(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】風力タービン用発電機におけるステータ取り付けに関する改善方法
(51)【国際特許分類】
F03D 80/50 20160101AFI20240325BHJP
H02K 1/18 20060101ALI20240325BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
F03D80/50
H02K1/18 A
H02K7/18 A
(21)【出願番号】P 2021540257
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(86)【国際出願番号】 DK2020050002
(87)【国際公開番号】W WO2020143885
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】514130633
【氏名又は名称】ヴェスタス ウィンド システムズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】モンジュ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ラングヴァルト クローグ,ラース
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-109907(JP,A)
【文献】特開2007-166726(JP,A)
【文献】特開平05-164037(JP,A)
【文献】特表2016-508020(JP,A)
【文献】特表2013-505691(JP,A)
【文献】国際公開第2014/072338(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0133985(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 80/50
H02K 1/18
H02K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(1)用の発電機(24)であって、
前記発電機(24)の中心軸を画定するステータ(36)を備え、前記ステータ(36)は、ステータ取り付けシステムによってフレーム(40)内に取り付けられ、
前記ステータ取り付けシステムは、少なくとも1つが前記ステータ(36)に取り外し可能に取り付けられると共に前記フレーム(40)に取り外し可能に取り付けられる複数のステータ取り付けモジュール(54a、54b)を備え、
前記ステータ取り付けシステムは、1つ以上のステータ取り付けモジュール(54a、54b)が前記フレーム内
に取り付けられた前記ステータ(36)に対して
、その場で交換又は再配置できるように構成される、風力タービン用発電機。
【請求項2】
前記ステータ取り付けモジュール(54a、54b)は、少なくとも1つのステータ取り付けボルト(69)によって前記ステータ(36)に取り外し可能に取り付けられ、少なくとも1つの固定ボルト(59)によって前記フレーム(40)に取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載の風力タービン用発電機。
【請求項3】
前記ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の各々は、前記ステータ(36)に取り外し可能に取り付けられ、前記フレーム(40)に取り外し可能に取り付けられている、請求項1又は2に記載の風力タービン用発電機。
【請求項4】
前記フレーム(40)は、交換又は再配置のために前記ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の1つ以上にアクセスすることができるアクセス開口(47)を有するフレームカバー(48)を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項5】
前記フレームカバー(48)は、前記アクセス開口(47)の内部又は上方に取り外し可能に取り付けられたアクセスパネル(44)を備える、請求項4に記載の風力タービン用発電機。
【請求項6】
前記フレーム(40)は、前記発電機(24)の中心軸に対して延在する複数の軸方向延在部材(42)を有し、
前記
ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の少なくとも一部は、前記軸方向延在部材(42)の2つの間に延在する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項7】
前記ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の各々は、調整可能な固定具によって前記フレーム(40)に調整可能に取り付けられている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項8】
前記ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の各々は、弾性部材(62a、62b)と取り付け部材(65a、65b)とを有し、
