(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて、複数のビームを介して信号を送受信する方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20240325BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240325BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240325BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240325BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W16/28
H04W72/0457
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2021557581
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2020004171
(87)【国際公開番号】W WO2020197308
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0036223
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン, スンリ
(72)【発明者】
【氏名】ノ, フンドン
(72)【発明者】
【氏名】アグワル, アニル
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジェヒョク
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Enhancements on multi-TRP/Panel transmission,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1901 R1-1900087,フランス,3GPP,2019年01月12日
【文献】vivo,Some clarifications for MAC CEs for beam management,3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1800899,フランス,3GPP,2018年01月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける端末
によって遂行される方法であって、
TCI(transmission configuration indicator)状態のリストを含むPDSCH(physical downlink shared channel)設定情報を基地局から受信する段階と、
前記TCI状態のリスト内の少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報を含
み、論理チャネル識別子(LCID)値に関連付けられたPDSCH MAC CE
(media access control
control element)を前記基地局から受信する段階と、
前記PDSCH MAC CEに関連付けられた前記LCID値に基づき、前記MAC CEが1つのTCIコードポイント
に対して2
つ以上のTCI状態を
示すことができ
るMAC CEである
ことを識別する段階と、
前記TCIコードポイントを
示す情報を含むDCI(downlink control information)を前記基地局から受信する段階と、
前記TCIコードポイントを
示す情報及び前記少なくとも1つのTCI
の活性化
を示す情報に基づき、PDSCHを介
して前記基地局からデータ
を受信する段階と、を有
し、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、第1 TCIコードポイントにマッピングされる第1 TCI状態の識別子、及び前記第1 TCIコードポイントにマッピングされる第2 TCI状態の識別子が存在するか否かを示す指示子を含み、
前記指示子の値が1である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれ、
前記指示子の値が0である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれず、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報によって、少なくとも1つのTCIコードポイントに対して2つのTCI状態が示されることを特徴とする
方法。
【請求項2】
前記基地局か
らデータを受信する段階は、前記第1
TCI状態が適用される第1
PDSCH伝送
及び前記第2
TCI状態が適用される第2
PDSCH伝送を受信する段階を含み、
前記第1
PDSCH伝送及び前記第2
PDSCH伝送は、同一伝送ブロック
(TB)に関連
付けられることを特徴とする請求項
1に記載
の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報は、8個
のTCIコードポイント
までのものに
関するTCI状態識別子を含み、
1つ又は2つのTCI状態
は、それぞれのTCIコードポイント
にマッピングされることを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項4】
無線通信システムにおける基地局
によって遂行される方法であって、
TCI(transmission configuration indicator)状態のリストを含むPDSCH(physical downlink shared channel)設定情報を端末に送信する段階と、
前記TCI状態のリスト内の少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報を含
み、論理チャネル識別子(LCID)値に関連付けられ、1つのTCIコードポイントに対して2つ以上のTCI状態を示すことができるPDSCH MAC CE
(media access control
control element)を前記端末に送信する段階と、
TCIコードポイントを
示す情報を含むDCI(downlink control information)を前記端末に送信する段階と、
前記TCIコードポイントを
示す情報及び前記少なくとも1つのTCI
の活性化
を示す情報に基づき、PDSCHを介して前記端末にデータ
を送信する段階と、を有し、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、第1 TCIコードポイントにマッピングされる第1 TCI状態の識別子、及び前記第1 TCIコードポイントにマッピングされる第2 TCI状態の識別子が存在するか否かを示す指示子を含み、
前記指示子の値が1である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれ、
前記指示子の値が0である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれず、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報によって、少なくとも1つのTCIコードポイントに対して2つのTCI状態が示されることを特徴とする
方法。
【請求項5】
前記端末
にデータを送信する段階は、前記第1
TCI状態が適用される第1
PDSCH伝送
及び前記第2
TCI状態が適用される第2
PDSCH伝送を送信する段階を含み、
前記第1
PDSCH伝送及び前記第2
PDSCH伝送は、同一伝送ブロック
(TB)に関連
付けられることを特徴とする請求項
4に記載
の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報は、8個
のTCIコードポイント
までのものに
関するTCI状態識別子を含み、
1つ又は2つのTCI状態
は、それぞれのTCIコードポイント
にマッピングされることを特徴とする請求項
4に記載
の方法。
【請求項7】
無線通信システムにおける端末であって、
送受信部と、
前記送受信部
に接続された
少なくとも1つのプロセッサと、を
備え、
前記
少なくとも1つのプロセッサは、
TCI(transmission configuration indicator)状態のリストを含むPDSCH(physical downlink shared channel)設定情報を基地局から受信し、
前記TCI状態のリスト内の少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報を含
み、論理チャネル識別子(LCID)値に関連付けられたPDSCH MAC CE
(media access control
control element)を前記基地局から受信し、
前記PDSCH MAC CEに関連付けられた前記LCID値に基づき、前記MAC CEが1つのTCIコードポイント
に対して2
つ以上のTCI状態を
示すことができ
るMAC CEである
ことを識別し、
前記TCIコードポイントを
示す情報を含むDCI(downlink control information)を前記基地局から受信し、
前記TCIコードポイントを
示す情報及び前記少なくとも1つのTCI
の活性化
を示す情報に基づき、PDSCHを介して前記基地局からデータ
を受信する
ように構成され、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、第1 TCIコードポイントにマッピングされる第1 TCI状態の識別子、及び前記第1 TCIコードポイントにマッピングされる第2 TCI状態の識別子が存在するか否かを示す指示子を含み、
前記指示子の値が1である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれ、
前記指示子の値が0である場合に、前記第2 TCI状態が記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれず、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報によって、少なくとも1つのTCIコードポイントに対して2つのTCI状態が示されることを特徴とする端末。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1 TCI状態が適用される第1 PDSCH伝送及び前記第2 TCI状態が適用される第2 PDSCH伝送を前記基地局から受信するように更に構成され、
前記第1 PDSCH伝送及び前記第2 PDSCH伝送は、同一伝送ブロック(TB)に関連付けられることを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、8個のTCIコードポイントまでのものに関するTCI状態識別子を含み、
1つ又は2つのTCI状態は、それぞれのTCIコードポイントにマッピングされることを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項10】
無線通信システムにおける基地局であって、
送受信部と、
前記送受信部
に接続された
少なくとも1つのプロセッサと、を
備え、
前記
少なくとも1つのプロセッサは、
TCI(transmission configuration indicator)状態のリストを含むPDSCH(physical downlink shared channel)設定情報を端末に送信し、
前記TCI状態のリスト内の少なくとも1つのTCI
の活性化を
示す情報を含
み、論理チャネル識別子(LCID)値に関連付けられ、1つのTCIコードポイントに対して2つ以上のTCI状態を示すことができるPDSCH MAC CE
(media access control
control element)を前記端末に送信し、
TCIコードポイントを
示す情報を含むDCI(downlink control information)を前記端末に送信し、
前記TCIコードポイントを
示す情報及び前記少なくとも1つのTCI
の活性化
を示す情報に基づき、PDSCHを介し
て前記端末にデータ
を送信
するように構成され、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、第1 TCIコードポイントにマッピングされる第1 TCI状態の識別子、及び前記第1 TCIコードポイントにマッピングされる第2 TCI状態の識別子が存在するか否かを示す指示子を含み、
前記指示子の値が1である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれ、
前記指示子の値が0である場合に、前記第2 TCI状態が前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を示す情報に含まれず、
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報によって、少なくとも1つのTCIコードポイントに対して2つのTCI状態が示されることを特徴とする基地局。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1 TCI状態が適用される第1 PDSCH伝送及び前記第2 TCI状態が適用される第2 PDSCH伝送を送信するように更に構成され、
前記第1 PDSCH伝送及び前記第2 PDSCH伝送は、同一伝送ブロック(TB)に関連付けられることを特徴とする請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
前記少なくとも1つのTCIの活性化を示す情報は、8個のTCIコードポイントまでのものに関するTCI状態識別子を含み、
1つ又は2つのTCI状態は、それぞれのTCIコードポイントにマッピングされることを特徴とする請求項10に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおいて、複数のビームを介して信号を送受信するための方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4G(4th-generation)通信システム商用化及びマルチメディアサービス増大により、爆発的に増加勢にある無線データトラフィック需要を充足するために、改善された5G(5th-generation)通信システム又はpre-5G通信システムが開発されている。
そのような理由により、5G通信システム又はpre-5G通信システムは、4Gネットワーク以後(beyond 4G network)通信システム又はLTEシステム以後(post LTE)のシステムと呼ばれている。
【0003】
データ伝送率を上昇させるために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(例えば、60ギガ(60GHz)帯域)における具現が考慮されている。
該超高周波帯域における電波の経路損失を緩和させ、電波の伝達距離を延長させるために、5G通信システムにおいては、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO(multiple-input multiple-output))、全次元多重入出力(full dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beamforming)、及び大規模アンテナ(large scale antenna)の技術が論議されている。
