(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】タイヤの摩耗及び寿命末期を予測するためのモデル
(51)【国際特許分類】
G01M 17/02 20060101AFI20240325BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
G01M17/02
B60C19/00 B
(21)【出願番号】P 2021533686
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 FR2019053088
(87)【国際公開番号】W WO2020120923
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】フレンケル アンヌ-ロール
(72)【発明者】
【氏名】アビナル リシャール
(72)【発明者】
【氏名】デリアス ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】デュブール ヴァンサン
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/212915(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/008502(WO,A1)
【文献】特開2014-228963(JP,A)
【文献】特開2008-082914(JP,A)
【文献】特開2003-050190(JP,A)
【文献】特開2006-232011(JP,A)
【文献】特開2005-205956(JP,A)
【文献】特開2004-155413(JP,A)
【文献】特開2012-162259(JP,A)
【文献】特開2004-067009(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0253686(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/02
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する走行条件下で装着された
装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)であって、
前記タイヤが、自然な回転軸の周りの回転を示す2つの
ビードで終端する2つの側壁によって拡張されたクラウンを有し、該クラウンが、該自然な回転軸に対してタイヤの外側で半径方向に位置する
トレッドを含み、該
トレッドが、平均厚みE(1011)を有し、装着されたアセンブリが、内部キャビティを画定する構成要素、すなわち、車輪及びタイヤを含み、
方法(1000)が、
影響ファクタとして少なくとも膨張圧力P、温度T、及び受ける負荷Zを有する第1の関数F1と少なくとも影響ファクタとしてトレッドの厚みEを有する第2の全単射関数F2と
、の積として、基準地面に対する長手方向剛性Kxx
refと影響ファクタの間の装着された
装着アセンブリの伝達関数F(1005)を取得する段階と、
前記装着アセンブリの通過関数β(1003)を取得する段階であって、該通過関数が、同じ影響ファクタに対する該装着アセンブリの前記長手方向剛性Kxxの比として道路のセクションに対して定義され、
前記長手方向剛性Kxxの比の分子が、該道路のセクションと同等の地面に対して評価され
た長手方向剛性であり、前記長手方向剛性Kxxの比の分母が、基準地面に対して評価され
た長手方向剛性である前記取得する段階と、
1つのかつ同じ測定サイクルにおいて、
車両が、乾燥している前記道路のセクション上で加速の変動を伴って直線で走行している時に、前記装着アセンブリが受ける少なくとも1つの力Fxと該装着アセンブリの車輪中心での少なくとも1つの滑り率g%とを決定する、又は、
前記装着アセンブリが受ける少なくとも1つの力Fxと該装着アセンブリの車輪中心での少なくとも1つの滑り率g%の決定(1007)を可能にする該車両のパラメータQ1を取得する段階と、
走行条件(1008)下で装着された前記
装着アセンブリが受ける負荷Z1を決定する、又は
、走行条件(1008)下で装着された前記装着アセンブリが受ける負荷Z1決定を可能にする前記車両のパラメータQ2を取得する段階と、
走行条件(1008)下で装着された前記
装着アセンブリの温度T1を決定する段階と、
走行条件(1008)下で装着された前記
装着アセンブリの内部キャビティの膨張圧力P1を決定する段階と、
を含み、
方法(1000)が、前記力Fxと前記滑り率g%又は前記パラメータQ1との間の第1の関係を用いて、実際の地面に対する前記装着アセンブリの第1の長手方向剛性Kxx
act(1009)を取得することを含み、
方法(1000)が、前記基準地面に対する第2の長手方向剛性Kxx
ref(1010)を取得することを含み、
前記第2の長手方向剛性は、少なくとも前記影響ファクタT1、P1、Z1、又は前記パラメータQ2(1008)、及び前記トレッドの少なくとも1つの固有厚みE0(1002)が供給された前記伝達関数F(1005)を用いて評価され、
方法(1000)が、少なくとも前記影響ファクタT1、P1、Z1が供給された前記通過関数βを用いて定義されたスカラーβ
1を取得することを含み、
前記トレッドの前記厚みE(1011)は、以下のように、前記スカラーβ
1、前記第1の長手方向剛性Kxx
act(1009)、及び前記第2の長手方向剛性Kxx
ref(1010)の間の第1の関係によって決定される、
ことを特徴とする方法(1000)。
【請求項2】
前記装着アセンブリの前記構成要素のうちの少なくとも1つの経年劣化Dに、該装着アセンブリの前記伝達関数F(1005)が
関連し、方法が、前記測定サイクルを含む該装着アセンブリの第1の状態サイクルにおいて、該装着アセンブリの該少なくとも1つの構成要素の該経年劣化D1(1006)を取得することを含み、前記第2の長手方向剛性Kxx
ref(1010)の取得は、該装着アセンブリの該少なくとも1つの構成要素の該経年劣化D1(1006)を使用して達成されることを特徴とする、請求項1に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項3】
前記装着アセンブリの前記伝達関数F(1005)の取得は、数値シミュレーション及び実験的測定を含む群に含まれた
一連の特徴付けによって達成されることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項4】
前記伝達関数F(1005)の取得は、マクロ的に滑らかな地面上で達成されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項5】
前記伝達関数F(1005)の前記取得は、以下のタイプ:
の数学モデルを使用して達成され、ここで、
G
j
0及びE
refは、定数であり、
α
j及びαは、実数であり、
G
jは、影響ファクタであり、
Eは、前記トレッドの前記厚みである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項6】
前記通過関数β(1004)の取得は、
前記装着アセンブリの1つのかつ同じ状態サイクルにおいて、乾燥している道路の様々なセクションに関連付けられた1組の測定サイクルを実行する段階と、
各測定サイクルに対して、実際の地面に対する前記第1の長手方向剛性kxx及び基準地面に対する前記第2の長手方向剛性k’xx
refを取得する段階と、
各測定サイクルに対して、前記第1及び前記第2の長手方向剛性の間の差Xを評価する段階と、
最小差Xを有する1つを識別することによって前記組の測定サイクルからターゲット測定サイクルを定める段階と、
前記ターゲット測定サイクルに関連付けられた前記道路のセクションに対して定義された前記通過関数βに恒等関数を割り当てる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項7】
前記通過関数β(1004)の前記取得は、
前記トレッドの平均厚みE2を取得する段階と、
前記装着アセンブリの1つのかつ同じ状態サイクルでの乾燥している道路のセクションに関連付けられた測定サイクルを実行する段階と、
実際の地面に対する前記第1の長手方向剛性kxxを取得する段階と、
前記測定サイクル中に取得された前記影響ファクタと前記トレッドの少なくとも前記厚みE2とを含む該影響ファクタが供給された前記伝達関数Fを用いて評価される基準地面に対する第3の長手方向剛性k’’xx
refを取得する段階と、
基準地面に対する前記第3の長手方向剛性k’’xx
refに対する実際の地面に対する前記第1の長手方向剛性kxxの比として係数λを取得する段階と、
前記測定サイクルに関連付けられた点(λ、P1、Z1、T1)を通過する前記道路のセクションに関連付けられた前記通過関数βを決定する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項8】
前記通過関数β(1004)の前記取得は、
道路の第2のセクションに対して定義される前記装着アセンブリの第2の通過関数β2を取得する段階と、
前記道路の第2のセクションの前記地面に対して、前記基準地面に対する前記地面のマクロ粗度を特徴付けるベクトルM2を取得する段階と、
前記道路のセクションの前記の地面に関して、前記基準地面に対して前記地面の前記マクロ粗度を特徴付けるベクトルMを取得する段階と、
前記通過関数β2と前記ベクトルMに対する前記ベクトルM2の相対位置との間の関係によって前記道路eのセクションに対して定義される前記装着アセンブリの前記通過関数βを決定する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項9】
