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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240325BHJP
【FI】
H01L33/62
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020564081
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2019058289
(87)【国際公開番号】W WO2019219287
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】102018111791.4
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514272140
【氏名又は名称】オスラム オーエルイーディー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】OSRAM OLED GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, 93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ライト
(72)【発明者】
【氏名】パオラ アルティエリ-ヴァイマール
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-013144(JP,A)
【文献】特開平11-340515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0011309(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス部品(20)であって、
支持体(21)と、
オプトエレクトロニクス半導体チップ(25)と、
電気絶縁材料を含む絶縁層(22)と、
導電性材料を含む第1の接触層(23)と、を備え、
前記絶縁層(22)は、前記支持体(21)上に配置され、空洞(24)を有し、
前記半導体チップ(25)は、前記空洞(24)内に配置されており、
前記第1の接触層(23)は、前記半導体チップ(25)と前記支持体(21)との間、および前記絶縁層(22)と前記支持体(21)との間に配置され、
前記第1の接触層(23)は、少なくとも1つの間隙(26)を有し、それによって、前記空洞(24)領域内の前記支持体(21)は、少なくとも部分的に前記第1の接触層(23)を有しておらず
導電性材料を含む第3の接触層(32)が、少なくとも部分的に前記支持体(21)とは反対側の前記絶縁層(22)の上面(27)に配置されており、
前記第3の接触層(32)は、前記絶縁層(22)の前記上面(27)を完全に覆っており、
導電性材料を含む第2の接触層(31)が、少なくとも部分的に前記絶縁層(22)とは反対側の前記支持体(21)の下面(30)に配置され、少なくとも1つの間隙を有し、それにより、前記空洞(24)の領域内の前記支持体(21)は、少なくとも部分的に前記第2の接触層(31)を有しておらず
前記第1の接触層(23)は、少なくとも2つの間隙(26)を有し、
前記第2の接触層(31)は、少なくとも2つの間隙(26)を有し、
前記支持体(21)は、前記第1の接触層(23)と、前記第2の接触層(31)と、前記半導体チップ(25)とを有していない、前記空洞(24)の領域内の少なくとも2つの領域を有している、
オプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項2】
前記空洞(24)は、前記支持体(21)とは反対側の上面(27)から前記絶縁層(22)を完全に通って前記支持体(21)まで延在する、請求項1記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項3】
前記半導体チップ(25)および前記絶縁層(22)は、相互に接触することなく配置されている、請求項1または2記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項4】
前記第1の接触層(23)は、前記第2の接触層(31)と導電的に接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項5】
前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(25)は、前記支持体(21)とは反対側に電気接点(28)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項6】
前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(25)の前記電気接点(28)は、前記絶縁層(22)とは反対側の前記支持体(21)の下面(30)における電気端子(29)と導電的に接続されている、請求項5記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項7】
前記オプトエレクトロニクス部品(20)は、表面実装可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項8】
前記オプトエレクトロニクス部品(20)は、該オプトエレクトロニクス部品(20)の全伸張面にわたって横方向(x)に延在する導電層を有しておらず、前記横方向(x)は、前記オプトエレクトロニクス部品(20)の主要延在面に対して平行である、請求項1から7までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項9】
前記絶縁層(22)は、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(25)を超えて鉛直方向(z)に突出しているか、または前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(25)は、前記絶縁層(22)と面一に終端しており、前記鉛直方向(z)は、前記オプトエレクトロニクス部品(20)の主要延在面に対して垂直である、請求項1から8までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【請求項10】
