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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】キャビティフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/208 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
H01P1/208 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022141845
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2020568990の分割
【原出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2022180421
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0067399
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0069126
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム シン パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】スン ホ ジャン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/093176(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102136616(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0258848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/208
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、
前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、
前記端子部は、
前記電極パッドに接点する一側端子と、
前記一側端子の一部が収容されるように収容空間が形成されるが、前記RF信号連結部に連結される他側端子とを含み、
前記一側端子は、組立者が提供する組立力に対抗していずれか一部が放射状に広がるか狭くなる弾性変形体で備えられ、
前記端子部は、前記RF信号連結部が内部に備えられたフィルタ本体に形成された端子挿入口に挿入配置され、
前記一側端子が備えられた側の前記フィルタ本体の一面にはワッシャ設置部が溝加工され、前記ワッシャ設置部にはスターワッシャが設置固定される、キャビティフィルタ。
【請求項2】
前記ワッシャ設置部は、前記端子挿入口よりも大きい内径を有するように溝加工形成される、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項3】
端子挿入口内に前記端子部の外側を取り囲むように挿入された誘電体をさらに含む、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項4】
前記誘電体には、前記端子部の貫通する端子貫通ホールが形成され、
前記端子貫通ホールを貫通する前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つは、前記誘電体に係止されるように前記端子貫通ホールよりも大きい直径を有する係止段が形成された、請求項3に記載のキャビティフィルタ。
【請求項5】
前記一側端子は、上端部の端部位に形成された接点部と、前記弾性変形体を構成する下端部のスプリング端子部を含む、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項6】
前記スプリング端子部は、前記接点部が形成された前記一側端子の上端部の下側から放射状に複数個が下方傾斜して延びるが、枠端部が前記他側端子の収容空間の内側に形成されたスプリング設置溝に係止固定される、請求項5に記載のキャビティフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティフィルタ(CAVITY FILTER)に関し、より詳しくは、組立性および大きさを考慮してフィルタと印刷回路基板との間のコネクタ締結構造を改善したMassive MIMOアンテナ用キャビティフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の記述内容は単に本実施例についての背景情報を提供するに過ぎず、従来技術を構成するものではない。
【0003】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分する空間多重化(Spatial multiplexing)手法である。そのため、送受信アンテナの個数を同時に増加させることにより、チャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて、同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保するようになる。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が用いられることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のセル(Cell)運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、Massive MIMO技術はFD-MIMO(Full Dimension)とも呼ばれる。
【0005】
Massive MIMO技術では、アンテナ素子の個数増加に伴い、それによる送受信機とフィルタの個数も併せて増加する。また、2014年ベースで全国的に20万箇所以上の基地局が設置されている状況である。すなわち、実装空間を最小化し実装が容易なキャビティフィルタの構造が必要になり、個別的にチューニングされたキャビティフィルタがアンテナに実装された後も同一のフィルタ特性を提供するようにするRF信号線連結構造が要求される。
【0006】
