(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】経編を模倣して織られた生地
(51)【国際特許分類】
D03D 25/00 20060101AFI20240325BHJP
D03D 15/56 20210101ALI20240325BHJP
D03D 11/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
D03D25/00 101
D03D15/56
D03D11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020554489
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(86)【国際出願番号】 CN2019105244
(87)【国際公開番号】W WO2021046732
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-06-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520380657
【氏名又は名称】広東前進牛仔布有限公司
【氏名又は名称原語表記】ADVANCE DENIM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#3 East Xinyou Road, Shunde HT Ind. Development Zone (Ronggui) Foshan, Guangdong 528306 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 宗文
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-075020(JP,A)
【文献】特開2015-052195(JP,A)
【文献】特表2013-520579(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108286109(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 1/00 - 27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1経糸と、第2経糸と、第1緯糸と、第2緯糸とを含む経編を模倣して織られた生地であって、
前記第1経糸は前記第2経糸よりも糸番手が太く、
第1経糸と第1緯糸および第2緯糸とが織り合わされて織物の表側となり、第2経糸と、第1緯糸および第2緯糸とが織り合わされて織物の裏側となり、
同一の第2経糸における上下隣接する2組の経組織点の間には7~15個の緯組織点が設けられ、
織物の表側は、3/1斜文織りを採用し、
織物の裏側に8枚3飛び緯朱子織りを採用し、
第1経糸は弾性糸、第2経糸は非弾性糸又は弾性の低い糸を使用し、第1経糸は第2経糸よりも収縮率が大きく、
第1緯糸及び第2緯糸は弾性糸を使用する
ことを特徴とする経編を模倣して織られた生地。
【請求項2】
同一の前記第2経糸における上下隣接する2組の経組織点の間には7~11個の緯組織点が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の経編を模倣して織られた生地。
【請求項3】
第1経糸と第2経糸の比率は2:1~1:3であることを特徴とする請求項1に記載の経編を模倣して織られた生地。
【請求項4】
第1経糸及び第2経糸は、短繊維を加工してなる糸、連続フィラメントを加工してなる糸、又は短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンであり、
第1経糸又は第2経糸が短繊維を加工してなる糸である場合、その糸番手は6S~60Sの範囲であり、
第1経糸又は第2経糸が連続フィラメントを加工してなる糸である場合、その糸番手は40D~600Dの範囲であり、
第1経糸又は第2経糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第2経糸に用いられる糸は第1経糸と同じ又は異なることを特徴とする請求項1に記載の経編を模倣して織られた生地。
【請求項5】
第1緯糸及び第2緯糸は、短繊維を加工してなる糸、連続フィラメントを加工してなる糸、又は短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンであり、
第1緯糸又は第2緯糸が短繊維を加工してなる糸である場合、その糸番手は6S~60Sの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が連続フィラメントを加工してなる糸である場合、その糸番手は40D~600Dの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第2緯糸に用いられる糸は第1緯糸と同じ又は異なることを特徴とする請求項1に記載の経編を模倣して織られた生地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地織りの分野に関し、主に、経編を模倣して織られた生地に関する。