導電性材料を含む第3の接触層(32)は、少なくとも部分的に前記支持体(21)とは反対側の前記絶縁層(22)の上面(27)に配置され、さらに前記第3の接触層(32)は、前記絶縁層(22)の前記上面(27)を完全に覆い、前記オプトエレクトロニクス部品(20)は、該オプトエレクトロニクス部品(20)の全伸張面にわたって横方向(x)に延在する導電層を有しておらず、前記横方向(x)は、前記オプトエレクトロニクス部品(20)の主要延在面に対して平行である、請求項1から9までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス部品(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクス部品に関する。
【0002】
本発明の課題は、効率的に動作可能なオプトエレクトロニクス部品を提供することにある。
【0003】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、支持体を含む。この支持体は、例えば、接続支持体、プリント基板、プリント回路基板、または金属コアボードであり得る。支持体は、立体であってもよく、例えば、円筒、円盤または直方体の形状を有する。支持体は、特に、主要延在面を有する。支持体の主要延在面は、例えば、支持体の表面、例えば上面に対して平行に延びる。支持体は、例えば誘電性材料などの電気絶縁材料を含むことができる。オプトエレクトロニクス部品も、支持体の主要延在面に対して平行な主要延在面を有することができる。
【0004】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、オプトエレクトロニクス半導体チップを含む。この半導体チップは、動作中に電磁ビーム、特に光を放出または検出するように設計されてもよい。半導体チップは、例えば発光ダイオードチップまたはレーザーダイオードチップなどのルミネセンスダイオードチップである。代替的に、半導体チップは、電磁ビーム、特に光を検出するように構成されてもよい。例えば、この場合、半導体チップはフォトダイオードである。
【0005】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、電気絶縁材料を含む絶縁層を含む。この絶縁層は、例えば、誘電性材料を含むことができる。例えば、絶縁層は、エポキシ樹脂で形成された材料を含むことができる。絶縁層は、例えば、材料FR4を含むか、またはこの材料からなる。
【0006】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、導電性材料を含む第1の接触層を含む。この第1の接触層は、例えば銅などの金属を有するか、または金属であってもよい。この第1の接触層は、少なくとも部分的に支持体の主要延在面に対して平行に延在する。
【0007】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、絶縁層は、支持体上に配置され、空洞を有する。この絶縁層は、例えばはんだ付けプロセスによって支持体に接合されてもよい。絶縁層と支持体との間には、接合材料が配置されてもよい。代替的に、絶縁層は、支持体と直接接触するように存在する。そのときには、支持体は、例えば、絶縁層の材料で被覆され、その場合、この材料は、支持体に被着された後で硬化される。絶縁層は、オプトエレクトロニクス部品の側縁部で支持体と面一に終端させることができ、そのため、絶縁層が支持体を超えて横方向に突出することはない。この場合、横方向は、支持体の主要延在面に対して平行に延びる。空洞は、自身が横方向で絶縁層および場合によっては接合材料によって完全に取り囲まれるように配置されてもよい。そのときには、空洞は、絶縁層に凹部を形成する。
【0008】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、半導体チップは、空洞内に配置されている。半導体チップは、自身が横方向で絶縁層によって完全に取り囲まれるように空洞内に配置されてもよい。その他に、半導体チップは、支持体上に間接的にまたは直接配置されている。この半導体チップは、接合材料によって支持体に接合されてもよい。これは、接合材料が、半導体チップと支持体との間に配置されていることを意味する。さらに、部品のさらなるコンポーネント(例えば接触層など)が、支持体と半導体チップとの間に配置されてもよい。半導体チップが空洞内に導入された後に、空洞が充填される可能性もある。例えば、空洞は、半導体チップによって放出または検出される電磁ビームにとって透過的である透過材料で充填される。
【0009】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の接触層は、半導体チップと支持体との間、および絶縁層と支持体との間に配置されている。これは、第1の接触層が、半導体チップと支持体との間で少なくとも部分的に(所々)配置され、ならびに絶縁層と支持体との間で少なくとも部分的に配置されていることを意味し得る。この第1の接触層は、特に、半導体チップと支持体との間、および絶縁層と支持体との間で鉛直方向に配置されており、この場合、鉛直方向は、支持体の主要延在面に対して垂直に延びる。半導体チップと第1の接触層との間には、例えば、特に導電性接着剤またははんだ材料などの接合材料が配置されてもよい。第1の接触層は、支持体上に配置されてもよい。半導体チップは、第1の接触層と導電的に接続されている。