前記タイヤの達成された回転サイクル、移動したキロメートル、時間、使用時間を含む群に含まれる該タイヤの使用に関連付けられた前記少なくとも1つのパラメータUの前記トレッドの前記厚みEの少なくとも2つの取得の間での変動ΔU(1012)を決定する追加の段階と、
前記トレッドの前記厚みE(1011)の前記少なくとも2つの取得の間での該厚みの変動ΔEと前記タイヤの前記使用に関連付けられた前記少なくとも1つのパラメータUの前記変動ΔU(1012)との間の比によって定められる前記タイヤの全体的摩耗の少なくとも1つの速度V(1013)を決定する追加の段階と、
を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のうちの1項に記載の装着アセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)。
【請求項10】
タイヤの自然な回転軸に対して外側で半径方向に位置し、平均厚みE、固有厚みE0(1002)、及び寿命末期厚みE
end(1005)を有するトレッドを有する該タイヤの寿命末期を予測する方法(1100)であって、
請求項1から請求項8のうちの1項に記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)を使用して、該タイヤを含む第1の装着アセンブリの該タイヤの少なくとも1つの第1の状態サイクル中に該タイヤの前記トレッドの少なくとも1つの厚みE1(1011)を決定する段階と、
請求項9に記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)を使用して、前記少なくとも1つの厚みE1に関連付けられる該タイヤの摩耗の速度V1(1013)を決定する段階と、
前記少なくとも1つの厚みE1(1011)に関連付けられる前記パラメータUの値U1(1014)を決定する段階と、
前記タイヤの前記使用に関連付けられた前記少なくとも1つのパラメータUの値U
end(1015)の支援によって該タイヤの前記寿命末期予測を決定する段階であって、該値が、摩耗の前記速度V1(1013)、該パラメータUの値U1(1014)に関連付けられた前記少なくとも1つの厚みE1(1011)、及び前記寿命末期厚みE
end(1005)をリンクする第2の関数によって定められる前記決定する段階と、
を含むことを特徴する方法(1100)。
【請求項11】
請求項1から請求項9のうちの1項に記載のタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法(1000)及び/又は請求項10に記載のタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を実施するためのシステム(2000)であって、
走行条件下に置くことができる前記タイヤを含む少なくとも1つ装着されたアセンブリ(2006)が備えられた車両(2001)と、
少なくとも1つの記憶手段(2002)と、
少なくとも1つの計算手段(2003)と、
少なくとも1つの解析手段(2004)と、
前記車両(2001)と前記少なくとも1つの記憶手段(2002)の間の少なくとも1つの第1の伝達手段(2101)と、
前記少なくとも1つの記憶手段(2002)と前記少なくとも1つの計算手段(2003)の間の少なくとも1つの第2の伝達手段(2102)と、
前記少なくとも1つの解析手段(2004)と前記少なくとも1つの記憶手段(2002)又は前記少なくとも1つの計算手段(2003)との間の少なくとも1つの第3の伝達手段(2103)と、
前記車両(2001)からの入力データと、
少なくとも1つの外部システム(2005)によって伝達することができる前記少なくとも1つの記憶手段(2002)に記憶された中間データと、
前記少なくとも1つの計算手段(2003)からの少なくとも1つの出力結果と、
前記少なくとも1つの解析手段(2004)からの少なくとも1つの判断と、
を含み、
前記入力データは、前記負荷Z1、前記温度T1、前記圧力P1、前記力FX、前記滑り率g%、前記パラメータQ1及びQ2、前記タイヤの前記使用に関連付けられた前記少なくとも1つのパラメータU、及び該少なくとも1つのパラメータUの前記変動ΔUを含む群に含まれ、
前記中間データは、前記厚みE2、前記装着アセンブリの前記少なくとも1つの構成要素の前記経年劣化D1、前記タイヤの前記トレッドの前記固有厚みE0及び前記寿命末期厚みE
end、該装着アセンブリの前記伝達関数F、前記道路のセクションに関連付けられた該装着アセンブリの前記通過関数β、基準地面に対する該道路のセクションの前記地面の前記マクロ粗度を特徴付ける前記ベクトルMを含む群に含まれ、
前記少なくとも1つの出力結果は、前記タイヤの前記トレッドの前記厚みE、該タイヤの全体的摩耗の前記速度V、前記パラメータUに関連付けられた該タイヤの前記寿命末期予測U
end、前記第1の長手方向剛性Kxx
act、前記第2の長手方向剛性K’xx
ref、前記第3の長手方向剛性K’’xx
refを含む群に含まれ、
前記タイヤの前記摩耗の状態を表す前記少なくとも1つの判断は、少なくとも1つの第4の伝達手段(2104)の支援によって前記少なくとも1つの記憶手段(2002)に伝達される及び/又はそこに記憶される、
ことを特徴とするシステム(2000)。
【請求項12】
記憶手段と前記車両(2001)又は該少なくとも1つの記憶手段(2002)に伝達するための手段(2015)とを含む測定デバイスが備えられた前記装着アセンブリ(2006)を用いて、前記入力データの少なくとも一部が、該装着アセンブリ(2006)から来ることを特徴とする請求項11に記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)及び/又はタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を実施するためのシステム(2000)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第4の伝達手段(2104)は、前記少なくとも1つの判断の通信を達成する前記車両(2001)に伝達するための手段を含むことを特徴とする請求項11及び請求項12のいずれかに記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)及び/又はタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を実施するためのシステム(2000)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第4の伝達手段(2104)は、前記少なくとも1つの判断の通信を達成する車両フリートの管理者のような第三者(2007)に伝達するための手段を含むことを特徴とする請求項11及び請求項12のいずれかに記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)及び/又はタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を実施するためのシステム(2000)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの記憶手段(2002)の一部及び/又は前記少なくとも1つの計算手段(2003)の一部及び/又は前記少なくとも1つの解析手段(2004)の一部が、前記車両(2001)上に又は前記装着アセンブリ(2006)上に位置付けられることを特徴とする請求項11及び請求項14のいずれかに記載のタイヤの全体的摩耗を推定する方法(1000)及び/又はタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を実施するためのシステム(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的な規模で摩耗を推定する方法に関し、車両に対する使用条件下でタイヤの寿命末期を予測する方法及びこれらの方法を実施するためのシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
車両に対する使用条件下でタイヤの摩耗を評価する方法の分野では、この摩耗を決定する簡単で容易な方法は、トレッドの高さの平均減少に対応する全体的な摩耗を評価することであると多くの場合に考えられている。この目的に対して、タイヤのトレッドの摩耗に敏感である中間物理量、例えば、転がり半径Re又は長手方向剛性Kxxを利用することが一般的に想定される。この第2の量は、装着されたアセンブリが道路上を走行する時に車輪中心とトレッドの間の回転速度wの変動によって発生する長手方向力Fxを表す曲線の勾配を表している。タイヤケーシングの全体的摩耗に対する長手方向剛性の感度は、転がり半径の感度よりも遥かに大きい。
【0003】
使用中のタイヤのトレッドの全体的摩耗を特徴付けるのにそのような第2の量を使用する方法は、従来技術から、すなわち、米国特許第607035号から公知である。具体的には、この量は、タイヤケーシングの全体的摩耗を特徴付けるトレッドの高さの減少に敏感である。
【0004】
しかし、この物理量は、膨張圧力、温度、装着アセンブリによって支持される負荷、装着アセンブリが走行している地面の性質のような他のパラメータにも敏感である。これに加えて、タイヤのトレッドの高さの減少だけに起因する長手方向剛性の変動を抽出するために、影響するパラメータの組の変動を考慮に入れることが必要である。この目的に対して、推奨されるソリューションは、追加の測定値又は追加の情報としてこれらの影響パラメータの変動を考慮に入れることにある。これは、直接測定を通じたタイヤの温度又は膨張圧力に関してかなり簡単に見えるが、このタスクは、地面の性質又は他の影響パラメータに関して遥かに微妙である。当然ながら、影響パラメータを考慮に入れないことは、タイヤの全体的摩耗の評価において間違いを犯すことをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第607035号
