(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】医療デバイスの封入されたコンポーネントを含む遠位端部
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20240325BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61B1/04 530
A61B1/06 531
(21)【出願番号】P 2020571486
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2019039369
(87)【国際公開番号】W WO2020006158
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラルーシュ、アダム マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フィーリング、キルステン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデン、ジョン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】キッペンブロック、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ディルズ、アダム
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、セス チャールズ
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-511357(JP,A)
【文献】特開2007-296112(JP,A)
【文献】国際公開第2012/099127(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 ー 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスの遠位端部であって、
イメージキャプチャコンポーネントと、
光源と、
接続部であって、接続部の外表面の形状は、医療デバイスの
シャフトにおけるレセプタクルの内表面の形状の鏡像である、前記接続部と、
イメージキャプチャコンポーネント及び光源と接触してそれらを少なくとも部分的に取り囲む内表面を有する封入体であって、前記内表面の形状は、前記内表面が接触するイメージキャプチャコンポーネント及び光源の外表面の形状の鏡像である、前記封入体と
を含む、遠位端部。
【請求項2】
封入体が液密シェルを形成している、請求項1に記載の遠位端部。
【請求項3】
封入体は、レンズ、プリズム、アパーチャ、フィルタ、拡散器、光を分散させる特徴、及び光をコリメートする特徴のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の遠位端部。
【請求項4】
封入体は、支柱、くさび、カム、ピン、ノッチ、ピストン、シリンダ、ギア、ラック、プーリ、及び滑車のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項5】
回路基板をさらに含み、封入体の内表面は、回路基板に接触してそれを少なくとも部分的に取り囲んでおり、前記内表面の形状は、回路基板の外表面の形状の鏡像である、請求項1~4のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項6】
封入体の内表面は、イメージキャプチャコンポーネントの少なくとも側面に接触しており、
封入体の内表面は、光源の少なくとも上面及び少なくとも側面に接触しており、
封入体は、イメージキャプチャコンポーネントと光源との間のすべての空間を満たし、
封入体の内表面は、回路基板の少なくとも底面に接触している、請求項5に記載の遠位端部。
【請求項7】
遠位端部は、電流が層に印加されたときに不透明度又は反射率を変化させるように構成された層をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項8】
封入体は、成形されたモノリシック材料で形成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項9】
キャップ部分をさらに含み、
封入体の内表面は、イメージキャプチャコンポーネントの少なくとも側面に接触しており、
封入体の内表面は、光源の少なくとも上面及び少なくとも側面に接触しており、
封入体は、イメージキャプチャコンポーネントと光源との間のすべての空間を満たし、
封入体の外表面は、キャップ部分の内表面に接触している、請求項1~8のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項10】
封入体は、リッジ及びフランジのうちの少なくとも1つを含み、リッジ又はフランジは、キャップ部分と嵌合するように形作られている、請求項9に記載の遠位端部。
【請求項11】
封入体の遠位外表面は、丸みを帯びた形状を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項12】
封入体の遠位外表面は、キャップ部分の内表面に接触している、請求項9に記載の遠位端部。
【請求項13】
封入体は透明である、請求項1~12のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項14】
封入体は、電気絶縁材料で形成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の遠位端部。