前記取り付け部材(65a、65b)は、前記ステータ(36)に取り外し可能に取り付けられ、前記弾性部材(62a、62b)は、前記フレーム(40)に取り外し可能に取り付けられている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項9】
前記取り付け部材(65a、65b)は、前記弾性部材(62a、62b)に取り外し可能に取り付けられる、請求項8に記載の風力タービン用発電機。
【請求項10】
前記弾性部材は、第1の端部(63)および第2の端部(64)を有するビーム(62a、62b)を含み、前記ビーム(62a、62b)の前記第1の端部(63)および前記第2の端部(64)は、前記フレーム(40)に取り外し可能に取り付けられる、請求項8又は9に記載の風力タービン用発電機。
【請求項11】
前記ビーム(62a、62b)は、前記ステータ(36)の中心軸と実質的に垂直な方向に延びる、請求項10に記載の風力タービン用発電機。
【請求項12】
前記
ステータ取り付けモジュール(54a、54b)の少なくとも1つの前記取り付け部材(65a、65b)は、積み重ねて配置された複数の個別の層(80、81)を含む積層構造体であり、
前記層(81)の少なくとも一つは、第1の材料を含み、前記層(80)の少なくとも他の層は、第2の材料を含み、前記層(80、81)は、前記発電機(24)の中心軸と実質的に平行な方向に積層されている、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項13】
前記取り付け部材の少なくとも1つの第1の層(81)が1つ以上のキー(83)を含み、少なくとも1つの第2の層(80)が1つ以上の凹部(85)を含み、前記第1の層(80)および第2の層(81)が互いに隣接し、前記第1の層の1つ以上のキー(83)は前記第2の層の1つ以上の凹部(85)と係合する、請求項12に記載の風力タービン用発電機。
【請求項14】
前記取り付け部材の前記層(80、81)の少なくとも一つが電気絶縁材料を含む、請求項12又は13に記載の風力タービン用発電機。
【請求項15】
前記取り付け部材(65a、65b)の1つ以上は、前記ステータ(36)上に位置する協働キーホール又は協働キーと係合するためのキー又はキーホール(61)を備える、請求項8乃至14のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項16】
前記取り付け部材(65a、65b)のうちの1以上は、前記弾性部材(62a、62b)上に位置する協働キーホール又は協働キーと係合するためのキー又はキーホール(55)を備える、請求項8乃至15のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項17】
上記いずれかの請求項に記載の風力タービン(1)の発電機(24)であって、
前記ステータ取り付けシステムが、前記ステータ(36)の外周の周りに等距離に配置された複数のステータ取り付けベイ(52)を有し、前記ステータ取り付けベイ(52)の各々は、少なくとも一つのステータ取り付けモジュール(54a、54b)有する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の風力タービン用発電機。
【請求項18】
ステータ取り付けベイ(52)の各々は、前記発電機(24)の中心軸と実質的に平行な方向に沿って互いに間隔を置いて配置された複数のステータ取り付けモジュール(54a、54b)を有する、請求項17に記載の風力タービン用発電機。
【請求項19】
第1のステータ取り付けモジュール(54a)の機械的特性および/又は構成が、第2のステータ取り付けモジュール(54b)の機械的特性および/又は構成と異なる、請求項18に記載の風力タービン用発電機。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の発電機と、
ギアボックス(22)と、を備え、
前記ギアボックス(22)の出力軸と前記発電機の前記ステータ(36)の中心軸とが同軸となるように、前記ギアボックス(22)と前記発電機(24)とが連結されている、ギアボックス発電機ユニット。
【請求項21】
風力タービン(1)の発電機(24)を維持するための方法であって、前記発電機(24)は請求項1乃至19のいずれか1項に記載の特徴を備え、前記方法は、
少なくとも1つのステータ取り付けモジュール(54a、54b)の少なくとも一部を取り外し、その際に、少なくとも1つの他のステータ取り付けモジュール(54a、54b)をフレーム(40)とステータ(36)との間に取り付けたままにすること、および
前記少なくとも一つのステータ取り付けモジュール(54a、54b)の少なくとも一つの交換部品を取り付けること、を含む方法。
【請求項22】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載の特徴を備えた風力タービン用発電機のステータ取り付け構造を調整する方法であって、
少なくとも1つのステータ取り付けモジュール(54a、54b)を第1の位置から取り外し、その際に、少なくとも1つの他のステータ取り付けモジュール(54a、54b)をフレーム(40)とステータ(36)との間に取り付けたままにすること、および
少なくとも一つのステータ取り付けモジュール(54a、54b)を第2位置に再取り付けすること、を含む方法。
【請求項23】
風力タービンタワー(2)と、
前記風力タービンタワー(2)に回転可能に連結されたナセル(4)と、