【背景技術】
【0002】
社会経済の発展と人々の生活水準の向上に伴い、人々の衣服に対する要求はますます高まっており、レジャー、自己修養、スタイル等を備えた衣服を追求する人々が増えるにつれて、衣服の快適さについてもより高い要求を提出した。従って、消費者は、従来のデニムのスタイルを有する外観だけでなく、柔らかく、軽量・薄型で、快適さや通気性、弾性性能が優れた生地を期待している。
【0003】
一方、織布の主な利点は、構造が安定的で、スタイルと外観が多様で、生地面が滑らかで、一般的にドレープ時にたるみ現象が発生せず、様々な切断方法に適するが、通気性や手触り等の性能はニット生地ほどよくない。
【0004】
ニット技術の急速な発展に伴い、ニット生地のループ構造がこれらの優れた摩耗特性の可能性を提供し、緯糸ニットデニム生地が市場に登場した。しかし、緯糸ニットデニム生地は緯方向伸展性が良好であるが、衣類の寸法安定性要件や市場の要件を満たすことができない。
【0005】
一方、経編地は緯編地と異なる構造とスタイルを有し、経編地は、ほつれが少なく、堅牢で、寸法の安定性がよいという利点があり、糸原料や、組織構造、後仕上げの調整によって衝撃的な視覚効果を生じることができる。しかし、経編の整経や製織は糸の強度と伸縮性能に対する要求が高く、生産には化学繊維がよく使われ、短繊維(綿繊維など)から紡がれた糸はほとんど使用されない。短繊維から紡がれた糸は、強度がポリエステル、ナイロン等の化学繊維ほど強くないため、経編の整経や製織過程中で張力の変動により綿糸の機械的性質が損なわれやすい。また、短繊維で加工した糸には毛羽や綿ネップ等があるため、経編の整経又は製織生産の過程で絡み合って集まった毛羽や綿ネップが分糸筬や糸案内針を詰まらせて糸切れを引き起こす。そのため、短繊維で加工してなる糸は、経編生産において、糸の強力さに加えて、糸の毛羽に対する要求がより高くなり、太い糸はこの要求を達成することがより困難になり、経編生地の外観スタイルを制限することになる。
【0006】
以上のように、既存の織り生地とニット生地にはそれぞれ長所と短所がある。従来の織り生地には経編生地の通気性、手触り等の性能の特点がなく、経編生地の外観スタイルには織り生地の多くの変化かない。市場にも織り生地のスタイルと経編生地の特点の両方を有する生地がないため、従来技術を改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、生地の組織構造を改良することによって、生地に織り生地の外観スタイルと経編生地の良好な通気性、手触りの特点の両方を持たせることができ、従来の織り生地の通気性、手触りの悪さの問題を解決する経編を模倣して織られた生地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様として、経編を模倣して織られた生地は、第1経糸と、第2経糸と、第1緯糸と、第2緯糸とを含み、第1経糸と第1緯糸が織り合わされて織物の表側となり、第2経糸と第2緯糸が織り合わされて織物の裏側となり、第2経糸における隣接する2組の経組織点の間には7~15個の緯組織点が設けられ、各組の経組織点の数は少なくとも1個である。
【0009】
上記した経編を模倣して織られた生地において、前記第2経糸における隣接する2組の経組織点の間には7~11個の緯組織点が設けられている。
【0010】
上記した経編を模倣して織られた生地において、各組の経組織点の数は、1~2個に設定される。
【0011】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1経糸は弾性糸、第2経糸は非弾性糸又は弾性の低い糸を使用し、第1経糸は第2経糸よりも収縮率が大きい。
【0012】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1緯糸及び第2緯糸は弾性糸を使用する。
【0013】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1経糸と第2経糸の比率は2:1~1:3であり、第1経糸は第2経糸よりも糸番手が太い。
【0014】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第2経糸及び第2緯糸は、8枚3飛び緯朱子織りを採用する。
【0015】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1経糸及び第1緯糸は、3/1右斜文織りを採用する。
