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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】包装材料及び包装材料を提供する方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/40 20060101AFI20240325BHJP
   B65D 65/02 20060101ALI20240325BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20240325BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B65D65/02 E
B65B61/02
B32B27/00 H
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021522142
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019068170
(87)【国際公開番号】W WO2020008065
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】18182164.6
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・レナルトソン
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-075136(JP,A)
【文献】登録実用新案第3192781(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0107812(US,A1)
【文献】特表2012-532044(JP,A)
【文献】特開2004-098648(JP,A)
【文献】特開平09-123085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0304230(US,A1)
【文献】特表2020-500787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/40
B65D 65/02
B65B 61/02
B32B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料(100)であって、コア層(161)と、前記包装材料から形成された包装容器の内側に向けられ、且つヒートシール可能な熱可塑性ポリマーの層を含む内側積層部分(180)とを含み、第1の包装容器(10)を形成するための第1の領域(110)と、第2の且つ隣接する包装容器(10)を形成するための第2の領域(120)と、前記第1の領域(110)及び前記第2の領域(120)間に位置する、前記ウェブの幅にわたって横方向に延びる横方向シール領域(140)とを含み、前記横方向シール領域(140)は、前記第1の包装容器の上端部シール(5a)を収容するための上部横方向シール領域(142)と、前記第2の包装容器の下端部シール(5b)を収容するための下部横方向シール領域(144)と、前記上部及び下部横方向シール領域(142、144)間に配置された横方向切断領域(146)であって、前記包装材料のウェブから形成された個々の包装容器を切り離すとき、前記横方向切断領域の広がり全体の中心に沿った線形横方向切断部(148)を収容するための横方向切断領域(146)とを含み、
前記コア層(161)は、前記横方向シール領域(140)に、前記上端部シール(5a)と前記下端部シール(5b)との間の切断領域(5c)における液体製品の閉じ込めの起こり得る影響を低減し、切断及びヒートシール作用を改善するための少なくとも1つの脆弱化部分(150)を備え、
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向切断領域(146)に実質的に垂直な方向に延在する、
包装材料(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記コア層(161)の少なくとも1つの切り裂きを含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記コア層(100)の複数の切り裂きを含む、請求項1又は2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向シール領域の横方向位置に配置され、前記位置において、前記包装材料(100)は、折り曲げられることを意図されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項5】
