(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】記録すべき対象のパノラマ断層画像を生成する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20240325BHJP
【FI】
A61B6/51 511
(21)【出願番号】P 2021532042
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020054886
(87)【国際公開番号】W WO2020193041
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-24
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】アイヒナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ビュルスブッシュ、マルクス
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-156966(JP,A)
【文献】特開2007-136163(JP,A)
【文献】特開2017-176268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0074278(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0011535(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2DパノラマX線装置(3)を使用して、記録すべき対象(2)のパノラマ断層画像(1、11、60)を生成する方法であって、
生成する過程で、X線源(5)によって生成されたX線(4)は、前記対象(2)を照射し、X線検出器(7)によって取得され、ここで、前記対象(2)の周りの前記X線源(5)及び前記X線検出器(7)の移動の間に、多数の2D X線投影画像(30)が異なる取得方向(6)から取得される方法において、
第1のパノラマ断層画像(1)が、再構築方法を使用して、取得した2D X線投影画像(30)から計算され、前記取得した2D X線投影画像(30)は、ある修正方法を使用して修正され、修正された2D X線投影画像(40、50)から、再構築方法を使用して、解剖学的構造(17、18、19)に対してアーチファクト(20)のより高い重み付けで第2のパノラマ断層画像
(11)が計算され、第3のパノラマ断層画像(60)が、前記第1のパノラマ断層画像
(1)及び前記第2のパノラマ断層画像(11)を規定された重み付け係数で組み合わせることによって計算され、前記第3のパノラマ断層画像(60)中のアーチファクト(20)が前記第1のパノラマ断層画像(1)と比較して低減されるようになっていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第3のパノラマ断層画像(60)は、前記第1のパノラマ断層画像(1)の画像情報から前記第2のパノラマ断層画像(11)の画像情報を、規定された重み付け係数で減算することによって計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正方法は、前記2D X線投影画像(30)の移動方向におけるローパスフィルタリング、前記2D X線投影画像(30)の位置依存ローパスフィルタリング(40)、及び/又は前記2D X線投影画像(30)の水平ミラーリング(50)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のパノラマ断層画像(60)がディスプレイ装置(12)によって表示されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対する重み付け係数は仮想ツール(61)によって管理され、表示されるアーチファクト(20)の強度は、前記仮想ツール(61)を使用して手動で設定することができることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想ツールはスライダ(61)であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数は、前記第1のパノラマ断層画像(1)及び/又は前記第2のパノラマ断層画像(11)の関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定され、ここで、前記第2のパノラマ断層画像(11)中のアーチファクト(20)を有する領域(21、22、23)は、他の領域(21、22、23)よりも強く重み付けされ、これらの規定された領域(21、22、23)中でアーチファクト(20)のより強い低減が行われることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のパノラマ断層画像(1)及び/又は前記第2のパノラマ断層画像(11)に基づいて、前記局所的に変化する重み付け係数を自動的に規定する適応的な解析方法は、機械学習に対してニューラルネットワークを使用することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数は、予め既知の標準モデルの関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定され、前記標準モデル内のアーチファクト(20)を有する領域(21、22、23)が規定され、前記第2のパノラマ断層画像(11)中の前記領域(21、22、23)は、他の領域よりも強く重み付けされ、アーチファクト(20)のより強い低減がこれらの規定された領域
