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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】袋供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/22 20060101AFI20240325BHJP
   B65B 43/18 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
B65B43/22
B65B43/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020191954
(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公開番号】P2022080729
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 徹
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-000999(JP,A)
【文献】特開2003-137219(JP,A)
【文献】特開2007-290768(JP,A)
【文献】実公平03-005532(JP,Y2)
【文献】実用新案登録第2603966(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体及び前記袋本体に取り付けられる取付具を有する袋を搬送方向へ移動可能に下方から支持する載置部と、
前記袋を搬送方向へ送る搬送部と、
前記載置部から相対的に近い位置である送出位置と、前記載置部から相対的に遠い位置である退避位置とに配置可能に設けられる送出部であって、前記送出位置に配置される送出部が前記載置部上の前記袋を送り出して取出エリアに位置付ける、送出部と、
前記載置部から相対的に近い位置である制限位置と、前記載置部から相対的に遠い位置である非制限位置とに配置可能に設けられる制限部であって、前記制限位置に配置されている制限部が前記載置部からの前記袋の浮き上がりを抑えつつ、前記搬送部が当該袋を前記送出位置に配置されている前記送出部に向けて送る、制限部と、
前記載置部から相対的に近い位置である取出位置と、前記載置部から相対的に遠い位置である移送位置とに配置可能に設けられる取出部であって、前記取出位置に配置されている取出部が前記取出エリアに位置付けられている前記袋を保持し、前記送出部が前記退避位置に配置されている状態で取出部が前記袋を保持しつつ前記取出位置から前記移送位置に移動する、取出部と、を備え、
前記制限部は、制限傾斜面を有し、
前記制限部が前記制限位置に配置されている状態で、前記制限部は、前記袋のうち前記取付具又は前記取付具の近傍の部分の直上に位置し、前記制限傾斜面は、前記載置部の直上で、前記搬送方向に沿って前記載置部に徐々に近づき、前記載置部からの前記袋の浮き上がりを抑え、
前記送出部は、前記載置部上の前記袋のうち前記制限傾斜面によって浮き上がりが抑えられている部分に接触しつつ、当該袋を前記取出エリアに向けて送り出す、
袋供給装置。
【請求項2】
前記制限部は、前記送出部と一体的に移動するように、前記送出部に取り付けられており、
前記送出部が前記送出位置に配置されることで、前記制限部が前記制限位置に配置され、
前記送出部が前記退避位置に配置されることで、前記制限部が前記非制限位置に配置される請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項3】
前記送出部は、
回転する回転本体部と、
前記回転本体部の周囲から突出する可撓性の複数の爪部と、を有し、
前記送出位置に配置される前記送出部は、前記複数の爪部のうちの1以上の爪部を前記載置部上の前記袋に押し当てつつ前記回転本体部を回転させることで、当該袋を前記取出エリアに向けて送り出す請求項1又は2に記載の袋供給装置。
【請求項4】
ストッパーを備え、
前記送出位置に配置される前記送出部は、送り出した前記袋を前記ストッパーに押し当てることによって、当該袋を前記取出エリアに位置付ける請求項1~3のいずれか一項に記載の袋供給装置。
【請求項5】
前記搬送部は、袋分離部を有し、
重ね方向に関してより上方側に位置する前記袋が前記搬送方向に関してより先頭側に位置するように相互に重ねられた複数の袋が、前記載置部に載せられ、
前記袋分離部は、前記載置部上の前記複数の袋のうち前記重ね方向に関して最も上方に位置する前記袋を、他の前記袋から分離して、前記送出位置に配置される前記送出部に向けて送り出す請求項1~4のいずれか一項に記載の袋供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ストッパーにより位置決めされた空袋をベルトコンベア上から取り出して後段の包装機のグリッパーに受け渡すコンベアマガジン式空袋供給装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、ベルトコンベアの上方に設置された早送りベルトによって空袋が1枚ずつ下流に送り出され、ベルトコンベアの上方に設置された爪車によって早送りベルトからの空袋を更に前方に押し出してストッパーに当接させる。このようにしてストッパーにより位置決めされた空袋は、空袋吸着部材により上昇させられて、包装機のグリッパーに受け渡される。
【0005】
上述の特許文献1の装置において、空袋の先頭側部分がベルトコンベアから浮き上がった状態で当該空袋が早送りベルトから爪車(すなわち送出部)に送られる場合、空袋の先頭側部分が爪車とベルトコンベアとの間に適切に進入することができず、空袋が折り曲げられてしまうことがある。
【0006】
例えば、スパウトやファスナーなどの取付具が袋本体に取り付けられ、局所的に厚みが大きい部分を空袋が有する場合、ベルトコンベア上に寝かされた空袋の先頭側部分がベルトコンベアの載置面から必然的に浮き上がることがある。また周囲環境の湿気や温度の影響で空袋が反り上がって、空袋の先頭側部分がベルトコンベアの載置面から浮き上がることがある。
【0007】
