(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】受信信号チャネル品質指標に基づいて、送信信号チャネル品質指標を推定する方法
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20240325BHJP
H04B 7/10 20170101ALI20240325BHJP
H01Q 1/28 20060101ALI20240325BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H04B7/06 956
H04B7/10 B
H01Q1/28
H01Q1/50
(21)【出願番号】P 2021574952
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(86)【国際出願番号】 US2020045884
(87)【国際公開番号】W WO2021034562
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シン,アビシェーク
【審査官】大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/203378(WO,A1)
【文献】特表2016-527755(JP,A)
【文献】特表2017-502537(JP,A)
【文献】特表2019-509675(JP,A)
【文献】特表2017-523742(JP,A)
【文献】特開2014-207626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/089513(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111827(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/10
H01Q 1/28
H01Q 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度変更物体上に装備され、
駆動エレメントおよび1つ以上の寄生エレメントを含んで、複数のモードに構成可能なマルチモード・アンテナの動作を制御する方法であって、各モードが異なる放射パターンまたは偏波に関連付けられ、
前記高度変更物体が、前記マルチモード・アンテナを前記複数のモードで動作させるために、前記寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成された同調回路と、前記1つ以上の寄生エレメントおよび前記同調回路の間に結合された調整可能なコンポーネントとを含み、前記方法が、
前記高度変更物体が、第1の高度から、該第1の高度とは異なる第2の高度に
自律的に飛行している間に、前記高度変更物体上に装備された前記マルチモード・アンテナにおいて、第1無線周波数(RF)信号を受信するステップと、
前記高度変更物体上に装備された1つ以上の制御デバイスによって、前記第1RF信号に対する受信信号チャネル品質指標(CQI)を示すデータを得るステップと、
前記高度変更物体が前記第1の高度から前記第2の高度に自律的に飛行している間に、前記1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、前記第1RF信号に対する前記受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号に対する送信信号CQIを推定するステップと、
前記1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、前記第2RF信号に対して前記推定された送信信号CQIに基づいて、前記複数のモードのうちの1つを、前記複数のモードから選択されたモードとして決定するステップと、
前記1つ以上の制御デバイスによって、前記複数のモードから前記選択されたモードに前記マルチモード・アンテナを構成するステップと、
前記マルチモード・アンテナが前記選択されたモードに構成されている間に、前記マルチモード・アンテナによって、前記第2RF信号を送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記受信信号CQIを示すデータが、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、および信号対干渉+ノイズ比(SINR)の内少なくとも1つを示すデータを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記送信信号CQIが、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、および信号対干渉+ノイズ比(SINR)の内少なくとも1つを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記マルチモード・アンテナが前記選択されたモードに構成されている間に前記第2RF信号を送信するステップが、前記第2RF信号を通信ネットワークを通じて1つ以上のリモート・デバイスに送信するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項
4記載の方法において、前記通信ネットワークがセルラ・ネットワークを含む、方法。
【請求項6】
請求項
4記載の方法において、前記通信ネットワークが802.11ネットワークを含む、方法。
【請求項7】
システムであって、
高度変更物体上に装備され、
駆動エレメントおよび1つ以上の寄生エレメントを含んで、複数のモードで動作するように構成可能なマルチモード能動アンテナであって、前記複数のモードの中の各モードが別個の放射パターンを有
し、
前記高度変更物体が、前記マルチモード能動アンテナを前記複数のモードで動作させるために、前記寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成された同調回路と、前記1つ以上の寄生エレメントおよび前記同調回路の間に結合された調整可能なコンポーネントとを含む、マルチモード能動アンテナと、