【0010】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の接触層は、少なくとも1つの間隙を有し、それによって、空洞の領域内の支持体は、少なくとも部分的に第1の接触層から開放されている。したがって、第1の接触層は、支持体を完全には覆っていない。第1の接触層は、少なくとも2つの部分領域を有することができ、この場合、これらの部分領域の間に間隙が配置されており、これらの部分領域は少なくとも部分的に直接接触していない。これらの部分領域は、相互に離間して配置されてもよい。支持体に面する空洞の底面は、第1の接触層によって完全に覆われていない。これは、空洞の領域内の支持体が、第1の接触層および半導体チップから開放されている緩和領域を有することを意味し得る。この緩和領域は、半導体チップを横方向でフレーム状に部分的または好適には完全に取り囲むことができる。間隙は、横方向で少なくとも50μmの大きさを有することができる。この間隙は、横方向に最大で200μmまたは500μmのサイズを有することができる。
【0011】
第1の接触層は、例えば、支持体の横方向伸張面の90%未満を覆うことができる。これは、第1の接触層が、半導体チップに面する支持体表面サイズの最大で90%をなす面積にわたって延在することを意味する。
【0012】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、支持体、オプトエレクトロニクス半導体チップ、電気絶縁材料を含む絶縁層、および導電性材料を含む第1の接触層を含み、この場合、絶縁層は、支持体上に配置され、空洞を有し、半導体チップは、空洞内に配置され、第1の接触層は、半導体チップと支持体との間、および絶縁層と支持体との間に配置され、第1の接触層は、少なくとも1つの間隙を有し、それによって、空洞の領域内の支持体は、少なくとも部分的に第1の接触層から開放されている。
【0013】
本明細書で説明するオプトエレクトロニクス部品は、とりわけ、部品内で発生する熱機械的応力を低減または回避するという考察に基づいている。部品の様々なコンポーネントは、温度変化が生じた場合に、部品材料の様々な熱膨張係数に基づいて様々な程度で変形する。この温度変化は、例えば、はんだ付けプロセスの際にかつ/または部品の動作中に発生する可能性がある。このことは、部品の内部で熱機械的応力をもたらす可能性がある。その他に、部品は応力によって湾曲する可能性がある。それにより、例えば半導体チップと支持体との間、かつ/または絶縁層と支持体との間の接続の品質を低下させる可能性がある。さらに、部品の個々のコンポーネント間の接続が損なわれ、個々のコンポーネント相互で切り離される可能性がある。したがって、部品の温度変化に対する安定性がより低下する可能性があり、温度サイクルの安定性も低下しかねない。
【0014】
ここでは、空洞の領域内の支持体が少なくとも部分的に第1の接触層から開放されている場合、空洞の領域における部品内の応力を減少または低減させることが可能なことが示されている。支持体は、例えば、熱機械的応力を少なくとも部分的に減少させることができる誘電体材料を含む。これらの応力は、例えば、オプトエレクトロニクス部品に使用される材料の異なる熱膨張係数に基づき、温度変化が生じた場合に発生する可能性がある。
【0015】
ここでは、熱機械的応力が、第1の接触層の少なくとも1つの間隙領域において(つまり、特に緩和領域に基づいて)減少することが示されている。したがって、オプトエレクトロニクス部品の他の領域にはより少ない熱機械的応力しか伝達されない。その他に、間隙に基づいて、半導体チップの領域における部品の湾曲が低減または回避される。したがって、部品は、温度変化に対してより安定し、半導体チップと支持体間との間の接続の安定性が向上する。これにより、半導体チップと支持体間との間の接続不良の確率が低減される。それゆえ、総体的に、部品の寿命が延び、部品をより効率的に動作させることができる。
【0016】
緩和領域が半導体チップを横方向で完全に取り囲んでいるならば、半導体チップは、オプトエレクトロニクス部品の他の領域から熱機械的に分離され、この緩和領域を介して機械的応力を減少させることができる。
【0017】
さらに、支持体、絶縁層、および第1の接触層に対して、必ずしも適合した熱膨張係数または類似した熱膨張係数を有する材料を使用する必要はない。支持体を介して熱機械的応力を減少させることができるため、部品に対して多数の材料を使用することができる。その他にも、安価な材料を使用することができる。
【0018】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、空洞は、支持体とは反対側の上面から絶縁層を完全に通って支持体まで延在する。絶縁層は、支持体とは反対側に上面を有している。空洞は、絶縁層の上面から成形されてもよい。支持体に面する空洞の底面は、少なくとも部分的に支持体の表面によって形成されてもよい。空洞は、支持体の主要延在面に対して横断方向または垂直に延びる側壁を有する。空洞の側壁は、絶縁層の上面から支持体まで延在することができる。空洞は、絶縁層を完全に通って延在しているため、オプトエレクトロニクス半導体チップが配置されている空間は最大化される。したがって、オプトエレクトロニクス半導体チップは、絶縁層の鉛直方向の厚さにほぼ対応する鉛直方向の高さを有することができる。
【0019】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、半導体チップおよび絶縁層は、相互に接触することなく配置されている。これは、半導体チップと絶縁層とが相互に離間されて配置されていることを意味する。したがって、半導体チップと絶縁層とが相互に直接接触していない。半導体チップは、自身が空洞の側壁から離間されて配置されるように空洞内に配置されてもよい。半導体チップと絶縁層との間には、充填材料が配置されてもよい。
【0020】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、導電性材料を含む第2の接触層は、少なくとも部分的に絶縁層とは反対側の支持体の下面に配置され、少なくとも1つの間隙を有する。それにより、空洞の領域内の支持体は、少なくとも部分的に第2の接触層から開放されている。第2の接触層は、部分的に支持体の下面を延在する層であり得る。これは、特に、第2の接触層が相互に離間されて配置された領域を有することを意味する。第2の接触層は、相互に直接接触していないさらなる領域を有することができる。第2の接触層のこれらの領域間には、少なくとも1つの間隙が配置されてもよい。
【0021】