【0004】
また、システムのネットワーク性能改善のために、5G通信システムにおいては、進化した小型セル、改善された小型セル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network:cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、機器間通信(device to device communication:D2D)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協力通信(cooperative communication)、CoMP(coordinated multi-points)、及び受信干渉除去(interference cancellation)のような技術開発がなされている。
【0005】
それ以外にも、5Gシステムにおいては、進歩したコーディング変調(advanced coding modulation:ACM)方式であるFQAM(hybrid FSK and QAM modulation)及びSWSC(sliding window superposition codingと、並びに進歩した接続技術であるFBMC(filter bank multi carrier)、NOMA(non orthogonal multiple access)、及びSCMA(sparse code multiple access)などが開発されている。
【0006】
一方、インターネットは、人間が情報を生成して消費する人間中心の接続網において、事物のような分散された構成要素間において、情報をやり取りして処理する事物インターネット(internet of things:IoT)網に進化している。
クラウドサーバなどとの接続を介するビッグデータ(big data)処理技術などがIoT技術に結合されたIoE(internet of everything)技術も、勢いを得てきている。
IoTを具現するために、センシング技術、有無線通信、及びネットワークインフラ、サービスインターフェース技術、並びにセキュリティ技術のような技術要素が要求され、近年では、事物間の接続のためのセンサネットワーク(sensor network)、事物通信(machine to machine:M2M)、MTC(machine type communication)のような技術が研究されている。
【0007】
IoT環境においては、接続された事物において生成されたデータを収集して分析し、人間の生活に新たな価値を新たに創出する知能型IT(internet technology)サービスが提供されうる。
該IoTは、既存のIT(information technology)技術と多様な産業との融合及び複合を介し、スマートホーム、スマートビルディング、スマートシティ、スマートカーあるいはコネックティッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマート家電、先端医療サービスなどの分野にも応用される。
【0008】
それにより、5G通信システムをIoT網に適用するための多様な試みがなされている。
例えば、センサネットワーク、事物通信(M2M)、MTCのような技術が、ビームフォーミング、MIMO、及びアレイアンテナのような技法を含む5G通信技術によって具現されている。
前述のビッグデータ処理技術としてのクラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN)が適用されるのも、5G技術とIoT技術との融合一例と言うことができる。
上述のところと、無線通信システムの発展とにより、多様なサービスを提供することができるようになることが求められており、特に、複数のビームを利用した通信を円滑に支援するための方案が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の無線通信システムにおける課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、無線通信システムにおいて、複数のビームを介して信号を送受信するための方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による端末の動作方法は、TCI(transmission configuration indicator)状態のリストを含むPDSCH(physical downlink shared channel)設定情報を基地局から受信する段階と、前記TCI状態のリスト内の少なくとも1つのTCI状態の活性化を指示する情報を含む「PDSCH MAC CE」(media access control element)を前記基地局から受信する段階と、前記「PDSCH MAC CE」が、1つのTCIコードポイントに関連する2以上のTCI状態を指示することができる「MAC CE」であるか否かということを識別する段階と、前記TCIコードポイントを指示する情報を含むDCI(downlink control information)を前記基地局から受信する段階と、前記TCIコードポイントを指示する前記情報、及び前記少なくとも1つのTCI状態の活性化を指示する前記情報に基づき、PDSCHを介し、データを前記基地局から受信する段階と、を有することを特徴とする。
さらなる様態は、以下の説明において、部分的に説明され、部分的には、説明から明白であり、又は本開示内容の提示された実施様態の実施によっても学習されるであろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、移動通信システムにおいて、サービスを効果的に提供することができる装置及びその方法を提供する。
また、本発明の一態様によれば、複数のビームを介して信号を送受信するための方法及びその装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の内容、及びその利点のさらに完全な理解のために、類似した参照番号が、類似した部分を示す添付図面と共になされる以下の説明をここに参照する。
【
図1A】本発明の一実施形態によるLTEシステムの構造を示す図である。
【
図1B】本発明の一実施形態によるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図である。
【
図1C】本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を示す図である。
【
図1D】本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの無線プロトコル構造を示す図である。
【
図1E】本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を図示する図面である。
【
図1F】本発明の一実施形態によるNRシステムで使用されるフレーム構造の例示した図である。
【
図1G】本発明の一実施形態によるNRシステムにおいて、基地局がPDSCHで伝達する下向きリンク信号のビームを指示する全体手続きを示す図である。
【
図1H】本発明の一実施形態によるNRシステムにおいて、基地局が複数のTRPを介してPDSCHで伝達する下向きリンク信号のビームグループを指示する全体手続きを示す図である。
【
図1I】本発明の一実施形態による複数のTRPから伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
【
図1J】本発明の一実施形態による複数のTRPから伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
【
図1K】本発明の一実施形態による複数のTRPから伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
【
図1L】本発明の一実施形態による複数のTRPから伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
【
図1M】本発明の一実施形態による基地局が、複数のTRPを介し、下向きリンクビームグループを設定し、端末と通信する方法を示す図である。
【
図1N】本発明の一実施形態による端末の全体動作を示す図である。
【
図1O】本発明の一実施形態による基地局の全体動作を示す図である。
【
図1P】本発明の一実施形態による端末の内部構造を示すブロック図である。
【
図1Q】本発明の一実施形態による基地局の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明を行う前、本明細書全体において使用された特定単語及び構文の定義について説明することが有利であろう。
用語「含む」及び用語{構成する}だけではなく、その派生語は、制限がない包含を意味する。「又は」という用語は、包括的であり、「及び/又は」を意味する。「~に関連すること(associated with)」及び「~と関連すること(associated therewith)」という文言とその派生語は、含みこと(include)、含まれること(be included within)、相互接続(interconnect with)、包含(contain)、中に含まれること(be contained within)、接続(connect to or with)、接続(couple to or with)、通信可能(be communicable with)、協力すること(cooperate with)、インターリーブ(interleave)、並置させること(juxtapose)、~に近接すること(be proximate to)、~に結束されること(be bound to or with)、~の属性を有すること(have a property of)、所有すること(have)、又はそのようなことを意味しうる。用語「コントローラ」は、少なくとも1つの動作を制御する任意の装置、システム、又はその一部を意味し、そのような装置は、ハードウェア、ファームウェア又はソフトウェア、又はそれらのうち少なくとも2個の組み合わせによっても具現される。
特定コントローラと関連する機能は、ローカルであっても遠隔であっても、中央集中化されたり、分散されたりする。
【0014】
また、以下で説明する多様な機能は、コンピュータで読み取り可能なプログラムコードで構成され、コンピュータで読み取り可能な媒体に具現された1以上のコンピュータプログラムにより、具現されたり、支援されたりもする。
「アプリケーション」及び「プログラム」という用語は、1以上のコンピュータプログラム、ソフトウェア構成要素、命令セット、手続き、機能、客体、クラス、インスタンス、関連データ、又は適切なコンピュータで読み取り可能なプログラムコードで具現するように構成されたその一部を示す。
「コンピュータで読み取り可能なプログラムコード」という文言には、ソースコード、目的コード及び実行コードを含む全類型のコンピュータコードが含まれる。
【0015】
「コンピュータで読み取り可能な媒体」という文言は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、ハードディスクドライブ、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disc)、又はその他類型のメモリのように、コンピュータでアクセスすることができる全類型の媒体を含む。
「非一時的」コンピュータで読み取り可能な媒体は、一時的な電気信号、又はその他信号を伝送する有線、無線、光学又はその他の通信リンクを除く。
非一時的コンピュータで読み取り可能な媒体は、書き換え可能な光ディスク、又は消去可能なメモリ装置のように、データが永久に保存されうる媒体及びデータが保存され、後で上書きされる媒体を含む。
【0016】
特定の単語及び構文に関連する定義は、本明細書全体に提供され、当業者は、ほとんどの場合ではないにしても、多くの場合、そのような定義がそのような定義された単語及び構文の以前及び今後の使用に適用されるということを理解しなければならない。
以下で論議する
図1A~
図1Q、及び本明細書における本発明の原理についての説明に使用する多様な実施形態は、ただ、例示のためのものであり、発明の範囲を制限するように、いかようにも解釈されるものではない。
当業者であるならば、本発明の原理が、任意の適切に配列されたシステム又は装置で具現されうるということを理解するであろう。
【0017】
明細書全体にわたり、「a、b、又はcの内の少なくとも一つ」という表現は、aだけ、bだけ、cだけ、a及びbのいずれも、a及びcのいずれも、b及びcのいずれも、並びにa、b、cのうずれも、又はその変形を示す。
端末の例としては、通信機能を実行することができるユーザ装置(UE(user equipment))、移動局(MS(mobile station))、携帯電話、スマートフォン、コンピュータ又はマルチメディアシステムが含まれうる。
本発明で使用しているように、用語「コントローラ」は、プロセッサを含む。明細書全般にわたり、階層(又は、階層装置)は、エンティティとも称される。
【0018】
次に、本発明に係る無線通信システムにおける端末及び基地局の動作方法並びに端末及び基地局を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
下記において、本発明について説明するにあたり、関連する公知の機能又は構成に関連する具体的な説明が、本発明の要旨を必要以上に不明確にしうると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、それらは、ユーザ、運用者の意図、又は慣例などによっても異なる。
従って、その定義は、本明細書全般にわたる内容を基になされなければならない。
【0019】
以下の説明で使用する接続ノード(node)を識別するための用語、網客体(network entity)を指す用語、メッセージを指す用語、網客体間のインターフェースを指す用語、多様な識別情報を称す用語などは、説明の便宜のために例示されたものである。
従って、本発明が後述する用語に限定されるものではなく、同等な技術的意味を有する対象を称する他の用語も使用する。
以下、基地局は、端末の資源割り当てを実行する主体であり、「gNode B」、「eNode B」、「Node B」、BS(base station)、無線接続ユニット、基地局制御器、又はネットワーク上のノードの内の少なくとも一つでもある。
端末は、UE(user equipment)、MS、セルラフォン、スマートフォン、コンピュータ、又は通信機能を実行することができるマルチメディアシステムを含むものである。
また、端末という用語は、携帯電話、NB-IoT(internet of things)機器、センサだけではなく、他の無線通信機器を示すことができる。
ここで、基地局及び端末が例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
【0020】
以下、説明の便宜のために、本発明は、「3GPP LTE」(3rd Generation Partnership Project long term evolution)及び/又は「3GPP NR」(3rd Generation Partnership Project new radio)規格で定義している用語及び名称を使用する。
しかし、本発明は、前述の用語及び名称によって限定されるものではなく、他の規格によるシステムにも、同一に適用されうる。
【0021】
LTE以後の今後の通信システムとして、すなわち、5G通信システムは、ユーザ及びサービス提供者などの多様な要求事項を自由に反映させなければならないために、多様な要求事項を同時に満足するサービスを支援しなければならない。