【請求項15】
光源は発光ダイオード(LED)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の遠位端部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスの封入されたコンポーネントのためのデバイス、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示の態様は、内視鏡の封入された遠位部分のためのデバイス、システム、及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、操作者が握ることができるハンドル部を含み得、また、ステアリング、吸引、水、空気、光、及び画像化などの機能のための制御要素を含み得る。内視鏡はまた、対象に挿入され得る部分を含み得る。例えば、内視鏡は、対象への挿入に適した長尺のチューブを含み得る。そのような挿入部は、1つ又は複数のルーメンを含み得る。内視鏡の挿入部のルーメンは、例えば、空気、水、吸引、電気、データ、光、及び/又は画像を伝える機能をサポートすることができる。内視鏡の挿入部の作業チャネルを介して器具を挿入することもできる。例えば、器具は、内視鏡のハンドルの中又は近くのポートを介して挿入され得る。
【0003】
内視鏡の挿入部は、遠位部分で終端することができる。内視鏡の遠位部分は、内視鏡のルーメンからの空気、水、吸引、電気、データ、光、画像、及び/又は作業ツールのための出口を含み得る。遠位部分は、製造公差が狭いものであり得る。しかし、内視鏡の遠位部分には複数のコンポーネントが含まれる場合があるため、特に小さいサイズでは、これらの製造公差を達成するのが難しい場合がある。したがって、効率的な技術で製造され、対象において内視鏡を使用するための要件を満たす内視鏡の遠位部分が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例は、とりわけ、内視鏡の封入された遠位部分を含む、医療デバイスの封入されたコンポーネントのためのデバイス、システム、及び方法に関する。本明細書に開示される各例は、開示される例に関連して記載される1つ又は複数の特徴を含み得る。
【0005】
医療デバイスの遠位端部は、イメージキャプチャコンポーネント;光源;及び、イメージキャプチャコンポーネント及び光源と接触してそれらを少なくとも部分的に取り囲む内表面を有する封入体を含み得る。内表面の形状は、内表面が接触するイメージキャプチャコンポーネント及び光源の外表面の形状の鏡像であり得る。
【0006】
本明細書に記載の遠位端部の任意の例は、追加で又は代替的に、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。封入体は液密シェルを形成し得る。封入体は、レンズ、プリズム、アパーチャ、フィルタ、拡散器、光を分散させる特徴、ミラー、窓、格子、又は光をコリメートする特徴、あるいはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。封入体は、支柱、くさび、カム、ピン、ノッチ、ピストン、シリンダ、ギア、ラック、プーリ、ソケット、又は滑車、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。遠位端部は、回路基板を含み得る。封入体の内表面は、回路基板に接触し、少なくとも部分的に取り囲むことができる。内表面の形状は、回路基板の外表面の形状の鏡像であり得る。封入体の内表面は、イメージキャプチャコンポーネントの少なくとも側面に接触することができる。封入体の内表面は、光源の少なくとも上面及び少なくとも側面に接触することができる。封入体は、イメージキャプチャコンポーネントと光源との間のすべての空間を満たすことができる。封入体の内表面は、回路基板の少なくとも底面に接触することができる。遠位端部は、電流又は電圧が層に印加されたときに不透明度又は反射率を変化させるように構成された層を含み得る。封入体は、成形されたモノリシック材料で形成することができる。遠位端部は、キャップ部分を含み得る。封入体の内表面は、イメージキャプチャコンポーネントの少なくとも側面に接触することができる。封入体の内表面は、光源の少なくとも上面及び少なくとも側面に接触することができる。封入体は、イメージキャプチャコンポーネントと光源との間のすべての空間を満たすことができる。封入体の外表面は、キャップ部分の内表面に接触してもよい。封入体は、リッジ及びフランジのうちの少なくとも1つを含み得る。リッジ又はフランジは、キャップ部分と嵌合するように形作ることができる。封入体の遠位外表面は、丸みを帯びた形状を有し得る。封入体の遠位外表面は、キャップ部分の内表面に接触し得る。遠位端部は、接続部を含み得る。接続部の外表面の形状は、医療デバイスの遠位端部に配置されたレセプタクルの内表面の形状の鏡像であり得る。封入体は透明であってもよい。封入体は、電気絶縁材料で形成してもよい。
【0007】
別の例では、医療デバイスの遠位端部を形成するための方法は、イメージキャプチャコンポーネント及び光源を型のキャビティ内に配置し、封入体材料をキャビティ内に導入することを含み得る。導入された封入体材料は、イメージキャプチャコンポーネントの少なくとも一部及び光源の一部を包含し得る。封入体材料は硬化させてもよい。
【0008】