キャビティ構造を有するRFフィルタは、金属性導体で形成されたボックス構造の内部に導体の共振棒などで構成された共振器が具備され、固有の周波数の電磁場だけを存在させることで共振によって超高周波の特性周波数のみ通過する特徴を有する。このようなキャビティ構造の帯域通過フィルタは、挿入損失が少なく高出力に有利で、移動通信基地局アンテナのフィルタとして多様に活用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、よりスリムでコンパクトな構造を有し、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されたキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造を有するキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の目的は、RFピンの分離タイプの場合、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して信号の損失が発生するのを防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、電気的な連結が必要な2つの部材間の組立公差を吸収しながら一定の接点面積を維持させるとともに、その設置が非常に簡明なキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0011】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための、本発明によるキャビティフィルタの実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドに接点する一側端子と、前記一側端子の一部が収容されるように収容空間が形成されるが、前記RF信号連結部に連結される他側端子とを含み、前記一側端子は、組立者が提供する組立力に対抗していずれか一部が放射状に広がるか狭くなる弾性変形体で備えられる。
【0013】
ここで、前記端子部は、前記RF信号連結部が内部に備えられたフィルタ本体に形成された端子挿入口に挿入配置される。
【0014】
また、前記端子挿入口内に前記端子部の外側を取り囲むように挿入された誘電体をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記誘電体には、前記端子部の貫通する端子貫通ホールが形成され、前記端子貫通ホールを貫通する前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つは、前記誘電体に係止されるように前記端子貫通ホールよりも大きい直径を有する係止段が形成される。
【0016】
また、前記一側端子は、前記電極パッドに接点する接点部が一体に形成されたワッシャスプリングで備えられる。
【0017】
また、前記他側端子の収容空間の内部に介在し、前記一側端子を前記電極パッド側に弾性支持する弾性部材をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記一側端子は、前記他側端子の収容空間の内側に係止されるように備えられた係止支持プレートと、前記係止支持プレートの上側に延長形成されるが、前記電極パッドに接点するように備えられた上端突出部とを含むことができる。
【0019】
また、前記弾性部材は、前記一側端子の前記係止支持プレートの下端を支持するワッシャスプリングで備えられる。
【0020】
また、前記一側端子は、前記他側端子の収容空間の内側に収容され、前記他側端子の収容空間に形成された端子ガイドホールに挿入される下端突出部と、前記下端突出部の上側に延びて、前記電極パッドに接点する上端突出部とを含むことができる。
【0021】
また、前記弾性部材は、前記一側端子の上端突出部および下端突出部の間に形成された係止リブに係止されて、前記一側端子を前記電極パッド側に弾性支持するワッシャスプリングで備えられる。
【0022】
本発明によるコネクティング構造体の一実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドに接点する一側端子と、前記一側端子の一部が収容されるように収容空間が形成されるが、前記RF信号連結部に連結される他側端子とを含み、前記一側端子は、組立者が提供する組立力に対抗していずれか一部が放射状に広がるか狭くなる弾性変形体で備えられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能なため、アンテナの性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図である。
図2】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図である。
図4】第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施例によるキャビティフィルタを示す断面図である。
図6図4の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図である。
図8】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す断面図である。
図9図7の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図10】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図である。
図11】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す断面図である。
図12図10の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図13】本発明の第4実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図である。
図14図13の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図である。
図15図13の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図16】本発明の第5実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図である。