5G通信システムのために考慮されるサービスとしては、向上したモバイル広帯域通信(enhanced mobile broadband:eMBB)、大規模機械型通信(massive machine type communication:mMTC)、超信頼低遅延通信(ultra reliability low latency communication:URLLC)などがある。
【0022】
一実施形態によれば、eMBBは、既存のLTE、LTE-A又はLTE-Proが支援するデータ伝送速度よりもさらに向上したデータ伝送速度を提供することを目標とする。
例えば、5G通信システムにおいて、eMBBは、1つの基地局観点から、下向きリンクにおいては、20Gbpsの最大伝送速度(peak data rate)、上向きリンクにおいては、10Gbpsの最大伝送速度を提供しなければならない。
また、5G通信システムは、最大伝送速度を提供すると共に、上昇した端末の実際体感伝送速度(user perceived data rate)を提供することができなければならない。
【0023】
そのような要求事項を満足させるために、5G通信システムにおいては、さらに向上した多重アンテナ(multiple-input multiple-output:MIMO)伝送技術を含め、多様な送受信技術の向上が要求される。
また、現在のLTEが使用する2GHz帯域において、最大20MHz伝送帯域幅を使用して信号を伝送する一方、5G通信システムは、3~6GHz、又は6GHz以上の周波数帯域において、20MHzより広い周波数帯域幅を使用することにより、5G通信システムで要求するデータ伝送速度を満足させる。
【0024】
同時に、5G通信システムにおいて、事物インターネット(internet of things:IoT)のような応用サービスを支援するために、mMTCが考慮されている。
mMTCは、効率的に事物インターネットを提供するために、セル内における大規模端末の接続支援、端末のカバレージ向上、向上したバッテリ時間、端末の費用削減などが要求されうる。
事物インターネット(IoT)は、さまざまなセンサ、及び多様な機器に付着され、通信機能を提供するので、セル内において、多数の端末(例えば、1,000,000端末/km2)を支援しなければならない。
また、mMTCを支援する端末は、サービスの特性上、建物地下のように、セルがカバーすることができない陰影地域に位置する可能性が高いので、5G通信システムで提供する他のサービスに比べ、さらに広いカバレージが要求される。
mMTCを支援する端末は、低価の端末によって構成されなければならず、端末のバッテリを、頻繁に交換することは困難なために、10~15年のように非常に長いバッテリ生命時間(battery life time)が要求される。
【0025】
最後に、URLLCの場合、特定目的(mission-critical)で使用されるセルラ基盤無線通信サービスであり、ロボット(robot)又は機械装置(machinery)に対する遠隔制御(remote control)、産業自動化(industrial automation)、無人飛行装置(unmanned aerial vehicle)、遠隔健康ケア(remote health care)、緊急警報(emergency alert)などに使用されるサービスにも使用される。
従って、URLLCが提供する通信は、非常に低い低遅延(超低遅延)、及び非常に高い信頼度(超信頼度)を提供することができなければならない。
例えば、URLLCを支援するサービスは、0.5ミリ秒より短い無線接続遅延時間(air interface latency)を満足しなければならず、同時に、10-5以下のパケットエラー率(packet error rate)の要求事項を有する。
従って、URLLCを支援するサービスのために、5Gシステムは、他のサービスより短い伝送時間区間(transmit time interval:TTI)を提供しなければならず、同時に、通信リンクの信頼性を確保するために、周波数帯域において、広いリソースを割り当てなければならないという設計事項が要求される。
【0026】
前述の5G通信システムで考慮される三種のサービス、すなわち、eMBB、URLLC、mMTCは、1つのシステムにおいて多重化されても伝送される。
このとき、それぞれのサービスが有する異なる要求事項を満足させるために、サービス間において、互いに異なる送受信技法及び送受信パラメータを使用することができる。
ただし、前述のmMTC、URLLC、eMBBは、互いに異なるサービス類型の一例であって、本発明の適用対象になるサービス類型は、前述の例に限定されるものではない。
また、以下において、LTE、LTE-A、LTEPro、又は5G(又は、NR、次世代移動通信)システムを一例として、本開示の実施形態について説明するが、類似した技術的背景又はチャネル形態を有するその他の通信システムにも、本開示の実施形態が適用されうる。
また、本発明の実施形態は、熟練された技術的知識を有する者の判断でもって、本発明の範囲を大きく外れない範囲において、一部変形を介し、他の通信システムにも適用されうる。
【0027】
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態によるLTEシステムの構造を示す図である。
図1Aを参照すると、図に示すように、LTEシステムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(evolved node B、以下、eNB、Node B、又は基地局)(1a-05、1a-10、1a-15、1a-20)とMME(mobility management entity)(1a-25)、及びS-GW(serving-gateway)(1a-30)によって構成される。
ユーザ端末(user equipment、以下、UE又は端末)(1a-35)は、eNB(1a-05~1a-20)、及びS-GW(1a-30)を介し、外部ネットワークに接続する。
【0028】
図1Aにおいて、eNB(1a-05~1a-20)は、UMTS(universal mobile telecommunication system)の既存ノードBに対応する。
eNBは、UE(1a-35)と無線チャネルで接続され、既存ノードBより複雑な役割を行う。
LTEシステムにおいては、インターネットプロトコルを介するVoIP(voice over IP)のようなリアルタイムサービスを始めとする全てのユーザトラフィックが、共用チャネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEのバッファ状態、可用伝送電力状態、チャネル状態のような状態情報を取り集めてスケジューリングする装置が必要となり、それをeNB(1a-05~1a-20)が担当することができる。
【0029】
1つのeNBは、一般的に、複数のセルを制御する。
例えば、100Mbpsの伝送速度を具現するために、LTEシステムは、例えば、20MHz帯域幅において、直交周波数分割多重方式(orthogonal frequency division multiplexing:OFDM)を無線接続技術として使用することができる。
ここで、LTEシステムが使用することができる無線接続技術は、前記例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
また、eNB(1a-05~1a-20)は、端末のチャネル状態に合わせて、変調方式(modulation scheme)とチャネルコーディング率(channel coding rate)とを決定する適応変調コーディング(adaptive modulation & coding:AMC)方式を適用することができる。
S-GW(serving gateway)(1a-30)は、データベアラ(bearer)を提供する装置であり、MME(mobility management entity)(1a-25)の制御により、データベアラを生成したり除去したりする。
MME(1a-25)は、端末に関連する移動性管理機能は、言うまでもなく、各種制御器能を担当する装置として、複数の基地局と接続される。
【0030】
図1Bは、本発明の一実施形態によるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図である。
図1Bを参照すれば、LTEシステムの無線プロトコルは、端末とeNBとにおいて、それぞれPDCP(packet data convergence protocol)(1b-05、1b-40)、RLC(radio link control)(1b-10、1b-35)、MAC(medium access control)(1b-15、1b-30)を含み得る。
【0031】
PDCP(1b-05、1b-40)は、IPヘッダ圧縮/復元のような動作を担当する。
PDCP(1b-05、1b-40)の主要機能は、下記のように要約される。
ここで、PDCP(1b-05、1b-40)の機能は、下記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■ヘッダの圧縮機能及び圧縮解除(header compression and decompression:ROHC(robust header compression) only)機能
■ユーザデータ伝送(transfer of user data)機能
■順次伝達(in-sequence delivery of upper layer PDUs at PDCP re-establishment procedure for RLC AM(acknowledged mode))機能
■順序再整列(for split bearers in DC(only support for RLC AM):PDCP PDU routing for transmission and PDCP PDU reordering for reception)機能
■重複探知(duplicate detection of lower layer SDUs at PDCP re-establishment procedure for RLC AM)機能
■再伝送(retransmission of PDCP SDUs at handover and for split bearers in DC of PDCP PDUs at PDCP data-recovery procedure for RLC AM)機能
■暗号化機能及び復号(ciphering and deciphering)機能
■タイマ基盤SDU削除(timer-based SDU discard in uplink)機能
【0032】
無線リンク制御(RLC:radio link control)(1b-10、1b-35)は、「PDCP PDU」(packet data unit)を適切な大きさに再構成し、ARQ動作などを実行する。
RLCの主要機能は、下記のように要約される。
ここで、RLCの機能は、下記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■データ伝送(transfer of upper layer PDUs)機能
■ARQ(error correction through ARQ(only for AM data transfer))機能
■接合、分割、再組み立て(concatenation, segmentation and reassembly of RLC SDUs(only for UM and AM data transfer))機能
■再分割(re-segmentation of RLC data PDUs(only for AM data transfer))機能
■順序再整列(reordering of RLC data PDUs(only for UM and AMdata transfer))機能
■重複探知(duplicate detection(only for UM and AM data transfer))機能
■エラー探知(protocol error detection(only for AM data transfer))機能
■RLC SDU削除(RLC SDU discard(only for UM and AM data transfer))機能
■RLC再樹立(RLC re-establishment)機能
【0033】
MAC(1b-15、1b-30)は、1端末に構成されたさまざまなRLC階層装置と接続され、「RLC PDU」を「MAC PDU」に多重化し、「MAC PDU」から「RLC PDU」を逆多重化させる動作を実行する。
MACの主要機能は、下記のように要約される。
ここで、MACの機能は、下記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■マッピング(mapping between logical channels and transport channels)機能
■多重化機能及び逆多重化(multiplexing/demultiplexing of MAC SDUs belonging to one or different logical channels into/from TB(transport blocks) delivered o/from the physical layer on transport channels)機能
■スケジューリング情報報告(scheduling information reporting)機能
■HARQ(error correction through HARQ)機能
■ロジカルチャネル間優先順位調節(priority handling between logical channels of one UE)機能
■端末間優先順位調節(priority handling between UEs by means of dynamic scheduling)機能
■MBMSサービス確認(MBMS service identification)機能
■伝送フォーマット選択(transport format selection)機能
■パディング(padding)機能
【0034】
物理階層(physical layer:PHY)(1b-20、1b-25)は、上位階層データをチャネルコーディングして変調し、OFDMシンボルにし、無線チャネルでもって伝送するか、あるいは無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを復調し、チャネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作を行う。
また、物理階層においても、さらなるエラー訂正のために、HARQ(hybrid ARQ)を使用しており、受信端においては、送信端から伝送されたパケットの受信の如何を1ビットで伝送する。
それを「HARQ ACK/NACK」情報と言う。アップリンク伝送に関連するダウンリンク「HARQ ACK/NACK」情報は、PHICH(physical hybrid -ARQ indicator channel)物理チャネルを介して伝送され、ダウンリンク伝送に関連するアップリンク「HARQ ACK/NACK」情報は、PUCCH(physical uplink control channel)やPUSCH(physical uplink shared channel)を介しても伝送される。
【0035】
なお、PHY階層は、1又は複数個の周波数/搬送波を使用するようにも設定され、複数個の周波数を同時に設定して使用する技術を、搬送波集積(carrier aggregation:CA)とする。