前記第1の領域(110)は、前記第1の包装容器を形成するための折り目線(130a)を備え、及び前記第2の領域(120)は、前記第2の且つ隣接する包装容器を形成するための折り目線(130b)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項6】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向切断領域(146)に配置される、請求項5に記載の包装材料。
【請求項7】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向切断領域(146)内に完全に配置される、請求項6に記載の包装材料。
【請求項8】
記少なくとも1つの脆弱化部分(150)の長さは、前記切断領域(146)の高さの50%超である、請求項6又は7に記載の包装材料。
【請求項9】
前記コア層(161)は、前記横方向シール領域(140)に複数の脆弱化部分(150)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項10】
前記コア層(161)は、紙又は板紙などのセルロースベースの材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項11】
外側積層部分(170)をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の包装材料(100)によって形成される包装容器(10)。
【請求項13】
横方向下端部シール(5b)及び横方向上端部シール(5a)を含み、前記端部シール(5a、5b)の少なくとも1つは、包装材料のチューブを横方向に折り曲げ、且つ続いてシールすることによって形成され、前記少なくとも1つの脆弱化部分(150a、150b)は、前記チューブの折り目の領域に配置される、請求項12に記載の包装容器。
【請求項14】
包装材料(100)のウェブを提供する方法であって、
コア層(161)に上端部シール(5a)と下端部シール(5b)との間の切断領域(5c)における液体製品の閉じ込めの起こり得る影響を低減し、切断及びヒートシール作用を改善するための少なくとも1つの脆弱化部分(150)を提供することと、
第1の包装容器(10)を形成することを意図された第1の領域(110)と、第2の且つ隣接する包装容器(10)を形成することを意図された第2の領域(120)と、前記第1の領域(110)及び前記第2の領域(120)間に位置する、前記ウェブの幅にわたって横方向に延びる横方向シール領域(140)とを提供することであって、前記横方向シール領域(140)は、前記第1の包装容器の上端部シール(5a)を収容するための上部横方向シール領域(142)と、前記第2の包装容器の下端部シール(5b)を収容するための下部横方向シール領域(144)と、前記上部及び下部横方向シール領域(142、144)間に配置された横方向切断領域(146)であって、前記包装材料のウェブから形成された個々の包装容器を切り離すとき、前記横方向切断領域の広がり全体の中心に沿った線形横方向切断部(148)を収容するための横方向切断領域(146)とを含む、提供することと、
内側積層部分(180)を前記コア層(161)の一方の側に積層することであって、
前記内側積層部分は、前記包装材料から形成された包装容器の内側に向けられ、且つヒートシール可能な熱可塑性ポリマーの層を含む、積層することと
を含み、前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向シール領域(140)に配置され、前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記横方向切断領域(146)に実質的に垂直な方向に延在する、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記コア層(161)を通した切断又は打抜きによって提供される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、レーザによって前記コア層(161)の一部を除去することによって提供される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの脆弱化部分(150)は、前記切断領域(146)内に完全に配置される、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料、特に液体食品を貯蔵するための個々の包装容器を形成するのに適した包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品を貯蔵するための包装容器が市場に流通しており、充填機は、そのような食品包装容器を非常に高速で製造することを可能にする。