本明細書に記載の任意の方法は、以下に記載する特徴又はステップのうちの1つ又は複数を含み得る。キャビティは、レンズ、プリズム、アパーチャ、フィルタ、拡散器、光を分散させる特徴、ミラー、窓、格子、又は光をコリメートする特徴、あるいはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとは逆の凹凸を含み得る。キャビティは、支柱、くさび、カム、ピン、ノッチ、ピストン、シリンダ、ギア、ラック、プーリ、ソケット、又は滑車、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとは逆の凹凸を含み得る。回路基板をキャビティ内に配置することができる。導入された材料は、回路基板の少なくとも一部を包含し得る。キャビティは、リッジ及びフランジのうちの少なくとも1つとは逆の凹凸を含み得、リッジ又はフランジは、キャップ部分と嵌合するように形作られる。
【0009】
さらに別の例では、医療デバイスは、近位制御部;遠位挿入部;及び遠位端部を含み得る。遠位端部は、コンポーネント及び封入体を含み得る。封入体は、コンポーネントに接触し、少なくとも部分的にそれを取り囲む内表面を有し得る。内表面の形状は、内表面が接触するコンポーネントの外表面の形状の鏡像であり得る。
【0010】
任意の医療デバイスは、追加で又は代替的に、以下に記載する特徴の1つ又は複数を含み得る。封入体は液密シェルを形成し得る。封入体は、レンズ、プリズム、アパーチャ、フィルタ、拡散器、光を分散させる特徴、ミラー、窓、格子、又は光をコリメートする特徴、あるいはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。封入体は、支柱、くさび、カム、ピン、ノッチ、ピストン、シリンダ、ギア、ラック、プーリ、ソケット、又は滑車、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。遠位端部は、キャップ部分をさらに含み得る。封入体の内表面は、コンポーネントの少なくとも上面及び少なくとも側面に接触することができる。封入体の外表面は、キャップ部分の内表面に接触してもよい。
【0011】
前述の概説及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載されたような本発明を限定するものではないことが理解され得る。本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含み」又はその任意の他の活用形は、非排他的包含を含むように意図されている。すなわち、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に記載されていない要素や、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含み得る。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の例を示し、説明とともに、本開示の原理を説明する助けとなる。
【
図1】医療デバイスの例示的な封入された遠位部分を示す。
【
図2】医療デバイスの封入された遠位部分のための例示的な型の断面を示す。
【
図3A】内視鏡の例示的な封入された遠位部分を示す。
【
図3B】内視鏡の例示的な封入された遠位部分を示す。
【
図4】内視鏡の例示的な封入された遠位部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
内視鏡の遠位端部は、様々な電子コンポーネント及び他のコンポーネントを含むことができ、内視鏡の遠位挿入部に接続し得る。遠位端部は患者の体管腔に挿入され得るので、これらの遠位端部は滅菌可能でなければならない。これらの遠位端部はまた、厳しい製造要件の対象となり得る。本開示は、例えば、遠位端部の滅菌要件を満たし、製造を容易にする材料で封入された遠位端部を説明する。そのような封入された端部は、内視鏡又は他のデバイスのコンポーネント(そのようなデバイスの電子コンポーネントを含む)に損傷を与える可能性のある流体や他の汚染物質の侵入を防ぐことができる。本明細書の開示による遠位端部はまた、光学的及び機械的機能などの機能的コンポーネントの封入体への統合を可能にすることによって小型化を助け得る。ここでは内視鏡を参照しているが、内視鏡又は内視鏡検査は、開示されたシステムの可能な用途を制限するものとして解釈されるべきではない。他の用途には、例えば、コンポーネント、特に小型の電気コンポーネントの封入を必要とする任意の医療デバイス又は非医療デバイスが含まれる。そのような医療機器には、例えば、大腸内視鏡、尿管鏡、気管支鏡、カテーテル、シース、イメージャなどが含まれる。
【0014】
図1は、医療デバイスの例示的な遠位部分10を示す。遠位部分10は、例えば、内視鏡装置の遠位部分として使用することができる。例えば、遠位部分10は、内視鏡の長尺挿入部の遠位端に配置される遠位端部であり得る。遠位部分10は、例えば、1つ又は複数の電子コンポーネント12を含み得る。1つ又は複数の電子コンポーネント12は、電子モジュール14の一部であり得る。電子モジュール14は、多数の電子コンポーネント12を含み得る。複数の電子コンポーネント12は、共に固定されて1つの電子モジュール14を形成してもよいし、電子コンポーネント12の一部は離れた別個のコンポーネントであってもよい。
【0015】