図17図16の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図である。
図18図16の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図19】本発明の第6実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図である。
図20図19の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図である。
図21図19の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図22】本発明の第7実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図である。
図23図22の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図である。
図24図22の構成のうち端子部を示す斜視図である。
図25】本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳しい説明は省略する。
【0026】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使われる、辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0027】
図1は、例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図である。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタが含まれたアンテナアセンブリが内蔵されるアンテナ装置1の例示的な外形を示したに過ぎず、実際の積層時の外形を限定するものではない。
【0029】
アンテナ装置1は、ヒートシンク(Heat sink)が形成されたハウジング2と、ハウジング2に結合されたレドーム(radome)3とを含む。ハウジング2とレドーム3との間にはアンテナアセンブリが内蔵可能である。
【0030】
ハウジング2の下部には、例えば、ドッキング(docking)構造によりパワーサプライユニット(PSU、Power Supply Unit)4が結合され、パワーサプライユニット4は、アンテナアセンブリに備えられた通信部品を動作させるための動作電源を提供する。
【0031】
通常、アンテナ組立体は、前面に複数のアンテナ素子6が配列されるアンテナボード5の背面にキャビティフィルタ(Cavity filter)7がアンテナの個数だけ配置され、関連するPCBボード8が次に積層される構造を有する。キャビティフィルタ7は、実装前に個別的に仕様に合わせた周波数特性を有するように細部的にチューニングおよび検証されて用意できる。このようなチューニングおよび検証過程は、実装状態と同じ特性の環境で迅速に行われることが好ましい。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図である。
【0033】
本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20は、図2を参照すれば、図1に示された通常のRFコネクタ90を排除可能なため、その連結が容易になり、より低い高さプロファイルを有するアンテナ構造を提供することができる。
【0034】
また、高さ方向の両面にRF連結部を備えるが、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20で連結することにより、アンテナボード5あるいはPCBボード8に振動および熱変形が発生してもRF連結が同一に維持されて周波数特性の変化がないという利点がある。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図である。
【0036】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20は、RF信号連結部31(図4以下の図面符号31参照)を含み、内部が中空の第1ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースを覆う第2ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースの長手方向の両側にキャビティフィルタ20の高さ方向に備えられた端子部(図4の図面符号40参照)と、端子部40の両側に備えられた組立穴23を含むフィルタモジュール30とを含む。端子部40は、第1ケースに備えられた端子挿入口25を貫通して外部部材8、例えば、アンテナボードまたはPCBボード8の電極パッド(図面符号表記せず)とRF信号連結部31とを電気的に連結する。
【0037】
このような端子部40は、RF信号連結部31によって、図面上、その下端が支持され、上側でアンテナボードまたはPCBボード8が密着結合される時、外部部材8の一面に備えられた電極パッドに対して常時接点しながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を解消できるように弾性支持可能である。
【0038】
すなわち、本発明によるキャビティフィルタ20は、端子部40が後述のように一側端子および他側端子として分離されて備えられ、側面テンションを付加するための形状および組立公差を吸収するための具体的な構成によって、後述のように多様な実施例で実現できる。
【0039】
より詳しくは、端子部40は、図面上、上側部と下側部との間が分離される2つの部材で備えられるが、2つの部材のいずれか1つの部材の一部が他の1つの部材の一部に挿入される分離型で備えられてもよい。一般的に、端子部40が、図示しないが、一体型フィルタで備えられた場合、組立公差を解消するために、組立者による所定の組立力が供給されると、端子部40をなす一部が弾性変形する弾性体で備えられる。ただし、端子部40が一体に形成された一体型フィルタは、その一端と他端との間まで電気的な流れの断絶が予見されないことから、別途に側面テンションを付加するための別の形状設計を必要としない。しかし、端子部40が2つの部材に分離された分離型フィルタで備えられた場合、組立公差の解消は、分離された一側端子50と他側端子60とが上述した所定の組立力によって互いにオーバーラップされて移動しながら全体長さが収縮可能に備えられ、組立力が除去される時、その全体長さが伸長して復元されるように別の弾性部材80が備えられる。ただし、端子部40が一側端子50と他側端子60とに分離されて備えられることから、互いにオーバーラップされて移動する時、電気的な流れの断絶が発生する恐れがあるので、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが弾性変形体で備えられるか、側面テンションを付加するための別の形状変更が必須として要求される。