1つの十分に確立された原理によれば、包装容器の連続シーケンスは、ウェブの長手方向の端部を互いにシールすることにより、包装材料の流れるウェブをチューブに形成することによって製造される。チューブは、包装容器によって貯蔵される液体内容物で充填されるため、横方向のシール形成は、充填された液体食品のレベルより下で実行される。1回のシール形成動作において、2つの横方向シール、すなわち先行包装容器の上端部シール及び直後に続く包装容器の下端部シールが実際に同時に作られる。シール形成動作が完了すると、上端部シールと下端部シールとの間の領域でチューブを横方向に切断するためにナイフが作動され、これにより先行する(且つ現在シールされている)包装容器を上流のチューブから分離する。上端部シールは、結果として得られる包装容器の上部シールを形成し得る一方、下端部シールは、包装容器の底部を形成する。代わりに、上端部シールが包装容器の底部を形成する場合があり、逆も同様である。
【0003】
下端部シールは、上端部シールから特定の長手方向の距離に配置される。充填されたチューブがシール形成動作中に横方向にクランプされる際、液体製品が上端部シールと下端部シールとの間の距離で空間を充填し、したがってナイフが切断しなければならない閉じた横方向のクッション様構造を形成し得る。切断中、このようなクッション様構造は、ナイフの作用に逆らって作用する。ヒートシール形成及びその後の切断作業において、充填されたクッション様構造は、横方向の折れ曲がりに小さい欠陥を生じさせる可能性があり、これは、シール形成時、折り曲げられた材料により多くのエネルギー及び熱を加えることを必要とし得る。作業の簡素化及びエネルギー消費の削減に絶えず努力しているため、改善されたシール形成作業、特にそのようなシール形成作業中の改善された切断を可能にする包装材料が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することである。特に、包装材料の上流のチューブからの、シールされた包装容器の改善された分離を可能にする包装材料を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的を解決するために、包装材料のウェブであって、コア層と、包装材料から形成された包装容器の内側に向けられ、且つヒートシール可能な熱可塑性ポリマーの層を含む内側積層部分とを含み、第1の包装容器を形成するための第1の領域と、第2の且つ隣接する包装容器を形成するための第2の領域と、第1の領域及び第2の領域間に位置する、ウェブの幅にわたって横方向に延びる横方向シール領域とを含み、横方向シール領域は、第1の包装容器の上端部シールを収容するための上部横方向シール領域と、第2の包装容器の下端部シールを収容するための下部横方向シール領域と、上部及び下部横方向シール領域間に配置された横方向切断領域であって、包装材料のウェブから形成された個々の包装容器を切り離すとき、横方向切断領域の広がり全体の中心に沿った線形横方向切断部を収容するための横方向切断領域とを含み、コア層は、横方向シール領域に少なくとも1つの脆弱化部分を備える、包装材料のウェブが提供される。
【0006】
コア層は、紙又は板紙などのセルロースベースの材料を含んでもよい。
【0007】
少なくとも1つの脆弱化部分は、コア層の少なくとも1つの切り裂きを含み得る。代わりに、それは、コア層の複数の切り裂きを含み得る。脆弱化部分は、線形横方向切断部に対するいずれかの任意選択的な脆弱化に属する付加的なものである。したがって、脆弱化は、個々の包装容器が包装材料の連続的に形成されたチューブから切り離されるとき、後の作業で作られる線形横方向切断部の脆弱化ではない。
【0008】
通常、ヒートシール可能な熱可塑性層は、積層包装材料の最内層、すなわち包装容器内の充填された製品と接触する層を形成する。
【0009】
少なくとも1つの脆弱化部分は、横方向シール領域の横方向位置に配置され得、その位置において、包装材料は、折り曲げられることを意図されている。したがって、それは、横方向切断領域に配置され得、横方向切断領域は、上部及び下部横方向シール領域間に配置される。一実施形態では、それは、横方向切断領域内に完全に配置されてもよい。
【0010】
脆弱化部分は、実質的にウェブの長手方向、すなわち横方向切断領域に実質的に垂直など、ウェブの幅の横方向と異なる方向において長手方向に延在してもよい。少なくとも1つの脆弱化部分の長さは、切断領域の長さの50%超であってもよい。
【0011】
コア層は、横方向シール領域に複数の脆弱化部分を備えてもよい。
【0012】
コア層は、コア層の反対側、すなわち内側積層部分の反対側で外側積層部分にさらに積層されてもよい。
【0013】
第2の態様によれば、本発明の包装材料によって形成される包装容器が提供される。
【0014】
包装容器は、横方向の下端部シール及び横方向の上端部シールを含み得、それらの端部シールの少なくとも1つは、包装材料のチューブを横方向に折り曲げ、且つ続いてシールすることによって形成され、少なくとも1つの脆弱化部分は、チューブの折り目の領域に配置される。