【文献】国際公開第03/014693号
【文献】仏国出願公開第2948764号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、タイヤの全体的摩耗及び寿命末期予測の推定をより正確にするために影響パラメータの全て及び特に地面の性質を考慮に入れることを可能にするソリューションを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、最初に、車両に対する走行条件下で装着されたアセンブリのタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法に関する。タイヤは、自然な回転軸の周りの回転を示す2つのビーズで終わる2つの側壁によって伸張されるクラウンを有する。クラウンは、自然な回転軸に対してタイヤの外側に半径方向に位置するトレッドを含み、トレッドは、平均厚みEを有する。装着アセンブリは、内部キャビティを区切る構成要素、すなわち、車輪及びタイヤを含む。推定方法は、任意的に装着アセンブリの少なくとも1つの構成要素、好ましくは、タイヤケーシングの識別を取得する段階と、影響ファクタとして少なくとも膨張圧力P、温度T、及び受ける負荷Zを有する第1の関数F1と少なくとも影響ファクタとしてトレッドの厚みEを有する第2の全単射関数F2との積として基準地面に対する長手方向剛性Kxx
refと影響ファクタの間の装着アセンブリの伝達関数Fを取得する段階と、同じ影響ファクタに対する装着アセンブリの長手方向剛性Kxxの比として道路のセクションに対して定義された装着アセンブリの通過関数βを取得する段階であって、分子剛性が、道路のセクションと同等の地面に対して評価され、分母剛性が、基準地面に対して評価される上記取得する段階と、1つのかつ同じ測定サイクルで、装着アセンブリが受ける少なくとも1つの力Fx及び装着アセンブリの車輪中心での少なくとも1つの滑り率g%を決定する段階又はその決定を可能にする車両のパラメータQ1を取得する段階であって、車両がこの道路のセクション上で加速の変動を伴って直線で走行している時に後者は乾燥している上記決定する段階又は取得する段階と、走行条件下で装着されたアセンブリが受ける負荷Z1又は車両のパラメータQ2を決定する段階であって、パラメータQ2がその決定を可能にする上記決定する段階と、走行条件下で装着されたアセンブリの温度T1を決定する段階と、走行条件下で装着されたアセンブリの内部キャビティの膨張圧力P1を決定する段階とを含む。本方法は、それが、力Fxと滑り率g%又はパラメータQ1の間の第1の関係の支援による実際の地面に対する装着アセンブリの第1の長手方向剛性Kxx
actの取得を含み、それが、少なくとも影響ファクタT1、P1、Z1、又はパラメータQ2、及びトレッドの少なくとも1つの固有厚みE0が供給された伝達関数Fの支援による評価される基準地面に対する第2の長手方向剛性Kxx
refの取得を含み、それが、少なくとも影響ファクタT1、P1、Z1が供給された通過関数βの支援によって定義されたスカラーβ
1の取得を含み、かつトレッドの厚みEが、スカラーβ
1、第1の長手方向剛性Kxx
act、及び第2の長手方向剛性Kxx
refの間の第2の関係によって以下のように決定されることを特徴とする。
【0008】
用語「測定サイクル」は、装着アセンブリが、膨張圧力P、温度T、及び受ける負荷Zのようなパラメータに対する使用の同じ条件下にあることを意味すると本明細書では理解される。当然ながら、用語「同じ条件」は、測定サイクル中のこれらのパラメータの変動が測定サイクルを通してこれらのパラメータの平均値に対して有意でないことを意味する。これに加えて、装着アセンブリの状態に関連付けられたトレッドの摩耗E及び他の影響パラメータは、同じ測定サイクルにわたって変化しないと考えられる。具体的に、測定サイクルは、装着アセンブリの状態の変動を観察するのに必要な持続時間よりも遥かに短い持続時間を有する。
【0009】
用語「装着アセンブリの状態サイクル」は、トレッドの厚みのような第2の群Hの影響パラメータがサイクルを通して一定であることを意味すると本明細書では理解される。対照的に、使用に関連付けられた第1の群Gのパラメータは、このサイクルを通して変化する場合がある。
【0010】
用語「データの項目を取得する」は、このデータの項目が測定、推定によって定義され、又はそのデータの項目が包含的方式で決定されることを意味すると本明細書では理解される。
【0011】
その結果、装着アセンブリの様々なパラメータは、測定サイクルに対応する短時間で決定しなければならない。この制約に準拠する従来技術の手段のいずれも使用することができる。従って、圧力P1及び温度T1測定値は、一般的に、直接又は間接センサによって得られることになる。非限定的な例として、装着アセンブリの内部キャビティと流体連通する圧力センサは、膨張圧力の直接測定である。対照的に、内部キャビティに閉じ込められた流体のための温度センサは、装着アセンブリの特にタイヤのトレッドの温度の間接測定である。様々な構成要素(内部流体、装着アセンブリの構成要素、及び外部流体)間及び様々な伝達モード(放射、対流、伝導)での熱交換を考慮に入れる熱モデルの使用が必要である。当然ながら、タイヤに装着された熱電対を通じた測定は、温度のより直接的な測定であるが、これは、それがタイヤケーシングの構造修正を必要とするので実施するのが微妙である。
【0012】
これらのセンサは、従来的に、装着アセンブリ、例えば、内部キャビティを区切るタイヤの内壁に固定されたバルブ又はTMS(タイヤ装着式センサ)に装着されたTPMS(タイヤ圧力モニタリングシステム)に固定された電子システムにパッケージ化される。
【0013】
装着アセンブリが受ける負荷に関連して、様々な測定技術が可能である。評価に基づく初期推定値及び従って車両の全体的な静的負荷の分布が使用される可能性がある。これに加えて、車両の静的質量は、燃料レベル、シートベルト係合器、車両の姿勢、衝撃吸収材の圧縮の状態を含む群に含まれる車両のインジケータを使用して調節することができる。この場合に、車両の1組のパラメータQ1が使用される。
【0014】
装着アセンブリに対するより直接的な測定も想定することができる。例えば、車輪回転当たりの周期信号の較正は、与えられた装着アセンブリに対するタイヤケーシングと地面の間の接触に特徴的な長手方向寸法を抽出することを可能にする。この場合に、タイヤの例えば加速度計又は圧電要素タイプの半径方向及び/又は長手方向変形に敏感なセンサを想定している。この特徴的な寸法と膨張圧力Pの間の図表の使用は、装着アセンブリが受ける負荷Zの評価に戻って作業することを可能にする。
【0015】
当然ながら、他のデバイスを使用することもできる。非限定的な例示的な例として、円周周りに様々な方位で位置する2つの空間的に固定された点でケーシングの少なくとも1つの側壁内の周方向収縮又は伸張の少なくとも2つの測定値の処理は、車輪中心において力を推定することを可能にすることに注意されたい。側壁のこの周方向伸張又は収縮は、側壁のカーカスプライのスレッドの間の距離を測定することによって有利に推定される。装着アセンブリの特性のこの測定の詳細説明に関して本出願人の名前による国際公開第03/014693号を参照することができる。
【0016】
最終的に、長手方向剛性Kxxの測定に関して、これは、実際の地面に対して装着アセンブリの車輪中心での力Fxの測定値及び装着アセンブリの滑り率g%の両方を必要とする。従って、これら2つの量に関する信頼することができる情報を実時間に取得することが必要である。
【0017】
装着アセンブリの車輪中心での長手方向力Fxに関して、それらは、例えば、装着アセンブリの回転軸の周りに印加するトルクとしてそれらがトルクを駆動しているか又は制動しているか否か推定することができる。これは、車両の特性を通じてそれらのデータに戻って作業することが可能であることを伴う。
【0018】
それらはまた、車両の静的負荷及び前及び後車軸の間の駆動及び制動力の分布と結合された車両の重力の中心の長手方向加速として取得することができる。任意的に、装着アセンブリの車輪中心での長手方向力Fxに戻って作業することを可能にする物理的モデルは、道路の勾配、車両の前方移動の速度、車両の空力抵抗、及びタイヤケーシングの転がり抵抗を含む様々なパラメータQ2を考慮に入れる。
【0019】
最終的に、装着アセンブリに対するより直接的な測定は、車輪中心力Fxを評価するために想定することもできる。非限定的な例示的な例として、円周周りに様々な方位で位置する2つの空間的に固定された点においてケーシングの少なくとも1つの側壁内の周方向収縮又は伸張の少なくとも2つの測定値の処理は、車輪中心において力を推定することを可能にすることに注意されたい。側壁のこの周方向伸張又は収縮は、側壁のカーカスプライのスレッドの間の距離を測定することによって有利に推定される。装着アセンブリの特性のこの測定の詳細説明に関して、本出願人の名前による特許文書WO-A-03/014693の参照することができる。
【0020】
長手方向剛性Kxxを評価するのに不可欠の他の特性は、車輪中心での装着アセンブリの滑り率g%である。この量は、ABSシステムのような車両に搭載された電子システムによって供給されるデータから直接推定することができる。それはまた、車輪中心での装着アセンブリの回転速度W、装着アセンブリの転がり半径Re、及び車両の前方移動V0の速度である3つの基本パラメータとして評価することができる。
【0021】