このようにして空袋の先頭側部分がベルトコンベアから浮き上がった状態で当該空袋が爪車に送られると、空袋の先頭側部分が爪車に乗り上げてしまい、爪車とベルトコンベアとの間に適切に進入しない場合がある。この状態で、空袋を更に送り出しつつ爪車を回転させると、空袋の先頭側部分が折り返されたり、空袋に折れ跡が付いたりする。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、送出部における袋の意図しない折り返しや袋に対する折れ跡の付与を防ぎつつ、袋を送出部により適切に送り出すのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、袋を搬送方向へ移動可能に下方から支持する載置部と、袋を搬送方向へ送る搬送部と、載置部から相対的に近い位置である送出位置と、載置部から相対的に遠い位置である退避位置とに配置可能に設けられる送出部であって、送出位置に配置される送出部が載置部上の袋を送り出して取出エリアに位置付ける、送出部と、載置部から相対的に近い位置である制限位置と、載置部から相対的に遠い位置である非制限位置とに配置可能に設けられる制限部であって、制限位置に配置されている制限部が載置部からの袋の浮き上がりを抑えつつ、搬送部が当該袋を送出位置に配置されている送出部に向けて送る、制限部と、載置部から相対的に近い位置である取出位置と、載置部から相対的に遠い位置である移送位置とに配置可能に設けられる取出部であって、取出位置に配置されている取出部が取出エリアに位置付けられている袋を保持し、送出部が退避位置に配置されている状態で取出部が袋を保持しつつ取出位置から移送位置に移動する、取出部と、を備える袋供給装置に関する。
【0010】
制限部は、送出部と一体的に移動するように、送出部に取り付けられており、送出部が送出位置に配置されることで、制限部が制限位置に配置され、送出部が退避位置に配置されることで、制限部が非制限位置に配置されてもよい。
【0011】
制限部は、制限傾斜面を有し、制限部が制限位置に配置されている状態で、制限傾斜面は、載置部の直上で、搬送方向に沿って載置部に徐々に近づき、載置部からの袋の浮き上がりを抑えてもよい。
【0012】
送出部は、回転する回転本体部と、回転本体部の周囲から突出する可撓性の複数の爪部と、を有し、送出位置に配置される送出部は、複数の爪部のうちの1以上の爪部を載置部上の袋に押し当てつつ回転本体部を回転させることで、当該袋を取出エリアに向けて送り出してもよい。
【0013】
袋供給装置は、ストッパーを備え、送出位置に配置される送出部は、送り出した袋をストッパーに押し当てることによって、当該袋を取出エリアに位置付けてもよい。
【0014】
搬送部は、袋分離部を有し、重ね方向に関してより上方側に位置する袋が搬送方向に関してより先頭側に位置するように相互に重ねられた複数の袋が、載置部に載せられ、袋分離部は、載置部上の複数の袋のうち重ね方向に関して最も上方に位置する袋を、他の袋から分離して、送出位置に配置される送出部に向けて送り出してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、送出部における袋の意図しない折り返しや袋に対する折れ跡の付与を防ぎつつ、袋を送出部により適切に送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、袋供給装置の一例を示す側面図である。
図2図2は、袋供給装置の一例を上方から見た図であり、特に袋の搬送状態を例示する。
図3図3は、袋供給装置の一例を示す斜視図である。
図4図4は、袋供給装置の制御構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、制限部を具備する袋供給装置の作動例を示す図である。
図6図6は、制限部を具備する袋供給装置の作動例を示す図である。
図7図7は、制限部を具備する袋供給装置の作動例を示す図である。
図8図8は、制限部を具備する袋供給装置の作動例を示す図である。
図9図9は、制限部を具備する袋供給装置の作動例を示す図である。
図10図10は、制限部を具備しない袋供給装置の作動例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、袋供給装置10の一例を示す側面図である。図1では、支持体16の一部の図示が省略され、支持体16の内側の状態が示されている。図1において、レバー回転軸23は、本来は図示が省略される位置(図1の紙面において支持体16よりも手前側の位置)に配置されているが、2点鎖線によって仮想的に図示されている。
【0018】
図1に示す袋供給装置10は、袋を搬送方向D1(本実施形態では水平方向)に搬送するコンベア11と、コンベア11上の袋を搬送方向D1に送り出して取出エリアに位置付ける送出部12と、取出エリアから袋を取り出す取出部13と、を備える。
【0019】
袋の形状、種類及び状態は限定されない。袋は、矩形状の平面形状を有していてもよいし、他の平面形状を有していてもよい。袋は、スパウトやファスナーなどの取付具が取り付けられた袋本体を有していてもよいし、そのような取付具が取り付けられていない袋本体を有していてもよい。袋は、空の袋(例えば平袋)であってもよいし、内側に内容物が収容されていてもよい。
【0020】
コンベア11は、コンベアローラ11aに掛け渡されたコンベアベルト11bを具備し、袋を搬送方向D1へ移動可能に下方から支持する載置部として機能するとともに、袋を搬送方向D1へ送る搬送部として機能する。
【0021】
コンベアローラ11aは、支持体16によって回転可能に支持されており、コンベア駆動部(後述の図4参照)によって能動的に回転させられる。コンベアベルト11bは、コンベアローラ11aにより支持される無端状ベルトであり、コンベアローラ11aの回転に応じて走行する。図1に示すコンベア11は、円形の断面形状を持つ紐状のコンベアベルト11bを複数(具体的には3つ)含む。3つのコンベアベルト11bは、搬送方向D1と直角を成す方向(図1の紙面に垂直な方向)に等間隔に並べられている。なおコンベアベルト11bの数は限定されず、1つであってもよいし、2以上の任意の数であってもよい。コンベアベルト11bのうちコンベアローラ11aよりも上側に位置する部分は搬送方向D1(図1の右方向)に走行し、コンベアベルト11bのうちコンベアローラ11aよりも下側に位置する部分は搬送方向D1と逆向き(図1の左方向)に走行する。袋は、コンベアベルト11bのうちコンベアローラ11aよりも上側に位置する部分に載せられ、コンベアベルト11bの走行とともに搬送方向D1に搬送される。