【0015】
本発明の包装材料により、改善された横方向のシール形成、切断及び成形プロセスが包装容器の充填中により低いエネルギー消費で得られ、且つ改善された結果として得られる充填済み包装容器が得られ、それは、より強いシール及び折り目並びにより良い最終包装容器の外観を有する。
【0016】
第3の態様によれば、包装材料を提供する方法は、コア層に少なくとも1つの脆弱化部分を提供するステップ、第1の包装容器を形成することを意図された第1の領域と、第2の且つ隣接する包装容器を形成することを意図された第2の領域と、第1の領域及び第2の領域間に位置する、ウェブの幅にわたって横方向に延びる横方向シール領域とを提供するステップであって、横方向シール領域は、第1の包装容器の上端部シールを収容するための上部横方向シール領域と、第2の包装容器の下端部シールを収容するための下部横方向シール領域と、上部及び下部横方向シール領域間に配置された横方向切断領域であって、包装材料のウェブから形成された個々の包装容器を切り離すとき、横方向切断領域の広がり全体の中心に沿った線形横方向切断部を収容するための横方向切断領域とを含む、提供するステップ、内側積層部分をコア層の一方の側に積層するステップであって、内側積層部分は、ヒートシール可能な熱可塑性ポリマーの層を含み、且つ包装材料から形成された包装容器の内側に向けられる、積層するステップを含んでもよく、少なくとも1つの脆弱化部分は、横方向シール領域に配置される。
【0017】
この方法は、第1の包装容器を形成することを意図された第1の領域に折り目線の第1のセットを、及び第2の且つ隣接する包装容器を形成することを意図された第2の領域に折り目線の第2のセットを提供するステップをさらに含んでもよい。
【0018】
この方法は、コア層の反対側に対する外側積層部分にコア層を積層するステップをさらに含んでもよい。
【0019】
包装材料のウェブは、通常、巻き上げられた包装材料のリールとして包装及び充填ステーションに提供される。リールは、連続的に巻き戻され、連続チューブの形成のために包装機に供給され、連続チューブは、液体内容物で充填され、シールされ、個々の包装ユニットとして切り離され、さらに折り曲げることにより最終形状に成形されて、その後、小売業者及び消費者にさらに流通するために送り出される。
【0020】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な記載及び図面から明らかになるであろう。
【0021】
ここで、本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】包装材料のチューブから一連の連続した液体食品包装容器を提供するように構成されている充填機の部品の等角図である。
図2a-c】包装材料のチューブに横方向のシールを提供し、下流の包装容器を上流のチューブから分離する作業中の、図1に示す充填機の一部を形成するシール形成装置の断面図である。
図3】包装容器を形成するために使用される包装材料のウェブの等角図である。
図4図3に示した包装材料のウェブの横方向シール領域の拡大図である。
図5】包装材料の断面図である。
図6a-d】様々な実施形態による脆弱化部分を備えた包装材料の断面図である。
図7】一実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、充填機1の部品が示されている。充填機1は、以下の原理に従って動作する:包装材料100のウェブは、包装材料100の長手方向縁部101、102が重なり接合部3で互いに結合されることによってチューブ2に形成される。チューブ2は、充填チューブ4からの目的の液体食品で充填され、チューブ2内の充填された内容物のレベルの下で互いに所定の距離で繰り返されるチューブ2の横方向シール5により、個々の包装容器10に分割される。包装容器10は、横方向シールの切開によって分離され、材料内の準備された折り目線に沿って折り曲げることにより、望ましい幾何学的構成が与えられる。
【0024】
本明細書に提示された実施形態の利点をさらに説明するために、シール形成作業の詳細を以下に示す。図2a~cを参照すると、シール形成作業、すなわち上記のように横方向シール5を提供するために実行されるプロセスが概略的に示されている。
【0025】
このシール形成作用の一般的な原理は、包装材料100のチューブ2の2つの側面を互いに向かって押し付け、チューブ壁の包装材料100の接触する内側の熱可塑性層が互いに接合されるように包装材料100を局所的に加熱することである。充填機1内において、これは、通常、対向するシーリングジョー20a、20bの対の相互作用によって実行される。シーリングジョー20a~bは、少なくとも水平面内で移動可能であり、それらは、図2aに示されるように、包装材料100のチューブ2がそれらの間に収まるアイドル位置を有する。
