(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、サーバ装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20240325BHJP
H04L 67/06 20220101ALI20240325BHJP
H04M 3/00 20240101ALI20240325BHJP
【FI】
H04L67/50
H04L67/06
H04M3/00 Z
(21)【出願番号】P 2021515996
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2020016251
(87)【国際公開番号】W WO2020218051
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2019085374
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晋一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 信幸
(72)【発明者】
【氏名】丹野 哲宏
(72)【発明者】
【氏名】黒本 倫宏
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-281948(JP,A)
【文献】特開2016-105319(JP,A)
【文献】国際公開第2005/086519(WO,A1)
【文献】特開2010-118754(JP,A)
【文献】特開2006-013824(JP,A)
【文献】特開2002-215527(JP,A)
【文献】特開2006-338423(JP,A)
【文献】特開2018-197997(JP,A)
【文献】特開2014-235583(JP,A)
【文献】特開2009-129195(JP,A)
【文献】特開2003-141429(JP,A)
【文献】特開2008-282157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/50
H04L 67/06
H04M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐タンパ性を有する保護記憶部と、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行する制御部
と
を備え、
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型
が、他の装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記他の装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを
判定し、
判定結果を出力す
る
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能な
サービスである場合
、前記サービスのデータを前記他の装置へ送信させ
る
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能な
サービスである場合
、前記サービスのリストを前記他の装置へ送信させ
る
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に関する情報を表示させる制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスを
前記他の装置を介して移行する処理が中断されている場合に前記処理が中断されている旨のメッセージを表示させる制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記他の装置に保存されているデータを取得する処理が中断されている場合に前記処理が中断されている旨のメッセージを表示させる制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置と通信を行うサーバ装置であって、
前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶され
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型
が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて、情報を分けて保存する記憶部と、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部
と
を備える
サーバ装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記保護記憶部に記憶され
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスが一括して移行可能な
サービスである場合
、前記サービスのデータを記憶す
る
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記保護記憶部に記憶され
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスが一括して移行可能な
サービスである場合
、前記サービスのリストを記憶す
る
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記制御部は、ユーザの前記情報処理装置からの情報が保存されている状態で、
前記ユーザの異なる情報処理装置からの情報の保存をブロックす
る
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記制御部は、ユーザの前記情報処理装置からの情報が保存されている状態で、
前記ユーザの異なる情報処理装置からの情報の取り出しを可能とす
る
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項12】
情報処理装置と、
サーバ装置
を備え、
前記情報処理装置は、
耐タンパ性を有する保護記憶部と、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、
前記サーバ装置を介して移行する処理を実行する制御部を含み、
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型
が、前記サーバ装置
を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置
を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを
判定し、
判定結果を出力し、
前記サーバ装置は、
前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶され
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型
が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報を分けて保存する記憶部と、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部と
を含む
情報処理システム。
【請求項13】
サーバ装置のプロセッサが、
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されて
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型
が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報を分けて記憶部に保存することと、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御することを
含む
情報処理方法。
【請求項14】
プロセッサが、
耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されているサービスの類型
が、他の装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記他の装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを
判定し、
判定結果を出力することと、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、
前記他の装置を介して移行する処理を実行することと
を含む
情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されているサービスの類型
が、他の装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記他の装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを
判定し、
