pin)とすることができる。ばね式ピンは、カメラデバイス100にコンパクトな電気接続を提供して、センサユニット106と電子アクセサリ104との間で信号または電力を伝達することができる。こうして、カメラデバイス100は、外部または内部ケーブルを全く必要としないコンパクトな方法でアクセサリを保持することができる。
【0036】
電子アクセサリ104が光学部品ユニット102上でねじ込まれると、ばね式ピンは、ばね(示さず)の動作に抗して変位することができ、それにより、センサユニット106との電気接続が形成される。ばね式ピンは、厳しい環境においても、カメラデバイス100に確実な電気接続をさらに提供することができる。
【0037】
光学部品ユニットコネクタ108を関連する電子アクセサリコネクタ110に位置合わせすることによって、電気接続は、光学部品ユニット102を介して電子アクセサリ104とセンサユニット106との間に形成され、その電気接続は、カメラデバイス100の断面図を示す
図4に詳細に示される。示す図において、2つの電子アクセサリコネクタ110a、110bはそれぞれ、2つの対応する光学部品ユニットコネクタ108a、108bに位置合わせされかつ接触状態になる。光学部品ユニットコネクタは、ポゴピンタイプであり、関連する電子アクセサリコネクタ110との接触に応答して押し下げられ、それにより、各ポゴピンの対向端は、センサユニット106のプリント回路基板404の接触ポイントと係合させられる。こうして、ポゴピンがプリント回路基板404に係合すると、電子アクセサリ110とセンサユニット106との間の電気接続が確立される。電気接続は、プリント回路基板404と電子アクセサリとの間の信号、例えば、オーディオ信号または画像に関するデータを伝達することができる。プリント回路基板404の接触ポイントは、電気信号を伝達するための電気パッドとすることができる。
【0038】
示す実施形態において、プリント回路基板404は、光学部品ユニット102のレンズ部材406に位置合わせした画像センサ402を備える。
【0039】
光学部品ユニットコネクタ108および関連する電子アクセサリコネクタ110は、電力伝達のために配置されたコネクタの第1の群108a、110aを形成する。光学部品ユニットコネクタ108および関連する電子アクセサリコネクタ110は、信号伝達のために配置されたコネクタの第2の群108b、110bをさらに形成する。第1の群108a、110aは、少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタ108および関連する電子アクセサリコネクタ110からなる。第2の群108b、110bは、少なくとも1つの光学部品ユニットコネクタ108および関連する電子アクセサリコネクタ110からなる。
【0040】
図4に見られるように、カメラデバイス100の組み立てられた状態で、第1の群108a、110aは、回転軸から第1の半径方向距離R1に配置され、第2の群108b、110bは、回転軸から第2の半径方向距離R2に配置される。第1の半径方向距離R1は第2の半径方向距離R2と異なる。異なる半径方向距離R1、R2は、カメラデバイス100の電気接続を短絡させるリスクを低減するために異なる。第1の半径方向距離R1は第1の群108a、110aによって単独で占有される。第2の半径方向距離は第2の群108b、110bによって単独で占有される。
【0041】
上述したように、コネクタの第1の群108a、110aは電力伝達のために配置することができる。第1の群108a、110aのコネクタは、第2の群108b、110bのコネクタが配置される第2の半径方向距離R2と異なる第1の半径方向距離R1に配置される。こうして、第1の群108a、110aのコネクタは、組み立て中に、第2の群108b、110bのコネクタに係合することができず、それにより、電子アクセサリがねじ込み式継手によって光学部品ユニットに接続されると、短絡のリスクがなくなるまたは少なくとも実質的に減少する。
【0042】
電子アクセサリ104は非光学アクセサリとすることができる。非光学アクセサリは、電磁石、オーディオユニット、光ユニット、レーダーユニット、または検出器ユニットとすることができる。オーディオユニットは、スピーカまたはマイクロフォンとすることができる。オーディオユニットは、音を受信または放出するように配置することができる。オーディオユニットは、カメラデバイス100の機能を改善することができ、カメラデバイス100がモニタリングカメラである場合、環境の音を記録することも有益である場合がある。電子アクセサリ104が光ユニットであるとき、カメラデバイス100は、より暗い環境で使用するのに適するように配置することができる。光ユニットは、可視光か、IR光か、UV光か、またはレーザーを受信または放出するために配置することができる。検出器ユニットは、例えば、煙または振動を検出するように配置することができる。煙を検出するための検出器ユニットは、カメラデバイス100の環境内に火炎または他の煙が存在しているという信号を送信することができるため、有益である場合がある。
【0043】
電子アクセサリユニット102が電磁石であるとき、電磁石は、カメラデバイス100の締結または搭載のために配置することができる。
【0044】
電子アクセサリ104は1つまたは複数のアクセサリを備えることができる。そのような場合、電子アクセサリ104と光学部品ユニット102との間の信号伝達は、従来の信号技法に従って構成することができる。例として、電子アクセサリ104はスピーカおよびオーディオ収集器を備えることができる。別の例において、電子アクセサリ104はIRユニットおよびLEDユニットを備えることができる。
【0045】
電気接続を通して設けられる1つまたは複数のアクセサリに対する電力は、センサユニット106によって供給することができる。電力量は、カメラデバイス100の過熱を回避するために制御される。
【0046】
