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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】シーラ及びディバイダ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240325BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021531625
(86)(22)【出願日】2019-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019046161
(87)【国際公開番号】W WO2020033950
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】62/717,169
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ジェイ・ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ケスター・ジェイ・バッチェラー
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・エム・ムルデシュワル
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジェー・ブーン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・ジェー・フィクセン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0312016(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0312018(US,A1)
【文献】特表2004-532676(JP,A)
【文献】特開2000-102545(JP,A)
【文献】特開2013-150828(JP,A)
【文献】国際公開第2017/181092(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持面を有している第1の顎部と、
把持面を有している第2の顎部であって、前記第2の顎部が、前記第1の顎部から離隔配置されており、且つ、開位置と閉位置との間において移動するように構成されている、前記第2の顎部と、
複数のストッパを有しているシーラ及びディバイダであって、複数の前記ストッパが、
1つ又は複数の遠位ストッパと、
1つ又は複数の近位ストッパと、
1つ又は複数の前記遠位ストッパの高さと1つ又は複数の前記近位ストッパの高さとの間の高さを有している1つ又は複数の中間ストッパと、
を少なくとも含んでいる、前記シーラ及びディバイダと、
を備えているデバイスにおいて、
前記遠位ストッパと前記近位ストッパと前記中間ストッパとがそれぞれ、非導電性とされ、前記第1の顎部の前記把持面に、前記第2の顎部の前記把持面に、又は前記第1の顎部の前記把持面と前記第2の顎部の前記把持面との両方に分散配置されており、
前記第1の顎部と前記第2の顎部とが、近位端と遠位端とを有しており、前記遠位ストッパと前記近位ストッパと前記中間ストッパとが、前記近位端において最も幅広い間隙であって、前記遠位端における前記間隙が前記近位端における前記間隙よりも狭くなるようにテーパ状になっている前記間隙を形成しており、
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、第1の圧縮率を有しており、
1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記中間ストッパと1つ若しくは複数の前記近位ストッパとの両方が、前記第1の圧縮率と異なる第2の圧縮率を有しており、
前記第1の圧縮率が、前記第2の圧縮率より小さく、これにより前記第2の圧縮率が克服された場合に、前記第1の圧縮率が前記第1の顎部と前記第2の顎部との接触を防止する、
デバイス。
【請求項2】
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、第1の材料から作られており、
1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記近位ストッパと1つ若しくは複数の前記中間ストッパとの両方が、前記第1の材料と異なる第2の材料から作られている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、第1の材料から作られており、
1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記近位ストッパと1つ若しくは複数の前記中間ストッパとの両方が、前記第1の材料と同一の材料である第2の材料から作られている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
1つ又は複数の前記遠位ストッパのうち少なくとも1つの遠位ストッパ、1つ又は複数の前記近位ストッパ、1つ又は複数の前記中間ストッパ、又はこれらの組み合わせが、前記第1の顎部と前記第2の顎部との短絡を防止するように構成されている、請求項1又は請求項2から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
1つ又は複数の前記中間ストッパが、1つ又は複数の前記遠位ストッパより高い、請求項1又は請求項2から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
第1の顎部が、1つの前記遠位ストッパと、2つの前記近位ストッパと、2つの前記中間ストッパとを含んでいる、請求項5又は請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の顎部の前記把持面と、前記第2の顎部の前記把持面との少なくとも1つは曲面形状の表面を有しており、
すべての前記遠位ストッパ、すべての前記近位ストッパ、すべての前記中間ストッパ、又はすべての前記遠位ストッパとすべての前記近位ストッパとすべての前記中間ストッパとが、同一の高さを有している、請求項1から4又は請求項6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
1つ又は複数の前記中間ストッパが、1つ又は複数の前記遠位ストッパと1つ又は複数の前記近位ストッパとから略等しい距離の位置に配置されており、
1つ又は複数の前記中間ストッパの高さが、1つ又は複数の前記遠位ストッパの高さと1つ又は複数の前記近位ストッパの高さとの中間とされる、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
1つ又は複数の前記遠位ストッパの頂部と1つ又は複数の前記近位ストッパの頂部と1つ又は複数の前記中間ストッパの頂部とのすべてが、1つ又は複数の前記遠位ストッパの前記頂部から1つ又は複数の前記近位ストッパの前記頂部に至るまで延在している直線に沿って配置されている、請求項1又は請求項2から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記遠位ストッパ、前記近位ストッパ、及び前記中間ストッパそれぞれが、他のストッパに対向していない、請求項1又は請求項2から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、第1の直径を有しており、
1つ又は複数の前記中間ストッパが、第2の直径を有しており、
前記第1の直径が、前記第2の直径と異なる、請求項1又は請求項2から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の顎部が、第1のシール面を含んでおり、
前記第2の顎部が、第2のシール面を含んでおり、
1つ又は複数の前記中間ストッパが、1つ又は複数の前記遠位ストッパが前記第2のシール面に接触していない状態で前記第1のシール面に接触するように構成されている、請求項1又は請求項2から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
1つ若しくは複数の前記遠位ストッパ、1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記遠位ストッパと1つ若しくは複数の前記中間ストッパとの両方が、第1のシール面と第2のシール面との間に保持されている組織の操作及び把持を向上させるように構成されている、請求項1又は請求項2から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
少なくとも1つ又は複数の前記中間ストッパが、前記第1のシール面と前記第2のシール面との短絡を防止するように構成されている、請求項12又は請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
1つ又は複数の前記遠位ストッパと1つ又は複数の前記近位ストッパとが、前記第1の顎部に配置されており、
1つ又は複数の前記中間ストッパが、前記第2の顎部に配置されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、前記第1の顎部のみに配置されており、
1つ又は複数の前記中間ストッパと1つ又は複数の前記近位ストッパとが、前記第1の顎部と前記第2の顎部との両方に配置されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
把持面を有している第1の顎部と、
把持面を有している第2の顎部であって、前記第2の顎部が、前記第1の顎部から離隔配置されており、且つ、開位置と閉位置との間において移動するように構成されている、前記第2の顎部と、
複数のストッパを有しているシーラ及びディバイダであって、複数の前記ストッパが、
所定の高さを有している1つ又は複数の遠位ストッパと、
所定の高さを有している1つ又は複数の近位ストッパと、