判定結果を出力することと、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、前記
他の装置を介して移行する処理を実行するこ
ととを実行させ
るコンピュータプログラム。
【請求項16】
サーバ装置のコンピュータに、
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶され
ており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型
が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報を分けて記憶部に保存することと、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御すること
とを実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、サーバ装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンを含む携帯電話端末においては、非接触IC(Integrated Circuit)チップやRFID(Radio Frequency Identification)チップ等を備えることで、近距離(近接)無線通信機能を有し、例えば数センチ程度に近接したリーダライタとの間で無線通信が可能な端末が開発されている。例えば、非接触ICチップに備えられるセキュアエレメントが、近距離無線通信に伴って任意の処理を行うことで、当該携帯電話端末は、交通機関の乗車券機能、電子マネー機能、クレジットカード機能、個人認証用カード機能を実現することができる。
【0003】
ユーザは携帯電話端末を新しく買い換える(機種変更する)ことがある。その機種変更の際のユーザの負担を軽減させるための技術として、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機種変更する場合、ユーザは、必要に応じて古い携帯電話端末に保存されているデータを新しい携帯電話端末に移し替えなければならない。しかし、非接触ICチップに保存されたデータは、各機能を提供するサービス事業者によって特性が異なり、一度に新しい携帯電話端末に移行することができない。そのため、ユーザはサービス毎に手作業でデータを移し替える作業を強いられていた。
【0006】
そこで、本開示では、非接触ICチップを内蔵する端末間のデータ移行の際の、ユーザによるデータ移行の手間を軽減させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、サーバ装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面の情報処理装置は、耐タンパ性を有する保護記憶部と、前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型が、他の装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記他の装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを判定し、判定結果を出力する。
【0008】
本開示の第2の側面のサーバ装置は、耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置と通信を行うサーバ装置であって、前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報を分けて保存する記憶部と、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部とを備える。
【0009】
本開示の第3の側面の情報処理システムは、情報処理装置と、サーバ装置を備え、前記情報処理装置は、耐タンパ性を有する保護記憶部と、前記保護記憶部に記憶されているサービスを、前記サーバ装置を介して移行する処理を実行する制御部を含み、前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかを判定し、判定結果を出力し、前記サーバ装置は、前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報を分けて保存する記憶部と、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部とを含む。
【0010】
本開示の第1の側面においては、耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されているサービスの類型が、他の装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記他の装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかが判定され、判定結果が出力される。そして、前記保護記憶部に記憶されているサービスを、前記他の装置を介して移行する処理が実行される。
【0011】
本開示の第2の側面においては、耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報が分けられて記憶部に保存される。そして、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しが制御される。
【0012】
本開示の第3の側面においては。情報処理装置により、耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されており、前記サーバ装置を介して移行されるサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかが判定され、判定結果が出力され、前記保護記憶部に記憶されているサービスを、前記サーバ装置を介して移行する処理が実行される。そして、サーバ装置により、前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型が、前記サーバ装置を介して一括して移行可能であるサービスであるか、前記サーバ装置を介して一括して移行可能ではないサービスであるかに応じて情報が分けられて記憶部に保存され、前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しが制御される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の構成例を示す説明図である。
【
図2】同実施形態に係る情報処理装置100の機能構成例を示す説明図である。
【
図3】同実施形態に係るサーバ200の機能構成例を示す説明図である。
【
図4】同実施形態に係る情報処理システム1の動作例の概要を示す説明図である。
【
図5】同実施形態に係る情報処理システム1の動作例の概要を示す説明図である。
【
図6】同実施形態に係る情報処理システム1の動作例の概要を示す説明図である。
【
図7】同実施形態に係る情報処理システム1の動作例を示す流れ図である。
【
図8】同実施形態に係る情報処理システム1の動作例を示す流れ図である。
【
図9】お預け処理におけるユースケース例を示す説明図である。
【
図10】お預け処理及び取出し処理におけるユースケース例を示す説明図である。
【
図11】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図12】お預け処理及び取出し処理におけるユースケース例を示す説明図である。
【
図13】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図14】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図15】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図16】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図17】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図18】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【
図19】同実施形態に係る情報処理装置100が表示するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施の形態
1.1.概要
1.2.構成例
1.3.動作例
2.まとめ
【0017】
<1.本開示の実施の形態>
[1.1.経緯]
本開示の実施の形態について詳細に説明する前に、本開示の実施の形態に至った経緯について説明する。
【0018】
スマートフォンを含む携帯電話端末を使用するユーザは増加の一途を辿っている。携帯電話端末を所有するユーザは、同じ携帯電話端末を使い続けるのではなく、新しい機種が発売されたらその機種に買い換える(機種変更する)ことも少なくない。
【0019】