【0016】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1経糸及び第2経糸は、短繊維を加工してなる糸、連続フィラメントを加工してなる糸、短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーン、又は連続フィラメントで伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンであり、
第1経糸又は第2経糸が短繊維を加工してなる糸である場合、その糸番手は6S~60Sの範囲であり、
第1経糸又は第2経糸が連続フィラメントを加工してなる糸である場合、その糸番手は40D~600Dの範囲であり、
第1経糸又は第2経糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第1経糸又は第2経糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は40D~600Dの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第2経糸に用いられる糸は第1経糸と同じ又は異なる。
【0017】
上記した経編を模倣して織られた生地において、第1緯糸及び第2緯糸は、短繊維を加工してなる糸、連続フィラメントを加工してなる糸、短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーン、又は連続フィラメントで伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンであり、
第1緯糸又は第2緯糸が短繊維を加工してなる糸である場合、その糸番手は6S~60Sの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が連続フィラメントを加工してなる糸である場合、その糸番手は40D~600Dの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その糸番手は6S~60Sの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が短繊維で伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第1緯糸又は第2緯糸が連続フィラメントで伸加工糸を被覆し加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は40D~600Dの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲であり、
第2緯糸に用いられる糸は第1緯糸と同じ又は異なる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の経編を模倣して織られた生地は、組織構造を最適化することにより、二層の組織構造の生地は生地の品質及び強度を保証するだけでなく、生地に良好なフィルパワーを持たせることができる。上記した経編を模倣して織られた生地は、生地面がふわふわで、軽くて、生地面の手触りがよく、着用の快適性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の経編を模倣して織られた生地の生地構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例1における経編を模倣して織られた生地の組織構造図である。
【
図3】本発明の実施例2における経編を模倣して織られた生地の組織構造図である。
【
図4】本発明の実施例3における経編を模倣して織られた生地の組織構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、経編を模倣して織られた生地を提供しており、本発明の目的、技術案及び効果をより明確にするために、以下に本発明についてより詳細に説明する。なお、ここで説明する具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0021】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「ボトム」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の用語が示す方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づいており、単に本発明の説明を容易にし、簡略化するためのものであり、示された装置又は構成要素が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作されることを示したり暗示したりするものではない。従って、本発明を制限するものとして理解することはできない。また、「第1」、「第2」のような用語は説明の目的のみに用いられ、相対的重要性を示したり暗示したりするか、又は示された技術特徴の数を暗黙的に示すと理解することはできない。それによって、「第1」、「第2」により限定される特徴は、1つ又は複数の前記特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に明記しない限り、2以上を意味する。
