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特許7459120虫捕獲デバイス、虫を捕獲する方法および虫捕獲デバイスの使用法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】虫捕獲デバイス、虫を捕獲する方法および虫捕獲デバイスの使用法
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/08 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
A01M1/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021545322
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2019077667
(87)【国際公開番号】W WO2020074736
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】102018125320.6
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521151290
【氏名又は名称】ベーバート,トーマス
【氏名又は名称原語表記】WEBERT, THOMAS
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベーバート,トーマス
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016124986(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0039234(US,A1)
【文献】米国特許第08276313(US,B1)
【文献】実開昭61-041644(JP,U)
【文献】実開平02-063678(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0068917(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0245916(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口縁を有する捕獲開口と、少なくとも1つのグレア光源と、捕虫器と、少なくとも1つのチャンバ壁を有する少なくとも1つの受入れチャンバと、を備える能動的な虫捕獲デバイスであって、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、電気掃除機用の着脱式電気掃除機アタッチメントでありかつ持ち手を有しており、前記少なくとも1つのグレア光源は、前記捕獲開口の前のゾーンを直に照明するように適合化されかつ配置され、
前記少なくとも1つのチャンバ壁または前記開口縁は、透明または半透明であり、
前記少なくとも1つの受入れチャンバは、受入れチューブであり、かつ前記捕獲開口は、前記受入れチューブの一端に形成され、
前記受入れチューブは、7cm未満の平均内径または平均外径を有しており、
前記少なくとも1つのグレア光源は、前記捕獲開口を介して直に輝き、
前記少なくとも1つのグレア光源は、前記捕獲開口の背後において0.01~5cmの距離に位置決めされ、かつ、前記少なくとも1つの受入れチャンバ内に位置決めされる、能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項2】
前記捕虫器は、負圧を発する吸込みデバイスを備える、請求項1に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項3】
前記能動的な虫捕獲デバイスは、前記吸込みデバイスにより吸い込まれる空気が通って運ばれる少なくとも1つのフィルタおよび/または収集容器を備える、請求項2に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのグレア光源は、少なくとも1つのLEDによって、または複数の相互接続されたLEDによって形成され、前記LEDは、UV範囲内の光を発する、請求項1から3のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのグレア光源は、レーザによって形成されるか、またはレーザを含み、前記レーザは、UV範囲内の光を発する、請求項1から4のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項6】
虫の周囲の明るさを決定するための少なくとも1つの明るさセンサと、
前記少なくとも1つの明るさセンサを用いて決定される前記虫の周囲の明るさを、前記少なくとも1つのグレア光源の調整可能な照明強度と比較するように配置されかつ適合化される少なくとも1つのデータ処理デバイスと、
前記少なくとも1つのグレア光源の照明強度を調整するための少なくとも1つの制御ユニット、および/または、場合によりインジケータデバイスまたは出力デバイスと、をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのデータ処理デバイスは、前記虫の周囲の明るさと前記少なくとも1つのグレア光源のグレア光の照明強度との比較に基づいて、前記虫の捕獲確率を決定するように配置されかつ適合化され、前記少なくとも1つのデータ処理デバイスは、各々前記捕獲確率を示す、または出力するように適合化されかつ配置される前記インジケータデバイスまたは出力デバイスへ接続される、または接続可能である、請求項6に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのグレア光源は、直に前記捕獲開口を介して輝く、請求項1から7のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのグレア光源にエネルギーを供給するエネルギー発生デバイスおよび/またはエネルギー貯蔵ユニットをさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス。
【請求項10】
キットであって、能動的な虫捕獲デバイスを備え、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、
開口縁を有する捕獲開口と、
少なくとも1つのグレア光源と、
少なくとも1つのチャンバ壁を有する少なくとも1つの受入れチャンバと
を備え、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、電気掃除機用の着脱式電気掃除機アタッチメントでありかつ持ち手を有しており、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、電気掃除機チューブの一端へ固定可能である、キット。
【請求項11】
能動的な虫捕獲デバイスを用いて虫を捕獲するための方法であって、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、
開口縁を有する捕獲開口と、
少なくとも1つのグレア光源と、
捕虫器と、
少なくとも1つのチャンバ壁を有する少なくとも1つの受入れチャンバと、
を備え、
前記能動的な虫捕獲デバイスは、少なくとも1つの持ち手を備え、携帯可能であり、
前記方法は、
1)虫を表面上に位置決めするステップと、
2)前記虫を前記少なくとも1つのグレア光源で眩惑させるステップと、
)眩惑された前記虫の近くへ前記能動的な虫捕獲デバイスを動かすステップと、
4)前記捕虫器で前記虫を捕獲するステップと、を備え、
前記方法はさらに、ステップ1)とステップ2)との間に、
a)前記虫の周囲の明るさを決定するステップと、
)決定された前記虫の周囲の明るさを、前記少なくとも1つのグレア光源の照明強度と比較するステップと、
c)ステップb)に従って実行された前記比較に基づいて、捕獲確率を決定するステップと、
)決定された前記捕獲確率を表示する、または出力するステップと、
をさらに備える、方法。
【請求項12】
前記虫の捕獲は、前記能動的な虫捕獲デバイスの前記表面上への設定を必要としない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記虫の逃避反射は、ステップ3)とステップ4)との間で、前記虫を受入れチューブで突くことにより、かつ/または目くらましコーンを取り除くことによりトリガされる、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
虫を能動的に捕獲するための少なくとも1つのグレア光源を備える、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス、または請求項10に記載のキットの使用法であって、前記虫は、前記少なくとも1つのグレア光源によって、捕獲より前に眩惑される、使用法。