上述したように、スマートフォンを含む携帯電話端末においては、非接触ICチップやRFIDチップ等を備えることで、近距離(近接)無線通信機能を有し、例えば数センチ程度に近接したリーダライタとの間で無線通信が可能な端末が開発されている。
【0020】
機種変更する場合、ユーザは、必要に応じて古い携帯電話端末に保存されているデータを新しい携帯電話端末に移し替えなければならない。非接触ICチップに保存されたデータは、複数のサービス事業者が提供する複数のサービスのデータから構成されている。しかし、非接触ICチップに保存されたデータは、各サービスを提供するサービス事業者によって特性が異なり、一度に新しい携帯電話端末に移行することができない。そのため、ユーザはサービス毎に手作業でデータを移し替える作業を強いられていた。
【0021】
またデータを移し替える手続きがサービスによって異なることもあり、ユーザにとってサービス毎に手作業でデータを移し替える作業は非常に面倒であった。またサービス毎に手作業でデータを移し替える際に、何をどこまで預けたのか、古い端末は処分して大丈夫かを、ユーザが判断しなければならなかった。
【0022】
そこで本件開示者は、上述した点に鑑み、非接触ICチップを内蔵する端末間のデータ移行の際の、ユーザによるデータ移行の手間を軽減させることが可能になる技術について鋭意検討を行った。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、非接触ICチップを内蔵する端末間のデータ移行の際の、ユーザによるデータ移行の手間を軽減させることが可能になる技術を考案するに至った。
【0023】
以上、本開示の実施の形態に至った経緯について説明した。続いて、本開示の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
[1.2.構成例]
最初に、本開示の実施の形態に係る情報処理システムの構成例について説明する。
図1は、本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の構成例を示す説明図である。以下、
図1を用いて本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の構成例について説明する。
【0025】
図1に示すように、本開示の実施の形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、サーバ200と、リーダライタ300と、を備える。また、
図2に示すように、情報処理装置100は、デバイスホスト110と、セキュアエレメント120と、CLF(Contactless Front End)等のリーダライタI/F130と、を備える。また
図3に示すように、サーバ200は、通信部210と、制御部220と、記録部230と、を備える。
【0026】
(情報処理装置100)
情報処理装置100は、所定の基地局と無線通信を行うことで通話やデータの送受信を行うことができる装置である。また、情報処理装置100は、非接触ICチップを内蔵しており、その非接触ICチップを用いて、所定の場所(例えば、店頭、改札または出入口等)に設置されたリーダライタ300との非接触通信(例えば、近距離無線通信等)を行うことで、様々な処理を行うことができる。なお、当該処理の内容は特に限定されない。例えば、情報処理装置100は、非接触ICチップを用いて、代金決済処理、電子マネーチャージ処理、個人認証処理または行動管理処理等を行うことができる。また、情報処理装置100とリーダライタ300間の通信方式は特に限定されない。例えば、情報処理装置100とリーダライタ300間の通信方式は、非接触通信ではなく、接触通信であってもよい。
【0027】
また、情報処理装置100は、サーバ200と通信を行うことでデータの送受信を行うこともできる。例えば、情報処理装置100は、代金決済処理等の履歴データ等をサーバ200へ送信することができる。また、情報処理装置100は、チャージされた電子マネーに関するデータをサーバ200から受信することで、当該データを自装置に反映させることができる。なお、情報処理装置100とサーバ200間で送受信されるデータの内容は特に限定されない。また、情報処理装置100とサーバ200間の通信方式は特に限定されない。
【0028】
また、上記は、情報処理装置100がスマートフォンを含む携帯電話端末であることを想定して記載したものであるが、情報処理装置100の種類はこれに限定されない。例えば、情報処理装置100は、汎用コンピュータ、PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PC、任意のウェアラブル端末、携帯型メディア再生機器または携帯型ゲーム機器等を含む任意の情報処理装置であってもよい。
【0029】
(デバイスホスト110)
デバイスホスト110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を搭載した集積回路を備える情報処理装置である。そして、デバイスホスト110は、ROMが記憶している1または2以上のプログラムを用いて、オペレーティングシステムによる各種処理等を実行する。当該オペレーティングシステムの例としては、Android(登録商標)、iOS、Windows(登録商標)等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0030】
(セキュアエレメント120)
セキュアエレメント120は、保護記憶部として機能する機能構成である。より具体的には、セキュアエレメント120は、耐タンパ性を有するセキュリティモジュール(例えば、セキュリティチップ等)であり、自ら備える記憶部(例えば、メモリ等)に記憶されているデータ、当該記憶部へのアクセス、自ら実行する処理等を保護することができる。さらに、セキュアエレメント120は、暗号機能を有し、重要データを暗号化して記憶部に記憶させることができる。
【0031】
また、セキュアエレメント120は、外部装置との近距離無線通信に伴って任意の処理を行うことができる。例えば、セキュアエレメント120は、外部装置からの要求に応じて自ら備える記憶部からデータを読み取ったり、データの更新を行ったりすることができる。なお、セキュアエレメント120による処理はこれらに限定されない。例えば、セキュアエレメント120は、サーバ200またはデバイスホスト110との通信に伴って任意の処理を実行してもよい。例えば、セキュアエレメント120は、サーバ200からの要求に応じて自ら備える記憶部からデータを読み取ったり、データの更新を行ったりしてもよい。
【0032】
セキュアエレメント120は、情報処理装置100内のSIM(Subscriber Identity Module)カード等に備えられ得るが、これに限定されない。例えば、セキュアエレメント120は、情報処理装置100内の、SIMカード以外の任意の構成に備えられてもよいし、情報処理装置100以外の任意の装置(例えば、サーバ200等)に備えられてもよい。
【0033】
(CLF130)
CLF130は、NFC(Near Field Communication)コントローラとも呼称され、リーダライタ300とのNFC規格に基づいた通信を行う。より具体的には、CLF130は、近距離無線通信により、通信可能範囲(0~10cmの範囲)内に存在するリーダライタ300とデータの送受信を行う。例えば、CLF130は、リーダライタ300から無線信号を受信した場合、当該無線信号に含まれるデータをデバイスホスト110またはセキュアエレメント120へ提供する。また、CLF130は、デバイスホスト110またはセキュアエレメント120から提供されたデータを用いて送信用の無線信号を生成し、当該無線信号をリーダライタ300に対して送信する。なお、CLF130は、上記と同様の機能を有する別の構成に置換されてもよい。
【0034】
(サーバ200)
サーバ200は、情報処理装置100、または、情報処理装置100を介して提供されるサービス等を管理するサーバである。サーバ200は、情報処理装置100との所定の通信に伴って各種処理を行う。例えば、サーバ200は、情報処理装置100からセキュアエレメント120に記憶されている各種データを受信する。そして、サーバ200は、当該データを蓄積し統計分析すること等によって、情報処理装置100を使用するユーザの行動履歴データや嗜好データ等を出力し、これらのデータに基づいて各種サービスを提供することができる。なお、サーバ200によって行われる処理または提供されるサービスの内容は特に限定されない。また、サーバ200と情報処理装置100間の通信方式は特に限定されない。
【0035】
また本実施形態では、サーバ200は、ユーザの情報処理装置100の機種変更時などにおいて、セキュアエレメント120に格納されているデータを使用するサービスの内、サーバ200にデータを移して良いものについて、セキュアエレメント120に格納されているデータを保存する役割を有する。サーバ200にデータを移して良いかどうかは、NFC規格を利用するサービスを提供する事業者がそれぞれ決定しうるものである。本開示では、サーバ200の先にさらに接続される、サービス事業者が管理する別のサーバに、セキュアエレメント120に格納されているデータが保存されてもよい。なお以下の説明においては、NFC規格を利用するサービスを単にサービスと称することがある。