幾つかの実施形態において、第1の群は、接地用の光学部品ユニットコネクタ108および接地用の関連する電子アクセサリコネクタ110を備えることができる。
【0047】
光学部品ユニット102によって支持されるレンズ配置構成は、バリフォーカルレンズ部材を備えることができる。バリフォーカルレンズ部材は、異なるズーム距離を有することができ、したがって、カメラ用の視野を調整することができる。幾つかの実施形態において、電子アクセサリ104はアクチュエータを備えることができる。アクチュエータは、バリフォーカルレンズ部材を制御するように構成することができる。
【0048】
カメラデバイスの幾つかの実施形態において、光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタの少なくとも1つの対内の光学部品ユニットコネクタおよび関連する電子アクセサリコネクタの少なくとも一方は周方向拡張部を有する。
【0049】
図3Aは電子アクセサリ104の実施形態を示す。示す実施形態において、電子アクセサリコネクタ110は周方向拡張部を有する。こうして、電子アクセサリ104が光学部品ユニット上でねじ込まれると、光学部品ユニットコネクタ108およびそれぞれの電子アクセサリコネクタ110を位置ずれさせるリスクがより低い。ミスアライメントのリスクは、光学部品ユニット102に対する電子アクセサリ104の位置決めについてのより高い公差をカメラデバイス100に提供する周方向拡張部によって低減される。有利には、相対的な位置決めに影響を及ぼすねじ込み式継手の任意の摩耗が存在する場合、光学部品ユニットコネクタ108は、カメラデバイス100が組み立てられると、関連する電子アクセサリコネクタ110とやはり接触するであろう。
【0050】
幾つかの実施形態において、第1および/または第2の群は、光学部品ユニットコネクタ108および関連する電子アクセサリコネクタ110の一対のみを備えることができる。そのような実施形態において、光学部品ユニットコネクタ108または関連する電子アクセサリコネクタ110は環状拡張部を有し、それにより、組み立て中にコネクタの位置合わせをさらに容易にすることができる。この構成は、光学部品ユニット102に対する電子アクセサリ104の可変の位置決めを可能にする。コネクタ108/110の環状拡張部によって、電子アクセサリ104および光学部品ユニット102が互いに取り付けられるときの相対的位置によらず、コネクタ間の接続が行われるであろう。
【0051】
示すおよび/または上記で論じたもの以外の形態のコネクタも実現可能である。非制限的な例は半環状拡張部を含む。
【0052】
電子アクセサリ104は、光学部品ユニット102に接続されると、ねじ込み式継手によって端位置まで可動であることができる。端位置は、光学部品ユニットコネクタ108が、それぞれの関連する電子アクセサリコネクタ110に位置合わせされかつ接触状態になるときの位置に対応することができる。電子アクセサリ104が端位置に達すると、ばね式ピンを、完全圧縮に達するように配置することができる。
【0053】
幾つかの実施形態において、電子アクセサリ104は、第1および第2の端位置までそれぞれ可動とすることができる。これは、従来の二条ねじ(double thread)として構成されるねじ込み式継手のねじによって可能になる。二条ねじは、光学部品ユニットまたは電子アクセサリユニット上に配置することができる。これは、電子アクセサリ104または光学部品ユニット102が、同じタイプの信号コネクタまたは電力/接地コネクタについて一対のコネクタを備えることを可能にすることができる。
【0054】
そのような場合、どのエントリ(entry)が継手のために使用されるかに応じて、同じ光学部品ユニットコネクタ108に接続することができる2つの異なる電子アクセサリコネクタ110が存在する。その例において、2つの電子アクセサリコネクタ110は、それぞれの第1の端位置およびそれぞれの第2の端位置に配置される。二条ねじの第1のねじで電子アクセサリ104のねじ込みを開始することによって第1の端位置に達する。二条ねじの第2のねじで電子アクセサリ104のねじ込みを開始することによって第2の端位置に達する。こうして、電子アクセサリ104は、異なる電子アクセサリコネクタ110のセットを備えることができ、電子アクセサリ104の使用法を、二条ねじのどのねじでねじ込みが開始するかに基づいて決定することができる。二条ねじの使用法を容易にするために、第1および第2のねじはそれぞれ、どのねじによってどの端位置に達することになるかを示すマーキングを有することができる。
【0055】
アクセサリユニット104が端位置に達し、光学部品ユニット102に電気接続されると、光学部品ユニット12は、センサユニット106に係合するように配置される。光学部品ユニットコネクタ108のそれぞれは、関連する電子アクセサリコネクタ110に位置合わせされかつ接触状態になることに応答してセンサユニット6に係合するように配置される。そのような接続によって、電子アクセサリ104は、外部ケーブルについての必要性がない単純な組み立てによって、センサユニット106に電気接続することができる。その結果、改善された機能を有するコンパクトなカメラデバイス100が提供される。
【0056】
示す実施形態に本発明が限定されないことが認識されるであろう。そのため、幾つかの修正形態および変形形態が、添付特許請求項によってこうして排他的に規定される本発明の範囲内で考えられる。
【0057】
さらに、開示される実施形態に対する変形形態を、図面、開示、および添付特許請求項の調査から、特許請求される発明を実施するときに当業者が理解しもたらす(effect)ことができる。請求項において、語「備える(comprising」」は他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を排除しない。或る手段が、互いに異なる従属請求項で挙げられるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用することができないことを示さない。