前記高度変更物体上に装備される1つ以上の制御デバイスと、
を備え、前記1つ以上の制御デバイスが、
前記高度変更物体が、第1の高度から、該第1の高度とは異なる第2の高度に
自律的に飛行している間に、前記マルチモード能動アンテナが受信した第1無線周波数(RF)信号に対する受信信号チャネル品質指標(CQI)を示すデータを得て、
前記高度変更物体が前記第1の高度から前記第2の高度に自律的に飛行している間に、少なくとも部分的に、前記受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号に対する送信信号CQIを推定し、
少なくとも部分的に、前記送信信号CQIに基づいて、前記複数のモードのうちの1つを、前記マルチモード能動アンテナの選択されたモードとして決定し、
前記選択されたモードで前記マルチモード能動アンテナを構成し、
前記マルチモード能動アンテナが前記選択されたモードに構成されている間に、前記マルチモード能動アンテナによって、前記第2RF信号を、通信ネットワークを通じてワイヤレス・デバイスに送信する、
ように構成される、システム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、前記受信信号CQIを示すデータが、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、および信号対干渉+ノイズ比(SINR)の内少なくとも1つを示すデータを含む、システム。
【請求項9】
請求項7記載のシステムにおいて、前記マルチモード能動アンテナが前記選択されたモードに構成されるとき、前記マルチモード能動アンテナが、前記第2RF信号を通信ネットワークを通じて1つ以上のリモート・デバイスに送信するように構成される、システム。
【請求項10】
請求項
9記載のシステムにおいて、前記通信ネットワークがセルラ・ネットワークを含む、システム。
【請求項11】
請求項
9記載のシステムにおいて、前記通信ネットワークが802.11ネットワークを含む、システム。
【請求項12】
高度変更物体であって、
該高度変更物体上に装備され、
駆動エレメントおよび1つ以上の寄生エレメントを含んで、複数のモードで動作するように構成可能なマルチモード・アンテナであって、前記複数のモードの中の各モードが別個の放射パターンを有
し、
当該高度変更物体が、前記マルチモード・アンテナを前記複数のモードで動作させるために、前記寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成された同調回路と、前記1つ以上の寄生エレメントおよび前記同調回路の間に結合された調整可能なコンポーネントとを含む、マルチモード・アンテナと、
前記高度変更物体上に装備される1つ以上の制御デバイスと、
を備え、前記1つ以上の制御デバイスが、
前記高度変更物体が、第1の高度から、該第1の高度とは異なる第2の高度に
自律的に飛行している間に、前記マルチモード・アンテナが受信した第1無線周波数(RF)信号に対する受信信号チャネル品質指標(CQI)を示すデータを得て、
前記高度変更物体が前記第1の高度から前記第2の高度に自律的に飛行している間に、少なくとも部分的に、前記受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号に対する送信信号CQIを推定し、
少なくとも部分的に、前記送信信号CQIに基づいて、前記複数のモードのうちの1つを、前記マルチモード・アンテナの選択されたモードとして決定し、
前記選択されたモードに前記マルチモード・アンテナを構成し、
前記マルチモード・アンテナが前記選択されたモードに構成されている間に、前記マルチモード能動アンテナによって、前記第2RF信号を、通信ネットワークを通じてワイヤレス・デバイスに送信する、
ように構成される、高度変更物体。
【請求項13】
請求項12記載の高度変更物体において、前記受信信号CQIを示すデータが、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、および信号対干渉+ノイズ比(SINR)の内少なくとも1つを示すデータを含む、高度変更物体。
【請求項14】
請求項12記載の高度変更物体において、前記マルチモード・アンテナが前記選択されたモードに構成されるとき、前記マルチモード・アンテナが、前記第2RF信号を通信ネットワークを通じて1つ以上のリモート・デバイスに送信するように構成される、高度変更物体。
【請求項15】
請求項12記載の高度変更物体において、前記通信ネットワークがセルラ・ネットワークを含む、高度変更物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001] 本願は、“Method for Estimating a Transmit Signal Channel Quality Indicator Based on a Receive Signal Channel Quality Indicator”(受信信号チャネル品質指標に基づいて、送信信号チャネル品質指標を推定する方法)と題し、2019年8月16日の出願日を有する米国仮特許出願第62/888,013号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
分野
[0002] 本開示は、一般的に、マルチモード・アンテナを有するデバイスに関し、更に特定すれば、少なくとも部分的に、受信RF信号に関連する受信信号CQIに基づいて、送信無線周波数(RF)信号を送信するように、マルチモード・アンテナを構成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] マルチモード・アンテナは、種々の用途に使用することができる。例えば、マルチモード・アンテナは、ラップトップにおいて、他のラップトップのような他のデバイスとの通信を容易にするために、使用することができる。他の例として、ドローンのような高度変更物体(altitude-changing object)が1つ以上のマルチモード・アンテナを含み、この高度変更物体とネットワーク(例えば、セルラ・ネットワーク)内にある1つ以上のノードとの間の通信を容易にすることができる。マルチモード・アンテナを有するデバイス(例えば、スマートフォン、ドローン等)がネットワークにおける他のノードに対して移動すると、このデバイスの移動により、ネットワークにおける1つ以上のノードに信号を送信するためにマルチモード・アンテナを構成しなければならないモードを決定することが困難になる可能性がある。したがって、ある実例では、ネットワーク上の1つ以上のデバイスに伴う干渉を効果的に最小限に抑えることができないアンテナ放射パターンを有するモードに、デバイスのマルチモード・アンテナが構成される可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 本開示の実施形態の態様および利点は、部分的に以下の説明において明記され、またはその説明から学習することができ、もしくは実施形態の実施を通じて習得することができる。