【請求項15】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の能動的な虫捕獲デバイス、または請求項10に記載のキットが関与され、かつ前記能動的な虫捕獲デバイスが取り付けられる電気掃除機によって虫を捕獲するための使用法が発生する、請求項14に記載の使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面から虫を除去することができる、能動的な虫捕獲デバイスに関する。また、本発明は、虫を捕獲するための方法にも関する。さらに、本発明は、虫を能動的に捕獲するための能動的な虫捕獲デバイスの使用法にも関する。
【背景技術】
【0002】
虫捕獲デバイスは、従来技術から既知である。
【0003】
1900年の西独国実用新案公開第123396号明細書は、ハエが容器内へ、容器内で燃焼する光によっておびき寄せられ、そこで燃やされる、ハエ捕り器を開示している。
【0004】
1903年の西独国実用新案公開第155600号明細書は、おびき寄せるための光源と、罠で捕えるための粘着性の捕獲表面とが利用される、虫を捕獲するためのデバイスを開示している。
【0005】
1912年の西独国実用新案公開第270634号明細書は、真空作用によって虫を捕獲しかつ駆除するためのデバイスを開示している。
【0006】
1913年の西独国実用新案公開第273005号明細書は、自発光ハエ捕り器を開示している。
【0007】
1934年の西独国実用新案公開第1294041号明細書は、吸気によって虫を捕獲するための機械的装置を開示している。
【0008】
光とファンとの組合せも、全く知られていないわけではない。
【0009】
1937年の西独国実用新案公開第1413679号明細書は、蚊が飛んできて吸引ファンにより吸い取られる電球を開示している。
【0010】
1971年の西独国実用新案公開第7140295号明細書は、虫をファンの空気流へとおびき寄せる光源が換気システム上へ配置されている、虫を除去するためのデバイスを開示している。その明細書本文によれば、虫は、光源によって引き寄せられる。
【0011】
1978年の西独国実用新案公開第2834972号明細書は、壺が香りトラップ容器および吸引ファンを備える、ハエを捕獲するためのデバイスを開示している。光源が言及されているものの、機能については詳述されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】西独国実用新案公開第123396号明細書
【文献】西独国実用新案公開第155600号明細書
【文献】西独国実用新案公開第270634号明細書
【文献】西独国実用新案公開第273005号明細書
【文献】西独国実用新案公開第1294041号明細書
【文献】西独国実用新案公開第1413679号明細書
【文献】西独国実用新案公開第7140295号明細書
【文献】西独国実用新案公開第2834972号明細書
【文献】独国特許第161732号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
先行技術から、光に引きつけられる虫が存在することは、十分に知られている。したがって、光が誘引物質であると思われる。一方で、より最近の生物学的研究は、虫によっては、光ではなく熱に引きつけられると仮定し、よって、所定の虫に対する一部の虫捕獲デバイスの適切性が疑わしいものとされている。たとえば、蚊は、夜行性であり、よって典型的には、光源へと飛んでいくのは、別の誘引物質が存在する場合に限られる。前述の先行技術において言及されているデバイス、方法および技術は、大部分が、受動的な捕獲デバイスに関するものであり、すなわち、これらの捕獲デバイスは、連続作用向けに設計されていて、虫を引き付け、次に捕捉または駆除することが意図されている。誘引用には、熱、臭い、光(蛾用)および/または色が使用される。こうした誘引は、虫が動揺して、または恐がって逃げない場合にのみ機能し得る。このような受動的捕獲デバイスで虫を捕らえるためには、虫の協働にも頼らなければならない。捕獲デバイス内へ入るためには、虫は、前記捕獲デバイスへと自らが能動的に移動していかなければならない。フェロモンでコーティングされた粘着性ストリップで能動的に虫を捕らえることは、一般的な雑誌で虫を叩くことと同じくらい難しいと思われる。したがって、受動的な捕獲デバイスおよび捕獲方法は、何時間も、または何日にもわたって(受動的に)待ち伏せするように設計され、よって概して、虫を能動的に捕獲する手段としての使用には不適である。
【0014】
同様に、たとえばハエ叩きまたは捕蝶網の形態である能動的な虫捕獲デバイスも、よく知られている。
【0015】
たとえば、1904年の独国特許第161732号明細書は、虫に向かってゆっくりと移動する、虫を捕らえて殺すためのデバイスを開示している。この目的に沿って、容器は、部分的に透明であって液体で満たされるように設計されている。しかしながら、この例においてもやはり、虫が飛んで逃げるかなりの危険性がある。
【0016】
さらに、能動的な虫捕獲デバイスは、通常、かなりのレベルの速度および機敏さを求める。捕獲デバイスが、虫が位置決めされる表面上に設置される場合、その表面は、虫が殺されると汚されることが多い。生け捕り用のものは、提供されないことが多い。
【0017】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、かつ、虫を表面から、虫が飛んで逃げることなく、具体的には、表面に捕獲デバイスを設置する必要もなしに、能動的に素早くつかむことを可能にする、改良された能動的捕獲デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、開口縁を有する捕獲開口と、少なくとも1つのグレア光源と、捕虫器と、好ましくは少なくとも1つのチャンバ壁を有する少なくとも1つの受入れチャンバと、を備える能動的な虫捕獲デバイスによって達成され、ここで、能動的な虫捕獲デバイスは、少なくとも1つの持ち手を備え、よって携帯可能である。
【0019】
本発明の意味合いにおいて、能動的な虫捕獲デバイスとは、虫が捕獲デバイス内へ能動的に入ることは必要でなく、捕獲デバイスのユーザが虫を罠で能動的に捕え得ることを意味する。言い換えれば、ユーザは、本発明による虫捕獲デバイスを用いて、虫を、具体的には表面上に存在する虫を、罠で捕える、または追い詰めることができる。
【0020】
驚くべきことに、少なくとも1つのグレア光源を用いる間に、虫へゆっくりと近づけることが証明されている。典型的には、時として虫が弱視であることに起因して気づかれることのない接近を容易にすべく、極めて迅速であること(たとえば、ハエ叩きの原理)、および/またはトラップ容器が可能な限り目立たないものであること(たとえば、水飲み用透明コップ)のいずれかによって虫に接近する試みが行われる。しかしながら、この場合、虫が、たとえばクロバエ、イエバエおよびミバエの場合に、グレア光源で直に照射されて目が見えなくされると、驚くべきことに、虫は、適切な物体が接近しても逃げていかないことが確認されている。これを気付かれない接近と呼ぶことは、少なくとも人間の視点からすると、できない。光源より目立つものに想到することは、ほぼ不可能であるが、明らかに、虫は、これを、反応するほどの恐怖とは感じていない。特定の理論に束縛されるものではないが、虫の多くは、進化的に、動きより影に強く左右される、という仮説がある。原則として、ハエ叩きの場合の逃避反射は、明らかに、動きに対する感受性に帰する可能性もある。しかしながら、奏効した目くらまし効果に鑑みて、思い返せば、これらの虫は、動きよりも影に対してより強く反応することが仮定される。自然界に人工光源は存在せず、よって、天体を除けば、自然光源は、極めてまれである。また、前記天体(たとえば、太陽)は、概して脅威ではなく、代わりに、空が開放されていること、かつ、たとえば、虫より上に鳥などいないこと、を示すものである。したがって、本発明による少なくとも1つのグレア光源は、脅威として認識されないどころか、虫の目を見えなくして虫捕獲デバイスおよび捕獲開口が虫の近くへ、虫が捕虫器によって捕らえられ得る、たとえば吸引され得るように、動かされることを可能にする。
【0021】
この目的は、開口縁を有する捕獲開口と、少なくとも1つのグレア光源と、好ましくは、少なくとも1つのチャンバ壁を有する少なくとも1つの受入れチャンバと、を備える能動的な虫捕獲デバイスによっても達成され、ここで、能動的な虫捕獲デバイスは、具体的には、電気掃除機に適しかつ持ち手を有する着脱式の電気掃除機アタッチメントである。
【0022】