【0040】
特に、本発明の実施例によるキャビティフィルタ20では、一側端子50が組立者が提供する組立力に対抗していずれか一部が放射状に広がるか狭くなる弾性変形体で備えられることにより、上述した側面テンションの機能が実現できる。また、一側端子50である弾性変形体部位が放射状に広がるか狭くなるように形状変形することにより、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに対する接点率が低下するのを防止することができる。
【0041】
ここで、「側面テンション」という用語は、上述のように、一側端子50と他側端子60との間の電気的な流れの断絶を防止するために、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが他の1つに向かって長手方向と異なる方向に伝達する力と定義することができる。
【0042】
一方、アンテナ装置の特性上、上述した端子部40の形状変更の設計時には、上述した端子挿入口25内でのインピーダンスマッチング設計が並行されなければならないが、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例の詳細な説明では、端子挿入口25内でのインピーダンスが整合された状態であることを前提として記述する。したがって、図4以下の図面により説明する本発明によるキャビティフィルタの実施例の構成のうち、端子挿入口25内に端子部40とともに挿入される誘電体または補強プレートのような構成の外形は、インピーダンスマッチング設計によってそれぞれ異なる形状を取ることができる。
【0043】
図4は、第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図5は、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、図6は、図4の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0044】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、図4図6に示すように、外部部材8の一面(仮に、電極パッド)に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部31と、外部部材8の電極パッドとRF信号連結部31とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差の解消が可能になると同時に電極パッドとRF信号連結部との間の電気的な流れが断絶されることが防止可能な構造を有する端子部40とを含む。
【0045】
ここで、外部部材8は、図2に示すように、他面にアンテナ素子が配置されたアンテナボードまたは増幅器(Power Amplifier、PA)、デジタルボード(Digital board)およびTX Calibrationが一体のワンボード(one-board)で備えられたPCBボードのいずれか1つを通称する用語であり得る。
【0046】
以下では、図3のように、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を構成する外観構成を第1ケースおよび第2ケースに区分せず、端子挿入口25が備えられたフィルタ本体21と通称し、図面符号21で指し示す。
【0047】
フィルタ本体21には、図4および図5に示すように、端子挿入口25が中空形態で備えられてもよい。端子挿入口25の形態は、後述する複数の実施例に適用されるインピーダンスマッチング設計によって異なる形態を有することができる。
【0048】
フィルタ本体21の一面、特に、後述する端子部40のうち一側端子50が備えられた側の一面にはワッシャ設置部27が溝加工されて形成される。ワッシャ設置部27は、後述するスターワッシャ90の外側枠部位が係止されて上側に離脱することが防止されるように端子挿入口25よりも大きい内径を有するように溝加工形成されてもよい。
【0049】
同時に、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、ワッシャ設置部27に設置固定されるスターワッシャ90をさらに含むことができる。
【0050】
以下、本発明の第1実施例だけでなく、後述する本発明のすべての実施例に共通してスターワッシャ90が備えられるものとして前提して説明する。したがって、第1実施例以外の他の実施例において別途にスターワッシャ90に関する具体的な説明がなくてもこれを含むものと理解されなければならない。
【0051】
スターワッシャ90は、リング形状に備えられた固定段91がワッシャ設置部27に固定され、固定段91からアンテナボードまたはPCBボード8の電極パッド側の中心に向かって上方傾斜して形成された複数の支持段92を含むことができる。
【0052】
このようなスターワッシャ90は、組立者によってアンテナボードまたはPCBボード8に、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を組立てる場合、上述した組立穴を通した、図示しない締結部材などによる締結力に対して、複数の支持段92がアンテナボードまたはPCBボード8の一面に支持されながら弾性力を付加することができる。このような複数の支持段92の弾性力の付加は、端子部40の電極パッドに対する接触面積を均一に維持させることができる。
【0053】
また、スターワッシャ90のリング形状の固定段91が電気的な信号を伝達するように備えられた端子部40の外側を取り囲むように備えられて、一種の接地端子(Ground terminal)の役割を果たすことができる。
【0054】