前記ナセル(4)に取り付けられた回転ハブ(8)と、
前記回転ハブに連結された複数の風力タービンブレード(10)と、を備え、
前記ナセル(4)は、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の発電機(24)を有する、風力タービン(1)。
【請求項24】
ギアボックス(22)をさらに備え、
前記ギアボックス(22)と前記発電機(24)とが、前記ギアボックス(22)の出力軸と前記発電機のステータ(36)の中心軸とが同軸となるように接続されている、請求項23に記載の風力タービン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービン用の発電機に関し、より具体的には、発電機のステータを取り付けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の商業規模の風力タービンは、風力から電力を生成する発電機を備えている。他のサブアセンブリの中でも、風力タービンの発電機は、典型的には、支持フレーム又は発電機ハウジングに取り付けられたステータと、ギアボックスの出力軸に取り付けられ、ギアボックスの出力軸によって駆動されるロータとを備える。界磁巻線は、銅のような導電性材料が密に充填されたコイルから形成されるので、ステータはかなりの質量を有し、それに応じて支持されなければならない。
【0003】
使用時には、ロータ内に配置された永久磁石の回転によって生成される変動磁界によってステータの界磁巻線内に電流が誘導される。最適化された対称的な発電を確実にするためには、ロータがステータ内に十分に中心合わせされ、ロータとステータの間のエアギャップが対称であることを確実にすることが重要である。既存の発電機では、この達成が製造とアセンブリ公差に依存するのが一般的である。ステータに対するロータの相対位置は、ギアボックス出力軸およびそのベアリングの位置に依存するため、このことは、ギアボックス出力軸に取り付けられかつギアボックス出力軸によってのみ支持されるロータを有する発電機にとって特別な課題である。
【0004】
一部の発電機では、ステータを支持することは、ステータを金属フレームに溶接することを含む。この方法によればステータの静荷重を適切に支持することができるが、発電機の溶接継手は、使用中にステータ内で磁界が回転するときに生じる磁気荷重の変動によって引き起こされる著しい構造上の振動のために問題となり得る。このような構造に起因する振動は、溶接継手によってハウジングに伝達され、ハウジングから空気に起因する騒音として放射される。さらに、溶接されたジョイントが形成された後にパワートレインのねじり共振を最適に制御するように発電機パワートレインに対するステータのねじり剛性を調整することは不可能である。
【0005】
さらに、界磁巻線を流れる大電流の結果として、ステータサブアセンブリによって大量の熱エネルギーが生成される。一部の発電機構成部品の結果として生じる熱膨張は、半径方向コンプライアンスがほとんど又は全くない溶接継手にとってさらに問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許第2924848号
【文献】米国特許第8319405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ステータと支持フレームとの間の溶接接続の改良方法に関しては、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。しかしながら、そのような接続方法は複雑であり得、発電機が風力タービン内に組み立てられるときに、現場でアクセスし、維持し、又は調整することが困難であり得る。
【0008】
発電機の負荷支持要素の保守は、発電機の寿命の間のある時点で必要とされることがある。ステータは発電機の重要な部品であり、それなしでは風力タービンは機能しない。したがって、風力タービンが発電しないタービン停止時間を最小化するために、どのようなメンテナンス作業よりも迅速に完了することが非常に重要である。
【0009】
このような背景のもとに本発明が開発された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、風力タービン用の発電機が提供される。発電機は、発電機の中心軸を画定するステータを備え、ステータはステータ取り付けシステムによってフレーム内に取り付けられる。ステータ取り付けシステムは、複数のステータ取り付けモジュールを含み、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールは、ステータに取り外し可能に取り付けられ、フレームに取り外し可能に取り付けられる。ステータ取り付けシステムは、ステータ取り付けモジュールの1つ以上が、ステータが所定位置に取り付けられた状態で、又はフレーム内で「その場」に取り付けられた状態で、交換又は再配置できるように構成される。
【0011】
本発明の発電機は、ステータがそのハウジング内にその場で取り付けられている間に、ステータ取り付け具の位置および特性を調整することができるので有利である。ステータ取り付けモジュールは、ステータがフレーム内にとどまっている間に、取り外し、交換、調整、又は他の方法で操作することができ、これは、発電機の保守性、ロータに対するステータの位置決め、および振動および騒音性能の点で大きな利点である。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、各ステータ取り付けモジュールは、ステータに取り外し可能に取り付けられ、フレームに取り外し可能に取り付けられる。