【0022】
コンベアベルト11bのうちコンベアローラ11aよりも上側に位置する部分の最頂部の高さ位置は、図1に示す例では支持体16の上面の高さ位置とほぼ同じであるが、支持体16の上面の高さ位置よりも高くてもよい。
【0023】
支持体16には、上方に延びる2つのサイドガイド21が取り付けられている。これらのサイドガイド21は、コンベアベルト11bのうちコンベアローラ11aよりも上側に位置する部分を幅方向(すなわち搬送方向D1と直角を成す水平方向:図1の紙面に垂直な方向)に挟むように設けられ、コンベアベルト11bによって搬送される袋Bを搬送方向D1にガイドする。図1では、手前側に位置するサイドガイド21の図示が省略されており、奥側に位置するサイドガイド21のみが図示されている。
【0024】
コンベアベルト11b上には複数の袋が載せられてもよい。複数の袋は、お互いに積み重ねられた状態で、コンベアベルト11bに載せられてもよい。例えば、複数の袋は、コンベアベルト11b上において搬送方向D1に並べられ、隣り合う袋のうちの一方(すなわち後方側の袋)の表面と他方(すなわち前方側の袋)の裏面とが少なくとも部分的に接触している状態で、お互いに重ねられていてもよい。コンベアベルト11b上の複数の袋は、重ね方向に関してより上方側に位置する袋が搬送方向D1に関してより前方側(すなわち送出部12に近い側)に位置するように、相互に重ねられてもよい。この場合、後述の袋分離部(図3の符号「18」参照)によって、コンベアベルト11b上の複数の袋のうち重ね方向に関して最も上方に位置する袋を、他の袋から分離して、送出部12に向けて送り出すことを簡単に行うことができる。
【0025】
送出部12は、コンベアベルト11b上の袋を搬送方向D1へ送り出して、所定の取出エリアに位置付ける。図1に示す送出部12は、送出回転軸24に固定的に取り付けられている回転本体部12aと、回転本体部12aの周囲から放射方向(すなわち回転本体部12aの半径方向)へ突出するように延びる可撓性の複数の爪部12bと、を有する。回転本体部12aは、送出駆動部(後述の図4参照)によって送出回転軸24を介して能動的に回転させられる。複数の爪部12bは、送出回転軸24を中心に等角度間隔に設けられ、回転本体部12aの回転に応じて送出回転軸24を中心とした回転方向へ移動する。
【0026】
各爪部12bは、回転方向へ移動する間に、コンベアベルト11b上の袋に上方から接触し、その後、当該袋を下方のコンベアベルト11bに押し付けつつストッパー14に向かって移動する。これにより、コンベアベルト11b上の袋は、搬送方向D1に働く力を爪部12bから受け、ストッパー14に向けて搬送方向D1に送り出される。そのため、図1に示す送出部12は、送出回転軸24を中心に反時計回り方向に回転する。そして、袋の先頭側部分がストッパー14に接触する位置に到達することで、当該袋は取出エリアに位置付けられる。
【0027】
送出回転軸24は、揺動レバー22によって回転自在に支持されており、送出駆動部(後述の図4参照)によって反時計回り方向に回転させられる。揺動レバー22は、レバー回転軸23を介して支持体16に取り付けられており、レバー回転軸23の回転に応じてレバー回転軸23を中心に揺動する。送出回転軸24及び送出部12は、揺動レバー22とともにレバー回転軸23を中心をとした回転方向へ揺動移動する。送出部12は、当該揺動移動によって、コンベア11(特にコンベアベルト11b)から相対的に近い位置である送出位置(図1参照)と、コンベアから相対的に遠い位置である退避位置(後述の図8及び図9参照)とに配置可能である。コンベアベルト11b上の袋は、図1に示す送出位置に配置されている送出部12によって接触され送り出されるが、退避位置に配置されている送出部12からは離れて力を受けない。
【0028】
ストッパー14は、支持体16上に固定的に設けられており、支持体16の上面から上方に突出する。ストッパー14は、送出部12よりも搬送方向D1の下流側に位置しており、送出部12から送られてくる袋の搬送方向D1への移動を制限する。支持体16の上面のうちコンベアベルト11bとストッパー14との間に位置する部分は、コンベアベルト11b(特にコンベアローラ11aよりも上方に位置する部分)の上面と同じ高さを有する。送出部12により送り出されて取出エリアに配置された袋Bは、基本的には先頭側部分がストッパー14に接触しつつ、支持体16の上面及びコンベアベルト11bの上面に載せられている。なお取出エリアに位置付けられている袋Bは、必ずしも厳密にストッパー14に接触している必要はなく、搬送方向D1と逆方向へわずかに(例えば数ミリ以下)ストッパー14から離れていてもよい。
【0029】
支持体16には、固定具(図示省略)を介して袋先端検出センサ15が取り付けられている。袋先端検出センサ15は、ストッパー14が有する貫通部(後述の図2及び図3参照)を介し、取出エリアにおける袋の有無を監視する。
【0030】
揺動レバー22には、幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる支持軸25が固定されており、支持軸25を介して制限部17が固定的に取り付けられている。図1に示される制限部17は、送出回転軸24及び支持軸25によって貫通されており、送出回転軸24及び支持軸25によって支持され、送出回転軸24及び支持軸25を介して揺動レバー22に固定されている。送出回転軸24は、回転自在な状態で制限部17を支持し、制限部17によって阻害されることなく回転することができる。
【0031】
制限部17は、揺動レバー22の揺動に応じて、レバー回転軸23を中心に揺動移動する。すなわち制限部17は、揺動レバー22、支持軸25、送出回転軸24及び送出部12と一体的に、レバー回転軸23を中心に往復移動する。制限部17は、当該往復移動によって、コンベア11(特にコンベアベルト11b)から相対的に近い位置である制限位置(図1参照)と、コンベア11から相対的に遠い位置である非制限位置(後述の図8及び図9参照)とに配置可能である。