その基本原理は、最初に記述したソリューション案と同じものである。しかしながら、このさらなるソリューションにおける捕虫器、すなわち虫を受け入れ、保持し、殺しかつ/または他の方法で無害にするエレメントは、持ち手を有する電気掃除機である。これは、具体的には配電網へ接続されて動作するように設計される一般的な床用電気掃除機であっても、携帯型の、具体的には充電式のハンディ掃除機であってもよい。一般的な床用電気掃除機は、典型的には、吸込みホースを有し、電気掃除機アタッチメントは、吸込みホースの端において交換可能である。本発明による電気掃除機アタッチメントは、好ましくは、このような吸込みホース用に意図される。しかしながら、ハンディ掃除機用の交換可能な電気掃除機アタッチメントも周知であり、よって、ある代替実施形態において、本発明による電気掃除機アタッチメントは、こうした電気掃除機用に適合化されかつ配置される。本発明の意味合いにおいて、電気掃除機としては、管またはこれに類似するものを介して空気を吸い込むことができるあらゆる装置、たとえば、床用電気掃除機、または、ある好ましい実施形態における、車用電気掃除機またはハンディクリーナなどの携帯用電気掃除機、が含まれる。原則として、この目的に沿って、多くの多様な実施形態、たとえば、充電式電気掃除機、袋のいらない電気掃除機、工業用電気掃除機またはサイクロン式電気掃除機が考慮される。また、本発明による虫捕獲デバイスには、窓用掃除機、湿式または水掃除機、灰掃除機または落ち葉掃除機などの他の種類の吸込みデバイスを用いることも可能である。これらのデバイスも、本発明の電気掃除機を表す。
【0023】
本発明の意味合いにおける「能動的な」虫捕獲デバイスは、「受動的な」虫捕獲デバイスと区別されなければならない。能動的な虫捕獲デバイスの場合、虫は、虫捕獲デバイスが意図された通りに使用されると、能動的に追い詰められ、すなわち、能動的な虫捕獲デバイスは、意図された通りに使用されると、虫へと誘導される。ハエ叩きは、このような能動的虫捕獲デバイスの一例である。これに対して、受動的な虫捕獲デバイスは、虫を引き付け、すなわち、意図された使用法で、虫は、虫捕獲デバイスが受動的に、通常は静止した状態で、「待ち伏せ」している間に、虫捕獲デバイスへと引きつけられる。このような先行技術による虫捕獲デバイスについては、先に述べた。能動的な虫捕獲デバイスは、こうした能動的使用用に適合化されかつ配置され、通常、電気エネルギーは、虫を首尾よく捕えかつ/または殺すために数分または数秒といった極めて限られた時間で必要とされるだけであり、電力を消費しない能動的な虫捕獲デバイス(ハエ叩き)も存在する。したがって、能動的な虫捕獲デバイスは、好ましくは、短時間動作用、すなわち、ハエ叩きで叩くため、に設計され、あるいは、虫は、グレアで眩惑され、次いでユーザにより能動的に捕捉される。捕捉は、たとえば吸込みデバイスによる、自動的なものであってもよい。受動的な虫捕獲デバイスは、虫が引き付けられるまでにかなりの時間がかかることから、継続的作用に適するものでなければならない。たとえば、何千匹もの蚊を捕捉して駆除するために、二酸化炭素および他の誘引物質を継続的に放つ受動的な虫捕獲デバイスが存在する。本発明は、能動的な虫捕獲デバイスに関する。
【0024】
本発明の意味合いにおいて、「の前に(in front of)」または「捕獲開口の前に(in front of the capture opening)」は、虫捕獲デバイスの残りの大部分が延在しない捕獲開口から始まる方向を指す。したがって、これは、捕獲開口が虫に向かって動かされるにつれて虫が遭遇することになる方向である。本発明の意味合いにおいて、「の後に(in back of)」または「捕獲開口の後(behind the capture opening)」は、受入れチャンバが存在する方向を指す。虫が捕獲開口の前の位置から捕獲開口の後ろの位置へ動く場合、虫は、虫捕獲デバイス内へ、具体的には受入れチャンバ内へ入り、最終的に、捕虫器に行き着く。虫が捕獲開口の背後の位置から捕獲開口の前の位置へ動く場合、虫は、受入れチャンバから出て、たとえば解放されることが可能である。
【0025】
本発明の意味合いにおいて、「目くらましコーン(blinding cone)」は、グレア光源によって照明される好ましくは略円錐形の領域である。この好ましくは円錐形の領域は、グレア光源によって直に照明され、よって、たとえば、グレア光源の光の屈折、散乱または反射によって間接的に照明されるものではない。グレア光源は、好ましくは、スポットライト、または指向性ビームを有する別の光源である。複数のグレア光源が存在する場合、グレア光源の各々は、個々の目くらまし光コーンを形成し、かつこれらの個々の目くらまし光コーンの合計が、本発明の意味合いにおいて「目くらましコーン」とされる。好ましくは、少なくとも1つのグレア光源が主として捕獲開口の前の領域に目くらましコーンを形成するように準備される。
【0026】
本発明の意味合いにおいて、虫捕獲デバイスは、それが人によって運ばれ得、かつ好ましくは人によって、具体的には少なくとも1つの持ち手で運ばれるように適合化されかつ配置される場合、「持ち運び可能」である。実施形態によっては、虫捕獲デバイスの重量は、10kg未満であり、好ましくは5kg未満、具体的には4kg未満、特に好ましくは2kg未満である。実施形態によっては、虫捕獲デバイスの重量は、100g~2000g、具体的には200g~1700g、特に好ましくは400g~1500gである。
【0027】
ゾーン、領域または虫が「直に」照明される場合、それは、光源の光が、少なくとも部分的にかつ迂回なしに、前記ゾーン、前記領域または前記虫に入射することを意味し、好ましくは、光子の少なくとも一部、具体的には、光源により発せられる光子の少なくとも25%、および/または少なくとも50%が、光源からの直線経路上で前記ゾーン、領域または虫に到達することを意味する。これに対して、光源の光が、あるゾーン、領域または虫に当たるためにまずは散乱され、反射され、または屈折されなければならない場合には、間接照明が生じる可能性がある。たとえば、角の背後にある光源は、角の前の領域を間接的に照明する可能性がある。屈折は、波の性質によるものである。その原理は、たとえば、光源が見えていなくても窓が照らされる建物から知られる。ゾーン、領域または虫が「直に」照明される場合、これを、光源によるゾーン、領域または虫の「直接」照明と呼ぶこともできる。光源からオブジェクト上へ直に当たる光は、最大の目くらまし効果を達成することに、より適することが多い。たとえば、人は、太陽の光を直に目にすると、目がくらむ可能性がある(原則的には、目くらましは、反射によっても生じ得るが、それには、より強い光源を要することが多い)。
【0028】
虫捕獲デバイスは、好ましくは、受入れチャンバを備える。原則的には、グリッドによって閉鎖される捕獲開口を設けることも考えられ、該グリッドは、帯電されている。虫は、接触すると死ぬ。この場合、たとえば、受入れチャンバは、必須ではない。しかしながら、受入れチャンバは、得策であることが証明されている。前記受入れチャンバは、好ましくは、具体的には円筒形である内部を備える。内部は、長円形として設計されてもよく、具体的には、トンネル状の内部であってもよい。
【0029】
実施形態によっては、少なくとも1つのチャンバ壁が受入れチューブの形態の前記受入れチャンバを形成し、具体的には、該少なくとも1つのチャンバ壁/受入れチューブは、少なくとも所々に、好ましくは楕円形、円形または多角形の断面、具体的には長方形の断面を有する。実施形態によっては、この断面は、好ましくは、受入れチャンバに沿って、具体的には受入れチューブの長手方向の延びに沿って、少なくとも部分的に、一定の断面形状、および/または一定の断面寸法および/または一定の断面輪郭を有する。好ましくは、少なくとも1つのチャンバ壁が受入れチューブを形成し、かつ受入れチューブの一端に捕獲開口が形成されるように準備される。また、受入れチューブが剛性であることも好ましい。受入れチューブは、屈曲可能かつ/または可撓性であることが適切であるが、非破壊式には屈曲され得ない剛性の受入れチューブ、たとえば脆性の透明な硬化プラスチック製の受入れチューブ、を使用することが特に効果的であることは、証明されている。受入れチャンバは、好ましくは、トンネル状の内部を有する受入れチューブとして設計される。また、受入れチューブの平均直径は、受入れチューブの長さより小さく、その少なくとも3分の1、具体的には少なくとも5分の1、好ましくは少なくとも10分の1であることも好ましい。受入れチューブは、好ましくは、10cm未満、具体的には7cm未満、好ましくは4cm未満の平均内径および/または平均外径を有する。本発明による能動的な虫捕獲デバイスの特に得策な一実施形態において、捕獲開口、または捕獲開口の開口縁、または受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、の直径は、体積流量に適合化されることが可能である。使用される電気掃除機の性能が低い場合、言い換えれば、体積流量がより少ない場合、受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、の直径をより小さくすることが効果的であり、これに対して、使用される電気掃除機の性能が高ければ、受入れチューブの直径をより大きく設定することができる。本発明による能動的な虫捕獲デバイスの得策な一実施形態、具体的には電気掃除機アタッチメントとしての実施形態、において、受入れチャンバの直径、具体的には受入れチューブの直径、は、アタッチメントを性能に関わりなくあらゆるタイプの電気掃除機に取り付けることができるように、可変的に調整可能である。