(21、22、23)においてのみ行われることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
装置であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するための、コンピュータ(13)、
X線源(5)とX線検出器(7)とを有する2DパノラマX線装置(3)、及びディスプレイ装置(12)を備える装置。
【請求項11】
コマンドを含むコンピュータプログラムであって、前記コマンドは、前記コンピュータプログラムがコンピュータ(13)によって実行されるとき、請求項10に記載の装置に請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを備える、コンピュータ読取可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2DパノラマX線装置を使用して、記録すべき対象のパノラマ断層画像を生成する方法に関し、この過程で、X線源によって生成されたX線が対象を照射し、X線検出器によって取得され、ここで、対象の周りのX線源およびX線検出器の移動の間に、多数の2D X線投影画像が異なる取得方向から取得される。
【従来技術】
【0002】
パノラマ断層画像を生成するための多数の方法が従来技術から知られている。
【0003】
DE 102008008733 A1は、3Dボリュームからパノラマ断層画像を作成するための方法を開示しており、記録すべき対象は仮想X線源を用いてを仮想的に照射され、仮想的に結果として生じた画像を仮想検出器を用いて取得する。仮想照射における望ましくない構造を仮想的に除去することができる。
【0004】
DE 10016678 A1は、対象を照射する方法を開示しており、金属充填物のような高吸収を有する干渉対象が、好ましくは顎の反対側の半分の画像と干渉しないような方法で、検査すべき対象が照射される。その際、特にビーム角度は解剖学的構造、すなわち歯に適合される。
【0005】
DE 102010040096 A1は、3Dボリュームから画像を作成するための方法を開示しており、多数の仮想投影画像は、規定された照射方向から計算される。投影画像を計算するとき、関連領域は、無関係領域よりも強く重み付けされることができる。充填物または顎骨のような干渉する部分対象は、部分ボリュームから切り出されるか、または部分ボリュームによって包囲された歯のような部分対象の検査を改善するためにより少ない重みを与えられることができる。
【0006】
上述の方法の1つの欠点は、アーチファクト補正が、干渉する部分対象を切り出すことによって、または前記部分対象のわずかな重み付けによって、仮想的に実行されることである。患者にとって、3D画像に対する放射線被曝はまた、2D画像に対する放射線被曝よりも大きいことが多い。3Dボリューム上で計算された仮想パノラマ断層画像の解像度は、古典的な2Dパノラマ断層画像の解像度よりも低い。
【0007】
したがって、本発明の目的は、アーチファクト、例えば対向顎アーチファクトの自動化された単純な低減を可能にする2Dパノラマ断層画像を生成する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、2DパノラマX線装置を使用して、記録すべき対象のパノラマ断層画像を生成する方法に関する。この過程で、X線源によって生成されたX線が対象を照射し、X線検出器によって取得され、ここで、対象の周りのX線源およびX線検出器の移動の間に、多数の2D X線投影画像が異なる取得方向から取得される。
【0009】
第1のパノラマ断層画像は、再構築方法を使用して、取得した2D X線投影画像から計算される。取得した2D X線投影画像は、続いて、修正方法を使用して修正され、ここで、修正された2D X線投影画像から、再構築方法を使用して、解剖学的構造に対してアーチファクト、例えば対向顎アーチファクトのより高い重み付けで第2のパノラマ断層画像が計算され、ここで、第3のパノラマ断層画像中のアーチファクトが第1のパノラマ断層画像と比較して低減されるように、第3のパノラマ断層画像は、第1のパノラマ断層画像および第2のパノラマ断層画像を規定された重み付け係数で組み合わせることによって計算される。
【0010】