【0005】
[0005] 一態様例では、マルチモード・アンテナの動作を制御する方法を提供する。マルチモード・アンテナは、複数のモードに構成することができ、各モードには異なる放射パターンまたは偏波が関連付けられる。この方法は、マルチモード・アンテナにおいて第1RF信号を受信するステップを含む。この方法は、更に、1つ以上の制御デバイスによって、第1RF信号に対する受信信号チャネル品質指標を示すデータを得るステップを含む。この方法は、1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号を送信するために、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するステップを含む。この方法は、更に、マルチモード・アンテナが選択されたモードに構成されている間に、マルチモード・アンテナによって、第2RF信号を送信するステップを含む。
【0006】
[0006] 他の態様例では、システムを提供する。このシステムは、複数のモードで動作するように構成可能なマルチモード・アンテナを含む。複数のモードの中の各モードは、別個の放射パターンを有する。このシステムは、更に、1つ以上の制御デバイスを含む。1つ以上の制御デバイスは、マルチモード・アンテナにおいて受信される第1RF信号に対する受信信号チャネルCQIを示すデータを得るように構成することができる。1つ以上の制御デバイスは、更に、少なくとも部分的に受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号を送信するために、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するように構成することができる。
【0007】
[0007] 更に他の態様例では、高度変更物体(altitude changing object)を提供する。高度変更物体は、複数のモードで動作するように構成可能なマルチモード・アンテナを含む。複数のモードの各々は、別個の放射パターンを有する。高度変更物体は、更に、1つ以上の制御デバイスも含む。1つ以上の制御デバイスは、マルチモード・アンテナにおいて受信された第1RF信号に対する受信信号CQIを示すデータを得るように構成される。1つ以上の制御デバイスは、更に、少なくとも部分的に受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号を送信するために、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するように構成される。
【0008】
[0008] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付する請求項を参照することにより、一層深く理解されよう。添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を構成する。これらの添付図面は、本開示の実施形態を、説明と共に例示し、関係する原理を説明する役割を果たす。
【0009】
[0009] 当業者を対象とした実施形態の詳細な説明を、添付する図を参照しながら、本明細書において明記する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナを示す。
【
図3】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナに伴う二次元放射パターンを示す。
【
図4】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナの周波数プロットを示す。
【
図5】本開示の実施形態例による、
図1のシステムのデバイスのコンポーネントのブロック図を示す。
【
図6】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナの動作を制御する方法の流れ図を示す。
【
図7】本開示の実施形態例による、ネットワークにおける高度変更物体の一例を示す。
【
図8】本開示の実施形態例による、ネットワーク内の複数の高度における高度変更物体の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0018] これより実施形態について詳しく説明し、その1つ以上の例を図面に示す。各例を提示するのは、本開示の限定ではなく、実施形態の説明のためである。実際、本開示の範囲からも主旨からも逸脱せずに、実施形態に種々の変更および変形が可能であることは、当業者には明白であろう。実例をあげると、一実施形態の一部として例示または記載された特徴が、他の実施形態と共に使用されて、更に他の実施形態を生み出すことができる。つまり、本開示の態様はこのような変更および変形もその範囲内に含むことを意図している。
【0012】
[0019] 本開示の態様例は、マルチモード・アンテナを有するデバイスを対象とする。ある実施態様では、デバイス(例えば、スマートフォン、高度変更物体、車両、ウェアラブル・デバイス)は、ネットワーク(例えば、セルラ・ネットワーク、802.11ネットワーク等)における他のデバイス(例えば、ルータ、移動通信用鉄塔等)に対して移動することができる。デバイスのマルチモード・アンテナは、複数の異なるモードに構成可能にすることができる。複数のモードの各々は、別個の放射パターンまたはアンテナ偏波を有することができる。以下で論ずるように、デバイスは、マルチモード・アンテナの動作を制御するように構成された1つ以上の制御デバイスを含むことができる。