【0022】
本発明の説明において、特に明示的な規定及び限定がない限り、「取付」、「接続」、「連結」という用語は広義的に理解されるべきである。例えば、固定連結であってもよく、取り外し可能な連結又は一体型連結であってもよい。また、機械的連結であってもよく、電気的接続であってもよく、相互の通信であってもよい。さらに、直接的接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、2つの構成要素の内部の連通又は2つの構成要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の具体的意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0023】
本発明において、特に明示的な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2特徴が直接接触することを含むことができ、第1及び第2特徴が直接接触することではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することもできる。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め方にあることを含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを示す。
【0024】
以下の開示では、多くの異なる実施形態又は例を提供して本発明の異なる構造を実現している。本発明の開示を簡略化するために、特定の例の構成要素及び配置を以下に説明する。もちろん、それらは単なる例であり、本発明を限定することを意図するものではない。また、本発明は、異なる例で参照数字及び/又は参照文字を繰り返すことができ、このような繰り返しは、簡略化や明確化を目的としており、その自体は説明されている様々な実施形態及び/又は配置の間の関係を示すものではない。さらに、本発明は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用及び/又は他の材料の使用を認識することができる。
【0025】
本発明が提供する経編を模倣して織られた生地は、経糸及び緯糸を含み、経糸と緯糸が互いに浮き沈みし織り合わせて織物を形成し、経糸と緯糸は特定の組織構造により織り合わせて緊密な構造になり、生地に織り生地の外観スタイルだけではなく、経編生地の良好な通気性や手触りの特点を持たせる。織物は表側と裏側があり、織物の表側は織り生地のスタイルを有し、織物の裏側は肌に近い面であり、経編生地の通気性と手触りを有して、織物の裏側に良好な肌にやさしい快適感を持たせる。
【0026】
具体的に、上記した経編を模倣して織られた生地は、第1経糸と、第2経糸と、第1緯糸と、第2緯糸とを含み、第1経糸と第1緯糸が織り合わされて織物の表側となり、第2経糸と第2緯糸が織り合わされて織物の裏側となり、織物の裏側において、第2経糸における隣接する2組の経組織点の間には7~15個の緯組織点が設けられ、各組の経組織点の数は少なくとも1個であってもよい。なお、第1、第2経糸は、説明の便宜のためだけであり、必ずしも経糸と緯糸の数を意味するものではなく、織物の説明を容易にするためだけであることに留意されたい。
【0027】
第1経糸21と第1緯糸11が織り合わせて織物の表側となり、織物の表側は、3/1斜文織り等の異なるスタイルに合わせてデザインすることができ、クラシックなデニム風味を有する。第2経糸22と第2緯糸12が織り合わせて織物の裏側となり、裏側に複数個の緯組織点を連続して設定することにより、第2経糸22と第2緯糸12を織り合わせた後の織物の緊張度が小さくなり、織物を圧縮する際に比較的圧縮しやくなり、織物の通気性、手触り及びフィルパワーを向上させるのに有利である。そして、第2経糸22が第2緯糸12の下に連続的に沈むので、緯糸(第1緯糸11及び第2緯糸12の総称)の底部に沈んだ第2経糸22は一定の弧度を有する大きなループを形成する。
図1に示すように、織物の裏側に複数個の第2経糸22で形成された一定の弧度を有するループが存在するため、第2経糸22と緯糸との間には多くの空気を貯蔵するスペース30が存在し、織物の裏側は手触りが柔らかく、通気性が良く、フィルパワーが良い。従って、本発明の織物の裏側が肌に接触している時に良好な快適さを有する。
【0028】