【0030】
受入れチューブとしての実施形態は、特に効率的な方法で虫に接近することを可能にする。ユーザおよびユーザの手は、ある距離を隔てたままであるのに対して、受入れチューブの先端は、グレア光源のグレア光によってほぼ「不可視」にされる。前記グレア光が、目くらましによってユーザの手をも「不可視」にする必要がない場合は、より効率的である。
【0031】
ある実施形態において、少なくとも1つのグレア光源は、虫捕獲デバイスの受入れチャンバ内に、具体的には受入れチューブの形態で位置づけられ、かつ好ましくは、捕獲開口から輝き出る。また、虫捕獲デバイスの残りの部分が捕獲開口の背後に位置づけられる場合、かつ、捕えられる前の虫が捕獲開口の前に位置づけられ得る場合も好ましく、少なくとも1つのグレア光源は、捕獲開口の背後に位置づけられて、捕獲開口から輝き出る。これにより、特に良好な目くらまし効果が保証される。虫は、少なくとも1つのグレア光源によって直に照射される。好ましくは、グレア光源が捕獲開口を介して直に輝き、かつ/または捕獲開口の背後に配置されるように準備される。何かを介して直に輝くことは、光が捕獲開口を直に通り抜けることを意味する。
【0032】
ある実施形態において、捕虫器は、生け捕り用の罠であり、すなわち、ほとんどの場合、虫は生け捕りにされる。別の実施形態において、罠は、ほとんどの場合、虫を殺す罠である。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つのグレア光源が、捕獲開口の前のゾーンを直に照射するように適合化されかつ配置されるように準備される。グレア光源は、光をこの方向に集束させるための反射体を備えてもよい。この基本原理は、懐中電灯および自動車用ヘッドライトから知られる。実施形態によっては、捕獲開口の前の目くらましコーンの平均直径が、捕獲開口より大きい1cm、および/または3cm、および/または5cmであるように準備される。好ましい実施形態において、目くらましコーンの平均直径は、それが捕獲開口を通る間、かつ特に好ましくは、捕獲開口から一定の距離においても捕獲開口の直径より小さく、たとえば、捕獲開口の前で、具体的には、光ビームが虫または虫の眼領域に当たるまで1cm、および/または3cm、および/または5cmである。多くの場合、目くらまし効果が虫の目領域の周りにのみ発現するように、虫の頭部が照明されれば十分である。したがって、グレアコーンの直径は、虫の直径に相当する、具体的には虫の頭部の直径に相当するほどの小ささであってもよい。したがって、虫が開口縁を知覚しないことを確実にすることが可能である。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つのチャンバ壁の少なくとも所々が、透明かつ/または半透明であるように準備され、好ましくは、この場合、捕獲開口の少なくとも所々が、周囲の透明かつ/または半透明の少なくとも1つのチャンバ壁によって区切られる。捕獲開口の開口縁は、好ましくは、少なくとも所々が透明かつ/または半透明であり、具体的には、完全に透明および/または半透明である。
【0035】
受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、は、好ましくは、透明かつ/または半透明材料から形成される。受入れチャンバは、たとえば、透明かつ/または半透明のプラスチックを含んで形成されてもよい。
【0036】
少なくとも1つの持ち手は、好ましくは、受入れチャンバを越えて、具体的には受入れチャンバを越えて受入れチャンバの捕獲開口とは反対側に位置決めされる。そこにおける持ち手の上述のポジションは、持ち手が捕獲開口からさらに離れていることから、虫が、ユーザの手および/または腕を怖がって逃げることを特に効果的に防止することが証明されている。複数の持ち手を設けることも可能であるが、持ち手は、1つだけであることが好ましい。実施形態によっては、受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、は、捕虫器および/または電気掃除機アタッチメントのコネクタを捕獲開口へ連接することができる。受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、によって、具体的には、確実に虫が飛んで逃げないようにすることが可能である。ある効果的な実施形態において、受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、は、虫捕獲デバイス全体を近づける必要性を回避する。また、これは、具体的には、少なくとも1つの持ち手が捕獲開口のかなり後に、好ましくは受入れチャンバを越えて、特に好ましくは受入れチューブを越えて位置づけられる場合に、ユーザの手が知覚されることを防止する。代わりに、意図通りに使用される場合、好ましくは比較的薄い、具体的には受入れチューブの形態である受入れチャンバは、虫を捕獲するために表面上の虫に接近し、虫捕獲デバイスの残りの部分は、十分な距離を保ってもよい。受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ、の長さは、好ましくは、少なくとも5cm、具体的には少なくとも10cmである。具体的には受入れチューブの形態である受入れチャンバにより、虫は、特に効率的な方法で眩惑される。また、少なくとも1つのグレア光源による目くらましコーンは、単にいかなる幅用にも設計され得るわけではなく、すなわち、捕虫器のかさばったコンポーネントが虫に向かって直に動かされなければならないとすれば、適切な目くらましコーンを確実に生成することは、さらに困難である。
【0037】
実施形態によっては、捕虫器が吸込みデバイス、具体的には負圧を発生させる吸込みデバイス、を備えるように準備される。吸込みデバイスは、好ましくは、吸引ファンとして構成される。吸込みデバイスは、好ましくは、受入れチューブと組み合わされ、よってこれは、吸引チューブとも呼ばれ得、かつ好ましくは虫を吸い込む。捕獲開口と吸込みデバイス、具体的には吸引ファン、との間には、好ましくは、フィルタおよび/または収集容器が設けられる。実施形態によっては、捕虫器は、吸込みデバイスにより引き入れられる空気を通して運ぶ少なくとも1つのフィルタおよび/または収集容器を備える。虫は、吸込みデバイスを用いて、具体的には吸引チューブによって、吸い込まれることが可能である。実施形態によっては、受入れチャンバまたは受入れチューブは、虫を吸い込むように適合化されかつ配置される吸引チューブである。本開示に記載の起動スイッチは、好ましくは、吸込みデバイスをオンにすることができる。
【0038】
また、吸込みデバイスの代わりに、または吸込みデバイスに加えて、ケージ罠も設けられてもよい。虫捕獲デバイスの実施形態によっては、ケージ罠には、虫を殺す、または気絶させるために張力がかかっている。ケージ罠は、前へ跳ね返ることができるように予め張力をかけて準備されることが可能である。本開示に記載の起動スイッチは、好ましくは、このプロセスをトリガすることができる。また、ケージ罠と吸込みデバイスとの組合せも考えられ、この場合、虫をケージ罠内へ運ぶために、ケージ罠のメッシュを介して空気が吸引される。
【0039】
また、具体的には収集容器が適切に柔らかいものとして設計される場合、虫を生け捕りにすることも可能である。ある実施形態において、収集容器は収集袋であり、この場合、袋の壁は、空気透過性である。別の実施形態において、収集容器は、入口と出口とを有する収集チャンバであり、この場合、空気は、入口から収集容器へ入って出口から逃げ、かつ出口フィルタは、空気を濾過し、かつ具体的には虫が出口から逃げることをも防止する。
【0040】
実施形態によっては、好ましくは、虫を解放するために収集容器を開けることができるように準備される。たとえば、収集容器へのアクセスを可能にする解放フラップまたはドアが存在してもよい。また、解放フラップまたはドアを作動させるための解放スイッチも準備されることが可能である。解放スイッチは、押しボタン、トグルスイッチ、ロータリスイッチ、センサ表面、ピストルトリガとして、または他の何らかの方法で設計されてもよい。
【0041】