【0013】
[0020] ネットワーク上におけるデバイスの他のデバイスに対する移動は、1つ以上の制御デバイスが、マルチモード・アンテナを介して送信される送信無線周波数(RF)信号に関連する送信信号チャネル品質指標(CQI)を示すデータを得る機能(ability)に影響を及ぼす可能性がある。一例として、マルチモード・アンテナが高度変更物体(例えば、ドローン)上に実装され、この高度変更物体が飛行中で、ネットワークにおいて他のデバイスよりも上に位置付けられているとき、送信RF信号に関連する送信信号CQIを示すデータを得ることが困難になる可能性がある。以下で更に詳しく論ずるが、1つ以上の制御デバイスは、少なくとも部分的に、マルチモード・アンテナによって受信された受信無線周波数(RF)信号に対する受信信号チャネル品質指標(CQI)を示すデータに基づいて、複数のモードから選択されるモードにマルチモード・アンテナを構成して、送信RF信号を送信することができる。
【0014】
[0021] 更に特定すれば、1つ以上の制御デバイスは、少なくとも部分的に受信RF信号に対する受信信号CQIに基づいて、送信RF信号に対する送信信号CQIを推定するように構成することができる。1つ以上の制御デバイスは、更に、少なくとも部分的に推定した送信信号CQIに基づいて、複数のモードから選択されるモードを決定するように構成することができる。ある実施態様では、選択されたモードのアンテナ放射パターンは、ネットワーク上の1つ以上のデバイスに伴う干渉を低減するまたは極力抑えることができる。例えば、選択されたモードのアンテナ放射パターンは、干渉を伴う1つ以上のデバイスに向けて誘導される(steer)1つ以上のヌルを含むことができる。このように、ネットワーク上の他のデバイスに伴う干渉によって影響される送信RF信号の発生を低減または排除することができる。ある実施態様では、選択されたモードのアンテナ放射パターンに伴う高利得のエリアを、送信RF信号を受信することを意図する1つ以上のリモート・デバイスに向けて誘導することができる。このようにして、1つ以上のリモート・デバイスとの通信を改善することができる。
【0015】
[0022] ある実施態様では、RF信号が同じ周波数で送信および受信される802.11ネットワークにおいて、本開示によるデバイスを利用することができる(can be useful)。この方法では、802.11ネットワークでは同じ周波数で信号が送信および受信されるので、少なくとも部分的に受信RF信号に対する受信信号CQIに基づいて、送信RF信号に対する送信信号CQIを推定する。
【0016】
[0023] 本開示の態様例によるデバイスは、多数の技術的便益および利点を提供することができる。実例をあげると、特に、送信RF信号を送信するように構成されたデバイスがネットワークにおいて他のノードに対して移動しているとき、送信RF信号に関連する送信信号CQIを得る際にレイテンシが発生する可能性がある。したがって、本開示による1つ以上の制御デバイスは、少なくとも部分的に受信RF信号に関連する受信信号CQIに基づいて、送信RF信号に関連する送信信号CQIを推定するように構成することができる。このように、1つ以上の制御デバイスは、少なくとも部分的に推定した送信信号CQIに基づいて、複数のモードから選択されるモードを決定するように構成することができる。したがって、本開示の実施形態例によるデバイスは、送信信号CQIに関連するデータを得るのが難しい状況において、送信RF信号を送信するために選択されるマルチモード・アンテナのモードを一層効率的に決定することができる。
【0017】
[0024] これより図面を参照する。
図1は、本開示の実施形態例によるシステム例100を示す。図示のように、システム100は、マルチモード・アンテナ120を有するデバイス110を含むことができる。ある実施態様では、デバイス110は、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ウェアラブル・デバイス等のような、移動体コンピューティング・デバイスとすることができる。代替実施態様では、デバイス110は高度変更物体(例えば、ドローン)とすることもできる。しかしながら、デバイス110は、このデバイス110が通信している1つ以上のリモート・デバイスに対して移動することができる任意の適した種類のデバイス110を含むことができる。実例をあげると、ある実施態様では、デバイス110は車両とすることができる。
【0018】
[0025] マルチモード・アンテナ120は、デバイス110と、このデバイス110が通信している1つ以上のリモート・デバイス(例えば、ルータ、セル・タワー等)との間におけるリンク品質を改善するために、ビーム・ステアリング機能を設けるように構成することができる。更に特定すると、マルチモード・アンテナ120は複数のアンテナ・モードに構成可能にすることができる。複数のアンテナ・モードの中の各アンテナ・モードは、異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。尚、デバイス110は任意の適した数のマルチモード・アンテナ120を含んでもよいことは、理解されてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、デバイス110は2つ以上のマルチモード・アンテナを含むことができる。
【0019】
[0026] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、1つ以上のリモート・デバイスと通信するとき、異なるアンテナ・モードに構成することができる。実例をあげると、マルチモード・アンテナ120は、1つ以上のRF信号を第1リモート・デバイス160(例えば、セルラ・タワー)から受信および/または送信するときには、第1アンテナ・モードAM-1に構成することができる。マルチモード・アンテナ120は、1つ以上のRF信号を第2リモート・デバイス162(例えば、セルラ・タワー)から受信および/または送信するためには、第2アンテナ・モードAM-2に構成することができる。マルチモード・アンテナ120は、1つ以上のRF信号を第3リモート・デバイス164から受信および/または送信するためには、第3アンテナ・モードAM-3に構成することができる。尚、マルチモード・アンテナ120は、任意の適した数の異なるモードに構成できることは、認められてしかるべきである。