CA技術によれば、端末(又は、UE)と基地局(E-UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network) 「Node B」、eNB)との通信のために、主搬送波と、1又は複数個の副次搬送波とを追加して使用し、副次搬送波の数ほど伝送量を画期的に増やすことができる。
一方、LTEにおいては、主搬送波を使用する基地局内のセルを、PCell(primary cell)と称し、副次搬送波を、SCell(secondary cell)と称する。
【0036】
本図に示していないが、端末と基地局とのPDCP階層上位には、それぞれRRC(radio resource control:RRC)階層が存在し、RRC階層は、無線資源制御のために、接続関連設定制御メッセージ、測定関連設定制御メッセージをやり取りすることができる。
【0037】
図1Cは、本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を示す図である。
図1Cを参照すると、図に示しているように、次世代移動通信システムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局((new radio node B)以下、「NR NB」、「NR gNB」、gNB、又は「NR BS」と呼ばれる)(1c-10)と「NR CN」(new radio core network又はnext generation core network)(1c-05)とによって構成される。
ユーザ端末(NR UE(new radio user equipment)又は端末)(1c-15)は、「NR NB」(1c-10)及び「NR CN」(1c-05)を介し、外部ネットワークに接続する。
【0038】
図1Cにおいて「NR NB」(1c-10)は、既存LTEシステムのeNB(evolved node B)に対応する。
「NR NB」は、「NR UE」(1c-15)と無線チャネルで接続され、既存ノードBよりさらにすぐれたサービスを提供することができる。
次世代移動通信システムにおいては、全てのユーザトラフィックが、共用チャネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEのバッファ状態、可用伝送電力状態、チャネル状態のような状態情報を取り集めてスケジューリングする装置が必要であり、それを、「NR NB」(1c-10)が担当する。
【0039】
1つの「NR NB」は、一般的に、複数のセルを制御する。
本発明の一実施形態によれば、次世代移動通信システムにおいては、LTEに比べ、超高速データ伝送を具現するために、既存の最大帯域幅以上を有することができ、直交周波数分割多重方式(OFDM)を無線接続技術にし、追加してビームフォーミング技術を使用する。
また、「NR NB」(1c-10)は、端末のチャネル状態に合わせ、変調方式とチャネルコーディング率とを決定する適応変調コーディング(AMC)方式を適用する。
「NR CN」(1c-05)は、移動性支援、ベアラ設定、QoS設定のような機能を実行する。
「NR CN」(1c-05)は、端末に関連する移動性管理機能は、言うまでもなく、各種制御器能を担当する装置であり、複数の基地局と接続される。
また、次世代移動通信システムは、既存LTEシステムとも連動され、「NR CN」(1c-05)が、MME(1c-25)とネットワークインターフェースを介して接続される。
MME(1c-25)は、既存基地局であるeNB(1c-30)と接続される。
【0040】
図1Dは、本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの無線プロトコル構造を示す図である。
図1Dを参照すると、次世代移動通信システムの無線プロトコルは、端末とNR基地局とにおいて、それぞれ「NR SDAP」(service data adaptation protocol)(1d-01、1d-45)、「NR PDCP」(1d-05、1d-40)、「NR RLC」(1d-10、1d-35)、「NR MAC」(1d-15、1d-30)によってなる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、「NR SDAP」(1d-01、1d-45)の主要機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
ここで、「NR SDAP」の機能は、下記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■ユーザデータの伝達(transfer of user plane data)機能
■上向きリンク及び下向きリンクにつき、QoSフローとデータ無線ベアラとのマッピング(mapping between a QoS(quality of service) flow and a DRB(data radio bearer) for both DL and UL)機能
■上向きリンク及び下向きリンクにつき、QoSフローIDのマーキング(marking QoSフローID in both DL and UL packets)機能
■上向きリンク「SDAP PDU」につき、反映型QoSフローをデータ無線ベアラにマッピングさせる(reflective QoSフロー to DRB mapping for the UL SDAP PDUs)機能
【0042】
SDAP階層装置に対し、端末は、無線資源制御(radio resource control:RRC)メッセージを介し、各PDCP階層装置別、ベアラ別、又はロジカルチャネル別に、SDAP階層装置のヘッダを使用するか否かということ、あるいはSDAP階層装置の機能を使用するか否かということが設定され得る。
SDAPヘッダが設定された場合、端末は、SDAPヘッダのNAS(non-access stratum)QoS反映設定1ビット指示子(NAS reflective QoS)とASQoS反映設定1ビット指示子(AS reflective QoS)とでもって、端末が上向きリンク及び下向きリンクのQoSフローとデータベアラとに関連するマッピング情報を更新あるいは再設定することができるように指示する。
SDAPヘッダは、QoSを示すQoSフローID情報を含んでもよい。
また、本発明の一実施形態によれば、QoS情報は、円滑なサービスを支援するためのデータ処理優先順位情報、スケジューリング情報などとしても使用される。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、「NR PDCP」(1d-05、1d-40)の主要機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
ここで、「NR PDCP」の機能は、下記例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■ヘッダの圧縮機能及び圧縮解除機能(header compression and decompression:ROHC only)
■ユーザデータ伝送(transfer of user data)機能
■順次伝達(in-sequence delivery of upper layer PDUs)機能
■非順次伝達(out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)機能
■順序再整列(PDCP PDU reordering for reception)機能
■重複探知(duplicate detection of lower layer SDUs)機能
■再伝送(retransmission of PDCP SDUs)機能
■暗号化及び復号(ciphering and deciphering)機能
■タイマ基盤SDU削除(timer-based SDU discard in uplink)機能
【0044】
本発明の一実施形態によれば、「NR PDCP」装置の順序再整列(reordering)機能は、下位階層で受信した「PDCP PDU」を、「PDCP SN」(sequence number)を基に、順に再整列する機能を意味する。
「NR PDCP」装置の順序再整列機能は、再整列された順に、データを上位階層に伝達する機能、順序を考慮せず、データを即座に伝達する機能、順序を再整列し、欠落した(missing)「PDCP PDU」を記録する機能、欠落した「PDCP PDU」に関連する状態報告を送信側に行う機能、欠落した「PDCP PDU」に関連する再伝送を要請する機能の内の少なくとも1つの機能を含んでもよい。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、「NR RLC」(1d-10、1d-35)の主要機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
ただし、「NR RLC」の機能は、下記の例示に制限されるものではない。
■データ伝送(transfer of upper layerPDUs)機能
■順次伝達(in-sequence delivery of upper layer PDUs)機能
■非順次伝達(out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)機能
■ARQ(error correction through ARQ)機能
■接合、分割、再組み立て(concatenation, segmentation and reassembly of RLC SDUs)機能
■再分割(re-segmentation of RLC data PDUs)機能
■順序再整列(reordering of RLC data PDUs)機能
■重複探知(duplicate detection)機能
■エラー探知(protocol error detection)機能
■RLC SDU削除(RLC SDU discard)機能
■RLC再樹立(RLC re-establishment)機能
【0046】
本発明の一実施形態によれば、「NR RLC」装置の順次伝達機能(in-sequence delivery)は、下位階層から受信した「RLC SDU」を、順に上位階層に伝達する機能を意味する。
「NR RLC」装置の順次伝達機能は、1つの「RLC SDU」が、いくつかの「RLC SDU」に分割されて受信した場合、分割されて受信した「RLC SDU」を再組み立てして伝達する機能、受信した「RLC PDU」を、「RLC SN」あるいは「PDCP SN」を基準に再整列する機能、順序を再整列し、欠落した「RLC PDU」を記録する機能、欠落した「RLC PDU」に関連する状態報告を送信側に行う機能、欠落した「RLC PDU」に関連する再伝送を要請する機能、欠落した「RLC SDU」がある場合、欠落した「RLC SDU」以前までの「RLC SDU」だけを順に上位階層に伝達する機能、欠落した「RLC SDU」があっても、所定のタイマが満了したならば、タイマが始まる前に受信した全ての「RLC SDU」を、順に上位階層に伝達する機能、欠落した「RLC SDU」があっても、所定のタイマが満了したならば、現在まで受信した全ての「RLC SDU」を、順に上位階層に伝達する機能、の内の少なくとも1つの機能を含み得る。
【0047】
また、本発明の一実施形態によれば、「NR RLC」装置は、「RLC PDU」を受信する順(連番(sequence number)の順序と関わりなく、到着する順)に処理し、PDCP装置に順序と構わずに伝達(out-of-sequence delivery)することもでき、セグメント(segment)である場合には、バッファに保存されているか、あるいは追って受信されるセグメントを受信し、完全な1つの「RLC PDU」に再構成した後で処理し、PDCP装置に伝達する。
また、本発明の一実施形態によれば、「NR RLC」階層は、接合(concatenation)機能を含まず、「NR MAC」階層で実行するか、あるいは「NR MAC」階層の多重化(multiplexing)機能で代替する。
【0048】
また、本発明の一実施形態によれば、「NR RLC」装置の非順次伝達機能は、下位階層から受信した「RLC SDU」を、順序と関わりなく、即座に上位階層に伝達する機能を言い、1つの「RLC SDU」が、いくつかの「RLC SDU」に分割されて受信した場合、分割されて受信した「RLC SDU」を再組み立てして伝達する機能、受信した「RLC PDU」の「RLC SN」あるいは「PDCP SN」を保存して順序を整列し、欠落した「RLC PDU」を記録しておく機能の内の少なくとも一つを含み得る。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、「NR MAC」(1d-15、1d-30)は、1つの端末に構成されたさまざまな「NR RLC」階層装置とも接続され、「NR MAC」の主要機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
ここで、「NR MAC」の機能は、下記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
■マッピング(mapping between logical channels and transport channels)機能
■多重化機能及び逆多重化(multiplexing/demultiplexing of MAC SDUs)機能
■スケジューリング情報報告(scheduling information reporting)機能
■HARQ(error correction through HARQ)機能
■ロジカルチャネル間優先順位調節(priority handling between logical channels of one UE)機能
■端末間優先順位調節(priority handling between UEs by means of dynamic scheduling)機能
■MBMSサービス確認(MBMS service identification)機能
■伝送フォーマット選択(transport format selection)機能
■パディング(padding)機能
【0050】
本発明の一実施形態によれば、「NR PHY」階層(1d-20、1d-25)は、上位階層データをチャネルコーディングして変調し、OFDMシンボルにし、無線チャネルでもって伝送するか、あるいは無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを復調し、チャネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作を実行する。
ここで、「NR PHY」階層の動作は、上記の例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
【0051】
図1Eは、本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を示す図である。
図1Eを参照すると、ビーム基盤で動作する「NR gNB」(1e-05)がサービスするセルは、複数の送受信点(transmission reception point:TRP)(1e-10、1e-15、1e-20、1e-25、1e-30、1e-35、1e-40)によっても構成される。