実施形態によっては、捕虫器を起動させるための起動スイッチも準備される。少なくとも1つの持ち手は、この起動スイッチを備えてもよい。これを少なくとも1つの持ち手に取り付けることの利点は、虫捕獲デバイスが既に虫へ大きく接近している時点で起動を行ない得ることにある。起動スイッチは、押しボタン、トグルスイッチ、ロータリスイッチとして、または他の何らかの方法で設計されてもよい。たとえば、ピストルの場合のようなトリガも考えられ、接触に反応するセンサ表面も同様である。本発明の意味合いにおける起動スイッチは、具体的には人の手によって起動されると、たとえば吸込みデバイス、具体的には吸引ファン、をオンにすることによって虫捕獲デバイスを起動させる、好ましくは機械的なエレメントである。
【0042】
また、具体的には少なくとも1つの持ち手上には、グレア光源用の光スイッチも設けられてもよい。光スイッチは、押しボタン、トグルスイッチ、ロータリスイッチ、センサ表面、ピストルトリガとして、または他の何らかの方法で設計されてもよい。グレア光源は、自動的に、または捕虫器の起動スイッチが作動された時点で、起動されることも考えられる。ある実施形態において、グレア光源および吸込みデバイスは、好ましくは、共通の起動スイッチによって起動される。
【0043】
実施形態によっては、これまでに述べた起動スイッチおよび/または光スイッチは、最初の位置へ自動的に戻ることができる。これは、たとえば、その最初の位置へ自動的に戻るロータリスイッチまたはトグルスイッチであってもよい。
【0044】
また、光スイッチの代わりに、または光スイッチに加えて、吸込みデバイスにより起動される光起動ユニットも設けられてもよい。これは、吸込みデバイスの空気の流れが起動されると、空気の流れによって再配向される抵抗エレメントであってもよい。抵抗エレメントは、たとえば、空気の流れによって反転されるウエーハまたはプレートであってもよい。吸込みデバイスが起動されれば、抵抗エレメントは、その向きを変え、かつそうしながら、光起動ユニットを、具体的にはてこの作用によって起動する。
【0045】
これまでに述べた起動スイッチおよび/または光スイッチは、既に述べたように、一部の実施形態において、少なくとも1つの持ち手上に位置決めされても、かつ/または少なくとも1つの持ち手の一部であってもよい。また、起動スイッチおよび/または光スイッチは、ロータリスイッチとして構成されることも考えられ、具体的には、その場合、受入れチューブが回転可能であって、ロータリスイッチは、受入れチューブを回すことによって起動される。このロータリスイッチは、好ましくは、最初の位置へ自動的に戻る。
【0046】
実施形態によっては、捕獲開口の開口縁は、水平面上へ設定され得るように構成される。開口縁は、好ましくは、少なくとも2つの対向する領域を有し、これらは、縁が水平面上に設定されると水平面に同時に接触することができる。開口縁全体が1つの平面内に存在し、かつ/または該水平面と周方向に接触し得る場合は、特に好ましい。これを容易にするために、照明手段は、開口の背後に位置づけられるように準備されることが可能である。
【0047】
収集容器は、具体的には入口に、一方向バリアを備えてもよい。一方向バリアは、虫を一方向にのみ進ませるものであり、すなわち、虫は、一方向バリアを介して吸い込まれるが、その後はもう、一方向バリアを逆方向へ進むことができない。一方向バリアは、逆止弁であってもよく、具体的には、吸込みデバイスの流体の流れの中で自動的に開き、かつ流体の流れがなければ、すなわち吸込みデバイスがオフにされると自動的に閉じる逆止弁であってもよい。一方向バリアとしては、具体的には入口が自由にアクセスできないものであれば虫が見つけることのできない、狭い入口を用いることも考えられる。繊維、毛髪または剛毛、具体的にはプラスチック製のもの、は、一方向にのみ通され、よって一方向バリアを形成することができるようにして配向されることが可能である。
【0048】
好ましくは、吸込みデバイス、具体的には吸引ファンは、たとえばロータブレード、プロペラおよび/またはファンを有するターボマシンを備えるように準備される。空気は、ターボマシンによって吸い込まれてもよい。この機構により吸い込まれる流体、具体的には吸引される空気は、前記ターボマシンに到達するために、まずは収集容器を通過することも好ましい。これにより、虫がターボマシンの領域に達することが防止され、ひいては、虫が傷つけられること、またはターボマシンが損傷されることが防止される。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つのグレア光源は、少なくとも1つの、具体的には正確に1つのLEDによって、または複数の好ましくは相互接続されたLEDによって、または正確に1つのLEDによって、または正確に2つの好ましくは相互接続されたLEDによって形成されるように準備される。驚くべきことに、LEDは、捕虫器に特によく適する。虫は、通常、光よりも熱に引き付けられる。したがって、LEDは、標準的な電球ほどは適していないはずである。しかしながら、先に述べたような目くらまし効果は、LEDによって明確に発現することが確立されている。虫は、引きつけられるのではなく、眩惑される。また、電球が熱すぎると、温度の変化が虫を警戒させ得ることもあり、よって、LEDが特に適している。
【0050】
好ましくは、LEDは、UV範囲の光を発するように準備される。さらに、可視光も発せられてもよい。ある実施形態において、光は、ほとんどがUV範囲から、具体的には専らUV範囲から発せられる。
【0051】
グレア光源の目くらましコーンが受入れチャンバの内壁を照明することを防止するために、レンズまたはレンズシステムを用いて光ビームまたはLEDグレア光源を集束させることができる。グレア光源、たとえばLED、は、受入れチャンバ内、具体的には受入れチューブ内、の捕獲開口に、または具体的には捕獲開口の背後に、直に位置合わせされることが可能である。グレア光源を受入れチューブのさらに奥に位置合わせすることは、より急な勾配を有する目くらましコーンを必要とする。本発明による能動的な虫捕獲デバイスのこの実施形態の場合、グレア光源は、レーザを含んでも、レーザとして構成されてもよく、該レーザも、好ましくは、UV範囲の光を発する。レーザが使用されれば、ある得策な実施形態において、グレア光源、ひいては虫捕獲デバイス全体は、虫までより長い距離を導かれ、しかも、虫を十分に眩惑させることができる。代替として、または追加的に、レーザ形態のグレア光源を受入れチャンバ内、具体的には受入れチューブ内、のさらに奥に位置合わせすること、または該受入れチューブを相応に長く構成することも可能である。
【0052】
本発明による能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態において、該デバイスは、虫の周囲の明るさを決定するための少なくとも1つの明るさセンサを備える。この明るさセンサは、屋内の人工光だけでなく屋外の昼光も検出する。本発明による能動的な虫捕獲デバイスは、さらに、虫の周囲の明るさをグレア光源のグレアの照明強度と、または、グレア光源の調整可能な照明強度と比較するための、少なくとも1つのデータ処理デバイスを備える。この目的に沿って、本発明による能動的な虫捕獲デバイスは、さらに、グレア光源の照明強度を調整するための、たとえばレギュレータまたはスイッチの形態である少なくとも1つの制御ユニットを備える。したがって、グレア光源の照明強度は、嵐の間または薄闇(言い換えれば、どちらかといえば暗い周囲)の間に、たとえばかなり明るい人工光または日光よりも低くされることが可能である。したがって、グレア光源は、十分な目くらまし効果を達成するために、または環境の明るさと比較してこれを調整するために必要とされる明るさであればよく、これにより、エネルギーコストが節約され、かつグレア光源の耐用寿命が延びる。ある得策な実施形態において、グレア光源の照明強度、またはグレア光源の調整可能な照明強度は、データ処理デバイスに1つまたは複数の参照値として記憶されてもよい。
【0053】
さらなる一実施形態において、少なくとも1つのデータ処理デバイスは、決定される虫の周囲の明るさとグレア光源の照明強度、またはグレア光源の調整可能な照明強度、との比較に基づいて、捕獲確率を決定するように準備される。ある得策な一実施形態において、少なくとも1つのデータ処理デバイスは、虫を捕獲する確率、または虫の能動的捕獲が可能であるか見込みがあるかを表示するインジケータデバイス、具体的にはディスプレイ、へ接続され、または接続可能であり、または該ディスプレイを装備している。虫の周囲の明るさとグレア光源の照明強度との差が小さすぎる場合、虫は十分には眩惑されず、よって虫は、捕獲開口を知覚して逃避本能で反応する。虫の周囲の明るさとグレア光源の照明強度との差が十分にある場合、虫はおおいに眩惑されて逃避本能が抑制され、よって虫は、問題なく捕獲され得る。インジケータデバイスは、たとえば、「イエス/ノー」システムとして構成されても、交通信号システム、具体的には緑色、黄色および赤色LEDインジケータを用いるもの、として構成されてもよい。