回転速度Wは、クロックに結合された車輪回転符号器によって簡単に取得することができる。摩耗にあまり敏感でない装着アセンブリの転がり半径Reは、車両が移動する距離、及びこの距離を移動するのに装着アセンブリによって実行される回転数の支援によって得られる。最終的に、車両の前方移動V0の速度は、例えば、十分な精度を有するようにRT 3000タイプの高周波測定デバイスを通じて得られる。
【0022】
最終的に、タイヤの全体的摩耗は、装着アセンブリのパラメータの事実上同時に決定によって実時間に評価され、それらは、装着アセンブリの長手方向剛性Kxx及び装着アセンブリの特に潜在的に長時間にわたって決定されたタイヤの状態パラメータに影響を及ぼす使用条件下のものである。
【0023】
特に、通過関数βの支援によって定義されたスカラーβ1であるインジケータによって地面の性質の影響を考慮に入れる必要がある。従来技術で提案されたソリューションとは異なり、選択されたインジケータは、地面のマクロ粗度に関する情報からだけによって構成されない。取りわけ、インジケータは、装着アセンブリに、特に地面とのその相互作用に関連付けられ、それは、地面に接触したタイヤの構造要素であるタイヤのトレッドの剛性として表される。従って、通過関数β、及び結果的にスカラーβ1は、装着アセンブリの長手方向剛性の支援によって定義され、それらは、装着アセンブリに関連付けられる。当然ながら、通過関数βはまた、例えば、GPSデータを使用してその地理的な位置によって特徴付けられた道路のセクションに関連付けられる。しかし、包含的関数は、タイヤの状態及び道路のセクションの実際の地面の性質の推定に応じて、地面の性質に応じて装着アセンブリの長手方向剛性Kxxの感度を知る量βに使用することができる。地面と装着アセンブリの間の相互作用を考慮に入れることは、トレッドの厚みEの品質を識別するための主要なファクタである。装着アセンブリの通過関数βの識別は、実験的特徴付けキャンペーン及び/又は数値シミュレーションを使用して得られる。この目的に対して、1組の特徴付けは、特徴付けるべき地面と基準地面の間に同じ影響ファクタを有する装着アセンブリの長手方向剛性を含んで生成される。通過関数βは、潜在的に装着アセンブリの使用に関連付けられた影響ファクタに依存し、それらは、例えば、装着アセンブリが受ける膨張圧力P、温度T、及び負荷Zである。
【0024】
これに加えて、基準地面に対する伝達関数Fは、装着アセンブリに対するデータの固有の項目である。これは、圧力Pのような使用パラメータ及びトレッドの一般的に道路面に関連付けられたパラメータによって発生するものとは無関係に装着アセンブリのトレッドの摩耗のような状態パラメータよって生じる長手方向剛性の変動を清浄に解離することを可能にする。これに加えて、この伝達機能Fの識別は、制御計量条件下で達成することができる。地面、並びに使用及び状態条件、特に負荷を知ることは、この伝達関数Fの正確な識別に必須である。従って、トレッドの平均厚みEの推定のより良い精度は、実際の地面との相互作用とは無関係に達成される。
【0025】
最終的に、トレッドの全体的摩耗の識別は、非接触測定手段を使用してそれに質問するために停止を必要とせずに走行条件下で実行されて手動検査を実行する又はタイヤを構造的に修正する。その結果、処理は、タイヤ製品に関して煩わしくなく、車両のユーザに対して制限的でもない。
【0026】
好ましくは、装着アセンブリの構成要素のうちの少なくとも1つの経年劣化Dに応じて装着アセンブリの伝達関数Fにより、本方法は、装着アセンブリの第1の状態サイクル内の装着アセンブリの少なくとも1つの構成要素の経年劣化D1の決定を含み、第2の長手方向剛性Kxxrefの取得は、装着アセンブリの少なくとも1つの構成要素の経年劣化D1を使用して達成される。
【0027】
装着アセンブリの構成要素及びタイヤのようなエラストマー化合物に基づく材料を含む非常に具体的にはそれらのものの経年劣化Dは、装着アセンブリの長手方向剛性Kxxに対する無視することができない影響を有する。これは、それらの材料の経年劣化がそれらの材料に関連付けられた構成要素の剛性を修正するためである。これは、この同じ装着アセンブリの経年劣化の2つの状態の間で装着アセンブリの長手方向剛性値に影響を与える。その結果、経年劣化も影響ファクタである。しかし、経年劣化は、装着アセンブリの状態サイクルに関連付けられ、測定サイクルには関連付けられない。その結果、それは、装着アセンブリの状態に関連付けられた第2の群Hの長手方向剛性Kxxに対する影響ファクタである。従って、装着アセンブリの構成要素の経年劣化は、影響ファクタの第1の群のファクタよりも少ない頻度で決定しなければならない。
【0028】
1つの特定の実施形態により、装着アセンブリの少なくとも1つの構成要素の経年劣化D1は、寿命を含む群に含まれる量、移動した合計距離又は達成したサイクルの数、移動した合計距離の又は達成したサイクルの履歴、受けた累積熱機械応力、受けた熱機械応力の履歴、周囲温度、水分含量、オゾンのレベルを含む群に含まれるパラメータによって定義された累積環境条件及び受けた環境条件の履歴のうちの少なくとも1つによって決定される。
【0029】
第1の近似値に関して、構成要素、特にエラストマー化合物を含むものの経年劣化は、車両のデータに登録することができる装着アセンブリの構造構成要素の寿命に例えることができる。
【0030】
具体的には、装着アセンブリの経年劣化及び非常に具体的にはタイヤの経年劣化は、上記リストから1又は2以上のパラメータの支援によって評価することができる。最も基本的なモデルは、その製造の日付としてのタイヤの寿命のみを考慮に入れることである。このデータは、バーコード、QRコード(登録商標)、又はあらゆる他の物理ベクトルのような構成要素自体に存在する識別ベクトルを通じてアクセス可能である。これに加えて、ある一定の物理ベクトルは、情報を閉じ込めて必要に応じて無線周波数でそれと通信することができるRFID(無線周波数識別)として一般的に公知の電子オブジェクトである。
【0031】
別の基本的モジュールは、移動した合計距離又は後者によって達成されたサイクル数を考慮に入れることであると考えられる。装着アセンブリの構成要素の及び特にエラストマー化合物に基づくタイヤの又は製品の特定の経年劣化モデルは、構成要素が受ける熱機械応力の履歴、及び特に構成要素の作動中及び保管中の温度の履歴を考慮に入れることであると考えられる。ここで、装着アセンブリの経年劣化は、それらの物理特性、例えば、剛性の変化にそれ自体現れ、これは、エラストマー化合物に基づく装着アセンブリの構造構成要素上で特に可視である。
【0032】
有利なことに、伝達関数Fの取得及び同じく通過関数βの取得は、数値シミュレーション及び実験的測定を含む群に含まれる特徴付けキャンペーンによって達成される。
【0033】
この伝達関数F及び同じく通過関数βは、1つのかつ同じ基準地面に対する装着アセンブリの長手方向剛性Kxxの評価を必要とする。それらの評価は、車両又はトレーラーのような装着アセンブリを移動する手段の支援によって又は試験ベッド上で様々な影響パラメータを変化させることにより、1つのかつ同じ地面で実験的に実行することができる。同様に、それらの評価は、各評価に関して1つのかつ同じ基準地面を成形することによって数値的に模擬することができる。この第2のオプションは、タイヤモデルの寸法範囲全体に対して又は様々な装着アセンブリ構成要素に対して伝達関数Fを達成するのに必要がある時に廉価である。当然ながら、最初に、2つのタイプの特徴付けを順番に混合し、1つのタイヤサイズ又は特定の装着アセンブリで数値モデルを提示し、次に、タイヤの寸法範囲又は装着アセンブリの構造構成要素の変数に対して数値的に特徴付けを拡張することが可能である。
【0034】
非常に有利なことに、伝達関数Fの取得は、マクロ的に滑らかな地面に対して達成される。
【0035】
用語「マクロ的に滑らかな地面」は、ほぼミリメートルスケールでの地面の具体的特性を意味すると本明細書では理解される。それらの具体的特性は、地面がもはやこのスケールで粗度を示さないと考えられる閾値である。考えられる特性が、標準NF EN13036-1による容積測定を使用するMTD(平均テクスチャ深さの頭字語)である場合に、特性は、それらのビーズの基本的な量又は堆積したビーズの量に対する本方法の較正ガラスビーズによって形成された円の平均直径とすることができ、次に、この地面で決定された0.2メートルの直径を有する円を形成するように広げることができる。考えられるインジケータはまた、標準NF EN13473-1による地面の粗度、MPD(平均プロファイル深さの頭字語)とすることができる。最終的に、考えられるインジケータはまた、地面のマクロ粗度、窪み本体の平均直径、及び/又はその空間密度及び/又はその高さとすることができ、それらは、本出願人の出願公開第2948764号に示すように、地面の3次元プロフィロメトリック測定によって得られ、地面のマクロ粗度は、Densmaxよりも大きい窪み本体の密度、Diammin未満のそれらの窪み本体の平均直径、及びHautmin未満の平均高さになる。それらの様々な閾値の識別は、例としてマクロ的に滑らかであると考えられる3Mからのタイプ120又はNortonからの180の結合地面上の地面のマクロ粗度の特徴付け方法を適用することによって取得することができる。
【0036】
具体的に、地面が低マクロ粗度を有する場合に、装着アセンブリの長手方向剛性Kxxは最大である。これは、影響パラメータの変動においてより高い応答動力学を有することを可能にし、それにより、伝達関数Fを識別しやすくする。これに加えて、滑らかな又はマクロ的に滑らかな地面の数値シミュレーションは基本であり、数値シミュレーションにおいて計算時間を最適化することを可能にする。しかし、例えば、特に平坦な軌道タイプの試験ベッド上での実験キャンペーンでは、滑らかな地面を再現する金属軌道に結合されたフィルムを使用は、タイヤのトレッドと試験ベッドの転がり道路の間の接触パッチで一定のレベルのグリップを得る必要がある。
【0037】
好ましくは、伝達関数Fの取得は、以下のタイプの数学モデルを使用して達成される:
ここで、M
j
0及びE
refは定数であり、α
j及びαは実数であり、M
jは影響ファクタであり、Eはトレッドの厚みである。
【0038】
この形式の伝達関数は、実験結果を位置合わせするのに適しており、例えば、限定的な展開を通じて公称位置の領域に集中するのではなく1組の影響パラメータに対して広範囲の値をカバーすることを可能にする。これに加えて、影響パラメータは、この場合に、互いに無関係であり、それにより、伝達関数Fのパラメータを識別しやすくする。最終的に、この伝達関数は、装着アセンブリとの単一地面、基準地面の相互作用に着目する。装着アセンブリと様々な地面の間のこの結合に対する長手方向剛性Kxxのこの感度は、通過関数βにおいてのみ積分されると考えられる。
【0039】
1つの特定の実施形態により、通過関数βの取得は、装着アセンブリの1つのかつ同じ状態サイクルにおいて様々な道路のセクション、すなわち、乾燥している道路のセクションに関連付けられた1組の測定サイクルを実行する段階と、各測定サイクルに対して、実際の地面上の第1の長手方向剛性kxxact及び基準地面に対する第2の長手方向剛性k’xxrefを取得する段階と、各測定サイクルに対して、第1及び第2の長手方向剛性の間の差Xを取得する段階と、最小の差Xを有するものを識別することによって1組の測定サイクルからターゲット測定サイクルを定める段階と、ターゲット測定サイクルに関連付けられた道路のセクションに対して定義された通過関数βに恒等関数を割り当てる段階とを含む。
【0040】
これは、伝達関数Fがマクロ的に滑らかな地面に対して評価される方法の使用の特定の場合である。従って、第1及び第2の長手方向剛性の間の最小差に対応する道路のセクションに関して、装着アセンブリの1つのかつ同じ使用サイクルで見ることにより、長手方向剛性の測定値を乗算することにより、マクロ的に滑らかな地面に対応するこの差がゼロの道路のセクションに大きく向う傾向があり、又はそれを達成することさえも可能である。100%の確率は、様々な地面タイプを表す1組の道路のセクション上の無数の剛性測定値に対して達成されることになる。従って、差Xを最小にするこの道路のセクション上のこの装着アセンブリに対する通過関数βも恒等に向う傾向がある。トレッドの厚みEの識別は、第1の群Gの影響パラメータを識別することによって直接得られる。
【0041】
恒等関数は、関数のこの場合は通過関数βの1組のパラメータが何であれ、これは、同じ結果、この場合は1の値を有するスカラーβ1を常に戻すと本明細書では理解される。
【0042】
当然ながら、タイヤの摩耗の将来評価において道路面のこの固有の量を再利用することを可能にするために、この道路のセクションに対して定義された通過関数βにより、この道路のセクションの地理的な位置を関連付ける事が重要である。一般的に、この道路のセクションの位置は、車両によって送出されたGPSデータとして得られる。
【0043】
1つの好ましい実施形態により、通過関数βの取得は、トレッドの平均厚みE2を取得する段階と、装着アセンブリの1つのかつ同じ状態サイクルにおいて、道路のセクション、すなわち、乾燥している道路のセクションに関連付けられた測定サイクルを実行する段階と、実際の地面に対する第1の長手方向剛性kxxactを取得する段階と、基準地面に対する第3の長手方向剛性k’’xxref、すなわち、測定サイクル中に取得した影響パラメータ及びトレッドの厚みE2を含むパラメータが供給された伝達関数Fの支援によって評価されている第3の長手方向剛性を取得する段階と、実際の地面上の第1の長手方向剛性kxxact対基準地面に対する第3の長手方向剛性k’’xxrefの比として係数λを取得する段階と、測定サイクルに関連付けられた点(λ、P1、Z1、T1)を通過する道路のセクションに関連付けられた通過関数βを決定する段階とを含む。
【0044】
従って、タイヤのトレッドの高さE、すなわち、全高又は部分高さに関係なく、装着アセンブリの伝達関数Fを使用して、車両上の長手方向剛性の測定に適する道路のセクションに関連付けられた通過関数βを識別することが可能である。トレッドの高さEのこの評価は、例えば、タイヤがまだ転がっていないか又は少しだけ転がっている時の推定により、又は「ドライブ-オーバースキャナ」タイプの電子デバイスを通じて手動又は間接測定器の支援によってスポット測定として測定によって取得することができる。
【0045】
当然ながら、タイヤの又は他のタイヤの摩耗の将来評価において道路面のこの固有の量を再利用することを可能にするために、この道路の第2のセクションの地理的な位置をこの道路の第2のセクションの通過関数βに関連付けることが重要である。一般的に、この道路の第2のセクションの位置は、車両によって送出されたGPSデータとして得られる。
【0046】
第3の好ましい実施形態により、通過関数βの取得は、装着アセンブリの通過関数β2、すなわち、道路の第2のセクションに対して定義されている通過関数を取得する段階と、道路の第2のセクションの地面に関して、基準地面に対して地面のマクロ粗度を特徴付けるベクトルM2を取得する段階と、道路のセクションの地面に関して、基準地面に対して地面のマクロ粗度を特徴付けるベクトルMを取得する段階と、通過関数β2とベクトルMに対するベクトルM2の相対位置の間の関係によって道路のセクションに対して定義されている装着アセンブリの通過関数βを決定する段階とを含む。
【0047】
用語「マクロ粗度」は、ほぼミリメートルスケールでの地面の構造特性を意味すると本明細書では理解される。各特性は、地面の全体的なマクロ粗度に関連付けられたベクトルMの変数を表している。当然ながら、ベクトルは、例えば、MTD(平均テクスチャ深さの頭字語)を表すスカラーに限定することができる。これはまた、地面のマクロ粗度の一定数の記述子が単位面積当たりの窪み本体、それらの窪み本体の平均半径、及びそれらの平均高さとして考慮に入れられる場合にn次元ベクトルとすることができる。
【0048】
1つの好ましい実施形態により、全体的摩耗のレベルを推定する方法は、以下の追加の段階:トレッドの少なくとも2つの厚みEの間で、タイヤの達成回転サイクル、移動キロメートル、時間、使用時間を含む群に含まれるタイヤの使用に関連付けられた少なくとも1つのパラメータUの変動ΔUを決定する段階と、トレッドの少なくとも2つの厚みEの間の厚みの変動ΔEとタイヤの使用に関連付けられた少なくとも1つのパラメータUの変動ΔUとの間の比によって定義されたタイヤの全体的摩耗の少なくとも1つの速度Vを決定する段階とを含む。
【0049】
タイヤの全体的摩耗の推定はデータの不可欠な項目であるが、将来推定中にタイヤの摩耗レベルを必要に応じて予測するためにタイヤの全体的摩耗の比を決定しなければならない。これは、例えば、通過関数βの識別を改善することによって全体的摩耗を推定するためのモデルを必要に応じて補足することを可能にする。これは、通過関数βが地面の性質だけではなくタイヤのトレッドの剛性にも依存しているためであり、これは、装着アセンブリと地面の間の相互作用に影響を及ぼすことになる。しかし、タイヤのこの構成要素の剛性は、それが作られる材料の特性と、同じくその形状及び非常に具体的にはその厚みとの両方に依存する。
【0050】
当然ながら、全体的摩耗のこの比は、タイヤの2つの状態の間のトレッドの厚みEの変動、及びタイヤの使用に関連付けられたパラメータの変動の両方にのみ依存する。タイヤの使用に関連付けられた最も関係のあるパラメータの中でも、厚みEの2つの推定の間で達成されるサイクルの数又は移動する距離は、厚みEの2つの推定の間のタイヤの合計時間又は単なる使用時間と有利に関連付けることができる。
【0051】
本発明はまた、タイヤの全体的摩耗を推定する方法を使用して、このタイヤを含む第1の装着アセンブリのタイヤの少なくとも1つの第1の状態サイクル中にタイヤのトレッドの少なくとも1つの厚みE1を決定する段階と、タイヤの全体的摩耗を推定する方法を使用して、少なくとも1つの厚みE1に関連するタイヤの全体的摩耗の速度V1を決定する段階と、少なくとも1つの厚みE1に関連するタイヤの使用に関連付けられたパラメータUの値U1を決定する段階と、全体的摩耗の速度V1、値U1に関連付けられた少なくとも1つの厚みE1、及び寿命末期の厚みEendをリンクする第2の関数によって定義されるパラメータUの値Uendの支援によってタイヤの寿命末期の予測を決定する段階とを含む平均厚みE、固有厚みE0、及び寿命末期の厚みEendを有するタイヤの自然な回転軸に対して外側に半径方向に位置するトレッドを有するタイヤの寿命末期を予測する方法にも関する。
【0052】
タイヤの寿命末期の第1の推定は、タイヤの使用を説明するパラメータの値Uendとして決定される。タイヤの使用に関連付けられたパラメータの値U1が関連しているトレッドの厚みの推定E1に関連付けられた全体的摩耗の速度V1を外挿することにより、タイヤの使用に関連付けられたパラメータUの閾値に対応する値Uendを識別することができる。
【0053】
当然ながら、寿命末期の予測が値Uendの近くで実行されるほど、予測の品質が改善される。しかし、本方法は、車両のユーザ又はタイヤの使用可能性のある仲介者に定期的に情報を与えることを可能にする。
【0054】
本方法が基づいている全体的摩耗を予測する方法を実施する簡素化に関連付けられた寿命末期の計算を計算する迅速性は、タイヤの摩耗に関連する車両に対して保守作動を計画して組織化するためのある一定の利点を本方法に与える。
【0055】