電子コンポーネント12は、例えば、カメラ16などのイメージキャプチャコンポーネントを含み得る。カメラ16は、例えば、1つ又は複数のレンズ18、ならびにイメージャ20及び/又は他のイメージャ関連回路を含み得る。カメラ16はまた、アパーチャ、プリズムなどの他のコンポーネントを含み得る。レンズ18は、関心のある場所(例えば、対象の体管腔内)から受け取る光に焦点を合わせるか、その光を別様に扱うのを助けることができる。イメージャ20は、関心のある場所から受け取った光を受信及び/又は処理する電子コンポーネントを含み得る。カメラ16は、統合されたモジュールであり得る。代替形態では、カメラ16は、多数の分かれたコンポーネントを含み得る。カメラ16は、静止画及び/又は動画をキャプチャできるものであり得る。カメラ16を使用する代わりに、遠位部分10は、関心のある場所から内視鏡の近位端(例えば、ハンドル)に画像を送信する働きをする1つ又は複数のレンズ及び/又はライトガイドを含んでもよい。
【0016】
モジュール14の電子コンポーネント12はまた、発光ダイオード(LED)22などの1つ又は複数の光源を含み得る。LEDという用語は、本願では便宜上使用され得るが、他の任意の光源(例えば、光ファイバー、レーザ、又は他の機構)が使用され得ることが理解されよう。電子コンポーネント12はまた、LED22を操作するための回路24を含み得る。電子コンポーネント12はまた、例えば、可視光以外の電磁周波数を感知することができるセンサを含み得る。電子コンポーネント12はまた、例えば、無線周波数(RF)センサ、加速度計、及び/又は超音波センサを含むマッピング電子部品を含み得る。電子コンポーネント12はまた、治療手段のためにRFエネルギーを生成及び使用することができる要素を含み得る。
【0017】
モジュール14の電子コンポーネント12は、カメラ16及び/又はLED22などの1つ又は複数の電子コンポーネント12を制御するように動作することができる回路26をさらに含み得る。回路26は、1つ又は複数の回路基板28を含み得る。回路基板28は、プリント回路基板であってもよく、可撓性、剛性、又は半剛性の回路基板であってもよい。回路26のいくつかの部分は、遠位部分10に搭載された他の電子コンポーネント、又は内視鏡の近位制御端(例えば、ハンドル又はコントローラ)内のコンポーネントに、例えばリード線又はワイヤを介して接続することができる。例えば、ワイヤ30は、遠位部分10の、回路基板28、カメラ16、及び/又はLED22を含む電子コンポーネント12と、内視鏡の近位端(例えば、ハンドル)のコンポーネントとの間の接続を提供し得る。ワイヤ30は、例えば管状であり得る導管32を介して担持され得る。カメラ16及び/又はLED22は、回路基板28に取り付けることができる。
【0018】
モジュール14の電子コンポーネント12の一部又はすべて、ならびに他のコンポーネントは、封入体40内に提供され得る。封入体40は、任意の適切な材料で形成され得る。例えば、封入体40は、剛性材料又は可撓性材料から作製され得る。封入体40は、例えば、プラスチック材料及び/又はエポキシから作製され得る。例えば、封入体40は、医療グレードの2部式の光学的に透明な材料(例えば、ロックタイト(登録商標)M-31CL又は同等品)から作製され得る。このような材料は、熱を発生する電子部品を絶縁し得る。熱を放散又は伝達するために、エポキシなどの材料をドープすることができる。例えば、熱伝導率の高い微粉末材料(例えば、銅)を材料にブレンドすることができる。そのような微粉末材料は、それがエポキシ又は封入体40を形成する他の材料の中で懸濁状態にとどまるようにブレンドすることができる。別の方法として、封入体40は、粘性バージョン/グレードのポリアミド(例えば、ナイロン)又は他の低温低粘度熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化接着剤(例えば、Dymax 203A-CTH-F Multi-Cure)を使用する低圧熱可塑性成形プロセスを使用して形成され得る。封入体40は、剛性エポキシならびに柔軟なシリコーンから作製され得る。封入体40は、使用、サブコンポーネントの発熱特性、及び/又は電子コンポーネント12の推奨動作温度制限に関連する設計上の考慮事項に応じて、熱を放散又は断熱するように形成することができる。
【0019】
封入体40は、継ぎ目のない又は一体化された構造から作製することができ、1つ又は複数の材料を含み得る。例えば、封入体40はモールド成形することができる(例えば、以下の
図2の説明を参照されたい)。封入体40は、例えば、オーバーモールド品であってもよい。封入体40は、1つのモノリシック材料から形成され得る。別の方法として、封入体40は、複数の材料から形成され得、これらは、一緒に混合され、層状に適用され、遠位先端10の異なる部分に適用され、又は他の方法で適用され得る。複数の材料が使用される場合でさえ、封入体40は継ぎ目がなく、材料の異なる層の間に隙間がなくてもよく、又は隙間が残っていても、材料が結合して1つのまとまった構造を形成するという点で継ぎ目のないものであり得る。封入体40における隙間は、封入体40が1つのまとまったユニット又は構造を形成する継ぎ目のない構造を有することを妨げてはならない。隙間は、例えば、空気又は他の流体及び/又は電子コンポーネント12などの他のコンポーネントで埋めることができる。
【0020】