【0054】
実施形態によっては、少なくとも1つのグレア光源は、受入れチャンバの内部に位置決めされる。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つのグレア光源を捕獲開口に、具体的には、グレアが捕獲開口および/または開口縁の方向から、かつ/または捕獲開口を介して輝くようにして、かつ/または、捕獲開口の前のオブジェクトがグレア光源によって直に照らされるようにして位置合わせする、センタリングブラケットが準備される。
【0056】
センタリングブラケットは、グレア光源が固定される具体的には長円形であるブラケットであってもよい。センタリングブラケットは、好ましくは、具体的には捕獲開口から離れて後方へ延在するバーによって形成されてもよい。また、グレア光源が固定されるクロスバーも考えられ、該クロスバーは、開口縁へ、かつ/または少なくとも1つのチャンバ壁へ接続されている。しかしながら、センタリングブラケットは、グレア光源を始点として捕獲開口から離れて後方へ延びることが特に好ましい。これは、センタリングブラケットの影が虫に知覚されることを防止する上で特に効果的である。また、センタリングブラケットは、完全にまたは部分的に透明または半透明材料から形成されてもよい。
【0057】
また、1つまたは複数のグレア光源が、開口縁から距離を隔てて、具体的には捕獲開口の中心に、または中心近くに位置づけられて存在することも可能である。このようなグレア光源は、中心グレア光源と呼ばれることもある。該少なくとも1つの中心グレア光源は、好ましくは、捕獲開口の中心から2cm以内に離隔されて位置づけられる。該少なくとも1つの中心グレア光源は、好ましくは、捕獲開口の中心から捕獲開口の平均開口直径の20%以内、具体的には10%以内に離隔されて位置づけられる。
【0058】
実施形態によっては、少なくとも1つのグレア光源は、好ましくは、捕獲開口を取り囲む環状のグレア光源によって、または、捕獲開口の周りへ周方向に配置される複数のグレア光源によって形成される。グレア光源は、好ましくは、開口縁へ、かつ/または少なくとも1つのチャンバ壁へ固定されてもよい。また、これらは、好ましくは、開口縁に、かつ/または少なくとも1つのチャンバ壁に一体化されてもよい。
【0059】
実施形態によっては、少なくとも1つのグレア光源にエネルギーを供給するエネルギー発生デバイスが含まれる。
【0060】
エネルギー発生デバイスは、太陽電池であってもよい。たとえば、これは、少なくとも1つの持ち手上の、または受入れチューブ上の太陽電池であってもよい。これは、好ましくは、太陽により、屋内照明により、または電気掃除機により発せられる光を関与させる。
【0061】
しかしながら、これは、具体的にはタービンおよび/または発電機を備えるエネルギー発生機でもあり得、これは、流れる流体により解放される、具体的には電気掃除機により吸い込まれる空気の内部エネルギーを、電気エネルギーに変換する。そのために、エネルギー発生機は、好ましくは、捕獲開口を介して流れる空気の内部エネルギーを用いる。これらの実施形態は、具体的には電気掃除機アタッチメントの場合で、その実効性を示している。よって、好ましくは、電気掃除機アタッチメントは、エネルギーを別途供給される必要がなく、代わりに、少なくとも1つのグレア光源自体に、発生エネルギーを供給する。これは、バッテリと組み合わされてもよい。
【0062】
実施形態によっては、エネルギー貯蔵ユニット、具体的にはバッテリ、が含まれていて、これにより、少なくとも1つのグレア光源にエネルギーが供給される。これは、少なくとも1つの一次セルを有する、または少なくとも1つの二次セルを有するエネルギー貯蔵ユニットであってもよいが、後者が好ましい。エネルギー貯蔵ユニットは、好ましくは、具体的には1つまたは複数の二次セルを有する充電式バッテリである。その結果、この装置は、携帯用途に特によく適する(ただし、電力網へ接続する携帯型ハンドヘルド装置も存在する)。受動的な虫捕獲デバイスの場合、虫は、継続的使用によって引き付けられ、かつバッテリ内のエネルギー量は、典型的には継続的使用に適さない、という理由で、概して、動作用バッテリが考慮されない。
【0063】
少なくとも1つのグレア光源は、好ましくは、スポットライトとして、具体的には、捕獲開口を介して、または開口縁から離れて輝くスポットライトとして構成される。したがって、特に効率的な虫の目くらましが達成される。この場合、グレア光は、投光照明と呼ばれることもある。光は、好ましくは、反射体により捕獲開口へ向かって、かつ/または捕獲開口前の領域に集束される。
【0064】
実施形態によっては、少なくとも1つのグレア光源が少なくとも1つのチャンバ壁内へグレア光を光らせ得、次に、この光が周方向の開口縁に発せられるように準備される。また、この目的に沿って、少なくとも1つのチャンバ壁が光伝導材料、好ましくは光ファイバケーブル、を含むように準備されることも可能である。
【0065】
ある実施形態において、少なくとも1つのグレア光源は、捕獲開口の平面の後方に位置づけられ、具体的には、センタリングブラケットにより捕獲開口の平面の後方に位置合わせされる。原則的には、グレア光源が捕獲開口の平面内に、または該平面の前に位置決めされることも可能である。捕獲開口の平面は、開口縁の輪郭によって画定される。開口縁は、好ましくは、1つの平面内に存在する。これが当てはまらない場合、該平面の位置が、開口縁の点が平均して該平面から可能な限り最小の距離を有するように平均される。グレア光源が捕獲開口の平面の後方に位置決めされる場合、開口縁は、グレア光源が損傷される、かつ/または虫がグレア光源によって傷つけられる危険性なしに、表面上へ設定されてもよい。得策な実施形態において、グレア光源は、捕獲開口の平面の後方200cmまでに、好ましくは5cmまでに、0.01~3cmを優先して、特には0.1~2cmを優先して、かつ具体的には0.5~1cmに位置決めされる。これらの距離は、特に適切であることが証明されている。この距離が大きくなる場合、具体的には5cmより大きくなり、すなわちグレア光源がさらに後方へ移される場合、目くらましコーンが捕獲開口の開口縁によって過度に遮蔽される危険性が高まる。この危険性は、具体的には、薄い受入れチューブが利用されかつユーザの手が震える場合にも高まる。5cm超で200cmまでの距離では、レンズまたはレンズシステムまたはレーザグレア光源を装備したグレア光源を用いることが極めて効果的であることが証明されている。具体的には、グレア光源として高輝度LEDグレア光源またはレーザが使用される場合、たとえば、標準的な床用電気掃除機の掃除機チューブが受入れチャンバとして使用されることも可能である。
【0066】
少なくとも1つのグレア光源は、複数の周方向グレア光源、具体的にはLED、によって形成されてもよい。したがって、LEDは各々、他のグレア光源へ接続されるグレア光源である。グレア光源は、3つ、4つ、5つまたはそれ以上であることが可能である。また、少なくとも1つのグレア光源は、連続する円周リングとして、たとえば連続するOLED材料により構成されることも考えられる。また、たとえば、複数の環状に配置されたLEDによって、環状配置のグレア光源も実現可能である。「環状」とは、あらゆる閉鎖された軌道、具体的には捕獲開口を取り囲む軌道を意味するものと理解され、該軌道は、たとえば円形もしくは楕円形であっても、長方形であってもよい。円形または楕円形の配置は、特に適切であることが証明されている。ある実施形態では、3~10個のグレア光源、具体的にはLED、が環状に配置される。複数のグレア光源は、開口縁内に一体化されても、これに固定されてもよい。
【0067】
一部の実施形態において、具体的にはLEDを備えるグレア光源は、可視光、言い換えれば380~780mmの波長を含む光、を発する。しかしながら、グレア光源は、代替的または追加的に、たとえば100~380nmの紫外光および/または赤外波長範囲内の光を含むようにも準備され得る。100~400nm、具体的には250~380nm、特に好ましくは300~350nmの範囲の波長を発するグレア光源は、特に適することが証明されている。ある得策な実施形態において、グレア光源は、大部分が100~500nm、具体的には200~450nmの範囲内である光を発するようにも準備され得、好ましくは、グレア光源により発せられる光子の少なくとも50%、具体的には60%、特に好ましくは80%が、上述の波長範囲のうちの1つに対応するエネルギーを有する。ある実施形態では、可視光の割合が50%未満であるように準備され得る。
【0068】