【0013】
フレームは、アクセス開口を有するフレームカバーを備えてもよく、このアクセス開口を通して、1つ又は複数のステータ取り付けモジュールにアクセスして、交換、再配置、又は他の調整を行うことができる。フレームカバーは、アクセス開口内に又はアクセス開口上に取り外し可能に取り付けられたアクセスパネルを含むことができる。
【0014】
フレームは、発電機の中心軸に対して軸方向に延びる、複数の軸方向に延びる部材を含むことができ、取り付けモジュールの少なくとも一部は、2つの軸方向に延びる部材の間に延びる。
【0015】
各ステータ取り付けモジュールは、調整可能な固定具によってフレームに調整可能に取り付けられて、調整可能性を提供してもよい。
【0016】
各ステータ取り付けモジュールは、弾性部材と取り付け部材とを備えていてもよく、取り付け部材はステータに着脱可能に取り付けられ、弾性部材はフレームに着脱可能に取り付けられている。取り付け部材は、弾性部材に取り外し可能に取り付けられて、いずれかの部分が他方から独立して調節又は交換され得るようにすることができる。
【0017】
弾性部材は、第1の端部と第2の端部とを有するビームを含むことができ、ビームの第1の端部と第2の端部はフレームに取り外し可能に取り付けられる。ビームは、ステータの中心軸に実質的に垂直な方向に延びることができる。
【0018】
取り付けモジュールのうちの少なくとも1つの取り付け部材は、積み重ねて配置された複数の別個の層を含む積層構造体であってよく、該層のうちの少なくとも1つは、第1の材料を含み、該層のうちの少なくとも他は、第2の材料を含み、第1の材料と第2の材料は互いに異なり、該層は、発電機の中心軸に実質的に平行な方向に積層される。取り付け部材の層の少なくとも1つは、電気絶縁材料を含むことができる。このような構成により、ステータ取り付けモジュールの機械的および電気的性能の両方の調整性が向上する。
【0019】
取り付け部材の少なくとも1つの第1の層は、1つ以上のキーを含んでもよく、少なくとも1つの第2の層は、1つ以上の凹部を含んでもよい。第1および第2の層は、互いに隣接していてもよく、第1の層の1つ又は複数のキーは、第2の層の1つ又は複数の凹部に係合してもよい。これは、ステータからフレームへのねじり荷重の伝達に有益である。
【0020】
1つ以上の取り付け部材は、ステータ上に配置された協働キーホール又はキーと係合するためのキー又はキーホールを含むことができる。1つ以上の取り付け部材は、弾性部材上に配置された協働キーホール又はキーと係合するためのキー又はキーホールを含んでもよい。これは、ステータからフレームへのねじり荷重の伝達に有益である。
【0021】
ステータ取り付けシステムは、ステータの外周の周りに等距離に配置された複数のステータ取り付けベイを含むことができる。各ステータ取り付けベイは、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールを含むことができる。各ステータ取り付けベイは、発電機の中心軸と実質的に平行な方向に沿って互いに間隔を置いて配置された複数のステータ取り付けモジュールを含むことができる。このようなベイを設けることにより、交換又は調整のためにステータ取り付けモジュールに容易にアクセスすることができ、ステータ取り付けモジュールをベイにグループ化することにより、発電機の全体設計が簡素化される。
【0022】
第1のステータ取り付けモジュールの機械的特性および/又は構成は、ステータ取り付けシステムの調整性を改善するために、第2のステータ取り付けモジュールの機械的特性および/又は構成とは異なってもよい。
【0023】
本発明の別の態様では、風力タービン用の発電機を維持する方法が提供され、この発電機は、上述の特徴のいずれかを有する。本方法は、フレームとステータとの間に少なくとも1つの他のステータ取り付けモジュールが取り付けられたままで、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールの少なくとも一部を取り外し、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールの少なくとも1つの交換部品を取り付けることを含む。これは、ステータがそのハウジング内に取り付けられている間に、ステータ取り付け具に対する必要な交換および/又は調整が行われるので有益である。
【0024】
本発明のさらに別の態様では、風力タービン用発電機のステータ取り付け構成を調整する方法が提供され、この発電機は、上述の特徴のいずれかを有する。本方法は、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールの第1の位置から取り外しを、少なくとも1つの他のステータ取り付けモジュールをフレームとステータとの間に取り付けたままで行い、少なくとも1つのステータ取り付けモジュールを第2の位置に再取り付けすることを含む。この場合も、ステータがそのハウジング内に取り付けられている間に、ステータ取り付け具に対する必要な調整を行うことができるので、これは有益である。
【0025】