封入体40は、機械的及び電気的に絶縁されたシェルを形成することができ、以下でさらに詳細に説明するように、機械的及び/又は光学的特徴を含む多種多様な機能的特徴を含むように形成することができる。封入体40は、以下でさらに詳細に論じられるように、電子コンポーネント12を取り囲むことができる。例えば、封入体40は、電子コンポーネント12のすべての露出面を取り囲むことができる。封入体40の内表面は、電子コンポーネント12の露出した外表面の鏡像であり得る。例えば、カメラ16を参照すると、封入体40は、回路基板28などの他のコンポーネントに取り付けられていないカメラ16及びLED22のすべての表面又は表面のサブセット(側面など)を包囲し及び/又は取り巻くことができる。封入体40はまた、電子コンポーネント12又は遠位端10の他のコンポーネントを、それらのコンポーネントを封入体40に完全に埋め込み、それらを封入体40に埋め込んだ状態で固定することによって、所定の位置に固定することができる。例えば、封入体40は、それが電子コンポーネント12又は遠位端10の他のコンポーネントとの間のすべての隙間又は他の空間を満たすように硬化させることができる。封入体40は、電子コンポーネント12と封入体40との間に空間がないように形成することができる。封入体40は、カメラ16及び/又はLED22などの電子コンポーネント12の表面に動かないように突き当てられていてもよい。例えば、封入体40は、カメラ16及び/又はLED22などの電子コンポーネント12の上面及び/又は側面に動かないように突き当てられていてもよい。封入体40と、それが突き当てられているカメラ16及び/又はLED22などの電子コンポーネント12の表面との間に、接着剤などの他の要素が存在しない場合もあれば、そうでない場合もある。封入体40の内表面は、カメラ16及び/又はLED22などの電子コンポーネント12に接触し、少なくとも部分的に取り囲むことができる。例えば、封入体40の内表面は、封入体40の内表面に接触する電子コンポーネント12の外表面の形状の鏡像となるように形作ることができる。
【0021】
封入体40は、カメラ16及び/又はLED22などの遠位部分10の電子コンポーネント12への、又はそこからの光の通過を可能にするように、透明又は半透明の材料から形成することができる。あるいは、カメラ16及び/又はLED22などの電子コンポーネント12を包囲し及び/又は取り巻く封入体40の部分は、透明又は半透明の材料から形成され得、封入体40の他の部分は、不透明又は部分的に不透明な材料から形成され得る。
【0022】
遠位部分10のすべて又は一部は、キャップ部分(
図5に関して以下に説明されるようなキャップ部分440など)内に収容され得る。例えば、キャップ部分は、遠位部分10の少なくとも遠位部分及び側部を覆うことができる。封入体40の外表面は、キャップ部分の内表面に接触することができる。例えば、封入体40の外表面は、キャップ部分の内表面の鏡像である形状を有し得る。キャップ部分は、例えば、プラスチック製であり得る。キャップ部分は、内視鏡の長尺挿入部への遠位部分10の取り付けを容易にすることができる。キャップ部分は、遠位部分10に接着又は他の方法で固定され得る。封入体40の一部及び/又は遠位部分10の他のコンポーネントは、接続部42を形成し得、これは、遠位部分10を、内視鏡の遠位挿入部などの内視鏡の他の部分に接続するために使用され得る。例えば、内視鏡などの医療デバイスの遠位端は、接続部42を受け入れるためのレセプタクルを含み得る。例えば、そのようなレセプタクルの内表面は、接続部42の外表面の鏡像であり得る。例えば、遠位部分10又は遠位部分10上のキャップ部分は、内視鏡のシャフト(
図5に示されるシャフト430など)に圧入され得る。遠位部分10は、接着剤、テープ、オーバーモールド、スリーブ、又は機械的ロックを含む他の任意の固定機構によって、内視鏡の遠位挿入部に固定することができる。接続部42は、遠位部分10の遠位部分よりも小さい断面を有し得る。
【0023】
キャップ部分はまた、エレベータ、作業チャネル、及び空気、水、及び/又は吸引のための出口などの特徴のためのハウジングを含み得る。封入体40は、キャップ部分と嵌合するように形成することができる。例えば、封入体40の湾曲した端部46は、キャップ部分上の対応する特徴と嵌合することができ、湾曲した端部46は、遠位部分10をキャップ部分又は別のコンポーネントと整列させ、配置し、及び/又は接続するのを助けることができる。封入体40はまた、例えば、直線的縁部44を含み得、これは、キャップ部分の相補形状の特徴と嵌合することができ、遠位部分10をキャップ部分又は別のコンポーネントと整列させ、配置し、及び/又は接続するのを助けることができる。封入体40はまた、リッジ48などの特徴を含み得、これは、遠位部分10をキャップ部分又は別のコンポーネントと整列させ、配置し、及び/又は接続するのを助けるため、キャップ部分とさらに嵌合するか、又はキャップ部分又は内視鏡の別の部分又は遠位部分10が接続される他のデバイスとの圧入又は滑りばめを可能にし得る。
【0024】
図2は、成形型100の一部における内視鏡の遠位部分10の断面を示し、成形型100は、電子コンポーネント12、及び/又は他のコンポーネントを含む電子コンポーネントモジュール14を封入体40で封入するために使用され得る。成形型100は、任意の適切な材料で作ることができる。例えば、成形型100は、シリコーンなどの低接着性材料から形成することができる。封入を達成するために、モジュール14及び/又は他のコンポーネント(モジュール14に結合されていない電子コンポーネント12など)を成形型100に配置することができる。成形型100は、封入前の型100内のモジュール14の配置を助けるためのインジケータ(図示略)を含み得る。モジュール14は、成形型100の第1の半型(例えば、下型)に配置することができる。次に、成形型100の第2の半型(例えば、上型)を所定の位置に配置し、例えば成形型100の突起102を使用して第1の半型にスナップフィットさせるか、又は任意の適切な機械的結合を介して一緒に固定することができる。例えば、成形型100の第1の半型は突起102を含み得、成形型100の第2の半型は、突起102がスナップフィットされ得る鏡像のくぼみ(図示略)を含み得る。あるいは、モジュール14及び/又は他のコンポーネント(モジュール14に結合されていない電子コンポーネント12など)を、封入体40を形成する目的で、任意の他の種類の型に入れることができる。