【0020】
[0027] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、ネットワーク170を通じて、1つ以上のリモート・デバイスと通信することができる。尚、マルチモード・アンテナ120は、任意の適した種類のネットワーク170を通じて、1つ以上のリモート・デバイスと通信するように構成できることは認められてしかるべきである。例えば、ある実施態様では、ネットワーク170はセルラ・ネットワークとすることができる。代替実施態様では、ネットワーク170は、802.11ネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)または他のワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)とすることができる。
【0021】
[0028]
図2は、本開示によるマルチモード・アンテナ例120を示す。図示のように、マルチモード・アンテナ120は、回路ボード122(例えば、接地面を含む)と、回路ボード122上に配置された被駆動アンテナ・エレメント124とを含むことができる。回路ボード122(例えば、接地面)と被駆動アンテナ・エレメント124との間に、アンテナ空間を定めることもできる。マルチモード・アンテナ120は、少なくとも部分的にアンテナ空間内に位置付けられた第1寄生エレメント126を含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、更に、第1寄生エレメント126と結合された第1同調エレメント128も含むことができる。第1同調エレメント128は、受動または能動コンポーネントあるいは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって、第1寄生エレメント126上のリアクタンスを変化させるように構成することができる。尚、第1寄生エレメント126のリアクタンスを変化させることによって、マルチモード・アンテナ120の周波数偏移を生じさせる結果が得られることは認められてしかるべきである。また、第1同調エレメント128は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよいことも認められてしかるべきである。
【0022】
[0029] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、被駆動アンテナ・エレメント124に隣接し、アンテナ空間の外側に配置された第2寄生エレメント130を含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、更に、第2同調エレメント132を含むことができる。ある実施態様では、第2同調エレメント132は、受動または能動コンポーネントあるいは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって、第2寄生エレメント130上のリアクタンスを変化させるように構成することができる。尚、第2寄生エレメント130のリアクタンスを変化させることによって、マルチモード・アンテナ120の周波数偏移を生じさせる結果が得られることは認められてしかるべきである。また、第2同調エレメント132は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよいことも認められてしかるべきである。
【0023】
[0030] 実施形態例では、被駆動アンテナ・エレメント124のアンテナ放射パターンを調節する(例えば、偏移させる)ために、第1同調エレメント128および第2同調エレメント132の内少なくとも1つの動作を制御することができる。例えば、被駆動アンテナ・エレメント124のアンテナ放射パターンを調節するために、第1同調エレメント128および第2同調エレメント132の内少なくとも1つのリアクタンスを制御することができる。アンテナ放射パターンの調節は、「ビーム・ステアリング」(beam steering)と呼ぶことができる。しかしながら、アンテナ放射パターンがヌルを含む実例では、一般に「ヌル・ステアリング」(null steering)と呼ばれる同様の動作を実行すると、被駆動アンテナ・エレメント124周囲における代わりの位置に、ヌルを偏移させることができる(例えば、干渉を低減するため)。
【0024】
[0031]
図3は、本開示の実施形態例による
図1のマルチモード・アンテナ120に伴うアンテナ放射パターンを示す。尚、マルチモード・アンテナ120を複数のモードに構成するために、第1寄生エレメント114および第2寄生エレメント118の内少なくとも1つの動作を制御できることは認められてしかるべきである。また、マルチモード・アンテナ120は、複数のモードの各々に構成されると、別個のアンテナ放射パターンまたはアンテナ偏波を有することができることも認められてしかるべきである。
【0025】
[0032] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第1モードに構成されたときに、第1アンテナ放射パターン200を有することができる。加えて、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第2モードに構成されたときに、第2アンテナ放射パターン202を有することができる。更に、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第3モードに構成されたときに、第3アンテナ放射パターン204を有することができる。図示のように、第1アンテナ放射パターン200、第2アンテナ放射パターン202、および第3アンテナ放射パターン204は、互いに別個とすることができる。このように、マルチモード・アンテナ120は、第1モード、第2モード、および第3モードの各々に構成されたときに、別個の放射パターンを有することができる。