さらなる一実施形態において、本発明は、電気掃除機のアタッチメントだけでなく、本開示に記載の本発明による、電気掃除機アタッチメントの形態の虫捕獲デバイスと、電気掃除機アタッチメントに接続され得る電気掃除機とを備えるキットにも関し、具体的には、該虫捕獲デバイスは、電気掃除機の電気掃除機チューブの一端へ固定される。
【0069】
本発明は、少なくとも1つのグレア光源と捕虫器とを備える虫捕獲デバイス、具体的にはこれまでに述べた本発明による能動的な虫捕獲デバイス、を用いて虫を捕獲するための方法にも関し、本方法は、
1)虫を表面上に位置決めするステップと、
2)虫を少なくとも1つのグレア光源で眩惑させるステップと、
3)眩惑された虫の近くへ虫捕獲デバイスを動かすステップと、
4)捕虫器で虫を捕獲するステップと、を含む。
【0070】
捕虫器の、たとえば捕虫器の吸込みデバイスの、起動は、ステップ4)だけでなく、ステップ1)、ステップ2)またはステップ3)でも行われ得る。しかしながら、好ましくは、捕虫器の起動がステップ2)の前、またはステップ2)の間に行われるように準備される。これにより、虫が起動自体によって驚かされることが防止される。また、原則的には、もっと後の起動、たとえば、虫が既に罠の有効範囲内にいるステップ4)における起動、も考えられる。しかしながら、多くの場合、早期起動が得策であることが証明されている。驚くべきことに、虫は、たとえば捕虫器の吸込みデバイスの起動により怖がって逃げたりしない。虫は、気流が生じるとよく表面にしがみつくことが観察されている。特定の理論に束縛されるものではないが、これは、自然界の突風が、これらの虫が魚のいる池に、または蜘蛛の巣に投げつけられる危険性を孕むという事実によって説明される可能性もある。これが、少なくとも一部の虫は、吸込みデバイスが接近した場合、および虫が眩惑された場合にしがみつく、という効果への適応へと至った可能性もある。おそらく、進化論的な意味では、かつ虫の視点からすると、吸込みデバイスは、突風に相当し、グレア光源は、太陽に相当する。この理論が必ずしも正しくはないとしても、本方法は、虫を捕獲することに関して奏効することが証明されている。
【0071】
表面上の虫が「非接触」式に、言い換えれば、表面と虫捕獲デバイスとの間に接触がない方式で捕らえられる方法は、特に好ましい。虫を捕らえる場合、本発明による虫捕獲デバイスは、表面上へ設置される必要がない。代わりに、所定の距離から吸い込むことが可能である。これは、虫が不均一な表面上にいる場合に、または、丸みを帯びたガラス表面、植物、食品またはこれらに類似するものなどの繊細な表面上にいる場合であっても効果的である。既に述べたように、この場合も、捕獲プロセスの間の虫による能動的な動きは不要である。本発明の虫捕獲デバイスを用いれば、虫は、しがみついているとしても、目くらまし光効果の発生および逃避本能の抑制によって、概してなんら問題なく吸い込まれ得る。
【0072】
虫をより効果的に捕獲するために、本発明による虫捕獲デバイスを用いて虫を捕獲するための本発明による方法の一部の実施形態では、吸い込みの少し前に虫の(たとえば、しがみつきによる)不動性を、具体的には吸い込みの少し前に逃避反射を再トリガすることによって最小限に抑えることも効果的である。そうするために、虫は、少なくとも1つのグレア光源により、発せられる目くらましコーンを介して眩惑され、この場合、ユーザは、虫が眩惑されている間に虫捕獲デバイスを近づける。逃避反射は、受入れチューブが虫の真上に位置合わせされるとすぐにトリガされ得、この場合、目くらましコーンは、まだ虫に、具体的には虫の頭部に集束されている。一方で、目くらましコーンを、具体的にはその平均直径が捕獲開口より小さい場合、それが虫の頭部ではなく虫の隣に集束されるようにシフトすることが可能である。目くらまし効果がもはや存在しないこと、および直近周囲における光コーンの「突然の」出現に起因して、虫の逃避反射がトリガされる。虫は、もはや表面にしがみつかず、代わりに、逃げる前に「ジャンプ」して表面から自らを押しやる。すると、虫は、跳び上がりしなに吸い込まれ得る。さらには、虫を、吸引チューブの縁で、または吸引チューブの内側で、具体的には横から虫に向かって動かして突くことが可能である。このプロセスの間、虫は、必ずしもそうである必要はないが、目くらましコーンの内側に留まっている可能性がある。逃避反射は、吸引チューブによって引き起こされる物理的接触、およびおそらくは、いまや虫の視野内に入っている横方向の影の突然の出現によっても、トリガされ得る。この場合にも、虫は、まず「跳びのく」ことによって反応し、よって次に、虫は、吸い込まれ得る。
【0073】
虫捕獲デバイスを用いて、具体的にはこれまでに述べた本発明による能動的な虫捕獲デバイスを用いて、虫を捕獲するための本発明による方法の別の実施形態において、本方法は、さらに、
a)虫の周囲の明るさを決定するステップと、
b)決定された虫の周囲の明るさを、グレア光源の照明強度と、または、グレア光源の調整可能な照明強度と比較するステップと、
c)ステップb)に従って実行された比較に基づいて、捕獲確率を決定するステップと、
d)捕獲確率を表示するステップと、を含む。
【0074】
これらのステップは、好ましくは、表面上の虫の位置決め(ステップ1)と、少なくとも1つのグレア光源による虫の目くらまし(ステップ2)との間で行われる。
【0075】
本発明は、さらに、虫を能動的に捕獲するための少なくとも1つのグレア光源を備える、具体的にはこれまでに述べたような虫捕獲デバイスの使用法に関し、具体的には、この場合、虫は、捕えられる前に、グレア光源で直に照射される。また、本発明は、虫を、虫捕獲デバイスが取り付けられる電気掃除機によって、好ましくは、該虫捕獲デバイスが取り付けられるその電気掃除機のチューブによって捕えるための、これまでに述べたような虫捕獲デバイスの使用法にも関する。
【0076】
本発明により、驚くべきことに、特に高度な迅速さおよび機敏さを必要とすることなく虫を捕集することができる、能動的な虫捕獲デバイスを構築可能であることが追認されている。また、驚くべきことに、虫側の能動的な動きの形態での能動的な協働、および虫捕獲デバイスを、虫が位置決めされる表面上へ直に設置することは、必要でないことも示された。この虫捕獲デバイスは、イエバエ、クロバエ、ミバエおよび他の虫に適する。この原理は、一部の哺乳動物、たとえば車のヘッドライトのグレア内で立ちすくむ鹿の場合の比較可能な形態において全く未知ではなく、その場合の結果としての自動車事故は、望ましいものではない。虫が最後の瞬間に跳びのきかつ/または飛び去るとしても、そうする際に、虫は通常、まずは捕獲開口に接近し、よって、罠の有効ゾーンに入る危険性がさらに高められる。また、光源の方向へ逃げることは、光源が罠からの想定された出口を示し得ることから、本能的であるように思われることが多い。最終的に、本発明により、虫は、驚くほど首尾良く捕えられかつ/または殺される可能性もある。
【0077】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の例示的な実施形態を、略図を参照して発明を限定することなく例として説明する以下の記述から、明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】吸込みデバイスを備える能動的な虫捕獲デバイスの一実施形態を示す斜視図である。
図2】電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図3】電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図4】電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図5】電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図6】ケージ罠を備える能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図7】能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略スケッチである。
図8】電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す略断面図である。
図9】吸込みデバイスを備える能動的な虫捕獲デバイスのさらなる一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1は、開口縁6を有する捕獲開口2と、少なくとも1つのチャンバ壁5を有する内部16を有する少なくとも1つの受入れチャンバ21と、少なくとも1つのグレア光源3と、吸込みデバイスの形態の捕虫器9とを備える能動的な虫捕獲デバイス1の一実施形態を示す斜視図であり、該虫捕獲デバイスは、持ち手10を備え、よって携帯可能である。チャンバ壁5は、捕獲開口2を画定する開口縁6を備える。少なくとも1つのグレア光源3は、捕獲開口2の方向へグレア光4を発する。通気スリット12は、吸込みデバイスにより吸い込まれた空気を放出する。吸込みデバイスは、起動スイッチ11によってオン、オフされることが可能である。少なくとも1つのグレア光源3は、センタリングブラケット7により捕獲開口2の中央領域に位置合わせされる。内部16は、捕獲開口2と、吸込みデバイスの形態の捕虫器9との間に設けられる。また、持ち手10は、受入れチャンバ21を越えて、受入れチャンバ21の、捕獲開口2とは反対側に位置決めされる。