前記第1の顎部及び前記第2の顎部に配置されている1つ又は複数の中間ストッパであって、1つ又は複数の前記中間ストッパのうち幾つかの中間ストッパが、対向する位置に配置されており、これにより、前記第1の顎部と前記第2の顎部とが閉じている場合に、前記第1の顎部に設けられた幾つかの前記中間ストッパが、1つ若しくは複数の前記遠位ストッパの高さ、1つ若しくは複数の前記近位ストッパの前記高さ、又は1つ若しくは複数の前記遠位ストッパと1つ若しくは複数の前記近位ストッパとの高さより大きい合計高さを有するように、前記第2の顎部に設けられた幾つかの前記中間ストッパと接触する、1つ又は複数の前記中間ストッパと、
を少なくとも含んでいる、前記シーラ及びディバイダと、
を備えているデバイスにおいて、
前記遠位ストッパと前記近位ストッパと前記中間ストッパとがそれぞれ、非導電性とされ、1つ若しくは複数の前記遠位ストッパ、1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記遠位ストッパと1つ若しくは複数の前記近位ストッパとが、前記第1の顎部の前記把持面、前記第2の顎部の前記把持面、又は前記第1の顎部の前記把持面と前記第2の顎部の前記把持面との両方に分散配置されており、
1つ若しくは複数の前記遠位ストッパが、第1の圧縮率を有しており、
1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記中間ストッパと1つ若しくは複数の前記近位ストッパとの両方が、前記第1の圧縮率と異なる第2の圧縮率を有しており、
前記第1の圧縮率が、前記第2の圧縮率より小さく、これにより前記第2の圧縮率が克服された場合に、前記第1の圧縮率が前記第1の顎部と前記第2の顎部との接触を防止する、
デバイス。
【請求項18】
1つ又は複数の前記中間ストッパのうち幾つかの中間ストッパが、1つ又は複数の前記中間ストッパのうち他の中間ストッパと接触していない、請求項17又は請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
接触していない1つ又は複数の前記中間ストッパのうち幾つかの中間ストッパが、対向している1つ又は複数の前記中間ストッパの合計高さに等しい高さを有している、請求項18又は請求項1から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
接触していない1つ又は複数の前記中間ストッパのうち幾つかの中間ストッパが、対向している1つ又は複数の前記中間ストッパの合計高さより低い高さを有している、請求項18又は請求項1から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
1つ又は複数の前記遠位ストッパが、第1の材料から作られており、
1つ若しくは複数の前記近位ストッパ、1つ若しくは複数の前記中間ストッパ、又は1つ若しくは複数の前記近位ストッパと1つ若しくは複数の前記中間ストッパとの両方が、前記第1の材料と異なる第2の材料から作られている、請求項1、2、または17のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、電気外科用鉗子の構成要素の接触、短絡、又はその双方を阻止することを支援する1つ又は複数の間隔をあけたストッパ、好ましくは複数の間隔をあけたストッパを有するシーラ及びディバイダ(sealer divider)を含む電気外科用鉗子を提供する。
【背景技術】
【0002】
バイポーラ電気外科用鉗子は、一対の顎部を有することができ、各顎部は、対向する顎部に面するシール面を有する。シール面間、すなわち2つの電極間に電気的短絡が生じないように、面が互いに直接接触することを阻止されることが望ましい場合がある。用いることができる1つの構造は、顎部のうちの一方又は双方に配置される1つ又は複数のストッパである。ストッパは、非導電性材料から作製することができる。これは、シール面が接触し、2つの導電性面が合わさって電気外科的シーリング中のエネルギーの優先経路となるときに「短絡」が生じることを防ぐためのものである。これは、顎部の1つのエリアにおいて薄い組織が把持され、電気的に変更されることを可能にする一方で、顎部の他の部分においてより厚い血管が適切に達成されることを可能にする、デバイスに接触する導電面間の特定の、ただし変動する間隙を維持することを所望することも含む。これらの厚み要件は重複するが、これらの変動するスタンドオフ高さはユーザに利点をもたらす。これらの間隙は、所望の組織効果に依拠して、0.001インチ~0.010インチの範囲をとることができる。シール面間の間隙は、実質的に一様であってもよく、又は間隙は、顎部の長さに沿って変動する幅に亘って調整されてもよい。間隙は、顎部の近位端においてより広く、遠位端においてより狭くしてもよく、又は間隙は、顎部の近位端においてより狭く、遠位端においてより広くしてもよい。間隙の幅は、顎部の長さに沿って線形に変動してもよく、又は非線形形式で変動してもよい。
【0003】
一様な間隙は、異なる組織が操作される必要があり得る様々な方式を提供しない場合がある。非一様な間隙を有することが有利である場合がある。そして特に、組織がより良好に保持されるように、顎部の遠位端が近位端よりも近いことが有利である場合がある。電気外科用デバイスを生成するいくつかの試みは、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、及び特許文献6に見ることができ、これらの教示はあらゆる目的で参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
【0004】
2つのシール面間に対象の特徴を把持することを支援しながら、それらの間に誘電体空間を生成するデバイスを有することが望ましい。対象の特徴に損傷を与えることなく対象の特徴を把持し、2つの対向するシール面間の短絡を阻止するシーラ及びディバイダが必要とされている。2つ以上のシール面間に間隙を生成する、1つ又は複数のストッパを有するシーラ及びディバイダを有することが望ましい。対象の特徴を把持し、鉗子の対向する面に亘って実質的に等しく力を分散させる鉗子が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5403312号明細書
【文献】米国特許第5443463号明細書
【文献】米国特許第5891142号明細書
【文献】米国特許第9603655号明細書
【文献】米国特許第10251696号明細書
【文献】米国特許第10265121号明細書
【文献】米国特許出願第2017/0281263号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示は、デバイスであって、第1のシール面を有する第1の顎部部材と、第1のシール面と対向する第2のシール面を有する第2の顎部部材と、第1のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された少なくとも1つの第1の止め部材と、第2のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された少なくとも1つの第2の止め部材とを備える、デバイスを提供する。
【0007】
本教示は、デバイスであって、把持面を有する第1の顎部と、把持面を有する第2の顎部であって、第2の顎部は第1の顎部から離間され、開位置と閉位置との間で動くように構成される、第2の顎部と、複数のストッパを有するシーラ及びディバイダであって、複数のストッパは、少なくとも、1つ又は複数の遠位ストッパと、1つ又は複数の近位ストッパと、1つ又は複数の遠位ストッパの高さ及び1つ又は複数の近位ストッパの高さと比較して中間の高さを有する1つ又は複数の中間ストッパとを含む、シーラ及びディバイダとを備え、複数のストッパは非導電性であり、第1の顎部の把持面、第2の顎部の把持面、又は双方に分散され、第1の顎部及び第2の顎部は近位端及び遠位端を有し、複数のストッパは、近位端において最も広く、遠位端における間隙が近位端における間隙よりも狭くなるようにテーパ状になっている間隙を形成している、デバイスを提供する。
【0008】
本教示は、デバイスであって、把持面を有する第1の顎部と、把持面を有する第2の顎部であって、第2の顎部は第1の顎部から離間され、開位置と閉位置との間で動くように構成される、第2の顎部と、複数のストッパを有するシーラ及びディバイダであって、複数のストッパは、少なくとも、所定の高さを有する1つ又は複数の遠位ストッパと、所定の高さを有する1つ又は複数の近位ストッパと、第1の顎部及び第2の顎部に配置された1つ又は複数の中間ストッパであって、1つ又は複数の中間ストッパのうちのいくつかは対向する位置に配置され、第1の顎部及び第2の顎部が閉じているときに、第1の顎部上の1つ又は複数の中間ストッパのうちのいくつかが第2の顎部上の1つ又は複数の中間ストッパのうちのいくつかと接触し、1つ又は複数の遠位ストッパの高さ、1つ又は複数の近位ストッパの高さ、又は双方よりも大きい、組み合わされた高さを有するようになっている、1つ又は複数の中間ストッパとを備え、複数のストッパは非導電性であり、1つ又は複数の遠位ストッパ、1つ又は複数の近位ストッパ、又は双方が、第1の顎部の把持面、第2の顎部の把持面、又は双方に分散される、デバイスを提供する。
【0009】
本教示は、ハウジングと、ハウジングから延びる細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に配設された対向する第1及び第2の顎部部材とを備えるバイポーラ電気外科用デバイスであって、第1又は第2の顎部部材のうちの少なくとも一方は、第1及び第2の顎部部材が互いに対し離間された関係で配設された第1の位置から、第1及び第2の顎部部材が互いにより近くにある第2の位置へ互いに対し移動可能であり、第1及び第2の顎部部材は、それぞれの長さに沿って延びる、それぞれ第1及び第2のシール面を含み、第1及び第2のシール面は、個々に又は組み合わせてRF、超音波又はマイクロ波であり得る電気エネルギー源に接続するように適合され、それによって第1及び第2のシール面は、間に保持された組織を通じてエネルギーを伝導することが可能である、バイポーラ電気外科用デバイスを提供する。第1のシール面は、内部に画定され、その長さに沿って延びるナイフチャネルを含む。第2のシール面は、内部に画定され、その長さに沿って延びるナイフチャネルを含み、第1及び第2のシール面のナイフチャネルは、第1及び第2の顎部部材の第2の位置において互いに位置合わせされ、ナイフがそこを通って並進することを可能にする。ナイフは、ナイフチャネルを通って並進するように構成される。第1のシール面上に単一の第1の止め部材が存在するか、又は第1のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第1の止め部材が存在する。第2のシール面上に単一の第2の止め部材が存在するか、又は第2のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第2の止め部材が存在する。単数若しくは複数の第1の止め部材は、第1のシール面から第1の距離突出し、単数若しくは複数の第2の止め部材は、第2のシール面から第2の距離突出する。第2の距離は、第1の距離よりも大きい。