【0036】
(リーダライタ300)
リーダライタ300は、ユーザによって情報処理装置100がかざされた際に、情報処理装置100と近距離無線通信を行う情報処理装置である。また、図示していないが、リーダライタ300は、任意の情報処理装置(情報処理装置100以外の装置)と通信することも可能である。例えば、リーダライタ300は、店舗に備えられた任意の情報処理装置(以降、「店舗装置」と呼称する)と接続されることで、情報処理装置100から取得した各種データ(例えば、情報処理装置100の識別データ、電子マネーデータまたはクーポンデータ等)を店舗装置に提供することもできるし、店舗装置から提供された各種データ(例えば、レシートデータ等)を情報処理装置100に提供することもできる。
【0037】
なお、リーダライタ300と情報処理装置100間の通信方式は、近距離無線通信であることを想定しているが、これに限定されない。例えば、リーダライタ300と情報処理装置100間の通信方式は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、または、Bluetooth(登録商標)等を含む任意の非接触通信方式であってもよいし、任意の接触通信であってもよい。また、リーダライタ300と店舗装置間の通信方式も特に限定されない。
【0038】
上記では、本実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明した。続いて、セキュアエレメント120の機能構成例について説明する。
【0039】
図2に示すように、セキュアエレメント120は、制御部121と、記憶部122と、を備える。
【0040】
制御部121は、セキュアエレメント120が行う処理全般を統括的に制御する機能構成である。より具体的には、情報処理装置100と外部装置との近距離無線通信により、外部装置からの要求情報がCLF130によって受信された場合、制御部121は、当該要求情報に基づく処理を行う。例えば、制御部121は、当該要求情報に基づいて、記憶部122に記憶されているデータ(例えば、ユーザブロックデータ内のデータ、または、ユーザブロックデータ自体)の読み取り、または、更新等を行う。なお、制御部121が制御する処理は上記に限定されず、例えば、制御部121は、サーバ200またはデバイスホスト110との通信に伴って任意の処理を制御してもよい。
【0041】
記憶部122は、制御部121の制御に基づいてアクセス可能な記憶領域であり、外部装置からの直接のアクセスを排除することで、外部装置によるデータの改ざん等を防ぐことができる記憶領域である。また、記憶部122は、制御部121の処理に用いられるデータを記憶する記憶領域でもある。より具体的には、記憶部122は、制御部121の処理に用いられる処理対象データ、プログラムまたは設定ファイル等を記憶する。
【0042】
以上、セキュアエレメント120の機能構成例について説明した。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、セキュアエレメント120の機能構成は係る例に限定されない。また、セキュアエレメント120の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0043】
上記では、セキュアエレメント120の機能構成例について説明について説明した。続いて、デバイスホスト110の機能構成例について説明する。
【0044】
図2に示すように、デバイスホスト110は、制御部111と、データ取得部112と、記憶部113と、入力部114と、出力部115と、通信部116と、を備える。
【0045】
(データ取得部112)
データ取得部112は、セキュアエレメント120に記憶されているデータを取得する機能を有する。また、データ取得部112は、セキュアエレメント120による処理のタイミングに関するデータをセキュアエレメント120外から取得する。
【0046】
また、データ取得部112は、処理のタイミングに関するデータだけに限らず、セキュアエレメント120が取得することができない任意のデータをセキュアエレメント120外から取得してもよい。例えば、情報処理装置100が、自装置の位置に関するデータ、当該位置の周辺状況に関するデータ(例えば、環境音データまたは周辺画像データ等)、自装置の使用者に関するデータ、または、自装置の動作もしくは使用者の動作に関するデータ等を出力可能な機能構成(図示なし)を備えている(または、これらのデータを出力可能な装置と通信可能である)ことによって、データ取得部112は、通知を受信した場合に、その受信タイミングにおけるこれらのデータを当該機能構成から取得することができる。
【0047】
これによって、データ取得部112は、セキュアエレメント120によって処理が行われたタイミングにおける、自装置の位置、当該位置の周辺状況、自装置の使用者、または、自装置の動作もしくは使用者の動作等を知ることができる。上記のとおり、セキュアエレメント120は、これらのデータを取得することができないが、データ取得部112が当該処理によってこれらのデータを取得することによって様々な機能が可能となる。なお、データ取得部112によって取得されるデータは上記に限定されない。また、データ取得部112は、セキュアエレメント120が上記の各データを取得可能か否か判断し、セキュアエレメント120が上記の各データを取得できないと判断した場合にのみ各データを取得してもよい。
【0048】
ここで、情報処理装置100の位置に関するデータを出力可能な機能構成とは、例えば、緯度データ、経度データまたは高度データを出力可能なGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ(GPS(Global Positioning System)センサを含む)、または、高度データを出力可能な気圧センサ等であり得るがこれに限定されない。例えば、モーションセンサ(加速度センサまたはジャイロセンサ等を含む)等のセンシングデータに基づいて情報処理装置100の位置を推定可能な機能構成であってもよい。また、情報処理装置100の位置の周辺状況に関するデータを出力可能な機能構成とは、例えば、周辺の環境音を取得可能なマイクロホン、または、周辺画像を出力可能なカメラ等であり得るがこれらに限定されない。また、自装置の使用者に関するデータを出力可能な機能構成とは、例えば、所定の方法によるユーザ認証(例えば、指紋認証、虹彩認証もしくは静脈認証等の生体認証またはパスワード認証等)を実施可能な機能構成、または、所定の方法によるユーザ推定(例えば、脈拍データ等を含む生体データに基づくユーザ推定)を実施可能な機能構成であり得るがこれに限定されない。また、自装置の動作もしくは使用者の動作に関するデータを出力可能な機能構成とは、例えば、モーションセンサ(加速度センサまたはジャイロセンサ等を含む)等であり得るがこれに限定されない。
【0049】
データ取得部112は、セキュアエレメント120から取得した処理に関するデータ、および、セキュアエレメント120外から取得した処理のタイミング等に関するデータを制御部111に提供する。
【0050】
(制御部111)
制御部111は、種々の制御を実行する機能構成である。本実施形態では、制御部111は、情報処理装置100の機種変更時におけるデータの送受信の制御を行いうる。例えば制御部111は、データの機種変更時におけるデータの移行指示がユーザによって入力されると、データを移行可能なものについてはデータ取得部112にセキュアエレメント120からデータを取得させて、取得したデータを通信部116によってサーバ200へ送信させる。また例えば制御部111は、データの機種変更時におけるデータの取得指示がユーザによって入力されると、通信部116によってサーバ200からデータを受信させ、受信したデータをセキュアエレメント120へ送る。
【0051】
また、制御部111は、汎用コンピュータ、PC、ノート型PC、タブレット型PC、任意のウェアラブル端末、携帯型メディア再生機器または携帯型ゲーム機器等を含む任意の情報処理装置において一般的に行われる処理を制御してもよい。
【0052】
(記憶部113)
記憶部113は、各種データを記憶する機能構成である。また、記憶部113は、デバイスホスト110の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶する。なお、記憶部113が記憶するデータの内容はこれらに限定されない。
【0053】
(入力部114)
入力部114は、ユーザによる入力を受ける機能構成である。例えば、入力部114は、ユーザが各種入力手段(図示なし。例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロホン等)を用いて行った入力を受ける。入力部114は、入力された内容を制御部111に提供することで、制御部111による各種処理を実現する。なお、入力手段は上記に限定されない。
【0054】
(出力部115)