さらに別の態様では、本発明は、風力タービンタワーと、タワーに回転可能に連結されたナセルと、ナセルに取り付けられた回転ハブと、ハブに連結された複数の風力タービンブレードとを含む風力タービンを提供し、ナセルは、上述のような発電機を備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】風力タービンのナセルの機能的構成要素の概略斜視図である。
【
図3】風力タービンの発電機を通る垂直面の概略断面斜視図である。
【
図4】ハウジングの一部を除去した発電機のステータ取り付けベイに焦点を合わせた
図3の一部の詳細図である。
【
図5】
図4の平面に平行な断面におけるステータ取り付けベイの断面図である。
【
図6】発電機のステータが取り付けられるフレームの概略斜視図である。
【
図8】ステータ取り付けモジュールの代替実施形態の概略図である。
【
図9】ステータ取り付けモジュールの別の実施形態の概略図である。
【
図10】ステータ取り付けモジュールのさらに別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の非限定的な実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】
本発明の具体的な実施形態について説明するが、この実施形態では、特許請求の範囲に定義されている発明概念の完全な理解を提供するために、多数の特徴が詳細に検討される。しかしながら、当業者には、本発明が特定の詳細なしに実施され得ること、および、いくつかの例では、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知の方法、技術および構造が詳細に記載されていないことが明らかであろう。
【0029】
本発明の実施形態を適切な文脈に置くために、まず、本発明の実施形態による風力タービン用の発電機を実施することができる典型的な水平軸風力タービン(HAWT)1を示す
図1を参照する。この特定の画像は陸上の風力タービンを示すが、同様の特徴が沖合の風力タービンにも見られることが理解されよう。さらに、風力タービンは「水平軸」と呼ばれるが、実際的な目的のために、軸は、通常、強風の場合にロータブレードと風力タービンタワーとの間の接触を防止するためにわずかに傾斜していることが当業者には理解されよう。
【0030】
風力タービン1は、タワー2と、タワー2の頂部にヨーシステム6によって回転可能に連結されたナセル4と、ナセル4に取り付けられた回転ハブ8と、ハブ8に連結された複数の風力タービンロータブレード10とを備える。ナセル4およびロータブレード10は、ヨーシステム6によって風向方向に旋回される。
【0031】
ナセル4は、発電機、ギアボックス、駆動系およびハブブレーキアセンブリを含む風力タービンの多くの機能部品、並びに風力の機械的エネルギーを電力エネルギーに変換してグリッドに供給するための変換装置を収容する。
図2を参照すると、ナセル4は、シャフトハウジング20、ギアボックス22および発電機24を含むことができる。メインシャフトは、シャフトハウジング20を貫通して延び、ベアリング(図示せず)上に支持される。メインシャフトは、ハブ8に接続され、ハブ8によって駆動され、ギアボックス22に入力駆動を提供する。ギアボックス22は、図示しないインターナルギアを介して低速主軸の回転速度を上昇させ、ギアボックス出力軸を駆動する。次に、ギアボックス出力軸は発電機24を駆動し、該発電機24はギアボックス出力軸の回転を電気に変換する。次いで、発電機24によって生成された電気は、適切な消費者、例えば配電システムに供給される前に、必要に応じて他の構成要素(図示せず)によって変換され得る。上述したように、ギアボックスを使用しない、いわゆる「直接駆動」風力タービンも知られている。したがって、ギアボックスはオプションとみなすことができる。
【0032】
ギアボックス22および発電機24は、一体化されたユニット内で一緒に結合されてもよい。発電機24およびギアボックス22は、それ自体が互いに結合されて比較的コンパクトな単一のアセンブリを形成する別個のサブアセンブリである。
【0033】
まず、ギアボックス22を参照すると、ギアボックスハウジング30は、形状が略円筒状であり、その主要回転軸が水平になるように、図面の向きに向けられている。ギアボックスハウジング30の円筒形状は、図示された実施形態で使用される特定のタイプのギアボックスによるものであり、それは遊星歯車箱である。当業者が知っているように、遊星歯車装置は、中央太陽歯車の周りに配置された一連の遊星歯車からなり、これらの遊星歯車は、環状リング歯車内に集合的に配置されている。リングギア、遊星ギア、太陽ギアの歯数の比率によって、ギアボックスのギア比が決まる。ギアボックスは本発明の主要な主題ではないので、ここでは、明確化のために、ギアボックスの詳細な詳細は説明しない。現在のところ、遊星歯車装置は風力タービンナセルの領域に適合するエレガントな解決策を提供すると考えられているが、他のギアボックス構成も使用することができると言うだけで十分である。
【0034】
次に発電機24に目を向けると、ギアボックス22の出力軸は発電機24のロータ32と連結している。したがって、ギアボックス出力軸の長軸は、ステータ36の中心軸に対応する発電機24の回転軸を画定する。したがって、ステータ36は、発電機の中心軸も画定する。
【0035】
図示の実施形態における発電機24は、ロータ32を取り囲む外部ステータ36(