【0032】
コンベアベルト11b上の袋は、制限位置に配置されている制限部17(特に制限傾斜面17a)に接触することで、コンベアベルト11bからの浮き上がりが上方から抑えられる。したがってコンベアベルト11b上の袋は、制限位置に配置されている制限部17によってコンベアベルト11bからの浮き上がりが抑えられつつ、図1に示す送出位置に配置されている送出部12に向けて搬送方向D1に送られる。
【0033】
制限部17(特に袋Bの浮き上がりを抑える部分(図1に示す例では制限傾斜面17a))の少なくとも一部は、送出位置に配置されている送出部12よりも搬送方向D1の上流側(図1の左側)に位置することが好ましい。これにより、袋の先頭側部分が送出部12に到達して接触するのに先立って、制限部17が袋の先頭側部分の浮き上がりを抑えることができる。この場合、袋の先頭側部分が送出部12に意図せずに乗り上げたり、送出部12によって意図せずに折り曲げられたりすることを、効果的に防ぐことができる。
【0034】
取出部13は、取出駆動部(後述の図4参照)によって駆動され、コンベア11(特にコンベアベルト11b)から相対的に近い位置である取出位置(後述の図8参照)と、コンベア11から相対的に遠い位置である移送位置(図1参照)とに配置可能である。取出位置に配置されている取出部13は、送出部12が退避位置に配置されている状態で、取出エリアに位置付けられている袋を保持することができる(後述の図8参照)。そして取出部13は、袋を保持しつつ、取出位置から移送位置に移動する(後述の図9参照)。
【0035】
図2は、袋供給装置10の一例を上方から見た図であり、特に袋Bの搬送状態を例示する。
【0036】
図2において、図1に示されている要素と同一又は類似の要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図2に示す袋供給装置10は、図1に示す袋供給装置10と必ずしも一致していない。例えば、図1に示されている袋先端検出センサ15及びサイドガイド21は、図2において図示が省略されている。
【0037】
図2には、取出エリアに位置付けられている袋Bが示されており、袋Bの先頭側部分B1はストッパー14に当接する。図2に示す例では、お互いに分離した複数(具体的には3つ)のストッパー14が袋Bの幅方向D2に並べられている。図2において図示が省略されている袋先端検出センサ15は、ストッパー14間のスペース(貫通部)を通じて、取出エリアにおける袋Bの有無を監視する。
【0038】
図2に示す例では、制限部17が1つのみ設けられている。ただし、制限部17の設置数は限定されず、幅方向D2に複数の制限部17が設けられていてもよい。袋Bの浮き上がりを抑えるために設けられる制限部17は、袋Bのうちの浮き上がりやすい箇所に対応する位置に設けられることが好ましい。例えば、袋Bの幅方向D2の一方の端部又は両方の端部に対応する位置に制限部17を設けることによって、袋Bの一方の端部又は両方の端部の浮き上がりを効果的に抑えることができる。
【0039】
図2に示す袋Bは、袋本体B10(特にシール部分B2)に取り付けられたスパウトB11を具備する。袋BのうちスパウトB11の近傍の部分が、コンベア11から浮き上がりやすい。そのため制限位置に配置されている制限部17(本例では制限傾斜面17a)が、袋BのうちスパウトB11又はスパウトB11の近傍の部分の直上に位置するように、制限部17が設けられることが好ましい。図2に示す例では、制限位置に配置されている制限部17が、袋BのうちスパウトB11の近傍の部分の直上に位置するように、制限部17が設けられている。これにより、制限部17がスパウトB11と衝突することを回避しつつ、袋Bの浮き上がりを制限部17によって効果的に抑えることができる。
【0040】
図2に示す例では、円環状の2つの位置規制部28が送出回転軸24に固定され且つ送出回転軸24から放射方向に突出している。制限部17は、送出回転軸24のうちの2つの位置規制部28の間の部分によって支持されている。制限部17の幅方向D2への移動は、2つの位置規制部28によって制限されている。支持軸25は、制限部17を幅方向D2に移動可能に支持してもよいし、制限部17を固定的に支持して制限部17の幅方向D2への移動を許容しなくてもよい。
【0041】
図3は、袋供給装置10の一例を概略的に示す斜視図である。
【0042】
図3において、図1及び図2に示されている要素と同一又は類似の要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図3に示されている袋供給装置10は、一部図示が省略されている。また図3に示す袋供給装置10は、図1に示す袋供給装置10及び図2に示す袋供給装置10と必ずしも一致していない。例えば、図3に示す送出部12(例えば送出部12の数、回転本体部12aの形状及びサイズ、及び爪部12bの数)は、図1に示す送出部12とは一致していない。また図3に示す取出部13(例えば吸着部13aの形状及びサイズ)は、図1に示す取出部13とは一致していない。
【0043】
図3に示す例において、送出回転軸24の一方の端部には駆動回転体26が固定されており、送出回転軸24は駆動回転体26と一体的に回転する。駆動回転体26には駆動ベルト27が掛け渡されており、駆動ベルト27の走行に応じて駆動回転体26は回転させられる。駆動ベルト27は、送出駆動部(後述の図4参照)により駆動されて走行する。したがって送出駆動部が駆動ベルト27を走行させることによって、送出回転軸24に取り付けられている送出部12が、送出回転軸24を中心に回転する。
【0044】
送出位置P11に配置されている送出部12よりも搬送方向D1の上流側には、袋を一枚ずつ搬送方向D1の下流側に送り出すための袋分離部18が設けられている。図3に示す袋分離部18は、コンベアベルト11bの直上に位置する2つの分離ローラ18aを具備する。これらの分離ローラ18aが分離駆動部52により能動的に回転させられることによって、コンベアベルト11b上に載せられ且つ分離ローラ18aに接触している1枚の袋が搬送方向D1に送り出される。このように、複数の袋がお互いに重ねられた状態でコンベアベルト11b上に載せられていても、袋を1枚ずつ袋分離部18から送出部12に向けて送り出すことができる。