したがって、支持体は、完全には第2の接触層によって覆われていない。これは、空洞の領域内の支持体が、第1の接触層、第2の接触層、および半導体チップから開放されている緩和領域を有することを意味し得る。第2の接触層の間隙は、横方向に少なくとも50μmのサイズを有することができる。第2の接触層の間隙は、横方向に最大で500μm、特に最大で200μmのサイズを有することができる。
【0022】
第2の接触層には、支持体の下面に電気端子を有する。第2の接触層は、例えば、支持体の横方向伸張面の90%未満を覆う。これは、第2の接触層が、半導体チップとは反対側の支持体表面サイズの最大90%をなす面積にわたって延在することを意味する。第2の接触層は、例えば、銅を含む。第2の接触層の少なくとも1つの領域は、第1の接触層に接続されてもよい。例えば、第2の接触層の少なくとも1つの領域は、第1の接触層に熱的に接続されている。したがって、好適には、半導体チップからの熱が、第1の接触層と第2の接触層とを介して放散され得る。
【0023】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の接触層は、第2の接触層と導電的に接続されている。特に、第1の接触層は、導電性ビアホールを介して第2の接触層に接続されている。ビアホールは、第1の接触層から支持体を貫通して第2の接触層まで延在することができる。第1の接触層は、第2の接触層の領域と導電的に接続されてもよい。第1の接触層と第2の接触層との間のこの種の導電接続部は、電気端子に加えて、半導体チップから第2の接触層への熱の放散を可能にする。したがって、好適には、オプトエレクトロニクス部品の動作中に半導体チップから熱を放散させることができる。
【0024】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、導電性材料を含む第3の接触層は、少なくとも部分的に支持体とは反対側の絶縁層の上面に配置されている。この第3の接触層は、例えば銅などの金属を含むか、またはこの金属で形成されてもよい。第3の接触層は、少なくとも部分的に支持体の主要延在面に対して平行に延在している。第3の接触層は、絶縁層に被着されてもよい。第3の接触層は、少なくとも1つの間隙を有する。したがって、絶縁層の上面は、少なくとも部分的に第3の接触層から開放されてもよい。第3の接触層は、相互に離間されて配置された少なくとも2つの領域を有することができる。第3の接触層の少なくとも2つの領域は、電気端子であり得る。例えば、半導体チップは、少なくとも2つの電気端子に電気的に接続されている。
【0025】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第3の接触層は、絶縁層の上面を完全に覆う。したがって、第3の接触層は、絶縁層の横方向全伸張面にわたって延在する。絶縁層の上面を完全に覆う第3の接触層の場合、温度変化が生じた場合に絶縁層領域におけるオプトエレクトロニクス部品の湾曲が減少することが示された。例えば横方向で完全にフレーム状に半導体チップ周りに配置されてもよい第3の接触層は、第1の接触層、第2の接触層、および支持体の熱膨張が異なることに起因する、絶縁層領域における部品の湾曲に対抗することができる。
【0026】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、支持体とは反対側に電気接点を有する。オプトエレクトロニクス半導体チップは、例えば2つの電気接点を有する。半導体チップのこれらの電気接点は、相互に離間されて配置されている。したがって、例えば半導体チップのp型ドープ領域とn型ドープ領域とを電気的に接触させることができる。
【0027】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体チップの電気接点は、絶縁層とは反対側の支持体の下面における電気端子と導電的に接続されている。半導体チップの電気接点は、第3の接触層の領域に電気的に接続されてもよい。例えば、半導体チップの電気接点は、ボンディングワイヤを用いて第3の接触層の領域に接続されている。ここでは、さらに、電気接点を第2の接触層の部分領域と導電的に接続することも可能であり、この場合、これらの部分領域は、オプトエレクトロニクス部品の電気端子として用いられている。
【0028】
支持体の下面において電気端子として用いられる第2の接触層の部分領域は、第3の接触層または少なくとも第3の接触層の領域と導電的に接続されてもよい。この目的のために、ビアホールは、第3の接触層から絶縁層および支持体を通って第2の接触層まで延在することができる。このビアホールは、導電性材料を含むことができる。このビアホールを介して第3の接触層の領域は、オプトエレクトロニクス部品の電気端子として用いられる、支持体の下面における第2の接触層の部分領域に電気的に接続されてもよい。それゆえ、オプトエレクトロニクス部品は、好適には表面実装可能であってもよい。
【0029】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は表面実装可能である。これは、特に、半導体チップが支持体の下面の電気端子を介して電気的に接触できることを意味する。このことは、オプトエレクトロニクス部品の簡単な使用と実装とを可能にする。
【0030】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、オプトエレクトロニクス部品の全伸張面にわたって横方向に延在する導電層から開放されており、ここで、横方向は、オプトエレクトロニクス部品の主要延在面に対して平行である。
【0031】
これは、第1および第2の接触層が横方向でオプトエレクトロニクス部品の全伸張面にわたって延在していないことを意味する。なぜなら、第1および第2の接触層は、少なくとも1つの間隙を有しているからである。
【0032】
第3の接触層も同様に、横方向でオプトエレクトロニクス部品の全伸張面にわたって延在していない。なぜなら、絶縁層の上面が、オプトエレクトロニクス部品の全伸張面にわたって延在していないからである。第3の接触層は、空洞の領域には配置されていない。
【0033】