【0025】
成形型100は、所望の封入体40とは凹凸が逆になるように形成されたキャビティ104を含み得る。したがって、成形型100に封入体材料が提供され、封入体材料が硬化されると、封入体40が形成される。成形型100はまた、1つ以上のチャネル106を含み得る。チャネル106は、封入体材料をキャビティ104に注入するために使用され得る。あるいは、封入体材料をキャビティ104に導入するために、任意の適切な方法を使用することができる。
【0026】
キャビティ104は、封入体40に機械的特徴を形成するように形作ることができる。例えば、封入体40の機械的特徴は、遠位端10を内視鏡の他の部分と共に組み立てるのを助けることができる。例えば、封入体40は、1つ又は複数のフランジ部分112、114を含み得る。フランジ部分112、114は、遠位端10を内視鏡の挿入部の遠位端と整列させ、配置し、及び/又は接続するのを助けることができる。封入体40の機械的特徴はまた、例えば、スナップフィット又は他の組み立て補助特徴を含み得る。封入体40のそのような特徴は、遠位端10をキャップに配置すること、又は遠位端10を内視鏡の長尺挿入部に取り付けることを助けるために使用され得る。例えば、封入体40の機械的特徴は、ピン、ノッチ、穴、溝、及び/又は他の特徴、例えば、ピストン及び/又はシリンダ、ギア、ラック、プーリ、ソケット、及び/又は滑車、又はそれらの組み合わせなどを含み得る。封入体40の機械的特徴はまた、支柱、くさび、及び/又はカムなどの特徴を含み得る。例えば、封入体40は、上記で説明したように、湾曲端部46、直線的縁部40、及び/又はリッジ48を含み得る。封入体40はまた、
図3Aに関して以下で説明するように、フランジ112、114を含み得る。
【0027】
封入体40はまた、カメラ16及び/又はLED22の上部をそれぞれ覆うことができるカメラカバー116及び/又はLEDカバー118を含み得る。あるいは、封入体40は、カメラカバー116及び/又はLEDカバー118を欠いていてもよい。そのようなカバー116、118がないと、カメラ16及びLEID22の一部が露出し、封入体40の外に出る場合がある。例えば、封入体40は、カバー116、118なしで形成され得る。成形型100のキャビティ104は、カバー116、118を形成するための構造を欠いていてもよい。あるいは、封入体40の一部は、成形型100において封入体40を成形した後に除去され得る。例えば、カメラ16及び/又はLED22などの光学部品の近くの封入体40の一部は、封入体40の成形後に除去され得る。
【0028】
成形型100は、導管32をきつく取り囲むように形成することができる。例えば、導管32は、成形型100にスナップフィットさせることができ、封入体材料は、導管32の周りに流れないか、又は封入体材料の薄い層のみが導管32の周りに提供され得る。あるいは、導管32はまた、封入体40の内部に含まれ得る。
【0029】
遠位部分10はまた、例えば、作業チャネル、エンドエフェクタ、エレベータ、吸引ポート、あるいは内視鏡の遠位部分の既知の又は既知になり得る他の特徴を含み得る。そのような特徴は、封入体40及び/又はキャップ部分などの他のコンポーネントから形成され得る。他のコンポーネントが使用される場合、それらは、封入体40を形成した後に遠位部分10に取り付けられてもよいし、封入体40を形成する前に型100に配置されて、封入体40に統合されてもよい。遠位部分10はまた、薬剤又は造影剤などの他の媒体の送達及び/又は分配のためのソレノイドを含むように形成され得る。型100の遠位部分10及び/又はキャビティ104はまた、機械的絨毛(mechanical villi)を遠位部分10に固定するための部位を含み得る。そのような機械的絨毛は、例えば、液体媒体又は腔を介した1つ又は複数の自律型使い捨てデバイスの操縦又は移動に使用することができる。そのような絨毛が使用される場合、遠位部分10は、医師又は他のユーザによって操縦可能な内視鏡ではなく、自律型デバイスの一部として使用され得る。
【0030】
封入体40は、水、体液、他の液体、又は固体又は気体の物質が、遠位部分10の隙間又は他の部分に侵入するのを防ぐことができる。例えば、封入体40は、水密、流体密、及び/又は液密であることによって、液体による損傷から電子コンポーネント12を保護することができる。封入体40はまた、汚染物質を除去することがより困難となり得る隙間の数を制限することによって、遠位部分10の滅菌を助けることができる。加えて、又は代替として、遠位部分10を製造する費用効果、ならびに遠位部分10の他の品質は、それを滅菌可能で生体適合性の使い捨てデバイスに組み込むのに特に適したものとすることができ、これは臨床リスク及び消毒と再滅菌の費用を低減する。遠位部分10は、内視鏡又は他のデバイスと組み合わせて使用されて、例えば、生検、焼灼、超音波、デバイスの配置、又は他の診断又は治療手段を含む多種多様な医療手段を実施することができる。
【0031】