【0010】
本教示は、ハウジングと、ハウジングから延びる細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に配設された対向する第1及び第2の顎部部材とを備えるバイポーラ電気外科用デバイスであって、第1又は第2の顎部部材のうちの少なくとも一方は、第1及び第2の顎部部材が互いに対し離間された関係で配設された第1の位置から、第1及び第2の顎部部材が互いにより近くにある第2の位置へ互いに対し移動可能である。第1及び第2の顎部部材は、そのそれぞれの長さに沿って延びる第1及び第2のシール面をそれぞれ含む。第1及び第2のシール面は、第1及び第2のシール面が、間に保持された組織を通じてエネルギーを伝達可能であるように電気エネルギー源に接続するように適合される。第1のシール面は、内部に画定され、その長さに沿って延びるナイフチャネルを含む。ナイフは、ナイフチャネルを通って並進するように構成される。第1のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第1の止め部材が存在する。第2のシール面から延びる複数の第2の止め部材が存在する。第2の止め部材は、第1の止め部材と概ね同じ突起(高さ)を有する。選抜された、又は全ての第2の止め部材が、第1の止め部材に対向して位置決めされて組み合わさり、又は積み重なり、第1又は第2のシール面の上に設置されたものよりも通常大きな組み合わされた突起の対向する止め部材を生成する。
【0011】
本明細書における教示は、ハウジングと、ハウジングから延びる細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に配設された対向する第1及び第2の顎部部材とを備えるバイポーラ電気外科用デバイスを提供する。第1又は第2の顎部部材のうちの少なくとも一方は、第1及び第2の顎部部材が互いに対し離間された関係で配設された第1の位置から、第1及び第2の顎部部材が互いにより近くにある第2の位置へ互いに対し移動可能である。第1及び第2の顎部部材は、そのそれぞれの長さに沿って延びる第1及び第2のシール面をそれぞれ含む。第1及び第2のシール面は、第1及び第2のシール面が、間に保持された組織を通じてエネルギーを伝達可能であるように電気エネルギー源に接続するように適合される。第1のシール面は、内部に画定され、その長さに沿って延びるナイフチャネルを含む。ナイフは、ナイフチャネルを通って並進するように構成される。第1のシール面上に単一の第1の止め部材が存在するか、又は第1のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第1の止め部材が存在する。第2のシール面上に単一の第2の止め部材が存在するか、又は複数の第2のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第2の止め部材が存在する。第1の止め部材は、第1のシール面からの第1の圧縮率を提供し、第2の止め部材は、第2のシール面からの第2の圧縮率を提供する。
【0012】
本明細書における教示は、ハウジングと、ハウジングから延びる細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に配設された対向する第1及び第2の顎部とを備えるバイポーラ電気外科用デバイスを提供する。第1又は第2の顎部部材のうちの少なくとも一方は、第1及び第2の顎部部材が互いに対し離間された関係で配設された第1の位置から、第1及び第2の顎部部材が互いにより近くにある第2の位置へ互いに対し移動可能である。第1及び第2の顎部部材は、そのそれぞれの長さに沿って延びる第1及び第2のシール面をそれぞれ含む。第1及び第2のシール面は、第1及び第2のシール面が、間に保持された組織を通じてエネルギーを伝達可能であるように電気エネルギー源に接続するように適合される。第1のシール面は、内部に画定され、その長さに沿って延びるナイフチャネルを含む。ナイフは、ナイフチャネルを通って並進するように構成される。第1のシール面の長さの少なくとも一部分に沿って離間された複数の第1の止め部材が存在する。第2のシール面から延びる複数の第2の止め部材が存在する。第2の止め部材は、第1の止め部材と概ね同じ圧縮率を有する。選抜された第2の止め部材が、第1の止め部材に対向して位置決めされて組み合わさり、第1又は第2のシール面の上に設置されたものよりも通常大きな組み合わされた圧縮率及び突起の対向する止め部材を生成する。
【0013】
本明細書における教示は、2つのシール面の間に対象の特徴を把持することを支援しながら、それらの間に誘電体空間を生成するデバイスを提供する。本明細書における教示は、対象の特徴に損傷を与えることなく対象の特徴を把持し、2つの対向するシール面間の短絡を阻止するシーラ及びディバイダを提供する。本明細書における教示は、2つ以上のシール面間に間隙を生成する、1つ又は複数のストッパを有するシーラ及びディバイダを提供する。本明細書における教示は、対象の特徴を把持し、鉗子の対向する面に亘って実質的に等しく力を分散させる鉗子を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】顎部が閉位置にあるデバイスの側面図である。
図2】顎部が開位置にあるデバイスの側面図である。
図3】顎部及びシーラ及びディバイダの内部の遠位斜視図である。
図4図3に示す第1の顎部の側面図である。
図5a】ロケーションVAにおける図4に示すセグメントの詳細図である。
図5b】ロケーションVBにおける図4に示すセグメントの詳細図である。
図5c】ロケーションVCにおける図4に示すセグメントの詳細図である。
図6】顎部の展開図である。
図7】顎部及びシーラ及びディバイダの遠位斜視図である。
図8】顎部及びシーラ及びディバイダの側面図である。
図9】顎部、及び異なる高さのストッパを有するシーラ及びディバイダの側面図である。
図10A】2つの材料から作製されたストッパを示す。
図10B】1つの材料から作製されたストッパを示す。
図11A】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図11B】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図11C】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図12A】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図12B】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図12C】各領域におけるストッパのサイズの変動を示す。
図13A】領域内のストッパの互いに対する位置を示す。
図13B】領域内のストッパの互いに対する位置及びストッパの形状を示す。
図13C】領域内のストッパの互いに対する位置及びストッパのサイズ差を示す。
図14A】遠位ストッパが最初に接触される場合の、把持力を生成する1つの方式を示す。
図14B】全てのストッパが接触され、顎部の各々の面に沿って直線が形成される場合を示す。
図15図14BのボックスXV内に示される間隙及び第2のストッパの拡大図である。
図16図14AのボックスXVIに示す、第2のストッパと第2の顎部との間、及び第3のストッパと第2の顎部との間の空間の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に提示する説明及び例示は、本発明、その原理、及びその実用的用途を当業者に知らせることを意図したものである。当業者であれば、特定の使用の要件に最も適し得るように、本発明をその多数の形態で適合させて適用することができる。したがって、記述されるような本発明の特定の実施形態は、本教示を網羅している又は限定しているものとして意図するものではない。したがって、本教示の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。以下の特許請求の範囲から収集されるような他の組み合わせも可能であり、それらもまた参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
本教示は電気外科用デバイスを提供する。電気外科用デバイスは、組織又は対象の解剖学的特徴を把持するように機能する。電気外科用デバイスは、組織、静脈、動脈、対象の解剖学的特徴、又はこれらの組み合わせの切断、焼灼又は双方を行うように機能する。電気外科用デバイスは、観血的手術のために用いることができる。好ましくは、電気外科用デバイスは腹腔鏡手術において用いられる。電気外科用デバイスは電気外科用鉗子とすることができる。
【0017】
電気外科用鉗子は、組織若しくは対象の解剖学的特徴(例えば、静脈又は動脈)の把持、組織若しくは解剖学的特徴の切断、組織若しくは解剖学的の焼灼、又はこれらの組み合わせを行うように機能することができる。電気外科用鉗子は、開くように付勢されていてもよく、閉じるように付勢されていてもよい。電気外科用鉗子は、バイポーラエネルギー、モノポーラエネルギー又は双方を伝導又は生成することができる。電気外科用鉗子は、組織又は解剖学的特徴に損傷を与えることなく、組織又は解剖学的特徴を把持することができる。電気外科用鉗子は遠位端及び近位端を有することができる。電気外科用鉗子は、2つの対向する顎部、ナイフ、ハウジング、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