【0045】
図4は、袋供給装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
袋供給装置10は、袋供給装置10が具備する各種機器を制御する制御装置50を備える。制御装置50には、例えば、袋先端検出センサ15、分離位置検出センサ41、コンベア駆動部51、分離駆動部52、送出駆動部53、揺動駆動部54及び取出駆動部55が接続されている。
【0047】
袋先端検出センサ15は、上述のように取出エリアにおける袋Bの有無を検出し、検出結果を制御装置50に送信する。袋先端検出センサ15は、任意のセンサによって構成可能であり、例えば光学センサによって袋先端検出センサ15が構成される。
【0048】
分離位置検出センサ41は、コンベアベルト11b上の袋Bが袋分離部18による送り出しに適した状態に置かれているか否かを検出し、検出結果を制御装置50に送信する。分離位置検出センサ41は、例えば、送り出し対象の袋B(例えばコンベアベルト11b上の最上位置の袋B)が送り出しに適した状態で袋分離部18(特に分離ローラ18a)に接触しているか否かを、直接的又は間接的に検出してもよい。
【0049】
図3に示す袋供給装置10において、例えば、コンベアベルト11bが複数の袋Bを搬送方向D1へ搬送し、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間において2以上の袋Bを相互にオーバーラップさせつつ配置することができる。この場合、分離位置検出センサ41は、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に配置される袋Bの数を直接的又は間接的に検出するセンサによって構成されることができる。分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に適切な数の袋Bが配置される場合、送り出し対象の袋Bが送り出しに適した状態で分離ローラ18aに接触する。一方、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に配置される袋Bの数が適切数よりも少ない場合、送り出し対象の袋Bが分離ローラ18aから離れてしまい、分離ローラ18aは袋Bを送り出すことができない。分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に配置される袋Bの数が適切数よりも多い場合、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に多数の袋Bが詰まって、分離ローラ18aは送り出し対象の袋Bを適切には送り出すことができない。
【0050】
分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間に配置される袋Bの数が増えるに従って、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間において重なり方向に関して最も上方に位置し且つ搬送方向D1に関して先頭に位置する袋Bの傾きが徐々に大きくなる。当該事象を踏まえ、一例として、分離位置検出センサ41は、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間において重なり方向に関して最も上方に位置し且つ搬送方向D1に関して先頭に位置する袋Bの傾きを検出してもよい。
【0051】
例えば、分離位置検出センサ41は、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間において重なり方向に関して最も上方に位置し且つ搬送方向D1に関して先頭に位置する袋Bに載せられる検出体の傾きを計測してもよい。このようにして計測された検出体の傾きが、適切数の袋Bに対応する最適傾き範囲に含まれている場合、コンベアベルト11b上の袋Bが袋分離部18による送り出しに適した状態に置かれていると考えられる。一方、検出体の計測された傾きが最適傾き範囲よりも小さい場合、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間には不十分な数の袋Bが配置されていると考えられる。また検出体の計測された傾きが最適傾き範囲よりも大きい場合、分離ローラ18aとコンベアベルト11bとの間には過剰数の袋Bが配置されていると考えられる。
【0052】
コンベア駆動部51は、制御装置50の制御下でコンベア11を駆動し、袋Bを搬送方向D1に搬送する。図1に示す例及び図3に示す例では、コンベアローラ11aを回転させる動力発生デバイスがコンベア駆動部51に含まれる。
【0053】
例えば、コンベア駆動部51は、コンベアローラ11aを間欠的に回転させ、コンベアベルト11bを搬送方向D1へ間欠的に走行させてもよい。制御装置50は、分離位置検出センサ41の検出結果に基づいてコンベア駆動部51を制御することができる。例えば、コンベアベルト11b上の袋Bが袋分離部18による送り出しに適した状態に置かれていない間(例えば検出体の計測された傾きが最適傾き範囲よりも小さい間)、制御装置50はコンベア駆動部51を制御して、コンベアベルト11bを搬送方向D1へ間欠的に走行させ続けてもよい。一方、コンベアベルト11b上の袋Bが袋分離部18による送り出しに適した状態に置かれている間(例えば検出体の計測された傾きが最適傾き範囲内の間)、制御装置50はコンベア駆動部51を制御して、コンベア駆動部51からコンベア11への動力の伝達を止めて、袋分離部18への新たな袋Bの供給を止めてもよい。
【0054】
分離駆動部52は、制御装置50の制御下で袋分離部18を駆動し、袋Bを袋分離部18から送出部12に向けて送り出す。図3に示す例では、ベルトを介して動力を袋分離部18に伝達するモータが、分離駆動部52に含まれる。
【0055】