【0026】
第1の側では、シーリングジョー20bは、チューブを横方向にクランプして圧搾するための、場合により隆起部を備えた、上部及び下部のプレスバー22を含むプレスジョーである。
【0027】
他方の対向側では、対向するシーリングジョー20aは、アンビルジョーであり、バー又は隆起部からの圧力を受けて減衰させるための上部及び下部弾性ドリー23を備え、それらは、したがって、チューブの二重折り材料の第1の側を圧迫している。
【0028】
各プレスジョー20-bは、それぞれが加熱装置又は加熱要素を備えた上部及び下部プレスバー22を備える。加熱要素を備えたプレスバー22は、接続することができる。シール形成作業のための加熱は、例えば、誘導加熱、超音波加熱、対流加熱又はインパルス加熱向けの構成によって提供されてもよい。誘導加熱は、バリア材料としてアルミホイルを含む積層材料にとって好ましい加熱技術である一方、非ホイル含有積層材料は、一実施形態では、超音波熱発生又は他の加熱構成によってシール形成されてもよい。
【0029】
第1の作業において、図2bに示されるように、シーリングジョー20a~bの対が互いに向かって移動され、包装材料100のチューブ2がそれぞれのシーリングジョー20a~bのプレスバー22とドリー23との間で押されるようにする。作動すると、加熱回路は、横方向シール5がチューブ2に形成されることを保証する。そのような横方向シール5は、1つの上端部シール5a及び1つの下端部シール5bとして形成される。上端部シール5aは、切断領域5cによって下端部シール5bから離間されている。
【0030】
図2cを見ると、横方向シール5が提供されると切断ナイフ24が作動されて、折り曲げられたチューブの材料を介して切断領域5cで水平切断を実行する。切断すると、下流の包装容器10が上流のチューブ2から分離され、その際、上流のチューブ2は、シールされた下端部を有する。
【0031】
図2bに見られるように、チューブ2がシーリングジョー20a~b間でクランプされると、切断領域5cは、横方向のリボン形のクッション様の形状を形成し得る。これは、チューブ2が、シーリングジョー20a~bの位置よりも垂直方向に高いレベルまで内容物で充填されているという事実によるものである。したがって、シーリングジョー20a~bが当接すると、上端部シール及び下端部シールの位置間に液体製品が閉じ込められる可能性がある。これにより、クッション様の形状が形成されると、切断動作に悪影響が及ぶ可能性がある。
【0032】
上端部シール5aと下端部シール5bとの間の切断領域5cにおけるそのような液体製品の閉じ込めの起こり得る影響を低減し、それによって切断及びヒートシール作用を改善するために、包装材料100は、以下で説明するように、少なくとも1つの脆弱化部分を備える。
【0033】
図3に包装材料100の実施形態が概略的に示されている。包装材料100は、図1の充填機1に効率的に適合するために巻かれる連続ウェブとして提供される。
【0034】
包装材料100の幅は、1つの単一の包装容器10を形成するために必要とされるものに対応する。包装材料100のウェブは、直列に配置された以下の複数の領域を含む:第1の又は先行する包装容器10を形成するための第1の領域110、それに続く、第2の又は後続の包装容器10を形成することを意図された第2の領域120。第2の領域120の後には、容易に理解されるように、第3の領域、第4の領域等(図示せず)が続く。
【0035】
各領域110、120は、折り目線130a~bを備える。第1の領域110の折り目線130aは、第1の包装容器10を形成するように設計され、第2の領域120の折り目線130bは、第2の且つ隣接する包装容器10を形成するように設計される。
【0036】
第1の領域110についてのみ示されているが、1つの領域110、120の折り目線130aは、包装容器10の底端部を形成するように設計された折り目線の第1のセット132aを含み、折り目線の第2のセット134aは、包装容器10の主要本体を形成するように設計され、折り目線の第3のセット136aは、包装容器10の閉じた上端部を形成するように設計されている。
【0037】
別の実施形態によれば、包装材料は、折り目線がない場合もあれば、又は折り目線を部分的にのみ、例えば折り目線の1つのセットのみを備える場合もある。
【0038】
図3にさらに示されるように、第1の領域110は、横方向シール領域140によって第2の領域120から分離される。これは、横方向シール領域140が、先行する第1の領域110の折り目線の第3のセット136aと、後続の第2の領域120の折り目線の第1のセット132aとの間に配置されることを意味する。
【0039】