ハウジングは、鉗子の制御、外科的処置の実行、又は双方のためにユーザが保持する端部となるように機能することができる。ハウジングは、機械的構成要素、電気的構成要素、又は双方を収容することができる。ハウジングは近位端にあり得る。ハウジングは、金属、プラスチック、ポリマー、又はこれらの組み合わせから作製することができる。ハウジングは、電気外科用デバイスの遠位端における1つ又は複数のデバイスを制御することができる。ハウジングは、作動されると、外科用デバイスの遠位端における1つ又は複数の部材を動かす1つ又は複数のレバーを有することができる。例えば、ハウジングは、第1の顎部、第2の顎部、又は双方を動かす顎部レバーを含むことができる。別の例において、ハウジングは、ナイフを動かすナイフレバーを含むことができる。ハウジングは、部分的に又は完全に手の中に保持される。ハウジングは、1つ又は複数の顎部、1つ又は複数のナイフ又は双方を動かす1つ又は複数の機械的構成要素を収容することができる。ハウジングは固定とすることができ、1つ又は複数の可動構成要素がハウジングの一部分又はハウジングから延びる細長いシャフト(例えば、スタイレット)の周りを動くことができる。
【0019】
細長いシャフトは、遠位端、作動構成要素、又は双方から、切開部、アパーチャ、オリフィス、小開口部、トロカール、又はこれらの組み合わせを通って、対象のロケーションまで延びるように機能することができる。細長いシャフトは、電気外科用デバイスが腹腔鏡手術に用いられることを可能にすることができる。細長いシャフトは、ハウジングを、鉗子、第1の顎部、第2の顎部、ナイフ、又はこれらの組み合わせに接続することができる。細長いシャフトは、鉗子、顎部、ナイフ、又はこれらの組み合わせの支持、制御、又は双方を行うことができる。細長いシャフトは、金属、プラスチック、生体適合性材料、天然材料、合成材料、又はこれらの組み合わせから作製することができる。細長いシャフトは、鉗子、ナイフ、又は双方を、使用中、患者の内部にある間、又は双方で、損傷を受けることなく動かし、操作することができるように十分な剛性を有することができる。細長いシャフトは、外科的処置の実行のために鉗子を作動させ、用いることができるように、鉗子を支持することができる。
【0020】
鉗子は、組織、対象の特徴、対象の解剖学的特徴、又はこれらの組み合わせの、把持、保持、除去、切断、焼灼、凝固、埋込み、又はこれらの組み合わせを行うように機能することができる。鉗子は、開閉が可能である。鉗子は、鉗子が閉じているとき、アイテムを把持又は保持することができる。鉗子は、鉗子が閉じているとき、治療電流を印加することができる(例えば、バイポーラエネルギー)。鉗子は、鉗子が治療電流を印加しているとき、切断、焼灼、凝固、又はこれらの組み合わせを行うことができる。鉗子は、1つ又は複数の可動部材(例えば、顎部)を有することができる。鉗子は、ピボット部材を有することができる。鉗子は、ピボット部材の周りを回転する一方又は双方の顎部によって動作することができる。
【0021】
1つ又は複数のピボット部材は、1つ又は複数の顎部の、1つ又は複数の顎部のうちの別のものに対する相対移動を可能にするように機能する。ピボット部材は、2つの顎部を共に接続することができる。ピボット部材は、各顎部を個々に細長いシャフトに接続することができる。ピボット部材は、各顎部の近位端が周りを旋回するピンとすることができる。1つ又は複数のピボット部材は、顎部の軸方向の移動を制限又は阻止することができる。1つの顎部はピボット部材を含んでもよく、1つの顎部はピボット部材がなくてもよい。1つの顎部のみがピボット部材を含むか又はピボット部材に接続されてもよい。1つ又は複数のピボット部材は、鉗子が開位置と閉位置との間で動くことを可能にすることができる。ピボットは、把持力の生成を支援することができる。電気外科用デバイスは1つ又は複数のピボット部材を含んでもよい。電気外科用デバイスは複数のピボット部材を含んでもよい。電気外科用デバイスは顎部ごとにピボット部材を含んでもよい。ピボット部材は、1つの方式で、又は1つの平面内で動くことを可能にすることができる。例えば、ピボット部材は、回転移動を可能にするが、軸方向の移動(例えば、長手方向)、垂直方向の移動、横方向の移動、又はこれらの組み合わせを阻止することができる。ピボット部材(例えば、ピボット)は、1つ又は複数のナイフが、鉗子の遠位に延びること、顎部内に引き込まれること、又は双方を可能にすることができる。1つ又は複数のピボット部材は、鉗子の第1の顎部、第2の顎部、又は双方の移動を可能にすることができる。
【0022】
好ましくは、鉗子は第1及び第2の顎部を備える。第1の顎部、第2の顎部、又は双方(例えば、顎部)が、組織、解剖学的特徴、対象の特徴、又はこれらの組み合わせの把持、切断、焼灼、凝固、保持、挿入、除去、又はこれらの組み合わせを行うように機能することができる。顎部は、対象の特徴を把持及び保持することができるように、剛体とすることができる。例えば、顎部は、処置中に静脈又は組織を把持することができる。顎部は、ナイフが対象の特徴を切断することができるように、対象の特徴を保持することができる。顎部は、対象の特徴を把持及び焼灼することができる。第1の顎部、第2の顎部、又は双方をプローブとして用いて、組織、対象の特徴、解剖学的特徴、又はこれらの組み合わせを動かすことができる。第1の顎部、第2の顎部、又は双方が、1つ又は複数のナイフチャネルを含むことができる。ナイフチャネルは、第1の顎部及び第2の顎部が閉じているときにナイフが第1の顎部と第2の顎部との間で延びることができるように十分大きくすることができる。第1の顎部は第2の顎部に対し回転することができる。第2の顎部は固定することができる。第1の顎部は、回転方向及び軸方向の双方に可動とすることができる。1つ又は複数の顎部は、1つ又は複数のストッパによって制限される運動範囲を有することができる。顎部は、遠位端領域、中間領域、近位領域、又はこれらの組み合わせを含むことができる。遠位端領域は、遠位先端から近位端に向けて、顎部の約20%以上の長さ、約25%以上の長さ、約30%以上の長さ、約50%以下の長さ、又は約45%以下の長さの距離に亘って延びることができる。近位端領域は、近位先端から遠位端に向けて、顎部の約20%以上の長さ、約25%以上の長さ、約30%以上の長さ、約50%以下の長さ、又は約45%以下の長さの距離に亘って延びることができる。遠位端領域と近位端領域との間に中間領域を配置することができる。中間領域は、最大領域とすることができる。中間領域は、2つ以上の領域(例えば、遠位中間領域及び近位中間領域)に分割することができる。中間領域は、近位端領域及び遠位端領域と同じサイズにすることができる。中間領域は、近位端領域及び遠位端領域間に配置することができ、顎部の約20%以上の長さ、約25%以上の長さ、約30%以上の長さ、約75%以下の長さ、約60%以下の長さ、又は約50%以下の長さの距離を有することができる。閉位置にあるときの第1の顎部及び第2の顎部は、1つ又は複数のシール面を介して治療電流を印加することができる。
【0023】
1つ又は複数のシール面は、治療電流を印加するように機能することができる。1つ又は複数のシール面は、モノポーラエネルギーを印加してもよい。1つ又は複数のシール面は、バイポーラエネルギーを印加してもよい。1つ又は複数のシール面は、第1の顎部、第2の顎部、又は双方に配置することができる。好ましくは、第1の顎部は第1のシール面を含み、第2の顎部は第2のシール面を含む。第1のシール面及び第2のシール面は異なる材料から作製されてもよい。好ましくは、第1のシール面及び第2のシール面は同じ材料から作製することができる。第1のシール面及び第2のシール面は導電性とすることができる。第1のシール面及び第2のシール面は、異なる抵抗又は導電性の材料を有することができる。動作中、電力は、第1のシール面から第2のシール面に流れることができ、逆もまた同様である。シール面は、把持及び電力の印加の双方のために使用することができる。第1の顎部及び第2の顎部が各々、単一のシール面を含んでもよい。第1の顎部、第2の顎部、又は双方が、1つ又は複数のシール面、又は更には複数のシール面を含んでもよい。例えば、第1の顎部は単一のシール面を含むことができ、第2の顎部は2つのシール面を含むことができる。第1のシール面及び第2のシール面(例えば、シール面)は、1つ又は複数のナイフチャネル、1つ又は複数のストッパ又は双方を含むことができる。第1のシール面、第1の顎部、第2のシール面、第2の顎部、又はこれらの組み合わせは、1つ又は複数のナイフチャネルを含むことができる。好ましくは、ナイフチャネルは、ナイフが閉じた顎部間を通過することができるように、第1のシール面及び第2のシール面を通って延びる。
【0024】
ナイフチャネルは、顎部が閉じているとき、ナイフが顎間で延びることを可能にするように機能することができる。ナイフチャネルは、ナイフが、顎部間で把持されている組織又は対象の解剖学的特徴を切断することを可能にするように機能することができる。ナイフチャネルは、実質的に、第1の顎部、第2の顎部、又は双方の長さに亘って(例えば、長さの90%以上に亘って)延びることができる。ナイフチャネルは、第1の顎部、第2の顎部、又は双方の長さ未満に亘って延びることができる。例えば、1つ又は複数のストッパは、顎部が完全に閉じることを阻止することができ、ナイフチャネルは、第1の顎部と第2の顎部との間に間隙が配置されている部分を通って延びることができない。ナイフチャネルは、実質的に直線状とする(例えば、実質的に顎部の長手方向軸に沿って、又は顎部の長手方向軸と平行に延びる)ことができる。ナイフチャネルは曲線を有することができる。ナイフチャネルは、第1の顎部、第2の顎部、又は双方の遠位部分に配置することができる。ナイフチャネルは、第1の顎部、第2の顎部、又は双方の約75%以下の長さ、約50%以下の長さ、約40%以下の長さ、又は約30%以下の長さに沿って配置することができる。ナイフチャネルは、ナイフが顎部間に配置されるか又は顎部間に把持される組織又は解剖学的特徴を切断することができるように十分長くすることがでる。ナイフチャネルの全て又は一部分を2つ以上のストッパ間に配置することができる。ストッパは、第1の顎部及び第2の顎部間のナイフの動きを阻害することなく、これらの間をナイフが通過することができるように、十分な間隙を生成することができる。
【0025】