遠位端10を構築するための方法は、成形型100内に、電子コンポーネント12(モジュール14を形成し得る)を配置し、又は他の態様で位置決め又は位置づけることを含み得る。成形型100には、例えば、プラスチック又はエポキシから作製された封入体材料、又は紫外線硬化接着剤、熱可塑性樹脂、及び/又は熱硬化性樹脂などの、封入体40に関して上述した他の材料を注入することができる。射出成形の代わりに、電子コンポーネント12を封入体材料で封入するために、他の任意の封入方法を使用することができる。例えば、封入体材料は、封入体40を形成するために押し出され得る。電子コンポーネント12は、封入体40によって取り囲まれ得る。成形型10又は他の機構を使用して封入体材料が導入された後、封入体材料を、硬化又は他の方法で固めることができる。続いて、封入された遠位端部10は、成形型100から取り外され得る。封入は複数の段階で行われてもよい。例えば、複数の型を使用してもよいし、封入体材料の複数の層を他の方法で適用してもよい。別の例として、封入体40の異なる部分に異なる材料を使用してもよいし、材料を、電子コンポーネント12への適用前、適用中、又は適用後に混合してもよい。
【0032】
本明細書に記載の技術を使用することにより、部品数、部品の組み立ての複雑さ、及び/又は材料費及び製造技術のコストを減らすことができる。例えば、封入体40のモールド成形は、大量に効率的に行われ得るのに対し、他の技術の個別の機械加工操作を行うことは、効率が下がり得る。本明細書に記載の技術は、他の技術によって製造されたデバイスと比較して、遠位端10の同等の機能的性能を維持し得る。
【0033】
図3A~3Bは、内視鏡の遠位端として使用することができる遠位端200の断面図を示す。遠位端200は、上述した遠位端10の任意の特性を有し得る。遠位端200は、例えば、
図2に関して上記で説明した方法に従って、型100によって形成され得る。遠位端200は、例えば、1つ又は複数のレンズ及び/又はカメラ16及び/又は1つ又は複数のLED22などの電子コンポーネント12、ならびに他の上記の電子コンポーネント12を含み得る。カメラ16、LED22、及び/又は他の電子コンポーネント12(電子モジュール14を形成することができるもの)は、封入体40に封入することができ、これは、
図1~2に関して上述したものなどの任意の適切な封入体材料から形成することができる。
【0034】
封入体40は、遠位端200を特定の用途と互換性のあるものにする物理的特徴に形成することができる。例えば、型100などの型は、遠位端200の所望の物理的特徴とは逆の凹凸を含むキャビティ104を備えるように形成され得る。あるいは、そのような物理的特徴は、成形が完了した後に封入体40から材料を除去することによって形成され得る。例えば、封入体40は、遠位端200が内視鏡の遠位部分と共に使用され得るように形成され得る。封入体材料40を含む遠位端200は、遠位端200の長手方向軸に対して長尺の形状を有し得る。遠位端200の長手方向軸は、遠位端200と一緒に使用される内視鏡の長手方向軸と同軸又は平行であり得る。遠位端200はまた、水や他の流体の出入りを許容しない内視鏡などのデバイスとの液密、流体密、及び/又は水密嵌合を提供する特徴を有し得る。例えば、封入体40は、液密及び/又は水密であり得、及び/又は遠位端200は、内視鏡にシールされ得る。フランジ112や114などの遠位端200の一部は、遠位端200を内視鏡などのデバイスに配置及び/又は固定するのを助け、遠位端200と内視鏡との間にシールを確立するのを助けることができる。あるいは、フランジ112又は114は、上記のように、遠位端200にキャップ部分を取り付けるのを助けることができる。さらなる例として、遠位端200は、非外傷性の特徴を有し得る、及び/又は相補形のキャップ部分に嵌合するように形成され得る丸みのある遠位部分202を含み得る。
【0035】
封入体40はまた、レンズなどの光学的特徴204を含み得る。封入体40から形成された遠位端200の物理的特徴と同様に、光学的特徴204は、光学的特徴204とは逆の凹凸を含むキャビティ104を有する型100で形成され得る。加えて、又は代替として、光学的特徴204は、封入体40の成形及び/又は硬化後に封入体40に適用される技術によって形成され得る。例えば、封入体40の一部は、機械的又は化学的方法によって除去され得る。
図3A及び3Bに示される光学的特徴204の湾曲した形状は単なる例示である。光学的特徴204は、任意の数の平坦部、凸面、凹面、又はファセットを含む形状であり得る。
【0036】
レンズという用語は、例示的な光学的特徴204を説明するために本明細書で使用され得るが、任意の光調整構造又は他の光学的構造が使用され得る。例えば、光学的特徴204は、プリズムであってもよく、例えば、光を異なる偏光の成分に分割し得る。光学的特徴204はまた、他の任意の屈折構造又はミラーなどの反射構造であり得る。上記の例は、使用することができる光学的特徴204の種類を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0037】
光学的特徴204は、封入体40の残りの部分を形成するものと同じ封入体材料から形成され得る。あるいは、光学的特徴204は、封入体40の残りの部分を形成する材料とは異なる封入体材料で形成され得る。光学的特徴204はまた、封入体40の成形及び/又は硬化の前又は後に、封入体40の一部を他の材料でドープすることによって形成され得る。光学的特徴204に異なる材料が使用される場合、光学的特徴204を形成するために型100を変更する必要がない場合がある。光学的特徴204は、形状に関して遠位部分200の残りの部分と区別されなくてもよい。あるいは、光学的特徴204に異なる材料が使用される場合、光学的特徴はまた、成形プロセス中に型100によって、又は成形後に適用される技術によって形成される特殊な形状を有し得る。
【0038】