【0080】
図2は、開口縁106を有する捕獲開口102と、少なくとも1つのチャンバ壁105を有する少なくとも1つの受入れチャンバ121と、少なくとも1つのグレア光源103とを備える能動的な虫捕獲デバイス101のさらなる一実施形態を示す略断面図である。捕虫器は、本デバイスが電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイス101であり、よって電気掃除機が場合により捕虫器を形成し得ることから、示されていない。電気掃除機は、典型的には、負圧を発生する吸込みデバイスを備える。少なくとも1つのグレア光源103は、バーの形態のセンタリングブラケット107によって捕獲開口102の中央領域に位置合わせされる。少なくとも1つのグレア光源103は、虫Xが眩惑され得るように、捕獲開口102の方向へグレア光104を発する。電気掃除機アタッチメントの形態の虫捕獲デバイス101は、電気掃除機チューブを取り付けるためのコネクタ118を備える。受入れチャンバ121の内部116は、捕獲開口102とコネクタ118との間に設けられる。
【0081】
図3は、開口縁106を有する捕獲開口102と、少なくとも1つのチャンバ壁105を有する少なくとも1つの受入れチャンバ121と、少なくとも1つのグレア光源103とを備える能動的な虫捕獲デバイス101のさらなる一実施形態を示す略断面図である。この実施形態において、少なくとも1つのグレア光源103は、捕獲開口102を取り囲むLEDハローリングの形態である。LEDは、受入れチャンバ121のチャンバ壁105の開口縁106に一体化されている。捕虫器は、本デバイスが電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕獲デバイス101であることから、示されていない。少なくとも1つのグレア光源103は、虫Xが眩惑され得るように、捕獲開口102の開口縁106からグレア光104を発する。電気掃除機アタッチメントの形態の虫捕獲デバイス101は、電気掃除機チューブを取り付けるためのコネクタ118を備える。受入れチャンバ121の内部116は、捕獲開口102とコネクタ118との間に設けられる。
【0082】
図4は、開口縁106を有する捕獲開口102と、少なくとも1つのチャンバ壁105を有する少なくとも1つの受入れチャンバ121と、少なくとも1つのグレア光源103とを備える能動的な虫捕獲デバイス101のさらなる一実施形態を示す略断面図である。捕虫器は、本デバイスが電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕捉デバイス101であることから、示されておらず、関連する電気掃除機が事実上の捕虫器を形成する。少なくとも1つのグレア光源103は、横棒108の形態のセンタリングブラケットによって捕獲開口102の中央領域に位置合わせされる。少なくとも1つのグレア光源103は、虫Xが眩惑され得るように、捕獲開口102の方向へグレア光104を発する。電気掃除機アタッチメントの形態の虫捕獲デバイス101は、電気掃除機チューブを取り付けるためのコネクタ118を備える。内部116は、捕獲開口102とコネクタ118との間に設けられる。少なくとも1つのグレア光源103には、太陽電池113からケーブル114を介して電流が供給される。
【0083】
図5は、開口縁106を有する捕獲開口102と、少なくとも1つのグレア光源103とを備える能動的な虫捕獲デバイス101のさらなる一実施形態を示す略断面図である。この実施形態において、少なくとも1つのグレア光源103は、LEDハローリングの形態であり、捕獲開口102を取り囲みかつチャンバ壁105または開口縁106の外側へ固定される。捕虫器は、本デバイスが電気掃除機アタッチメントの形態の能動的な虫捕捉デバイス101であることから、示されていない。少なくとも1つのグレア光源103は、虫Xが眩惑され得るように、捕獲開口102の開口縁106からグレア光104を発する。電気掃除機アタッチメントの形態の虫捕獲デバイス101は、電気掃除機チューブを取り付けるためのコネクタ118を備える。受入れチャンバ121の内部116は、捕獲開口102とコネクタ118との間に設けられる。場合により、グレアによって虫捕獲デバイス101の他の領域を隠す二次グレア光源117が準備されてもよい。
【0084】
図6は、開口縁206を有する捕獲開口202と、少なくとも1つのグレア光源203とを備える能動的な虫捕獲デバイス201のさらなる一実施形態を示す略断面図である。この実施形態において、捕虫器209は、ケージ罠215と、ばね219とを備える。ケージ罠215は、虫を捕獲するためにその元のポジションから吹き出すことができる。持ち手210には、この目的で起動スイッチ211が備えられている。ケージ罠215は、ばね219が圧縮されている、予め張力がかけられたポジションで示されている。起動スイッチ21が起動されると、ケージ罠215の係合が解除されてばね219が弛緩し、ケージ罠215が前方へ押される。ケージ罠215は、次に、開口縁206から飛び出し、少なくとも1つのグレア光源203のグレア204によって眩惑された虫Xを捕獲する。少なくとも1つのグレア光源203は、ロッドの形態のセンタリングブラケット207によって捕獲開口202の中央領域に位置合わせされる。ケージ罠は、虫を殺すために帯電されてもよい。ケージ罠は、受入れチャンバ内に位置決めされる。
【0085】
図7は、本発明の意味合いにおける一実施形態の略スケッチである。虫Xは、開口縁306により画定される捕獲開口302から距離Dを隔てて位置づけられている。グレア光304は、目くらましコーンを形成し、これにより、虫は、眩惑され、よって開口縁306を知覚することができない。結果的に、虫捕獲デバイス301が虫に向かって動かされても、虫は、立ち去らない。このプロセスの間、ユーザは、虫捕獲デバイスを持ち手310によって保持することができる。したがって、隙間A1は、内部316の内径である。距離A2は、少なくとも1つのグレア光源303とチャンバ壁305との距離である。距離A2は、虫が通過することに適する。A3は、開口縁306とグレア光源303との距離である。この場合、この距離が少なくとも0.5cmであることが好ましい。
【0086】
図8は、捕獲開口402と、少なくとも1つのグレア光源420とを備える能動的な虫捕獲デバイス401のさらなる一実施形態を示す略断面図である。少なくとも1つのグレア光源420は、グレア光404をチャンバ壁405内へ光らせ、次いで、これが周方向の開口縁406で発せられる。内部416を有する受入れチューブの形態の受入れチャンバ421は、捕獲開口402とコネクタ418との間に設けられる。受入れチャンバ421、具体的には受入れチューブ、は、光伝導材料、たとえば光ファイバケーブルを含む。少なくとも1つのグレア光源420は、光をこの光伝導材料内へ、光が周方向の開口縁406で出るようにして光らせる。少なくとも1つのグレア光源420は、複数の点光源LEDによって形成されてもよい。この実施形態は、具体的には開口縁406が影を落とさないことを保証するという利点を有する。
【0087】
図9は、開口縁506を有する捕獲開口502と、少なくとも1つのチャンバ壁505を有する少なくとも1つの受入れチャンバ521と、少なくとも1つのグレア光源503と、吸込みデバイスの形態の捕虫器509とを備える能動的な虫捕獲デバイス501のさらなる一実施形態を示す斜視図であり、該虫捕獲デバイスは、持ち手510を備え、よって携帯可能である。チャンバ壁505は、捕獲開口502を画定する開口縁506を備える。少なくとも1つのグレア光源503は、捕獲開口502の方向へグレア光504を発する。通気スリット512は、吸込みデバイスにより吸い込まれた空気を放出する。吸込みデバイスは、起動スイッチ511によってオン、オフされることが可能である。図9の実施形態が図1の実施形態と相違する点は、主として、受入れチャンバ、具体的には受入れチューブ521および内部516が図1より長いことにある。
【0088】
これまでに述べた明細書本文、特許請求の範囲および図面に開示されている本発明の特徴は、本発明をその様々な実施形態において、個別に、かつ任意の組み合わせで実現するために不可欠なものであり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9