1つ又は複数のストッパは、第1の顎部と第2の顎部との間に間隙を生成するように機能してもよい。1つ又は複数のストッパは、電気外科用デバイスの2つの導電性素子間に間隙を生成するように機能してもよい。1つ又は複数のストッパは、第1の顎部と第2の顎部との間に延びてもよい。1つ又は複数のストッパは、2つの導電性面(例えば、第1の顎部の一部及び第2の顎部の一部)間の短絡を阻止するように機能してもよい。1つ又は複数のストッパは、第1の顎部、第2の顎部、又は双方に配置されてもよい。第1の顎部がいくつかのストッパを含んでもよく、第2の顎部がいくつかのストッパを含んでもよく、双方の顎部がいくつかのストッパを含んでもよい。例えば、第1の顎部のみがストッパを含んでもよく、又は第2の顎部のみがストッパを含んでもよい。別の例において、第1の顎部及び第2の顎部の双方がストッパを含んでもよい。
【0026】
顎部のうちの一方又は双方が、非導電性材料から製造された複数のストッパを有することができる。1つのストッパ、又はストッパの1つの組は、顎部の近位端(例えば、近位ストッパ又は第1のストッパ)に、又はその近くに配置することができる。第2のストッパ又はストッパの組は、1つのストッパ(例えば、中間ストッパ又は第2のストッパ)よりも顎部上で更に遠位に配置することができる。第2のストッパ又はストッパの組は、第1のストッパ又はストッパの組よりも短くすることができる。第3のストッパ又はストッパの組(例えば、遠位ストッパ又は第3のストッパ)は、第2のストッパ及び第1のストッパよりも更に遠位に配置することができる。第3のストッパの組は、第2のストッパの組よりも短くすることができる。3つのストッパ又はストッパの3つの組は、ストッパの上面が直線に並ぶように、ストッパ間で高さ及び空間を構成することができる。例えば、顎部がストッパの頂部に接触する場合、顎部は、直線状に延び、3つのストッパ、又はストッパの3つの組の各々と接触する。3つ以上のストッパ又はストッパの組(例えば、第1、第2、及び第3)が存在する場合、全てのストッパの頂部(例えば、対向する顎部と接触する部分)は、対向する顎部が、湾曲又は偏向する必要なく3つのストッパ又は3つのストッパの組の頂部と同時に接触することができるように直線上に配置することができる。3つ全てのストッパ又はストッパの組は、同じ顎部上に存在することができる。ストッパのうちのいくつか又はストッパの組が第1の顎部上にあってもよく、残りの単数又は複数のストッパが第2の顎部上にあってもよい。
【0027】
少なくとも1つの第1のストッパが第1のシール面上に配置されてもよく、少なくとも1つの第2のストッパが第2のシール面上に配置されてもよい。厳密に、第1の表面上に1つのストッパ、第2のストッパ上に1つのストッパが存在してもよい。単一のストッパは、顎部が第2の(又は閉じた)位置に動かされるときにストッパが互いに接触するように位置合わせすることができる。本明細書に教示されるストッパと共に用いることができる、梃子装置の例は、特許文献7に見ることができ、その教示は、あらゆる目的で本明細書に参照により明示的に組み込まれている。単一の第1のストッパ及び単一の第2のストッパは、実質的に同じ高さ(例えば、±5パーセント以下)を有することができる。第1のストッパは、第2のストッパよりも高くすることができる。
【0028】
ストッパは、第1の顎部及び第2の顎部が第2の位置にあるときに互いに接触しないように位置をずらすことができる。第1のストッパは第2のシール面に接触するように構成することができ、第2のストッパは第1のシール面に接触するように構成することができ、このとき、第1の顎部及び第2の顎部は第2の位置にある。第1及び第2のストッパは同じ高さを有することができる。第1のストッパは、第2のストッパよりも高くする(例えば、より大きな高さを有するか、又はストッパが付着される表面からより大きな距離に上面を有する)ことができる。第1のストッパは、第1の顎部及び第2の顎部が第2の位置にあるとき、第2のストッパに対し近位にあるように構成されてもよい。第1のストッパは、第1の顎部及び第2の顎部が第2の位置にあるとき、第2のストッパに対し遠位にあるように構成されてもよい。
【0029】
第1の顎部部材上に複数のストッパが存在し、第2の顎部部材上に少なくとも1つのストッパが存在することができる。ストッパは全て同じ高さを有してもよい。ストッパのうちのいくつか又は各々が、他のストッパのうちのいくつか又は全てと異なる高さを有してもよい。例えば、遠位ストッパは、近位ストッパ及び中間ストッパの双方よりも短くてもよい。第1のストッパのうちの少なくとも1つが、顎部が第2の位置にあるとき、互いに接触するように第2のストッパのうちの少なくとも1つと位置合わせするように構成されてもよい。例えば、第1の顎部における遠位ストッパは、顎部が閉じているとき、第2の顎部における遠位ストッパと接触することになる。全ての第1のストッパが、第2の顎部上のストッパと位置合わせするように構成されてもよい。第2の顎部上の全てのストッパが、第1の顎部上のストッパと位置合わせするように構成されてもよい。ストッパは、同じサイズ又は形状でない場合がある(例えば、各ストッパは異なるサイズ、異なる形状又は双方を有することができる)。顎部のうちの一方における単一のストッパが、他方の顎部における2つ以上のストッパと接触するように構成されてもよい。例えば、第1の顎部における中間ストッパは、第2の顎部における遠位ストッパ及び中間ストッパと接触することができる。
【0030】
第1の顎部における少なくとも1つのストッパは、第2の顎部における少なくとも1つのストッパと位置合わせするように構成されてもよい(例えば、第1の顎部における第1のストッパ、第2のストッパ、又は第3のストッパは、第2の顎部におけるそれぞれ第1のストッパ、第2のストッパ、又は第3のストッパと位置合わせしてもよい)。第1の顎部における少なくとも1つのストッパは、第2の顎部における全てのストッパと位置をずらすように構成されてもよい。第1の顎部におけるストッパのうちの少なくとも1つは、第2の顎部における少なくとも1つのストッパと接触するように構成されてもよい。第1の顎部における少なくとも1つのストッパは、顎部が第2の位置にあるとき、第2のシール面と接触するように構成される。第1の顎部及び第2の顎部が第2の位置にあるとき、第1の顎部における少なくとも1つのストッパが第2の顎部におけるストッパのうちの少なくとも1つと接触するように構成され、第1の顎部における少なくとも1つのストッパが第2のシール面と接触するように構成され、第2の顎部における少なくとも1つのストッパが第1のシール面と接触するように構成されるように、第2の顎部は、第1の顎部上の全てのストッパと位置をずらすように構成された少なくとも1つのストッパを有してもよい。第1の顎部及び第2の顎部が第2の位置(例えば、閉位置又はクランプ位置)にあるとき、第1の顎部部材上の複数のストッパの各々は、第2のシール面と接触するように構成されてもよく、第2の顎部部材上の少なくとも1つのストッパの全ては、第1のシール面と接触するように構成されてもよい。第1の顎部部材上又は第1の表面上にある複数のストッパの各々、及び第2の顎部部材上の少なくとも1つのストッパは同じ高さを有してもよい(例えば、ストッパが接触している表面上に或る距離に亘って延びてもよい)。第1の顎部部材上の複数のストッパのうちのいくつか又は全て、及び第2の部材上の少なくとも1つのストッパは、残りのストッパのうちのいくつか又は全てと異なる高さを有してもよい。ストッパの位置決め、位置合わせ、高さ、又はこれらの組み合わせにおける変形は、デバイスの所望の組織処理能力をカスタマイズするために、顎部が第2の位置にあるときの第1のシール面と第2のシール面との間の間隙のサイズ及び形状を調節するための多数のオプションを可能にすることができる。
【0031】
デバイスは、複数のストッパを有する第1の顎部と、第2の顎部とを備えることができる。複数のストッパは、単数又は複数の第1のストッパと、単数又は複数の第2のストッパとを含むことができる。単数又は複数の第1のストッパは、単数の第2のストッパ、又は複数の第2のストッパのうちの任意のもの若しくは全てのものよりも大きな高さを有することができる。単数又は複数の第1のストッパは、単数又は複数の第2のストッパに近接して位置決めされてもよい。単数又は複数の第1のストッパは、単数又は複数の第2のストッパに対し遠位に位置決めされてもよい。遠位ストッパは、遠位端領域における間隙が、近位端領域における間隙よりも大きくなるように、近位ストッパよりも高くすることができる。第2の顎部はストッパを一切有していなくてもよい。第2の顎部は少なくとも1つのストッパを有してもよい。第2の顎部における少なくとも1つのストッパのうちの1つ、いくつか、全てが第1の顎部におけるストッパのうちの1つ又は複数と接触するように構成されてもよく、いずれも接触しないように構成されてもよい。
【0032】
デバイスは、複数のストッパを有する第1の顎部と、第2の顎部とを備えることができる。複数のストッパは、単数又は複数の第1のストッパと、単数又は複数の第2のストッパと、第3のストッパ又は第3のストッパの組とを含むことができる。単数又は複数の第1のストッパは、顎部上の第1の位置に(例えば、顎部のうちの1つ又は複数の遠位領域に)配置することができる。単数又は複数の第3のストッパは、第1のストッパに対し近位に(例えば、顎部のうちの1つ又は複数の近位領域に)配置することができる。単数又は複数の第2のストッパは、第1のストッパと第3のストッパとの間に配置する(例えば、第3のストッパに対し遠位かつ第1のストッパに対し近位に配置する)ことができる。第1のストッパ及び第3のストッパは異なる高さを有することができる。第2のストッパは、1つ又は複数の第1のストッパ及び1つ又は複数の第3のストッパの高さ間の高さを有することができる。第1のストッパ(例えば、遠位ストッパ)は、第3のストッパ(例えば、近位ストッパ)よりも高くしてもよい。代替的に、第1のストッパ(例えば、遠位ストッパ)は、第3の(例えば、近位ストッパ)よりも短くしてもよい。ストッパの高さ及びロケーションは、第1のストッパ、第2のストッパ、及び第3のストッパの頂部が直線に並ぶように構成することができる。更なるストッパ又はストッパの組が存在してもよい。例えば、第1のストッパと第3のストッパとの間に位置決めされ、第1のストッパ及び第3のストッパの高さの間の高さを有するように構成された、第4のストッパ又は第4のストッパの組が存在してもよい。
【0033】