さらに、スターワッシャ90は、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例のアンテナボードまたはPCBボード8の間に存在する組立公差を解消する役割を果たす。ただし、スターワッシャ90によって吸収される組立公差は、後述のように、端子挿入口25内に存在するものとして、端子部40によって吸収される組立公差とは区別される概念である。すなわち、本発明の実施例によるキャビティフィルタは、単一の組立過程で別の部材によって少なくとも2箇所で全体的な組立公差を吸収するように設計されることで、より安定的な結合をはかることができる。
【0055】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部40は、図4図6に示すように、外部部材8の電極パッドに接点する一側端子50と、RF信号連結部31としてプレート形態で延びた部位に形成されたソルダホール32に固定される他側端子60とを含むことができる。
【0056】
ここで、一側端子50の下端部の一部は、他側端子60の内部に収容される。このために、他側端子60の上端部には、一側端子50の下端部の一部が収容結合されるように下方に陥没して収容空間が形成される。
【0057】
一側端子50は、上端部51の端部位に接点部53が形成され、下端部を形成しながら組立者が提供する組立力によって弾性変形するスプリング端子部52を含むことができる。ここで、スプリング端子部52は、接点部53が形成された一側端子50の上端部51の下側から放射状に複数個が下方傾斜して延びるが、枠端部が他側端子60の収容空間の内側に形成されたスプリング設置溝64に係止固定される。
【0058】
このような構成の一側端子50は、端子挿入口25内で上下方向に移動可能に備えられた棒形態の接点端子である上端部51と、上端部51を下部から上部に弾性支持する弾性部材であるスプリング端子部52とが一体に形成された形態を取る。特に、スプリング端子部52は、先に説明したスターワッシャ90の固定段に相当する部位はそれぞれ分離され、スターワッシャ90の支持段に相当する部位が接点端子に相当する上端部51部位に一体に形成される弾性変形体で備えられる。
【0059】
これによって、組立者によって組立力が一側端子50の接点部53を介して提供されると、一側端子50の上端部51は下方に押圧されながら、スプリング端子部52が弾性変形しながら組立者が提供する組立力に対抗して放射状に広がるか狭くなる動作で端子挿入口25内に存在する組立公差を解消する。
【0060】
この時、スプリング端子部52の構成のうちスターワッシャ90の固定段に相当する部位は、組立者が提供する組立力によって弾性変形する時、他側端子60の収容空間に形成されたスプリング設置溝64の内周壁に拡張されて移動可能に設計されることが好ましい。
【0061】
一方、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、図4および図5に示すように、端子挿入口25内に備えられた端子部40との関係から、端子挿入口25の内部のインピーダンスマッチング設計のために挿入された誘電体70をさらに含むことができる。誘電体70には、他側端子60の下端部62の貫通する端子貫通ホール71が形成される。
【0062】
ここで、誘電体70は、テフロン(登録商標)(Teflon)材質であってもよい。しかし、誘電体70の材質がテフロン(登録商標)に限定されるものではなく、端子挿入口25内でのインピーダンスマッチングが可能な誘電率を有する材質であれば、いかなるものでも代替可能である。
【0063】
また、誘電体70は、下側枠端部が端子挿入口25内に形成された挿入口支持段28に係止されるように備えられることにより、端子貫通ホール71を貫通するように設けられた他側端子60を支持するように備えられて、結果として、組立者から提供される組立力によって他側端子60の下端部62がソルダ固定されているRF信号連結部31を補強する役割を果たす。
【0064】
ここで、一側端子50および他側端子60は、いずれも電気が流れる導電性材質からなることから、端子挿入口25内に配置された端子部40が2つ以上に区画されても、アンテナボードまたはPCBボード8が組立者の組立力によって一側端子50に密着するように備えられる限度で、一側端子50のスプリング端子部52の弾性変形により電気的な流れの断絶を予防することができる。
【0065】
このような構成からなる本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20の組立による組立公差吸収の過程を、添付した図面(特に、図5)を参照して説明すれば次の通りである。
【0066】
まず、図5に示すように、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20を電極パッドが備えられたアンテナボードまたはPCBボード8の一面に密着させた後、図示しない締結部材が組立穴に締結される動作で所定の締結力をキャビティフィルタ20に伝達する。しかし、必ずしもアンテナボードまたはPCBボード8の一面にキャビティフィルタ20を密着させる必要はなく、それと逆に、所定間隔で整列されているキャビティフィルタ20にアンテナボードまたはPCBボード8の一面を密着させることで組立力を伝達することも可能である。
【0067】
すると、図5に示すように、アンテナボードまたはPCBボード8と本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20との間の距離が減少すると同時にスターワッシャ90の支持段92が上述した締結力によって形状変形しながら、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20とアンテナボードまたはPCBボード8との間に存在する組立公差を一次的に吸収する。
【0068】
これと同時に、端子部40のうち一側端子50のスプリング支持段52が弾性変形して押圧されながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を二次的に吸収する。
【0069】
ここで、スプリング支持段52は、組立者から提供される組立力が前記締結手段などによって引き続き残っている間には、他側端子60の収容空間の底面に密着して備えられることから、一側端子50と他側端子60との間に電気的な流れの断絶が発生するのを防止することができる。
【0070】