TRP(1e-10~1e-40)は、既存の基地局の機能の内の一部の機能、例えば、物理的な信号を送受信する機能の一部を分離させたブロックを示し、複数のアンテナによって構成されている。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、「NR gNB」(1e-05)は、CU(central unit)としても表現され、TRPは、DU(distributed unit)としても表現される。
「NR gNB」(1e-05)とTRPとの機能は、
図1Eの(1e-45)に示したPDCP/RLC/MAC/PHY階層の内の一部の階層、及び前述の一部の階層の機能を含むものでもある。
すなわち、TRP(1e-15、1e-25)は、もっぱらPHY階層を有し、当該階層の機能を実行し、TRP(1e-10、1e-35、1e-40)は、もっぱらPHY階層及びMAC階層を有し、当該階層の機能を実行し、TRP(1e-20、1e-30)は、もっぱらPHY階層、MAC階層、及びRLC階層を有し、当該階層の機能を実行する。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、TRP(1e-10~1e-40)は、複数の送受信アンテナを利用し、さまざまな方向の狭いビームを生成し、データを伝送する受信するビームフォーミング技術を使用することができる。
ユーザ端末(1e-60)は、TRP(1e-10~1e-40)を介し、「NR gNB」(1e-05)及び外部ネットワークに接続することができる。
「NR gNB」(1e-05)は、ユーザにサービスを提供するために、端末のバッファ状態、可用伝送電力状態、チャネル状態のような状態情報を取り集めてスケジューリングし、端末と、コア網(CN:core network)、特に、AMF/SMF(1e-50)との接続を支援する。
【0054】
図1Fは、本発明の一実施形態によるNRシステムで使用されるフレーム構造の例示した図である。
NRシステムは、LTEに比べ、高い伝送速度を目標にしており、広い周波数帯域幅を確保するために、高周波数で動作するシナリオを考慮する。
特に、NRシステムは、高周波数においては、指向性ビームを生成し、指向性ビーム(beam)を使用し、端末に高いデータ伝送率を有するデータを伝送するシナリオを考慮する。
それにより、NR基地局又は送受信点(TRP)(1f-01)が、セル内の端末(1f-71、1f-73、1f-75、1f-77、1f-79)と通信するとき、端末別に互いに異なるビームを使用して通信するシナリオを考慮する。
すなわち、本例示の図において、第1端末(1f-71)は、ビーム#1(1f-51)を活用して通信し、第2端末(1f-73)は、ビーム#5(1f-55)を活用して通信し、第3端末(1f-75)、第4端末(1f-77)及び第5端末(1f-79)は、ビーム#7(1f-57)を介し、TRP(1f-01)と通信するシナリオを仮定する。
【0055】
端末が、TRP(1f-01)と、いかなるビームを使用して通信するかということを測定するために、共通のオーバーヘッド信号が伝送されるオーバーヘッドサーブフレーム(overhead subframe:osf)(1f-03)が時間資源上に存在する。
osf(1f-03)には、OFDMシンボルのタイミング取得のためのPSS(primary synchronization signal)、セルIDを検出するためのSSS(secondary synchronization signal)などが含まれ得る。
また、基地局は、システム情報、MIB(master information block)あるいは端末がシステムにアクセスするために必須な情報(例えば、下向きリンクビームの帯域幅、システムフレーム番号などが収納される)が含まれたPBCH(physical broadcast channel)を端末に伝送する。
また、osf(1f-03)において基地局は、シンボル別に(又は、さまざまなシンボルにわたり)、それぞれ異なるビームを使用し、基準信号(reference signal)を伝送することができる。該端末は、該基準信号から、各ビームを区別するためのビームインデックス(index)値を導き出すこともできる。
【0056】
図1Fにおいては、基地局の送るビームが、#1(1f-51)から#12(1f-62)まで12個であると仮定し、osf(1f-03)において、毎シンボルごとにそれぞれ異なるビームがスウィーピング(sweeping)されて伝送される場合を仮定する。
すなわち、osf(1f-03)内において各シンボル別に(例えば、最初のシンボル(1f-31)においてビーム#1(1f-51)を伝送する)それぞれのビームが伝送され、端末は、osf(1f-03)を測定することにより、osf(1f-03)内において伝送されるいかなるビームからの信号が最も強いかということを測定することができるようになる。
【0057】
図1Fにおいては、osf(1f-03)が25サーブフレームごとに反復されるシナリオを仮定し、前述のシナリオ上において、残り24個のサーブフレームは、一般データが送受信されるデータサーブフレーム(data subframe:dsf)(1f-05)である。
また、基地局のスケジューリングにより、第3端末(1f-75)、第4端末(1f-77)及び第5端末(1f-79)は、ビーム#7(1f-57)を共通に使用して通信し(1f-11)、第1端末(1f-71)は、ビーム#1(1f-51)を使用して通信し(1f-13)、第2端末(1f-73)は、ビーム#5(1f-55)を活用して通信する(1f-15)シナリオを仮定する。
【0058】
図1Fにおいては、基地局の送信ビーム#1(1f-51)から送信ビーム#12(1f-62)までにつき、主に図式化したが、基地局の送信ビームを受信するための端末の受信ビーム(例えば、第1端末(1f-71)の受信ビーム(1f-81、1f-83、1f-85、1f-87)が追加しても考慮される。
例えば、
図1Fにおいて第1端末は、4個の受信ビーム(1f-81、1f-83、1f-85、1f-87)を有しており、前述の4個の受信ビームの内のいかなるビームが最も良好な受信性能を示すかということを判断するために、ビームスウィーピングを行う。
【0059】
端末が同時に複数のビームを使用することができない場合、端末は、各osfについて1つの受信ビームを使用し、受信ビームの個数ほどさまざまなosfを受信することができる。
端末は、複数の受信ビームそれぞれに対応する複数のosfを受信することにより、基地局の最適送信ビームと、端末の最適受信ビームとを見出すことができる。
本発明においては、次世代移動通信システムにおいて、端末がPDSCHでもって伝達する資源を受信する時、使用するビームを基地局が指示するために使用されるTCI状態(state)と関わり、LTE標準規格(LTE standard specification)における動作を向上させる方法を考慮する。
従来では、端末が1つのTRPから伝達される下向きリンクビームを指示されるが、その後は、端末が複数のTRPから伝達される下向きリンクビームを指示されもする。
しかし、現在の標準規格によれば、複数のTRPから伝達される下向きリンクビームを、基地局の指示する方法がないために、それを解決するための動作が必要である。
【0060】
図1Gは、本発明の一実施形態によるNRシステムにおいて、基地局がPDSCHでもって伝達する下向きリンク信号のビームを指示する全体手続きを示す図である。
NRシステムは、指向性を有するビームを使用し、端末と基地局とのデータ送受信が行われうるように設計された。
指向性を有するビームを介するデータ通信によれば、高周波を使用した通信に関連する広い帯域幅及び資源(resource)を介し、高いデータ率が支援可能であるが、ビーム方向を良好に設定しなければならないという制約がある。
【0061】
NRシステムにおいては、基本的には、端末が初期接続段階において、SS/PBCH block(synchronization signal/physical broadcast channel block)を介し、同期信号を測定し、同期信号が探知されたビーム方向を介し、データ送受信を行う。
基地局は、端末にPDCCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームを、最大64個までRRCメッセージに設定し、前述の下向きリンクビームにおいて、実際に使用されるビームは、「MAC CE」(MAC control element)を介し、一つ指示する。
また、基地局は、PDSCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームを設定して指示する動作を実行する。
一方、所定条件下においては、PDSCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームの代わりに、PDCCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームが使用される。
例えば、前述の条件は、PDCCHのための下向きリンクビームから、PDSCHのための下向きリンクビームにスイッチング(switching)する時間(processing time)が、動作が実行されなければならない時間(required processing time)より短い場合がある。
【0062】
図1Gを参照すると、端末(1g-20)は、接続されている基地局、及びTRP(1g-05)につき、CSI-RS(channel state information-reference signal)資源(1g-15)が伝達されるビームの方向(1g-06~1g-10)が設定され得る。
前述のビーム設定は、PDSCHでもって伝達する全体伝送資源が伝達されるビームについても適用が可能であり、手続きは、以下の通りである。
【0063】
1.(1g-25)段階:RRC設定を介し、サービングセルのBWP(band width part)別に、PDSCH-ConfigにTCI state(状態)を設定(LTE標準規格においては、最大128本のビームが設定可能である)
2.(1g-30)段階:RRCメッセージに設定されたPDSCHが伝達されるビームに対応する「TCI state」につき、端末に活性化させるビーム候補グループを「MAC CE」によって指示する(LTE標準規格においては、最大8本のビーム、すなわち、最大8個の「TCI state」を活性化させることができる)。
前述の「MAC CE」の目的は、RRCに設定されたTCI state設定において、DCIでもって、動的(dynamic)に指示が可能な候補ビームを選択することでもある。
また、前述の「MAC CE」は、端末が管理しなければならない「TCI state」の数を減らし、DCIで指示されるビット数を減らすことができる)。
3.(1g-35)段階:「MAC CE」によって指示された候補ビーム内、特定ビームを、DCIの指示子を介して指示する(Rel-15においては、3ビットで構成される)。
【0064】
図1Hは、本発明の一実施形態によるNRシステムにおいて、基地局が複数のTRPを介し、PDSCHでもって伝達する下向きリンク信号のビームグループを指示する全体手続きを示す図である。
図1Gで説明したように、NRシステムは、指向性を有するビームを使用し、端末と基地局とのデータ送受信が行われうるように設計された。
LTE標準規格においては、単一TRPから伝達される下向きリンクビームを設定して指示する手続きが定義されていたが、追ってNRシステムにおいては、複数のTRPにおいて、1端末に設定されたビームを介し、下向きリンク伝送を同時に伝達する。
【0065】
すなわち、端末は、同時に2本のビームを指示され、端末が同時に2本のビームを指示されるためには、RRC設定、「MAC CE」設計及びDCI指示動作が修正される必要がある。
本発明において、以下の実施形態においては、端末が複数のビームを指示されることを支援するための方法を提案する。
図1Hを参照すると、端末(1h-25)は、端末(1h-25)が接続されている基地局、及び複数のTRP(1h-05、1h-10)につき、「CSI-RS」資源及び下向きリンクデータ資源が伝達されるビームの方向(1h-15~1g-20)が設定される。
【0066】
前述のビーム設定は、複数のTRPを全部カバーしなければならず、端末が同時に1以上のTRPに関連するビーム方向を支援されるものでなければならない。
1.(1h-30)段階:RRC設定を介し、サービングセルのBWP別に、「PDSCH-Config」に「TCI state」を設定する。
前述の設定においては、複数のTRP(例えば、第1TRP(1h-05)及び第2TRP(1h-10))に関連する「TCI state」が、1つの「TCI-state」フィールド内において、リストとして提供されるか、既存「TCI state」と区別するための別途のフィールド(例えば、「TCI-state-MultipleTRP」)が定義される。
前述の複数のTRPに関連する「TCI-state」、及び新たに導入される「TCI-state-MultipleTRP」フィールドは、LTE標準規格を参照し、最大128個の値に設定することができ、ここで、128個以上の値にも設定することができるということは、言うまでもない。
【0067】
又は、前述のRRC設定段階において、第1TRP(1h-05)と第2TRP(1h-10)とから伝達される「TCI state」の組み合わせによって構成された「TCI-state-group」フィールドを定義し、「TCI-state-group」フィールドの内容を設定する。
例えば、「TCI-state-group」は、{(TCI-state#1)、(TCI-state#1、TCI-state#2),(TCI-state#2、TCI-state#3)、…、(TCI-state#128)}と設定する。
「TCI-state-group」内の組み合わせの個数は、LTE標準規格を参照し、最大128個に設定することができるが、ここで、128個以上の値にも設定することができるということは、言うまでもない。
【0068】
2.(1h-35)段階:RRCメッセージに設定された複数のTRPを介し、PDSCHが伝達されるビームに対応する「TCI state」(又は、「TCI-state-MultipleTRP」、「TCI-state-group」)につき、端末に活性化させるビーム候補グループを「MAC CE」によって指示する(前述の「MAC CE」の目的は、RRCに設定された「TCI state」のビーム設定(再定義された「TCI state」、「TCI-state-MultipleTRP」、又は「TCI-state-group」)において、DCIでもって動的に指示が可能な候補ビームグループを選択することである。
また、前述の「MAC CE」は、端末が管理しなければならない「TCI state」の数を減らし、DCIでもって指示されるビットの数を減らすことができる。
以前のLTE標準規格で定義された機能によれば、従来の「MAC CE」は、最大8本の候補ビームを指示することができ、前述の候補ビームの内、1本のビームだけDCIによって指示されうるために、単一TRPに関連するビーム設定だけが可能であった。
しかし、複数のTRPのためのビームが指示される場合も存在するために、修正される「MAC CE」は、同時に複数のビームも、活性化指示が可能でなければならない。
伝送される最大ビームグループの個数は、8個あるいは16個などにも拡張される。
すなわち、候補活性化ビームグループは、複数のTRPでもって伝達される下向きリンクビームの組み合わせによっても構成され、単一TRPでもって伝達されるビームによっても構成される)。
【0069】
3.(1h-40)段階:「MAC CE」によって指示された候補ビームグループにおいて特定ビームグループを、DCIの指示子を介して指示する(LTE標準規格においては、指示されるビットが3ビットによって構成され、本発明においても、3ビットあるいは4ビットによって構成される。