制作された生地は、後仕上げ処理中に糊抜き、アルカリ煮沸、ウォッシュ等の処理が行われるため、緯組織点が多すぎると、経糸及び緯糸が織り合わされていない糸繊維は互いに抱き合って緊密ではなく、糸表面の毛羽が増加し、糸の強力に一定のダメージを与え、同時に糸と糸の間によじれが発生してしまう。織物の裏側は肌と接触し、日常の着用で肌と擦れ合うため、糸と糸の間のよじれや交差して絡み合うことを更に深刻にさせて、生地のスタイルと手触りに大きな影響を与える。緯組織点が少なすぎると、織物の裏側で経糸及び緯糸の織り合わせが緊密になり、織物が伸びにくくなるため、人体が着用する際に一部の部位に大きな力がかかり、圧迫感があり、着用に不快感を与えることになる。従って、本発明では、好ましくは、前記第2経糸における隣接する2組の経組織点の間に7~11個の緯組織点を設けることができ、糸と糸の間に絡み合いはなく、この範囲内で織物の織り合わせの緊張度が適度である。最も好ましくは、織物の裏側に8枚3飛び緯朱子織りを採用することである。複数回の試行的な織りの結果から、織物の裏側に8枚3飛び緯朱子織りを採用すると最も効果的であることを発見した。
【0029】
さらに、緯組織点が多すぎると、生地面は上層と下層の収縮の差が大きすぎることで生地面にしわができたり、模様がぼやけたりする。多くの実験と試行的な織りの結果、7~11本の長い浮き線内の生地面の模様は更に美しく、経方向の収縮率はあまり大きくないことを発見した。そして、この範囲の織物を採用すると、第2経糸で形成される一定の弧度を有するループは、弧度が適度で、ループが直立しており、通気性や手触りが良く、フィルパワーが最も良い。
【0030】
好ましくは、各組の経組織点の数は1~2個であることが好ましい。これにより、一定の弧度を有する隣接するループの間隔を小さくすることができるため、一定の弧度を有するループを織物の裏側に最大限に分布させることができ、織物の手触りが柔らかく感じられる。
【0031】
第1経糸及び第2経糸は、同じ種類の糸又は異なる種類の糸であってもよく、第1緯糸及び第2緯糸は、同じ種類の糸又は異なる種類の糸を採用してもよい。また、第1経糸は弾性糸又は非弾性糸を採用し、第1緯糸は弾性糸又は非弾性糸を採用し、第2経糸は弾性糸又は非弾性糸を採用し、第2緯糸は弾性糸又は非弾性糸を採用する。ここで、前記非弾性糸は、例えば、綿糸、テンセル、モーダル、ウール糸、テンセル綿混紡糸、綿モーダル混紡糸等の従来技術における弾性力を有しない全ての糸であってもよい。前記弾性糸は、例えば一重コアスパンヤーンや二重コアスパンヤーンの従来技術における弾性力を有する全ての糸であってもよい。より具体的には、綿糸被覆スパンデックス、綿糸被覆ポリエステル被覆スパンデックス、綿糸被覆化学繊維伸加工糸等であってもよい。
【0032】
さらに、前記第1緯糸及び第2緯糸は、弾性糸を用いてもよい。これにより、前記経編を模倣して織られた生地は緯方向に弾性を有し、緯方向が伸びやすい。緯方向には経方向に弾性結合する一定の弧度を有するループがあって、人体が着用した時に経方向及び緯方向の圧力を下げることができ、生地がより快適に着用できる。
【0033】
さらに、第1経糸は弾性糸を採用してもよく、第2経糸は非弾性糸又は弾性の低い糸を採用してもよい。また、第1経糸の収縮率は第2経糸の収縮率よりも5%以上大きい。第1経糸が弾性糸を採用し、第2経糸が非弾性糸又は弾性の低い糸を採用することで、織物は通常の後仕上げ処理後に、第1経糸と第1緯糸の織り合わせが第2経糸及び第2緯糸よりも収縮され、織物の裏側の一定の弧度を有する複数のループをより緊密に配列させると共に、一定の弧度を有するループはより大きな弧度を形成するため、織物の裏側により多くの空気を貯蔵可能なスペースを形成することができ、生地面がよりふわふわで、軽量で、通気性及び手触りがより良くなる。本発明の経編を模倣して織られた生地は、同厚の織物に比べて、より軽量で、手触りがよりふわふわである。
【0034】
人が服を着用することにとって、最も重要なことは着用時の人体が快適に感じることであり、ある位置(臀部や膝等)では、人体の運動時に、服はこれらの位置に一定の圧力感を発生するため、人が着用した場合、きつく感じさせ、圧力があって、快適な効果を達成できない。この問題を解決するために、経糸及び緯糸はいずれも弾性糸を用いて四方弾性の生地を作ることができ、生地は経緯方向においてより伸びやすくなり、人体に対する服の圧力を低減することができる。生地が伸びやすいことは、消費者に服の快適性を感じさせる一つの重要な特徴である。弾性の経糸と弾性の緯糸を用いて相互に織り合わせて単層の四方弾性生地を形成し、作られた生地は収縮が発生し、収縮した後の生地の生地面は不均一で、しわになりやすく、生地の外観と手触りに大きな影響を与え、同時に、経方向の縮み率が大きいため、弾性生地を裁断する時にカールが発生し、生産の効率に深刻な影響を与える。従来の二層の弾性生地の場合、生地に360度の弾性性能を持たせるために、弾性のある経糸又は弾性のない経糸と弾性の緯糸とを織り合わせて織物の上層を形成し、弾性のある経糸又は弾性のない経糸と弾性の緯糸とを織り合わせて織物の下層を形成して、二層の織物に四方弾性の効果を持たせることができる。しかし、従来の二層の弾性生地は経方向及び緯方向の処理後に、収縮が生じられ、その生地を経方向及び緯方向で互いに緊密させる。当該生地は弾性性能が良いが、非常にコンパクト化している。人体が着用した状態でしゃがんだり、立ったり、運動したりする時、臀部や膝等の特定の位置において、当該二層の弾性生地はこれらの位置に圧力感を与え、不快感があり、服の快適の要求に適合しない。
【0035】
しかし、本発明で説明した経編を模倣して織られた生地を採用すると、この圧力感による不快適の問題を解決することができる。第1経糸が弾性糸を採用し、第2経糸が非弾性糸又は弾性の低い糸を採用した場合、前記経編を模倣して織られた生地も四方弾性の特性を有する。弾性糸により作られた織物は、その収縮性が非弾性糸により作られた織物よりも大きいため、弾性糸により作られた織物の表側は収縮され、織物の表側における経糸と緯糸の織り合わせがより緊密になり、織物の表側は織り生地のスタイルとして表現され、織り生地のスタイルに対する人の追求を満足させる。本発明により提供される特殊な組織構造を採用するため、第2経糸と第2緯糸の織り合わせはあまり緊密ではなく、織物の裏側は緯編地の特点を有し、緊張度が小さく、織物の裏側は手触りが柔らかく、一定の弧度を有するループは肌と比較的平行であり、肌と生地が上下に擦れると、一定の弧度を有するループはいずれも肌の運動方向に沿っており、生地が肌に与える不快感を大幅に軽減することができる。より好ましくは、第1経糸が弾性糸を採用し、第2経糸が非弾性糸を採用する場合、前記第1緯糸及び第2緯糸も弾性糸を採用するので、前記経編を模倣して織られた生地の弾性はより良く、より伸びやすく、織物の手触りが柔らかい。
【0036】
経糸と緯糸の密度の大きさと糸番手は、織物の表面密度を決定することができる。糸番手が太いほど、密度が高くなり、織物の被覆率が大きいほど、織物の緊張度が小さくなり、織物のフィルパワーに有利である。第1経糸と第1緯糸が織物の表側を構成し、第2経糸と第2緯糸が織物の裏側を構成する。第1経糸と第2経糸の比率が2:1~1:3である場合、第1経糸の糸番手は第2経糸よりも太いことが好ましい。これにより、第1経糸の織物の表側での被覆率を大きくできる一方、第2経糸の織物の裏側での被覆率が小さくて、織物のフィルパワーに有利である。さらに、織物の裏側の糸の平均太さが表側よりも太いと、織物の表側の外観に大きな影響を与えることになり、織物の表側の模様が不鮮明になる。そのため、第1経糸の糸番手を第2経糸よりも太くして、織物の表側の模様を鮮明に保証できることが好ましい。
【0037】
第1経糸及び第2経糸は、いずれも短繊維又は連続フィラメントを加工してなる糸を採用してもよく、第1経糸と第2経糸の材質と糸番手は、必要に応じて同じ又は異なるように設定してもよい。第1経糸を例として説明すると、短繊維は、綿繊維、麻繊維、テンセル、モーダル、ビスコース、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等であってもよく、綿繊維であることが好ましい。第1経糸の糸の太は、6S~60Sさの範囲であってもよく、6Sと60Sの2つの端点値を含んでいる。第1経糸が連続フィラメントを加工してなる糸を採用すると、糸番手は40D~600Dの範囲であってもよい。第1経糸が弾性を有する場合には、糸は、短繊維で被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーン(例えば、短繊維被覆スパンデックス糸)又は連続フィラメントで被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンであってもよい。第1経糸が短繊維で被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は、6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲である。第1経糸又は第2経糸が短繊維で被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は40D~600Dの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲である。第1経糸は、一重コアスパンヤーン又は二重コアスパンヤーンであってもよい。例えば、綿糸被覆ライクラ、綿糸被覆ポリエステル被覆ライクラ、綿糸被覆化学繊維伸加工糸被覆ライクラ、綿糸被覆化学繊維伸加工糸等である。第2経糸の選択可能な範囲は第1経糸と同じである。
【0038】
第1緯糸及び第2緯糸は、いずれも短繊維又は連続フィラメントを加工してなる糸を採用してもよく、第1緯糸と第2緯糸の材質と糸番手は、必要に応じて同じ又は異なるように設定してもよい。第1緯糸を例として説明すると、第1緯糸が短繊維を加工してなる糸である場合、糸番手は6S~60Sの範囲であってもよい。第1緯糸が連続フィラメントを加工してなる糸を採用すると、糸番手は40D~600Dの範囲であってもよい。第1緯糸が弾性を有する場合には、糸は、短繊維で被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーン(例えば、短繊維被覆スパンデックス糸)又は連続フィラメントで被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンであってもよい。第1緯糸が短繊維で被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は、6S~60Sの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲である。第1緯糸又は第2緯糸が連続フィラメントで被覆された伸加工糸を加工してなる弾性コアスパンヤーンである場合、その全体の糸番手は40D~600Dの範囲であり、伸加工糸は20D~300Dの範囲である。第1緯糸は、一重コアスパンヤーン又は二重コアスパンヤーンであってもよい。例えば、綿糸被覆スパンデックス、綿糸被覆ポリエステル被覆スパンデックス、綿糸被覆化学繊維伸加工糸等である。第2緯糸の選択可能な範囲は第1緯糸と同じである。
【0039】
本発明によって提供される経編を模倣して織られた生地は、少なくとも以下の利点がある。
【0040】
1、生地は、織り生地のような見栄えだけでなく、経編生地のような良好な通気性や手触りの特徴を有する。
【0041】
2、生地面がふわふわで、軽い。前記経編を模倣して織られた生地は、第1経糸と第1緯糸を織り合わせて織物の表側を形成し、第2経糸と第2緯糸を織り合わせて織物の裏側を形成し、織物の裏側に形成された一定の弧度を有する複数のループが多くの空気を貯蔵するスペースを形成するので、前記経編を模倣して織られた生地を同じ厚さの織物に比較すると、重量がより軽く、手触りがよりふわふわである。好ましくは、第1経糸が弾性糸を採用し、第2経糸が非弾性糸を採用することで、織物は通常の後仕上げ処理後に、第1経糸と第1緯糸の織り合わせが第2経糸及び第2緯糸の織り合わせよりも多く収縮され、織物の裏側の一定の弧度を有する複数のループをより緊密に配列させると共に、一定の弧度を有するループはより大きな弧度を形成するため、織物の通気性や手触りがより良くなる。
【0042】
3、両面性を有する。第1経糸及び第2経糸をそれぞれ利用して二層構造に織り合わせるため、表側と裏側の両面の経糸の色は両面で同じにしたり、異なったりすることができ、ファッションの表現力が更に強くなり、デザイナーのさらなる発展の余地があり、同時に、1つの衣服で消費者が複数の衣服を着用するという効果も達成できる。
【0043】
4、生地面の手触りがよい。本発明は特殊な組織であり、織物の裏側の一定の弧度を有するループは差立てループであり、肌と生地が上下に擦れると、一定の弧度を有するループはいずれも肌の運動方向に沿っているため、生地が肌に与える不快感を大幅に低減することができる。
【0044】
5、製織効率が高い。本発明では、2種類の緯糸を採用しているが、製織過程では2システムの緯糸を採用して製織することができ、1システムの緯糸を使用して製織を完了することもできる。本発明では、1つのシステムの緯糸が好ましい。本発明において経糸密度が緯糸密度よりも大きく、製織時と単層織物の緯糸密度の設定には大きな差がないため、製織効率が高く、かかる時間が短い。
【0045】
以下、具体的な実施例によって本発明をさらに説明する。
【0046】
(実施例1)
図2に示すように、本実施例による経編を模倣して織られた生地の組織構造であって、色付き格子は経組織点を示し、空白格子は緯組織点を示し、織物の表側は3/1右斜文織りであり、織物の裏側は8枚3飛び緯朱子織りである。
【0047】
第1経糸:2.0倍の純綿12S被覆40Dスパンデックスのコアスパンヤーンを採用し、糸の色はインディゴであり、
第2経糸:コーマ純綿40Sリングの糸を採用し、
第1緯糸:糸番手が純綿21S被覆40Dスパンデックスの3.0倍のスパンデックスのコアスパンヤーンを採用し、
第2緯糸:糸番手が純綿21S被覆40Dスパンデックスの3.0倍のスパンデックスのコアスパンヤーンを採用し、
経糸筬入れは、56筬番(4入れ)であり、
緯糸製織打込密度は、52Tであり、
第1経糸被覆率は、56/28(11.8)=58.3%であり、
第2経糸被覆率は、56/28(40)=31.6%である。
【0048】
本実施例の製織が完成した経編を模倣して織られた生地は、通常の後仕上げプロセスで処理した後、その性能データを試験し、試験結果を表1に示す。ここで、本実施例の経編を模倣して織られた生地の通気性は46.32mm/sに達することができ、通気性が良い。フィルパワーは356.45cm3/gに達することができ、フィルパワーが良い。表1のデータから、本実施例の経編を模倣して織られた生地は、優れた弾性と滑り抵抗性を有することが分かる。本実施例の経編を模倣して織られた生地の外観は、斜文織り模様がはっきりし、立体感があり、経糸及び緯糸の織り合わせが緊密であるという織り生地の外観スタイルを有している。また、組織構造のデザインにより、生地を触ってみると手触りが柔らかくて快適であり、肌に近い時、肌にやさしいような感触があり、快適で、柔らかく、自然である。