接触層における間隙は、例えば支持体を介した熱機械的応力の減少を可能にする。それにより、半導体チップの領域におけるオプトエレクトロニクス部品の湾曲を低減または回避することができる。
【0034】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、絶縁層から鉛直方向に突出しているか、または絶縁層と面一に終端しており、この場合、鉛直方向は、オプトエレクトロニクス部品の主要延在面に対して垂直である。これは、絶縁層が、オプトエレクトロニクス半導体チップよりもさらに鉛直方向に延在していることを意味する。ここでは代替的に、絶縁層とオプトエレクトロニクス半導体チップとが同等にさらに鉛直方向に延在することも可能である。絶縁層は、半導体チップを機械的に保護するために、好適には、半導体チップを超えて鉛直方向に突出することができる。このことは、半導体チップが支持体とは反対側でボンディングワイヤと電気的に接触している場合に特に有利である。
【0035】
オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの実施形態によれば、導電性材料を含む第3の接触層は、少なくとも部分的に支持体とは反対側の絶縁層の上面に配置され、さらに第3の接触層は、絶縁層の上面を完全に覆い、この場合、オプトエレクトロニクス部品は、オプトエレクトロニクス部品の全伸張面にわたって横方向に延在する導電層から開放されており、この場合、横方向は、オプトエレクトロニクス部品の主要延在面に対して平行である。ここでは、絶縁層の上面を完全に覆う第3の接触層が、絶縁層の領域におけるオプトエレクトロニクス部品の湾曲に対抗することが示されている。その他に、空洞の領域におけるオプトエレクトロニクス部品の湾曲は、部品の導電層のいずれも部品の全伸張面にわたって延在しないことにより防止または低減される。熱機械的応力は、例えば、第1および第2の接触層における間隙を介して減少させることができる。
【0036】
以下では、本明細書で説明するオプトエレクトロニクス部品を、実施例および関連する図面とあわせてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1A】オプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図1B】オプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図2】オプトエレクトロニクス部品の概略的平面図である。
図3A】様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図3B】様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図4A】様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図4B】様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図5】様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の概略的断面図である。
図6A】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図6B】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図7A】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図7B】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図8A】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図8B】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図9A】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図9B】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図10A】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
図10B】異なる温度に対する様々な実施例によるオプトエレクトロニクス部品の表面に対して垂直な表面の相対変位を示した図である。
【0038】
変位は、25℃の温度に比べて評価され、図6Aから図8Bでは有限要素コンピュータシミュレーションに基づき、図9Aから図10Bでは光学測定に基づいている。
【0039】
これらの図面において、同一の要素、同種の要素、または機能の同じ要素には、同一の参照符号が付されている。これらの図面およびこれらの図面中に示されている要素相互間の比率は、縮尺どおりのものとして見なされるべきではない。むしろ、個々の要素は、より良好な説明および/またはより良好な理解のためには誇張的に大きく表示されてもよい。
【0040】
図1Aには、実施例ではないオプトエレクトロニクス部品20の概略的断面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、支持体21、絶縁層22、オプトエレクトロニクス半導体チップ25、第1の接触層23、第2の接触層31、および第3の接触層32を備えている。第1の接触層23は、半導体チップ25と支持体21との間、および絶縁層22と支持体21との間に配置されている。第1の接触層23は、横方向xにオプトエレクトロニクス部品20の全伸張面にわたって延在し、この場合、この横方向xは、オプトエレクトロニクス部品20の主要延在面に対して平行である。第2の接触層31は、部分的に支持体21の下面を覆い、第3の接触層32は、部分的に絶縁層22の上面を覆う。絶縁層22、第1、第2、および第3の接触層23,31,32ならびに支持体21の異なる熱膨張係数に基づいて、温度変化が生じた場合、図1Bに概略的に示されるように部品20の湾曲をもたらす熱機械的応力がオプトエレクトロニクス部品20内で発生する可能性がある。
【0041】