例えば、分離駆動部52は、袋先端検出センサ15の検出結果に基づいて袋分離部18を駆動する。取出エリア(すなわち送出位置に配置されている送出部12とストッパー14との間のエリア)に袋Bが存在することを袋先端検出センサ15が検出している間、制御装置50は分離駆動部52を制御して、新たな袋Bが送出部12に送られないように袋分離部18(特に分離ローラ18a)の動作を停止させてもよい。一方、取出エリアに袋Bが存在しないことを袋先端検出センサ15が検出した場合、制御装置50は分離駆動部52を制御して、新たな袋Bが送出部12に送られるように袋分離部18(特に分離ローラ18a)を動作させてもよい。
【0056】
例えば、取出エリアに袋Bが存在しないことを袋先端検出センサ15が検出していない間、袋分離部18が一定のリズムで間欠的に袋Bを次々に送り出すように、制御装置50は分離駆動部52を制御してもよい。一方、取出エリアに袋Bが存在することを袋先端検出センサ15が検出している間、袋分離部18が袋Bを送り出さないように、制御装置50は分離駆動部52を制御してもよい。
【0057】
送出駆動部53は、制御装置50の制御下で送出部12を駆動する。図1に示す例及び図3に示す例では、送出回転軸24を回転させる動力発生デバイスが送出駆動部53に含まれる。
【0058】
例えば、制御装置50は、袋先端検出センサ15の検出結果に基づいて、送出駆動部53を制御する。取出エリアに袋Bが存在することを袋先端検出センサ15が検出している間、制御装置50は送出駆動部53制御して、新たな袋Bが取出エリアに送られないように送出部12の回転を停止させてもよい。一方、取出エリアに袋Bが存在しないことを袋先端検出センサ15が検出している間、制御装置50は送出駆動部53を制御して、送出部12を回転させてもよい。
【0059】
なお、送出駆動部53は、袋先端検出センサ15の検出結果にかかわらず、送出部12を回転させ続けてもよい。
【0060】
揺動駆動部54は、制御装置50の制御下で揺動レバー22を揺動駆動する。図1に示す例及び図3に示す例では、レバー回転軸23を正回転及び逆回転させる動力発生デバイスが揺動駆動部54に含まれる。揺動駆動部54は、袋先端検出センサ15の検出結果に基づいて揺動レバー22を揺動させてもよいし、一定のリズムで揺動レバー22を揺動させてもよい。
【0061】
取出エリアに袋Bが存在することを袋先端検出センサ15が検出している間、制御装置50は揺動駆動部54を制御して、揺動レバー22を第1揺動位置(図3の二点鎖線で表されている揺動レバー22参照)に位置付けてもよい。これにより送出部12は退避位置P12に配置され、制限部17は非制限位置P22に配置される。一方、取出エリアに袋Bが存在しないことを袋先端検出センサ15が検出している間、制御装置50は揺動駆動部54を制御して、揺動レバー22を第2揺動位置(図3の実線で表されている揺動レバー22参照)に位置付けてもよい。これにより送出部12は送出位置P11に配置され、制限部17は制限位置P21に配置される。或いは、揺動駆動部54は、袋先端検出センサ15の検出結果にかかわらず、一定のリズムで、揺動レバー22を第1揺動位置及び第2揺動位置に繰り返し位置付けてもよい。
【0062】
取出駆動部55は、制御装置50の制御下で取出部13を移動駆動し、取出部13を取出位置P31及び移送位置P32に配置する。例えば、送出部12が送出位置P11に配置されている間及び/又は制限部17が制限位置P21に配置されている間、制御装置50は取出駆動部55を制御して、取出部13を移送位置P32に配置してもよい。一方、送出部12が退避位置P12に配置され且つ制限部17が非制限位置P22に配置されている状態で、制御装置50は取出駆動部55を制御して、取出部13を取出位置P31に配置してもよい。
【0063】
上述のコンベア駆動部51、分離駆動部52、送出駆動部53、揺動駆動部54及び取出駆動部55の具体的な構成は限定されず、モータ等の動力発生デバイスを含むことができる。これらの駆動部のうちの2以上は、共通の駆動デバイスを含んでいてもよい。図示は省略するが、単一のモータの駆動軸に2つのカムを固定し、それぞれのカムの回転に応じて動作する駆動系(例えばカム側面上で転動する転動ローラ及び転動ローラに固定されている揺動体を含む駆動系)を、揺動駆動部54及び取出駆動部55の各々が有していてもよい。この場合、揺動駆動部54及び取出駆動部55は共通の駆動源(すなわち単一のモータ)によって駆動される。
【0064】
次に、袋供給装置10の作動例(すなわち袋供給方法)について説明する。以下に説明する袋供給方法は、袋供給装置10が具備する各種機器が制御装置50によって適宜制御されることで行われる。
【0065】
図5図9は、制限部17を具備する袋供給装置10の作動例を示す図である。図10は、制限部17を具備しない袋供給装置10の作動例を示す図である。図5図9に示す袋供給装置10は、図1に示す袋供給装置10と同様の構成を有する。なお図5図9では、サイドガイド21の図示は省略されている。また図5図9に示す袋供給装置10は、袋分離部18(図3参照)を具備するが、図5図9において袋分離部18の図示は省略されている。
【0066】
図5に示すように、送出部12が送出位置P11に配置され、制限部17が制限位置P21に配置され、取出部13が移送位置P32に配置されている状態で、袋分離部18によって袋Bが送出部12に向けて送り出される。この際、袋Bは、図5に示すように、先頭側部分B1がコンベアベルト11bから浮き上がった状態で、送り出されることがある。
【0067】
この場合、袋Bの先頭側部分B1は、図6に示すように、制限部17の制限傾斜面17aに接触して下方に向けられる。そして、袋Bが搬送方向D1に進行するのに伴って、袋Bの先頭側部分B1は、制限傾斜面17aによって制限部17とコンベアベルト11bとの間のスペースに案内され、回転する爪部12bによって上方からコンベアベルト11bに押し付けられる(図7参照)。
【0068】
そして、袋Bは、回転する送出部12によって更に搬送方向D1に送り出され、先頭側部分B1がストッパー14に押し当てられる。これにより袋Bは取出エリアに配置される。
【0069】
袋Bが取出エリアに配置されている状態で、送出部12の爪部12bは回転していてもよいし、回転を停止してもよい。例えば、袋Bの剛性が十分に大きい場合、送出部12が回転して袋Bを継続的にストッパー14に押し付け続けても、袋Bに過度な折り曲げや折り目が生じない。
【0070】