【0026】
[0033]
図4は、本開示のある態様による
図1のマルチモード・アンテナ120の周波数プロット例を示す。尚、第1寄生エレメント124および第2寄生エレメント128の内少なくとも1つの電気特性(例えば、リアクタンス)を制御できることは理解されてしかるべきである。このように、第1寄生エレメント124および第2寄生エレメント128の内少なくとも1つの電気特性を調節すると、対応するマルチモード・アンテナが動作している周波数を偏移させることができる。
【0027】
[0034] ある実施態様では、第1寄生エレメント126および第2寄生エレメント130を不作動にする(deactivated)(例えば、オフに切り替えられる)と、マルチモード・アンテナ120を第1周波数f0に同調させることができる。代わりにおよび/または加えて、第2寄生エレメント130を接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数fLおよびfHに同調させることができる。更に、第1寄生エレメント126および第2寄生エレメント130の双方を接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数f4に同調させることができる。更にまた、第1寄生エレメント126および第2寄生エレメント130を各々接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数f4およびf0に同調させることができる。尚、他の構成も本開示の範囲に入ることは理解されてしかるべきである。例えば、もっと多いまたはもっと少ない寄生エレメントを採用することもできる。寄生エレメントの位置付けを変更することによって、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを呈することができる追加のモードを達成することもできる。
【0028】
[0035]
図2~
図4は、例示および論述の目的に限って、複数のモードを有するモーダル・アンテナの一例を示す。本明細書において提示する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他のモーダル・アンテナおよび/またはアンテナ構成も使用できることは、当業者には理解できよう。本明細書において使用する場合、「モーダル・アンテナ」(modal antenna)とは、複数のモードで動作することができるアンテナを意味し、各モードには別個の放射パターンと関連付けられる。
【0029】
[0036] これより
図5を参照して、デバイス110の実施形態例を示す。図示のように、マルチモード・アンテナ120は、被駆動エレメント510と寄生エレメント512とを含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、先に論じたように、複数の異なるモードで動作可能にすることができる。複数のモードの中の各モードは、実例をあげると、
図2~
図4を参照して先に説明したように、異なる放射パターンおよび/または偏波特性と関連付けることができる。更に、デバイス110は1つのマルチモード・アンテナ120だけを有するように図示されているが、デバイス110は任意の適した数のマルチモード・アンテナを含んでもよいことは認められてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、デバイス110は2つ以上のマルチモード・アンテナを含むことができる。
【0030】
[0037] デバイス110は、マルチモード・アンテナ120を複数の異なるモードで動作させるために、寄生エレメント512に伴う電気特性を制御するように構成された同調回路520を含むことができる。ある実施態様では、デバイス110は調整可能なコンポーネント530を含むことができる。図示のように、調整可能なコンポーネント530は、寄生エレメント512と同調回路520との間に結合することができる。同調回路520は、寄生エレメント512を電気接地に結合するというように、寄生エレメント512の電圧ソースまたは電圧シンクあるいは電流ソースまたは電流シンクとの電気接続を変化させるために、 調整可能なコンポーネント530の動作を制御するように構成することができる。
【0031】
[0038] デバイス110は、RF回路540を含むことができる。ある実施態様では、RF回路540はフロント・エンド・モジュールを含むことができる。フロント・エンド・モジュールは、実例をあげると、1つ以上の電力増幅器、ロー・ノイズ増幅器、インピーダンス整合回路等を含むことができる。このように、フロント・エンド・モジュールは、マルチモード・アンテナ120の被駆動エレメント510に送信されるRF信号および/または被駆動エレメント510から受信されたRF信号を増幅するように構成することができる。
【0032】
[0039] ある実施態様では、デバイス110は1つ以上の制御デバイス550を含むことができる。1つ以上の制御デバイス550は、同調回路520に動作可能に結合することができる。このように、1つ以上の制御デバイス550は、マルチモード・アンテナ120を複数の異なるモードに構成するために、同調回路520の動作を制御するように構成することができる。代わりにおよび/または加えて、1つ以上の制御デバイス550は、RF回路540と電気通信する状態になることができる。このように、RF回路540を介して、マルチモード・アンテナ120において受信されたRF信号を1つ以上の制御デバイス550に供給することができる。加えて、1つ以上の制御デバイス550は、RF回路540を介して、マルチモード・アンテナ120の被駆動エレメント510に供給される送信RF信号上に変調されるデータを供給することができる。
【0033】