図1Bには、図1Aに示されるように、オプトエレクトロニクス部品20の概略的断面図が示されている。ここでは、温度変化が生じた際に発生する可能性のある機械的応力が、オプトエレクトロニクス部品20の湾曲につながりかねないことが示されている。オプトエレクトロニクス部品20の湾曲は、半導体チップ25の領域および絶縁層22の領域において発生する可能性がある。
【0042】
図2では、実施例ではないオプトエレクトロニクス部品20の平面図が示されている。
【0043】
オプトエレクトロニクス部品20は、電気絶縁材料を含む絶縁層22を有する。その他に、この絶縁層22は、空洞24を有する。この空洞24内には、オプトエレクトロニクス半導体チップ25が配置されている。絶縁層22の上面27には、導電性材料を含む第3の接触層32が配置されている。この第3の接触層32は、上面27において絶縁層22を部分的に覆う。したがって、第3の接触層32は、相互に離間されて配置された複数の領域を有する。これらの領域は、電気端子29であり得る。半導体チップ25と絶縁層22とが相互に接触することなく配置されている。絶縁層22は、半導体チップ25を横方向xで完全に取り囲み、この場合、この横方向xは、オプトエレクトロニクス部品20の主要延在面に対して平行である。第1の接触層23は、空洞24全体にわたって延在し、その上さらにオプトエレクトロニクス部品20の表面全体にわたって延在する。
【0044】
図3Aには、一実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の概略的断面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、支持体21を有する。絶縁層22は、支持体21上に配置されている。この支持体21は、電気絶縁材料34を含む。支持体21の電気絶縁材料34は、支持体21の横方向全伸張面にわたって延在する。
【0045】
空洞24は、支持体21とは反対側の上面27から支持体21まで、絶縁層22を完全に通って延在する。空洞24内に配置された半導体チップ25は、鉛直方向zで絶縁層22と面一に終端し、この場合、鉛直方向zは、オプトエレクトロニクス部品20の主要延在面に対して垂直である。
【0046】
その他に、オプトエレクトロニクス部品20は、導電性材料を含む第1の接触層23を有する。この第1の接触層23は、半導体チップ25と支持体21との間、および絶縁層22と支持体21との間に配置されている。
【0047】
絶縁層22とは反対側の支持体21下面30には、第2の接触層31が配置されている。この第2の接触層31は導電性材料を含む。第2の接触層31は、支持体21下面30を部分的に覆う。
【0048】
第1の接触層23および第2の接触層31は、少なくとも1つの間隙26を有し、それによって、空洞24の領域内の支持体21は、少なくとも部分的に第1の接触層23および第2の接触層31から開放されている。したがって、第1の接触層23および第2の接触層31は、相互に離間されて配置された複数の領域を有する。空洞24の領域において、第1の接触層23は、半導体チップ25と支持体21との間に配置されている。半導体チップ25は、接着剤を含む接着層33によって第1の接触層23に接続されている。第1の接触層23は、必ずしも半導体チップ25と面一で終端しているわけではない。
【0049】
支持体21とは反対側の絶縁層22の上面27には、部分的に第3の接触層32が配置されている。この第3の接触層32は、導電性材料を含む。第3の接触層32は、相互に離間されて配置された複数の領域を有する。第3の接触層32は、電気端子29を有する。
【0050】
したがって、オプトエレクトロニクス部品20は、オプトエレクトロニクス部品20の全伸張面にわたって横方向xに延在する導電層から開放される。それゆえ、温度変化が生じた場合に、第1の接触層23および第2の接触層31の間隙26の領域において生じる熱機械的応力は、支持体21によって少なくとも部分的に減少させることができる。それゆえ、半導体チップ25の領域における支持体21の湾曲が回避または低減される。このことは、半導体チップ25と支持体21との間の接続の安定性を高める。したがって、オプトエレクトロニクス部品20の寿命を高めることができ、オプトエレクトロニクス部品20を効率的に動作させることができる。
【0051】
図3Bには、図3Aによるオプトエレクトロニクス部品20の実施例が示されている。この実施例では、温度変化が生じた場合にオプトエレクトロニクス部品20の湾曲が発生し得ることが示されており、ここでは、第1の接触層23および第2の接触層31が間隙26を有しているので、半導体チップ25の領域における湾曲が低減または回避され得る。
【0052】
図4Aは、さらなる実施例による、オプトエレクトロニクス部品20の概略的断面図を示している。図3Aに示される実施例とは対照的に、第3の接触層32は、絶縁層22の上面27を完全に覆う。ここでは、絶縁層22の上面27を完全に覆う第3の接触層32のもとで温度変化が生じた際に、絶縁層22の領域におけるオプトエレクトロニクス部品20の湾曲が低減されていることが示されている。
【0053】
例えばフレーム状に半導体チップ25周りに配置された第3の接触層32は、温度変化が生じた際の絶縁層22の湾曲に対抗することができる。この湾曲は、絶縁層22の横方向の熱膨張が第1の接触層23および第2の接触層31よりも少ないことに起因する。
【0054】
部品20が1つの用途でプリント基板上にはんだ付けプロセスによって表面実装される場合、温度変化が生じた際のオプトエレクトロニクス部品20のより少ない湾曲は有利であり得る。
【0055】
図4Bには、図4Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の実施例が示されている。ここでは、温度変化が生じた場合、オプトエレクトロニクス部品20の湾曲は、空洞24の領域においても、絶縁層22の領域においても防止または低減されることが示されている。
【0056】