本明細書に記載のすべての実施形態の共通の特徴は、横方向シール領域140が少なくとも1つの脆弱化部分を備えていることである。そのような脆弱化部分が包装材料100内でどのように構成されるかについての詳細は、図5及び図6a~dを参照して以下でさらに説明される。しかしながら、最初に図4を参照して、横方向シール領域140内の脆弱化部分の構成を記載する。
【0040】
図4に見られるように、横方向シール領域140は、上端部シール5a(その将来の位置は、太い線で示される)及び下端部シール5b(その将来の位置は、同じく太い線で示される)の両方を収容するのに十分な長手方向の広がりを有する。上で説明したように、チューブ2の後に形成される切断領域5cは、上端部シール5aと下端部シール5bとの間に延びる。
【0041】
この目的のために、横方向シール領域140は、上部シール領域142と、下部シール領域144と、上部シール領域142及び下部シール領域144間に配置された切断領域146とを備える。
【0042】
少なくとも1つの脆弱化部分150が横方向シール領域140に提供される。異なる技術的効果を強調するために、脆弱化部分150の異なる位置が考慮され得る。例えば、脆弱化部分150aは、横方向シール領域140内において、シール形成中にチューブ2が折り曲げられる場所に対応する横方向位置、すなわちチューブ2の横方向エッジに対応する位置に配置され得る。脆弱化部分150aのそのような位置は、チューブ2の折り曲げを改善し、したがって最終包装容器の形成、完全性及び外観も改善することが証明されている。脆弱化部分150aは、上部シール領域142、下部シール領域144及び切断領域146にわたって延びるものとして示されている。
【0043】
包装容器は、横方向切断領域146の中心線に沿って、すなわち横方向ライナカット148に沿って包装材料のチューブから切り離される。
【0044】
別の実施形態では、脆弱化部分150bは、チューブ2の反対側の横方向エッジに対応する位置に配置される。この脆弱化部分150bは、横方向に整列しているが、長手方向に離間している2つの別個の脆弱化部分として提供される。これは、各脆弱化部分150bがそれぞれ上部及び下部シール領域142、144に配置されているが、それらが切断領域146内に実質的な延長部を有していないことを意味する。
【0045】
脆弱化部分150をどのように配置できるかの別の例が脆弱化部分150cによって示されている。これらは、最終包装容器10の積層包装材料の複雑な折り曲げゾーンに対応する位置に配置される。見て分かるように、脆弱化部分150c全体が切断領域146内に延びるが、上部及び下部シール領域142、144には延びない。脆弱化部分150cは、複雑な折り曲げの領域における材料層の応力を緩和するのに役立つ。同様の脆弱化部分150dは、代替的に又は同様に、横方向シール領域140のランダムな横方向位置に適用されてもよい。
【0046】
さらに別の例が脆弱化部分150dによって示されている。これは、チューブ2に沿った任意の位置に配置されている。
【0047】
理解されるように、脆弱化部分は、横方向及び長手方向の両方で横方向シール領域140に沿った様々な位置に配置することができる。脆弱化部分150が包装材料100の堅牢性を低下させるため、切断ナイフ24がクッション様構造において包装材料100を貫通しているとき、切断動作中に必要とされる力が少なくなる。また、折り曲げが改善されるため、ヒートシール作業に必要な熱エネルギーが少なくなる。
【0048】
脆弱化部分150は、包装材料100の堅牢性の局所的な低下として提供される。包装材料100の例は、図5の断面図に示されている。
【0049】
包装材料100は、積層包装材料である。それは、原則として、材料層の3つの積層部分から構成される積層体である。内側積層部分160は、いわゆるデュプレックス又はトリプレックスタイプの板紙又は液体包装用板紙など、紙、板紙又は他のセルロースベースの材料のバルク材料のコア中心層161である。このコア層は、積層包装材料の曲げ剛性及びバルク特性並びにそれから作られた包装容器の寸法安定性の主因である。外側積層部分170は、ポリエチレン材料層など、プラスチック、好ましくはポリオレフィンなどのヒートシール可能な熱可塑性プラスチックの最も外側の液密で透明な層171を含む。代わりに、積層作業は、コア層161と、透明な事前に製造されたフィルム171との間に熱可塑性接合材料172の中間層を適用する溶融押出積層作業であってもよい。
【0050】
コア層161の反対側、内側の内側積層部分180は、最終包装容器内の充填された食品と直接接触する包装材料100の層でもある、最も内側のヒートシール可能な熱可塑性層181を含む。最も内側のヒートシール可能なポリマー層181は、単層として又は多層ポリマー構造181~184として例えばコア層161の内側での溶融共押出しによって適用されてもよい。
【0051】