図7は、本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、図8は、本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、図9は、図7の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0071】
本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部140は、図7図9に示すように、外部部材8の電極パッドに接点する一側端子150と、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32に固定される他側端子160と、一側端子150と他側端子160との間に備えられて、組立者が提供する組立力に対抗して一側端子150を弾性支持する弾性部材180とを含むことができる。
【0072】
ここで、一側端子150の下端部の一部(後述する係止支持プレート151参照)は、他側端子160の内部に収容される。このために、他側端子160の上端部には、一側端子150の下端部の一部が収容結合されるように下方に陥没して収容空間が形成される。
【0073】
一側端子150は、他側端子160の収容空間の内部に収容され、他側端子160の収容空間の内部に係止されて、一側端子150の上部離脱が防止されるように形成された係止支持プレート151と、係止支持プレート151の上面部に上側に所定長さ突出してアンテナボードまたはPCBボード8に備えられた電極パッドに接点する接点部153が形成された上端突出部152とを含むことができる。
【0074】
一方、弾性部材180は、他側端子160の収容空間の内部底面に備えられるが、一側端子150の係止支持プレート151の下面を上側に弾性支持するように備えられる。ここでの弾性部材180は、弾性変形体として、組立者の組立力が提供されて、一側端子150が下方に押圧される距離だけ一側端子150を支持する部位(後述する複数の支持段)が放射状に広がるか狭くなるように弾性支持することにより、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収する役割を果たす。
【0075】
このような弾性部材180は、略第1実施例ですでに説明したスターワッシャ90と同一の形状に形成されるが、スターワッシャ90より小さい大きさに形成されたワッシャスプリングであってもよい。したがって、ワッシャスプリングは、リング形状に備えられた固定段(図面符号表記せず)が後述するスプリング設置溝164に固定され、固定段から一側端子150の係止支持プレート151の下面中心に向かって上方傾斜して形成された複数の支持段(図面符号表記せず)を含むことができる。
【0076】
同時に、他側端子160の収容空間は、図7に示すように、一側端子150の係止支持プレート151が収容されるように上端面161が下方に陥没して形成され、弾性部材180として備えられるワッシャスプリングの固定段が固定設置されるスプリング設置溝164が形成される。
【0077】
本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20は、図7および図8に示すように、端子挿入口25内に備えられた端子部140との関係から、端子挿入口25の内部のインピーダンスマッチング設計のために挿入された誘電体170をさらに含むことができる。誘電体170には、他側端子160の下端部162が貫通する端子貫通ホール171が形成される。
【0078】
上記のように構成された本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20は、スターワッシャ90がアンテナボードまたはPCBボード8の間に存在する組立公差を解消すると同時に、弾性部材180であるワッシャスプリングによって端子挿入口25内に存在する組立公差を解消することができる。
【0079】
図10は、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、図11は、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、図12は、図10の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0080】
本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部240は、図10図12に示すように、外部部材8の電極パッドに接点する一側端子250と、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32に固定される他側端子260と、一側端子250と他側端子260との間に備えられて、組立者が提供する組立力に対抗して一側端子250を弾性支持する弾性部材280とを含むことができる。
【0081】
ここで、一側端子250の下端部の一部(後述する下端突出部251参照)は、他側端子260の内部に形成された端子ガイドホール263に収容される。このために、他側端子260の上端部には、一側端子250の下端部の一部251が収容結合されるように下方に陥没して収容空間が形成される。同時に、他側端子260の収容空間のうち底面には上述した端子ガイドホール263が形成されてもよい。
【0082】
一側端子250は、他側端子260の収容空間の内部に収容されるが、他側端子260の収容空間の内部に形成された端子ガイドホール263に挿入される下端突出部251と、アンテナボードまたはPCBボード8に備えられた電極パッドに接点する接点部253が形成された上端突出部252とを含むことができる。
【0083】
また、一側端子250は、後述のように、ワッシャスプリングで備えられた弾性部材280に係止されるように下端突出部251と上端突出部252との間に形成された係止リブ254をさらに含むことができる。
【0084】
一方、弾性部材280は、他側端子260の収容空間の内部底面に備えられるが、一側端子250を上側に弾性支持するように備えられる。ここでの弾性部材280は、弾性変形体として、組立者の組立力が提供されて、下方に押圧される距離だけ一側端子250を支持する部位(後述する複数の支持段)が放射状に広がるか狭くなるように弾性支持することにより、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収する役割を果たす。