本発明はまた、走行条件下に置くことができる上述のタイヤを含む少なくとも1つの装着アセンブリが装着された車両と、記憶手段と、計算手段と、解析手段と、車両と少なくとも1つの記憶手段の間の第1の伝達手段と、少なくとも1つの記憶手段と少なくとも1つの計算手段の間の第2の伝達手段と、解析手段と記憶手段又は計算手段の間の第3の伝達手段と、車両からの入力データと、外部システムによって伝達することができる記憶手段に記憶された中間データと、計算手段からの出力結果と、解析手段からの決定とを含むタイヤの全体的摩耗のレベルを推定する方法及び/又はタイヤの寿命末期を予測する方法を実施するためのシステムに関する。入力データは、負荷Z1、温度T1、圧力P1、力Fx、滑り率g%、パラメータQ1及びQ2、タイヤの使用に関連付けられたパラメータU、及びパラメータUの変動ΔUを含む群に含まれる。中間データは、厚みE2、装着アセンブリの構成要素の経年劣化D1、タイヤのトレッドの固有厚みE0及び寿命末期の厚みEend、装着アセンブリの伝達関数F、道路のセクションに関連付けられた装着アセンブリの通過関数β、及び基準地面と比較して道路のセクションの地面のマクロ粗度を特徴付けるベクトルMを含む群に含まれる。出力結果は、タイヤのトレッドの厚みE、タイヤの全体的摩耗の速度V、パラメータUに関連付けられたタイヤの寿命末期の予測Uend、第1の長手方向剛性Kxxact、第2の長手方向剛性Kxxref、第3の長手方向剛性K’’xxrefを含む群に含まれる。タイヤの摩耗の状態を表す判断は、第4の伝達手段の支援によって記憶手段に伝達される及び/又は記憶される。
【0056】
このシステムは、本発明の方法を実施することを可能にする。具体的には、入力データを取得するための手段が装着された車両は、それらのデータを記憶手段に伝達する。車両と記憶手段の間の通信は、全国、地域、又は国際規格に従って例えばBluetooth、Wi-Fi、GSM/GPRSタイプ又はあらゆる他の周波数帯域又は無線通信技術の有線又は無線周波数に従う場合がある。記憶手段はまた、各量を取得するための又は各量を記憶するためのドライブ-オーバースキャナ、データベース、又はあらゆる他のシステムのような外部システムと通信状態にすることができる。記憶手段と外部システムの間の通信は、有線で又は無線周波数通信によって独立に達成される。この記憶手段は、本発明の処理によって得られる計算作動を実行する計算手段と通信するその一部のためのものである。それらの計算作動は、処理の終わりに結果を戻し、記憶手段に記憶された入力データ又は中間データ又は第1の計算からの結果である入力パラメータが供給される。
【0057】
システムはまた、従来の方式で記憶手段又は計算手段に由来する結果タイプの入力パラメータを検索し、タイヤケーシングの摩耗のレベル又は寿命末期の予測に関する決定を戻す解析手段を有する。この決定は、これに代えて、決定の性質によって、例えば、高さの半分に至るまで摩耗するか又は限界に至るまで摩耗するかに応じて行われるアクションに応じて通信によって記憶手段に伝達又は記憶することができる。解析手段に到着する又は離れる通信の全ては、有線又は無線周波数タイプである。
【0058】
装着アセンブリに記憶手段と車両に又は少なくとも1つの記憶手段に伝達するための手段とを含む測定デバイスが装着された1つの特定の実施形態では、入力データの一部は、装着アセンブリから来る。
【0059】
例えば、装着アセンブリの流体キャビティの膨張圧力、温度を取得することを可能にする測定センサが装着アセンブリに装着される時に、一般的に、Bluetoothの無線周波数、車両又はGSM/GPRSと通信するためのWi-Fiタイプ、及び車両の外部の要素と通信するための低速ネットワークにより、測定データのための記憶手段及び通信手段が装着されて、支持された道路Z、車輪中心での力、移動距離又は達成されたサイクルの数を取得することができ、それらは、例えば、記憶手段とすることができ、装着アセンブリは、更に入力データの2次情報源又は主要情報源である。この場合に、装着アセンブリは、車両を本発明の処理を実施するためのシステム内で部分的又は完全にその機能で置換する。
【0060】
有利なことに、第4の伝達手段は、少なくとも1つの判断の通信を達成する車両に伝達するための手段を含む。
【0061】
解析手段からの決定は、タイヤケーシングの状態に関連付けられた危険のレベルに関して車両の運転者のような意思決定者に伝達する必要がある場合に、あらゆるタイプの通信を通じてシステムが車両に直接決定を伝達することを可能にしなければならない。
【0062】
好ましくは、第4の伝達手段は、少なくとも1つの判断の通信を達成する車両隊の管理者のような第三者に伝達するための手段を含む。
【0063】
解析手段からの決定は、装着アセンブリの安全性に関して緊急ではないが、近づいているアクション、例えば、予防保守作動に関して意思決定者によって決定を行う必要がある場合に、保守又は近づいている作動を配置するためにできるだけ迅速にこの意思決定者に伝達しなければならない。他の場合に、決定は、装着アセンブリの摩耗の成長又は寿命末期の予測の追跡可能性に関して記憶手段に伝達される。
【0064】
1つの非常に具体的な実施形態により、記憶手段の一部及び/又は計算手段の一部及び/又は解析手段の一部は、車両上又は装着アセンブリ上に位置付けられる。
【0065】
これは、車両が実施システムの様々な要素の物理的ホストである特定の事例である。従って、車両は、処理の様々な入力パラメータにアクセスするために外部システムと通信するための手段を有する。それはまた、本方法の結果を取得のための現在の作動を実行する計算機と、装着アセンブリの臨界状態を検出するための解析手段とを有する。決定は、保守作動を計画するか又は例えばタイヤの摩耗状態に車両の使用を適応させるために運転者又は製造業者に戻される。
【0066】
本発明は、以下の説明を読むことによってより良く理解されるであろう。この出願は、単に例として与えるものであり、かつ添付図面を参照するものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】装着アセンブリの使用パラメータに応じて長手方向剛性Kxx
refの特徴付け曲線を提示する図である。
【
図2】装着アセンブリのトレッドの厚みE及び地面の効果に応じて長手方向剛性Kxx
refの特徴付けを提示する図である。
【
図3】1つのかつ同じ実際の地面上のタイヤの2つの状態の車両上に装着されたアセンブリの曲線Fxの変動(g%)を提示する図である。
【
図4】本方法の支援によって評価されたタイヤの寿命末期の予測を提示する図である。
【
図6】本方法の処理を実施するためのシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
1a~1cのインデックス付き図面は、8.5J19 ET0タイプの板金機械車輪に装着されたPilotSport 4S範囲からのサイズ235/35R19のミシュラン銘柄タイヤで構成された装着アセンブリの特徴付け曲線の図を提示している。こうして形成された装着アセンブリは、450kgの公称負荷の下で2.6バールに対して公称条件下で膨脹する。特徴付けは、3M銘柄の結合地面120を備えた平坦な軌道タイプの試験ベッドで実行される。装着アセンブリは、適度な応力のサイクルにわたる20分間装着アセンブリ事前転がり後に、一直線の制動及び加速作動で構成された応力のサイクルを受ける。この事前転がりは、装着アセンブリを安定した熱状態の中に熱機械的に置くことを可能にする。
【0069】
装着アセンブリの温度及び圧力の測定値は、センサが実質的にタイヤの中央平面にあるようにクラウンと一致してタイヤの内側ライナに位置決めされたTMSを通じて達成される。装着アセンブリが受ける負荷は、試験ベッドのシリンダの支援によって印加され、又はダイナモメトリックハブが、印加する垂直力Fz及び同じく長手方向成分Fx、並びに軸線方向成分Fyを測定する。測定は、印加する垂直力Fzを制御することによって強制力で達成される。装着アセンブリの回転軸の周りのトルクの変動は、試験ベッドを通じて装着アセンブリの車輪中心に印加される。印加するトルクは、ダイナモメトリックハブの支援によって測定される。これに加えて、試験ベッドの回転軸の固定子と回転子の間に装着された符号器による装着アセンブリの車輪中心の回転速度と同様に、装着アセンブリの回転軸のそれが走行する地面に対する位置が測定される。最終的に、地面の走行はまた、機械によって制御される。これに加えて、運動センサは、地面が走行する速度を測定する。結合コーティングの存在は、マクロ的に滑らかな地面上を走行する任意的な条件に準拠しながら、地面上のタイヤの滑りを回避することを可能にする。
【0070】
[
図1A]は、この装着アセンブリに関して、いくつかの制御負荷及び温度条件に対してこの装着アセンブリのためのETRTO(欧州タイヤ及びリム技術機構)規格により、3つの可能な膨張圧力の間で装着アセンブリの膨張圧力Pを変化させることにより、上述の装着アセンブリに対してマクロ的に滑らかと呼ばれる基準地面で得られるドットで表された実験特徴付けを提示している。連続曲線は、実験点と数学モデルの間の誤差を最小にする独立影響パラメータタイプの伝達関数F(1005)モデルである。膨張圧力P内の第2の長手方向剛性Kxx
refの依存は、明確に明らかである。制御計量条件下で得られる測定点は、膨張圧力のパラメータに関連付けられた伝達関数F(1005)の様々なパラメータを識別することを可能にする。
【0071】
[
図1B]及び[
図1C]は、それぞれ温度及び印加された負荷を変化させることによって平坦な軌道タイプの試験ベッドで達成される同じ装着アセンブリの特性を示している。
図1bの温度変化は、一般的に、様々な使用条件下で遭遇する可能性がある装着アセンブリの温度変化に対応する。それらは、試験ベッドを受け入れるセルの調節温度を変化させることにより、及びタイヤに印加される応力のより多い又はより少ない変動を適用することによって得られる。試験ベッド上で制御することが困難な温度に関して、装着アセンブリの数値シミュレーションモデルの使用が行われた。第1のフェーズでは、数値モデル、特に、タイヤの数値モデルが実験的測定を使用して検証された。第2のフェーズでは、数値シミュレーションが、実験で再現することが困難な熱応力に対して達成された。数値モデルに関して、地面は、試験ベッド上の結合地面を表す滑りにくい滑らかな地面である。