それは、前述の「MAC CE」によって指示されるビームグループの個数によっても決定される決まる。
(1h-40)段階において、DCIによって指示されるビームグループは、複数のTRPから伝送される下向きリンクビームの方向を意味する。
すなわち、(1h-40)段階において、DCIによって指示されるビームグループは、(1h-35)段階において指示される候補活性化ビームグループの内の1つのグループに該当する)。
【0070】
下記の実施形態においては、
図1Hで説明したシステムを支援するための方法、特に、「MAC CE」構造及びRRC設定などについて説明する。
図1Hの複数のTRPシステムにおいて、下向きリンクビーム指示のために考慮しなければならない事項は、以下の通りである。
以下において、「コードポイント(code point)」は、(1h-35)段階において、「MAC CE」によって指示される情報(又は、値)を意味する。
例えば、コードポイントは、「MAC CE」によって指示される単一ビーム情報又はビームグループ情報を含むものでもある。
【0071】
1.1つのコードポイント(「MAC CE」によって指示されるビームグループ)に含まれるTRP(又は、「TCI state」)は、1個あるいは2個である。
すなわち、下向きリンク伝送は、単一TRPにおける伝送でもあり、複数のTRPにおける伝送でもある。
2.「MAC CE」で活性化される最大コードポイントの数は、8個あるいは16個である。
3.最大コードポイントと関わり、DCI活性化指示ビット数が3ビットあるいは4ビットに決定される。
4.新たに定義される「MAC CE」は、コードポイントを区別しなければならない。
すなわち、第1TRP(1h-05)と第2TRP(1h-10)とから同時に伝達されるビーム方向が1つの組み合わせとして、1つのコードポイントに構成されなければならない。
5.RRC変更と連繋されるか、あるいは「MAC CE」単独で解決することができる方法が可能である。
【0072】
A)RRC変更基盤解決方法:
i)新たなフィールド(例えば、「TCI-StateMultipleTRP」)を定義し、前述のフィールドに、128個のコードポイントをリストとして整理する。
コードポイントは、最大2つの「TCI state」によって構成される。
ii)新たに変更される「MAC CE」において、既存の「R」フィールドの代わりに、「V」フィールドを導入し、「V」フィールドが1にセッティングされれば、既存のRRCメッセージの「TCI-State」を引用するのではなく、新たに定義された「TCI-StateMultipleTRP」を引用する。
【0073】
B)「MAC CE」変更基盤解決方法:
i)既存のRRCで設定される「TCI-State」は、維持される。
あるいは、「TCI-State」設定の構造は、維持するが、実際に設定される「TCI state」は、複数のTRPを考慮して指示可能である。
ii)新たに「MAC CE」を設計し、複数のビームグループを同時に指示することができるようにする。
【0074】
下記の実施形態で提案する方法は、「TCI StatesActivation/Deactivation for UE-specific PDSCH MAC CE」に、LTE標準規格において定義されている「MAC CE」を、複数のTRPに適用するためのものであり、既存の「MAC CE」構造を参照しても理解される。
【0075】
図1Iは、本発明の一実施形態による、複数のTRPでもって伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
本発明の一実施形態によれば、
図1Iを参照して提案する「MAC CE」構造は、現在LTE標準規格に定義されている「TCI StatesActivation/Deactivation for UE-specific PDSCH MAC CE」を再使用するものでもある。
すなわち、
図1Iに示した「MAC CE」構造のLCID(logical channel ID)は、既存に定義されたLCIDのような値を有する。
【0076】
「MAC CE」構造において、既存に「R」フィールドに設定されている(1i-05)フィールドを「V」フィールドに設定し、「V」フィールドが「1」に設定されれば、LTE標準規格の複数のTRPを支援する「MAC CE」構造を意味するように定義する。
また、以前バージョンの「MAC CE」におけるように、サービングセルID(1i-10)と「BWP ID」(1i-15)とが含まれ、それぞれビームが属したサービングセルとBWPとを指示するように定義する。
以前バージョンの「MAC CE」との差異は、以前バージョンにおいては、最大8個までの下向きリンク活性化ビーム候補(「T」フィールド)を指示したが、
図1Iに示した「MAC CE」構造においては、常時、TRP1とTRP2とのためのビームが、連続して同じ組み合わせをなすようになるという点である。
【0077】
例えば、既存「MAC CE」構造においては、8個の「T」フィールドが「1」にセッティングされた。
しかし、新たな「MAC CE」においては、8つのTフィールドを倍にする16個の「T」フィールドが「1」にセッティングされ、「1」で活性化されたフィールドにつき、最初活性化フィールドと2番目活性化フィールドとが1つの組み合わせをなし、TRP1とTRP2とにおける最初ビーム組み合わせを意味する。
同様に、3番目活性化フィールドと4番目活性化フィールドとが1つの組み合わせをなし、TRP1とTRP2とにおける2番目ビーム組み合わせを意味する。
同じ方式により、15番目活性化フィールドと16番目活性化フィールドとが1つの組み合わせをなし、TRP1とTRP2とにおける8番目ビーム組み合わせを指示することができる。
前述の「MAC CE」構造は、TRP1とTRP2との組み合わせそれぞれが、常時2個の活性化されたフィールドによっても構成されるという前提で使用される。
また、常時「2」の倍数の「T」フィールドが活性化されるという特徴を有する。
また、前述の「MAC CE」構造においては、設定された「T」フィールドの個数を「2」で割った個数ほどコードポイントが設定されると解釈することができる。
【0078】
図1Jは、本発明の一実施形態による、複数のTRPから伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
図1Jを参照して提案する「MAC CE」構造は、現在LTE標準規格に定義されている「TCI StatesActivation/Deactivation for UE-specific PDSCH MAC CE」による「MAC CE」構造を再使用するという点においては、
図1Iと共通点があり得る(すなわち、
図1Jに示した「MAC CE」構造のLCIDは、既存に定義されたLCIDのような値を有する)。
しかし、
図1Jを参照して提案する「MAC CE」構造は、既存「MAC CE」構造とサイズが異なっており、追加拡張が生じるという点において、
図1Iを参照して提案した「MAC CE」構造と違いがある。
【0079】
図1Iと同様に、(1j-05)に新たな「V」フィールドを導入し、以前のLTE標準規格における「MAC CE」フォーマットと、LTE標準規格における「MAC CE」フォーマットとを区別する。
「V」フィールドが「1」に設定されれば、LTE標準規格の複数のTRPを支援する「MAC CE」構造を意味するように定義する。
また、以前バージョンの「MAC CE」と同様に、サービングセルID(1i-10)と「BWP ID」(1i-15)とが含まれ、それぞれビームが属したサービングセルとBWPとを指示するように定義する。
また、(1j-20)の「T」フィールドは、既存のように、TRP1で活性化されるビームを意味する。
活性化される「T」フィールドの個数がN個に設定される場合、以後に存在しうる(1j-25)の「C」フィールド、及び(1j-30)の「TCI state ID」フィールドも、N個セットが存在しうる。
また、「C」フィールド(1j-25)と「state ID」フィールド(1j-30)との組み合わせは、活性化された「T」フィールドと順次にマッピングされる。
例えば、最初活性化「T」フィールド、最初に存在する「C」フィールド、及び最初に存在する「TCI state ID」フィールドが、1つの組み合わせとしてマッピングされる。
【0080】
「TCI state ID」フィールド(1j-30)は、TRP2に適用されるビームを指示するのに使用され、7ビットが適用される。
すなわち、RRCで設定される「TCI state」の最大数が128であるために、「TCI state ID」フィールド(1j-30)は、TRP2に設定されうる候補ビームを指示するために、7ビットに設定される。
RRCで設定されうる「TCI state」の個数が増加する場合、「TCI state ID」フィールド(1j-30)のサイズも、対応して増大し得る。
「C」フィールド(1j-25)は、以後に存在しうる「TCI state ID」フィールド(1j-30)が、実際に存在するか否かということを指示する指示子である。
「C」フィールド(1j-25)が「1」にセッティングされれば、以後に存在する「TCI state ID」が、TRP2の「TCI state」を意味する。
「C」フィールド(1j-25)が「0」にセッティングされれば、以後に存在する「TCI state ID」は、意味のない値になる。
すなわち、端末は、「TCI state ID」フィールド(1j-30)を無視することができ、あるいは基地局が「TCI state ID」活性化されたTRP1におけるビームを指示する「TCI state」のようなIDに設定することができる。
【0081】
図1Kは、本発明の一実施形態による、複数のTRPでもって伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
図1Kを参照して提案する本発明の一実施形態においては、複数のTRPにおける下向きリンクビームグループを指示するための新たな「MAC CE」を導入している。
すなわち、既存に使用されたPDSCHにおける「TCI state」活性化/非活性化「MAC CE」とは異なる新たな「MAC CE」構造を導入し、新たなLCIDを使用する。
図1Kを参照して提案する実施形態によれば、完全に新たな構造に「MAC CE」を設計することができ、「MAC CE」が複数のTRPでもって下向きリンクビームグループを指示する最適の構造に設計される。
【0082】
図1Kを参照すると、(1k-05)の「R」フィールド、(1k-10)のサービングセルIDフィールド、及び(1k-15)の「BWP ID」フィールドは、「MAC CE」によって指示されるビームグループが属したサービングセルとBWPとを指示するという点において、既存の「MAC CE」の構造と類似した側面がある。
以下においては、詳細フィールド、特に、「TCIコードID」フィールドの有無により第1オプション(1k-01)と第2オプション(1k-02)とを区分する。
【0083】
まず、第1オプション(1k-01)について説明すると、(1k-05)の「R」フィールド、(1k-10)のサービングセルIDフィールド、及び(1k-15)の「BWP ID」フィールドを除き、以後に続くフィールドグループは、TRP1とTRP2とで使用される「TCI state」を指示する「TCI state ID」(1k-30、1k-35、1k-50、1k-55)を指示しなければならず、TCIコードポイントが割り当てられるTCIコードID(1k-20、1k-40)が明示的にも割り当てられる。
また、「C」フィールド(1k-25、1k-45)は、TRP2を介して指示される下向きリンクビームである「TCI state ID」(1k-35、1k-55)が存在するか否かということを知らせる指示子に設定される。
【0084】
例えば、第1オプション(1k-01)による「MAC CE」は、以下のような構造を有する。
■Rフィールド(1ビット)+サービングセルID(5ビット)+「BWP ID」(2ビット)+「a set of {TCIコードID(3~4ビット)+「indication for TRP2 TCI state」(1ビット)+「TCI state for TRP1」(7ビット)+reservedビット(1ビット)+「TCI state for TRP2」(7ビット)}」
「MAC CE」(1k-02)においては、TCIステートIDx(xは、1、2、…、Nの内のいずれか)が1つのコードポイントに対応してもいる。
1つのコードポイントには、TRP1の「TCI state ID」を含めることができ、さらにTRP2の「TCI state ID」を含めることができる。
【0085】
図1Kを参照し、既存の「MAC CE」を再利用することなく、新たな「MAC CE」を導入する。
本実施形態においては、新たなLCIDが必要になる。
UEが「MAC PDU」を受信すると、UEは、受信した「MAC PDU」のサブヘッダ情報を介し、LCIDをチェックし、受信した「MAC CE」が新たな「MAC CE」であることを識別する。
「MAC CE」は、1つのPDCCHにより、複数のTRPに対応する複数のTCI状態を活性化及び非活性化させるために使用される。
図1Kを参照して提供される実施形態によれば、「MAC CE」に「C」フィールドを導入することにより、「MAC CE」によって活性化されるTCIコードポイントごとに、TRP2の指示が存在するか否かというを示すことができる。
「C」フィールドの導入により、「MAC CE」サイズを柔軟に調整することができ、TRP2に対するTCI状態表示が不要であるな場合は、対応する1バイトのオーバーヘッドを低減することができ、シグナリング負荷を低減することができる。
【0086】
図1Lは、本発明の一実施形態による、複数のTRPでもって伝達される下向きリンク候補ビームグループを活性化させる方法及び「MAC CE」構造について説明するための図である。
図1Lを参照して提案する本発明の一実施形態は、現在LTE標準規格に定義されている「TCI StatesActivation/Deactivation for UE-specific PDSCH MAC CE」による「MAC CE」を再使用しながら、新たに導入する「MAC CE」は、前述の既存の「MAC CE」で設定が不可能な部分のみを含むものである。
【0087】
すなわち、
図1Lを参照して提案する実施形態によれば、TRP1とTRP2とのための下向きリンクビームを指示するためには、既存の「MAC CE」と、新たに定義される「MAC CE」とを共に伝達し、設定情報を伝達しなければならない。
図1Lの(1l-03)を参照すると、既存の「MAC CE」構造は、(1l-05)のreservedビット、サービングセルID(1l-10)、「BWP ID」(1l-15)、及び活性化が指示される「TCI state」ビットマップ「T」フィールド(1l-20)によって構成される。
既存の「MAC CE」を介しては、TRP1のための下向きリンクの活性化候補ビームを指示する。
TRP2のための下向きリンク活性化候補ビームを指示するための、新たに定義される「MAC CE」構造は、2つのオプションによって定義される。
【0088】
まず、第1オプション(1l-01)について説明すれば、「MAC CE」は、TRP1に対応するTRP2で使用される「TCI state」を指示する「TCI state ID」(1l-50、1l-65)を指示しなければならず、TRP1のようなTCIコードポイントをマッピングするためのTCIコードID(1l-40、1l-55)が明示的に割り当てられる。