パノラマ断層画像は、2DパノラマX線装置を使用して取得される患者の上顎および/または下顎の2次元描写である。パノラマX線装置は、例えば、デジタルX線検出器を有する取得ユニットを有することができ、ここで、取得の間、デジタルX線検出器は、好ましくは患者の顔の周りを移動する。X線源は、頭部の周り、好ましくは後頭部の周りを同期して移動する。X線源は、例えばX線検出器上で約0.25mmの幅から約3mmの幅に広がる限定されたX線束を放出するように設計される。この束は、対象の顎部分を貫通し、それによって、顎部全体の異なる顎部分の2D X線投影画像が、画像ごとにX線検出器画像上で個々に取得される。パノラマ断層画像は、その後、個々の2D X線投影画像を適切に統合することによって、再構築法を使用して、取得した2D X線投影画像から計算される。個々の2D X線投影画像を統合することにより、パノラマ断層画像の断層焦点層が生成され、その中に解剖学的構造が明確に描かれる。
【0011】
この断層焦点層は一般に、歯、歯根および顎骨のような上顎および下顎の関連する解剖学的構造を含む。断層焦点層の形状、サイズおよびポジションは、対象、すなわち患者頭部のポジションに関連するX線源に対するX線検出器の移動の経路によって決定される。顎の反対側の解剖学的構造は、これもビーム経路内に位置付けられており、影を作成し、断層焦点層内でぼやけて見える。このような効果は、対向顎アーチファクトと呼ばれ、断層焦点層内に位置付けられている対象に重なる。したがって、断層焦点層のポジションは、対象に対するX線検出器およびX線源の移動の経路によって決定され、ここで、断層焦点層の層厚はさらに、X線検出器の照射されるセンサ面の幅によって、すなわちそれぞれの2D X線投影画像の幅によって、ならびにX線検出器およびX線エミッタの移動によって決定される。パノラマ断層画像において、X線検出器の幅が狭いほど層厚が厚くなり、X線検出器の幅が広いほど層厚が薄くなる。より狭いX線検出器は、断層焦点層のより小さな層厚を提供するが、これは、断層焦点層の外側の対象が断層焦点層の対象をより強く重ね合わせるという欠点を有する。
【0012】
デジタルX線検出器は、例えば、CCD/CMOSセンサ、または3mmから4cmの幅を有する直接変換センサであることがある。このようなX線検出器は、典型的には、幅6mmおよび高さ150mmの物理的サイズを有することができる。
【0013】
取得した2D X線投影画像は、使用されるX線検出器と同じピクセル解像度を有することができる。取得した2D X線投影画像のピクセルサイズは、X線検出器のピクセル解像度および使用されるビニングモードに依存する。
【0014】
X線検出器が対象の周りを移動する過程で、例えば毎秒30から1000枚の2D X線投影画像を取得することができる。
【0015】
再構築方法では、取得した2D X線投影画像は、取得方向に沿って統合することによって、例えばいわゆるシフトアンドアド法(shift and add method)を使用して加算され、パノラマ断層画像内の断層焦点層が形成される。
【0016】
他の既知の再構築方法も、取得した2D X線投影画像からパノラマ断層画像を計算するために使用することができる。X線源のX線源およびX線検出器の対象の周りの移動の1回転は、例えば15°から250°の間であることがある。2D X線投影画像は、異なる取得方向から、例えば0.01°から10°の角度ステップで取得される。
【0017】
したがって、第1のパノラマ断層画像は、再構築方法を使用して通常通りに取得した2D X線投影画像から計算される。取得した2D X線投影画像は、続いて、修正方法を使用して修正される。修正方法は、例えば移動方向におけるローパスフィルタリング、または2D X線投影画像の水平ミラーリングであることがある。修正方法、例えばローパスフィルタリングを使用することにより、修正された2D X線投影画像において、歯、歯根および顎骨のような関連する解剖学的構造はぼやけるかまたは低減される一方で、対向する顎アーチファクトのような干渉画像コンポーネントがより支配的になる。したがって、第2のパノラマ断層画像は、解剖学的構造に対するアーチファクトのより高い重み付けを有する修正された2D X線投影画像から計算される。アーチファクトは、シーケンスの結果として断層焦点層の実際の対象に重なる対向顎アーチファクトであることがある。したがって、アーチファクトは、2D X線投影画像のビーム経路における対向する顎の実際の構造である。
【0018】
続いて、第3のパノラマ断層画像においてアーチファクト、例えば顎アーチファクトが低減される方法で、第1のパノラマ断層画像と第2のパノラマ断層画像とを組み合わせることによって、第3のパノラマ断層画像が計算される。
【0019】
この方法の1つの利点は、アーチファクトの低減が、干渉する部分対象を切り出すことによって、またはこれらの部分対象のより低い重み付けによって3Dボリューム内で仮想的に達成されるのではなく、代わりに、取得した2D X線投影画像を修正し、第2の修正されたパノラマ断層画像を計算することによって達成され、アーチファクトが低減された第3のパノラマ断層画像は、第1のパノラマ断層画像を第2の修正されたパノラマ断層画像と組み合わせることによって計算されることである。
【0020】