出力部115は、各種データを出力する機能構成である。例えば、出力部115は、各種出力手段(図示なし。例えば、ディスプレイ等の表示手段またはスピーカ等の音声出力手段)に各種データを出力させることができる。なお、出力手段は上記に限定されない。
【0055】
(通信部116)
通信部116は、サーバ200を含む外部装置との各種通信を行う機能構成である。例えば、通信部116は、セキュアエレメント120から取得したデータを含む無線信号をサーバ200へ送信してもよい。また、通信部116は、デバイスホスト110またはセキュアエレメント120による処理に用いられる任意のデータを含む無線信号をサーバ200から受信してもよい。なお、通信部116が通信するデータおよび通信するケースはこれらに限定されない。また、上記のとおり、通信部116とサーバ200間の通信方式は特に限定されない。
【0056】
以上、デバイスホスト110の機能構成例について説明した。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、デバイスホスト110の機能構成は係る例に限定されない。例えば、デバイスホスト110は、
図2に示す構成の全てを必ずしも備えなくてもよい。また、デバイスホスト110の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0057】
続いて、サーバ200の機能構成例について説明する。
【0058】
通信部210は、情報処理装置100を含む外部装置との各種通信を行う機能構成である。例えば、通信部210は、記録部230から取得したデータを含む無線信号を情報処理装置100へ送信してもよい。また、通信部210は、情報処理装置100のデバイスホスト110またはセキュアエレメント120による処理に用いられる任意のデータを含む無線信号を情報処理装置100から受信してもよい。なお、通信部210が通信するデータおよび通信するケースはこれらに限定されない。また、上記のとおり、通信部210と情報処理装置100との間の通信方式は特に限定されない。
【0059】
制御部220は、サーバ200の動作の制御を行う機能構成である。例えば制御部220は、情報処理装置100の機種変更時に通信部210が情報処理装置100から取得したデータを記録部230に記録するよう制御する。また例えば制御部220は、情報処理装置100の機種変更時に、記録部230が記録しているデータを取得して、その取得したデータを情報処理装置100へ通信部210から送信するよう制御する。
【0060】
記録部230は、各種データを記憶する機能構成である。例えば記録部230は、情報処理装置100の機種変更時に通信部210が情報処理装置100から取得したデータを記録する。また、記録部230は、サーバ200の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶する。なお、記録部230が記憶するデータの内容はこれらに限定されない。
【0061】
以上、サーバ200の機能構成例について説明した。なお、
図3を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、サーバ200の機能構成は係る例に限定されない。例えば、サーバ200の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0062】
以上、本開示の実施の形態に係る情報処理システムの構成例について説明した。続いて、本開示の実施の形態に係る情報処理システムの動作例について説明する。
【0063】
[1.3.動作例]
(1.3.1.概要)
本開示の実施の形態に係る情報処理システムの動作例について詳細に説明する前に、まず動作例の概要を説明する。
【0064】
図4~
図6は、本開示の実施の形態に係る情報処理システムの動作例の概要を示す説明図である。
図4~
図6は、機種変更前の情報処理装置100aから、機種変更後の情報処理装置100bへデータを移行する際の概要を示したものである。なお、情報処理装置100a、100bとも、
図2に示した情報処理装置100の構成を有しているものとする。
【0065】
本実施形態では、情報処理装置100からサーバ200へサービスのデータを送信する処理(預け入れる処理)を「お預け処理」と称し、サーバ200から情報処理装置100へサービスのデータを送信する処理を「受取り処理」と称する。そして本実施形態では、リーダライタ300との間の通信に対応するサービスを、まとめてお預け対応サービス、個別対応サービス、削除+個別対応サービスの3つに分類する。
【0066】
まとめてお預け対応サービスは、機種変更前の情報処理装置100aのセキュアエレメント120に保存されているデータを、お預け処理の際に一括してサーバ200に保存し、受取り処理の際に機種変更後の情報処理装置100bへサーバ200から一括してデータを移して構わないサービスである。まとめてお預け対応サービスでは、データの移行によって機種変更前の情報処理装置100aのセキュアエレメント120に保存されていたデータは削除される。そしてデータの移行によって機種変更後の情報処理装置100bのセキュアエレメント120に書き込まれたデータは、サーバ200から削除される。まとめてお預け対応サービスに対応するかどうかは各サービスを提供する事業者が判断する。またどのサービスがまとめてお預け対応サービスに対応するサービスかどうかは、本開示の実施の形態に係る情報処理システムが予め把握しているものとする。
【0067】
個別対応サービスは、そのサービスが提供するデータ移行処理によって、機種変更前の情報処理装置100aのセキュアエレメント120に保存されているデータを機種変更後の情報処理装置100bへ移すサービスである。個別対応サービスのデータが移行される場合、本開示の実施の形態に係る情報処理システムは、データ本体ではなくそのサービスのリストをサーバ200に保存する。個別対応サービスのリストの移行処理は、処理が中断されることを考慮し、なるべく機種変更前の情報処理装置100aによる機種変更処理の最初に実行されることが望ましい。
【0068】
削除+個別対応サービスは、上述の個別対応サービスと同様であるが、データの移行によって機種変更前の情報処理装置100aのセキュアエレメント120に保存されていたデータは削除されるサービスである。この削除+個別対応サービスのデータが移行される場合、本開示の実施の形態に係る情報処理システムは、データ本体ではなくそのサービスのリストをサーバ200に保存する。
【0069】
サーバ200の使用サービスリストに記録されるサービスのリストのデータは、機種変更後の情報処理装置100bがサービスリストを取得したタイミングで削除されてもよい。この際、処理が中断されることを考慮し、なるべく情報処理装置100bによる機種変更処理の最後に実行されることが望ましい。
【0070】
ユーザは、機種変更処理を実行するに際して予めユーザアカウントを作成しておくものとする。本実施形態では、サーバ200におけるデータやサービスリストの保存場所は、1つのユーザアカウントにつき1つのみとする。すなわち、データやサービスリストをサーバ200に預けている間は、他の情報処理装置100でデータを受け取らなければ、他の情報処理装置100から、データやサービスリストをサーバ200に預けることはできないものとする。なお、サーバ200に預けられたデータやサービスリストを受け取る際の情報処理装置100には制限は設けられない。すなわち、サーバ200にデータやサービスリストを預けた情報処理装置100が、そのデータやサービスリストを受け取ることも可能である。
【0071】
機種変更処理は、ユーザによる自発的な中断や、通信の切断による、データやサービスリストのサーバ200への預け入れの中断が起こりうる。そのような場合を考慮し、本実施形態では、そのような中断が起きた場合、中断したところからの機種変更処理(データの預け入れ)の再開を可能とする。中断から再開までの間に、新たなサービスが情報処理装置100のセキュアエレメント120に記録された場合、その新たなサービスについては機種変更処理の対象外とされうる。
【0072】
機種変更処理が中断した状態でも、機種変更後の情報処理装置100bは、サーバ200に預けた所までデータやサービスリストを受け取れる。機種変更処理が中断した状態で、機種変更前の情報処理装置100aが故障したり、情報処理装置100aをユーザが紛失したりした場合を考慮したものである。
【0073】
機種変更処理は、ユーザによる自発的な中断や、通信の切断による、データやサービスリストのサーバ200からの取り出しの中断が起こりうる。そのような場合を考慮し、本実施形態では、そのような中断が起きた場合、中断したところからの機種変更処理(データの受け取り)の再開を可能とする。データの受け取りを再開する場合、それまで受け取っていた情報処理装置100とは別の情報処理装置100による受け取りを可能とする。機種変更処理が中断した状態で、機種変更後の情報処理装置100bが故障したり、情報処理装置100bをユーザが紛失したりした場合を考慮したものである。
【0074】
図7は、本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の動作例を示す流れ図である。