さらなる実施形態によれば、ガスバリア特性を提供するための、アルミニウムホイルなどの事前に製造されたフィルム又はホイルも、LDPEなどのポリエチレンなどのポリオレフィンなど、熱可塑性材料の中間接合層の溶融押出積層によってコア層161の内側に積層されてもよい。したがって、そのようなバリアフィルム又はホイルは、最も内側のヒートシール可能なポリマー層181とコア層161との間に配置される。
【0052】
包装材料100の製造は、当技術分野でよく知られているように、様々な方法で行うことができる。さらに、包装材料100がコア層161を含む限り、包装材料100の異なる構成が利用可能であることに留意されたい。
【0053】
本明細書に関連して、脆弱化部分150は、コア層161の堅牢性の局所的な低下として提供される。堅牢性のそのような低下は、コア層161の厚さを減少させることによって達成される。折り目線、すなわちコア層161の局所的な変形は、脆弱化部分150を表すと見なされないことに留意されたい。
【0054】
図6aに脆弱化部分150の第1の例が概略的に示されている。この例では、コア層161の一部は、例えば切断、打抜き、レーザ除去、その他によって完全に除去されている。脆弱化部分150の横方向の寸法は、外側積層部分170を積層して内側積層部分180に接着するのに十分な大きさである。
【0055】
図6bに脆弱化部分150の別の例が概略的に示されている。同じく、この例では、コア層161の一部が例えば切断、打抜き、レーザ除去、その他によって完全に除去されている。しかしながら、脆弱化部分150の横方向の寸法は、外側積層部分170を積層して内側積層部分180に接着するのに十分な大きさではない。代わりに、外側積層部分170は、脆弱化部分150の位置で内側積層部分170から分離されている。
【0056】
図6cに脆弱化部分150のさらに別の例が概略的に示されている。この例では、コア層161の一部が完全に切断されているが、材料は、除去されていない。したがって、脆弱化部分150は、コア層161にスリットを入れることによって形成される。
【0057】
図6dに脆弱化部分150の別の例が概略的に示されている。この例では、コア層161の一部のみが例えばフライス加工、研削、レーザ除去、その他によって完全に除去されている。それにより、コア層161の厚さは、局所的に減少する。
【0058】
図7を見ると、包装材料100を提供する方法200の例が概略的に示されている。方法200は、コア層161に少なくとも1つの脆弱化部分150を提供する第1のステップ202と、第1の包装容器10を形成することを意図された第1の領域110に折り目線130aの第1のセットを、及び第2の且つ隣接する包装容器10を形成することを意図された第2の領域120に折り目線130bの第2のセットを提供する第2のステップ204とを含む。方法200は、内側積層部分180をコア層161の片側に積層し、コア層161の反対側に外側積層部分170を積層する第3のステップ206も含む。
【0059】
第2のステップは、第1のステップ前又は後にコア層で直接行われ得る。
【0060】
代わりに、第2のステップは、第3のステップ後、すなわち積層作業後に行われ得る。外側積層部分のコア層への積層は、コア層に折り目線を提供する第2のステップ前又は後に行われる場合があり、それは、内側積層部分のコア層への積層とは別の積層ステップであり得る。しかしながら、第1及び第2のステップの作業の位置合わせは、近接して連続して行われない方法ではより困難になると予想される。
【0061】
後の段階で充填機において実行される別のステップにおいて、第1の領域110は、横方向シール領域140によって第2の領域120から分離され、その結果、少なくとも1つの脆弱化部分150が横方向シール領域140に配置される。
【0062】
ステップ202は、コア層161を通した切断若しくは打抜きにより、又は例えばレーザによってコア層161の少なくとも一部を除去することにより実行されてもよい。
【0063】
有利には、ステップ202は、少なくとも1つの脆弱化部分150が、横方向シール領域140の上部シール領域142と下部シール領域144との間に配置された切断領域146内に完全に配置されるように実行される。
【0064】
これまで、脆弱化部分150は、コア層161の少なくとも一部の局所的な除去、厚さの減少又は切り裂きとして提供されると記載してきた。しかしながら、脆弱化部分150は、いくつかの密に配置された脆弱化部分を含み得ることを理解されたい。例えば、脆弱化部分150は、短いミシン目など、互いに近接して配置された3~7つのスリットによって形成されてもよい。
【0065】
上記の記載から、本発明の様々な実施形態を記載し、示してきたが、本発明は、それに限定されず、以下の特許請求の範囲で定義される主題の範囲内において他の方法でも具現化され得ることになる。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7