方法の別の利点は、方法を実施するために新規な装置が必要とされないことである。従来の2DパノラマX線装置を使用することができ、これにより、第2の修正されたパノラマ断層画像および第3のパノラマ断層画像の計算は、ソフトウェア側でのみコンピュータ支援方法で行われる。
【0021】
第3のパノラマ断層画像は、有利には、第1のパノラマ断層画像の画像情報から第2のパノラマ断層画像の画像情報を規定された重み付け係数で減算することによって計算することができる。
【0022】
したがって、第2の修正されたパノラマ断層画像において、アーチファクトを有する領域は、残りのエリアよりも高い信号値を有しており、オリジナルの第1のパノラマ断層画像から第2の修正されたパノラマ断層画像の画像情報を減算することによって、第3のパノラマ断層画像におけるアーチファクトの低減または完全な補正が達成される。修正方法は、有利には、2D X線投影画像の移動方向におけるローパスフィルタリング、2D X線投影画像の局所的ローパスフィルタリング、および/または2D X線投影画像の水平ミラーリングであることがある。
【0023】
移動方向におけるローパスフィルタリングのために、個々の2D X線投影画像は同じ程度に平滑化される。ローパスフィルタリングのために、2D X線投影画像の各画像行に対して、位置に依存しない同じローパスフィルタを使用することができる。
【0024】
次いで、解剖学的構造の他の領域と比較して、アーチファクトの領域においてより高い相対信号コンポーネントを有する第2の修正されたパノラマ断層画像が、修正された2D X線投影画像から計算される。
【0025】
ローパスフィルタリングは、ローパスフィルタカーネル(例えば、ガウスフィルタカーネル)を用いた、2D X線投影画像のような、画像の畳み込みを意味する。これにより、高周波信号コンポーネントは、画像内の低周波信号コンポーネントに対して減衰される。このようなフィルタは、画像全体に対して水平方向および/もしくは垂直方向に、または選択された画像領域内で局所的にのみ適用することができる。
【0026】
したがって、例えば画像に全体的に適用されるこのようなローパスフィルタを使用することにより、2D投影画像の全てのピクセルが多かれ少なかれ減衰または変化される。非常に類似している画像ピクセル(すなわち、例えば均質な画像領域における同じ濃淡値)は、微細な高周波構造または画像コンポーネントを有する画像領域における画像ピクセルよりも修正が少ない。
【0027】
画像内の局所的により高周波な構造は、微細構造およびより強い局所的な濃淡値変化を有する画像領域である。
【0028】
2D投影画像では、より高周波な対象は、2D X線投影画像から2D X線投影画像へと時間に関して特に強く2D投影画像内のその位置を変化させる構造でもある。パノラマ断層画像では、これらは特に、断層焦点層内に配置され、したがって明確に描写される解剖学的構造である。
【0029】
局所的に低周波の構造は、構造の局所的な濃淡値変化がかなり弱いかまたは全くない画像領域である。低周波構造は、時間的に連続する2D X線投影画像間でほとんど変化しない。パノラマ断層画像では、このような低周波構造は、取得の間に断層焦点層内に配置されず、したがって影としてぼやけて見えるぼやけた構造である。
【0030】
ローパスフィルタリングは、位置に依存することもできる。位置に依存するローパスフィルタリングにより、2D X線投影画像内の特定の領域のみをより大きく修正することができる。ローパスフィルタリングは、特に、高周波解剖学的構造を有する領域内で使用され、それに応じて前記構造を抑制することができる。
【0031】
水平ミラーリングに対しては、2D X線投影画像のそれぞれが水平にミラーリングされる。したがって、高周波解剖学的構造の時間的に局所的な関係はキャンセルされる。
【0032】
画像をミラーリングすることは、水平方向または垂直方向にピクセル値を再配置することを意味する。水平ミラーリングについて、これは、画像全体が完全にミラーリングされるまで、最後の画像列が最初の画像列のポジションなどに書き込まれることを意味する。
【0033】
したがって、第2の修正されたパノラマ断層画像の再構築のためには、ミラーリングされたおよび/またはローパスフィルタリングでフィルタリングされた2D投影画像のみが使用される。
【0034】
有利には、第3のパノラマ断層画像をディスプレイ装置によって表示することができる。
【0035】
したがって、第1のパノラマ断層画像、第2の修正されたパノラマ断層画像、および/または第3のパノラマ断層画像は、モニタのようなディスプレイ装置によってグラフィカルに表示することができ、歯科医のようなユーザは、診断のためにパノラマ断層画像を見ることができる。
【0036】
有利には、第1のパノラマ断層画像の第2のパノラマ断層画像との組み合わせに対する重み付け係数は、仮想ツールによって管理することができ、表示されるアーチファクトの強度は、仮想ツールを使用して手動で設定することができる。
【0037】