また、「C」フィールド(1l-45、1l-60)は、TRP2を介して指示される下向きリンクビームである「TCI state ID」(1l-50、1l-65)が存在するか否かということを知らせる指示子に設定される。
【0089】
「C」フィールド(1l-45、1l-60)が「1」に設定されれば、TRP2を介して指示される下向きリンクビームである「TCI state ID」(1l-50、1l-65)が設定される「TCI state ID」として存在することになり、「C」フィールド(1l-45、1l-60)が「0」に設定されれば、TRP2を介して指示されるビームが存在しない。
「C」フィールド(1l-45、1l-60)が「0」である場合、端末は、「TCI state ID」(1l-50、1l-65)フィールドを無視することができ、あるいは基地局が「TCI state ID」(1l-50、1l-65)を、活性化されたTRP1におけるビームを指示する「TCI state」のようなIDに設定することができる。
【0090】
第2オプション(1l-02)は、TCIコードID(1l-40、1l-55)が存在しないという点において、第1オプション(1l-01)と違いを有する。
第1オプション(1l-01)と第2オプション(1l-02)とによる「MAC CE」は、それぞれ以下のような構造を有する。
■第1オプション(1l-01)の「MAC CE」:Rフィールド(1ビット)+サービングセルID(5ビット)+「BWP ID」(2ビット)+「a set of {TCIコードID(3~4ビット)+「indication for TRP2 TCI state」(1ビット)+reservedビット(1ビット)+「TCI state for TRP2」(7ビット)}」
■第2オプション(1l-02)の「MAC CE」:Rフィールド(1ビット)+サービングセルID(5ビット)+「BWP ID」(2ビット)+「a set of {indication for TRP2 TCI state}(1ビット)+「TCI state for TRP2」(7ビット)}」
【0091】
本発明の一実施形態によれば、新たに定義される「MAC CE」において、サービングセルIDと「BWP ID」は、特別な状況で省略されうる。
例えば、前述の状況は、既存の「MAC CE」と、新たな「MAC CE」とが同じ「MAC PDU」で伝達される状況でもある。
又は、新たに定義される「MAC CE」において、サービングセルIDフィールドと「BWP ID」フィールドとが省略されている場合、前述の「MAC CE」は、以前「MAC CE」と同じサービングセルIDと「BWP ID」とを有すると定義することができる。
【0092】
図1Mは、本発明の一実施形態による基地局が、複数のTRPを介し、下向きリンクビームグループを設定し、端末と通信する方法を示す図である。
図1Mを参照すると、休眠モード(RRC_IDLE)にある端末(1m-01)は、適するセルを探し出し、基地局(1m-03)にキャンピング(又は、キャンプオン(camp on))していて(1m-05)、送るデータの発生などの理由により、基地局(1m-03)に接続を行う(1m-10)。
休眠モードは、端末の電力節約などのために、端末がネットワークと接続されておらず、データを伝送することができない状態であり、データ伝送のためには、接続モード(RRC_CONNECTED)への遷移が必要である。
【0093】
端末がキャンピングするというのは、端末がセルに留まり、下向きリンクでデータが来るか否かということを判断するために、ページングメッセージを受けているということを意味する。
端末(1m-01)が基地局(1m-03)に接続手続きにおいて成功すれば、端末(1m-01)は、接続モード(RRC_CONNECTED)に状態が変更され、接続モードにある端末(1m-01)は、基地局(1m-03)とデータ送受信が可能である(1m-15)。
【0094】
(1m-20)段階において、RRC接続状態において、基地局(1m-03)は、端末(1m-01)に、「TCI state」と関連する設定情報をRRCメッセージを介して伝達する。
RRCメッセージを伝達する動作は、PDCCH及びPDSCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームを、「TCI state」を介して設定する動作も含む。
下向きリンクビーム設定は、サービングセル別にBWP別に行われ、それぞれ「PDCCH-Config」と「PDSCH-Config」とに含まれる。
例えば、LTE標準規格においては、基地局(1m-03)が端末(1m-01)へのPDCCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームを、最大64本までRRCメッセージに設定し、下向きリンクビームにおいて実際に使用されるビームは、「MAC CE」を介して1本指示する。
【0095】
また、基地局(1m-03)は、PDSCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームを設定して指示する動作を実行する。
一方、所定条件下においては、PDSCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームの代わりに、PDCCHを介する伝送に使用される下向きリンクビームが使用される。
例えば、前述の条件は、PDCCHのための下向きリンクビームにおいて、PDSCHのための下向きリンクビームにおけるスイッチングする時間(processing time)が、動作が実行されなければならない時間(required processing time)よりも短い場合がある。
【0096】
本発明の一実施形態によれば、複数のTRPを介し、下向きリンクビームを指示される場合にも、(1m-20)段階において説明したところと類似して、サービングセル別にBWP別に、複数のTRPでもってPDSCHを介して伝達する「TCI state」が設定される。
前述のように、「TCI state」を設定する方法としては、既存のRRC制御情報に含まれた「TCI state」フィールドを再使用する方法、あるいは別途の新たなフィールドを導入して使用する方法があり得る。
また、設定可能な最大「TCI state」の個数は、128個又はそれ以上の値(例:256個)にもなり、「TCI state」フィールドが設定されれば、「TCI state」フィールド内に設定される実際「TCI state」値には、TRP1及びTRP2のためのビームが設定される。
「TCI state」を設定するRRCメッセージを伝達する以前、基地局(1m-03)は、端末(1m-01)と、端末能力を要請して報告される手続きを実行し、基地局(1m-03)のTRP能力や、端末(1m-01)の複数TRPを介する下向きリンクビーム処理能力などを判断し、判断結果を基に、「TCI state」にいかなるTRPビーム情報を含むかということを決定する。
【0097】
(1m-25)段階において、基地局(1m-03)は、RRC設定情報に設定された「TCI state」値の内、端末(1m-01)の位置及び状態によって活性化が可能である複数のビーム又はビームグループを活性化させる。
先立つ段階においても説明したように、端末(1m-01)が、いかなるバージョンの「MAC CE」を活性化させるかということは、基地局(1m-03)の判断による。
基地局(1m-03)は、単一TRPのための候補ビーム活性化を指示することができ、複数のTRPのための候補ビームグループ活性化を指示することもできる。
【0098】
(1m-30)段階において、(1m-25)段階で活性化が指示された複数の下向きリンクビームグループ(コードポイント)の内、1つのコードポイントを、基地局(1m-03)がDCIの指示子を介して指示する。
(1m-35)段階において、端末(1m-01)は、基地局(1m-03)との通信のために設定されたビームを介し、下向きリンクデータ受信を行う。
(1m-40)段階において、基地局(1m-03)は、以前に伝達した「MAC CE」をアップデートする目的で、「MAC CE」をさらに伝達することができ、活性化されたり非活性化されたりするビームグループをアップデートする。
(1m-45)段階において、基地局(1m-03)は、(1m-40)段階で活性化されたビームグループにおいて、1個のビームグループを指示し、端末(1m-01)に下向きリンクビームグループで使用するように指示する。
【0099】
図1Nは、本発明の一実施形態による、端末の全体動作を示す図である。
図1Nを参照すると、(1n-05)段階において、端末は、基地局とRRC接続手続きを実行し、RRC接続状態に遷移する。
(1n-10)段階において、端末は、基地局から、RRCReconfigurationメッセージを介し、「TCI state」のための設定情報を受信する。
「TCI state」設定情報は、PDCCHを介して受信するビーム設定情報と、PDSCHを介して受信するビーム設定情報とを含み得る。
また、「TCI state」設定情報を受信する前、端末は、基地局に端末能力を報告する手続きを実行する。
【0100】
「TCI state」設定情報は、端末の下向きリンクビーム設定情報を意味する。
「TCI state」設定情報は、複数のTRPに関連するビームグループ設定情報を含み得る。
例えば、端末が端末能力を報告するとき、端末が複数のTRPに関連するビームグループ設定を支援するという情報を報告した場合、「TCI state」設定情報は、複数のTRPに関連するビームグループ設定情報を含み得る。
(1n-15)段階において、端末は、基地局から、複数のTRPに関連するPDSCHビームグループ活性化を指示する「MAC CE」を受信する。
「MAC CE」は、
図1I、
図1J、
図1K、又は
図1Lを参照して説明した構造を有し得る。
【0101】
(1n-20)段階において、端末は、受信した「MAC CE」の種類を判断し、前述の「MAC CE」が、単一TRPのためのビーム活性化指示であるか否かということ、複数のTRPのためのビーム活性化指示であるか否かということを区別し、区別結果により、以後、異なる動作を実行する。
例えば、該端末は、LCID値を確認したり、「MAC CE」内の特定指示子(例えば、「V」フィールド)を確認したりすることにより、「MAC CE」種類を判断する。
受信した「MAC CE」が、単一TRPのためのビーム活性化「MAC CE」(例えば、既存LTE標準規格のための「MAC CE」)である場合、(1n-25)段階において、端末は、単一TRPに適用される活性化された候補ビーム(TCI state)を保存する。
(1n-30)段階において、端末は、基地局から実際使用される「TCI state」値指示を含むDCIを受信する。
(1n-35)段階において、端末は、指示された下向きリンクビームを介し、下向きリンクデータ受信及びCSI報告を行う。
【0102】
(1n-20)段階において端末が受信した「MAC CE」が、複数のTRPのためのビーム活性化「MAC CE」(例えば、新たに定義されたMAC CE)である場合、(1n-40)段階において、端末は、複数のTRPに適用される活性化された候補ビームグループ(TCI コードポイント)を保存する。
(1n-45)段階において、端末は、基地局から実際使用されるTCIコードポイント値指示を含むDCIを受信する。
(1n-50)段階において、端末は、指示された下向きリンクビームグループ(TRP1及びTRP2のためのビーム設定)を介し、下向きリンクデータ受信及びCSI報告を行う。
【0103】
図1Oは、本発明の一実施形態による、基地局の全体動作を示す図である。
図1Oを参照すると、(1o-05)段階で、基地局は、端末とRRC接続状態を樹立する。
(1o-10)段階において、基地局は、端末に端末能力を要請し、端末から端末能力情報を受信する。
基地局は、受信した端末能力を分析し、端末が複数のTRPのための下向きリンクビームグループ設定を適用することができるか否かということ判断し、基地局が前述の端末に、複数のTRPのための下向きリンクビームグループを設定することができるか否かということを確認する(すなわち、複数のTRP設定が可能であるか否かということと、前述の設定が必要な要求条件が満足されるか否かということとを確認する)。
【0104】
複数のTRP設定が可能であるか否かということと関連する確認に基づき、(1o-15)段階において、基地局は、端末にRRCメッセージを介し、端末能力及びTRP支援による複数のTRPにおけるビーム設定が含まれた「TCI state」設定情報を提供する。
端末が複数のTRP設定のための能力がないか、あるいは基地局が複数のTRP設定が必要ではないと判断する場合、基地局は、複数のTRPにおけるビーム設定が含まれた「TCI state」設定情報を提供する代わりに、単一TRPにおけるビーム設定が含まれた「TCI state」設定情報を提供する。
【0105】
(1o-20)段階において、基地局は、端末に複数のTRPに対するPDSCHビームグループ活性化を指示する「MAC CE」を伝達する。
前述の「MAC CE」は、
図1I、
図1J、
図1K、又は
図1Lを参照して説明した構造を有する。
また、基地局が「MAC CE」によって指示されるビームグループを決定する方法は、端末のビーム報告と、以前に端末と設定されたビーム情報などの情報とに基づいても決定される。
また、基地局は、「MAC CE」でもってビームグループを指示するとき、常時TRP1とTRP2との組み合わせとして設定することもでき、単一TRPによって構成されたビームを活性化させることもできる。
【0106】
(1o-25)段階において、基地局は、「MAC CE」によって指示された候補活性化ビーム又はビームグループにおいて、実際に下向きリンクデータ伝送に使用されなければならない1個のビームあるいはビームグループをDCIを介して指示することができる。
例えば、基地局は、使用されるビームあるいはビームグループをDCIに含まれたビーム指示子を介して指示する。
(1o-30)段階において、基地局は、設定されたビーム方向を介し、端末に下向きリンクデータを送信する。
【0107】
図1Pは、本発明の一実施形態による、端末の内部構造を示すブロック図である。
図1Pを参照すると、端末は、RF(radio frequency)処理部(1p-10)、基底帯域(baseband)処理部(1p-20)、保存部(1p-30)、制御部(1p-40)を含む。
制御部(1p-40)は、多重接続処理部(1p-42)を含み得る。
ここで、端末の内部構造は、例示に制限されるものではなく、端末は、
図1Pに示した構成よりもさらに少ない構成を含むか、あるいはさらに多くの構成を含んでもよいということは、言うまでもない。
【0108】
RF処理部(1p-10)は、信号の帯域変換、増幅のような、無線チャネルを介して信号を送受信するための機能を実行する。
すなわち、RF処理部(1p-10)は、基底帯域処理部(1p-20)から提供される基底帯域信号を、RF帯域信号に上向き変換した後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信されるRF帯域信号を、基底帯域信号に下向き変換する。
例えば、RF処理部(1p-10)は、送信フィルタ、受信フィルタ、増幅器、ミキサ(mixer)、オシレータ(oscillator)、DAC(digital to analog convertor)、ADC(analog to digital convertor)などを含み得る。
【0109】
図1Pにおいては、1つのアンテナだけを図に示しているが、端末は、複数のアンテナを具備することができる。
また、RF処理部(1p-10)は、複数のRFチェーンを含み得る。
さらには、RF処理部(1p-10)は、ビームフォーミングを行う。