光学的特徴204は、集束特性及び/又は拡散特性を有し得る。
図3Aに示すように、光学的特徴204は、カメラ16に入射し、イメージャ20などの処理コンポーネントによって受信される光に影響を与えるように機能し得る。光学的特徴204はまた、アパーチャ、フィルタ、拡散器、光を分散する特徴、ミラー、窓、又は格子、又はそれらの組み合わせであり得る。カメラ16は、光学的特徴204に加えて、追加のレンズ又は他の光調整特徴を含み得る。加えて、又は代替として、
図3Bに示すように、光学的特徴204は、LED22又は別の構造によって放射される光を調整するか、他の方法で影響を与えるように機能することができる。加えて、又は代替として、光学的特徴204は、光をコリメートする特徴及び/又は光を分散させる特徴として機能し得る。例えば、光学的特徴204は、LED22(又は別の光源)によって放射される光線を互いに平行に、又は実質的に平行にするように機能し得る。あるいは、光学的特徴204は、LED22(又は別の光源)によって放射される光線を拡大し又は分散させるように機能し得る。
【0039】
図4は、例示的な遠位端300の断面図を示す。遠位端300は、上述した遠位端10及び/又は200の特徴のいずれかを含み得る。遠位端300はまた、屈折特徴210を含み得る。屈折特徴210は、封入体40に埋め込まれ得る。例えば、封入体40の内表面は、屈折特徴210の外表面と接触することができる。封入体の内表面は、屈折特徴210の外表面の鏡像であり得る。屈折特徴210は、別個の要素であってもよいし、封入体40の一部であってもよい。例えば、屈折特徴210は、封入体40のドープされた部分であり得る。あるいは、屈折特徴210は、型100から封入体40を形成する前に、又は他の任意の既知の技術を使用して封入体40を形成する前に、その所望の位置に配置され得る別個の構成要素であり得る。さらなる代替として、屈折特徴210は、封入体材料を2回適用する間に、その所望の位置に配置され得る。例えば、封入体材料を使用して、封入体40の第1の層を形成することができる。次に、屈折特徴210を第1の層上に配置することができる。続いて、さらなる封入体材料を、例えば、第2の型、浸漬、押し出し、又は任意の他の適切な技術を介して適用することができる。
【0040】
屈折特徴210は、(例えば、ワイヤ30、回路26、及び/又は回路基板28を介して)電流/電圧に接続することができる。屈折特徴210は、電流の印加時に、又は別の活性化メカニズムを介して、特性を変化させるように動作することができる。例えば、屈折特徴210は、その不透明度及び/又は反射率のレベルを変更することができる。屈折特徴210への(例えば、電流を介した)変更は、光の屈折の変更をもたらし得る。例えば、屈折特徴210は、LED22から放射される光の屈折を引き起こすために、LED22の上に配置され得る。加えて、又は代替として、屈折特徴210は、カメラ16の構成要素(例えば、イメージャ20を含む)に到達する光の反射を引き起こすために、カメラ16の上に配置され得る。
【0041】
図5は、近位制御部402、遠位挿入部404、及び遠位端部406を有する例示的な内視鏡400を示す。遠位端部406は、
図1~4に関して上記で説明した遠位端部10、200、又は300の品質のいずれかを有し得る。内視鏡400は、臍部(umbilicus)410を介してコントローラ408に接続され得る。近位制御部402は、ハンドル420を含み得る。ハンドル420は、1つ又は複数の制御機構422を有し得る。制御機構422は、挿入部404の操舵に対する制御を提供することができ、又は空気、水、吸引などの提供を可能にすることができる。遠位挿入部404は、シャフト430を含み得る。シャフト430は、ルーメン432を有し得る。遠位端部406は、封入体40(図示略)及び
図1~4に関して上記で説明した他の特徴のいずれかを含み得る。遠位端部406はまた、キャップ部分440を含み得る。遠位端部406は、遠位挿入部404の部分、例えばシャフト430に固定的又は取り外し可能に取り付けられ得る。
【0042】
本明細書に記載の技術を使用して、費用効果の高い方法に従って効率的に製造され得る医療デバイスの患者挿入部を作製することができる。本明細書に記載の封入方法は、まったく異なるコンポーネントの組み立てを必要とする製造工程の省略を可能にし得る。代わりに、封入方法は、内視鏡などの医療デバイスに取り付ける前に他の要素と組み合わせる必要のない1つの一体型部材を作製するように機能し得る。さらに、結果として生じる患者挿入部は、水、体液、及び他の液体又は流体、ならびに他の潜在的な汚染物質に対してシールされ得る。本明細書に記載の技術はまた、医療デバイスの患者挿入部及び/又は全体としての患者挿入部のコンポーネントのさらなる小型化を可能にし得る。例えば、機械的特徴(例えば、フランジ112、114)、光学的特徴(例えば、光学的特徴204及び/又は屈折特徴210)を封入体40に一体化することによって、これらのコンポーネントを個別に統合する必要のある個別のコンポーネントとして製造する必要がなくなるため、さらなる小型化を達成することができる。
【0043】
本開示の原理は、特定の用途の例示的な例を参照して本明細書に記載されているが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。当業者及び本明細書で提供される教示へのアクセスを有する者は、追加の変更、適用、及び同等物の置換がすべて、本明細書に記載の例の範囲内にあることを認識するであろう。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではない。