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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】性機能を改善するための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20240325BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240325BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K31/353
A61P15/00
A61P15/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021531547
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2019083983
(87)【国際公開番号】W WO2020115274
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】PA201870801
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】521238214
【氏名又は名称】インクソ エー/エス
【氏名又は名称原語表記】INXO A/S
【住所又は居所原語表記】Hojbro Plads 10,1200 Copenhagen(DK)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザフェラン,ジャマルディン
(72)【発明者】
【氏名】カーン,ヤハンギール
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104382892(CN,A)
【文献】米国特許第9572848(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0038458(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101780181(CN,A)
【文献】特表2009-508810(JP,A)
【文献】国際公開第2006/002096(WO,A2)
【文献】R. STANISLAVOV et al.,"Treatment of Erectile Dysfunction with Pycnogenol and L-arginine",Journal of Sex & Marital Therapy,2003年,Vol.29, No.3,p.207-213,DOI: 10.1080/00926230390155104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩又は水和物を含む組成物であって、単位剤形であり、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が、単位用量中に4gを超え、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が1.1~3.0gの範囲であり、更に1種以上のプロアントシアニジンを含む、オンデマンドで使用して一酸化窒素の産生を増加させるための組成物。
【請求項2】
L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が4.49.5gの範囲である、請求項に記載の組成物。
【請求項3】
オンデマンドで使用するための単位剤形である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩又は水和物を含、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が少なくとも4.0gであり、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が少なくとも1.0gである、オンデマンドでの使用により性的に健常な対象者の性機能を改善するための組成物又は単位剤
【請求項5】
性的に健常な対象者の性的覚醒を改善するための、請求項4に記載の組成物又は単位剤
【請求項6】
前記対象者が女性である、請求項4又は5に記載の組成物又は単位剤
【請求項7】
性的に健常な女性対象者のオルガスム機能を改善するための、請求項6に記載の組成物又は単位剤
【請求項8】
前記対象者が男性である、請求項4又は5に記載の組成物又は単位剤
【請求項9】
性的に健常な男性対象者のIELTを改善するための、請求項8に記載の組成物又は単位剤
【請求項10】
性行為の0.5~5.5時間前組成物又は単位用量が投与される、請求項4~9のいずれか1項に記載の組成物又は単位剤
【請求項11】
健常な対象者の性的関心及び/又は性機能を最大6時間の間改善するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はL-アルギニン及びL-シトルリンを特定の比率で含む組成物、並びに該組成物の使用に関する。特に本発明は、性的に健常な対象者の性機能を、オンデマンドで改善するための、このような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
性的関心は、解剖学的、生理学的、心理的、発達的、文化的、及び関連要因を含む、複数の側面の複雑な相互作用である。これらの側面はすべて、ライフサイクル全体を通じて発達し変化するだけでなく、任意の時点において、さまざまな程度で個人の性的関心に関与する。
【0003】
勃起不全(Erectile Dysfunction:ED)、性的興奮障害、性的欲求低下障害(Hypoactive Sexual Desire Disorder:HSDD)、性的嫌悪障害(Sexual Aversion Disorder:SAD)、オルガスム障害(無オルガスム症)、早漏、性交疼痛症、腟痙又は性的不満(非特異的)などの、いくつかの性障害及び性機能不全は、本来の健常な性的関心を損ない、また生理学的要因(例えば、不十分なホルモンレベル、糖尿病、心血管疾患又は年齢)と心理的要因との両方によって引き起こされる可能性がある。性ホルモンの量が不十分であることは、男性と女性両方の性的動機付けに影響を与える主な要因である。このようなホルモンとしては、アンドロゲン(例えばテストステロン)、エストロゲン(例えばエストラジオール)、プロゲストゲン(例えばプロゲステロン)、オキシトシン及びバソプレシンが挙げられる。女性において、エストロゲンの不足は、主に膣の萎縮及び性交疼痛症を引き起こすことによって、性機能不全へとつながる可能性がある。これらの症状は、全身又は局所のエストロゲン療法によって治療される場合がある。逆に、アンドロゲン欠乏は性的欲求の低下と最も強く関連しているようである。そのような状況においてアンドロゲンの投与が有益である可能性があることを示す証拠が増えている。
【0004】
陰茎の勃起は、直接刺激によって達成される反射性勃起と、エロティック又は感情的な刺激によって達成される心因性勃起との2つの異なる機構で、身体によって制御される。前者は末梢神経及び脊髄の下部を使用するのに対し、後者は脳の大脳辺縁系を使用する。いずれの場合においても、勃起を成功させ、かつ完全なものとするには、無傷の神経系が必要である。陰茎幹の神経系を直接刺激すると、一酸化窒素(NO)が分泌される。このセカンドメッセンジャーは、海綿体(陰茎の主勃起組織)の平滑筋の弛緩を引き起こし、続いて陰茎の勃起を引き起こす。一酸化窒素は、細胞質グアニル酸シクラーゼのヘム部分と結合し、グアニル酸シクラーゼを活性化し、環状グアノシン一リン酸(cyclic guanosine monophosphate:cGMP)の細胞内レベルを増加させることによって機能する。cGMPは次いで、血管の血管平滑筋を弛緩させ、血管拡張及び血流の増加(どちらも勃起機能を維持するために必須である)をもたらす。EDのための現在の第一選択薬効分類は、cGMPの代謝を防ぎ、血管平滑筋に対するこのセカンドメッセンジャーの作用を持続させる、ホスホジエステラーゼ5阻害薬(phosphodiesterase type-5:PDE5阻害薬)である。女性の性器組織の血流を増やすことも、セクシャルウェルネスを改善するために有用である。しかし、シルデナフィル(Viagra(登録商標))などのPDE5阻害薬では、女性の性器組織への血行が男性ほど劇的に向上しない。
【0005】
女性又は男性の性器への血流を増加させる別の方法は、一酸化窒素の産生を増加させることであり、これにより次いでcGMPの放出が引き起こされる。シルデナフィル及び関連物質が、血管を拡張させるcGMPの酵素による分解を妨げることによって男性又は女性の性器の血液含有量を持続的に増加させるのに対し、一酸化窒素は、cGMPの産生を促進することによって同様に増加した血液量を生じさせる。
【0006】
一酸化窒素(NO)は、さまざまな一酸化窒素合成(Nitric Oxide Synthase:NOS)酵素によって、L-アルギニン、酸素及びNADPHから内因的に生合成される。NOS酵素は末端酸化剤としてO2を使用し、L-アルギニンをL-シトルリン及びNOに転換する。したがって、NOの産生は、基質としてのL-アルギニンの十分な利用能に依存する。いくつかの出版物(例えば、非特許文献1/非特許文献2/非特許文献3)において、EDを患う人にL-アルギニンを投与することによる有益な効果が示されている。L-アルギニンは、2つの酵素アルギニノコハク酸シンテターゼとアルギニノコハク酸リアーゼの連続作用によってL-シトルリンから内因的に合成することもできる。これらの酵素はどちらも、尿素サイクルにおいて重要な役割を果たす。いくつかの出版物(例えば、非特許文献4)において、PDE5阻害薬ほど効果的ではないが、EDを患う患者へL-シトルリンを投与することによる有益な効果が示されている。L-シトルリンは、主に、L-アルギニンと比較して全身循環前代謝の作用が小さいため、L-アルギニンよりも高い生物学的利用能を示す。
【0007】
NO産生の刺激による性機能不全又は性障害の治療に使用する組成物を開発するためのいくつかの試みが、先行技術に開示されている。一例として、特許文献1において、L-アルギニンの供給源、植物抽出物からのプロアントシアニジン、並びにローズヒップ及び/又はコナラ抽出物からなる組成物が開示されている。これらの組成物は、性障害及び/又は性機能不全を治療するための毎日の投与計画による継続的な治療を目的としている。
【0008】
特許文献2には、性器血管系のセクシャルウェルネス及び健康を達成するためのアルギニン及びプロアントシアニジンを含む組成物が開示されている。プロアントシアニジンの供給源及びアルギニンの供給源を毎日投与することにより、セクシャルウェルネス又は性的適応度が時間とともに向上する。L-アルギニンの供給源は、L-アルギニン塩、又はアスパラギン酸アルギニンなどのL-アルギニンのペプチドであり得る。セクシャルウェルネス又は性的適応度を向上させるために十分な量の一酸化窒素が、時間とともに放出される。
【0009】
特許文献1及び特許文献3において、プロアントシアニジンの供給源、アルギニンの供給源、ローズヒップ及び/若しくはその抽出物、又はヨーロッパナラ及び/若しくはその抽出物を含む、男女両方の性的適応度又はセクシャルウェルネスを改善するための組成物(5mg/日~2000mg/日の間の投与量で投与する)が記載されている。Pycnogenol(登録商標)20mg、L-アルギニン200mg、L-シトルリン200mg、及びローズヒップ抽出物50mgを含む、Prelox Lady(登録商標)と呼ばれる組成物が記載されている。この組成物は、性機能不全である女性の長期治療を目的としている。
【0010】
特許文献4において、約5mg~1000mgのL-アルギニン及びL-シトルリン、又はこれらの組み合わせを含む組成物が記載されている。好ましくは、L-アルギニン及びL-シトルリンは、1:1~5:1の重量範囲で組成物中に存在し、L-アルギニン及びL-シトルリンはそれぞれ、組成物の1~80重量%を構成する。該組成物は、勃起不全及び早漏の治療に使用されるものとして開示されている。
【0011】
特許文献5において、1000ml当たり、L-アルギニン4g、L-シトルリン酸0.4g、ビタミンC60mg、ビタミンE12mg、葉酸0.2mg、β-カロテン30mg、α-リポ酸30mg、及びタウリン300mgを含む機能性飲料が記載されている。
特許文献6において、L-アルギニン4~6g、L-シトルリン200~1000mg、ビタミンC300~500mg、及びβ-カロテン20~30mgを含む組成物の、毎日の摂取が記載されている。
【0012】
特許文献7において、L-アルギニン2000~4000mg、L-シトルリン1000~2000mg、L-カルニチン1000~2000mg、亜鉛10~40mg及びマグネシウム100~400mgを含む徐放性組成物が記載されている。該組成物は、女性の性的興奮障害、女性のオルガスム障害、及び性的欲求低下障害又は男性の勃起不全を治療するための長期(少なくとも30日)投与用である。
【0013】
特許文献8において、機械的療法と化学療法の組み合わせを使用した勃起不全の治療が記載されている。推奨される化学療法は、アルギニン3000~6000mg及びシトルリン3000mgの用量を、毎日2回分(例えば1回は朝、もう1回は夕方)として服用することを含む、継続的な治療である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】欧州特許第2585088号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/062680号明細書
【文献】国際公開第11161655号パンフレット
【文献】国際公開第2017040421号パンフレット
【文献】中国特許出願公開第103263018号明細書
【文献】中国特許出願公開第104382892号明細書
【文献】米国特許第9572848号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0038458号明細書
【非特許文献】
【0015】
【文献】Urol Int.1999年、63(4)、220~3
【文献】J Sex Marital Ther.2003年5月~6月、29(3)、207~13
【文献】Int J Impot Res.2008年3月~4月、20(2)、173~80.Epub 2007年8月16日
【文献】Urology.2011年1月、77(1)、119~22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、毎日の投与計画による上記の治療の欠点は、経験される副作用、及び薬の継続的な摂取が必要であることだ。さらに、効果が植物抽出物に基づく組成物は、化合物の複雑な混合物を含み、そのいくつかはヒトの健康に有益ではない可能性がある。このような組成物は、植物のバッチ及び/又は種の間の変動性のために、必然的に有効成分含量が異なる。さらに、上記の先行技術の組成物は、シルデナフィル(Viagra(登録商標))などの処方薬に代わるものとして、主に勃起不全を対象としている。したがって、ED治療のための、又は、より重要なことには他の性障害若しくは性機能不全のための、新しい化合物及び組成物のさらなる開発のための改善が必要である。
【0017】
しかしながら、より重要なことに、オンデマンドで健常な対象者の性的経験を改善するための組成物(非連続投与)が必要とされている。健常な対象者(すなわち、性障害又は性機能不全を患っていない)もまた、異なる程度の性機能(例えば、欲望、欲求又は性的空想)を有し、通常の状態からの改善が多くのそのような対象者によって望まれている。歴史的に、そのような改善は、摂取したときに性欲を高める物質又は組成物である「媚薬」又は「愛薬」と呼ばれる化合物及び組成物の使用によって求められてきた。媚薬は、例えば勃起不全などの二次性機能不全に対処する物質とは異なる。
【0018】
したがって、当該技術分野では、性的に正常に機能している対象者の性機能を改善する必要が依然としてある。正常に機能している対象者は、薬剤による治療を望まない。特に、正常に機能している対象者は、媚薬及び/又は薬剤によって継続的に(毎日など)治療又は影響を受けることを望まない(例えば、副作用のため)。このため、オンデマンドで使用するための組成物が(すなわち、単回摂取後の短時間(0.5~4時間)内で有効な組成物が)必要とされている。すなわち、計画された性行為の前に性的経験を増強することが必要とされている。
【0019】
特に、正常に機能している女性対象者の性機能を改善することが、当該技術分野において求められている。さらに、摂取したときに性欲(例えば、性的覚醒などの心理的パラメータ)を増加させる組成物が、当該技術分野において求められている。
【0020】
さらに、性欲を高めると同時に、勃起及びオルガスム機能などの生理機能を高める組成物が、当該技術分野において求められている。
【0021】
特に、女性対象者に影響を与えるそのような化合物及び組成物が、当該技術分野において求められている。
【0022】
本発明は、性障害及び性機能不全を治療するための先行技術の組成物におけるいくつかの欠点を回避する。より重要なことに、本発明により、正常な性機能を有する健常な対象者において媚薬としてオンデマンドで使用するための組成物を提供するという問題が解決される。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(定義)
本文脈において、水溶液は、溶媒の少なくとも90%(V/V)が水である任意の溶液として理解されるべきである。したがって、水溶液はまた、EtOH又はグリセロールなどの他の共溶媒も含み得る。好ましい実施形態において、水溶液は、唯一の溶媒として水を含む。
【0024】
本文脈において、治療は最も広い意味で理解されるべきである。したがって、用語「治療」はまた、性障害又は性機能不全によって引き起こされる任意の症状(生理学的又は心理的)を軽減又は改善することを含むことを意図している。
【0025】
本文脈において、用語「単位剤」は、性行為の前に所望の治療反応を達成するのに十分多い量の有効成分を含む単回投与量として理解されるべきである。したがって、単位剤は、継続的な治療(すなわち、毎日の維持用量など)ではなく、性行為の前に必要な単回の負荷用量を意図する。
【0026】
本文脈において、用語「性障害又は性機能不全」は、当該技術分野において通常の意味を有し、内皮機能不全、勃起不全、性的興奮障害、性的欲求低下障害(HSDD)、性的嫌悪障害(SAD)、オルガスム障害(無オルガスム症)、早漏、性交疼痛症、腟痙及び/又は性的不満(非特異的)を含んでもよいが、これらに限定されない。性障害又は性機能不全は、性機能又は性的経験に悪影響を及ぼす。
【0027】
本文脈において、用語「性的に健常な対象者」は当該技術分野において通常の意味を有し、正常な性機能を有する、すなわち、診断された(例えば、自己診断)「性障害又は性機能不全」を患っていない対象者を指す。
【0028】
本文脈において、用語「性機能」は、当該技術分野において通常の意味を有する。したがって、性機能とは、性反応周期のさまざまな段階で身体がどのように反応するかを指す。ヒトの性反応周期は、性的刺激(精神的又は生理学的)に対する生理反応の4段階モデルであり、発生順に、興奮期、平坦期、オルガスム期、及び消退期である。
【0029】
性的経験は、個人の性機能と強い関連性がある。本文脈において、「改善された性機能」及び「改善された性的経験」は同等に考えられ、交換可能に使用され得る。したがって、本文脈において、「改善された性機能及び/又は性的経験」は、対象者における任意の性的関連行為中に存在する、任意の生理学的若しくは心理的状態、刺激又は特性の改善、並びに性行為中のウェルネス又は快楽の全体的な改善を意味し得る。改善された性機能/経験は、性的覚醒スコア、潤滑スコア、オルガスムスコア、感情的満足度スコア、挿入時の不快感スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア、陰茎に対する感度低下スコア及び/又は膣内射精潜伏時間(Intravaginal Ejaculation Latency Time:IELT)スコアによって評価され得る。
【0030】
本文脈において、用語「性的覚醒」は、当該技術分野において通常の意味を有し、性行為を行う前の対象者の精神状態を指す。興奮期(覚醒期又は初期興奮期としても知られる)は、ヒトの性反応周期の第一段階であり、性的覚醒をもたらすキス、愛撫、又はエロティック画像の閲覧などの、身体的又は精神的な、エロティックな刺激の結果として生じる。
【0031】
本文脈において、用語「オルガスム機能」は、当該技術分野において通常の意味を有し、性行為の絶頂状態に到達する対象者の能力を指す。オルガスムはオルガスム期の間に起こり、性反応周期の平坦期の終結である。
【0032】
本文脈において、用語「IELT」は、当該技術分野において通常の意味を有し、膣内射精潜伏時間を指す。IELTは、男性が膣への挿入中に、射精するのにかかる時間である。
【0033】
プロアントシアニジンは、当該技術分野において通常の意味を有し、さまざまな植物に見られるポリフェノールの一種である。化学的には、プロアントシアニジンはオリゴマーのフラボノイドである。プロアントシアニジンには、下位群のプロシアニジン、プロデルフィニジン及びプロペラルゴニジンが含まれる。プロアントシアニジンは、カテキン又はエピカテキン、及びこれらの没食子酸エステルであるモノマー単位からなる同種又は異種のポリマーであり、4~8又は4~6の結合で連結され、その結果プロアントシアニジンには多数の異性体が存在する。通常、プロアントシアニジンオリゴマーの鎖長は2~12モノマー単位である。プロアントシアニジンは、合成又は植物材料から抽出することができる。プロアントシアニジンの植物材料供給源の非限定的な例としては、ブドウ種子、ブドウの皮、松樹皮、イチョウの葉、ピーナッツ、カカオ豆、タマリンド、ラズベリー、スグリ(黒)、ピーナッツ、アーモンド、リンゴ、クランベリー、ブルーベリー、茶葉が挙げられる。好ましくは、植物抽出物からなるプロアントシアニジンの供給源は、松樹皮抽出物、ブドウ種子抽出物、若しくはリンゴ、ピーナッツの皮、クルミ、ザクロ、ラズベリー、スグリ(黒)、ブルーベリー、アーモンド、茶、サンザシ、若しくはカカオの抽出物、又はこれらの組み合わせから選択される。プロアントシアニジンは、例えば、溶媒抽出又はCOを用いた超臨界流体抽出など、任意の従来の方法で抽出することができる。さらに、該化合物は、溶媒/溶媒抽出、アフィニティークロマトグラフィ(順相又は逆相)、沈殿又は結晶化などの、当該技術分野における従来の手段及び方法を使用して、任意の所望の純度まで精製することができる。プロアントシアニジンを含む商業的供給源は、Pycnogenol(登録商標)の商品名で存在する。この製品はフランス海岸松樹皮抽出物であり、本発明におけるプロアントシアニジンの供給源として使用することができる。
【0034】
発明の概要
本発明は、特定の比率及び用量のL-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩若しくは水和物を含む組成物、特にプロアントシアニジンの供給源をさらに含む、このような組成物に属する。より詳細には、本発明は第1に、正常な性機能を有する健常な対象者の性機能又は性的経験を改善するための、このような組成物の使用に関する。第2に、本発明は、EDなどの性障害又は性機能不全を治療するための薬剤としての、このような組成物の使用に関する。本発明者らは、驚くべきことに、有効成分であるL-アルギニン及びL-シトルリンの組み合わせを特定の比率及び特定の投与量で含む組成物が、それぞれの化合物単独、並びに有効成分の他の比率及び量と比較して、正常であり健常な対象者、特に女性において驚くほど高い相乗効果を示す製剤を提供することを見出した。
【0035】
特に、オンデマンド効果を提供するためのL-アルギニンの最小量は4.0gを超え、対応するL-シトルリンの最小量は少なくとも1.0gであることがわかった。有効成分の最大量に関して、L-アルギニンの経口投与での安全なレベルは1日当たり20gであることが観察されており、短期研究ではさらに多くのレベルの試験で深刻な有害作用がなかったことが観察されている。1日当たり20gを超えるレベルでは、若干の有害作用、最も一般的には下痢が見られている。L-シトルリンの経口投与では、対応する忍容性レベルが観察されている。
【0036】
プロアントシアニジンの供給源がさらに存在すると、驚くべき結果が著しく改善されることがわかった。したがって、これらの組成物は、性障害又は性機能不全を治療するためだけでなく、より驚くべきことに、正常な性機能を有する健常な対象者の性機能を改善するためにも使用され得る。さらに、重要な利点は、これらの組成物が毎日の投与頻度を必要とせず、性行為の前に単回投与のみを必要とすることである。
【0037】
したがって、本発明は全体として、性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強の改善を必要とする対象者に本発明の組成物を投与することを含む、男女両方の(性的に)健常な対象者の性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強を改善する方法に関する。
【0038】
特に、本発明の方法は、L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩若しくは水和物を含む組成物であって、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が少なくとも4.0gであり、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が少なくとも1.0gである組成物を、性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強の改善を必要とする対象者に投与することを含む、男女両方の(性的に)健常な対象者の性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強を改善する方法に関する。好ましくは、本組成物はさらに、1種以上のプロアントシアニジンを含む。好ましくは、本組成物は単位剤形であり、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量は1.0~3.0gの範囲である。最も好ましくは、L-アルギニン:L-シトルリンのモル比は2.0:10.0の範囲である。
【0039】
したがって、本発明は、L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩又は水和物を含む組成物であって、L-アルギニン及びL-シトルリンがそれぞれ組成物中に2.0:1~10.0:1、好ましくは2.2:1~5.8:1の範囲の重量比で存在し、L-アルギニンの含有量が少なくとも4.0g、例えば4.0~20gの範囲、好ましくは4.0~12.0gの範囲、より好ましくは4.0~8.0gの範囲であり、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物含有量が少なくとも1.0g、例えば1.0~5.0gの範囲、例えば1.0~3.0gの範囲、好ましくは1.2~2.1gである組成物を、性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強の改善を必要とする対象者に投与することを含む、男女両方の(性的に)健常な対象者の性的適応度、セクシャルウェルネス又は性的増強を改善する方法に関する。
【0040】
本組成物の好ましい態様では、本組成物は第3の成分を含み、該第3の成分は、有効量のプロアントシアニジンの供給源を含み、好ましくは少なくとも5mgの量で存在する。
【0041】
好ましくは、本組成物は、単位剤としてオンデマンドで(非連続的に)投与される。
【0042】
より好ましくは、本組成物は、20ml~500ml、より好ましくは100ml~400ml、より好ましくは150ml~300ml、最も好ましくは200~250mlの量で、機能性飲料として、又は機能性飲料の提供を目的とする組成物としてオンデマンドで投与される。
【発明を実施するための態様】
【0043】
発明の詳細な説明
本発明は、性行為の間及び/又は前にヒトの全体的な健康状態を改善するために有益である組成物に属する。したがって、本組成物は、計画された性行為の前にオンデマンドで使用して、特別な性的経験を達成する、又は性障害若しくは性機能不全によって引き起こされる症状を改善することを目的としている。言い換えると、本組成物は、摂取したときに対象者の性欲(すなわち、性衝動)を増加させる媚薬又は「愛薬」として適している。したがって、本発明の一実施形態は、媚薬としての本組成物の使用に関する。本発明のさらに別の実施形態は、健常な対象者の性的関心及び/又は性機能を改善する方法に関する。本発明の組成物で得られる健康状態の改善は、ヒトの性的関心が複雑であるため、生理学的効果と心理的効果の両方の組み合わせに属し得る。一例を挙げると、本組成物は、男性及び女性の両方において、性的覚醒、感情的満足度、性交全体、又はこれらのうち任意の組み合わせを改善することを目的としている。別の例を挙げると、本組成物は、男性の早漏を回避するために陰茎の感度を低下させることを目的としている。さらに別の例を挙げると、本組成物は、膣の潤滑、挿入中の不快感を増加させ、女性が性行為中に絶頂に達する可能性を高めることを目的としている。
【0044】
L-アルギニン、L-シトルリン及びプロアントシアニジンの供給源の量。
【0045】
本発明の好ましい態様において、本発明は、L-アルギニン及びL-シトルリンを2.0:1~10.0:1の重量比で含む、単位剤組成物に関する。ここで、L-アルギニンは、単位用量中に4gを超える、例えば少なくとも5.0g、例えば少なくとも6.0g、例えば4.0~20gの範囲、好ましくは5.0~20.0gの範囲、例えば6.0~20gの範囲、好ましくは4.0~12.0gの範囲、好ましくは5.0~12.0gの範囲、例えば6.0~12gの範囲、より好ましくは4.0~10.0gの範囲、さらに好ましくは5.0~10.0g、例えば6.0~10gの範囲、例えば5.0~8.0g、最も好ましくは5.5~7g、さらに好ましくは約6gの量で存在し、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量は、少なくとも1.0g、好ましくは少なくとも1.5g、例えば1.0~5.0gの範囲、例えば1.0~3.0gの範囲、さらに好ましくは1.0~2.1g、例えば1.5~2.1g、より好ましくは1.2~2.1gである。
【0046】
好ましくは、L-アルギニンとL-シトルリンとの間の比率は、以下に開示する通りである。
【0047】
好ましくは、本発明の組成物は、プロアントシアニジンの供給源を含む。プロアントシアニジンは触媒であると考えられているため、必要な量は限られる。
【0048】
本発明の組成物は、直接摂取するための固体又は粉末組成物として配合することができる。
【0049】
しかしながら、本発明の単位剤組成物は、好ましくは機能性飲料として配合されるか、あるいは、摂取のために流体組成物(500ml未満の量)に混合することを意図した組成物として配合される。機能性飲料としてのオンデマンドでの単位剤形の最大総量は、約500mlである。オンデマンドでそれより多くの量を摂取すると、本発明の組成物の目的が損なわれる。したがって、本組成物は、好ましくは機能性飲料としてオンデマンドで投与されるために提供されるか、あるいは、機能性飲料の提供を意図した組成物として提供される。該機能性飲料の最終的な量は、20ml~500ml、より好ましくは50ml~400ml、より好ましくは100ml~300ml、最も好ましくは150~250mlである。
【0050】
本発明の組成物と混合するための好ましい流体は、フルーツジュース、特にオレンジジュースである。オレンジジュースは、他のジュースよりも十分に組成物の味を隠すことがわかった。フルーツジュースを使用する場合は、組成物にカフェインを添加することが好ましい。
【0051】
本発明の組成物と混合するための別の好ましい流体は、一般的なソフトドリンク、特にレモンソーダである。
【0052】
L-アルギニンとL-シトルリンの比率
【0053】
本発明者らは、驚くべきことに、特定の比率のL-アルギニン及びL-シトルリンが、それぞれの化合物単独と比較して相乗効果を生むことを見出した。
【0054】
したがって、第1の態様では、本発明は、L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩若しくは水和物を特定の比率で含む組成物に関する。このため、本組成物は、ヒトの性機能の改善に有用である。理論に拘束されるものではないが、本組成物は、例えばその場でNOの産生を増やすことによって、性機能の改善を助ける可能性がある。本発明者らは、驚くべきことに、組成物中のL-アルギニンとL-シトルリンの比率が、男性及び女性の性機能の改善に重要な役割を果たし、L-アルギニンはL-シトルリンよりも多くなければならないことを見出した。したがって、本発明の一実施形態は、L-アルギニン:L-シトルリンのモル比が2.0:1~10.0:1の範囲(例えば2.0:1~9.0:1、例えば2.2:1~5.8:1、例えば2.4:1~5.6:1、例えば2.6:1~5.4:1、例えば2.8:1~5.2:1、例えば3:1~5.0:1、例えば3.2:1~4.8:1、例えば3.4:1~4.6:1、好ましくは3.6:1~4.4:1、より好ましくは3.8:1~4.2:1、最も好ましくは4:1)である組成物に関する。L-シトルリンと比較してL-アルギニンが多いモル比は、本発明の組成物との相乗効果を達成するために不可欠である。
【0055】
本発明の組成物は、当業者に既知の、従来の手段によって配合することができる。好ましい実施形態において、本組成物は、性行為の前に溶解及び摂取するのに適した粉末混合物である。好ましい実施形態において、粉末混合物は、ソフトドリンクなどの飲料に溶解することができる。本発明の別の好ましい実施形態において、本組成物は、性行為の前にオンデマンドで摂取することを目的とした水溶液として配合される。
【0056】
本発明の一実施形態において、粉末組成物中のL-アルギニン含有量は、典型的には、53~75%w/wの範囲(例えば55~73%w/w、例えば56~72%w/w、57~71%w/w、例えば58~70%w/w、例えば59~69%w/w、例えば60~68%w/w、好ましくは61~67%w/w、より好ましくは62~66%w/w、さらに好ましくは63~65%w/w、最も好ましくは64%w/w)である。
【0057】
本発明の一実施形態において、粉末組成物中のL-シトルリン含有量は、典型的には、8~25%w/w、10~22%w/w、12~20%w/wの範囲(例えば12.5~19.5%w/w、例えば13~19%w/w、例えば13.5~18.5%w/w、例えば14~18%w/w、好ましくは14.5~17.5%w/w、より好ましくは15~17%w/w、さらに好ましくは15.5~16.5%w/w、最も好ましくは16%w/w)である。
【0058】
その他の成分
必須成分であるL-アルギニン及びL-シトルリンの他に、本発明者らは、驚くべきことに、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、葉酸、カルシウム、特に1種以上のプロアントシアニジンなどのさらなる添加物が、組成物の効果を改善する(例えば、個人の性機能を改善する)ことを見出した。したがって、本発明の一実施形態において、本組成物は、L-アルギニン、L-シトルリン及びD-α-トコフェロール、又はそのいずれかの生理学的に許容できる塩若しくは水和物を含む。本発明の他の実施形態において、本組成物は、L-アルギニン、L-シトルリン、及び少なくとも1種のプロアントシアニジンを含む。
【0059】
本発明のより好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール及びプロアントシアニジン(プロアントシアニジンの好ましい供給源はPycnogenol(登録商標))が含まれる。本発明のより好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、1種以上のプロアントシアニジン、及びL-アスコルビン酸が含まれる。本発明のさらに好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、1種以上のプロアントシアニジン、L-アスコルビン酸、及びα-リポ酸が含まれる。本発明のより好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、1種以上のプロアントシアニジン、L-アスコルビン酸、α-リポ酸及び葉酸が含まれる。本発明の最も好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、1種以上のプロアントシアニジン、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、葉酸及びカルシウムが含まれる。
【0060】
本発明者らは、驚くべきことに、特定の比率でL-アルギニン及びL-シトルリンを含む本発明の組成物における活性化のために、プロアントシアニジンが重要であることを見出した。本発明者らはまた、機能に関して、プロアントシアニジンが触媒として機能するようであり、それゆえに、他の成分と比較してプロアントシアニジンの量を実質的に減らしてもよいことを見出した。1種以上のプロアントシアニジンは、好ましくは植物抽出物として、好ましくはフランス南西部の海岸に沿って生える海岸松の樹皮に由来する天然植物抽出物(例えば、Pycnogenol(登録商標)の商品名で販売)として、組成物に供給される。プロアントシアニジンがPycnogenol(登録商標)として供給される場合、粉末組成物中のPycnogenol(登録商標)の好ましい量は、好ましくは、粉末組成物の6.9~101‰w/w、例えば7.1~99‰w/w、例えば7.3~97‰w、例えば7.5~95‰w/w、例えば7.7~93‰w/w、好ましくは7.9~91‰w/w、より好ましくは8.1~89‰w/w、さらに好ましくは8.3~87‰w/w、最も好ましくは10~80‰w/wである。
【0061】
粉末組成物中のD-α-トコフェロールは、典型的には、粉末組成物の0.8~2.4%w/wの範囲(例えば0.9~2.3%w/w、例えば1.0~2.2%w/w、例えば1.1~2.1%w/w、例えば1.2~2.0%w/w、好ましくは1.3~1.9%w/w、より好ましくは1.4~1.8%w/w、さらに好ましくは1.5~1.6%w/w、最も好ましくは1.4%w/w)である。
【0062】
粉末組成物中のL-アスコルビン酸は、典型的には、粉末組成物の3.7~6.9%w/wの範囲(例えば3.9~6.7%w/w、例えば4.1~6.5%w/w、例えば4.3~6.3%w/w、例えば4.5~6.1%w/w、好ましくは4.7~5.9%w/w、より好ましくは4.9~5.7%w/w、さらに好ましくは5.1~5.5%w/w、最も好ましくは5.3%w/w)である。
【0063】
粉末組成物中のα-リポ酸は、典型的には、粉末組成物の0.3~1.8‰w/wの範囲(例えば0.3~1.7‰w/w、例えば0.4~1.6‰w/w、例えば0.5~1.5‰w/w、例えば0.6~1.4‰w/w、好ましくは0.7~1.3‰w/w、より好ましくは0.8~1.2‰w/w、さらに好ましくは0.9~1.1‰w/w、最も好ましくは1‰w/w)である。
【0064】
粉末組成物中の葉酸は、典型的には、粉末組成物の0.01~0.07‰w/wの範囲(例えば0.015~0.065‰w/w、例えば0.02~0.06‰w/w、好ましくは0.025~0.055‰w/w、より好ましくは0.03~0.05‰w/w、さらに好ましくは0.035~0.045‰w/w、最も好ましくは0.04‰w/w)である。
【0065】
粉末組成物中のカルシウムは、典型的には、粉末組成物の5.7~8.1‰w/wの範囲(例えば5.9~7.9‰w/w、例えば6.1~7.7‰w/w、好ましくは、6.3~7.5‰w/w、より好ましくは6.5~7.3‰w/w、さらに好ましくは6.7~7.1‰w/w、最も好ましくは6.9‰w/w)である。
【0066】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、これらの組成物は、性行為の前に単回用量を投与することで十分であるため、毎日の投与を必要としないことを見出した。
【0067】
オンデマンド使用のための単位剤組成物
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物は、健常な対象者が、連続治療の欠点を回避しながら、オンデマンドで性的関心の改善を達成するという利点を提供する単回投与組成物(比較的少ない投与量)として使用することができることを見出した。
【0068】
本発明者らはさらに驚くべきことに、同じ組成物が男女両方の性機能の改善において同等の有益な効果を有することを見出した。
【0069】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、本組成物は単位剤形である。単位剤は、直接摂取のためにあらかじめ混合する飲料の溶解に適した固体粉末の形態であり得る。単位剤は、より良い性的経験を達成する、又は性障害若しくは性機能不全によって引き起こされる任意の症状を改善するために性行為の前に摂取する、好適な「オンデマンド」用量として意図されている。
【0070】
したがって、本組成物は、ほぼすべての薬物療法において一般的であるように、活性物質の血漿濃度を一定に維持するために所定の投与計画に従って(すなわち、所定の時間間隔で)服用する必要はなく、すなわち、連続治療を目的としない。言い換えれば、個々の対象者は、性行為に対する個々の欲求及び特別な性的経験に対する欲求に応じて(「オンデマンドで」)、摂取を調整することができる。したがって、本発明の好ましい実施形態において、本組成物は、いかなる性障害又は性機能不全も患っていない健常な対象者による(すなわち、媚薬としての)使用を目的とする。本発明の別の実施形態において、本組成物は、診断された、又は自己診断された性機能不全又は性障害を患う患者の治療に使用することを目的とする。本組成物が性機能不全又は性障害の治療に使用される後者の場合でさえ、性行為の前の単回投与で十分である可能性があり、すなわち、継続的な治療は必要とされない。
【0071】
したがって、本発明の一実施形態において、単位剤は、L-アルギニン及びL-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物を、6~14gの範囲の(合計)量で(例えば6.2~13.0g、例えば6.4~12g、例えば6.6~11g、例えば6.8~10.0g、例えば7.0~9.0g、例えば7.2~8.0g、好ましくは7.5g(遊離アミノ酸として))、含む。当業者は、L-アルギニン及び/又はL-シトルリンの供給源(例えば、塩及び/又は溶媒和物)に応じて、上記の量が変化し得ることを理解するであろう。したがって、当業者は、上記の量(例えば、L-アルギニン)が代わりにモルで表されてもよく、上記の量(g)が、より大きい分子量の塩及び/又は溶媒和物に基づいて計算され得ることを十分に認識している。
【0072】
本発明の一実施形態において、単位剤には、L-アルギニン又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、4gを超える量(例えば、少なくとも5.0g、例えば、少なくとも5.0g、例えば4.0~20gの範囲、好ましくは5.0~20.0gの範囲、例えば6.0~20gの範囲、好ましくは4.0~12.0gの範囲、好ましくは5.0~12.0gの範囲、例えば6.0~12gの範囲、より好ましくは4.0~10.0g、例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、さらに好ましくは5.0~10.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、好ましくは6.0~10gの範囲、例えば5.0~8.0g、最も好ましくは5.5~7g、さらに好ましくは約6g、より好ましくは6.0g(34.4mmol、遊離アミノ酸))で単位用量中に存在し、含まれる。本発明者らは、6.0gのL-アルギニンが最も効果的であり、10gを超えると副作用が起こる場合がある(例えば、胃痛)ことを見出した。さらに、L-アルギニンの量が多いと、単位剤の官能特性が悪化した。
【0073】
本発明の一実施形態において、単位剤には、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で含まれる。本発明者らは、驚くべきことに、L-シトルリンの量が2.0gを超えても、単位剤の効果はそれ以上改善されないことを見出した(すなわち、効果のプラトー)。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、L-アルギニン及びL-シトルリンの両方が存在する場合、組成物のより高い効果及び効力が得られることを見出した。特に、L-アルギニンの量がL-シトルリンの量の4倍(すなわち、4:1の比率)であるときに、組成物は最も効果的であった。本発明者らはさらに、L-シトルリン及びL-アルギニンの両方が組成物又は単位剤中に存在する場合に、効果がより長く持続し、相乗効果が得られることを見出した。
【0074】
本発明の一実施形態において、使用される単位剤には、L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれかの生理学的に許容できる塩若しくは水和物が含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で、含まれる。
【0075】
本発明の一実施形態において、単位剤には、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で含まれる。
【0076】
本発明の一実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン及びD-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、の範囲で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、含まれる。
【0077】
本発明の一実施形態において、単位剤には、1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、好ましくは植物抽出物の成分として、好ましくはフランス南西部の海岸に沿って生える海岸松の樹皮に由来する天然植物抽出物(例えば、Pycnogenol(登録商標)の商品名で販売)として存在する。単位剤中の1種以上のプロアントシアニジンは、5~220mgの範囲(例えば10~220mg、例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で存在する。
【0078】
本発明の好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、0.5~2.0g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5g)で、プロアントシアニジンは10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0079】
本発明の他の好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で含まれ、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で存在する。
【0080】
本発明の一実施形態において、単位剤には、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、含まれる。
【0081】
本発明のより好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0082】
本発明の一実施形態において、単位剤には、α-リポ酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、5~15mgの範囲(例えば5.5~14.5mg、例えば6~14mg、例えば6.5~13.5mg、例えば7~13mg、例えば7.5~12.5mg、例えば8~12mg、好ましくは8.5~11.5mg、より好ましくは9~11mg、さらに好ましくは9.5~10.5mg、最も好ましくは10mg)で、含まれる。
【0083】
本発明のより好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、α-リポ酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、5~15mgの範囲(例えば5.5~14.5mg、例えば6~14mg、例えば6.5~13.5mg、例えば7~13mg、例えば7.5~12.5mg、例えば8~12mg、好ましくは8.5~11.5mg、より好ましくは9~11mg、さらに好ましくは9.5~10.5mg、最も好ましくは10mg)で、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0084】
本発明の一実施形態において、単位剤には、葉酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、200~600mcgの範囲(例えば220~580mcg、例えば240~560mcg、例えば260~540mcg、例えば280~520mcg、例えば300~500mcg、例えば320~480mcg、好ましくは340~460mcg、より好ましくは360~440mcg、さらに好ましくは380~420mcg、最も好ましくは400mcg)で、含まれる。葉酸は、フォリン酸又はその塩、例えばホリナートカルシウムなどで代用することができる。
【0085】
本発明のさらに好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、葉酸、及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~2.0gの範囲(例えば0.7~1.9g、好ましくは0.9~1.8g、より好ましくは1.1~1.7g、さらに好ましくは1.3~1.6g、最も好ましくは1.5g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、α-リポ酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、5~15mgの範囲(例えば5.5~14.5mg、例えば6~14mg、例えば6.5~13.5mg、例えば7~13mg、例えば7.5~12.5mg、例えば8~12mg、好ましくは8.5~11.5mg、より好ましくは9~11mg、さらに好ましくは9.5~10.5mg、最も好ましくは10mg)で、葉酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、200~600mcgの範囲(例えば220~580mcg、例えば240~560mcg、例えば260~540mcg、例えば280~520mcg、例えば300~500mcg、例えば320~480mcg、好ましくは340~460mcg、より好ましくは360~440mcg、さらに好ましくは380~420mcg、最も好ましくは400mcg)で、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0086】
本発明の一実施形態において、単位剤には、カルシウムが、20~100mgの範囲(例えば25~95mg、例えば30~90mg、例えば35~85mg、例えば40~80mg、好ましくは45~75mg、より好ましくは50~70mg、さらに好ましくは55~65mg、最も好ましくは60mg)で、含まれる。
【0087】
本発明のさらに好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、葉酸、カルシウム、及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~2.0gの範囲(例えば0.7~1.9g、好ましくは0.9~1.8g、より好ましくは1.1~1.7g、さらに好ましくは1.3~1.6g、最も好ましくは1.5g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、α-リポ酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、5~15mgの範囲(例えば5.5~14.5mg、例えば6~14mg、例えば6.5~13.5mg、例えば7~13mg、例えば7.5~12.5mg、例えば8~12mg、好ましくは8.5~11.5mg、より好ましくは9~11mg、さらに好ましくは9.5~10.5mg、最も好ましくは10mg)で、葉酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、200~600mcgの範囲(例えば220~580mcg、例えば240~560mcg、例えば260~540mcg、例えば280~520mcg、例えば300~500mcg、例えば320~480mcg、好ましくは340~460mcg、より好ましくは360~440mcg、さらに好ましくは380~420mcg、最も好ましくは400mcg)で、カルシウムは、20~100mgの範囲(例えば25~95mg、例えば30~90mg、例えば35~85mg、例えば40~80mg、好ましくは45~75mg、より好ましくは50~70mg、さらに好ましくは55~65mg、最も好ましくは60mg)で、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0088】
別の実施形態において、単位剤には、カフェイン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、20~180mgの範囲(例えば30~170mg、例えば40~160mg、例えば50~150mg、例えば60~140mg、好ましくは70~130mg、より好ましくは80~120mg、さらに好ましくは90~110mg、最も好ましくは100mg)で含まれることが好ましい。あるいは、本組成物を、使用前にカフェイン含有ソフトドリンクに混合してもよい。
【0089】
本発明の最も好ましい実施形態において、単位剤には、L-アルギニン、L-シトルリン、D-α-トコフェロール、L-アスコルビン酸、α-リポ酸、葉酸、カルシウム、カフェイン、及び1種以上のプロアントシアニジンが含まれ、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、4~10gの範囲(例えば4.4~9.5g、例えば4.6~9.0g、例えば4.8~8.0g、好ましくは5.0~7.0g、より好ましくは5.2~6.8g、さらに好ましくは5.4~6.6g、5.6~6.4g、5.8~6.2g、最も好ましくは6.0g)で、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、0.5~3.0gの範囲(例えば0.5~2.9g、好ましくは0.5~2.8g、より好ましくは0.5~2.7g、例えば0.7~2.0g、好ましくは0.9~2.0g、より好ましくは1.1~2.0g、さらに好ましくは1.3~2.0g、最も好ましくは1.5~2.0g)で、D-α-トコフェロール、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、85~185mgの範囲(例えば90~180mg、例えば95~175mg、例えば100~170mg、例えば105~165mg、例えば110~160mg、例えば115~155mg、好ましくは120~150mg、より好ましくは125~145mg、さらに好ましくは130~140mg、最も好ましくは133mg)で、L-アスコルビン酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、300~700mgの範囲(例えば320~680mg、例えば340~660mg、例えば360~640mg、例えば380~620mg、例えば400~600mg、例えば420~580mg、好ましくは440~560mg、より好ましくは460~540mg、さらに好ましくは480~520mg、最も好ましくは500mg)で、α-リポ酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、5~15mgの範囲(例えば5.5~14.5mg、例えば6~14mg、例えば6.5~13.5mg、例えば7~13mg、例えば7.5~12.5mg、例えば8~12mg、好ましくは8.5~11.5mg、より好ましくは9~11mg、さらに好ましくは9.5~10.5mg、最も好ましくは10mg)で、葉酸、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、200~600mcgの範囲(例えば220~580mcg、例えば240~560mcg、例えば260~540mcg、例えば280~520mcg、例えば300~500mcg、例えば320~480mcg、好ましくは340~460mcg、より好ましくは360~440mcg、さらに好ましくは380~420mcg、最も好ましくは400mcg)で、カルシウムは、20~100mgの範囲(例えば25~95mg、例えば30~90mg、例えば35~85mg、例えば40~80mg、好ましくは45~75mg、より好ましくは50~70mg、さらに好ましくは55~65mg、最も好ましくは60mg)で、カフェイン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物は、20~180mgの範囲(例えば30~170mg、例えば40~160mg、例えば50~150mg、例えば60~140mg、好ましくは70~130mg、より好ましくは80~120mg、さらに好ましくは90~110mg、最も好ましくは100mg)で、1種以上のプロアントシアニジンは、10~220mgの範囲(例えば15~210mg、例えば20~200mg、例えば25~190mg、例えば30~180mg、例えば35~170mg、例えば40~160mg、好ましくは50~140mg、より好ましくは60~120mg、さらに好ましくは70~100mg、最も好ましくは80mg)で、含まれる。
【0090】
別の実施形態において、単位剤には、タウリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物が、200~1800mgの範囲(例えば300~1700mg、例えば400~1600mg、例えば500~1500mg、例えば600~1400mg、好ましくは700~1300mg、より好ましくは800~1200mg、さらに好ましくは900~1100mg、最も好ましくは1000mg)で含まれることが好ましい。あるいは、単位剤を、使用前にカフェイン含有ソフトドリンクに混合してもよい。
【0091】
単位剤がソフトドリンクに溶解するための粉末組成物である本発明の実施形態において、ソフトドリンク中に既に見られる量より少ない、及び/又は小さい量の成分を粉末組成物に含んでもよい。これらの例では、ソフトドリンクによって、必要とされる量の、例えばカフェイン又はタウリンが供給され得る。
【0092】
当業者は、上記の単位剤中の、言及された任意の成分の量が、成分の供給源(例えば、塩及び/又は溶媒和物)の分子量に応じて異なり得ることを理解するであろう。
【0093】
その他の任意成分
上記の有効成分の他に、組成物は、芳香剤、天然香料、pH調整剤及び/又は保存剤などの、組成物の官能特性及び/又は貯蔵寿命を改善するための追加の成分をさらに含み得る。当業者は、所望の官能特性を得て貯蔵寿命を改善するのに好適な芳香剤、天然香料、pH調整剤及び/又は保存剤、並びに必要な濃度を十分に認識している。
【0094】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、本組成物又は単位剤は、1種以上の芳香剤をさらに含む。好適な芳香剤としては、酢酸ゲラニル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸ペンチル、酪酸オクチル、ペンタン酸ペンチル、酢酸オクチル、酢酸ベンジル、アントラニル酸メチル、ゲラニオール、ネロリドール、リモネン、メトール、バニリンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な天然香料としては、酢酸イソアミル(バナナ)、ベンズアルデヒド(チェリー)、プロピオン酸エチル、アントラニル酸メチル(ブドウ)、リモネン(オレンジ)、デカジエン酸エチル(ナシ)、デカジエン酸エチル(ナシ)、ヘキサン酸アリル(パイナップル)、エチルバニリン(バニラ)、サリチル酸メチル(ウィンターグリーン)、マンザネート(リンゴ)、マンゴー、レモン、ライムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
本発明による水溶液は、製剤の官能特性と貯蔵寿命との間の所望のバランスを得るために、所望のpH値に調整され得る。所望のpHが得られるまで、酸又は塩基(すなわち、pH調整剤)の添加によってpHを調整してもよい。原則として、pHの調整には、任意の生理学的に許容できる塩基又は酸を使用することができる。好適なpH調整剤としては、二酸化炭素(CO)、炭酸水素塩(HCO)、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、酢酸(CHCOOH)、フマル酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコノデルタラクトン、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム(NHCHCOO)、酢酸カルシウム(Ca(CHCOO))、アジピン酸アンモニウム((NH(C(COO)))、グルコン酸カルシウム、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)、リン酸アルミニウムナトリウム、酢酸水素ナトリウム、コハク酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
液体組成物は、典型的には1~7、例えば1.5~5.0、好ましくは2.0~4.0、より好ましくは2.5~3.5の範囲のpHを有する。好ましい実施形態では、pH調整剤は、クエン酸及び/又はクエン酸三ナトリウムから選択される。多くの場合、液体製剤のpHは、上記のpH調整剤のいずれかを含む緩衝溶液を使用して維持される。最終的なpH及び緩衝能に応じて、所望の好適な緩衝系を選択することができる。緩衝液は、当該技術分野において通常の意味を有し、強酸及び強塩基の両方の添加を打ち消す能力を有する。緩衝液の典型的な調製は、単一の化合物を溶解し、強酸又は強塩基でpHを調整することを含む。本文脈で使用される典型的な緩衝液としては、炭酸塩緩衝液(HCO/HCO /CO 2-)、酢酸/酢酸塩緩衝液(CHCOOH/CHCOO)、クエン酸/クエン酸塩緩衝液(CO(COOH)/CO(COO)3- )、リン酸塩緩衝液(HPO/HPO /HPO 2-/PO 3-)及び/又は酒石酸/酒石酸塩緩衝液(HOOC(CHOH)COOH/HOOC(CHOH)COOOOC(CHOH)COO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
好適な抗菌剤としては、ソルビン酸(E200)、ソルビン酸ナトリウム(E201)、ソルビン酸カリウム(E202)、安息香酸(E210)、安息香酸ナトリウム(E211)、安息香酸カリウム(E212)、安息香酸カルシウム(E213)、4-ヒドロキシ安息香酸エチル(E214)、4-ヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム塩(E215)、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル(E216)、4-ヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム塩(E217)、4-ヒドロキシ安息香酸メチル(E218)、4-ヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム塩(E219)、二酸化硫黄(E220)、亜硫酸ナトリウム(E221)、亜硫酸水素ナトリウム(E222)、メタ重亜硫酸ナトリウム(E223)、メタ重亜硫酸カリウム(E224)、亜硫酸カリウム(E225)、亜硫酸カルシウム(E226)、亜硫酸水素カルシウム(E227)、亜硝酸カリウム(E249)、亜硝酸ナトリウム(E250)、硝酸ナトリウム(E251)、硝酸カリウム(E252)、乳酸(E270)、プロピオン酸(E280)、プロピオン酸ナトリウム(E281)mプロピオン酸カルシウム(E282)、プロピオン酸カリウム(E283)又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、抗菌剤は、ソルビン酸カリウム(E202)及び/又は安息香酸ナトリウム(E211)である。
【0098】
好適な酸化防止剤としては、アスコルビン酸(E300)、アスコルビン酸ナトリウム(E301)、アスコルビン酸カルシウム(E302)、パルミチン酸アスコルビル(E304(i))、ステアリン酸アスコルビル(E304(ii))、没食子酸プロピル(E310)、没食子酸オクチル(E311)、没食子酸ドデシル(E312)、ブチル化ヒドロキシアニソール(E320)、ブチル化ヒドロキシトルエン(E321)又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、酸化防止剤はアスコルビン酸カルシウム(E302)である。本発明の組成物は、タウリン、カフェイン、カルシウム、又はその誰かの許容できる塩若しくは水和物からなる群から選択される1種以上の成分をさらに含み得る。本発明の最も好ましい実施形態において、単位剤は、市販の飲料に溶解する粉末組成物であり、その結果、単位剤において、有効成分以外の追加の成分は必要とされない。
【0099】
生理学的に許容できる多様な塩は、当業者に周知である。本発明は、任意の生理学的に許容できる塩を含むことを意図する。単なる非限定的な例として、許容できる塩に典型的に見られるカチオンは、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属イオン、又はこれらの組み合わせから選択される。したがって、酸の好適な塩は、酸を好適な塩基(例えば、NaOH)で処理することによって形成することができる。これらの塩は、酸のリチウム(Li)塩、ナトリウム(Na)塩、カリウム(K)塩、マグネシウム(Mg2+)塩若しくはカルシウム(Ca2+)塩、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、塩基の好適な塩は、塩基を好適な酸(例えばHCl)で処理することによって形成することができる。これらの塩は、塩基の塩化物(Cl)塩、臭化物(Br)塩、ヨウ化物(I)塩、酢酸(CHCOO)塩、トシル酸(CHSO2-)塩、酒石酸(C /C 2-)塩、硫酸(HSO /SO 2-)塩、コハク酸((CH(COO) 2-)塩、リン酸(HPO /HPO 2-/PO 3-)塩、硝酸(NO )塩、メシル酸(CHSO )塩、マレイン酸(CCH=CHCOO/HOCCH=CHCOO)塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0100】
組成物の使用
上述の通り、本発明者らは驚くべきことに、本発明の組成物は、健常な対象者が、連続治療の欠点を回避しながら、オンデマンドで性的関心の改善を達成するという利点を提供する単回投与組成物(比較的少ない投与量)として使用することができることを見出した。
【0101】
したがって、特に好ましい実施形態では、本発明は、性的に健常な対象者の性機能の改善に使用するための、上記の第1の態様による組成物又は単位剤に関する。特に、本組成物は、オンデマンド(非連続)での投与に使用することを目的としている。さらに、本組成物は、性的に健常な女性の性機能の改善に使用することを目的としている。さらに、本組成物は、性的に健常な男性の性機能の改善に使用することを目的としている。さらに、本組成物は、男女両方の性的に健常な対象者の性機能を同時に改善するのに使用することを目的としている。
【0102】
本発明者らは、本発明の組成物が、性的に正常に機能している異性愛者の男性及び女性、並びに性的に正常に機能している同性愛者の女性の性機能を改善することを見出した。
【0103】
以下の実施例では、以下のパラメータを試験した。
a. 性的覚醒スコア(男性及び女性)、
b. 感情的満足度(男性及び女性)、
c. 性交全体のスコア(男性及び女性)、
d. 勃起硬さ(男性のみ)
e. 陰茎に対する感度低下スコア(男性)、
f. IELTスコア(男性)、
g. 潤滑スコア(女性)、
h. オルガスムスコア(女性)、
i. 挿入時の不快感スコア(女性)(実施例1のみ)。
【0104】
性的覚醒
このスコアは、性行為の前及び最中の性的欲求の指標である。性的覚醒は、性的興奮の身体的側面と精神的側面の両方を含む感覚である。性的覚醒は、性器の温かさやうずきの感覚、潤滑(濡れ)、又は筋収縮を含み得る。性交に備えて身体と精神に多くの生理学的反応が起こり、性交の間も続く。男性の覚醒は勃起をもたらし、女性の覚醒における身体の反応は乳首、外陰部、陰核、膣壁、などの性組織の充血及び膣の潤滑である。精神的刺激、及び接触などの身体的刺激、並びにホルモンの体内での変動は、性的覚醒に影響を及ぼし得る。実施例1では、1が「非常に低い」、2が「低い」、3が「中程度」、4が「高い」、5が「非常に高い」という1~5の尺度で性的覚醒が評価された。
【0105】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-なし、1-非常に低い、2-通常、3-通常よりやや高い、4-高い、5-非常に高い。
【0106】
感情的満足度
このスコアは、性行為中及び性行為後における、パートナー間の感情的な親密さのレベルの指標である。感情的満足度は、関係、並びに性的健康及び機能の経験における不可欠な部分である。実施例1では、1が「やや不満」、2が「同程度に満足、不満」、3が「やや満足」、4が「非常に満足」、5が「極めて満足」という1~5の尺度で感情的満足度が評価された。
【0107】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-非常に不満、1-不満、2-通常、3-通常よりも満足、4-非常に満足、5-極めて満足。
【0108】
性交全体のスコア
このスコアは、単一の性行為全体の総合的な評価の指標である。実施例1では、1が「やや不満」、2が「同程度に満足、不満」、3が「やや満足」、4が「非常に満足」、5が「極めて満足」という1~5の尺度で性交全体が評価された。
【0109】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-非常に不満、1-不満、2-通常、3-通常よりも満足、4-非常に満足、5-極めて満足。
【0110】
勃起硬さ(Erection Hardness Score:EHS)(男性のみ)
実施例1では、彼のスコアは、挿入前の陰茎の全体的な硬さの指標である。1が「陰茎はより大きかったが、硬くはなかった」、2が「陰茎は硬かったが、挿入するのに十分な硬さではなかった」、3が「陰茎は挿入するのに十分硬いが、完全に硬いわけではなかった」、4が「陰茎は非常に硬く強固」、5が「陰茎は完全に硬く完全に強固」という1~5の尺度で勃起硬さが評価された。
【0111】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-陰茎は増大しなかった、1-陰茎はより大きかったが硬くなかった、2-陰茎は通常どおり硬くなった、3-陰茎は通常よりも硬くなった、4-陰茎は通常よりもはるかに硬くなった、5-陰茎は通常よりもはるかに硬く、はるかに長期間続いた。
【0112】
陰茎に対する感度低下スコア(男性のみ)
このスコアは、性行為中における陰茎の感度の指標である。実施例1では、1が「亀頭の皮膚の感度がわずかに高かった」、2が「亀頭の皮膚は通常の感度であった」、3が「亀頭の皮膚の感度はわずかに低かった」、4が「亀頭の皮膚の感度は中程度であった」、5が「亀頭の皮膚は明確な感度低下があった」という1~5の尺度で感度低下が評価された。実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-亀頭の皮膚は非常に敏感であった、1-亀頭の皮膚はわずかに敏感であった、2-亀頭の皮膚は通常の感度であった、3-亀頭の皮膚はわずかに感度が低かった、4-亀頭の皮膚は明確な感度低下があった、5-亀頭の皮膚は顕著な感度低下があった。
【0113】
IELTスコア(男性のみ)
膣内射精潜伏時間(IELT)は、男性が膣への挿入中に、射精するのにかかる時間である。IELTは、男性ごとだけでなく、同じ男性でも時々変化することが知られており、年齢とともに減少する傾向がある。研究が示すところによれば、IELTの中央値は年齢とともに減少した(18~30歳:6.5分、31~50歳:5.4分、51歳以上:4.3分)。
【0114】
実施例1及び2の男性参加者は、試験中にIELTを記録した。
【0115】
潤滑スコア(女性のみ)
このスコアは、性行為又は性交中に潤滑状態になる(「濡れる」)ことがどれほど困難/容易であったかを評価する。実施例1では、1が「非常に困難」、2が「困難」、3が「通常」、4が「容易」、5が「非常に容易」という1~5の尺度で潤滑が評価された。
【0116】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-極めて難しい又は不可能、1-非常に難しい、2-通常、3-通常より簡単、4-非常に簡単、5-非常に簡単(実際に「濡れている」)。
【0117】
オルガスムスコア(女性のみ)
このスコアは、性行為中の女性のオルガスム(絶頂)のレベルを評価する。実施例1では、1が「オルガスムに達するのが困難」、2が「通常」、3が「オルガスムに達するのが容易」、4が「オルガスムに達するのが非常に容易」、5が「複数のオルガスム」という1~5の尺度でオルガスムスコアが評価された。
【0118】
実施例2において、スコアは以下のように評価された。0-オルガスムなし、1-オルガスムに達するのが困難、2-通常、3-オルガスムに達するのが容易、4-オルガスムに達するのが非常に容易、5-複数のオルガスム。
【0119】
挿入時の不快感スコア(女性のみ)(実施例1のみ)
このスコアは、膣挿入中又は膣挿入後の女性の不快感又は疼痛のレベルを評価する。実施例1では、1が「高い」、2が「中程度」、3が「低い」、4が「非常に低い」、5が「なし」という1~5の尺度で不快感が評価された。
【0120】
実施例に見られるように、組成物を異性愛者のカップル及び同性愛者の女性のカップルで試験した。注目すべきことに、本組成物は、同性愛者の女性において非常に著しい効果を示し、それにより、(男性被験者の関与は全くなしに)女性に対する驚くべき効果を実証した。したがって、本発明の一実施形態において、対象者は女性である。本発明の別の実施形態において、対象者は異性愛者の女性である。さらに別の実施形態において、対象者は、同性愛者の女性である。性機能は通常、ホルモンの変化により年齢とともに低下する。したがって、さらに別の実施形態では、本組成物は、閉経後の女性における性機能の改善に使用するためのものである。本発明の一実施形態において、対象者は異性愛者の男性である。試験されていなくても、同性愛者の男性において本組成物の同様に有益な効果が期待され得る。したがって、さらに別の実施形態において、対象者は同性愛者の男性である。本組成物は、同じ用量(すなわち、単位剤)で投与された場合、異性愛者のカップルたち(すなわち、男性と女性の両方)に有効であった。したがって、本発明の別の利点は、男性と女性の両方に合う単位剤である。
【0121】
理論に束縛されるものではないが、本組成物は、一部にはその場でのNO産生を改善することによって作用し得る。したがって、本発明の一実施形態において、第1の態様による組成物又は単位剤は、性器の血流改善のために使用され得る。
【0122】
本発明の単位剤は、全例に同じ用量を投与する(one dose fits all)ように使用されることが意図される。ただし、単位剤は、体重50~75kgの性的に健常な対象者に合うように設計されている。性機能不全の患者、及び体重がより重い対象者において最大の効果を得るためには、投与量を増加させなければならない可能性が最も高い。
【0123】
しかしながら、特定の場合には、所望の反応を達成するために1回分を超える単位用量が必要になることがある。したがって、本発明の一実施形態では、必要に応じて、性行為の前に1回分以上の単位用量が投与される。あるいは、性障害又は性機能不全に対する他の既知の治療と併用して、1回分以上の単位用量を使用することができる。したがって、本組成物又は単位用量は、1種以上の他の有効成分と組み合わせてもよい。本発明の一実施形態では、さらなる原薬は、PDE5阻害薬、アンドロゲン、エストロゲン及び/又はプロゲステロンからなる群から選択される。
【0124】
本発明者らは、最良の臨床アウトカムを得るためには、性行為の前の一定の期間に単位用量を投与する必要があることを見出した。重要なことに、本発明の単位剤組成物は、摂取30分後に既に効果をもたらすことが見出され、最大の効果が1~1.5時間後に既に得られることが見出された。その後、摂取後24まで効果がゆっくりと低下することが観察された。したがって、一実施形態において、本組成物又は単位剤は、性行為の0.5~12.0時間前、例えば性行為の0.5~5.5時間前、例えば1.0~5時間前、好ましくは1.0~4.5時間前、より好ましくは1.0~4.0時間前、最も好ましくは性行為の1.0~3.5時間前、例えば1.0~3.0時間前に摂取される。
【0125】
医療用途
本発明の第2の態様は、薬剤として使用するための、第1の態様による組成物又は単位剤に関する。
【0126】
当業者が理解するように、性機能不全の患者において最大の効果を得るためには、投与量を増加させなければならない可能性が最も高い。投与量の著しい増加(上記のオンデマンド投与量の2倍超)は、患者及び患者の性的パートナーの性機能に悪影響を及ぼす副作用(主に胃の不調)を伴う場合がある。しかしながら、本明細書に記載される投与計画を遵守することは、性機能不全の患者にも同様に大きな利益をもたらすであろう。
【0127】
したがって、より詳細には、第2の態様は、患者の性的関連障害又は機能不全の治療に使用するための、第1の態様による医薬組成物又は単位剤に関する。
【0128】
本発明の好ましい実施形態において、性的関連疾患、障害又は機能不全は、内皮機能不全、勃起不全、性的興奮障害、性的欲求低下障害(HSDD)、性的嫌悪障害(SAD)、オルガスム障害(無オルガスム症)、早漏、性交疼痛症、腟痙及び/又は性的不満(非特異的)から選択される。
【0129】
本発明の態様
1.L-アルギニン及びL-シトルリン、又はそのいずれか1つの生理学的に許容できる塩若しくは水和物を含む組成物であって、L-アルギニン:L-シトルリンのモル比が2.2:1~10.0:1、好ましくは2.2:1~5.8:1、さらに好ましくは3:1~5:1の範囲である、組成物。
2.1種以上のプロアントシアニジンを含む、上記態様1に記載の組成物。
3.上記態様1及び2の誰かに記載の組成物であって、単位剤形であり、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が、少なくとも4.0g、例えば4.0~10.0g、好ましくは4.0~8.0gの範囲である、組成物。
4.上記の態様1から3のいずれかに記載の組成物であって、L-アルギニン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が、少なくとも4.0g、例えば4.0~10.0gの範囲であり、L-シトルリン、又はその生理学的に許容できる塩若しくは水和物の含有量が、少なくとも1.0g、例えば好ましくは1.0~3.0gの範囲である、組成物。
5.性的に健常な対象者の性機能の改善に使用するための、上記態様1から4の誰かに記載の組成物又は単位剤。
6.性的に健常な対象者の性的覚醒の改善に使用するための、上記態様5に従う使用のための組成物又は単位剤。
7.対象者が女性である、上記態様5又は6のいずれか1つに従う使用のための、組成物又は単位剤。
8.性的に健常な女性対象者のオルガスム機能の改善に使用するための、上記態様7に従う使用のための組成物又は単位剤。
9.対象者が男性である、上記態様5又は6のいずれか1つに従う使用のための、組成物又は単位剤。
10.性的に健常な男性対象者のIELTの改善に使用するための、上記態様9に従う使用のための組成物又は単位剤。
11.上記態様5から10のいずれかに従う使用のための単位剤であって、性行為の0.5~5.5時間前、例えば1.0~5時間前、好ましくは1.0~4.5時間前、より好ましくは1.0~4.0時間前、最も好ましくは性行為の1.0~3.5時間前、例えば1.0~3.0時間前に1回分以上の単位用量が投与される、単位剤。
12.健常な対象者の性的関心及び/又は性機能を最大6時間改善するための、上記態様1から4の誰かに記載の医薬組成物又は単位剤の使用。
13.上記態様1から4のいずれか1つに記載の単位剤を1回分以上健常な対象者へ投与する工程を含む、該対象者の性的関心及び/又は性機能を、最大6時間改善するための方法。
14.薬剤として使用するための、上記態様1から4の誰かに記載の医薬組成物又は単位剤。
15.患者における性障害又は性機能不全の治療に使用するための、上記態様1から14の誰かに記載の医薬組成物又は単位剤であって、該性障害又は性機能不全が、内皮機能不全、勃起不全、インポテンス、性的興奮障害、性的欲求低下障害(HSDD)、性的嫌悪障害(SAD)、オルガスム障害(無オルガスム症)、早漏、性交疼痛症、腟痙及び/又は性的不満(非特異的)からなる群から選択される、医薬組成物又は単位剤。
【0130】
以下の図及び実施例は、本発明を説明するために以下に示される。これらの図及び実施例は例示を目的としたものであり、いかなる方法でも制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例
【0131】
概要
臨床試験の設定
以下の実施例1において、プラセボ対照二重盲検臨床試験を、本発明の組成物を用いて実施した。10組の異性愛者のカップル及び10組の同性愛者のカップル(女性)からなる2つの投与群を作った。各投与群の各カップルは、有効粉末混合物(3セットのボトル)、又はプラセボ混合物(3セットのボトル)が入った6セットのボトル(A~Fのラベル付き)、及び試験飲料作製の説明書を受け取った。試験飲料及びプラセボ飲料の色、味、においはほぼ同じであった。カップルたちは、性行為の前に摂取するための同じラベルのボトルを2本選び、その後性交を評価するよう依頼された。
【0132】
投与ボトルには、ビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-アルギニン6g、L-シトルリン1.5g、L-タウリン1000mg、カフェイン100mg、及びPycnogenol(登録商標)80mg、を含む12gの粉末混合物(組成の残りは砂糖)が含まれていた。
【0133】
プラセボボトルには、ビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-アルギニン0.5g、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mg、を含む12gの粉末混合物(組成の残りは砂糖)が含まれていた。
【0134】
試験混合物及びプラセボ混合物の外観は同じであった。L-アルギニンは、望ましくない味及びにおいを特徴とする。プラセボ組成物中に少量のL-アルギニンが存在するため、試験及びプラセボ混合物の味とにおいは(ほぼ)同じであり、適切なソフトドリンクと混合した後は区別がつかなかった。
【0135】
以下の実施例2において、二重盲検臨床試験を、本発明の組成物、及びさまざまな量の有効成分を含む参照組成物を用いて実施した。2組の異性愛者のカップル及び2組の同性愛者のカップル(女性)からなる3つの投与群を作った。各投与群の各カップルは、3つの異なる組成物を試験した。すべてのカップルは、有効粉末混合物(Aとラベル付けされた2セットのボトル、すべてのカップルが受け取った)、又は参照/投与混合物(各カップルは、それぞれB~Gとラベル付けされた2×2セットの参照/投与混合物ボトルを受け取った)が入った6セットのボトル、及び試験飲料作製の説明書を受け取った。試験飲料及び参照用飲料の色、味、においは同じであった。カップルたちは、性行為の前に摂取するための同じラベルのボトルを2本選び、その後性交を評価するよう依頼された。
【0136】
「A」とラベル付けされた投与ボトルには、L-アルギニン6g、L-シトルリン1.5g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。
【0137】
「B」とラベル付けされた参照ボトルには、L-アルギニン6g、L-シトルリン1.5g、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物は、ボトルAと比較して、プロアントシアニジンの供給源であるPycnogenol(登録商標)を欠いていた。
【0138】
「C」とラベル付けされた参照ボトルには、L-アルギニン6g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物は、ボトルAと比較してシトルリンを欠いていた。
【0139】
「D」とラベル付けされた投与(本発明の組成物)ボトルには、L-アルギニン6g、L-シトルリン2.0g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物は、ボトルAと比較してわずかに増加した量のシトルリンを有した。
【0140】
「E」とラベル付けされた参照ボトルには、L-シトルリン7.5g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びに、ビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400μg、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物中のシトルリンの総量は、ボトルA中のアルギニン+シトルリンの総量と同じであった。
【0141】
「F」とラベル付けされた参照ボトルには、L-アルギニン3g、L-シトルリン1.5g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400マイクログラム(mcg)、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物では、ボトルAと比較してアルギニンの量が少なかった。
【0142】
「G」とラベル付けされた参照ボトルには、L-アルギニン3g、L-シトルリン3.5g、及びPycnogenol(登録商標)80mg、並びにビタミンC500mg(アスコルビン酸カルシウムとして)、ビタミンE200IU(酢酸D-α-トコフェロールとして)、葉酸400マイクログラム(mcg)、カルシウム60mg、α-リポ酸10mg、L-タウリン1000mg、及びカフェイン100mgを含む付加的混合物が含まれていた。該組成物では、アルギニンの量が少なかった。該組成物では、アルギニンの量が少なく、シトルリンの量が多かった。シトルリン+アルギニンの総量は、ボトルA中のアルギニン+シトルリンの総量と同じであったが、アルギニン:シトルリン比が異なっていた。
【0143】
ボトルA~Gの色、味、においはほぼ同じであった。
【0144】
同性愛者と異性愛者の女性は、性的覚醒スコア、潤滑スコア、オルガスムスコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコアを1~5(実施例1)又は0~5(実施例2)で評価するよう依頼された。
【0145】
異性愛者の男性は、性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体、勃起硬さスコア、陰茎に対する感度低下スコアを1~5(実施例1)又は0~5(実施例2)で評価し、IELTスコアを測定するよう依頼された。
【0146】
研究は、ボトルのセットの正体又は試験混合物の中身について知らされていない医師(治験責任医師)によって監督された。試験は、参加者と治験責任医師の両方に関する秘密の保全の下で行った。
【0147】
カップルたちには以下の指示が与えられた。
【0148】
指示
1)試験/性交イベントの計画
性交イベントを計画します。性的覚醒のための他の条件が好ましいと合理的に予想される場合にのみ、試験手順を開始してください。
【0149】
同じラベルのボトルを2本選びます。ラベルは自由に選択できます。
【0150】
2)試験飲料の作製
摂取直前に、ソフトドリンク(レモンソーダ)を試験ボトル(約250ml)に加え、試験ボトルを静かに振って、すべての乾燥力が溶解するまで乾燥粉末を混合して(数分かかる場合があります。材料がテスターに完全に溶解していることが重要です)、ドリンクテスターを作ります。添付のアンケートに、ボトルのラベルとドリンクテスターの摂取日時を書き留めてください。
【0151】
3)試験飲料の摂取
計画された性交イベントの少なくとも1時間前、好ましくは2~3時間前、かつイベント前の5時間以内に、被験者ごとに1つのテスタードリンクを摂取します。テスタードリンクは、低脂肪食の少なくとも1時間前、あるいは低脂肪食の少なくとも2時間後に摂取してください。
【0152】
4)性交
性交イベントは、試験飲料摂取の少なくとも1時間後、好ましくは2~3時間後、及び5時間以内に行ってください。
【0153】
5)アンケート
性交後(好ましくは性交直後)に、添付のデータシートに記入してアンケートに回答してください。
【0154】
6)手順を繰り返す
上記の手順を6回(すべてのボトルが消費されるまで)繰り返します。各性交イベントは、性行為なしで少なくとも2日間隔を空ける必要があります。性交イベントの各イベントの後にアンケートに回答してください。
【0155】
すべての被験者は、研究前に性機能が正常である(性機能不全でない)ことを明示した。
【0156】
実施例1a-異性愛者の男性の結果
実施例1では、対応のあるt検定を使用して、投与群(異性愛者の男性、異性愛者の女性、又は同性愛者の女性)及びプラセボ群(異性愛者の男性、異性愛者の女性、又は同性愛者の女性)の平均スコアを比較した。
【0157】
対応のあるt検定それぞれのスコアにおいて、プラセボ群と投与群との間に違いはあるか?
帰無仮説μ=0
対立仮説μ>0
有意水準α=0.05、t=1,833(α=0.05及び自由度=9のとき)
【数1】

ここで、
【数2】

及び
【数3】

は、
【数4】

【数5】

及びD=X-Yで与えられる。
【0158】
性的覚醒スコア
【0159】
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.43ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0160】
詳細な結果
【表1】
【0161】
感情的満足度スコア
結論:
(1~5の尺度で)平均1.00ポイントの改善が示されており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0162】
詳細な結果
【表2】
【0163】
性交全体のスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.00ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0164】
詳細な結果
【表3】
【0165】
勃起硬さスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均0.73ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0166】
詳細な結果
【表4】
【0167】
陰茎に対する感度低下スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.83ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0168】
詳細な結果
【表5】
【0169】
IELTスコア
IELTは、男性ごとだけでなく、同じ男性でも時々変化することが知られており、年齢とともに減少する傾向がある。研究が示すところによれば、IELTの中央値は年齢とともに減少した(18~30:6.5分、31~50:5.4分、51以上:4.3分)。全参加者のIELTの中央値は5.4分であった。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)などの一部の薬剤はIELTに影響を及ぼす。
【0170】
結論:
試験組成物は平均236.8秒の改善をもたらし、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0171】
詳細な結果
【表6】
【0172】
実施例1b-異性愛者の女性の結果
性的覚醒スコア
性的覚醒(性的興奮とも)は、性行為の間、又は性行為を予期しての性的欲求の覚醒である。性交に備えて身体と精神に多くの生理学的反応が起こり、性交の間も続く。男性の覚醒は勃起をもたらし、女性の覚醒における身体の反応は乳首、外陰部、陰核、膣壁、などの性組織の充血及び膣の潤滑である。精神的刺激、及び接触などの身体的刺激、並びにホルモンの体内での変動は、性的覚醒に影響を及ぼし得る。
【0173】
性的覚醒にはいくつかの段階があり、精神的覚醒及びそれに伴う生理学的変化を越えて実際の性行為に至ることはできない。十分な性的刺激が与えられると、ヒトの性的覚醒はオルガスムの間に絶頂に達する。オルガスムがない場合でも、性的覚醒そのものを追求することもできる。
【0174】
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.3ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。2人の女性(LR及びHN)(=80%)は非反応者であると見なされる。KAは、中間の反応者と定義される。
【0175】
詳細な結果
【表7】
【0176】
潤滑スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.3ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0177】
詳細な結果
【表8】
【0178】
オルガスムスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.6ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0179】
詳細な結果
【表9】
【0180】
感情的満足度スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均0.9ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0181】
詳細な結果
【表10】
【0182】
挿入時の不快感スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均0.9ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0183】
詳細な結果
【表11】
【0184】
性交全体のスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均0.9ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0185】
詳細な結果
【表12】
【0186】
実施例1c-同性愛者の女性の結果
性的覚醒スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.6ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0187】
詳細な結果
【表13】
【0188】
潤滑スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.5ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0189】
詳細な結果
【表14】
【0190】
オルガスムスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.9ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0191】
詳細な結果
【表15】
【0192】
感情的満足度スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.1ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0193】
詳細な結果
【表16】
【0194】
挿入時の不快感スコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.0ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0195】
詳細な結果
【表17】
【0196】
性交全体のスコア
結論:
結果は(1~5の尺度で)平均1.1ポイントの改善を示しており、これは統計的に有意である(P<0.05)。
【0197】
詳細な結果
【表18】
【0198】
実施例1の後の全体的な所見
すべての参加者は試験製剤に肯定的に反応し、試験製剤の効果はプラセボと統計的に有意差がある。試験投与に対し、被験者の約80%が大きく反応したが、被験者の約20%は、わずかな改善しか感じなかった。後者の参加者たちは、わずかに肯定的な反応が観察されたが、機能上「非反応者」(男性(2/10)、女性(5/20))として分類された。
【0199】
実施例2-組成物の比較
製剤A
反応者
平均して、実施例2の被験者のうち約80%は、試験製剤Aに大きく反応したが、20%はわずかな改善しか示さなかった。性的経験の低下を示した被験者はいなかった。これらの結果は、実施例1の知見を裏付けている。製剤Aに対する非反応者は、他のすべての製剤に対しても同様に非反応者であった。
【0200】
【表19】
【0201】
効果
非反応者を無視すると、以下の表(数値は反応者のアンケートにおける平均スコアを表す)に見られるように、製剤Aの効果は非常に顕著である。
【0202】
【表20】
【0203】
【表21】
【0204】
反応者にとって、結果は、すべての製剤が「通常」で大幅に優れていること、つまりすべての製剤が効果的であることを示す。ただし、処方A及びDは処方Bよりも優れており、処方Bは処方C、E、F、Gよりも優れている。
【0205】
処方Aと処方E、F、Gを比較すると、相当量のアルギニンの存在(少なくとも4.0g)が好ましく、該アルギニンにより得られる効果は、シトルリンの量を増やすことによって代用することはできないことがわかる。
【0206】
処方Aと処方Cを比較すると、シトルリンの存在(少なくとも1.0g)が好ましく、該シトルリンにより得られる効果は、アルギニンの量を増やすことによって代用することはできないことがわかる。
【0207】
処方Aと処方Bを比較すると、プロアントシアニジンの存在が非常に好ましいことがわかる。
【0208】
処方Aと処方Dを比較すると、シトルリンの増加(少なくとも2.0g)は有意には優れた効果をもたらさないことがわかる。
【0209】
まとめると、これらの結果により、効果的な製剤では、アルギニンとシトルリンの両方が存在し、アルギニンがシトルリンより多いことが好ましいことがわかる。アルギニンは、好ましくは少なくとも4g、好ましくは6g存在するべきであり、シトルリンは、好ましくは少なくとも1g、好ましくは1.5g存在するべきであり、プロアントシアニジンが存在することが好ましい(この成分は触媒としてのみ関連すると考えられるため、その量を減らすことができる)。
【0210】
生データ
以下の表は、実施例2の試験の結果を示す(括弧は、試験カップル番号、性別、イニシャル、パートナーの性別を示す)。したがって、被験者(1、M、BG、F)は、試験カップル1の男性で、イニシャルBGであり、彼のパートナーは女性である。
【0211】
【表22】
【0212】
対応のあるt検定を行った。
【0213】
μ=0は、2つの製剤の平均改善が同じであることを示し、μ>0は、INXO製剤の平均応答が比較製剤よりも高いことを示すと解釈する。
【0214】
帰無仮説Hの検定:μ=μD,0
【数6】

の比に基づく。
ここで、
【数7】

及び
【数8】

は、
【数9】

【数10】
で与えられ、i=1、2、3・・・、nの場合、D=X-Yである。
【0215】
1.帰無仮説:μ=0、対立仮説μ>0
2.有意水準:α
3.基準:t>tα値(自由度v(n-1))の場合、帰無仮説を棄却する。
【0216】
製剤A対製剤B(Inxo対Pygnogenolなし)
INXOと製剤Bの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0217】
詳細な結果
【表23】
【0218】
製剤A対製剤C(Inxo対アルギニン7.5g)
INXOと製剤Cの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0219】
詳細な結果
【表24】
【0220】
製剤A対製剤D(Inxo対追加のシトルリン)
INXOと製剤Dの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0221】
詳細な結果
【表25】
【0222】
製剤A対製剤E(Inxo対シトルリン7.5)
INXOと製剤Eの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0223】
詳細な結果
【表26】
【0224】
製剤A対製剤F(Inxo対少量のアルギニン)
INXOと製剤Fの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0225】
詳細な結果
【表27】
【0226】
INXOと製剤Gの平均スコアは、男性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、勃起硬さスコア及び陰茎に対する感度低下スコアの個人スコア、並びに女性の性的覚醒スコア、感情的満足度スコア、性交全体のスコア、潤滑スコア、挿入時の不快感スコア及びオルガスムスコアの個人スコアに基づいた平均スコアに基づいて計算した。
【0227】
詳細な結果
【表28】