袋Bが取出エリアに配置されている状態で、送出部12の爪部12bが回転を停止する場合、袋Bは取出エリアにおいて適切な状態に置かれる。送出部12が回転を停止させる場合、送出部12は正回転自在の状態に置かれてもよい。この場合、取出エリアに配置されている袋Bに対して送出部12から過度な力が作用することを効果的に防ぐことができる。
【0071】
そして、取出エリアに袋Bが配置されている状態で、送出部12が退避位置P12に配置され、制限部17が非制限位置P22に配置され、取出部13が取出位置P31に配置される(図8参照)。これにより、取出エリアに配置されている袋Bが取出部13の吸着部13aによって吸着保持される。
【0072】
本例では、送出部12が送出位置P11に配置されている状態で、取出部13が移送位置P32から移動して取出位置P31に配置される。すなわち、取出エリアに位置付けられている袋Bは、支持体16の上面及び3つのコンベアベルト11bの各々と送出部12とにより挟まれている状態で、取出部13によって保持される。これにより、送出部12等によって袋Bの位置ずれが防がれている状態で、袋Bの所望箇所を取出部13によって位置精度良く保持することができる。その後、取出部13が袋Bを保持している状態で、送出部12及び制限部17が送出位置P11及び制限位置P21から移動して、退避位置P12及び非制限位置P22に配置される。
【0073】
袋Bのうち取出部13によって保持されることになる箇所は限定されない。図8に示す例において、取出位置P31に配置される取出部13は、送出位置P11に配置される送出部12及び制限位置P21に配置される制限部17と、搬送方向D1に関しては重なるが、幅方向D2(図8の紙面に垂直な方向)に関しては重ならない。
【0074】
なお、取出位置P31に配置されている取出部13は、送出位置P11に配置されている送出部12及び制限位置P21に配置されている制限部17と、搬送方向D1及び幅方向D2の双方に関して重なってもよい。この場合、例えば、送出部12及び制限部17が送出位置P11及び制限位置P21から退避した後(すなわち揺動レバー22が第1揺動位置に配置された後)、取出部13は取出位置P31に配置されてもよい。これにより、取出部13と送出部12及び制限部17の各々との間の衝突を回避することができる。
【0075】
その後、取出部13は、袋Bを保持しつつ、取出位置P31から移送位置P32に移動する(図9参照)。取出部13と送出部12及び制限部17の各々と間の衝突を防ぐため、取出部13が取出位置P31から退避した後に、送出部12は送出位置P11に配置され、制限部17は制限位置P21に配置される。すなわち取出部13が袋Bを保持しつつ取出位置P31から移送位置P32に移動する間、揺動レバー22は第1揺動位置に配置され、送出部12は退避位置P12に置かれ、制限部17は非制限位置P22に置かれている。
【0076】
取出部13が袋Bを保持しつつ移送位置P32に配置されることによって、当該袋Bは、後段の装置(図示省略)に受け渡されるための位置(すなわち受渡位置)に配置される。そして袋Bは、受渡位置において、取出部13から後段の装置(例えばグリッパー)に受け渡される。
【0077】
そして、揺動レバー22が揺動されて第2揺動位置に配置され、送出部12は送出位置P11に配置され、制限部17は制限位置P21に配置される。これにより、袋供給装置10は、図5に示す状態に戻る。
【0078】
そして、新たな袋Bが袋分離部18から送出部12に向けて送り出され、袋供給装置10は上述の動作(図5図9参照)を繰り返し行う。
【0079】
以上説明したように上述の袋供給装置10は、袋Bを搬送方向D1へ移動可能に下方から支持する載置部(コンベア11及び支持体16)と、袋Bを搬送方向D1へ送る搬送部(コンベア11及び袋分離部18)と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に近い位置である送出位置P11と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に遠い位置である退避位置P12とに配置可能に設けられる送出部12であって、送出位置P11に配置される送出部12が載置部(コンベアベルト11b)上の袋Bを送り出して取出エリアに位置付ける、送出部12と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に近い位置である制限位置P21と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に遠い位置である非制限位置P22とに配置可能に設けられる制限部17であって、制限位置P21に配置されている制限部17が載置部(コンベアベルト11b)からの袋Bの浮き上がりを抑えつつ、搬送部(袋分離部18)が当該袋Bを送出位置P11に配置されている送出部12に向けて送る、制限部17と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に近い位置である取出位置P31と、載置部(コンベアベルト11b)から相対的に遠い位置である移送位置P32と、に配置可能に設けられる取出部13であって、取出位置P31に配置されている取出部13が取出エリアに位置付けられている袋Bを保持し、送出部12が退避位置P12に配置されている状態で取出部13が袋Bを保持しつつ取出位置P31から移送位置P32に移動する、取出部13と、を備える。
【0080】
当該袋供給装置10によれば、制限部17によって袋B(例えば先頭側部分B1)の浮き上がりを抑えつつ、袋Bを送出部12に送り出すことができる。そのため、送出部12における袋Bの意図しない折り返しや袋Bに対する折れ跡の付与を防ぎつつ、袋Bを送出部12により適切に送り出すことができる。
【0081】
なお、制限部17が設けられていない場合(図10参照)、袋Bの先頭側部分B1が浮き上がった状態で当該袋Bが送出部12に送られると、先頭側部分B1が意図せずに送出部12に乗り上げてしまったり、送出部12によって先頭側部分B1が予期せぬ方向に折り曲げられたりする懸念がある。そして袋Bの先頭側部分B1が図10に示す状態にある場合に、送出部12が更に回転すると、袋Bには折り目が付与される可能性がある。折り目が付与された袋Bは、美観が損なわれるだけではなく、後段において予期しない不具合を招きうる。一方、上述の本実施形態の袋供給装置10(図5図9参照)によれば、そのような折り目が袋Bに付与されるのを防ぎ、美観に優れた袋Bを後段に供給し、後段における不具合を未然に防ぐことができる。