【0072】
[
図1C]に対する負荷の変動は、ETRTO規格による装着アセンブリに対して許容される負荷に準拠する試験ベッドの制御負荷を修正することによって得られる。
【0073】
連続曲線は、1組の影響パラメータではパラメータが互いに無関係であると考えられるこの装着アセンブリに対して識別された伝達関数F(1005)の数学モデルである。様々な実験曲線に対する数学モデルの再調節は、マクロ的に滑らかなタイプの基準地面に対する装着アセンブリの伝達関数F(1005)の様々な係数の固有の識別を可能にする。
【0074】
当然ながら、第1の群Gの影響パラメータに対する特徴付けは、タイヤの全体的摩耗の経年劣化及びレベルのような第2の群Hの及び特徴付けを意図している以外の第1の群Gの各影響パラメータの少なくとも3つの異なるレベルで達成される。
【0075】
最終的に、特定の装着アセンブリの実験的測定を使用して以前に検証された数値モデルにより、装着アセンブリの他の構成要素、印加する熱機械応力、及び装着アセンブリの様々な状態を修正することによって数値シミュレーションキャンペーンを形成するように、タイヤの数値モデルを再利用することが好ましい。数値シミュレーションは、タイヤの数値モデルの検証フェーズの後の実験キャンペーンよりも時間がかからず、消費するリソースがより少ない。
【0076】
[
図2]は、合金車輪6.5J15 ET23に装着されたサイズ195/65R15のエネルギ節約タイプのタイヤを含む装着アセンブリに対して取得した基準地面に対する第2の長手方向剛性Kxx
refの変化を提示している。測定値は、マクロ粗度がプロフィロメトリーによってモニタされる試験軌道上を走行しながら解析トレーラー上で取られた。この場合に、可変パラメータは、同様に装着されている装着アセンブリの印加された負荷、膨張圧力、及び温度のような長手方向剛性の様々な他の影響パラメータを有するトレッドの平均厚みEである。移動式試験ベッドは、タイヤの自然な回転軸の周りの装着アセンブリにトルクを印加することによって加速及び減速の両方を伴う様々な加速フェーズに装着アセンブリを露出する。トレッドの平均厚みの変動は、1つのかつ同じタイヤの調製サイクルにおいてタイヤの自動平削りによって得られる。従って、様々なタイヤの経年劣化は類似している。装着アセンブリの自然な回転軸の高度は、各装着アセンブリに印加される負荷が同一であるように適応された。タイヤの速度は、CANバス上で取り出された移動式試験ベッドの速度に関する情報を通じて移動式試験ベッドの線速度に対応する。装着アセンブリの地面に対する車輪中心の高さを測定するための車輪マーカ及び位置手段は機器を完成させる。
【0077】
一般的に、タイヤ装着乗用車及びバンに関して、車輪中心で印加するトルクは、タイヤが地面上で滑らないことを保証するために約30daN.mであり、これは、地面に対して使用条件下でトレッドの材料の滑り係数が達成されないというようなものである。当然ながら、この印加するトルクは、測定すべきタイヤのカテゴリに応じて適応されるはずである。
【0078】
ドットによって表された離散的測定値は、試験軌道の基準地面上で試験中に推定される長手方向剛性の実験特徴付けに対応する。実線曲線は、基準地面に関連付けられた通過関数β(1004)によって補正された装着アセンブリの伝達関数F(1005)の支援によって評価された第2の長手方向剛的に対応する。2つの他のドット又は破線曲線は、実際の地面1又は2に関連付けられた通過関数β(1004)によって各々補正された装着アセンブリの伝達関数F(1005)の支援によって評価された第2の長手方向剛的に対応する。この場合に、使用する伝達関数F(1005)は、様々な独立パラメータのべき関数の積でもある。通過関数β(1004)は、公知の装着アセンブリの伝達関数F(1005)のみで実際の地面上の長手方向剛性を推定することを可能にする。通過関数β(1004)は、地面に関係なく多かれ少なかれ一定であるか又は与えられた地面に対するトレッドの厚みEに依存する。様々な地面は、粗度の観点から制御される地面であり、1つのかつ同じタイヤに関して地面の性質を考慮に入れることを可能にする通過関数β(1004)の多様性を取得することを可能にする。
【0079】
当然ながら、同一の方法によって様々な種類の経年劣化を受けているタイヤを調製することにより、装着アセンブリのかつ特にタイヤの経年劣化Dの影響の推定を取得することができる。例えば、様々な温度でのオーブン内の特定の保管条件として経年劣化を加速することにより、又はより多い又はより少ない熱機械応力で走行セッションを実行することにより、様々な種類の経年劣化がタイヤの間で得られることになる。様々なタイヤの平削りも、伝達関数F(1005)の識別のために特徴付けキャンペーンの前にトレッドの1つのかつ同じ厚みEを得るためにこの場合に達成することができる。
【0080】
[
図3]は、タイプ8.5J19 ET20の合金車輪に装着された範囲PilotSport 4Sからのサイズ235/35ZR19のミシュラン銘柄タイヤで構成された装着アセンブリの滑り率g%の比の関数として装着アセンブリの長手方向の力Fxの曲線を提示している。この装着アセンブリは、フォード銘柄の牽引タイプのフォーカスST車両の前車軸に装着される。
【0081】
測定値は、同じ使用条件を有するタイヤの2つの異なる状態に対して1つのかつ同じ道路のセクションで取られた。灰色の測定点は、タイヤの僅かに摩耗した若い状態に近い厚みE1及び経年劣化D1を有するタイヤの状態を表している。黒い測定点は、厚みE2に対応するタイヤの第2の状態、及びタイヤの寿命末期に近い状態に対応する経年劣化D2及び温暖な国内の平均使用1年と同等の経年劣化のレベルを表している。35daN.mを超えない駆動トルクまでのコース上の加速フェーズのみが、タイヤが路面で滑らないことを考察するために本明細書では示されている。
【0082】
タイヤの各状態の測定点の線形回帰直線であるとして定義された連続曲線の支援によって2つの装着アセンブリの実際の地面上の第1の長手方向剛性(1009)がここで推定される。実際の地面上の長手方向剛性のレベルは、タイヤの状態によって影響を受けることを見ることができ、他のパラメータは、タイヤの2つの状態の間で同等であると考えられる。
【0083】
[
図4]は、タイヤ全体的摩耗の推定される進行をこのタイヤの使用に関連付けられたタイヤUの変化に対して示している。このパラメータUは、例えば、タイヤによって移動する距離又は達成する回転サイクル数とすることができる。推定は、実線円で表されるタイヤの使用を通して定期的に行われる長手方向剛性(1009、1010)の取得を通じて実行される。タイヤのトレッドの性質及び地面のマクロ粗度の推定に応じて、第1の通過関数β(1004)は、パラメータ(1007、1008)の測定が定期的に実行される道路のセクションにわたって識別され、実際の地面上の第1の長手方向剛性(1009)及び基準地面に対する第2の長手方向剛性(1010)を取得することを可能にする。従って、本発明による方法(1000)は、特徴的厚みE0(1002)に対してタイヤの使用中にトレッドの平均厚みの変動を推定することを可能にする。従って、平均厚み(1011)の2つの取得の間のトレッドの平均厚みΔEの少なくとも変動、例えば、基準として2つの平均厚みの間のパラメータUの変動ΔU(1012)を知ると同時に、タイヤの使用中の新しい状態及び測定値を考慮に入れることにより、摩耗の速度V(1013)を推定することが可能である。安全上の危険がそれよりも下では大きく強調されるトレッドの寿命末期の厚みE
end(1003)を知ることは、寿命末期を予測する方法(1100)の支援によってU
end(1015)と呼ばれるパラメータUにより寿命末期の予測を識別することを可能にする。
【0084】
当然ながら、予測は、通過関数β(1004)に関する仮説に基づいている。タイヤの使用中に、タイヤの平均厚みの測定値E2が取られる場合に、例えば、搬送車両の専門家でのタイヤの点検中に、又は高速道路料金所又は信号機においてドライブ-オーバースキャナを通過する時に、道路のセクションの通過関数β(1004)の新しい評価を達成することができる。これは、トレッドの平均厚みの実際の測定値E2を単に考慮に入れるだけであることを示す不連続性によって
図4の曲線上にそれ自体現れている。
図4の正方形で表された新しい点は、トレッドの厚みE2によって特徴付けられるこの測定点を示している。次に、起こる場合がある勾配の変化は、道路のセクションに関連付けられた通過関数β(1004)の調節から生じる。この調節は、全体的摩耗E2のレベルに関連付けられた通過関数β(1004)の点を識別することによって行われる。次に、タイヤの摩耗の速度Vを再現する再適応勾配で取得した新しい曲線は、タイヤの寿命末期の摩耗U
end(1015)を推定するために、トレッドの寿命末期の厚みE
end(1003)によって定義された直線の上に投影することができる。ここで、タイヤの全体的摩耗の推定(1011)は、地理的な位置によって位置付けられた1つの及び同じ道路のセクションで定期的に実現されると仮定している。従って、地面の変化は、例えば、第1の長手方向剛性(1009)を得るのに基準として取られた道路のセクションの変化から生じる可能性がある。地面の変化はまた、タイヤの使用中に通過関数β(1004)の調節から生じる場合がある。従って、新しい状態では、包含的関数は、測定サイクルが実行される地面の性質の不慣れにより、恒等関数として通過関数β(1004)に寄与する。タイヤの使用中に、通過関数β(1004)のための特徴付け方法を使用して、例えば、トレッドの平均厚みE2の真の測定は、地面の性質をより多く表す通過関数β(1004)を識別することを可能にする。
【0085】
[
図5]は、全体の摩耗を推定する方法(1000)及び車両に対する走行条件下でタイヤの寿命末期を予測する方法(1100)を組み込む流れ図である。