図3)を有するIPM(内部永久磁石)電気機械である。ステータ36は、ステータコアと、ステータコアを取り囲み支持するステータフレームとを含む。ステータコアは、発電機の軸方向に積層された複数の層を含む。ステータコアの層には、銅等の導電材料の界磁巻線が巻回されている。風力タービン1のハブ8によって使用中に回転されるロータ32に取り付けられた磁石に起因する変動磁界によって界磁巻線に電流が誘導される。本明細書に記載されている実施形態は、内部永久磁石機械について言及しているが、他の実施形態では、発電機は、永久磁石の代わりに電磁石を有するロータ32を含んでもよいことが理解されよう。
【0036】
発電機24は、フレーム40を備え、その中にステータ36は、以下により詳細に説明するようにステータ取り付けシステムによって取り付けられる。フレーム40は、使用時にギアボックス22に隣接して配置された駆動端面46と、駆動端面46に対向して配置され、発電機中心軸方向に離れた非駆動端面45とを有する。複数のフレーム部材39、42が、駆動端面46と非駆動端面45との間に延在し、フレーム40と、発電機24の様々なパネルおよびシステムのための取り付け点とに構造的な剛性を与える。
【0037】
発電機の外面は、フレーム40の駆動端面46および非駆動端面45を含む発電機ハウジング25を画定する。駆動端面46と非駆動端面45との間のハウジング25の外面は、フレーム40に取り外し可能に取り付けられたパネル41、48を含む。環境調整モジュール100は、フレーム40の各コーナーに配置され、その外面が発電機ハウジング25のコーナー部を形成する。
【0038】
図6を参照すると、パネル48の各々は、ステータ取付け「ベイ」52へのアクセスを提供するアクセス開口47を含む。この例では、発電機24のステータ取り付けシステムは、ステータ36の円周の周りに等間隔に配置された4つのステータ取り付けベイ52を含む。任意の適切な量のステータ取り付けベイ52を使用することができ、4つのステータ取り付けベイ52を設けることは必須ではないことが理解されよう。
【0039】
使用時には、アクセス開口47は、アクセスパネル44によって覆われ、該アクセスパネルは、機械的ファスナ(図示せず)によってフレーム40に取り外し可能に取り付けられる。この例では、アクセスパネル44は、発電機ハウジング25のパネル48が実質的に平坦な仕上げを有するように、アクセス開口47内に嵌合する。しかしながら、別の実施形態では、アクセスパネル44は、パネル48の外面に取り付けられてもよい。代替的に、アクセスパネル44は、ヒンジによってフレーム40又はパネル48に接続されてもよく、それにより、パネル44は、アクセス開口47にアクセスするために、ヒンジの周りを回転しなければならない。
【0040】
この例では、各ステータ取り付けベイ52は、2つのステータ取り付けモジュール54a、54bを含む。明確にするために、1つのステータ取り付けベイ52のみを以下に詳細に説明する。しかしながら、各ステータ取り付けベイ52の構成は、実質的に以下に説明する通りであることが理解されよう。各ステータ取り付けベイ52は、2つのステータ取り付けモジュール54a、54bを備えることは必須ではない。別の設計では、ステータ取り付けベイ52は、単一のステータ取り付けモジュールのみ、又は2つを超えるステータ取り付けモジュールを備えることができる。同様に、各ステータ取り付けベイ52は、発電機24の他のステータ取り付けベイ52と同じ数および/又は構成のステータ取り付けモジュールを有することは必須ではない。
【0041】
図6を参照すると、第1のステータ取り付けモジュール54aは、フレーム40の非駆動端面45に向かってベイ52内に配置され、第2のステータ取り付けモジュール54bは、フレーム40の駆動端面46に向かってベイ52内に配置される。ステータ取り付けモジュール54a、54bは、駆動端面46から非駆動端面45まで延在するフレーム40の軸方向延在部材42に着脱および調整可能に取り付けられている。軸方向延在部材42は、実質的に、アクセス開口47の各軸方向延在縁38に配置され、ベイ52へのアクセスを提供する開口47がハウジング25内の補強開口を含むようになっている。各軸方向延在部材42は、固定ボルト59を受け入れる複数の等間隔のボルト孔57を備える。
【0042】
ステータ取り付けモジュール54a、54bは、弾性ビーム62a、62bと、ステータ取り付け部材65a、65bと、を備える。弾性ビーム62a、62bは、固定ボルト59が挿通する3つのボルト孔73を有する第1の端部63と第2の端部64とを有する。弾性ビーム62a、62bの第1の端部63および第2の端部64は、弾性ビーム62a、62bの端部63、64の孔73を貫通して軸方向延在部材42のボルト孔57に係合する固定ボルト59によって、フレーム40の軸方向延在部材42に着脱および調整可能に取り付けられる。
図7に最も明確に示されているように、軸方向延在部材42の各々は、アクセス開口47の中心に向かって内側に向いた凹部75を有している。弾性ビーム62a、62bの第1および第2の端部63、64は、軸方向延在部材42の凹部75に取り付けられている。
【0043】
各ステータ取り付け部材65a、65bは、ステータ36と各弾性ビーム62a、62bとに着脱自在に取り付けられている。ステータ取り付け部材65a、65bは、略直方体形状であり、ステータ取り付け部材65a、65bを発電機の中心軸に対して半径方向外側位置から半径方向内側位置まで貫通する2列の3個の取り付け孔53を備える。ステータ取り付け部材65a、65bの3列の取り付け孔53の各々は、弾性ビーム62a、62bの略中央に位置する2列の3つの取り付け孔72に対応する。ステータ36は、複数の等間隔のボルト孔34が設けられた取り付けレール35を備える。