ビームフォーミングのために、RF処理部(1p-10)は、複数のアンテナ又はアンテナ要素(element)を介して送受信される信号それぞれの位相及び大きさを調節する。
また、RF処理部(1p-10)は、MIMOを行い、MIMO動作実行時、何層かのレイヤを受信する。
RF処理部(1p-10)は、制御部(1p-40)の制御により複数のアンテナ又はアンテナ要素を適切に設定し、受信ビームスウィーピングを行うか、あるいは受信ビームが送信ビームとアラインメントされるように、受信ビームの方向とビーム幅とを調整する。
【0110】
基底帯域処理部(1p-20)は、システムの物理階層規格により、基底帯域信号とビット列との変換機能を実行する。
例えば、データ送信時、基底帯域処理部(1p-20)は、送信ビット列を符号化して変調することにより、複素シンボルを生成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(1p-20)は、RF処理部(1p-10)から提供される基底帯域信号を復調して復号することにより、受信ビット列を復元する。
例えば、OFDM方式による場合、データ送信時、基底帯域処理部(1p-20)は、送信ビット列を符号化して変調することにより、複素シンボルを生成し、複素シンボルを副搬送波にマッピングした後、IFFT(inverse fast Fourier transform)演算及びCP(cyclic prefix)挿入を介し、OFDMシンボルを構成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(1p-20)は、RF処理部(1p-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT(fast Fourier transform)演算を介し、副搬送波にマッピングされた信号を復元した後、復調及び復号を介し、受信ビット列を復元する。
【0111】
基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)は、前述のように、信号を送信して受信する。
それにより、基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)は、送信部、受信部、送受信部、又は通信部とも称される。
さらには、基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)の内の少なくとも一つは、互いに異なる複数の無線接続技術を支援するために、複数の通信モジュールを含み得る。
また、基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)の内の少なくとも一つは、互いに異なる周波数帯域の信号を処理するために、互いに異なる通信モジュールを含み得る。
例えば、互いに異なる無線接続技術は、無線LAN(local area network)(例:IEEE 802.11)、セルラ網(例:LTE)などを含んでもよい。
また、互いに異なる周波数帯域は、極高短波(super-high frequency:SHF)(例:2.NRHz、NRhz)帯域、mm波(millimeter wave)(例:60GHz)帯域を含み得る。
端末は、基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)を利用し、基地局と信号を送受信することができ、信号は、制御情報及びデータを含み得る。
【0112】
保存部(1p-30)は、端末の動作のための基本プログラム、アプリケーション、設定情報のようなデータを保存する。
そして、保存部(1p-30)は、制御部(1p-40)の要請によって保存されたデータを提供する。
保存部(1p-30)は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、ハードディスク、CD-ROM(compact disc read only memory)及びDVD(digital versatile disc)のような記録媒体、又は記録媒体の組み合わせによっても構成される。
また、保存部(1p-30)は、複数個のメモリによっても構成される。
【0113】
制御部(1p-40)は、端末の全般的な動作を制御する。
例えば、制御部(1p-40)は、基底帯域処理部(1p-20)及びRF処理部(1p-10)を介して信号を送受信する。
また、制御部(1p-40)は、保存部(1p-40)にデータを書き込むか、保存部(1p-40)からデータを読み取る。
そのために、制御部(1p-40)は、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。
例えば、制御部(1p-40)は、通信のための制御を実行するCP(communication processor)及び応用プログラムなど上位階層を制御するAP(application processor)を含み得る。
また、制御部(1p-40)は、前述の複数のビームを介し、下向きリンク信号を受信する方法を実行するように端末を制御する。
また、端末内の少なくとも1つの構成は、1つのチップでも具現される。
【0114】
図1Qは、本発明の一実施形態による基地局の構成を示すブロック図である。
図1Qを参照すると、基地局は、RF処理部(1q-10)、基底帯域処理部(1q-20)、バックホール通信部(1q-30)、保存部(1q-40)、制御部(1q-50)を含んで構成される。
制御部(1q-40)は、多重接続処理部(1q-42)を含む。
ここで、基地局の構成は、例示に制限されるものではなく、基地局は、
図1Qに示した構成よりもさらに少ない構成を含むか、あるいはさらに多くの構成を含んでもよいということは、言うまでもない。
【0115】
RF処理部(1q-10)は、信号の帯域変換、増幅のような、無線チャネルを介して信号を送受信するための機能を実行する。
すなわち、RF処理部(1q-10)は、基底帯域処理部(1q-20)から提供される基底帯域信号を、RF帯域信号に上向き変換した後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信されるRF帯域信号を、基底帯域信号に下向き変換する。
例えば、RF処理部(1q-10)は、送信フィルタ、受信フィルタ、増幅器、ミキサ、オシレータ、DAC、ADCなどを含み得る。
図1Qにおいては、1つのアンテナだけを図に示しているが、基地局は、複数のアンテナを具備することができる。
また、RF処理部(1q-10)は、複数のRFチェーンを含み得る。
さらには、RF処理部(1q-10)は、ビームフォーミングを行う。
ビームフォーミングのために、RF処理部(1q-10)は、複数のアンテナ又はアンテナ要素を介して送受信される信号それぞれの位相及び大きさを調節する。
RF処理部(1q-10)は、1以上のレイヤを伝送することにより、下向きMIMO動作を実行する。
【0116】
基底帯域処理部(1q-20)は、無線接続技術の物理階層規格により、基底帯域信号とビット列との変換機能を実行する。
例えば、データ送信時、基底帯域処理部(1q-20)は、送信ビット列を符号化して変調することにより、複素シンボルを生成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(1q-20)は、RF処理部(1q-10)から提供される基底帯域信号を復調して復号することにより、受信ビット列を復元する。
例えば、OFDM方式による場合、データ送信時、基底帯域処理部(1q-20)は、送信ビット列を符号化して変調することにより、複素シンボルを生成し、複素シンボルを副搬送波にマッピングした後、IFFT演算及びCP挿入を介し、OFDMシンボルを構成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(1q-20)は、RF処理部(1q-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT演算を介し、副搬送波にマッピングされた信号を復元した後、復調及び復号を介し、受信ビット列を復元する。
【0117】
基底帯域処理部(1q-20)及びRF処理部(1q-10)は、前述のように、信号を送信して受信する。
それにより、基底帯域処理部(1q-20)及びRF処理部(1q-10)は、送信部、受信部、送受信部、通信部、又は無線通信部とも称される。
基地局は、基底帯域処理部(1q-20)及びRF処理部(1q-10)を利用し、端末と信号を送受信し、信号は制御情報及びデータを含み得る。
【0118】
バックホール通信部(1q-30)は、ネットワーク内の他ノードとの通信を行うためのインターフェースを提供する。
バックホール通信部(1q-30)は、主基地局から他のノード、例えば、補助基地局、コア網などに送信されるビット列を物理的信号に変換し、前述の他ノードから受信される物理的信号を、ビット列に変換する。
【0119】
保存部(1q-40)は、基地局の動作のための基本プログラム、アプリケーション、設定情報のようなデータを保存する。
特に、保存部(1q-40)は、接続された端末に割り当てられたベアラに関連する情報、接続された端末から報告された測定結果などを保存する。
また、保存部(1q-40)は、端末に多重接続を提供するか、あるいは中断するかということの判断基準になる情報を保存する。
そして、保存部(1q-40)は、制御部(1q-50)の要請によって保存されたデータを提供する。
保存部(1q-40)は、ROM、RAM、ハードディスク、CD-ROM、及びDVDのような記録媒体、又は記録媒体の組み合わせによっても構成される。
また、保存部(1q-40)は、複数個のメモリによっても構成される。
【0120】
制御部(1q-50)は、基地局の全般的な動作を制御する。
例えば、制御部(1q-50)は、基底帯域処理部(1q-20)及びRF処理部(1q-10)を介して、又はバックホール通信部(1q-30)を介して信号を送受信する。
また、制御部(1q-50)は、保存部(1q-40)にデータを書き込み、保存部(1q-40)からデータを読み取る。
そのために、制御部(1q-50)は、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。
また制御部(1q-50)は、端末が前述の複数のビームを介し、下向きリンク信号を受信する方法を実行するように、基地局を制御する。
また、基地局内の少なくとも1つの構成は、1つのチップでも具現される。
【0121】
本発明の請求項、又は明細書に記載した実施形態による方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ形態でも具現される。
ソフトウェアによって具現する場合、1以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を保存するコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供される。
コンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存される1以上のプログラムは、電子装置(device)内の1以上のプロセッサによって実行可能になるように構成される。
1以上のプログラムは、電子装置をして、本発明の請求項又は明細書に記載された実施形態による方法を実行させる命令語(instructions)を含む。
【0122】
そのようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)は、RAM、フラッシュメモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ROM、電気的削除可能プログラム可能ROM(electrically erasable programmable read only memory:EEPROM)、磁気ディスク保存装置(magnetic disc storage device)、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)、又は他形態の光学保存装置、マグネチックカセット(magnetic cassette)にも保存され得る。
又は、それらの一部又は全部の組み合わせによって構成されたメモリでも保存され得る。
また、それぞれの構成メモリは、複数個含まれ得る。
【0123】
また、プログラムは、インターネット、イントラネット(intranet)、LAN(local area network)、WLAN(wide local area network)、又はSAN(storage area network)のような通信ネットワーク、又はそれらの組み合わせで構成された通信ネットワークを介してアクセスされる付着可能な(attachable)保存装置(storage device)でも保存され得る。
そのような保存装置は、外部ポートを介し、本発明の実施形態を実行する装置に接続することができる。
また、通信ネットワーク上の別途の保存装置が、本発明の実施形態を実行する装置に接続することもできる。
【0124】
上述の本発明の具体的な実施形態において、本発明の含まれる構成要素は、提示した具体的な実施形態により、単数又は複数に表現した。
しかし、単数又は複数の表現は、説明の便宜のために提示された状況に適して選択されたものであり、本発明は、単数又は複数の構成要素に制限されるものではなく、複数に表現された構成要素であるとしても、単数によって構成されたり、単数によって表現された構成要素であるとしても複数によっても構成され得る。
なお、本明細書と図面とに開示した本発明の実施形態は、本発明の記述内容を容易に説明し、本発明の理解の一助とするために、特定例を提示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
すなわち、本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であるということは、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、自明であろう。
また、上述のそれぞれの実施形態は、必要によって互いに組み合わされても運用され得る。
例えば、本発明の一実施形態と異なる一実施形態の一部分が互いに組み合わされ、基地局と端末とが運用され得る。
また、本発明の実施形態は、他の通信システムでも適用可能であり、本実施形態の技術的思想に基づく他の変形例も実施可能であろう。
【符号の説明】
【0125】
1a-05、1a-10、1a-15、1a-20 基地局
1a-25、1c-25 MME
1a-30 S-GW(serving-gateway)
1a-35 (ユーザ)端末(UE)
1b-05、1b-40 PDCP
1b-10、1b-35 RLC
1b-15、1b-30 MAC
1b-20、1b-25 物理階層(PHY)
1c-05 「NR CN」
1c-10 「NR NB」(次世代基地局)
1c-15 「NR UE」
1c-30 eNB
1d-01、1d-45 「NR SDAP」
1d-05、1d-40 「NR PDCP」
1d-10、1d-35 「NR RLC」
1d-15、1d-30 「NR MAC」
1d-20、1d-25 「NR PHY」階層
1e-05 「NR gNB」
1e-10、1e-15、1e-20、1e-25、1e-30、1e-35、1e-40 送受信点
1e-45 PDCP/RLC/MAC/PHY階層
1e-50 AMF/SMF
1e-60 ユーザ端末
1p-10、1q-10 RF(radio frequency)処理部
1p-20、1q-20 基底帯域(baseband)処理部
1p-30、1q-40 保存部
1p-40、1q-50 制御部
1p-42、1q-42 多重接続処理部
1q-30 バックホール通信部