ストッパは、非圧縮性材料からなるか、又はこれを含むことができる。ストッパのうちのいくつか又は全ては、圧縮性材料からなるか、又はこれを含むことができる。ストッパのうちのいくつか又は全ては、非圧縮性材料及び圧縮性材料の双方を含むことができる。例えば、第1の顎部と第2の顎部との間の組織又は解剖学的特徴の把持中、圧縮性材料は、他のストッパを組織又は解剖学的特徴と接触するように動かすことができるように弾性変形することができ、非圧縮性材料は、顎部が所定の距離を超えて閉じることを阻止することができる。顎部は、全てのストッパが別のストッパ、対向する顎部、シール面、又はこれらの組み合わせと接触するように動かされるように弾性変形することができる。第1の顎部部材上の複数のストッパのうちのいくつか又は全て、及び第2の部材上の少なくとも1つのストッパは、ストッパの圧縮率のうちのいくつか又は全てと異なる圧縮率を有することができる。圧縮率は、ストッパのコンプライアンス及びサイズの関数とすることができる。例えば、より大きな高さを有するストッパは、より低い高さを有するストッパよりも大きな圧縮率を有することができる。ストッパは、非導電性材料、絶縁材料、又は双方から作製することができる。止め部材は、スタンピング、溶射、オーバーモールディング、接着、熱かしめ、超音波溶接、摩擦溶接、又はこれらの組み合わせによって、顎部部材に固定/付着することができる。止め部材は、顎部部材のうちの少なくとも1つ又は顎部部材の各々の内向表面から突出することができる。止め部材は、パリレン、ナイロン及び/またなセラミック等の絶縁材料から作製されるか又はこれを含むことができる。止め部材は、シリカ、又はアルミナ、チタニア、DOW Chemicalによって製造されるQUESTRA(登録商標)等のシンジオタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリミド(Polymide)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド-イミド(PAI)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PS及びHIPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、脂肪族ポリケトン、アセタール(POM)コポリマー、ポリウレタン(PU及びTPU)、ポリフェニレンオキシドを分散させたナイロンならびにアクリロニトリルスチレンアクリレートから作製されるか又はこれを含む。止め部材は、良好な靭性、耐摩耗性、断絶性、生体適合性、又はこれらの組み合わせを有することができる。1つ又は複数のストッパは、ナイフが通って延びるナイフチャネル、第1の顎部と第2の顎部との間の間隙、又は双方を形成することができる。
【0034】
間隙は、第1の顎部及び第2の顎部が互いに接触することの阻止、第1の顎部と第2の顎部との間の誘電体空間の生成、第1の顎部と第2の顎部との間の短絡の阻止、又はこれらの組み合わせを行うように機能することができる。間隙は、第1のシール面から第2のシール面への距離とすることができる。間隙は、第1の顎部の内面から第2の顎部の内面への距離とすることができる。間隙は、組織又は対象の特徴が顎部間で把持されているときに、第1の顎部と第2の顎部との間で捕捉することができる組織又は対象の特徴が損傷を受けないように空間を生成することができる。第1の顎部及び第2の顎部が閉じており、組織又は対象の特徴が第1の顎部と第2の顎部との間に配置されていないとき、間隙は、第1の顎部及び第2の顎部が短絡しないように十分大きくすることができる。間隙は線形に変動してもよい。間隙は非線形に変動してもよい。顎部は可撓性であってもよく、間隙は、顎部が第2の位置又は閉位置にあるとき、ストッパの高さに基づいて変動してもよい。間隙は、2つの平行な側面又は境界(例えば、顎部又はシール面)を有してもよい。間隙は、側面が遠位方向に延びるにつれ収束する側面を有してもよい。間隙は、側面が遠位方向に延びるにつれ拡開する側面を有してもよい。間隙は、側面が近位方向に延びるにつれ収束する側面を有してもよい。間隙は、側面が近位方向に延びるにつれ拡開する側面を有してもよい。中間領域は、間隙の最も厚い部分であってもよい。中間領域は、間隙の最も薄い部分であってもよい。中間領域は、遠位端領域と近位端領域との間の高さを有することができる。間隙は、第1の顎部と第2の顎部との間の、約0.025mm以上、約0.05mm以上、約0.075mm以上、又は約0.1mm以上の距離とすることができる。間隙は、第1の顎部と第2の顎部との間の、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、又は約0.2mm以下の距離とすることができる(例えば、概ね、高さ又は断面長(例えば直径)について上述したように、±.05mm以下又は好ましくは約±.03とすることができる)。間隙は、ロケーションに基づいて変動することができる。例えば、遠位端領域における間隙は、約0.08mmとすることができ、近位端領域において約0.13mmとすることができ、中間領域において約0.1mmとすることができる。間隙は、1つのストッパの高さによって決定されてもよい。例えば、間隙が約0.2mmである場合、ストッパは約0.2mmの高さを有する。間隙は、互いに接触する2つの対向するストッパによって決定されてもよい。例えば、間隙が約0.1mmである場合、2つのストッパの各々が約0.05mmの高さを有する。対向するストッパの高さは、均一に分散していてもよい。対向するストッパの高さは、不均一に分散していてもよい。1つのストッパは、間隙の高さの約50パーセント以上、約60パーセント以上、約70パーセント以上、約80パーセント以上、又は約95パーセント以下とすることができる。対向するストッパは、同じ材料から作製されてもよい。対向するストッパは、異なる材料から作製されてもよく、又は1つのストッパの一部分が対向するストッパと異なる材料から作製されてもよい。2つ以上のストッパが存在するとき、全てのストッパが1つの顎部に配置されてもよい。ストッパのうちのいくつかが第1の顎部上に配置され、ストッパのうちのいくつかが第2の顎部上に配置されてもよい。複数のストッパが対向する顎部上に配置されるとき、ストッパの少なくとも1つの組が位置合わせされてもよい。ストッパは、遠位端領域、中間領域、又は近位領域においてのみ位置合わせされてもよい。ストッパのうちのいくつか又は全てが遠位端領域、中間領域、近位領域、又はこれらの組み合わせにおいて位置合わせされてもよい。ストッパが第1の顎部及び第2の顎部に配置されているとき、ストッパのうちのいくつか又は全てが、顎部が閉じているときにストッパが互いに接触するように位置合わせされてもよい。好ましくは、ストッパのうちのいくつかは、位置合わせされるか又は対向してもよく、ストッパのうちのいくつかには対向するストッパがなくてもよい。全てのストッパが互い違いに配置されてもよい。ストッパは側方に(例えば、横方向に)、長手方向に(例えば、遠位から近位に)、又は双方に互い違いにされてもよい。ストッパは、顎部上に対称に配置されてもよい。ストッパは、顎部上に非対称に配置されてもよい。ストッパは、直線上に配置されてもよい。ストッパは、パターン状に配置されてもよい。ストッパは、顎部上にランダムに配置されてもよい。対向しているときのストッパは、部分的にのみ対向してもよい。例えば、1つのストッパの半分が、対向するストッパの半分に接触してもよい。1つのストッパは、2つの対向するストッパの少なくとも一部分に接触してもよい。ストッパは、全て同じサイズ及び形状であってもよい。ストッパは異なるサイズ、異なる形状、又は双方であってもよい。ストッパは、円形、楕円形、三角形、卵形、菱形、正方形、五角形、八角形、七角形、又はこれらの組み合わせの断面形状を有してもよい。ストッパの断面形状は、先端又は平坦な壁がなくてもよい。ストッパは、平面の上面を有してもよい(例えば、ストッパの頂部は平坦であってもよい)。ストッパは、平面の頂部がなくてもよい。ストッパは、先端を有してもよい。ストッパは、菱形先端(例えば、一点で収束する4つの壁)、三角先端(例えば、一点で収束する2つの壁)、円錐先端(例えば、一点に向けて直径が狭まる円形の壁)、球体頂部、又はこれらの組み合わせを有することができる。間隙は、顎部の長さに沿って変動してもよい。間隙は、近位端領域(例えば、第3のストッパ又は近位ストッパの近くのロケーション)において最も小さく、遠位端領域(例えば、第1のストッパ又は遠位ストッパの近くのロケーション)において最も大きくてもよい。好ましくは、間隙は、遠位端領域において最も小さく、近位端領域において最も大きくてもよい。遠位端領域における間隙は、約.01mm以上、約.02mm以上、約.03mm以上、約.05mm以上、約.07mm以上、又は約.08mm以上とすることができる。遠位端領域における間隙は、約1mm以下、約0.5mm以下、約0.3mm以下、約0.2mm以下、又は約0.1mm以下とすることができる(例えば、概ね、高さ又は断面長(例えば直径)について上述したように、±.05mm以下又は好ましくは約±.03とすることができる)。
【0035】
中間領域(例えば、中間ストッパ、第2のストッパ又は双方の近くの、近位端と遠位端との間の領域)は、遠位端領域、近位端領域、又は双方と同じとすることができる。中間領域における間隙は、遠位端領域及び近位端領域と比較して最も大きな高さを有することができる。中間領域における間隙は、遠位端領域及び近位端領域と比較して、最も小さな高さを有することができる。好ましくは、中間領域における間隙は、遠位端領域及び近位端領域の高さの間とすることができる。例えば遠位端領域における間隙は、中間領域及び近位端領域における間隙の双方よりも大きくてもよく、中間領域は近位端領域よりも大きくてもよい。例えば、近位端領域における間隙は、中間領域及び遠位端領域における間隙よりも大きくてもよく、中間領域は遠位端領域よりも大きくてもよい。中間領域における間隙は、約.01mm以上、約0.03mm以上、約0.05mm以上、約0.075mm以上、約0.1mm以上、又は約0.13mm以上とすることができる。中間領域における間隙は、約5mm以下、約3mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、約.05mm以下、又は約.005mm以下とすることができる。中間領域における間隙は、近位端領域及び遠位端領域における間隙に依拠して制御することができる。
【0036】