これにより、仮想ツールは、第1のパノラマ断層画像と第2のパノラマ断層画像との重み付けを管理することができる。仮想ツールは、例えばスライダまたは回転コントローラ、または手動で操作されることができる別の仮想コントローラであることがある。したがって、ユーザは、例えば0%と100%との間の重み付け係数を設定することができ、それによって、重み付け係数の100%で、第2の修正されたパノラマ断層画像の100%が第1のパノラマ断層画像から完全に減算される。したがって、50%の重み付け係数では、第2の修正されたパノラマ断層画像は、50%の重み付けで第1のパノラマ断層画像から減算されるだけであるので、アーチファクトを有する領域は依然としてわずかに見える。
【0038】
仮想ツールはスライダであることが有利であることがある。したがって、ユーザは、仮想スライダを用いて重み付け係数を容易に設定することができる。
【0039】
有利には、第1のパノラマ断層画像の第2のパノラマ断層画像との組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数が、第1のパノラマ断層画像および/または第2のパノラマ断層画像の関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定されることができ、ここで、第2のパノラマ断層画像中のアーチファクトを有する領域は、他の領域よりも強く重み付けされ、これらの規定された領域においてアーチファクトのより強い低減が行われる。
【0040】
したがって、第1および/または第2のパノラマ断層画像はコンピュータ支援方法で解析され、アーチファクト、例えば対向する顎アーチファクトを有する領域が規定される。アーチファクトを有するこれらの領域は、その後、局所的に変化する重み付け係数で重み付けされ、第2のパノラマ断層画像からのアーチファクトを有するこれらの領域は、残りのエリアよりも大きく第1のパノラマ断層画像から減算される。したがって、アーチファクトの補正は、アーチファクトが現れるパノラマ断層画像の領域においてのみ行われる。したがって、歯、歯根および顎骨のような解剖学的構造を主に含む他の領域では、わずかな補正のみが行われるか、または補正は行われない。
【0041】
第1のパノラマ断層画像および/または第2のパノラマ断層画像に基づいて、局所的に変化する重み付け係数を自動的に規定するための適応解析方法は、機械学習のためのニューラルネットワークを有利に使用することができる。
【0042】
したがって、機械学習用のニューラルネットワークが、適応解析方法のために使用される。
【0043】
機械学習のための人工ニューラルネットワーク(CNN)は、局所的に変化する重み付け係数の決定を可能にするコンピュータアルゴリズムである。以下で、CNNを使用する方法を説明する。
【0044】
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、フィードフォワード人工ニューラルネットワークである。これは、機械学習の分野における概念であり、生物学的プロセスにより触発されている。畳み込みニューラルネットワークは、多くの現代の人工知能テクノロジーにおいて、主に画像データの機械処理において使用されている。
【0045】
標準的なCNNの構造は、一般に、畳み込み層とそれに続くプーリング層からなる。この組み立ては、原則として、所望の回数繰り返すことができる。十分な反復により、これらは深層畳み込みニューラルネットワークと呼ばれ、深層学習の分野に入る。CNNは、畳み込みカーネルの自由パラメータまたは分類子を層ごとに学習し、次の層と統合するときにその重み付けを学習することによって学習する。
【0046】
したがって、適切なトレーニングデータを使用して、ニューラルネットワークは、第1および/または第2の修正されたパノラマ断層画像においてアーチファクトを有する領域を自動的に識別することを学習する。次いで、ニューラルネットワークは、これらの領域において局所的にのみアーチファクトの補正が行われるように、これらの選択された領域を変化する重み付け係数でより強く重み付けすることを学習する。ニューラルネットワークは、例えば、ユーザがアーチファクトを有する領域を既に選択したデータセットを使用して、学習することができる。
【0047】
さらなる実施形態では、第1のパノラマ断層画像の第2のパノラマ断層画像とを組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数は、有利には、予め既知の標準モデルの関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定されることができ、ここで、標準モデル内のアーチファクトを有する領域が規定され、ここで、第2のパノラマ断層画像中の前記領域は、他の領域よりも強く重み付けされ、アーチファクトのより強い低減がこれらの規定された領域においてのみ行われる。
【0048】
したがって、予め既知の標準モデルは、アーチファクトを有する領域を自動的に規定し、それに基づいて、アーチファクトの補正がこれらの規定されたエリアにおいてのみ行われるように局所的に変化する重み付け係数を規定するために使用される。
【0049】
本発明はさらに、上述の方法を実行する手段を備えるデータ処理のための装置に関する。
【0050】