【0086】
段階1001は、装着アセンブリのかつ非常に具体的にはタイヤの識別である。この段階は、データベースにおいて車両に関連付けられた装着アセンブリの構成要素の識別子の割り当てを介して実行することができる。
【0087】
識別1001は、最初に、例えば、段階1003に対応するタイヤの新しい状態及び寿命末期の厚みEendとして段階1002に対応する固有厚みE0を定めることを可能にする。次に、装着アセンブリの識別1001はまた、タイヤのトレッドの剛性を知ることを可能にし、それにより、複数の可能な通過関数からマクロ粗度によって特徴付けられる道路のセクションに各々関連付けられた1又は2以上の通過関数β(1004)を推定することを可能にする。それに失敗すると、ユーザは、車両が遭遇することになる道路のセクションの中央値の性質を表す通過関数βのリストから通過関数β(1004)を選択する。通過関数βの選択は、段階1004に対応する。最終的に、識別1001は、段階1005に対応する装着アセンブリの伝達関数Fを選択することも可能にする。この伝達機能Fは、全体的摩耗を推定する方法に不可欠である。
【0088】
次に、必要に応じて、ユーザは、段階1006に対応するタイヤの経年劣化の状態を見出す。これは、タイヤの使用履歴を知るためにタイヤの識別(1001)を通過する。この履歴は、データベースに質問することによって見出すことができる。このデータベースは、車両又はサーバ上に存在する装着アセンブリの外部である場合がある。タイヤの経年劣化D1(1006)の状態が製品の寿命又は達成されたサイクルの総数又は移動キロメートルだけに関係する場合に、情報は、TMS又はTPMSタイプの電子デバイスとして装着アセンブリ上に存在する可能性がある。必然的に、この段階1006は、タイヤの平均厚みを評価するための測定サイクルを含む状態サイクル中に行われる。
【0089】
次の段階1007及び1008は、測定サイクル中に達成される。第1の段階1007は、加速及び減速フェーズを含む乾燥道路上を直線で走行する時に、装着アセンブリの車輪中心で測定された関連の力Fx、及び関連の滑り率g%を取得することにある。車輪中心に直接力Fxがない場合に、車両のパラメータQ1へのアクセスは、加速又は減速フェーズ中に車輪中心での力Fx、例えば、装着アセンブリの自然な回転軸の周りの車輪中心に印加されるトルクの推定を可能にする。段階1008は、膨張圧力P1、装着アセンブリの温度T1、及び印加される負荷Z1のような装着アセンブリの使用パラメータ、又は負荷Z1を取得することを可能にする車両のパラメータQ2の取得に対応する。それらのパラメータQ2は、例えば、車両の静的質量、燃料タンクの充填状態、及びバックル付きシートベルトの数のインジケータとすることができる。この段階1008は、段階1007で達成される直線での走行直前、その間、又はその後に達成されるはずである。
【0090】
段階1009は、時系列的には段階1007に続くが、それは、2つの測定サイクルの間で行うことができる。測定された又は評価された力Fx、及び乾燥道路のセクションで走行する時の関連の滑り率g%に基づいて、値(Fx、g%)の対に関連付けられた点クラウドがプロットされる。この点クラウドに関して、タイヤが道路のセクションで滑らない点の組のみが保持される。最終的に、保持された点の組の線形回帰直線が識別される。この回帰直線の勾配は、乾燥道路のセクションに対応する実際の地面上の第1の長手方向剛性Kxxactの推定に対応する。
【0091】
段階1010は、段階1002及び1005と結合された段階1008に時系列的に続く。従って、装着アセンブリの識別(1001)によって選択された伝達関数F(1005)に基づいて、基準地面に対する第2の長手方向剛性Kxxrefは、段階1008で測定した使用パラメータP1、T1、及びZ1を有する伝達関数F(1005)と、段階1002で選択された厚み特性E0とを供給することによって推定される。経年劣化に対する装着アセンブリの特性の感度に応じて、この段階1010は、段階1006と結合することもでき、ここで、装着アセンブリの経年劣化D1の評価が達成される。
【0092】
以下の段階1011は、トレッドの平均厚みの評価に及び従ってこの評価された平均厚みをEend及びE0のようなタイヤの特定の厚みと比較することにより、タイヤの全体的摩耗に対応する。この目的に対して、段階1004、1007、及び1008の結果の間の関係が適用され、その結果は、タイヤの状態サイクルに関連付けられた平均厚みEである。基準地面に対する第2の長手方向剛性Kxxref(1010)が、特許請求の範囲で主張するように独立影響ファクタのべき関数の積である伝達関数F(1005)の支援によって定義される時に、厚みEは、次に、定数Erefと、通過関数β(1004)の積に対する実際の地面上の第1の長手方向剛性(1009)及び基準地面に対する第2の長手方向剛性(1010)の比のアルファルートとの積としてこの伝達関数F(1005)から分離することができる。通過関数β(1004)は、トレッドの平均厚みを有する常数であるとしてここでは考えられることになる。相互に独立した影響パラメータの場合に、平均厚みEを識別する関係はより複雑である。
【0093】
次の段階1012は、トレッドの平均厚みの2つの取得の間でタイヤの使用に関連付けられたパラメータUの変動ΔUを取得することにある。パラメータUは、例えば、自然な回転軸の周りの回転サイクルの数、又はトレッドによる移動キロメートルの数、又はタイヤの使用時間とすることができる。トレッドの平均厚みの2つの取得(E1、E2)は、例えば、タイヤの摩耗の2つの状態に対応する方法によって実行される2つの評価、又はタイヤの新しい状態と組み合わされたトレッドの平均厚みの評価、又は外部測定手段を使用するタイヤの平均厚みの測定とすることができる。
【0094】
続く段階1013は、タイヤの摩耗の速度Vの及びより具体的にはタイヤのトレッドの平均厚みの取得の点でのトレッドの評価である。この目的に対して、上述の段階で取得したタイヤの使用に関連付けられたパラメータUの変動ΔUと平均厚みΔEの対応する変動との両方を有することが必要である。変動ΔEは、先行する段階で達成された変動ΔUに対する基準点として機能する2つの取得(E1、E2)の間の差である。平均厚みΔEの変動対タイヤの使用に関連付けられたパラメータの変動ΔUの比は、パラメータUによるトレッドの平均厚みの摩耗の速度Vを定める。
【0095】
当然ながら、タイヤの使用に関連付けられたパラメータUの変動ΔUは、段階1014で達成されるパラメータUの取得(U1、U2)の間の差からも生じる可能性がある。
【0096】
最終的に、最後の段階1015は、タイヤの使用に関連付けられたパラメータUにより寿命末期Uendの予測を評価することにある。これは、段階1003、1011、1013、及び1014の結果を組み合わせることによって得られる。
【0097】
[
図6]は、全体的摩耗のレベルを推定するための及びタイヤの寿命末期を予測するための処理を実施するためのシステムの流れ図である。流れ図は、バブルによって表される構造要素、及び構造要素の間の線によって表される構造要素の間の伝達手段を含む。線は、その端部において、伝達手段の終点を示す実線円又は伝達手段の開始点を示す実線ひし形を含むことができる。そうであっても、図示した通信の方向は、例えば、処理が別の構造要素に対して構造要素に質問するフェーズを組み込む場合に両側とすることもできる。最終的に、流れ図は、矩形の形態で様々な構造要素に閉じ込められてそれらの間で交換されたデータも含む。
【0098】
入力データは、車両2001に存在する。それらはまた、本発明の当該の方法の関連の領域であるタイヤを含む装着アセンブリ2006に少なくとも部分的に存在する可能性がある。それらの入力データは、伝達手段2101を通じて記憶手段2002に渡される。入力データの一部が装着アセンブリ2006に由来する時に、それらは、直接又は車両2001を通じて記憶手段2002に伝達される。2015と表示する装着アセンブリからの伝達手段は、黒いドットによって表されている。
【0099】
記憶手段2002に閉じ込められた中間データは、車両2001からの入力データに一部は由来する。しかし、それらは、伝達手段2106を通じて外部システム2005に由来する可能性がある。外部システムに由来するそれらの中間データは、例えば、タイヤのトレッドの剛性と道路のセクションの性質の間にリンクを形成する装着アセンブリ又は通過関数βに関連付けられた伝達関数Fとすることができる。
【0100】
次に、システムは、中間データの間の作動による様々な結果を取得するための計算手段2003を含む。その結果、伝達手段2102は、結果を生成するために計算手段2003への中間データの通信を可能にする。
【0101】
これらの結果は、次に、直接又は記憶手段2002を通じてのいずれかで点線の形態で伝達手段2103を通じて解析手段2004に渡すことができる。解析手段2004は、次に、判断を下し、これは、灰色の鎖線の形態で伝達手段2107を通じて車両2001に又は第三者2007に直接伝達され、又は決定がいかに緊急であるかに応じて記憶手段2002に記憶されることになる。
【0102】
この判断は、タイヤの寿命末期の厚みEendに対するタイヤの摩耗Eの状態に関する情報の項目とすることができる。判断はまた、タイヤの寿命末期の予測Eendに応じて、計画された又は迅速に達成すべきタイヤの交換を伴うアクションとすることができる。第1の場合では、情報は、計画を配置するためにフリート管理者に伝達されることになる。第2の場合では、判断は、運転者がタイヤの使用条件をその摩耗状態に適応させることができるように、かつ彼らができるだけ早くタイヤを交換することを予測することができるように車両に戻る。
【符号の説明】
【0103】
1001 識別
1004 関数β
1005 関数F