図5には、さらなる実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の概略的断面図が示されている。支持体21は、第1の接触層23から支持体21を貫通して第2の接触層31まで延在する複数のビアホール35を有する。このビアホール35は、鉛直方向zに延在している。ビアホール35は、導電性材料を含む。したがって、第1の接触層23は、第2の接触層31と導電的に接続されている。その他に、第1の接触層23は、第2の接触層31と熱的に接続されている。このことは、半導体チップ25から第1の接触層23を介して第2の接触層31まで熱を放散させることを可能にする。
【0057】
半導体チップ25は、支持体21とは反対側に2つの電気接点28を有する。これらの電気接点28の各々は、ボンディングワイヤ37を介してそれぞれ第4の接触層36に電気的に接続されている。第4の接触層36は、部分的に絶縁層22上に配置され、部分的に絶縁層22の内部に配置されている。
【0058】
第4の接触層36は導電性材料を含み、支持体21の主要延在面に対して平行に延在する。第4の接触層36は、ビアホール35を介して第2の接触層31および第3の接触層32と導電的に接続されている。これらのビアホール35は、鉛直方向zで第4の接触層36から、支持体21の下面30における第2の接触層31まで、または絶縁層22の上面27における第3の接触層32まで延在する。ここでは、これらのビアホール35は、第1の接触層23から離間されて配置されている。
【0059】
これらのビアホール35の各々は、第2の接触層31の電気端子29と導電的に接続されている。したがって、半導体チップ25の電気接点28は、支持体21の下面30における電気端子29と導電的に接続されている。したがって、オプトエレクトロニクス部品20は、表面実装可能である。
【0060】
第1の接触層23は、複数の間隙26を有する。第1の接触層23は、空洞24の領域内に2つの間隙26を有する。その他に、第1の接触層23は、ビアホール35の領域内に間隙26を有する。第1の接触層23は、支持体21を横方向xで部分的に覆い、完全には覆っていない。第1の接触層23は、例えば支持体21の横方向伸張面の90%未満を覆うことができる。
【0061】
図6Aには、実施例ではないオプトエレクトロニクス部品20の一区分の平面図が示されている。図6Aのこの区分は、半導体チップ25なしで図1Aに示す構造を有し、オプトエレクトロニクス部品20の面積の1/4に相当する。示されている区分は、当該区分の縁部がオプトエレクトロニクス部品20の2つの対称軸線に沿って延びるように選択されている。その他に、25℃の温度に比べた250℃の温度の場合のオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位の有限要素コンピュータシミュレーションがμm単位で示されている。この鉛直方向は、オプトエレクトロニクス部品20の主要延在面に対して垂直である。半導体チップ25が存在するはずの領域は、破線で輪郭が描かれている。この領域において、鉛直変位は、82μmまでとなる。
【0062】
図6Bには、図6Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の支持体21の下面30からの平面図が示されている。下面30には、複数の電気端子29が配置されている。下面30では、250℃の場合の半導体チップ25の領域における鉛直変位は、25℃の場合の状態に比べて6.5μmまでとなり、オプトエレクトロニクス部品20の縁部では48μmまでとなる。
【0063】
図7Aには、一実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の一区分の平面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、半導体チップ25なしで図3Aに示す構造を有する。ここに示されている区分は、図3Aからのオプトエレクトロニクス部品20の面積の4/1に相当し、この区分の縁部がオプトエレクトロニクス部品20の2つの対称軸線に沿って延びるように選択されている。250℃の場合のオプトエレクトロニクス部品20の鉛直変位のコンピュータシミュレーションは、半導体チップ25の領域におけるオプトエレクトロニクス部品20の表面が、25℃の場合の状態に比べて最大で2.8μm変位していることを明らかにしている。オプトエレクトロニクス部品20の縁部では、鉛直変位は、85μmまでとなる。図6Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20とは対照的に、図7Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の場合、第1の接触層23および第2の接触層31は、少なくとも1つの間隙26を有する。このことは、温度変化が生じた場合に、半導体チップ25の領域における部品20の湾曲が大幅に低減することをもたらす。温度変化が生じた場合に発生する熱機械的応力は、支持体21を介した第1の接触層23および第2の接触層31の間隙26に基づき減少させることができる。
【0064】
図7Bには、図7Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の支持体21の下面30からの平面図が示されている。下面30には、複数の電気端子29が配置されている。下面30において、250℃の場合の部品20の鉛直変位は、コンピュータシミュレーションから明らかなように、25℃の場合の状態に比べて半導体チップ25の領域においては最大で1μmとなり、オプトエレクトロニクス部品20の縁部では48μmまでとなる。ここでも、例えば図6Bに示される例と比較して、温度変化が生じた場合の半導体チップ25の領域における部品20の湾曲は著しく低減されている。
【0065】
図8Aには、さらなる実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の一区分の平面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、半導体チップ25なしで図4Aに示す構造を有する。ここに示されている区分は、図4Aからのオプトエレクトロニクス部品20の面積の4/1に相当し、この区分の縁部がオプトエレクトロニクス部品20の2つの対称軸線に沿って延びるように選択されている。この実施例では、第3の接触層32は、絶縁層22の上面27を完全に覆っている。250℃の場合のオプトエレクトロニクス部品20の鉛直変位のコンピュータシミュレーションは、半導体チップ25の領域におけるオプトエレクトロニクス部品20の表面が、25℃の場合の状態に比べて最大で1μm変位していることを明らかにしている。オプトエレクトロニクス部品20の縁部では、鉛直変位は33μmまでとなる。