装置は、例えばコンピュータであることがあり、コンピュータは、取得した2D X線投影画像に基づいて、第1の2Dパノラマ断層画像を計算し、取得した2D X線投影画像を修正し、それから、第2の修正されたパノラマ断層画像および第3のパノラマ断層画像を計算する。
【0051】
本発明はさらに、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに、上述の方法を実行させるコマンドを含む、コンピュータプログラムに関する。
【0052】
本発明はさらに、コンピュータ読取可能記憶媒体であって、コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに上述の方法を実行させるコマンドを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明を図面に基づいて説明する。
【0054】
図面は以下を示す。
【
図1】
図1は、本方法の実施形態を図示するためのスケッチである。
【
図2】
図2は、2D X線投影画像のスケッチである。
【
図3】
図3は、修正された2D X線投影画像のスケッチである。
【
図4】
図4は、修正方法としての
図2の2D X線投影画像の水平ミラーリングを示す。
【
図5】
図5は、第3のパノラマ断層画像のグラフィック描写を示す。
【0055】
設計例
図1は、2DパノラマX線装置3を使用して記録すべき対象2のパノラマ断層画像1を生成するための本方法の実施形態を図示するスケッチを示し、ここで、X線4は、限定ビームファンの形態のX線源5によって生成され、対象2、すなわち上顎および/または下顎は、ビームを使用して、およびX線検出器7を使用して、取得方向6に沿って記録される。取得の間、X線検出器7は、移動経路8に沿って、例えば矢印によって示されるように対象2の周りを時計回りに移動する。X線源5は、矢印で示されるように、移動経路10に沿って後頭部9の周りを移動する。X線検出器7およびX線源5の対象2の周りの連続的な移動の間に、多数の2D X線投影画像が異なる取得方向6から、例えば0.01°から10°の角度ステップで取得される。第1のパノラマ断層画像1は、再構築方法を使用して、異なる取得方向から撮影された、取得した2D X線投影画像から計算される。取得した2D X線投影画像は、続いて、修正方法を使用して修正され、ここで、第2の修正されたパノラマ断層画像11は、再構築方法を使用して、修正された2D X線投影画像から計算される。第1のパノラマ断層画像および第2の修正されたパノラマ断層画像11は、モニタのようなディスプレイ装置12によってグラフィカルに表示される。ディスプレイ装置12はコンピュータ13に接続されており、ここで、コンピュータ13にはキーボード14やマウス15のような入力手段が接続されている。ユーザは、入力手段14および15を使用して、カーソル16を用いてパノラマ断層画像1および11内をナビゲートすることができる。X線検出器7の運動8とX線源5の同期運動10との1周の過程で、例えば毎秒30から1000枚の2D X線投影画像を取得することができる。取得方向6は、平均照射方向として、ビームファンのX線4の個々の方向の平均として規定することができ、取得の間に対象2に対して変化する。第3のパノラマ断層画像を計算するために、第1のパノラマ断層画像1の画像情報から重み付け係数を考慮して第2の修正されたパノラマ断層画像11の画像情報が減算される。第1のパノラマ断層画像1は、歯17、歯根18および顎骨19のような解剖学的構造、ならびに顎の反対側からのアーチファクト20のようなオーバーレイ構造を含む。第1のパノラマ断層画像1の左端の対向顎アーチファクト20が増加した第1領域21と、第1のパノラマ断層画像1の右端の対向顎アーチファクト20が増加した第2領域22とを破線で示す。第2の修正されたパノラマ断層画像11において、実際の解剖学的構造17、18および19は影としてぼやけて見え、したがって縮小され、それによって、第1領域21、第2領域22および中央領域23におけるアーチファクト20は、この表現においてより大きな重要性を有する。したがって、修正の結果として、アーチファクト20の信号コンポーネントは、他の構造の信号コンポーネントに対して増加する。第1のパノラマ断層像1から第2のパノラマ断層像11の画像情報を減算することにより、第3のパノラマ断層像における干渉対向顎アーチファクトが低減される。対向する顎アーチファクト20を有する領域21、22および23の選択は、ユーザによって手動で、またはニューラルネットワークもしくは標準モデルを使用してコンピュータを用いて完全に自動的に実行することができる。ニューラルネットワークは、アーチファクト20について、第1のパノラマ断層画像1および/または第2の修正されたパノラマ断層画像11を解析し、対応する領域21、22および23を規定することができる。第1のパノラマ断層画像1と第2のパノラマ断層画像11とを組み合わせるとき、局所的に変化する重み付け係数は、アーチファクト20を有する規定された領域21、22および23の関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定されることができ、これにより、第2の修正されたパノラマ断層画像11の画像情報は、規定された領域21、22および23においてのみ第1のパノラマ1の画像情報から減算され、これにより、第1のパノラマ断層画像の残りの画像情報は変化しないままである。したがって、結果として、解剖学的構造17、18および19は、計算された第3のパノラマ断層画像においてより明確に示される。ユーザはまた、カーソル16を使用して手動でアーチファクト20を有する領域21、22、および23を規定することができる。