近位端領域(例えば、顎部間の接合部に最も近いか、又は第3のストッパ又は近位ストッパに近い領域)における間隙は、中間領域、遠位領域、又は双方における間隙と比較して、最も大きな間隙とすることができる。近位端領域における間隙は、組織が挟まれること、損傷を受けること、又は双方を阻止することができる。近位端領域における間隙は、第1の顎部及び第2の顎部間に配置された組織に亘って均一な圧力を生成することを支援することができる。近位端領域における間隙は、中間領域及び遠位端領域における間隙と同じとすることができる。近位端領域における間隙は、遠位端領域及び中間領域における間隙と比較して最も小さくすることができる。近位端領域における間隙は、中間領域及び遠位端領域における間隙と比較して最も大きくすることができる。近位領域における間隙は、約0.01mm以上、約0.03mm以上、約0.05mm以上、約0.075mm以上、約0.1mm以上、又は約0.13mm以上とすることができる。近位領域における間隙は、約5mm以下、約3mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、約0.3mm以下、又は約0.2mm以下とすることができる。間隙は、ナイフチャネルの一部分を形成することができる。
【0037】
1つ又は複数のナイフが、ナイフチャネルを通って、ストッパ間を、又はその双方で延びることができる。1つ又は複数のナイフは、金属、導電性材料、又は双方から作製することができる。1つ又は複数のナイフは、組織、対象の解剖学的特徴、対象の特徴、静脈、動脈、又はこれらの組み合わせを機械的に切断することができる。1つ又は複数のナイフは、切断のために用いることができる鋭い縁部を含むことができる。1つ又は複数のナイフは、組織、対象の解剖学的特徴、対象の特徴、静脈、動脈、又はこれらの組み合わせの電気的切断、焼灼、又は双方を行うことができる。1つ又は複数のナイフは、顎部間のロケーション(例えば、顎部の遠位端の近位)まで延びてもよい。1つ又は複数のナイフは、顎部の端部の遠位のロケーションまで延びてもよい。1つ又は複数のナイフは、顎部の表面、把持面、シール面、又はこれらの組み合わせに対し垂直に延びる高さを有するブレードを有することができる。ナイフは、顎部の中心に沿って延びてもよい。ナイフは、ナイフチャネル及びストッパの組み合わせを通って延びてもよい。
【0038】
本明細書に教示されるデバイスは、本明細書に教示された特徴のうちの1つ又は複数を含むことができ;少なくとも1つの第1の止め部材は、第1のシール面から第1の距離突出し、少なくとも1つの第2の止め部材は、第2のシール面から第2の距離突出し、第1の距離は、第2の距離よりも大きく;少なくとも1つの第1の止め部材は、第1のシール面から第1の距離突出し、少なくとも1つの第2の止め部材は、第2のシール面から第2の距離突出し、第1の距離は、第2の距離と同じであり;第1又は第2の顎部部材のうちの少なくとも1つは、第1及び第2の顎部部材が互いに対して離間された関係で配置される第1の位置から、第1及び第2の顎部部材が互いにより近くにある第2の位置へ、他の顎部部材に対し移動可能であり;第1の顎部部材及び第2の顎部部材が第2の位置にあるとき、少なくとも1つの第1の止め部材は、少なくとも1つの第2の止め部材に対し近位にあり;第1の止め部材のうちの少なくとも1つ、第2の止め部材のうちの少なくとも1つ、又は双方が非導電性材料から作製され;少なくとも1つの第1の止め部材は第1の材料から作製され、少なくとも1つの第2の止め部材は、第1の材料と異なる第2の材料から作製され;少なくとも1つの第1の止め部材は第1の材料から作製され、少なくとも1つの第2の止め部材は第2の材料から作製され、第1の材料は第2の材料と同じであり;第1の止め部材のうちの少なくとも1つ、第2の止め部材のうちの少なくとも1つ、又は双方が、第1及び第2のシール面間に保持された組織の操作又は把持を強化するように構成され;第1の止め部材のうちの少なくとも1つ、第2の止め部材のうちの少なくとも1つ、又は双方が、第1及び第2のシール面の短絡を阻止するように構成され;第1の止め部材のうちの少なくとも1つ、第2の止め部材のうちの少なくとも1つ、又は双方が、第1及び第2の顎部部材の第2の位置における第1及び第2のシール面間の空間を維持するように構成され;第1の止め部材は第1の直径を画定し、第2の止め部材は第2の直径を画定し、第1の直径は第2の直径と異なり;第2の止め部材は、複数の第1の止め部材が第2のシール面と接触することなく、第1のシール面と接触するように構成され;少なくとも1つの第2の止め部材は、第1の止め部材に対向して位置決めされて組み合わさり、第1又は第2のシール面上に配置されたものよりも通常大きな組み合わされた突起の対向する止め部材を生成し;第2の止め部材は、導電性材料から作製され;第1の止め部材、第2の止め部材、又は双方が、第1及び第2のシール面間で保持される組織の操作及び把持を強化するように構成され;少なくとも第2の止め部材は、第1及び第2のシール面の短絡を阻止するように構成され;複数の第1の止め部材は、第1及び第2の顎部部材の第2の位置における第1及び第2のシール面間の空間を維持するように構成され;第2の止め部材は、複数の第1の止め部材が第2のシール面に接触することなく、第1の止め部材に接触するように構成され;第1の止め部材は、第1のシール面からの第1の圧縮率を提供し、第2の止め部材は、第2のシール面からの第2の圧縮率を提供し;第1の止め部材、第2の止め部材、又は双方が非導電性材料から作製され;第1の止め部材は第1の材料から作製され、第2の止め部材は、第1の材料と異なる第2の材料から作製され;第1の止め部材は第1の材料から作製され、第2の止め部材は、第1の止め部材と同じ材料から作製され;第1の止め部材、第2の止め部材、又は双方が、第1及び第2のシール面間に保持された組織の操作又は把持を強化するように構成され;少なくとも第2の止め部材は、第1及び第2のシール面の短絡を阻止するように構成され;第1の止め部材、第2の止め部材、又は双方が、第1及び第2の顎部部材の第2の位置における第1及び第2のシール面間の空間を維持するように構成され;第1の止め部材は第1の直径を画定し、第2の止め部材は第1の直径と異なる第2の直径を画定し;第2の止め部材は、複数の第1の止め部材が第2のシール面と接触することなく、第1のシール面と接触するように構成され;第2の止め部材は通常、第1の止め部材と同じ圧縮率を有し;第1の止め部材は第1の材料から作製され、第2の止め部材は、第1の止め部材と同じ材料から作製され;第1の止め部材は第1の直径を画定し、第2の止め部材は第2の直径を画定し、第1の直径は第2の直径と異なる。
【0039】
図1は、示されるように、電気外科用鉗子4としての電気外科用デバイス2を示す。電気外科用鉗子4はハウジング10を含み、細長いシャフト12がハウジング10から延びる。鉗子20は、細長いシャフト12の端部に配置され、示されるように鉗子20は閉じている。
【0040】
図2は、鉗子20が開位置にある電気外科用デバイス2を示す。鉗子20の第1の顎部30及び第2の顎部32は、対象の特徴(図示せず)を間に把持することができるように開いている。
【0041】
図3は、第1の顎部30及び第2の顎部32が離間した鉗子20の拡大図である。第1の顎部30は第1のシール面34を含み、第2の顎部32は第2のシール面36を含み、顎部が閉じているとき、ナイフ60が第1の顎部30と第2の顎部32との間を延びることができるように、ナイフチャネル42が内部を延びる。第1の顎部30及び第2の顎部32は、ピボット部材40の周りで動く。第2の顎部32は、示すように、第2のシール面36上の複数のストッパ80であるシーラ及びディバイダ70を含む。
【0042】
図4は、第2の顎部32の側面図である。第2の顎部32は、第1のストッパ(遠位ストッパ)82、第2のストッパ(中間ストッパ)84、及び第3のストッパ(近位ストッパ)86を有する第2のシール面36を有する。
【0043】
図5aは、第1のストッパ82が高さHoを有することを示す図3の第1のストッパ82の切り欠き図である。
【0044】
図5bは、第2のストッパ84が高さH1を有することを示す図3の第2のストッパ84の切り欠き図である。
【0045】
図5cは、第3のストッパ86が高さHpを有することを示す図3の第3のストッパ86の切り欠き図である。
【0046】
図6は、第2の顎部32の展開図である。第2の顎部32は、第2の顎部32の底部を形成するハウジング10である。顎部アーム44は、ハウジング10の上、かつナイフチャネル42及び第2のシール面36の下に配置される。第2のシール面は、ナイフ60が通って延びるナイフチャネル42も含む。シール面36はストッパ80を含む。
【0047】
図7は、第1の顎部30及び第2の顎部32が離間される開位置における鉗子20を示す。第1の顎部30は、第1のストッパ82、第2のストッパ84、及び第3のストッパ86を含む。第2の顎部32は、第2のストッパ84及び第3のストッパ86のみを含む。
【0048】
図8は、第1の顎部30及び第2の顎部32がピボット部材40の周りを開位置まで旋回した鉗子20を示す。第1の顎部30及び第2の顎部32は各々、遠位端領域50、中間領域52、及び近位端領域54を有する。第1の顎部30は、第2の顎部32上の第2のストッパ84に対向するストッパ90である第2のストッパ84を含む。第2の顎部32上の第2のストッパ84も対向するストッパ90である。第2の顎部32は、いずれの他のストッパとも対向して配置されない第2のストッパ84も含む。全ての第2のストッパ84は、同じサイズ及び高さである。
【0049】
図9は、開位置における第1の顎部30及び第2の顎部32を示す。第1の顎部は第2のストッパ84を含み、第2の顎部は2つの第2のストッパ84を含む。第1の顎部における第2のストッパ84は、第2の顎部32上の第2のストッパ84が対向するストッパ90となるように第2の顎部32における第2のストッパ84のうちの1つに対向するストッパ90である。第2の顎部32における対向するストッパ90は第1の高さ(H11)を有し、対向していない第2のストッパ84は、2つの対向するストッパ90が接触しているときの2つの対向するストッパ90と高さが等しい第2の高さ(H12)を有する。
【0050】
図10Aは、第1の材料100及び第2の材料102から作製されたストッパ80の側面図である。
【0051】
図10Bは、第1の材料100から作製されたストッパ80の側面図である。
【0052】