【0085】
より詳しくは、弾性部材280は、第2実施例ですでに説明したようなワッシャスプリングで備えられる。したがって、弾性部材280は、リング形状に備えられた固定段(図面符号表記せず)が後述するスプリング設置溝264に固定され、固定段から一側端子250の係止リブ254に向かって上方傾斜して形成された複数の支持段(図面符号表記せず)を含むことができる。
【0086】
同時に、他側端子160の収容空間は、図10に示すように、一側端子250の下端突出部251が収容されるように上端面261が下方に陥没して形成され、弾性部材280として備えられるワッシャスプリングの固定段が固定設置されるスプリング設置溝264が形成される。
【0087】
このような構成からなる本発明の第3実施例によれば、一側端子250と他側端子260がいずれも導電性材質からなり、一側端子250と他側端子260との間に介在して弾性力を提供する弾性部材280であるワッシャスプリングも導電性材質からなることから、電気的な流れの断絶を防止するために、別の側面テンションを付加するためのテンション切開部を必要としない。
【0088】
一方、端子挿入口25内のインピーダンスマッチングのために挿入される誘電体270およびその他の構成は、第2実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一に備えられるので、その具体的な説明は第2実施例の説明に代える。
【0089】
図13は、本発明の第4実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図14は、図13の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図15は、図13の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0090】
本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、図13図15に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに接点可能に備えられた一側端子350と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、一側端子350の下端部の一部が収容されて固定されるように端子収容ホール(図面符号表記せず)が形成され、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子360とを含む端子部340を含むことができる。
【0091】
端子部340は、端子収容ホールの内部に介在するが、一側端子350の下面351をアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8が備えられた上側に弾性支持するばねスプリングで備えられた弾性部材380をさらに含むことができる。
【0092】
ここで、一側端子350は、図13および図14に示すように、略「U」字状に折曲げられて形成され、2つの接点面が上端に形成されるようにクリップ状に形成されてもよい。2つの接点面が上端に形成された一側端子350の接点部352は、電極パッドに対する接点面積が最小化されるようにラウンド折曲形成されることが好ましい。
【0093】
一方、本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、図13および図14に示すように、端子挿入口25内に配置され、他側端子360の貫通する端子貫通ホール397が形成された補強プレート395をさらに含むことができる。
【0094】
ここでの補強プレート395は、すでに上述した実施例においてその機能について詳しく説明したので、具体的な説明は省略する。
【0095】
本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、特に、弾性変形体としての機能を果たす一側端子350の接点部352が組立者が提供する組立力によって下方に押圧されて放射状に外側に広がるか狭くなるように弾性変形するとともに、弾性部材480によって持続的に電極パッド側に弾性支持されるように備えられることにより、接点面積が随時縮小または増加するのを防止して安定的な電気的な流れを生成できるという利点を有する。
【0096】
図16は、本発明の第5実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図17は、図16の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図18は、図16の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0097】
本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部440は、図16図18に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに接点可能に備えられた一側端子450と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、一側端子450の下端部の一部が収容されて固定されるように端子収容ホール(図面符号表記せず)が形成され、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子460とを含む端子部440を含むことができる。
【0098】
本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20は、先に説明した第4実施例によるキャビティフィルタ20と比較して、一側端子450は、接点部452に2つの接点面が突起形状に上側にさらに突出して形成された接点突起452’と、その側面451に他側端子460の端子収容ホールの内部で係止されるように突出して形成された離脱防止突起451’とをさらに含むことができる。
【0099】
接点突起452’は、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに対する接点部452の接点面積が定型化できるようにする役割を果たす。したがって、一側端子450が、第5実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち弾性部材480によって弾性支持されて電極パッドと接点する限度で、接点面積が一定に維持できる。