【0056】
再構築方法によって個々の2D X線投影画像を組み合わせるまたは統合することは、パノラマ断層画像1の断層画像焦点層24を生成し、これは、一点鎖線で示されており、この内に解剖学的構造17,18,19が明確に描写されている。断層焦点層の形状、サイズ、ポジションは、対象2に対するX線検出器7およびX線源5の移動によって決定される。断層焦点層24内に位置しない解剖学的構造17、18、19は、影を作成し、ぼやけて見える。したがって、断層焦点層のポジションは、対象2に対するX線検出器5およびX線源7の移動の経路によって決定され、ここで、断層焦点層の幅25は、X線検出器7の幅26またはそれぞれの2D X線投影画像の幅によっても決定される。X線検出器7のより狭い幅26は、断層焦点層24の増加した焦点層厚25をもたらし、より広いX線検出器は、断層焦点層24の減少した焦点層厚25をもたらす。
【0057】
図2は、歯17、歯根18および顎骨19のような解剖学的構造、ならびにアーチファクト20を有する2D X線投影画像30のスケッチを示す。
【0058】
図3は、修正された2D X線投影画像40のスケッチを示しており、ここで、修正は、2D X線投影画像30の移動方向におけるローパスフィルタリングを使用して実行される。修正は、より高周波な解剖学的構造17、18および19を抑制し、それにより、低周波アーチファクト20は、残りの領域と比較してより高い信号割合で明確に示され続ける。したがって、
図1の第1のパノラマ断層画像は、
図2の取得した2D X線投影画像30から計算される一方で、
図1の第2の修正されたパノラマ断層画像は、修正された2D X線投影画像40から計算される。
【0059】
図4は、修正方法として
図2の2D X線投影画像30の水平ミラーリングを示しており、それによってミラーリングされた2D X線投影画像50が生成される。ミラーリングは、連続する2D X線投影画像の高周波解剖学的構造の局所的な対応または関係を除去する。ミラーリングされた2DのX線投影画像50を使用して第2のパノラマ断層画像11を計算することは、
図2の解剖学的構造17、18および19を、第2のパノラマ断層画像11におけるアーチファクト20よりも弱い信号コンポーネントで描写することができる。したがって、ミラーリングされた2D X線投影画像50を計算することは、修正された2D X線投影画像を生成し、ここで、
図1の第2の修正されたパノラマ断層画像11は、解剖学的構造が抑制されるが干渉アーチファクト20がより明確に描写される再構築方法を使用して、個々のミラーリングされた2D X線投影画像から計算される。
【0060】
図5は、
図1のディスプレイ装置12による第3のパノラマ断層画像60のグラフィック描写を示しており、ここで、第1のパノラマ断層画像1の第2の修正されたパノラマ断層画像11との組み合わせに対する重み付け係数は、仮想スライダ61のような仮想ツールによって管理される。ユーザは、スライダ61を使用して、矢印62によって示されるように、第2修正されたパノラマ断層画像11の重み付け係数を0%から100%の間で調整することができる。重み付け係数100%では、第2のパノラマ断層画像11の画像情報の100%が第1のパノラマ断層画像1から減算される一方で、重み付け係数50%では、第2のパノラマ断層画像11からの画像情報の濃淡値の50%のみが第1のパノラマ断層画像1から減算される。
【0061】
スライダを用いた調整は、局所的に変化する重み付け係数にも適用することができ、例えばアーチファクト20を有する選択された領域21、22および23内でのみ適用することができる。
【0062】
参照符号
1. 第1のパノラマ断層画像
2. 対象
3. 2DパノラマX線装置
4. X線
5. X線源
6. 取得方向
7. X線検出器
8. 移動経路
9. 後頭部
10. 移動経路
11. 第2の修正されたパノラマ断層画像
12. ディスプレイ装置
13. コンピュータ
14. キーボード
15. マウス
16. カーソル
17. 歯
18. 歯根
19. 顎骨
20. アーチファクト;対向する顎アーチファクト
21. 第1領域
22. 第2領域
23. 中央領域
24. 断層焦点層
25. 焦点層厚
26. X線検出器の幅
30. 2D X線投影画像
40. ローパスフィルタリングされた修正された2D X線投影画像
50. ミラーリングされた修正された2D X線投影画像
60. アーチファクトが低減された第3のパノラマ断層画像
61. スライダ
62. 矢印
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 2DパノラマX線装置(3)を使用して、記録すべき対象(2)のパノラマ断層画像(1、11、60)を生成する方法であって、