図11Aは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32上のストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第1の直径(D1)を有する第1のストッパ82と、第2の直径(D2)を有する第2のストッパ84と、第1の直径(D1)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0053】
図11Bは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32におけるストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第2の直径(D2)を有する第1のストッパ82と、第1の直径(D1)を有する第2のストッパ84と、第1の直径(D1)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0054】
図11Cは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32上のストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第1の直径(D1)を有する第1のストッパ82と、第1の直径(D1)を有する第2のストッパ84と、第2の直径(D2)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0055】
図12Aは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32上のストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第2の直径(D2)を有する第1のストッパ82と、第2の直径(D2)を有する第2のストッパ84と、第1の直径(D1)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0056】
図12Bは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32上のストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第1の直径(D1)を有する第1のストッパ82と、第2の直径(D2)を有する第2のストッパ84と、第2の直径(D2)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0057】
図12Cは、第1の顎部30及び/又は第2の顎部32上のストッパ80の構成を示す。ストッパ80は、第2の直径(D2)を有する第1のストッパ82と、第1の直径(D1)を有する第2のストッパ84と、第2の直径(D2)を有する第3のストッパ86とを含む。
【0058】
図13Aは、遠位端領域50、中間領域52、及び/又は近位端領域54内のストッパ80を示し、これらの領域において、全てのストッパが直線上にあり、同じサイズ及び形状である。
【0059】
図13Bは、遠位端領域50、中間領域52、及び/又は近位端領域54内のストッパ80を示し、これらの領域において、一方のストッパ80が、他方のストッパ80とずれている。ストッパ80のうちのいくつかは第1の形状110を有し、ストッパ80のうちのいくつかは第2の形状112を有する。示すように、第1の形状110は円であり、第2の形状112は菱形である。
【0060】
図13Cは、遠位端領域50、中間領域52、及び/又は近位端領域54内のストッパ80を示し、ストッパ80は一直線に並んでいるが、ストッパ80のうちのいくつかは、直線から外れて延びる部分を有する。ストッパ80は第1の形状110及び第2の形状112を有し、ここで、第1の形状110は円形であり、第2の形状112は卵形である。
【0061】
図14Aは、部分的に閉じるか又は完全に閉じ、互いに対し或る角度(a)で延びる第1の顎部30及び第2の顎部32を示す。第1のストッパ82は第2の顎部32と接触し、第2の顎部32と、第2のストッパ84及び第3のストッパ86の双方との間に空間(S)が存在する。
【0062】
図14Bは、閉位置にある第1の顎部30及び第2の顎部32を示し、ここで、第1の顎部30及び第2の顎部32は互いに対し或る角度(a1)で延びる。第1のストッパ82、第2のストッパ84、及び第3のストッパ86は全て、第1の顎部30及び第2の顎部32と接触する。第1のストッパ82は、第2のストッパ84及び第3のストッパ86未満の高さを有する。第2のストッパ84は、第3のストッパ86未満の高さを有する。ストッパ間の高さの差は、図14Aの角度(a)未満の第1の顎部30と第2の顎部32との間の角度(a1)を生成する。
【0063】
図15は、図14BのボックスXVにおけるストッパ80の拡大図である。ストッパ80は、第1の顎部30から第2の顎部32まで延びる第2のストッパ84である。第1の顎部30は第1のシール面34を有し、第2の顎部32は第2のシール面36を有する。第2のストッパ84は、第1のシール面34の面から第2のシール面36の面まで延びる間隙(G)を生成する。
【0064】
図16は、第1の顎部30及び第2の顎部32上のストッパ間の空間の拡大図である。第2のストッパ84は、顎部が部分的に又は完全に閉じ、第3のストッパ86が空間(S2)を有するときに、第2の顎部32からの空間(S1)を有する。第1の顎部30及び第2の顎部32は、角度(a)だけ離間される。
【0065】
本明細書で用いられるとき、別段の指示がない限り、教示は、属(リスト)の任意のメンバーが属から除外されてもよく、及び/又はマーカッシュグループのメンバーは、グループから除外されてもよいことを想定している。
【0066】
別段の指示がない限り、本明細書に列挙する任意の数値は、少なくとも2つの単位の分離が任意のより低い値と任意のより高い値との間にあることを条件として、1つの単位の増分で低い値から高い値までの全ての値を含む。一例として、構成要素の量、特性、又は例えば温度、圧力、時間等のプロセス変数の値が、例えば1~90、好ましくは20~80、より好ましくは30~70であると明記されている場合、(例えば、15~85、22~68、43~51、30~32等)のような中間範囲値が本明細書の教示内にあることが意図されている。同様に、個々の中間値も本教示内にある。1未満の値については、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01、又は0.1とみなされる。これらは具体的に意図されるものの単なる例に過ぎず、列挙されている最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせが、同様に本明細書において明示的に記載されているものとみなされるべきである。以上のように、本明細書で「重量部」と表現される量の教示は、重量パーセントの用語で表現される同じ範囲も考慮する。したがって、「結果として得られる組成物の少なくとも「x」重量部」の観点での範囲表現は、結果として得られる組成物の重量パーセントでの同じく列挙される「x」量の範囲の教示も考慮する。
【0067】
構成要素は、その組成を重量%で表す。組成が構成要素間の相対比を表さない場合であっても、そのような比は本教示の範囲内にある。例として、総組成のうち、要素Aが約10重量%の量であり、要素Bが約2重量%の量である場合、本明細書における教示は、A対Bについて約4:1の比を考慮する。別段の指示がない限り、全ての範囲は双方の端点及び端点間の全ての数を含む。別段の指示がない限り、用語「約」又は「概ね」を数値量と組み合わせた教示は、列挙された量、及び列挙された量の近似の教示を包含する。例として、「約100」の教示は、100±15の範囲内の教示を包含する。
【0068】
特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。組み合わせを説明する「~から本質的になる」という用語は、特定された要素、成分、構成要素、又はステップと、組み合わせの基本的及び新規な特性に実質的に影響を与えないような他の要素、成分、構成要素、又はステップとを含むものとする。本明細書における要素、成分、構成要素、又はステップの組み合わせを説明する「~を備える」又は「~を含む」という用語の使用は、要素、成分、構成要素、若しくはステップからなる、又はこれらから本質的になる実施形態も企図している。
【0069】
複数の要素、成分、構成要素又はステップは、単一の統合された要素、成分、構成要素又はステップによって提供され得る。代替的に、単一の統合された要素、成分、構成要素、又はステップは、別個の複数の要素、成分、構成要素、又はステップに分割されることがある。要素、成分、構成要素、又はステップを説明する「1つの(a)」又は、「1つの(one)」という開示は、追加の要素、成分、構成要素、又はステップを除外することを意図しない。
【0070】
上述の説明は例示であり、限定するものではないことが理解される。提供した実施例以外の多くの実施形態及び多くの適用例が、上述の説明を読むことによって当業者には明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。以下の特許請求の範囲における、本明細書に開示されている主題のいかなる態様の省略も、このような主題を放棄するものではなく、本発明者らがこのような主題を、開示されている発明の主題の一部であるとみなさなかったものと考えられるべきものでもない。
【符号の説明】
【0071】
2 電気外科用デバイス
4 電気外科用鉗子
10 ハウジング
12 細長いシャフト
20 鉗子
30 第1の顎部
32 第2の顎部
34 第1のシール面
36 第2のシール面
40 ピボット部材
42 ナイフチャネル
44 顎部アーム
50 遠位端領域
52 中間領域
54 近位端領域
60 ナイフ
70 シーラ及びディバイダ
80 ストッパ
82 第1のストッパ(例えば、遠位ストッパ)
84 第2のストッパ(例えば、中間ストッパ)
86 第3のストッパ(例えば、近位ストッパ)
H ストッパの高さ
90 対向するストッパ
100 第1の材料
102 第2の材料
110 第1の形状
112 第2の形状
G 間隙
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16