図7に示したのは、機種変更前の情報処理装置100aによるサーバへのデータお預け処理の動作例である。以下、
図7を用いて本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。
【0075】
情報処理装置100aのユーザは、機種変更処理を実行するために、情報処理装置100aに予めインストールされているアプリケーション(メニューアプリ)のお預けモードを起動する(ステップS101)。メニューアプリは、情報処理装置100aにインストールされているミドルウェアを通じ、サーバ200へのログイン処理を実行する(ステップS102、S103)。
【0076】
サーバ200へのログイン処理が完了すると、メニューアプリは、サーバ200へのデータの保存の有無を問い合わせるためにお預けリストの要求をミドルウェアに渡す(ステップS104)。メニューアプリは、お預けリストの要求をミドルウェアに渡す際には、セキュアエレメント120に保存されているサービスを識別する情報、例えばサービスIDのリストをミドルウェアへ渡す。ミドルウェアは、メニューアプリから渡されたお預けリストの要求をサーバ200へ転送する(ステップS105)。ミドルウェアは、お預けリストの要求をサーバ200へ転送する際には、サービスIDのリストに加えてセキュアエレメント120の情報を含めてサーバ200へ転送する。
【0077】
サーバ200は、ミドルウェアから送られたお預けリストの要求に対する応答を返すが、もし何らかの理由でデータやサービスリストをサーバ200に預けられない場合は、その理由を含めてエラーをミドルウェアに返す(ステップS106)。データやサービスリストをサーバ200に預けられない場合とは、例えば同一のアカウントで既に他の情報処理装置100からデータやサービスリストが預け入れられている場合である。ミドルウェアは、エラーをサーバ200から受け取ると、その理由を含めてエラーをメニューアプリに渡す(ステップS107)。メニューアプリは、サーバ200への預け入れができない旨の表示を行う(ステップS108)。
【0078】
サーバ200は、お預けリストの要求を送信した情報処理装置100aが、データやサービスリストをサーバ200に預けられる場合、お預け処理の識別情報(お預けID)、預け入れの状態(預け入れてないか、中断しているか)、まとめてお預け対応サービスに対応するサービスのリスト、個別対応サービスに対応するサービスのリスト、削除+個別対応サービスに対応するサービスのリストをミドルウェアに返す(ステップS109)。各サービスのリストには、サービスを識別するサービスIDや案内URLが含まれうる。ミドルウェアは、ステップS109でサーバ200から受信した情報をメニューアプリに転送する(ステップS110)。メニューアプリは、ミドルウェアから転送された情報に基づいてお預け確認画面を表示する(ステップS111)。メニューアプリは、預け入れ確認画面を表示する際に、中断からの再開の場合にはどのサービスまで預け入れが完了したかも併せて表示する。預け入れ確認画面の例は後に説明する。
【0079】
メニューアプリがお預け確認画面を表示している状態でユーザが「お預け」ボタンを選択すると(ステップS112)、メニューアプリは、セキュアエレメント120に保存され、情報処理装置100で使用されているサービスの、サーバ200への預け入れの開始を要求するとともに、情報処理装置100で使用されているサービスのリスト(使用サービスリスト)の登録を実行する(ステップS113)。ここではメニューアプリは、サーバ200から送られてきたお預けIDと、個別対応サービスに対応するサービスのIDのリストをミドルウェアに渡す。ミドルウェアは、メニューアプリから渡された情報をサーバ200へ送信する(ステップS114)。サーバ200は、情報処理装置100aからのお預け処理の準備が完了すると、その旨を情報処理装置100aのミドルウェアに送信する(ステップS115)。ミドルウェアは、サーバ200でのお預け処理の準備が完了した旨をメニューアプリに渡す(ステップS116)。サーバ200は、情報処理装置100aからのお預け処理の準備が完了したタイミングで、預かり処理中のフラグをオンにする。
【0080】
サーバ200でのお預け処理の準備が完了すると、メニューアプリは、情報処理装置100aで使用されているサービスの、サーバ200への預け入れを開始する。メニューアプリは、削除+個別対応サービスに対応するものはセキュアエレメント120に記録されているサービスを削除した上で、ミドルウェアを通じてサービスリストをサーバ200へ送信する(ステップS117、S118)。メニューアプリは、まとめてお預け対応サービスに対応するものはセキュアエレメント120に記録されているサービスを非活性化した上で、ミドルウェアを通じてサービスリストをサーバ200へ送信する(ステップS119、S120)。メニューアプリは、個別対応サービスに対応するものについては、ミドルウェアを通じてサービスリストをサーバ200へ送信する(ステップS121、S122)。
【0081】
サーバ200は、情報処理装置100aからデータやサービスリストが送信されると、
図5のようにどのサービスに対応しているかによって分けてデータやサービスリストを記憶する。サーバ200は、1つのサービスについて預け入れが完了する度に、預け入れが完了した旨のフラグを立てて、預け入れが完了しているかどうかを管理する。
【0082】
情報処理装置100aで使用されているサービスの、サーバ200への預け入れが完了すると、メニューアプリは、サーバ200での預け入れが完了したかどうかを、ミドルウェアを通じてサーバに確認する(ステップS123、S124)。この際、メニューアプリは、上記ステップS113でサーバ200へ送信したお預けIDを送信する。サーバ200は、預け入れが完了しているかどうかについての処理結果を情報処理装置100aへ返信する(ステップS125、S126)。このタイミングで、サーバ200は、預かり処理中のフラグをオフにする。メニューアプリは、サーバ200から処理結果を取得すると、お預け処理の完了画面を表示する(ステップS127)。
【0083】
図8は、本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の動作例を示す流れ図である。
図8に示したのは、機種変更後の情報処理装置100bによるサーバ200からのデータ受取り処理の動作例である。以下、
図8を用いて本開示の実施の形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。
【0084】
情報処理装置100bのユーザは、機種変更処理を実行するために、情報処理装置100bに予めインストールされているアプリケーション(メニューアプリ)の受け取りモードを起動する(ステップS201)。メニューアプリは、情報処理装置100aにインストールされているミドルウェアを通じ、サーバ200へのログイン処理を実行する(ステップS202、S203)。
【0085】
サーバ200へのログイン処理が完了すると、メニューアプリは、サーバ200に保存されているサービスのリスト(受取りリスト)の要求をミドルウェアに渡す(ステップS204)。ミドルウェアは、メニューアプリから渡された受取りリストの要求をサーバ200へ転送する(ステップS205)。ミドルウェアは、受取りリストの要求をサーバ200へ転送する際には、セキュアエレメント120の情報や、セキュアエレメント120の記憶容量の残り(残容量)の情報を含めてサーバ200へ転送する。
【0086】
サーバ200は、ミドルウェアから送られた受取りリストの要求に対する応答を返す。サーバ200は、受取りリストの要求に対する応答を情報処理装置100bに返す場合、お預け処理の識別情報(お預けID)、預け入れの状態(預け入れてないか、預け入れが完了しているか、受取りが中断しているか)、まとめてお預け対応サービスに対応するサービスのリスト、個別対応サービスに対応するサービスのリスト、削除+個別対応サービスに対応するサービスのリストをミドルウェアに返す(ステップS205)。各サービスのリストには、サービスを識別するサービスIDや案内URLが含まれうる。ミドルウェアは、ステップS205でサーバ200から受信した情報をメニューアプリに転送する(ステップS206)。
【0087】
メニューアプリは、サーバ200からの受取りができない場合、または、預け入れや受取りが中断している場合は、それらに関する情報を表示する(ステップS207)。受取利ができない場合とは、そもそもサーバ200に預け入れがされていない場合、または、受取り予定のサービスが既にセキュアエレメント120に記録されている場合、などがある。
【0088】
メニューアプリは、サーバ200からの受取りが可能な状態であれば、ミドルウェアから転送された情報に基づいて受取り確認画面を表示するメニューアプリは、ミドルウェアから転送された情報に基づいて受取り確認画面を表示する(ステップS208)。メニューアプリは、受取り確認画面を表示する際に、中断からの再開の場合にはどのサービスまで受取りが完了したかも併せて表示する。受取り確認画面の例は後に説明する。
【0089】