【0100】
その他の残りの構成は、第4実施例によるキャビティフィルタ20と同一の構成を採用したので、その具体的な説明は第4実施例の説明に代える。
【0101】
図19は、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図20は、図19の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図21は、図19の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0102】
本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部540は、図19図21に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに接点可能に備えられた一側端子550と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、一側端子550の下端部の一部が収容されて固定されるように端子収容ホール(図面符号表記せず)が形成され、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子560とを含むことができる。
【0103】
ここで、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、先に説明した第5実施例によるキャビティフィルタ20と同じく、一側端子550は、接点部552に2つの接点面が突起形状に上側にさらに突出して形成された接点突起552’と、その側面551に他側端子560の端子収容ホールの内部で係止されるように突出して形成された離脱防止突起551’とをさらに含むことができる。同時に、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、他側端子560の端子収容ホールの内部に収容配置されるが、一側端子550を内部に収容して一側端子550の外部離脱を防止する離脱防止ハウジング555をさらに含むことができる。
【0104】
離脱防止ハウジング555には、第6実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち一側端子550の接点突起552’および離脱防止突起551’が外部に突出して切開されたガイド溝部557が形成される。
【0105】
一側端子550の接点突起552’は、ガイド溝部557のうち上側556に突出して電極パッドに接点可能であり、一側端子550の離脱防止突起551’も、ガイド溝部557のうち左右側部に突出して端子収容ホールの内部に係止できる。
【0106】
離脱防止ハウジング555は、一側端子550が収容される内部空間を有するが、組立者の組立力の提供によって弾性変形する時、過度な変形によって一側端子550が降伏点(再度弾性復元されるための限界点)を超えて変形しないように保護する役割を果たす。その他の残りの構成は、第5実施例によるキャビティフィルタ20と同一の構成を採用したので、その具体的な説明は第5実施例に代える。
【0107】
図22は、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図23は、図22の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図24は、図22の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0108】
本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20において、図22図24に示すように、第6実施例によるキャビティフィルタ20の構成に加えて、離脱防止ハウジング655に形成されたガイド溝657が「+」字状に備えられてもよい。
【0109】
これは、第6実施例によるキャビティフィルタ20の端子部540において、離脱防止ハウジング555のガイド溝557が「-」字状に切開形成されたこととは異なり、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20の端子部640の場合、離脱防止ハウジング655にガイド溝657を「+」字状に切開して備えることにより、離脱防止ハウジング655自体に外力による所定の弾性復元力を付与することができる。
【0110】
その他の残りの構成は、第6実施例によるキャビティフィルタ20と同一の構成を採用したので、その具体的な説明は第6実施例の説明に代える。
【0111】
図25は、本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【0112】
これまで説明した本発明によるキャビティフィルタの多様な実施例は、一つのモジュールに製作されて、アンテナボードまたはPCBボードのような外部部材8の一面に付着する形態で実現されることに限定して説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしもこれに限定されるものではなく、図25に示すように、モジュール形態への製作の如何に関係なく、外部部材8の一面に備えられた電極パッドとの間に備えられて、他の連結部材31’との電気的な連結をはかる端子部40が備えられたコネクティング構造体1’として実現される変形実施も可能であろう。
【0113】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。
【0114】
したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能でアンテナの性能低下を防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供する。
【符号の説明】
【0116】
20:キャビティフィルタ
21:フィルタ本体
25:端子挿入口
27:設置溝
30:フィルタモジュール
31:RF信号連結部
32:ソルダホール
40:端子部
50:一側端子
60:他側端子
70:誘電体
71:端子貫通ホール
80:弾性部材
95:補強プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図25