【0082】
また制限部17は、送出部12と一体的に移動するように、送出部12に取り付けられており、送出部12が送出位置P11に配置されることで、制限部17が制限位置P21に配置され、送出部12が退避位置P12に配置されることで、制限部17が非制限位置P22に配置される。
【0083】
これにより、送出部12及び制限部17の配置位置を確実且つ適切に連関させることができ、送出部12及び制限部17の移動に関する駆動系を共通化できる。
【0084】
また制限部17は、制限傾斜面17aを有し、制限部17が制限位置P21に配置されている状態で、制限傾斜面17aは、載置部(コンベアベルト11b)の直上で、搬送方向D1に沿って載置部(コンベアベルト11b)に徐々に近づき、載置部(コンベアベルト11b)からの袋Bの浮き上がりを抑える。
【0085】
このような制限傾斜面17aによって、袋Bの浮き上がりを徐々に低減させることができる。したがって、大きく浮き上がっている袋Bであっても、制限部17(特に制限傾斜面17a)によって袋Bの浮き上がりを適切に抑えることが可能である。
【0086】
また送出部12は、回転する回転本体部12aと、回転本体部12aの周囲から突出する可撓性の複数の爪部12bと、を有し、送出位置P11に配置される送出部12は、複数の爪部12bのうちの1以上の爪部12bを載置部(コンベアベルト11b)上の袋Bに押し当てつつ回転本体部12aを回転させることで、当該袋Bを取出エリアに向けて送り出す。
【0087】
送出部12がこのような構造を有することで、袋Bを取出エリアに向けて適切に送り出すことができる。特に、爪部12bは撓みながら載置部(コンベアベルト11b)上の袋Bに押し当てられることができるので、袋Bを取出エリアに向けて送り出すのに適度な力を袋Bに作用させることができる。
【0088】
また袋供給装置10はストッパー14を備え、送出位置P11に配置される送出部12は、送り出した袋Bをストッパー14に押し当てることによって、当該袋Bを取出エリアに位置付ける。
【0089】
このようにして、袋Bの先頭側部分B1をストッパー14に当接させることで、袋Bを取出エリアに精度良く配置することができ、袋Bの位置ずれや袋Bの折れ曲がりを防ぐことができる。
【0090】
また袋Bを搬送する搬送部は、袋分離部18を有し、重ね方向に関してより上方側に位置する袋Bが搬送方向D1に関してより先頭側に位置するように相互に重ねられた複数の袋Bが、コンベアベルト11b(載置部)に載せられ、袋分離部18は、コンベアベルト11b(載置部)上の複数の袋Bのうち重ね方向に関して最も上方に位置する袋Bを、他の袋Bから分離して、送出位置P11に配置される送出部12に向けて送り出す。
【0091】
これにより、複数の袋Bを連続的に送出部12に向けて送り出すことができ、後段の装置への袋Bの供給の効率を向上できる。
【0092】
[変形例]
上述の実施形態において制限部17は、浮き上がった袋Bと物理的に接触して、袋Bの浮き上がりを抑えているが、任意の方法によって袋Bの浮き上がりを抑えることができる。例えば、制限部17は、エアーを上方から袋Bに吹き付けることで、袋Bの浮き上がりを抑えてもよい。また制限部17は、浮き上がった袋Bと物理的に上方から接触しつつ、当該袋Bにエアーを吹き付けることで、袋Bの浮き上がりを抑えてもよい。
【0093】
上述の実施形態では、取出部13が袋Bを保持していない状態で待機する位置(図5図7参照)と、取出部13が袋Bを保持して当該袋Bを受渡位置に配置するための位置(図9参照)とが、お互いに同じ位置(すなわち移送位置P32)であるが、お互いに異なる位置であってもよい。
【0094】
袋Bは、上述のように袋分離部18から送出部12に直接的に送られてもよいし、袋分離部18から搬送装置(例えばコンベアベルト等)に送られた後に当該搬送装置により送出部12に送られてもよい。
【0095】
上述の実施形態では、コンベア11(特にコンベアベルト11b)が載置部及び搬送部として機能するが、載置部及び搬送部がお互いに別々の装置により実現されてもよい。
【0096】
取出位置P31は、取出位置P31に配置されている取出部13が送出位置P11に配置されている送出部12及び制限位置P21に配置されている制限部17と物理的に干渉しないような位置であってもよい。この場合、取出部13、送出部12及び制限部17の移動タイミングに関わらず、取出部13と送出部12及び制限部17の各々との間の衝突を回避しつつ、取出部13、送出部12及び制限部17を移動させることができる。
【0097】
上述の実施形態では、制限部17が支持軸25、揺動レバー22及び送出回転軸24を介して送出部12に取り付けられているが、制限部17及び送出部12はお互いに分離していてもよい。この場合、制限部17を移動させる駆動系と、送出部12を移動させる駆動系とは、お互いに別々の装置によって構成されてもよい。
【0098】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 袋供給装置、11 コンベア、11a コンベアローラ、11b コンベアベルト、12 送出部、12a 回転本体部、12b 爪部、13 取出部、13a 吸着部、14 ストッパー、15 袋先端検出センサ、16 支持体、17 制限部、17a 制限傾斜面、18 袋分離部、18a 分離ローラ、21 サイドガイド、22 揺動レバー、23 レバー回転軸、24 送出回転軸、25 支持軸、26 駆動回転体、27 駆動ベルト、28 位置規制部、41 分離位置検出センサ、50 制御装置、51 コンベア駆動部、52 分離駆動部、53 送出駆動部、54 揺動駆動部、55 取出駆動部、B 袋、B1 先頭側部分、B2 シール部分、B10 袋本体、B11 スパウト、D1 搬送方向、D2 幅方向、P11 送出位置、P12 退避位置、P21 制限位置、P22 非制限位置、P31 取出位置、P32 移送位置、R 取出エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10