[0040] 図示のように、1つ以上の制御デバイス550は、1つ以上のプロセッサ552と1つ以上のメモリ・デバイス554を含むことができる。プロセッサ(1つまたは複数)552は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、または他の適した処理デバイスのような、任意の適した処理デバイスを含むことができる。メモリ・デバイス(1つまたは複数)554は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体には、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、RAM、ROM、ハード・ドライブ、フラッシュ・ドライブ、または他のメモリ・デバイスが含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0034】
[0041] メモリ・デバイス(1つまたは複数)554は、プロセッサ(1つまたは複数)552によってアクセス可能な情報を格納することができ、この情報には、プロセッサ(1つまたは複数)552によって実行することができるコンピュータ読み取り可能命令が含まれる。コンピュータ読み取り可能命令は、プロセッサ(1つまたは複数)552によって実行されると、プロセッサ(1つまたは複数)552に動作を実行させる任意の1組の命令とすることができる。コンピュータ読み取り可能命令は、任意の適したプログラミング言語で書かれたソフトウェアとすることができ、またはハードウェアで実装することもできる。ある実施形態では、コンピュータ読み取り可能命令は、プロセッサ(1つまたは複数)552によって実行され、マルチモード・アンテナ120の動作を制御するというような動作を、プロセッサ(1つまたは複数)552に実行させることができる。
【0035】
[0042] これより
図6を参照して、本開示の実施形態例にしたがってマルチモード・アンテナの動作を制御する方法600の流れ図を示す。全体的に、ここでは
図5を参照して先に説明したデバイス110を参照しながら、方法600について論ずる。加えて、
図6は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示すが、本明細書において論ずる方法は、いずれの特定の順序にも配列にも限定されない。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、ここで開示する方法の種々のステップを省略する、並び替える、組み合わせる、および/または種々の方法で適応させることも可能であることは、当業者には理解されよう。
【0036】
[0043] (602)において、方法600は、マルチモード・アンテナにおいて第1RF信号を受信するステップを含むことができる。(604)において、方法600は、1つ以上の制御デバイスによって、(602)において受信した第1RF信号に対する受信信号CQIを示すデータを得るステップを含むことができる。尚、受信信号CQIを示すデータの例には、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、強度誤差比(MER:magnitude error ratio)、誤差ベクトル強度(EVM:error vector magnitude)、ビット・エラー率(BER)、ブロック・エラー率(BLER:block error rate)、およびパケット・エラー率(PER)、以上のものの組み合わせ、および/または種々の他のメトリックの内少なくとも1つを含めばよいことは認められてしかるべきである。CQIは、基地局とマルチモード・アンテナを有するデバイスとの間におけるアップリンク信号品質を特徴付けるために使用することができる。
【0037】
[0044] (606)において、方法600は、1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、(604)において得られた受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号を送信するために、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するステップを含むことができる。ある実施態様では、第2RF信号を送信するためにマルチモード・アンテナを構成するステップは、(608)において、1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、(604)において得られた受信信号CQIを示すデータに基づいて、第2RF信号に対する送信信号CQIを推定するステップを含むことができる。更に、ある実施態様では、第2RF信号を送信するために、選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するステップは、(610)において、1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、(608)において推定した送信信号CQIに基づいて、複数のモードから選択されるモードを決定するステップを含むことができる。加えて、第2RF信号を送信するために選択されたモードにマルチモード・アンテナを構成するステップは、(612)において、マルチモード・アンテナを(610)において決定した選択モード(selected mode)に構成するステップを含むことができる。
【0038】
[0045] (614)において、方法600は、(610)において決定した選択モードにマルチモード・アンテナが構成されている間に、マルチモード・アンテナによって、第2RF信号を送信するステップを含むことができる。実例をあげると、ある実施態様では、第2RF信号を送信するステップは、第2RF信号を1つ以上のリモート・デバイスに送信するステップを含むことができる。更に具体的には、マルチモード・アンテナは、第2RF信号を通信ネットワークを通じて1つ以上のリモート・デバイスに送信する動作を含むことができる。尚、ネットワークは、任意の適した種類のネットワークを含んでもよいことは認められてしかるべきである。例えば、ある実施態様では、ネットワークは、セルラ・ネットワークとすることができる。他の例として、ネットワークは802.11ネットワークにすることもできる。
【0039】
[0046] これより
図7および