メニューアプリが受取り確認画面を表示している状態でユーザが「受取り」ボタンを選択すると(ステップS209)、メニューアプリは、サーバ200に預け入れているサービスのデータの受取りの開始を要求する(ステップS210)。ここではメニューアプリは、サーバ200から送られてきたお預けIDをミドルウェアに渡す。ミドルウェアは、メニューアプリから渡された情報をサーバ200へ送信する(ステップS211)。サーバ200は、受取り処理の準備が完了すると、その旨を情報処理装置100bのミドルウェアに送信する(ステップS212)。ミドルウェアは、サーバ200からの受取り処理の準備が完了した旨をメニューアプリに渡す(ステップS213)。サーバ200は、情報処理装置100bからのお預け処理の準備が完了したタイミングで、受取り処理中のフラグをオンにする。
【0090】
メニューアプリは、個別対応サービスに対応するものはミドルウェアを通じてサーバ200からサービスリストの情報を受け取る(ステップS215、S216)。個別対応サービスに対応するものはデータの実体が無いため、ユーザが必要に応じて各サービスに対して再発行処理を実行する。メニューアプリは、まとめてお預け対応サービスに対応するものは、ミドルウェアを通じてサーバ200からデータを受取り、セキュアエレメント120に記録されているサービスを活性化する(ステップS216、S217)。
【0091】
サーバ200は、1つのサービスについて受取りが完了する度に、受取りが完了した旨のフラグを立てて、受取りが完了しているかどうかを管理する。
【0092】
サーバ200からのデータの受取りが完了すると、メニューアプリは、サーバ200での受取りが完了したかどうかを、ミドルウェアを通じてサーバに確認する(ステップS218、S219)。この際、メニューアプリは、上記ステップS210でサーバ200へ送信した受取りIDを送信する。サーバ200は、受取りが完了しているかどうかについての処理結果を情報処理装置100bへ返信する(ステップS220、S221)。このタイミングで、サーバ200は、受取り処理中のフラグをオフにする。メニューアプリは、サーバ200から処理結果を取得すると、受取り処理の完了画面を表示する(ステップS222)。
【0093】
本開示の実施の形態に係る情報処理装置100a、100b、及びサーバ200は、このように動作することで、情報処理装置100aのセキュアエレメント120から情報処理装置100bのセキュアエレメント120へデータやサービスのリストを移すことができる。
【0094】
サーバ200は、情報処理装置100で受取り処理が実行されるまで、預け入れられたデータやサービスのリストを保持するが、データやサービスのリストをユーザが預けたまま、情報処理装置100で受取り処理が実行されないこともあり得る。そのようなデータをユーザの同意無く削除することは基本的に許されない。電子マネーのような何らかのバリューに関するデータは削除すべきでは無い。しかし、削除してもユーザが再取得することが可能なデータであれば、サーバ200は、ユーザが使用している情報処理装置100に対して削除の是非を確認する通知をした上で、削除を行っても良い。
【0095】
ユーザは、サーバ200に預け入れたデータを情報処理装置100で受取る際に、預け入れたけど受け取らずにサーバ200から削除しても良いものがあれば、メニューアプリでの受取り処理時に削除するサービスを選択してもよい。サーバ200は、ユーザによって削除してもよいと指定されたサービスのデータを受取り処理時に削除することができる。
【0096】
情報処理装置100でメニューアプリが起動されると上述したようにログイン処理が行われる。そのログイン処理の完了後に、メニューアプリは、未受取りのサービスがあればそのサービスの情報を表示してもよい。
【0097】
ここでお預け処理や受取り処理における様々なユースケースについて説明する。
【0098】
図9は、お預け処理におけるユースケース例を示す説明図である。
図9に示したものは、同一のアカウントで複数の情報処理装置100a、100bからデータをサーバ200に預け入れようとする場合の例である。情報処理装置100aには2つのサービスSP1-C1、SP2-C1のデータがセキュアエレメント120に記録されており、情報処理装置100bには2つのサービスSP1-C2、SP2-C2のデータがセキュアエレメント120に記録されているとする。ここでSP1-C1のデータがサーバ200に預け入れられている状態で、別の情報処理装置100bからデータを預け入れようとした場合、サーバ200はその預け入れをブロックする。
【0099】
図10は、お預け処理及び受取り処理におけるユースケース例を示す説明図である。
図10に示したものは、情報処理装置100aに預け入れたデータを情報処理装置100cで受取る場合の例である。情報処理装置100aには2つのサービスSP1-C1、SP2-C1のデータがセキュアエレメント120に記録されていたとする。ここでSP1-C1のデータがサーバ200に預け入れられている状態で、情報処理装置100cがSP1-C1のデータを受取ることが可能である。
【0100】
図11は、
図10のようにSP1-C1のデータがサーバ200に預け入れられている状態で、情報処理装置100cがSP1-C1のデータを受取る場合に、情報処理装置100cに表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図11には、お預け処理の途中である旨を示すメッセージUI1、受取り処理をキャンセルするためのボタンUI2、及び預け入れているデータを受け取るためのボタンU13が示されている。ユーザがボタンU13を選択すると、情報処理装置100cはサーバ200に対して受取り処理を実行し、SP1-C1のデータを受取ることができる。
【0101】
図12は、お預け処理及び受取り処理におけるユースケース例を示す説明図である。
図12に示したものは、情報処理装置100aに預け入れたデータを情報処理装置100c、100dで受取る場合の例である。情報処理装置100aに記録されていた2つのサービスのSP1-C1、SP2-C1のデータがサーバ200に預け入れられている状態で、情報処理装置100cがSP1-C1のデータを受取ったとする。この場合、情報処理装置100cとは別の情報処理装置100dが、サーバ200に預け入れられているデータを受取ることが可能である。
【0102】
図13は、
図12のようにSP2-C1のデータがサーバ200に預け入れられている状態で、情報処理装置100dがSP2-C1のデータを受取る場合に、情報処理装置100dに表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図13には、他の情報処理装置100cで受取り処理が途中である旨を示すメッセージUI4、受取り処理をキャンセルするためのボタンUI5、及び預け入れているデータを受け取るためのボタンU16が示されている。ユーザがボタンU16を選択すると、情報処理装置100dはサーバ200に対して受取り処理を実行し、SP2-C1のデータを受取ることができる。
【0103】
続いて情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を説明する。
【0104】
まずお預け処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を説明する。
図14は、お預け処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図14には、お預け処理に関するメッセージUI11、セキュアエレメント120に記録されているサービスのデータやリストをサーバ200に預け入れるためのボタンUI12、お預け処理をキャンセルするためのボタンUI13、セキュアエレメント120に記録されているサービスの一覧UI14が示されている。サービスの一覧UI14には、各サービスがまとめてお預け対応サービス、個別対応サービス、削除+個別対応サービスのどれに対応しているかが併せて表示されている。
【0105】
図15は、お預け処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図15に示されているのは、
図14に示されているユーザインタフェースの例において、ボタンUI12がユーザによって選択された後に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例である。
図15には、セキュアエレメント120に記録されているサービスのデータがサーバ200に送信されている最中セあることを示すメッセージUI15が示されている。
【0106】
図16は、お預け処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図16に示されているのは、
図7のステップS127でメニューアプリが表示するユーザインタフェースの例であり、メッセージUI15の表示の後に表示されるユーザインタフェースの例である。
図16には、お預け処理の結果を示すメッセージUI16、処理済みのサービスのリストUI17、未処理のサービスのリストUI18が示されている。
【0107】
次に受取り処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を説明する。