【0066】
これは、温度変化が生じた場合のオプトエレクトロニクス部品20の全伸張面にわたるオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位が、図6Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20と比較して著しく低減されていることを意味する。オプトエレクトロニクス部品20の縁部における変位も、図7Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20に比べて著しく低減されている。絶縁層22上に配置された第3の接触層32は、第1の接触層23および第2の接触層31と比較して絶縁層22の横方向の熱膨張がより少ないことに起因する絶縁層22の湾曲に対抗する。
【0067】
図8Bには、図8Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の支持体21の下面30からの平面図が示されている。下面30には、複数の電気端子29が配置されている。下面30では、鉛直変位は、図7Bと比較して反対方向に、半導体チップ25の領域においては2.7μmまでとなり、オプトエレクトロニクス部品20の縁部では2.4μmとなる。ここでも、特に図6Bおよび図7Bの例と比較して、温度変化が生じた場合のオプトエレクトロニクス部品20の縁部における鉛直変位は著しく低減されている。
【0068】
図9Aには、実施例ではないオプトエレクトロニクス部品20の平面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、半導体チップ25なしで図1Aに示す構造を有する。オプトエレクトロニクス部品20上を延在する2本の線L1,L2は、どの線L1,L2に沿って、オプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位が25℃に比べて様々な温度で測定されたかを示している。
【0069】
図9Bには、図9Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位の測定値がプロットされている。x軸には、図9Aに示される線L2に沿った位置がmm単位でプロットされている。y軸には、鉛直変位がμm単位でプロットされている。オプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位は、様々な温度について測定された。破線でマーキングされた6mmから11mmまでの間の領域は、半導体チップ25が配置されるはずの領域である。249℃の場合のオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位は、この領域において9μmまでとなり、オプトエレクトロニクス部品20の縁部では70μmまでとなる。
【0070】
図10Aには、一実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の平面図が示されている。このオプトエレクトロニクス部品20は、半導体チップ25なしで図4Aに示す構造を有する。オプトエレクトロニクス部品20上を延在する2本の線L1,L2は、どの線L1,L2に沿って、オプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位が様々な温度で測定されたかを示している。
【0071】
図10Bには、図10Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位の測定値がプロットされている。x軸には、図10Aに示される線L2に沿った位置がmm単位でプロットされている。y軸には、鉛直変位がμm単位でプロットされている。オプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位は、様々な温度について測定された。破線でマーキングされた6mmから11mmまでの間の領域は、半導体チップ25が配置されるはずの領域である。249℃の場合のオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位は、この領域において2μmまでとなり、オプトエレクトロニクス部品20の縁部では37μmまでとなる。したがって、これらの測定も、図4Aに示される実施例によるオプトエレクトロニクス部品20の表面の鉛直変位が、図1Aに示されるオプトエレクトロニクス部品20よりも著しく低減されていることを示している。
【0072】
本発明は、実施例に基づく説明によってこれらの実施例に限定されるものではない。むしろ、本発明は、当該の特徴または当該の組み合わせ自体が特許請求の範囲または実施例に明示的に提示されていない場合であっても、あらゆる新規の特徴ならびにこれらの特徴のあらゆる組み合わせを包含する。このことは、特に、特許請求の範囲における特徴のあらゆる組み合わせを含む。
【0073】
本出願は、独国特許出願第102018111791.4号明細書の優先権を主張するものであって、これとともにその開示内容は、参照により、本明細書に援用される。
【符号の説明】
【0074】
20 オプトエレクトロニクス部品
21 支持体
22 絶縁層
23 第1の接触層
24 空洞
25 オプトエレクトロニクス半導体チップ
26 間隙
27 上面
28 電気接点
29 電気端子
30 下面
31 第2の接触層
32 第3の接触層
33 接着層
34 電気絶縁材料
35 ビアホール
36 第4の接触層
37 ボンディングワイヤ
L1,L2 線
x 横方向
z 鉛直方向
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B