【0049】
本発明における関連性能試験の根拠は、以下の通りである。
【0050】
GB/T5453-97標準「織物通気性の測定」によると、YG461E通気性テスターを使用して生地の通気性性能を試験する。
【0051】
フィルパワーは、FAST-1圧縮性織物スタイルメーターを使用して、2cN/cm2での織物の厚さT2と、100cN/cm2での織物の厚さT100をそれぞれテストし、見かけの織物の厚さの計算式は、T0=T2-T100であり、織物フィルパワーの計算式は、B=(T0/W)×103である。ここで、Bはフィルパワー(cm3/g)であり、T0は見かけの厚さ(mm)であり、Wは織物の面密度(g/m2)である。
【0052】
FZ/T01034-2008標準「紡織品 機織物引張弾性試験方法」に基づいて、弾性伸び率、弾性回復性、成長率(即ち塑性変形)等の機織物の引張弾性性能をテストする。
【0053】
GB/T 13772.2-2018国家標準「紡織品 機織物の縫い目における糸の滑り抵抗性の測定 第2部分:定荷重法」に基づいて、機織物の経緯方向の縫い目における糸の滑り抵抗性(即ちスプリット)の能力をテストする。
【0054】
【0055】
(実施例2)
図3に示すように、本実施例による経編を模倣して織られた生地の組織構造は、色付き格子は経組織点を示し、空白格子は緯組織点を示し、織物の表側は3/1右斜文織りであり、織物の裏側は12枚緯面組織である。
【0056】
第1経糸:糸番手が10Sである純綿糸を採用し、糸の色はインディゴであり、
第2経糸:糸番手がコーマ50Sである純綿の糸を採用し、糸の色は白色であり、
第1緯糸:糸番手が純綿16S被覆75Dポリエステル被覆40Dスパンデックスの二重コアスパンヤーンを採用し、
第2緯糸:糸番手が純綿16S被覆75Dポリエステル被覆40Dスパンデックスの二重コアスパンヤーンを採用し、
経糸筬入れは、60筬番(4入れ)であり、
緯糸製織打込密度は、46Tであり、
第1経糸被覆率は、60/28(10)=67.8%であり、
第2経糸被覆率は、60/28(50)=30.3%である。
【0057】
本実施例の製織が完成した経編を模倣して織られた生地は、通常の後仕上げプロセスで処理した後、その性能データを試験し、試験結果を表2に示す。ここで、本実施例の経編を模倣して織られた生地の通気性は58.83mm/sに達することができ、通気性が良く、フィルパワーは324.82cm3/gに達することができ、フィルパワーが良い。表2のデータから、本実施例の経編を模倣して織られた生地は、優れた弾性と滑り抵抗性を有することが分かる。本実施例の経編を模倣して織られた生地の外観は、斜文織り模様がはっきりし、立体感があり、経糸及び緯糸の織り合わせが緊密であるという織り生地の外観スタイルを有している。また、組織構造のデザインにより、生地を触ってみると手触りが柔らかくて快適であり、肌に近い時、肌にやさしいような感触があり、快適で、柔らかく、自然である。
【0058】
【0059】
(実施例3)
図4に示すように、本実施例による経編を模倣して織られた生地の組織構造であって、色付き格子は経組織点を示し、空白格子は緯組織点を示し、織物の表側は8枚複合斜文平織りであり、織物の裏側は8枚緯面複合斜文織りである。
【0060】
第1経糸:糸番手が純綿21S被覆40Dスパンデックスのコアスパンヤーンを採用し、
糸の色はインディゴであり、
第2経糸:糸番手がコーマ50Sである純綿糸を採用し、
第1緯糸:糸番手がポリエステル-レーヨン混紡の40S被覆70Dスパンデックスのコアスパンヤーンを採用し、
第2緯糸:糸番手が純綿16Sの糸を採用し、
経糸筬入れは、70筬番(4入れ)であり、
緯糸製織打込密度は72Tであり、
第1経糸被覆率は、70/28(20.8)=54.8%であり、
第2経糸被覆率は、70/28(50)=35.3%である。
【0061】
本実施例の製織が完成した経編を模倣して織られた生地は、通常の後仕上げプロセスで処理した後、その性能データを試験し、試験結果を表3に示す。ここで、本実施例の経編を模倣して織られた生地の通気性は40.52mm/sに達することができ、通気性が良く、フィルパワーは372.63cm3/gに達することができ、フィルパワーが良い。表3のデータから、本実施例の経編を模倣して織られた生地は、優れた弾性と滑り抵抗性を有することが分かる。本実施例の経編を模倣して織られた生地の外観は、斜文織り模様がはっきりし、立体感があり、経糸及び緯糸の織り合わせが緊密であるという織り生地の外観スタイルを有している。また、組織構造のデザインにより、生地を触ってみると手触りが柔らかくて快適であり、肌に近い時、肌にやさしいような感触があり、快適で、柔らかく、自然である。
【0062】
【0063】
なお、本発明の適用は上記の例に限定されず、当業者にとっては、上記の説明に従って改良又は変換されてもよく、これらすべての改良及び変換はいずれも本発明の添付された特許請求の範囲に含まれるべきである。