図17は、受取り処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図17には、受取り処理に関するメッセージUI21、サーバ200に預けているサービスのデータやリストをサーバ200から受取るためのボタンUI22、受取り処理をキャンセルするためのボタンUI23、サーバ200に預けているサービスの一覧UI24が示されている。サービスの一覧UI14には、各サービスがまとめてお預け対応サービス、個別対応サービス、削除+個別対応サービスのどれに対応しているかが併せて表示されている。
【0108】
図18は、受取り処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図18に示されているのは、
図17に示されているユーザインタフェースの例において、ボタンUI22がユーザによって選択された後に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例である。
図18には、サーバ200に預けられているデータが情報処理装置100に送信されている最中セあることを示すメッセージUI25が示されている。
【0109】
図19は、受取り処理を実行する際に情報処理装置100に表示されるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
図19に示されているのは、
図8のステップS222でメニューアプリが表示するユーザインタフェースの例であり、メッセージUI25の表示の後に表示されるユーザインタフェースの例である。
図19には、受取り処理の結果を示すメッセージUI26、受取り処理済みのサービスのリストUI27、ユーザが個別に受取り処理を実行する必要があるサービスのリストUI28が示されている。
【0110】
本開示の実施の形態に係る情報処理装置100は、このようなユーザインタフェースを表示することで、どのサービスがお預け対応サービス、個別対応サービス、削除+個別対応サービスのどれに対応しているか、お預け処理や受取り処理がどこまで進んでいるかをユーザに容易に確認させることができる。
【0111】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の実施の形態によれば、非接触ICチップを内蔵する情報処理装置100間で、非接触ICチップによる近接非接触通信を利用するサービスで使用されるデータ移行の際の、ユーザによるデータ移行の手間を軽減させることが可能になる情報処理システム1、及び情報処理システム1で動作する情報処理装置100並びにサーバ200を提供することができる。
【0112】
本開示の実施の形態に係る情報処理システム1は、ユーザが利用中の非接触ICチップによる近接非接触通信を利用するサービスのうち、サーバ200を介してデータを移しても構わないサービスと、そうでないサービスとを区別して管理する。そして本開示の実施の形態に係る情報処理システム1は、サーバ200を介してデータを移しても構わないサービスについてはデータも含めて記録し、そうでないデータはサービスのリストのみを記録する。このように管理することで、本開示の実施の形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100間でデータを移行する際のユーザによる煩雑な作業を低減させることが可能となる。
【0113】
本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0114】
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0117】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
耐タンパ性を有する保護記憶部と、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型を判断し、判断結果を出力する、情報処理装置。
(2)
前記制御部が判断する類型は、一括して移行可能であるものを含む、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能なものである場合は前記サービスのデータを前記他の装置へ送信させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能なものである場合は前記サービスのリストを前記他の装置へ送信させる、前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に関する情報を表示させる制御を行う、前記(1)~(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスを他の装置を介して移行する処理が中断されている場合に該処理が中断されている旨のメッセージを表示させる制御を行う、前記(1)~(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記他の装置に保存されているデータを取得する処理が中断されている場合に該処理が中断されている旨のメッセージを表示させる制御を行う、前記(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に応じて情報を分けて保存する記憶部と、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部と、を備える、サーバ装置。
(9)
前記類型は、前記情報処理装置からデータを一括して移行可能であるものを含む、前記(8)に記載のサーバ装置。
(10)
前記記憶部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能なものである場合は前記サービスのデータを記憶する、前記(9)に記載のサーバ装置。
(11)
前記記憶部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスが一括して移行可能なものである場合は前記サービスのリストを記憶する、前記(9)または(10)に記載のサーバ装置。
(12)
前記制御部は、あるユーザの前記情報処理装置からの情報が保存されている状態で、同一ユーザの異なる情報処理装置からの情報の保存をブロックする、前記(8)~(11)のいずれかに記載のサーバ装置。
(13)
前記制御部は、あるユーザの前記情報処理装置からの情報が保存されている状態で、同一ユーザの異なる情報処理装置からの情報の取り出しを可能とする、前記(8)~(12)のいずれかに記載のサーバ装置。
(14)
情報処理装置と、
サーバ装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
耐タンパ性を有する保護記憶部と、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型を判断し、判断結果を出力し、
前記サーバ装置は、
前記情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に応じて情報を分けて保存する記憶部と、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御する制御部と、を含む、情報処理システム。
(15)
プロセッサが、
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に応じて情報を分けて記憶部に保存することと、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御すること、
を含む、情報処理方法。
(16)
プロセッサが、
耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されているサービスの類型を判断し、判断結果を出力することと、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行することと、
を含む、情報処理方法。
(17)
コンピュータに、
耐タンパ性を有する保護記憶部に記憶されているサービスの類型を判断し、判断結果を出力することと、
前記保護記憶部に記憶されているサービスを、他の装置を介して移行する処理を実行することと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
(18)
コンピュータに、
耐タンパ性を有する保護記憶部を備える情報処理装置の前記保護記憶部に記憶されているサービスの類型に応じて情報を分けて記憶部に保存することと、
前記記憶部への情報の記憶及び前記記憶部からの情報の取り出しを制御すること、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0118】
1 :情報処理システム
100 :情報処理装置
110 :デバイスホスト
111 :制御部
112 :データ取得部
113 :記憶部
114 :入力部
115 :出力部
116 :通信部
120 :セキュアエレメント
121 :制御部
122 :記憶部
200 :サーバ
300 :リーダライタ