【0044】
図6から最も明確に分かるように、ステータ取り付け部材65a、65bは、発電機の中心軸の方向に延在する、ステータ取り付け部材65a、65bの半径方向最内側の面56の実質的に中心に配置されたキースロット61を有する。発電機の中心軸の方向に延在する第2のキースロット55は、ステータ取り付け部材65a、65bの半径方向最外面の実質的に中心に位置する。ステータ取り付け部材65a、65bのキースロット61、55は、ステータ取り付レール35および弾性ビーム62a、62bに取り付けられたキー(図示せず)と係合する。キーとキースロット61、55との係合は、使用中にステータ36からフレーム40へねじり荷重を伝達するのに役立つ。キーおよびキースロット(61、55)は必須ではなく、ステータ取り付け部材65a、65bの半径方向最内側の面56とステータ36との間、およびステータ取り付け部材65a、65bの半径方向最外側の面と弾性ビーム62a、62bとの間に形成された摩擦接合部は、ねじり荷重の伝達のために信頼され得ることに留意されたい。
【0045】
各ステータ取り付けモジュール54a、54bは、弾性ビーム62a、62bの取り付け孔72およびステータ取り付け部材65a、65bの取り付け孔53を貫通するステータ取り付けボルト69によりステータ36に着脱自在に取り付けられる。ステータ取り付けボルト69は、ステータ取り付けレール35のボルト孔34に取り付けられる。
【0046】
図4および
図6から最も明確に分かるように、第1のステータ取り付けモジュール54aの構成は、第2のステータ取り付けモジュール54bの構成とは異なる。具体的には、
図5の平面に平行な平面における第1のステータ取り付けモジュール54aの弾性ビーム62aの断面積は、弾性ビーム62aの第1の端部63から第2の端部64まで実質的に一定である。これとは対照的に、この平面における第2のステータ取り付けモジュール54bの弾性ビーム62bの断面積は、弾性ビーム62aの第1の端部63および第2の端部64からその中心に向かって徐々に増加する。この結果、弾性ビーム62a、62bの各々は、剛性およびモード挙動のような機械的特性において異なる。
【0047】
また、第1のステータ取り付けモジュール54aと第2のステータ取り付けモジュール54bの取り付け部材65a、65bも形状において異なる。
図5に最も明確に示されるように、第1のステータ取り付けモジュール54aの取り付け部材65aは、第2のステータ取り付けモジュール54bの取り付け部材65bよりも大きい断面厚さを有する。その結果、各取り付け部材65a、65bは、剛性やモード挙動などの機械的特性が異なる。
【0048】
ステータ取り付けモジュール54a、54bの間の構成の違いにより、ステータ取り付けシステムの剛性およびモード挙動を微調整することができる。弾性ビーム62a、62bおよび/又はステータ取り付けモジュール54a、54bの各取り付け部材65a、65bは、異なる幅、長さ又は深さ寸法を有してもよく、および/又は異なる材料で作られてもよい。一例では、直交異方性材料を使用して、弾性ビーム62a、62bおよび/又は取り付け部材65a、65bを製造して、ステータ取り付けモジュールの機械的およびモード挙動を異なる方向に調整することができる。
【0049】
ステータ36がステータ取り付けシステムによってフレーム40に取付けられるとき、ステータは、4つのステータ取り付けベイ52の8つのステータ取り付けモジュール54a、54bによって支持される。ステータ取り付けシステムのアクセス可能で柔軟な構成のために、発電機が風力タービン1のナセル4内にその場にあるときに、ステータ取り付けモジュール54a、54bの1つ以上を取り外し又は調整することが可能である。これは、メンテナンス時間を大幅に短縮できるという利点となる。
【0050】
ステータ取り付けモジュール54a、54bを交換又は修理する必要がある場合、アクセスパネル44を取り外し又は開放し、ステータ取り付けモジュール54a、54bをフレーム40およびステータ36から取り外すことができる。その後、ステータ取り付けモジュール54a、54bを交換することができる。ステータ取り付けモジュール54a、54bの一部のみが故障した場合には、弾性ビーム62a、62bをステータ取り付け部材65a、65bから分離することで、取り付けモジュール54a、54bを分解することができる。その後、不良パーツを交換することができる。
【0051】
ステータ取り付けシステムの構成は、保守作業のために有益であるだけでなく、ステータ36のフレーム40内への設置、特に、ステータ36のロータ32に対する調整のためにも有益である。ステータ36のロータ32に対する相対位置を改善するために、取り付けモジュール54a、54bのいずれか1つ又は複数を、フレーム40の非駆動端面45又は駆動端面46に向かってわずかに遠くに配置することが有益であり得る。各ステータ取り付けベイ52のステータ取り付けモジュール54a、54bは、他のステータ取り付けベイ52と同様に配置する必要はない。ステータ取り付けモジュール54a、54bの最終位置は、フレーム40内にステータ36を取り付ける際に、弾性ビーム62a、62bを取り付けるために軸方向延在部材42のボルト孔57の中から最も適切なものを選択することによって決定することができる。ステータ取り付けモジュール54a、54bのいずれかの取り付け位置が最適でなくなった場合には、ステータ取り付けモジュール54a、54bをステータ36およびフレーム40から取り外して新たな位置に再取り付けすることにより、当該ステータ取り付けモジュール54a、54bを容易に再位置決めすることができる。