図8を参照すると、デバイス110は、ある実施態様では、ネットワーク(例えば、セルラ・ネットワーク)における高度変更物体とすることができる。図示のように、デバイス110は、3つの分離したマルチモード・アンテナ120を含むことができる。しかしながら、デバイス110はもっと多いまたはもっと少ないマルチモード・アンテナ120を含んでもよいことは認められてしかるべきである。マルチモード・アンテナ120の各々は、第1通信リンク710を介して、コントローラ700と通信することができる。このように、コントローラ700は、デバイス110の動作を制御するために、1つ以上の制御信号を1つ以上のマルチモード・アンテナ120に伝達することができる。実例をあげると、ある実施態様では、コントローラ700は、デバイス110の移動制御に関連する1つ以上の制御信号を伝達することができる。
【0040】
[0047] 図示のように、複数のノード800(例えば、セルラ基地局端末)を含むネットワーク(例えば、セルラ・ネットワーク)が設けられている。この図示する実施形態例におけるネットワークは3つのノードのみを含むが、ネットワークは任意の適した数のノードを含んでもよいことは認められてしかるべきである。図示のように、複数のノード800の各々は、第2通信リンク712を介して、デバイス110と通信することができる。加えて、ノード800の各々は、第3通信リンク714を介して、コントローラ700と通信することができる。このように、コントローラ700は1つ以上の制御信号をネットワーク(例えば、ノード800)を通じて、デバイス110の1つ以上のマルチモード・アンテナ120に伝達することができる。あるいは、コントローラ700は、先に論じたように、1つ以上の制御信号を直接デバイス110に、第1通信リンク710を介して伝達することもできる。
【0041】
[0048] ある実施態様では、ネットワークは、デバイス110の場所を判定するように構成された汎地球測位システム(GPS)衛星900を含むことができる。尚、デバイス110の場所を判定するためには、他の適した形式の測位システムを実装できることは認められてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、デバイス100の場所を判定するために、三角測量システムまたは推測航法システムを実装することができる。尚、デバイス110は、任意の適した通信リンクを介して、GPS衛星900と通信できることは理解されてしかるべきである。
【0042】
[0049] 尚、マルチモード・アンテナ120は、デバイス110が移動している間に、RF信号をノード800の1つ以上から受信できることは理解されてしかるべきである。例えば、マルチモード・アンテナ120は、デバイス110が垂直方向に沿って地面P0から第1位置P1、第2位置P2、または第3位置P3に移動している間に、RF信号を受信することができる。尚、デバイス110が第1位置P1、第2位置P2、および第3位置P3の各々にあるとき、デバイス110は飛行中である(例えば、地面から離れている)ことは理解されてしかるべきである。
【0043】
[0050] このような実施態様では、コントローラ700は、デバイス110のマルチモード・アンテナ120によって受信されたRF信号に関連する受信信号CQIを示すデータを得ることができる。しかしながら、デバイス110はノード800に対して移動しているので、コントローラ700は、マルチモード・アンテナ120が1つ以上のノード800に送信する送信RF信号の送信信号CQIを示すデータを得ることができないことは理解されてしかるべきである。このように、コントローラ700は、ネットワーク上の干渉を最小限に抑えるように送信RF信号を1つ以上のノード800に送信するときに、複数のモードの内どのモードに、マルチモード・アンテナ120を構成する必要があるか、正確に判定することができない。以下で更に詳しく論ずるように、コントローラ700は、少なくとも部分的に、受信RF信号に関連する受信信号CQIを示すデータに基づいて、送信RF信号を1つ以上のノード800に送信するために、複数のモードから1つのモードを選択し、1つ以上のマルチモード・アンテナのために決定するように構成することができる。
【0044】
[0051] ある実施態様では、コントローラ700は、少なくとも部分的に、受信RF信号に関連する受信信号CQIを示すデータに基づいて、送信RF信号を送信するために、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナ120を構成することができる。実例をあげると、コントローラ700は、少なくとも部分的に、マルチモード・アンテナ120がノード800の1つ以上から受信した受信RF信号に関連する受信信号CQIを示すデータに基づいて、送信RF信号に関連する送信信号CQIを推定することができる。更に、コントローラ700は、更に、少なくとも部分的に、送信RF信号に関連する推定送信信号CQIに基づいて、複数のモードから1つを選択するように構成することができる。したがって、送信RF信号を1つ以上のノード800に送信する間、複数のモードから選択されたモードにマルチモード・アンテナ120を構成することができる。このように、ネットワーク上の干渉を低減または排除することができる。何故なら、選択されたモードのアンテナ放射パターンに伴う1つ以上のヌルを、ネットワーク上において干渉を伴う1つ以上のデバイス(例えば、ノード800)に向けて誘導することができるからである。ある実施態様では、選択されたモードのアンテナ放射パターンに伴う高利得のエリアを、送信RF信号を受信することを意図する1つ以上のリモート・デバイス(例えば、ノード800)に向けて誘導することができる。このように、1つ以上のリモート・デバイスとの通信を改善することができる。
【0045】
[0052] 以上、本発明の主題を、その具体的な実施形態例に関して詳細に説明したが、以上のことの理解が得られれば、このような実施形態に対する変更、変形、および等価物も、当業者は容易に生み出せることは認められよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく一例であり、当業者には容易に認められるように、本開示は、本発明の主題に対するこのような変更、変形、および/または追加の包含を除外することはない。