生成する過程で、X線源(5)によって生成されたX線(4)は、前記対象(2)を照射し、X線検出器(7)によって取得され、ここで、前記対象(2)の周りの前記X線源(5)および前記X線検出器(7)の移動の間に、多数の2D X線投影画像(30)が異なる取得方向(6)から取得される方法において、
第1のパノラマ断層画像(1)が、再構築方法を使用して、取得した2D X線投影画像(30)から計算され、前記取得した2D X線投影画像(30)は、ある修正方法を使用して修正され、修正された2D X線投影画像(40、50)から、再構築方法を使用して、解剖学的構造(17、18、19)に対してアーチファクト(20)のより高い重み付けで第2のパノラマ断層画像が計算され、第3のパノラマ断層画像(60)が、前記第1のパノラマ断層画像および前記第2のパノラマ断層画像(11)を規定された重み付け係数で組み合わせることによって計算され、前記第3のパノラマ断層画像(60)中のアーチファクト(20)が前記第1のパノラマ断層画像(1)と比較して低減されるようになっていることを特徴とする、方法。
[2] 前記第3のパノラマ断層画像(60)は、前記第1のパノラマ断層画像(1)の画像情報から前記第2のパノラマ断層画像(11)の画像情報を、規定された重み付け係数で減算することによって計算されることを特徴とする、[1]記載の方法。
[3] 前記修正方法は、前記2D X線投影画像(30)の移動方向におけるローパスフィルタリング、前記2D X線投影画像(30)の位置依存ローパスフィルタリング(40)、および/または前記2D X線投影画像(30)の水平ミラーリング(50)であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記第3のパノラマ断層画像(60)がディスプレイ装置(12)によって表示されることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対する重み付け係数は仮想ツール(61)によって管理され、表示されるアーチファクト(20)の強度は、前記仮想ツール(61)を使用して手動で設定することができることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記仮想ツールはスライダ(61)であることを特徴とする、[5]に記載の方法。
[7] 前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数は、前記第1のパノラマ断層画像(1)および/または前記第2のパノラマ断層画像(11)の関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定され、ここで、前記第2のパノラマ断層画像(11)中のアーチファクト(20)を有する領域(21、22、23)は、他の領域(21、22、23)よりも強く重み付けされ、これらの規定された領域(21、22、23)中でアーチファクト(20)のより強い低減が行われることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記第1のパノラマ断層画像(1)および/または前記第2のパノラマ断層画像(11)に基づいて、前記局所的に変化する重み付け係数を自動的に規定する適応的な解析方法は、機械学習に対してニューラルネットワークを使用することを特徴とする、[7]に記載の方法。
[9] 前記第1のパノラマ断層画像(1)の前記第2のパノラマ断層画像(11)との組み合わせに対して、局所的に変化する重み付け係数は、予め既知の標準モデルの関数としてコンピュータを用いて適応的に自動的に規定され、前記標準モデル内のアーチファクト(20)を有する領域(21、22、23)が規定され、前記第2のパノラマ断層画像(11)中の前記領域(21、22、23)は、他の領域よりも強く重み付けされ、アーチファクト(20)のより強い低減がこれらの規定された領域21、22、23)においてのみ行われることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[10] 装置であって、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法を実行するための、コンピュータ(13)、2DパノラマX線装置(3)、及び追加の手段を備える装置。
[11] コンピュータプログラムであって、コマンドを含み、前記コマンドは、コンピュータプログラムが前記コンピュータ(13)によって実行されるとき、前記コンピュータに、[1]から[9]のうちのいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
[12] コンピュータ読取可能記憶媒体であって、コンピュータ(13)によって実行されるとき、前記コンピュータに、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法を実行させるコマンドを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体。