【0052】
上述のステータ取り付けモジュール54a、54bの適応において、弾性ビーム62a、62bの第1の端部63および第2の端部64におけるボルト孔73は、アクセス開口47の中心に向かって延びるスロットを備えてもよい。この場合、ステータ取り付けモジュール54a、54bの発電機中心軸に垂直な方向の横方向位置は、弾性ビーム62a、62bと軸方向延在部材42との重なりを調整することにより微調整することができる。弾性ビーム62a、62bの軸方向延在部材42に対する最終的な位置は、ボルト59を締め付けるか、軸方向延在部材42の追加の位置決め用穴と係合するための位置決め用ピンのような追加の固定具を設けることによって固定することができる。
【0053】
一例では、取り付け部材65a、65bのうちの一つ以上は、
図8に概略的に示すような層構造を有していてもよい。この例では、取り付け部材65a、65bは、高強度接着剤によって鋼板81間に接着されたガラス繊維複合材織布80を含む。取り付け部材65a、65bは、上記のように、弾性ビーム62a、62bおよび取り付け部材65a、65bを貫通してステータ取り付けレール35のボルト孔34に固定されるステータ取り付けボルト69によってステータ36に着脱自在に取り付けられている。
図8の例では、アクセス
パネル44は、取り外し可能な固定具33によって発電機ハウジング25のパネル48に取り付けられる。
図8の構成の一つの利点は、取り付け部材65a、65bが、ガラス繊維複合材織布80を含むことによって電気絶縁材料を含むことができることである。これは、ステータ36とハウジング25との間の直接的な電気的接触が排除され、それによって、発電機駆動系への漂遊電流の伝達が最小化されるので有益である。任意の適切な電気絶縁材料を、ガラス繊維複合材織布の代わりに、又はガラス繊維複合材織布に加えて使用することができる。
【0054】
別の例では、取り付け部材65a、65bは、
図9に概略的に示すような層構造を有してもよい。この例では、鋼層81は、使用中の発電機中心軸の方向に延在する細長いキー83を含み、ガラス繊維複合材織布80は、使用中の発電機中心軸の方向に延在する細長い凹部85を含む。積層体取り付け部材65a、65bの隣接する層は、鋼層81のキー83がガラス繊維複合材織布80の凹部85に係合するように互いに係合する。以上のようにして、取り付け部材65a、65bの各層80、81を接着剤で接着する。取り付け部材65a、65bの層80、81間のキー付き接続は、層間のねじり荷重の伝達を改善するのに役立つ。
【0055】
図9の例におけるキー83および凹部85断面形状は台形であるが、任意の適切な形状を使用することができる。
図8および
図9は、1つのガラス繊維複合材の層80および2つの鋼層81を含むものとして上述されているが、任意の数の層を所望に応じて使用することができることが理解されよう。なお、積層体層80、81の材料は一例である。任意の適切な材料を使用して、積層体層80、81を形成することができる。
【0056】
以下の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、記載された例示的な発電機24に修正を加えることができることが理解されよう。特に、弾性ビーム62a、62bは、板ばね、ロッド又はプレートのような任意の適切な弾性部材を含むことができる。
【0057】
ステータ取り付けモジュールの代替構成例を
図10に概略的に示し、そこではステータ取り付けモジュール54は取り付け部材65および弾性ビーム62を含むように示されている。弾性ビーム62は、取り付け部材65の両側に「二重U」構成を有する曲げられたばねビームを含む。この例では、取り付け部材65の両側の取り付け部材65に最も近いビーム62の領域に第1のU字形状90が設けられ、取り付け部材65の両側の取り付け部材65から最も遠いビーム62の領域に第2のU字形状91が設けられている。第1のU字形状90は、使用中のステータ36に向かって延び、第2のU字形状91は、使用中のステータ36から離れて延びている。
【0058】
弾性ビーム62および取り付け部材65の任意の適切な構成を使用して、ステータ取り付けシステムの性能を微調整することができることは、当業者には明らかであろう。さらに、ロータ32に対するステータ36の位置、取り付けシステムの振動性能、および取り付けシステムの電気的特性を含むがこれらに限定されないステータ取り付けシステムの特性は、ステータ36がハウジング25内にその場で取り付けられている間に変更され得ることが明らかである。ステータ取り付けシステムの特性は、既存のステータ取り付けモジュール54a、54bの再配置によって、又は、ステータ取り付けモジュール54a、54bの全体又は一部を、異なる物理的および/又は電気的特性を有する代替構成要素によって置き換えることによって変更されてもよい。このようにして、ステータ取り付けシステムは、特定の状況に対して最良の性能を提供するようにその場で微調整され得る。